JP6874460B2 - 離型フィルム - Google Patents

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Description

本発明は離型フィルムに関し、特に製造工程内での異物生成や異物付着が少ない離型フィルムに関する。
ポリエステルフィルムは透明性、寸法安定性、機械的特性、耐熱性、電気的特性などに優れた性質を有する。ポリエステルフィルムを基材として、シリコーン樹脂などを主成分とする離型層を設けた離型フィルムは、多くの分野で使用されている。
しかしながら、ポリエステルフィルムを基材とした離型フィルムは、課題として、帯電しやすいこと、加熱時に基材自体に含まれるポリエステルの低分子量成分が析出することが挙げられ、工業上の使用において不具合を生じることがあった。
例えば、2枚の離型フィルムで粘着層を挟み込んだ構成の基材レス粘着シートでは、一方の離型フィルムを剥離して他の部材に貼り合わせることは、一般的に用いられている。しかしながら、離型フィルムがポリエステルフィルムを基材とした場合、帯電しやすいために、剥離の際に帯電が生じる。この時の剥離帯電が、被着体である部材にダメージを与えたり、周囲の塵芥が粘着シートに付着して欠陥を生じたりすることがある。そして、粘着層と部材との間に塵芥を閉じ込めてしまい、再剥離が出来ず、欠陥を生じた製品となるおそれがあった。
また、離型フィルムの使用される用途の一例として、高温に曝されることが多くある。例えば、タッチパネルなどで使用されるITOスパッタリング層を設けた透明導電フィルムは、ITOの結晶化工程において150℃程度の熱を1時間以上かけることがある。前記透明導電フィルムの製造にあたり、粘着層と離型フィルムは、ITOの結晶化前に透明導電フィルムと積層して、ともに結晶化工程を経る場合がある。
しかしながら、ポリエステルフィルムの問題として、このような高温に曝されると、フィルム中に含有されるオリゴマー(ポリエステルの低分子量成分、特に環状三量体)が、フィルム内部から析出してくることがある。このようにして析出したオリゴマーが粘着層に移行し、粘着層の内部で結晶化して異物となることで、欠陥を生じた製品となることがあった。
以上のことから、帯電防止性を有する離型フィルム(特許文献1)、または高温環境下でも信頼性の高い離型フィルム(特許文献2,3)がこれまでに検討されてきた。
特開2007−45953号公報 特開2007−200823号公報 特開2012−150779号公報
しかしながら、近年ではさらに過酷な環境下であっても十分に使用に耐え得る離型フィルムが求められており、これまでのポリエステルフィルムを基材とした離型フィルムでは、十分に満たすことができなかった。
そこで本発明は上記実情に鑑みなされたものであって、その課題は製造工程内での帯電による異物生成やオリゴマー析出による異物付着が少ない離型フィルムを提供することにある。また離型フィルムを用いた製品に対して、異物による欠陥の発生が少ない、優れた外観をもつ製品を得ることである。
本発明者らは、上記の課題に関して鋭意検討を重ねた結果、ポリエステルフィルムからなる基材の少なくとも片面に、それぞれ特定の組成を有する第一下引き層、第二下引き層及び離型層がこの順に積層された構成とすることにより、上記課題が解決されることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、以下の[1]〜[4]に存する。
[1] ポリエステルフィルムの少なくとも片面に第一下引き層、第二下引き層、離型層の順に積層されており、前記第一下引き層は電子導電性化合物を含有しており、当該第二下引き層はアルミニウム、チタンおよびジルコニウムから選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む有機化合物、有機珪素化合物、触媒及び/又はそれらの重縮合物を含有する硬化物からなり、かつ、当該離型層はシリコーン樹脂硬化物を含有することを特徴とする離型フィルム。
[2] 前記第一下引き層にポリアルキレンオキサイド、グリセリン、ポリグリセリン、及びグリセリンもしくはポリグリセリンのアルキレンオキサイド付加物の群から選ばれる1種以上の化合物又はその誘導体を含有する[1]に記載の離型フィルム。
[3] 前記ポリエステルフィルムが多層構造を有し、第一下引き層と接する表層の厚みが2μm以上である[1]または[2]に記載の離型フィルム。
[4] [1]〜[3]のいずれかに記載の離型フィルムと粘着層とを有する離型フィルム付き粘着剤。
本発明の離型フィルムによれば、製造工程内での帯電による不具合が抑制される。また、本発明の離型フィルムによれば、高温の処理を行っても、フィルムからのオリゴマー析出が抑えられる。
このため、離型フィルムを用いた製品に対して、帯電による異物付着やオリゴマー析出による異物生成に伴う欠陥の発生がない、優れた外観を得ることが出来、その工業的な利用価値は高い。
以下、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。
[ポリエステルフィルム]
本発明では、離型フィルムの基材としてポリエステルフィルムを用いる。
かかるポリエステルとは、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸のようなジカルボン酸またはそのエステルと、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールのようなグリコールとを溶融重縮合させて製造されるポリエステルである。これらの酸成分とグリコール成分とからなるポリエステルは、通常行われている方法を任意に使用して製造することができる。
例えば、芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステルとグリコールとの間でエステル交換反応をさせるか、あるいは芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接エステル化させるかして、実質的に芳香族ジカルボン酸のビスグリコールエステル、またはその低重合体を形成させ、次いでこれを減圧下、加熱して重縮合させる方法が採用される。その目的に応じ、脂肪族ジカルボン酸を共重合しても構わない。
基材に用いるポリエステルとしては、具体的には、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート等が挙げられるが、その他にも上記の酸成分やグリコール成分を共重合したポリエステルであってもよく、必要に応じて他の成分や添加剤を含有していてもよい。
本発明におけるポリエステルフィルムは、単層構造でも多層構造でもよく、特に限定はしない。多層構造の場合は、各層を目的に応じて異なるポリエステルを用いることができる。
また、本発明のポリエステルフィルムは、オリゴマー含有量が少ないポリエステルを用いることが好ましい。オリゴマーの含有量少ないポリエステルとは、具体的にはオリゴマー(環状三量体)の含有量が0.7重量%以下であるポリエステルを指す。より好ましくは、環状三量体の含有量が0.5重量%以下である。ポリエステルフィルムを高温で加熱した場合に、オリゴマーがフィルム表面に析出してくることを抑制するためには、環状三量体の含有量が0.7重量%以下であるとより良好な効果が得られる。また、ポリエステルフィルムの表面に粘着層などが設けられた状態で加熱する場合は、環状三量体の含有量が0.5重量%以下とすることで、オリゴマーの析出量を大幅に低減できる。
前記オリゴマー含有量の少ないポリエステルの含有量としては、ポリエステルフィルムが単層構造である場合は、ポリエステルフィルム全体の80重量%以上であると好適であり、ポリエステルフィルムが多層構造である場合は、下引き層に接する表層の80重量%以上であると好適である。
また、多層構造のポリエステルフィルムの場合、表層の厚みは好ましくは1μm以上、より好ましくは2μmであり、さらに好ましくは5μm以上である。表層の厚みが1μm以上であることで、オリゴマーの析出が十分抑制される。
本発明で用いるポリエステルフィルムは、フィルムの走行性を確保したり、キズが入ることを防いだりする等の目的で粒子を含有させることができる。粒子としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、カオリン、タルク、酸化アルミニウム、酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、ゼオライト、硫化モリブデン等の無機粒子、架橋高分子粒子、シュウ酸カルシウム等の有機粒子、さらに、ポリエステル製造工程時の析出粒子等を用いることができる。
前記粒子の平均粒径や含有量はフィルムの用途や目的に応じて選択される。平均粒径(d50)は、好ましくは0.01〜3.0μm、より好ましくは0.02〜2.5μm、さらに好ましくは0.03〜2.0μmである。粒子の平均粒径が3.0μmを超えると、ポリエステルフィルムの表面粗度が非常に大きくなるために平滑性が不十分になったり、粒子がポリエステルフィルム表面から脱落し易くなったりする。一方、平均粒径が0.01μm未満では、表面粗度が非常に小さくなるため、十分な易滑性が得られないおそれがある。
前記粒子の含有量は、粒子を含有する層に対して、通常0.0003〜1.0重量%、好ましくは0.0005〜0.5重量%である。粒子の含有量が0.0003重量%未満の場合には、ポリエステルフィルムの易滑性が不十分となるおそれがあり、一方、粒子の含有量が1.0重量%を超える場合には、ポリエステルフィルムの透明性が不十分となるおそれがある。なお、ポリエステルフィルムの透明性、平滑性などを確保したい場合には、実質的に粒子を含有しない構成とすることも出来る。
またポリエステルフィルムには、顔料、染料、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、潤滑剤、帯電防止剤などの各種の添加剤を適宜配合することができる。これらの添加剤は単独で用いてもよいし、必要に応じて二種類以上を併用してもよい。
ポリエステルフィルムに粒子や添加剤を配合する場合、ポリエステルフィルム全体に加えたり、多層構造のポリエステルフィルムの一部の層のみに加えたりすることが出来る。例えば、ポリエステルフィルムが3層構成である場合、中間層には粒子を加えず、一方もしくは両方の表層に粒子を加えることで、易滑性と透明性を両立することが出来る。
本発明で用いるポリエステルフィルムの厚みは限定されないが、通常5〜500μm、好ましくは10〜300μm、より好ましくは20〜200μmである。ポリエステルフィルムの厚みが前記上限を超えると、フィルムの柔軟性が低いために、加工適性が悪化したり、離型フィルムを剥離する作業時に不具合を生じたりする場合がある。一方、ポリエステルフィルムの厚みが前記下限未満では、粘着剤の塗工や貼り合わせでシワが入るおそれがある。
本発明のポリエステルフィルムのヘーズは15%以下であることが好ましく、より好ましくは5%以下、更に好ましくは3%以下である。ヘーズを15%以下とすることで、十分な透明性を有することができるため、透明性が求められる光学用途において有効である。
[第一下引き層]
本発明では、前記ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、第一下引き層が積層されている。前記第一下引き層は、電子導電性化合物を含むことが特徴である。
電子導電性化合物としては、電子導電性有機化合物、例えばポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリイソチアナフテン、及びポリチオフェン等が挙げられる。中でも、ポリチオフェンが好ましい。
ポリチオフェンは、チオフェンもしくはチオフェン誘導体を単独又は共重合して得られる重合体であり、中でもチオフェンもしくはチオフェン誘導体からなる化合物に、他の陰イオン化合物によりドーピングされたもの、又は化合物中に陰イオン基を持ち自己ドープされたものが、優れた導電性を示しさらに好適である。
ポリチオフェンとして、より具体的には、下記一般式(1)又は(2)の化合物を、ポリ陰イオンの存在下で重合して得られるものを例示できる。
Figure 0006874460
(上記式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立して、水素または炭素数が1〜20の脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基を表す。)
Figure 0006874460
(上記式(2)中、nは1〜4の整数を表す。)
重合時に使用するポリ陰イオンとしては、有機酸、例えばポリ(メタ)アクリル酸、ポリマレイン酸、及びポリスチレンスルホン酸が例示される。また前記ポリ陰イオンは、一部又は全てが中和されていてもよい。なお、かかる重合体の製造方法としては、例えば特開平7−90060号公報に示されるような方法が採用できる。
本実施形態において、特に好ましい様態としては、上記式(2)の化合物においてn=2であり、ポリ陰イオンとしてポリスチレンスルホン酸を用いたものが挙げられる。
第一下引き層中に占める電子導電性化合物の含有量は特に限定されないが、上限は好ましくは90重量%以下、より好ましくは80重量%以下、さらに好ましくは60重量%以下である。電子導電性化合物の含有量が90重量%より高いと、塗膜の透明性が不十分となったり、帯電防止性能が不十分となったりする場合がある。一方で下限は、好ましくは1重量%以上、さらに好ましくは2重量%以上である。電子導電性化合物の含有量が1重量%以上より低いと、帯電防止性能が不十分となったり、十分な帯電防止性能を持つための塗膜が極めて厚くなったりするおそれがある。前記塗膜が厚くなりすぎると、外観・透明性の悪化や、フィルムのブロッキング、コストアップを招きやすく好ましくない傾向にある。
また第一下引き層には、ポリアルキレンオキサイド、グリセリン、ポリグリセリン、及びグリセリンもしくはポリグリセリンへのアルキレンオキサイド付加物の群から選ばれる1種以上の化合物又はその誘導体(成分X)を含有することが好ましい。前記成分Xは帯電防止の性能自体はほとんど有しない化合物であるが、前記電子導電性化合物と併用することで、第一下引きの外観及び経時的な帯電防止性能の劣化抑制効果を向上させる傾向がある。
特に、第一下引き層を後述の塗布延伸法で設ける場合、通常、前記電子導電性化合物はその剛直な性質から、延伸によって塗膜構造の断裂を生じ、帯電防止性能を失ってしまう場合がある。しかし、前記電子導電性化合物に前記成分を組み合わせることで、延伸後にも帯電防止性能が失われないという効果を奏する傾向がある。
ポリアルキレンオキサイド又はその誘導体として好ましいものは、エチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド骨格を含んだ構造が挙げられる。アルキレンオキサイド構造中のアルキル鎖が長くなりすぎると、疎水性が強くなり、塗布液中での均一な分散性が悪化し、第一下引き層の帯電防止性や透明性が悪化する傾向がある。特に好ましいものはエチレンオキサイドである。
グリセリン及びポリグリセリンとしては、下記一般式(3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006874460
上記式(3)中のnが1の化合物がグリセリンであり、nが2以上の化合物はポリグリセリンである。本実施形態においては、式中のnは、1〜20の範囲が好ましく、より好ましくは2〜20の範囲である。より高い透明性が求められる場合、ポリグリセリンを用いることが好ましい。
また、グリセリンもしくはポリグリセリンへのアルキレンオキサイド付加物とは、すなわち、一般式(3)で表されるグリセリンもしくはポリグリセリンのヒドロキシル基にアルキレンオキサイド又はその誘導体を付加重合した構造を有するものである。ここで、グリセリンもしくはポリグリセリン骨格のヒドロキシル基ごとに、付加されるアルキレンオキサイド又はその誘導体の構造は異なっていても構わない。また、分子中に少なくとも一つのヒドロキシル基に付加されていればよく、全てのヒドロキシル基にアルキレンオキサイド又はその誘導体が付加されている必要性は必ずしもない。
また、グリセリンもしくはポリグリセリンに付加されるアルキレンオキサイド又はその誘導体として好ましいものは、エチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド骨格を含んだ構造である。アルキレンオキサイド構造中のアルキル鎖が長くなりすぎると、疎水性が強くなり、塗布液中での均一な分散性が悪化し、第一下引き層の帯電防止性や透明性が悪化する傾向がある。特に好ましいものはエチレンオキサイドである。
本発明において、特に好ましい様態としては、ポリグリセリン、及びグリセリンもしくはポリグリセリンへのアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。ポリグリセリン、及びグリセリンもしくはポリグリセリンへのアルキレンオキサイド付加物を用いることで、より良好な外観を得ることができる。
ポリグリセリンとしては、上記式(3)の化合物において、nが2〜20のものが特に好ましい。また、グリセリンもしくはポリグリセリンへのアルキレンオキサイド付加物(b4)としては、上記式(3)の化合物においてnが2のものにエチレンオキサイド、ポリエチレンオキサイドを付加した構造のものが特に好ましく、また、その付加数は、最終的な化合物としての重量平均分子量で300〜2000の範囲になるものが特に好ましい。
また、グリセリンもしくはポリグリセリンへのアルキレンオキサイド付加物において、グリセリンもしくはポリグリセリン部分に対するアルキレンオキサイド又はその誘導体の共重合比率は特に限定されない。中でも分子量比で、グリセリンもしくはポリグリセリン部分を1とした時に、アルキレンオキサイド部分が20以下であることが好ましく、より好ましくは10以下である。グリセリンもしくはポリグリセリン部分に対するアルキレンオキサイド又はその誘導体の比率が20以下とすることで、グリセリンもしくはポリグリセリン部分、およびアルキレンオキサイド部分それぞれの物性が生かされるため、十分に良好な外観を得ることができる傾向がある。
第一下引き層中に占める前記成分Xの含有量は限定されないが、上限は好ましくは80重量%以下、より好ましくは75重量%以下、さらに好ましくは70重量%以下である。成分Xの含有量が80重量%より高いと、第一下引き層における経時的な帯電防止性能が低下する場合がある。また成分Xの下限は好ましくは5重量%以上、より好ましくは20重量%以上、さらに好ましくは40重量%以上である。成分Xの含有量が5重量%より低いと、外観および透明性が悪化するおそれがある。
第一下引き層を設ける際、ポリエステルフィルム(基材)への塗布性を改良するために、界面活性剤が含まれていてもよい。中でもその構造中に前記成分Xを含むものは、十分な帯電防止性を確保できるためより好ましい。
第一下引き層を設ける際、必要に応じて、上述の成分以外の物質が含まれていてもよい。例えば、バインダー、粒子、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、pH調整剤、染料、顔料等が具体的に挙げられる。前記添加剤は単独で用いてもよいが、必要に応じて二種以上を併用してもよい。
例えば、バインダーとして、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂などが具体的に挙げられる。前記バインダーを用いると、第一下引き層の塗膜の強度、耐水性、および耐溶剤性を付与することが出来る。なお、前記バインダーと前記電子導電性化合物との相溶性が悪い場合、混合する前に前記電子導電性化合物は中和等によってpH調整をしておくことが好ましい。
また第一下引き層の厚みは、最終的に基材であるポリエステルフィルム上の皮膜厚みであり、通常は0.005〜1.5μmである。好ましくは0.008〜1.0μm、さらに好ましくは0.01〜0.5μmである。前記厚みが0.005μmより薄いと十分な帯電防止の性能が得られない場合があり、一方、前記厚みが1.5μmを超えると、第一下引き層は外観および透明性の悪化、フィルムのブロッキング、第二下引き層の強度低下を招くおそれがある。
なお、第一下引き層の厚みは、第一下引き層を設けたフィルムをルテニウム化合物やオスミウム化合物等の重金属を用いて染色を行い、超薄切片法により塗布フィルムの断面を調整した後、透過型電子顕微鏡にてフィルム断面の第一下引き層を複数個所観測する。その実測値を平均化することで、第一下引き層の厚みを確認することができる。
[第二下引き層]
本発明における第二下引き層は、アルミニウム、チタンおよびジルコニウムから選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む有機化合物、有機珪素化合物、触媒及び/又はそれらの重縮合物を含有する硬化物からなるものである。
前記金属元素を含む有機化合物は、1種類のみを用いてもよく、適宜2種類以上を混合して用いてもよい。
アルミニウム元素を含む有機化合物の具体例としては、アルミニウムトリス(アセチルアセトネ−ト)、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウム−ジ−n−ブトキシド−モノエチルアセトアセテート、アルミニウム−ジ−イソ−プロポキシド−モノメチルアセトアセテート等が例示される。
チタン元素を含む有機化合物の具体例としては、例えば、テトラノルマルブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、テトラメチルチタネート等のチタンオルソエステル類;チタンアセチルアセトナート、チタンテトラアセチルアセトナート、ポリチタンアセチルアセトナート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテート、チタントリエタノールアミネート、チタンエチルアセトアセテート等のチタンキレート類等が挙げられる。
ジルコニウム元素を含む有機化合物の具体例としては、例えば、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムノルマルプロピレート、ジルコニウムノルマルブチレート、ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、ジルコニウムモノアセチルアセトナート、ジルコニウムビスアセチルアセトナート等が挙げられる。
その中でも、オリゴマー析出防止性能が良好となる観点でキレート構造を有する有機化合物が好ましい。なお、「架橋剤ハンドブック」(山下晋三、金子東助 編者、(株)大成社、平成2年版)にも具体的に記載されている。
第二下引き層は、有機珪素化合物が含まれていることによって、良好なオリゴマー析出防止性と共に、離型層とポリエステルフィルムとの塗膜密着性が良好となる。有機珪素化合物としては、下記一般式(4)で表されるものが好ましい。
Si(X)(Y)(R …(4)
(上記式中、Xはエポキシ基、メルカプト基、(メタ)アクリロイル基、アルケニル基、ハロアルキル基およびアミノ基から選ばれる少なくとも1種を有する有機基、Rは炭素数1〜10の一価炭化水素基であり、Yは加水分解性基である。dは1または2の整数、eは2または3の整数、fは0または1の整数であり、d+e+f=4である。)
前記一般式(4)で表される有機珪素化合物は、加水分解および縮合反応により、シロキサン結合を形成しうる加水分解性基Yを2個有するもの(D単位源)あるいは3個有するもの(T単位源)を使用することができる。一般式(4)において、Rは、特にメチル基、エチル基、プロピル基が好ましい。加水分解性基Yとしては、従来公知のものが使用可能で、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソプロペノキシ基、アセトキシ基、ブタノキシム基およびアミノ基等を例示できる。これらの加水分解性基は、単独あるいは複数種使用してもよい。メトキシ基あるいはエトキシ基を適用すると、コーティング材に良好な保存安定性を付与でき、また適当な加水分解性があるため、特に好ましい。
本発明において、第二下引き層を構成する有機珪素化合物としては、従来公知のものを使用することができる。具体的には、ビニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3, 4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、5−ヘキセニルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシラン等を例示することができる。
本発明において、第二下引き層には加水分解および縮合反応促進を目的として、触媒を用いる。触媒の具体例としては、酢酸、酪酸、マレイン酸、クエン酸などの有機酸類;塩酸、硝酸、リン酸、硫酸などの無機酸類;トリエチルアミンなどの塩基性化合物類;テトラブチルチタネート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジオレート、ジフェニル錫ジアセテート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジメトキサイド、ジブチルビス(トリエトキシシロキシ)錫、ジブチル錫ベンジルマレート等などの有機金属塩類;KF、NHFなどのフッ素元素含有化合物などを挙げることができる。上記触媒は単独で使用しても良くあるいは2種類以上を併用してもよい。その中でも、特に塗膜耐久性が良好となる点で有機金属塩類が好ましく、さらに好ましくは触媒活性が長時間持続可能な点で錫触媒を用いるのが好ましい。
さらに第二下引き層の固着性、滑り性改良を目的として、無機粒子を含有してもよい。具体例としてはシリカ、アルミナ、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン、バリウム塩等が挙げられる。
第二下引き層は、必要に応じて消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、有機系潤滑剤、有機系高分子粒子、酸化防止剤、紫外線吸収剤発泡剤、染料等が含有されてもよい。
また、本発明の要旨を越えない範囲において、分散性改良、造膜性改良等のために、塗布液としては有機溶剤を使用してもよい。使用する有機溶剤の種類は特に限定されず、一種類のみでもよく、適宜、二種類以上を使用してもよい。
第二下引き層の厚みは、最終的に基材であるポリエステルフィルム上の皮膜厚みとして、通常は0.005〜1μmであり、好ましくは0.005〜0.5μmである。前記厚みが0.005μm未満の場合には、厚みの均一性が不十分な場合があり、熱処理後に離型フィルム表面から多くのオリゴマーが析出されるおそれがある。一方、前記厚みが1μmを超える場合には、滑り性低下等の不具合が生じるおそれがある。
なお、第二下引き層の厚みは、第一下引き層と同様の方法によって確認することができる。
[離型層]
本発明では、上述のようにして得られたポリエステルフィルム上の第一下引き層、第二下引き層の上に更にシリコーン樹脂硬化物を含有する離型層を設ける。離型層は、硬化型シリコーン樹脂を主成分とするタイプでもよいし、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等の有機樹脂とのグラフト重合等による変性シリコーン樹脂等を使用してもよい。
硬化型シリコーン樹脂の種類としては、付加型、縮合型、紫外線硬化型、電子線硬化型、無溶剤型等いずれの硬化反応タイプでも用いることができる。
具体例を挙げると、信越化学工業社製のKS−774、KS−775、KS−778、KS−779H、KS−847H、KS−856、X−62−2422、X−62−2461;ダウ・コーニング・アジア社製のDKQ3−202、DKQ3−203、DKQ3−204、DKQ3−205、DKQ3−210;東芝シリコーン社製のYSR−3022、TPR−6700、TPR−6720、TPR−6721;東レ・ダウコーニング社製のSD7220、SD7226、SD7229等が挙げられる。さらに離型層の剥離性等を調整するために剥離コントロール剤を併用してもよい。
[離型フィルム]
本発明の離型フィルムにおいて、離型層面の表面固有抵抗は、1.0×1010Ω以下が好ましく、1.0×10Ω以下がより好ましい。離型層面の表面固有抵抗が1.0×1010Ω以下であることによって、離形フィルムに十分な帯電防止性を有することができる。前記表面固有抵抗は、第一下引き層の組成、厚み等を調整することによって達成することができる。
一方、離型層面の表面固有抵抗の下限は特に限定されないが、10Ω以上がより好ましい。
本発明の離型フィルムの剥離層面の剥離力について、粘着テープ(日東電工社製、No.31Bテープ、基材厚み25μm)との剥離力は20mN/cm以下が好ましい。前記剥離力が20mN/cm以下であれば、離型フィルム付き粘着剤として用いた場合、離型フィルムと粘着層とを剥がす際に、粘着層の変形などのエラー発生が抑制される。前記剥離力は、第二下引き層および離型層の組成、厚み等を調整することによって達成することができる。
本発明の離型フィルムを使用する態様は何ら限定されるものではないが、粘着層との積層体とすることにより、離型フィルム付き粘着剤として使用することが、好ましい態様の一つである。また、粘着層の両面に離型フィルムを設けることも好ましい。ここで用いられる粘着層の材質、厚み等には何ら制限は無く、公知の粘着剤を適宜選択して用いることが出来る。
[製造方法]
本発明の離型フィルムの製造例について具体的に説明するが、以下の製造例に何ら限定されるものではない。
<ポリエステルフィルムの製造方法>
最初に、前述のポリエステル原料を使用し、押出機のダイから押し出された溶融シートを冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法が好ましい。この場合、シートの平面性を向上させるためシートと回転冷却ドラムとの密着性を高める必要があり、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。
次に得られた未延伸シートは、少なくとも一軸以上に延伸されることが好ましく、中でも二軸延伸されていることが好ましい。ポリエステルフィルムが少なくとも一軸以上に延伸されることによって、十分な機械的強度、寸法安定性が得られる。また離型フィルムとして使用する場合、製造工程内での不具合の発生を十分抑制することができる。
延伸条件について、特に制限はない。例えば、ロール延伸法により、未延伸シートを長手方向(縦方向)に70〜145℃で2〜6倍に延伸して、一軸延伸ポリエステルフィルムを得、次いで、テンター内で先の延伸方向とは直角方向(幅方向)に80〜160℃で2〜6倍に延伸し、さらに、150〜250℃で1〜600秒間熱処理を行うことで二軸延伸フィルムが得られる。この際、熱処理のゾーンおよび/または熱処理出口のクーリングゾーンにおいて、縦方向および/または幅方向に0.1〜20%弛緩する方法がより好ましい。
<第一下引き層の製造方法>
ポリエステルフィルムに第一下引き層を設ける方法としては、例えば、「コーティング方式」(原崎勇次著、槙書店、1979年発行)に示されるような塗布技術を用いることができる。具体的には、エアドクターコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、含浸コーター、リバースロールコーター、トランスファロールコーター、グラビアコーター、キスロールコーター、キャストコーター、スプレイコーター、カーテンコーター、カレンダコーター、押出コーター等のような技術が挙げられる。
なお、塗布剤のフィルムへの塗布性、接着性を改良するため、塗布前にフィルムに化学処理やコロナ放電処理、プラズマ処理等を施してもよい。
本発明における第一下引き層は、製膜したポリエステルフィルム(基材)に後から塗布層(第一下引き層)を設けるオフラインコーティングと、ポリエステルフィルム(基材)の製膜中に塗布層(第一下引き層)を設けるインラインコーティングとのいずれも採用することが出来る。中でもインラインコーティング、特に塗布後に延伸を行う塗布延伸法により設けられることが好ましい。
インラインコーティングは、ポリエステルフィルム製造の工程内でコーティングを行う方法であり、具体的には、ポリエステルを溶融押出ししてから二軸延伸後熱固定して巻き上げるまでの任意の段階でコーティングを行う方法である。通常は、溶融・急冷して得られる実質的に非晶状態の未延伸シート、その後に長手方向(縦方向)に延伸された一軸延伸フィルム、熱固定前の二軸延伸フィルムの何れかにコーティングする。
特に塗布延伸法としては、一軸延伸フィルムにコーティングした後に幅方向に延伸する方法が優れている。かかる方法によれば、基材の製膜と塗布層塗設を同時に行うことができるため製造コスト上のメリットがある。また、二軸延伸される前のポリエステルフィルム上を、まず塗布層を構成する樹脂層で被覆し、その後フィルムと塗布層を同時に延伸することで、基材フィルムと塗布層が強固に密着することになる。一方で、塗布層が基材のフィルムと共に延伸されることになるため、塗布層が細かく割れることがある。塗布層の目的によっては、この細かい割れによって所望の性能が得られないことがあるため、使用される材料の組み合わせ等によって上記の製造方法から最適な方法を選択するとよい。
塗布延伸法の場合、用いる塗布液は、取扱い上、作業環境上、安全上の理由から水溶液または水分散液であることが望ましいが、本発明の要旨を越えない範囲で、水を主たる媒体とした上で有機溶剤を含有していてもよい。
<第二下引き層の製造方法>
第一下引き層の上に第二下引き層を設ける方法として、上述の第一下引き層の製造方法と同様に従来公知の塗工方法を用いることができる。
本発明において、第一下引き層の上に第二下引き層を形成する際の硬化条件に関しては特に限定されない。通常は100℃以上の熱処理を与え、好ましくは120〜200℃で3〜40秒間、さらに好ましくは120〜160℃で3〜40秒間を目安として熱処理を行う。熱処理に関して、100℃以上で加熱処理されない場合、第一下引き層または第二下引き層の硬化が不十分であるために離型層の剥離力の変動が大きくなったり、オリゴマーの析出量が多くなったりと好ましくない傾向にある。また、必要に応じて熱処理と紫外線照射等の活性エネルギー線照射とを併用してもよい。
<離型層の製造方法>
第二下引き層の上に離型層を設ける方法として、上述の第一下引き層および第二下引き層の製造方法と同様に従来公知の塗工方式を用いることができる。
本発明における離型層の塗布量は、離型層形成後の乾燥被膜として、通常0.01〜1g/mの範囲である。塗布量が0.01g/m未満の場合、均一な離型性を得ることが難しくなる場合がある。一方、塗布量が1g/mを超える場合、ブロッキングなどの問題が生じてくる場合がある。離型層の塗布量は、塗布液の重量濃度と塗布面積、塗布液の使用量から計算できる。
なお、透過型電子顕微鏡にて断面から離型層の厚みを確認し、比重で割ることで塗布量を求めることもできる。一般的に硬化性シリコーンの比重は0.9〜1.2程度が多い。厚みが0.1μmの離型層の塗布量は、比重が1の時、0.1g/mである。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例における評価方法は下記のとおりである。
(1)ポリエステルの極限粘度
ポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(2)ポリエステル原料に含有されるエステル環状三量体の含有量測定方法
ポリエステル原料を約200mg秤量し、クロロホルム/HFIP(ヘキサフルオロ−2−イソプロパノル)の比率3:2の混合溶媒2mlに溶解させた。溶解後、クロロホルム20mlを追加した後、メタノール10mlを少しずつ加えた。沈殿物を濾過により除去し、更に、沈殿物をクロロホルム/メタノールの比率2:1の混合溶媒で洗浄し、濾液・洗浄液を回収し、エバポレーターにより濃縮、乾固させた。乾固物をDMF(ジメチルホルムアミド)25mlに溶解後、この溶液を液体クロマトグラフィー(島津製作所社製、「LC−7A」)に供給して、DMF中のオリゴマー量を求め、この値をポリエステル原料量で割って、含有オリゴマー量(重量%)とした。DMF中のオリゴマー量は、標準試料ピーク面積と測定試料ピーク面積のピーク面積比より求めた。(絶対検量線法)
標準試料の作成は、予め分取したオリゴマー(環状三量体)を正確に秤量し、正確に秤量したDMFに溶解し作成した。標準試料の濃度は、0.001〜0.01mg/mlの範囲となるよう調整した。なお、液体クロマトグラフの条件は下記の通りとした。
移動相A:アセトニトリル
移動相B:2%酢酸水溶液
カラム:三菱化学(株)製「MCI GEL ODS 1HU」
カラム温度:40℃
流速:1ml/分
検出波長:254nm
(3)平均粒径(d50:μm)
遠心沈降式粒度分布測定装置(島津製作所社製、SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
(4)厚み(第一下引き層、第二下引き層、離型層)
包埋樹脂でフィルムを固定した断面をミクロトームで切断し、2%オスミウム酸で60℃、2時間染色して試料を調整した。得られた試料を、透過型電子顕微鏡(日本電子社製、JEM2010)で観察し、厚みを測定した。フィルムの計15箇所を測定し、数値の大きい方から3点と、小さい方から3点を除いた9点の平均を厚みとした。
(5)離型フィルムの外観
得られた離型フィルムを、暗室下でハロゲンライトを用いて目視で離型層面から見た外観を評価した。以下の評価基準で判断して、3以上を合格とした。
<評価基準>
5:外観上の欠陥が全く無い
4:ムラ状の外観欠陥が僅かに認められるが、外観が良好
3:ムラ状の外観欠陥が認められ、外観が普通
2:ムラ状の外観欠陥がやや多く認められ、外観がやや悪い
1:ムラ状の外観欠陥が多く認められ、外観が悪い
(6)ラブオフテスト
離型フィルムを23℃、50%RHの室内に30日間放置後、離型層面を指先で数回摩擦し、離型層面の状態を以下の評価基準で判断し、密着性の目安とした。
<評価基準>
○:フィルム表面に変化が見られず良好
×:フィルム表面に指で擦った痕が見られ、剥離力も変化している
(7)表面固有抵抗(Ω)
低抵抗率計(三菱化学社製、ロレスタGP MCP−T600)を使用し、23℃,50%RHの測定雰囲気で離型フィルムの試料を30分間調湿後、離型層面の表面固有抵抗を測定した。
試料の抵抗値が高く、測定不可の場合は、高抵抗測定器(日本ヒューレット・パッカード社製、HP4339B)および測定電極(日本ヒューレット・パッカード社製、HP16008B)を使用し、23℃,50%RHの測定雰囲気で離型フィルムの試料を30分間調湿後、離型層面の表面固有抵抗を測定した。
(8)剥離力
離型フィルム試料の離型層面に粘着テープ(日東電工社製、No.31Bテープ、基材厚み25μm)を貼り付けた後、100℃の熱風循環式恒温槽にて1時間加熱し、恒温槽から取り出した後、23℃で30分放置後の剥離力を測定した。剥離力は、引張試験機(インテスコ社製、「インテスコモデル2001型」)を使用し、引張速度300mm/分の条件下、180°剥離試験を行った。
(9)粘着層光学欠陥検査1
離型フィルムの離型層面に、アクリル系粘着剤(日本合成化学工業製、コーポニールN−2233)を乾燥後の厚みが3μmになるように塗布し、粘着層を設けた。この粘着層を介し、離型フィルムをガラス板に貼り付けた後、160℃で2.5時間加熱した。その後、粘着層内に生じた異物を光学顕微鏡下で検査した。検査は、100mm×100mmの面積を試料の任意の箇所から12箇所選択し、大きさが5μm以上の異物の個数をカウントした。全12箇所の検査範囲のうち、異物の個数が最も多かった2箇所を除き、10箇所の検査範囲内での異物の個数の合計を算出し、以下の評価基準で判断した。
<評価基準>
○:異物が見つからない
△:異物が1個以上、3個未満(実用上やや問題になる)
×:異物が3個以上(実用上問題になる)
(10)粘着層光学欠陥検査2
上記粘着層光学欠陥検査1と同様の処理を施し、160℃で2.5時間加熱した試験片から離型フィルムを剥離し、さらにガラス板に貼り付けて、2枚のガラス板で粘着層が挟まれた状態の試験片を作成した。次にこの試験片を60℃、95%RHの環境下で10日間エージング処理を行った。このエージング処理により、粘着層に溶解していたオリゴマーが結晶成長し、より異物として顕在化しやすくなる。この試験片の粘着層内に生じた異物を光学顕微鏡下で検査した。検査は、100mm×100mmの面積を試料の任意の箇所から12箇所選択し、大きさが5μm以上の異物の個数をカウントした。全12箇所の検査範囲のうち、異物の個数が最も多かった2箇所を除き、10箇所の検査範囲内での異物の個数の合計を算出し、以下の評価基準で判断した。
<評価基準>
○:異物が見つからない
△:異物が1個以上3個未満(実用上やや問題になる)
×:異物が3個以上(実用上問題になる)
実施例および比較例で使用したポリエステルは、以下の通りである。
<ポリエステル1>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04重量部を添加した後、三酸化アンチモン0.04重量部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度が0.63dl/gに相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステル1の極限粘度は0.63dl/g、オリゴマー(環状三量体)の含有量は0.97重量%であった。
<ポリエステル2>
ポリエステル1を、予め160℃で予備結晶化させた後、温度220℃の窒素雰囲気下で固相重合し、極限粘度が0.75dl/g、オリゴマー(環状三量体)含有量が0.46重量%のポリエステル2を得た。
<ポリエステル3>
ポリエステル1の製造方法において、エチルアシッドフォスフェート0.04部を添加後、エチレングリコールに分散させた平均粒子径(d50)が1.6μmのシリカ粒子を0.3重量部、三酸化アンチモン0.04重量部を加えて、極限粘度が0.65dl/gに相当する時点で重縮合反応を停止した以外は、ポリエステル1の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル3を得た。得られたポリエステル3は、極限粘度が0.65dl/g、オリゴマー(環状三量体)含有量が0.91重量%であった。
第一下引き層を設けるための塗布液に含有する組成物は以下を用いた。
(A1):ポリ(エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホン酸) (H.C.スタルク社製、Baytron P AG)
(B1):前記式(3)でn=2であるポリグリセリン骨格への、ポリエチレンオキサイド付加物。(平均分子量350)
(B2):ポリビニルアルコール。(けん化度88モル%、重合度500)
(J1):テレフタル酸/イソフタル酸/スルホイソフタル酸/エチレングリコール/ネオペンチレングリコールがモル比で49/49/2/50/50であるスルホン酸基導入水分散ポリエステル樹脂
(J2):テレフタル酸/イソフタル酸/エチレングリコール/ネオペンチルグリコールを282重量部/282重量部/62重量部/250重量部を成分とするポリエステルポリオールを876重量部と、トリレンジイソシアネート244重量部、エチレングリコール81重量部、およびジメチロールプロピオン酸67重量部を構成成分としたポリエステルポリウレタンをアンモニアで中和して水分散させた物
(E1):下記式(5)に示す、側鎖にポリエチレンオキサイドを有する構造のノニオン性界面活性剤。(m+n=10となるものを用いた)
Figure 0006874460
第二下引き層を設けるための塗布液に含有する組成物は以下を用いた。
(S1):下記(Sa)、(Sb)、(Sc)を19.5重量%、80重量%、0.5重量%の割合で配合した混合物を、トルエン/メチルエチルケトン混合溶媒(混合比率は1:4)にて希釈し、当該混合物の濃度が4重量%とした。
(Sa):アルミニウムトリス(アセチルアセトネ−ト)
(Sb):γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
(Sc):ジブチル錫ジアセテート
(S2): エチル化メチロールメラミン(酸触媒含有)
離型層の組成物は以下を用いた。
<離型層組成物1>
下記(R1)を50重量部、(R2)を1重量部、メチルエチルケトン/トルエン/n−ヘプタン混合溶媒(混合比率は1/2/2)を800重量部
(R1):硬化型シリコーン樹脂(東レ・ダウコーニング社製、LTC303E)
(R2):硬化剤(東レ・ダウコーニング社製、SRX212)
<離型層組成物2>
下記(R3)を48重量部、(R4)を1重量部、メチルエチルケトン/トルエン/n−ヘプタン混合溶媒(混合比率は1/2/2)を820重量部
(R3):硬化型シリコーン樹脂(信越化学工業社製、KS−847H)
(R4):硬化剤(信越化学工業社製、CAT−PL−50T)
[実施例1]
ポリエステル2とポリエステル3とを重量比で93/7でブレンドしたものをA層、ポリエステル1のみのものをB層の原料として、二台のベント式二軸押出機にそれぞれを供給した。285℃で加熱溶融を行い、A層を表層、B層を中間層とする二種三層(A層/B層/A層)の層構成で共押出し、静電密着法を用いて表面温度が40〜50℃の鏡面冷却ドラムに密着させながら冷却固化させて、厚み構成比がA層/B層/A層=2.5/33/2.5となる未延伸ポリエチレンテレフタレートシートを作成した。
前記シートを85℃の加熱ロール群を通過させながら長手方向に3.7倍延伸し、一軸延伸フィルムとした。得られた一軸延伸フィルムの片面に、表1に示すとおりの第一下引き層の塗布液を塗布した。次いで前記一軸延伸フィルムをテンター延伸機に導き、第一下引き層の塗布液の乾燥、および熱処理を行いつつ、100℃で幅方向に4.0倍延伸し、さらに230℃で熱処理を施した後、幅方向に2%の弛緩処理を行った。こうして、厚みが38μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの上に、厚みが0.04μmの第一下引き層を設けた積層ポリエステルフィルムを得た。
得られたフィルムの第一下引き層の上に第二下引き層を設けるために、表1に示す第二下引き層の塗布液を塗布し、130℃で30秒間乾燥および熱処理をした。第二下引き層の乾燥後の厚みは表1に示す。
さらに第二下引き層の上に離型層組成物1を、乾燥後の塗布量が0.1g/mになるように、リバースグラビアコート方式により塗布した後、150℃で30秒間乾燥および熱処理をして離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの諸特性を評価した結果を表2に示す。
[実施例2]
第一下引き層の塗布液の組成を表1に示す通りに変更した。この時、成分(A1)は最初にイオン交換水で2倍に希釈させた後、10%アンモニア水でpHが8になるまで中和させた。中和後に他の成分と混合させて塗布液を得た。上記以外は実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの諸特性を評価した結果を表2に示す。
[実施例3]
第一下引き層の塗布液を表1に示す通りに変更した。なお、成分(A1)は最初にイオン交換水で2倍に希釈させた後、10%アンモニア水でpHが8になるまで中和させた。中和後に他の成分と混合させて塗布液を得た。また離型層の塗布液を離型層組成物2に変更した。上記以外は実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの諸特性を評価した結果を表2に示す。
[実施例4]
ポリエステルフィルムについて、ポリエステル1とポリエステル3とを重量比で90/10で混合したものをA層(表層)の原料として用いた。また第一下引き層の塗布液を表1に示す通りに変更した。また離型層の塗布液を離型層組成物2に変更した。上記以外は実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの諸特性を評価した結果を表2に示す。
[実施例5]
第一下引き層の組成物を表1に示す通りに変更した以外は実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの諸特性を評価した結果を表2に示す。
[比較例1]
第一下引き層の組成物を表1に示す通りに変更した。また第二下引き層の成分と厚みを表1に示す通りに変更した。また離型層の塗布液を離型層組成物2に変更した。上記以外は実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。
得られた離型フィルムの諸特性を評価した結果を表2に示す。第二下引き層に金属元素を含む有機化合物、有機珪素化合物、触媒及び/又はそれらの重縮合物が含まれていないため、離型フィルムの剥離力は悪化し、離型層面は経時変化を起こした。
[比較例2]
第一下引き層を設けなかった以外は実施例3と同様にして離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの諸特性を評価した結果を表2に示す。第一下引き層が設けられておらず、表面固有抵抗が高いため、帯電しやすく、異物が付着しやすい離型フィルムとなった。
[比較例3]
第一下引き層の組成物を表1に示す通りに変更して、第二下引き層を設けなかった。上記以外は実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの諸特性を評価した結果を表2に示す。第二下引き層が設けられていないため、生成された異物が粘着層光学欠陥検査で検出された。
Figure 0006874460
Figure 0006874460
本発明の離型フィルムは、特に各種工業製品等の製造工程内での異物生成や異物付着による欠陥を避ける必要がある用途に用いる離型フィルムとして、好適に利用することができる。

Claims (3)

  1. ポリエステルフィルムの少なくとも片面に第一下引き層、第二下引き層、離型層の順に積層されており、
    当該第一下引き層はチオフェンもしくはチオフェン誘導体からなる化合物に、他の陰イオン化合物によりドーピングされたもの、又は化合物中に陰イオン基を持ち自己ドープされたものと、
    ポリアルキレンオキサイド、グリセリン、ポリグリセリン、及びグリセリンもしくはポリグリセリンのアルキレンオキサイド付加物の群から選ばれる1種以上の化合物又はその誘導体とを含有しており、
    当該第二下引き層はアルミニウム、チタンおよびジルコニウムから選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む有機化合物、有機珪素化合物、触媒及び/又はそれらの重縮合物を含有する硬化物からなり、
    かつ当該離型層はシリコーン樹脂硬化物を含有することを特徴とする離型フィルム。
  2. 前記ポリエステルフィルムが多層構造を有し、第一下引き層と接する表層の厚みが2μm以上である請求項1に記載の離型フィルム。
  3. 請求項1又は2に記載の離型フィルム粘着層および透明導電フィルムを積層した積層体
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