JP6873646B2

JP6873646B2 - 画像形成装置

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Inventors: 康弘 ▲高▼橋
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Description

本発明は、記録材に画像を形成する画像形成装置に関する。

画像形成装置は、記録材となるシートを保持するためのシート保持部として、給送カセットや手差しトレイ等を備えている。シート保持部に載置されたシートの属性（例えばシートサイズ、シート向き、シート種類）は、例えば画像形成装置の操作部を介してユーザーが設定操作を行うことで、画像形成装置の制御ユニットによって認識される。そして、画像形成ジョブが投入された場合には、通常、画像形成ジョブによって指定されたシート属性情報が、シート保持部について設定されたシート属性情報に適合するかどうか判定された上で画像形成ジョブが実行される。

特許文献１には、手差しトレイについて、画像形成ジョブの実行中に用紙が不足した場合には、用紙サイズ等の用紙情報の再設定を省略可能とした画像形成装置が開示されている。この画像形成装置は、ユーザーが不足分の用紙を補充した際に、用紙情報の再設定を要求されないように構成することにより、ユーザーの操作負担の軽減が図られている。

特開２０１５−３４７６号公報

ところで、画像形成ジョブには、ページ記述言語（ＰａｇｅＤｅｓｃｒｉｐｔｉｏｎＬａｎｇｕａｇｅ、以下ＰＤＬとする）によって記述され、ホストコンピュータから画像形成装置に送信されるＰＤＬジョブが含まれる。しかし、ＰＤＬジョブを画像形成装置に投入する場合、ユーザーは、ドライバソフトウェアを介したシート属性情報の設定操作と、画像形成装置の操作部を介したシート属性情報の設定操作の両方を行う必要があった。

そこで、上記文献のようにシート不足の場合にのみシート属性情報の入力を省略可能とする構成に限らず、ＰＤＬジョブの場合には、ＰＤＬジョブに含まれているシート属性情報を優先的に用いてジョブを実行するモードを設けることが考えられる。このようなモードを採用した場合、操作部に対する設定操作が省略可能となるため、ＰＤＬジョブを実行する際のユーザーの操作負担を軽減することが期待できる。

しかしながら、全ての場合にＰＤＬジョブに含まれるシート属性情報を一律に使用した場合には、ユーザーの期待する出力画像が得られない場合があった。即ち、短辺送り方向及び長辺送り方向のどちらでも載置可能なサイズのシートを使用する場合等に、ＰＤＬジョブに含まれるシート向きと、シート保持部に載置されたシートの向きとが異なる場合があった。この場合、ドライバソフトウェアに入力された画像データが、実際のシート向きに対して９０度回転した状態で画像形成されてしまい、ユーザーが期待する向きとは異なる向きの画像が出力されてしまう。

そこで、本発明は、ユーザーが期待する向きの画像出力が得られる画像形成装置を提供することを目的とする。

本発明の一態様に係る画像形成装置は、用紙が載置される給紙部と、前記給紙部から給送される用紙に画像を形成する画像形成部と、画像形成装置の操作部を介して設定される、前記給紙部に載置された用紙についての用紙サイズ情報及び用紙向き情報を記憶する記憶手段と、用紙に画像を形成するための画像データと、画像形成に用いる用紙についての用紙サイズ情報及び用紙向き情報と、を含む画像形成ジョブを外部装置から受信する受信部と、前記受信部により前記画像形成ジョブが受信された場合に、前記画像形成ジョブに含まれる用紙サイズ情報が前記記憶手段に記憶された用紙サイズ情報と一致することを必要条件として、前記給紙部から給送される用紙への画像形成を許可する第１のモードと、画像形成ジョブに含まれる用紙サイズ情報が前記記憶手段に記憶された用紙サイズ情報と一致しない場合であっても、前記給紙部から給送される用紙への画像形成を許可する第２のモードと、を含む複数のモードのいずれかを実行する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記第２のモードにおいて、前記画像形成ジョブに含まれる用紙サイズ情報が前記記憶手段に記憶された用紙サイズ情報と一致するか否かを判定し、一致しないと判定した場合は、前記画像形成ジョブに含まれる用紙向き情報を用いて前記画像形成部による画像形成を実行させ、一致すると判定した場合において、前記画像形成ジョブに含まれる用紙向き情報と前記記憶手段に記憶された用紙向き情報が一致しないときは、前記画像データを前記記憶手段に記憶された用紙向き情報に合わせて回転させる回転処理を前記画像データに施して前記画像形成部による画像形成を実行させ、前記画像形成ジョブに含まれる用紙向き情報と前記記憶手段に記憶された用紙向き情報が一致するときは、前記回転処理を前記画像データに施さずに前記画像形成部による画像形成を実行させる、ことを特徴とする。

本発明に係る画像形成装置によれば、ユーザーが期待する向きの画像出力が得られる。

本開示に係る画像形成システムの全体構成を示すブロック図。（ａ）は画像形成装置の外観を示す正面図。（ｂ）は画像形成エンジンの構成を示す概略図。（ｃ）は手差しトレイの構成を示す概略図。ドライバ設定優先機能の設定変更処理の手順を示すフローチャート。ドライバ設定優先機能の設定変更画面を示す画像図。手差しトレイに関するシート属性情報の設定処理の手順を示すフローチャート。シート属性情報の設定画面を示す画像図。シート種類の選択画面を示す画像図。ＰＤＬジョブとして送受信されるＰＤＬデータの内容を示す概念図。（ａ）はＰＤＬジョブの実行処理の手順を示すフローチャート。（ｂ）は実行処理に含まれる印刷処理の手順を示すフローチャート。シート供給元の検索対象となるシート保持部の一覧を作成する処理の手順を示すフローチャート。対象とするシート保持部について、シート供給元として適合するかどうか判定する適合判定処理の手順を示すフローチャート。第１の実施例に係る画像形成装置において、ドライバ設定優先モードで実行される印刷シート属性情報の設定処理の手順を示すフローチャート。（ａ）はＰＤＬジョブに含まれる画像データの一例を示す画像図。（ｂ）は比較用の構成でこの画像データを出力させた結果を示す画像図。（ｃ）は第１の実施例においてこの画像データを出力させた結果を示す画像図。シート属性が画像形成装置の機能と組合せ可能であるか判定する機能組合せ適合判定処理の手順を示すフローチャート。第２の実施例に係る画像形成装置において、ドライバ設定優先モードで実行される印刷シート属性情報の設定処理の手順を示すフローチャート。（ａ）はＰＤＬジョブに含まれる画像データの一例を示す画像図。（ｂ）は手差しトレイに載置されたシートのサイズを示す模式図。（ｃ）、（ｄ）はフリーサイズモードでシートが短辺送り向き又は長辺送り向きで載置された場合に、ＥＥＰＲＯＭに記憶されるシートサイズを表す概念図。第３の実施例に係る画像形成装置において、ドライバ設定優先モードで実行される印刷シート属性情報の設定処理の手順を示すフローチャート。

以下、図面を参照しながら、本開示に係る画像形成装置について説明する。

図１は、本実施形態に係る画像形成装置１０１を含むシステムの概略構成を示している。画像形成装置１０１は、プリンタユニット１０５、スキャナユニット１０６、及びフィニッシャユニット１０９を含む機能ユニットと、ユーザーインターフェースである表示部１０３及び操作部１０４と、を備えている。また、画像形成装置１０１は、これらのデバイスを制御するためのコントロールユニット１０２を備えている。

表示部１０３は、表示灯としてのＬＥＤや液晶ディスプレイを含み、コントロールユニット１０２からの信号に基づいてユーザーによる操作結果や装置の内部状態を表示する。操作部１０４は、ハードキー群や、表示部１０３のタッチパネル機能を実現する制御構成を含んでおり、ユーザーの操作を受付けて電子信号としてコントロールユニット１０２に伝達する。

スキャナユニット１０６は、コントロールユニット１０２による指令に基づいて原稿を走査して画像データを読取り、得られた画像データをコントロールユニット１０２に送信する。プリンタユニット１０５は、コントロールユニット１０２による指令を受けて画像形成動作（印刷動作）を実行する。フィニッシャユニット１０９は、コントロールユニット１０２による指令を受けて、プリンタユニット１０５によって画像を形成されたシートにステイプリング等の処理を施して排出する。

コントロールユニット１０２は、ＣＰＵ１０７、ＨＤＤ１１０、ＥＥＰＲＯＭ１１１、ＲＯＭ１１２、及びＲＡＭ１１３を含む制御回路によって構成されている。ただし、ＣＰＵは中央処理装置、ＲＯＭは読取り専用メモリ、ＨＤＤはハードディスクドライブの略称であり、ＥＥＰＲＯＭは電気的に書換え可能な不揮発メモリを表す。

ＣＰＵ１０７は、ＲＯＭ１１２等に記憶された制御プログラムの実行媒体であり、コントロールユニット１０２に接続されたデバイスの機械的・電気的動作を制御する。例えば、ＣＰＵ１０７は、画像形成ジョブを実行してプリンタユニット１０５に画像形成動作を行わせる。ただし、画像形成ジョブとは、コントロールユニット１０２が実行すべき画像形成動作のタスクであり、具体的には、各ページの画像データ、部数、シートのサイズ及び種類、両面／ステイプリング等の機能設定等が含まれるデータ列を指すものとする。画像形成ジョブには、スキャナユニット１０６によって取得した画像データに基づいてコントロールユニット１０２によって生成されるコピージョブと、外部から入力される後述のＰＤＬジョブとが含まれる。

ＲＯＭ１１２は、システム起動に必要なブートプログラムなどを記憶し、揮発メモリであるＲＡＭ１１３は、制御プログラムを実行する際のワークメモリとして使用される。ＨＤＤ１１０は、磁気ディスクなどの記憶媒体であり、制御プログラムや画像データなどを記憶している。ＥＥＰＲＯＭ１１１は、制御プログラムが実行する際に必要となる設定値などを記憶している。

ＣＰＵ１０７は、画像形成装置１０１を制御する制御手段の一例である。以下、特に断らない限り、画像形成装置１０１を制御するためのプロセスを示すフローチャートの各工程は、ＣＰＵ１０７によって実行されるものとする。また、ＲＯＭ１１２、ＲＡＭ１１３、ＨＤＤ１１０、及びＥＥＰＲＯＭ１１１は、いずれも、制御手段の指令に基づいて情報を一時的又は恒久的に記憶可能な記憶手段の一例である。例えば、後述する各シート保持部に関する情報（シートサイズ、シート種類、種類フリー設定）などは、ＥＥＰＲＯＭ１１１に記憶される。

ＣＰＵ１０７は、送受信手段としてのネットワークインターフェース（Ｉ／Ｆ）１１４を介して、局所的又は広域的なネットワーク（ＬＡＮ／ＷＡＮ）に接続されている。これにより、コントロールユニット１０２は、パーソナルコンピュータ（ＰＣ）２００等のホストコンピュータとの間でデータを送信及び受信可能である。例えば、ＣＰＵ１０７は、ＰＣ１１３からページ記述言語（ＰａｇｅＤｅｓｃｒｉｐｔｉｏｎＬａｎｇｕａｇｅ：ＰＤＬ）によって記述された画像形成ジョブ（以下、ＰＤＬジョブとする）を受信する。また、ＣＰＵ１０７は、画像形成ジョブの進捗状況やシートの残量等、画像形成装置１０１の内部状態をホストコンピュータに送信する。

［画像形成装置のハード構成］
次に、画像形成装置１０１のハード構成について、図２（ａ）〜（ｃ）を用いて説明する。画像形成装置１０１のプリンタユニット１０５は、図２（ａ）に示すように、装置本体（筐体）の内部に配置された画像形成エンジン５０と、記録媒体であるシートを保持する複数のシート保持部（５１，５２）と、を備えている。ただし、シートとは、普通紙の他にも、コート紙等の特殊紙、封筒やインデックス紙等の特殊形状からなる記録材、及びオーバーヘッドプロジェクタ用のプラスチックフィルムや布などを含むものとする。なお、以下の説明や図面に「用紙」という用語を用いる場合があるが、特に断らない限り紙以外の材質を含むシートの同義語として扱うものとする。

図２（ｂ）に示すように、本実施例に係る画像形成エンジン５０は電子写真方式の画像形成ユニットＰＵを備えている。画像形成動作の開始が指令されると、感光体である感光ドラム１が回転し、ドラム表面が帯電装置２によって一様に帯電させられる。すると、露光装置３が、コントロールユニット１０２から送信された画像データに基づいてレーザ光を変調して出力し、感光ドラム１の表面を走査して静電潜像を形成する。この静電潜像は、現像装置４から供給されるトナーによって可視化（現像）されてトナー像となる。

このような画像形成動作に並行して、シート保持部（５１，５２）のいずれかに保持されたシートを画像形成エンジン５０へ向けて給送する給送動作が実行される。図２（ａ）に示すように、シート保持部には、プリンタユニット１０５の筐体に対して引出し可能に装着された複数の給送カセット５１と、筐体側面に配置された手差しトレイ５２とが含まれる。

ＣＰＵ１０７は、各給送カセット５１及び手差しトレイ５２に載置されたシートの属性に関するシート属性情報を、操作部１０４を介したユーザーの操作に基づいて認識する。ただし、シートの属性とは、シートのサイズ、シートの向き、材質（坪量、表面処理の有無、材料等）、形状（インデックス紙、ルーズリーフ等）、及び特殊用途（封筒等）等の特徴を総称するものとする。ＣＰＵ１０７は、ユーザーによって直接的に入力されたシート属性情報や、各給送カセット５１及び手差しトレイ５２に配置された検知機構を介して取得したサイズや坪量等のシート属性情報をＥＥＰＲＯＭ１１１に記憶させる。

なお、手差しトレイ５２に関しては、図２（ｃ）に示すように、シート検知センサ５６と、一対の側部ガイド５３，５３と、ガイド幅センサ５４，５４と、長さ検知センサ５７，５７とが配置されている。シート検知センサ５６は、シート給送方向（図中左方向）における手差しトレイ５２の下流端に配置され、トレイ上に載置されたシートを検知して検知信号を発する。側部ガイド５３，５３は、シート給送方向に直交する幅方向に延びるレールに沿って移動可能であり、ガイド幅センサ５４，５４によって幅方向の位置を検知される。長さ検知センサ５７，５７は、シート給送方向における少なくとも１か所に配置され、設置位置におけるシートの有無を検知する。これらの構成により、ＣＰＵ１０７は、サイズ検知手段の一例であるガイド幅センサ５４，５４及び長さ検知センサ５７，５７からの検知信号に基づいて、手差しトレイ５２に載置されたシートのサイズに関する情報を取得可能である。

図２（ａ）及び図２（ｂ）に示すように、給送カセット５１及び手差しトレイ５２に載置されたシートは、リタードローラ方式等の分離機構を備えた給送ユニットにより、１枚ずつ分離された状態で給送される。画像形成エンジン５０に供給されたシートは、レジストレーション部において斜行を補正され、画像形成ユニットＰＵによる画像形成動作の進行に合わせて搬送される。すると、画像形成エンジン５０に配置された転写装置５が、感光ドラム１に担持されたトナー像をシートに転写する。未定着のトナー像を転写されたシートは、定着装置７へと受け渡されて、ローラ対に挟持されて加熱及び加圧される。これにより、トナーがシートに対して溶融及び固着して画像が定着したシートは、排出ローラ対等の排出手段によって、フィニッシャユニット１０９へ受け渡され、又は筐体外部に排出される。また、両面印刷を行う場合は、定着装置７を通過したシートが、反転搬送部８によって表面と裏面とを入換えた状態で再び転写部へと搬送され、裏面に画像を形成される。フィニッシャユニット１０９に受け渡されたシートは、ステイプリング、折り処理、整合処理等のシート処理を実行可能なシート処理部９１のいずれかに搬送される。シート処理部９１によって適切な処理を施されたシート（シート束）は、筐体外部の排出トレイ９２に排出される。

なお、本実施例では画像形成部の一例として電子写真方式の画像形成エンジン５０について説明したが、画像形成エンジンとして、インクジェット方式等の他の機構を用いてもよい。また、電子写真方式である場合も、例えばタンデム型中間転写方式のカラー画像を形成可能な画像形成エンジンなど、上述の画像形成エンジン５０と異なる構成を用いてもよい。

［ドライバ設定優先機能］
ここで、画像形成装置１０１に実装されるドライバ設定優先機能について説明する。上述した通り、給送カセット５１及び手差しトレイ５２に保持されたシートのシート属性情報は、ＥＥＰＲＯＭ１１１等の記憶手段に記憶される。その一方で、外部のホストコンピュータから受信するＰＤＬジョブには、シートを供給元となるシート保持部を指定する情報や、シートのサイズ及び向きを指定する情報等が含まれる。一般的に、ＰＤＬジョブを実行する場合には、画像形成動作を開始するための必要条件として、ＰＤＬジョブに含まれるシート属性情報と、記憶手段に記憶されたシート属性情報とが一致することが要求される場合が多い。しかし、この場合、ユーザーは、ドライバソフトウェアを介したシート属性情報の設定操作と、画像形成装置の操作部を介したシート属性情報の設定操作の両方を行う必要がある。また、属性の異なる複数種類のシートを頻繁に交換しながら印刷を実行する場合には、ユーザーがシートを交換する度にシート属性情報を再設定する必要が生じ、ユーザーの操作負担が増大してしまう。

そこで、画像形成装置に設けられた一部又は全部のシート保持部について、記憶手段に記憶されたシート属性情報に対して、ＰＤＬジョブに含まれるシート属性情報を優先的に使用して画像形成動作を実行する機能を設けることが考えられる。以下、このような機能を「ドライバ設定優先機能」とし、ドライバ設定優先機能が有効である状態でＣＰＵ１０７が画像形成ジョブを実行するモードを「ドライバ設定優先モード」とする。また、説明の便宜上、ドライバ設定優先機能が無効である状態でＣＰＵ１０７が画像形成ジョブを実行するモードを「通常モード」とする。通常モードは、画像形成ジョブを実行する際の第１のモードに相当し、ドライバ設定優先モードは、画像形成ジョブを実行する際の第２のモードに相当する。

なお、本実施例では、手差しトレイ５２に対してのみドライバ設定優先モードが適用される構成となっているが、他のシート保持部に対してドライバ設定優先モードを適用可能な構成としてもよい。また、本実施例では、ドライバ設定優先機能の有効／無効は、操作部１０４を用いた操作によって切換えられるが、ドライバソフトウェアを介してホストコンピュータ側で設定可能な構成としてもよい。

以下、本実施例において、ドライバ設定優先機能の有効／無効を切替える設定変更処理について、図３及び図４を用いて説明する。ただし、図３は、手差しトレイ５２に対するドライバ設定優先モードの設定を変更するための設定変更処理の手順を示すフローチャートであり、図４は設定変更処理において表示部１０３に表示される設定変更画面４０１を表す画像図である。

図３に示す設定変更処理は、画像形成装置１０１が画像形成ジョブの入力を待機する待機状態において表示部１０３に表示される設定キーが押下された場合等に開始される。ＣＰＵ１０７は、設定変更処理を開始すると、表示部１０３に設定変更画面４０１（図４参照）を表示させ（Ｓ１０１）、ＯＮ／ＯＦＦキー４０２及びＯＫキー４０３の操作信号の入力を待機する。

ＯＮ／ＯＦＦキー４０２のうち、既に設定されているものと異なるものが選択された場合（Ｓ１０２：Ｙｅｓ）、ＣＰＵ１０７はドライバ設定優先機能に関する設定を変更する（Ｓ１０３）。具体的には、ＥＥＰＲＯＭ１１１に格納された、ドライバ設定優先機能が有効であるか無効であるかを表す変数の値が書換えられる。ＣＰＵ１０７は、ＯＫキー４０３が押下されるまではこのような設定変更を受付け、ＯＫキー４０３が押下されると（Ｓ１０４：Ｙｅｓ）、設定変更を終了する。ＣＰＵ１０７は、ＰＤＬジョブを受信した場合、後述するようにＥＥＰＲＯＭ１１１に記憶された変数を参照することでドライバ設定優先機能が有効であるかどうかを判定する。

［シート属性の設定］
次に、手差しトレイ５２に載置されたシートに関するシート属性情報を画像形成装置１０１に対して設定するシート属性設定処理について、図５乃至図７を用いて説明する。ただし、図５はシート属性設定処理の手順を示すフローチャートであり、図６及び図７はシート属性設定処理において表示部１０３に表示される画面を示す画像図である。また、以下の説明では手差しトレイ５２を対象とする設定処理として記述するが、各給送カセット５１についても、同様の設定処理が実行されている。

なお、シート属性の内、「シートの向き」とは、具体的にはシートの長辺がシート給送方向に平行となる「長辺送り向き」、及び短辺がシート給送方向に並行となる「短辺送り向き」等を指すものとする。また、「シートの種類」とは、シートのサイズ及び向き以外の属性によるシートの分類を表し、例えば本実施例では図７に示す８種類のシートが利用可能である。

図５に示すシート属性設定処理は、例えば、画像形成装置１０１の主電源がＯＮである状態で構成的に実行されるものである。ＣＰＵ１０７は、初期状態では、シート属性情報が確定した状態であるかどうかを表す設定変数である「シート属性情報設定状態」の値を「未設定」とする（Ｓ２０１）。そして、手差しトレイ５２に配置されたシート検知センサ５６（図２（ｃ）参照）の検知信号が変化した場合に（Ｓ２０２：Ｙｅｓ）、ＣＰＵ１０７は変化の内容に応じた処理を実行する。

手差しトレイ５２にシートが載置されたことを、シート検知センサ５６を介してＣＰＵ１０７が検知した場合（Ｓ２０３：Ｙｅｓ，無→有の変化）、シートサイズ及びシートの向きを表す設定変数に初期値を代入する（Ｓ２０４）。ただし、初期値とは、手差しトレイ５２に配置されたサイズ検知手段（５４，５７）を用いて決定される値、又はプリインストールされた固定値を指すものとし、どちらの値を初期値とするかはユーザーが予め指定しておくものとする。

また、ＣＰＵ１０７は、シートの種類を表す設定変数についても初期値を代入する（Ｓ２０５）。本実施例ではプリインストールされたシート種類を初期値とするが、ユーザーが初期値を予め選択可能な構成としてもよい。また、手差しトレイ５２にシートの種類に関する情報を取得可能な検知機構を配置する構成の場合、検知結果に基づいて決定された種類を初期値としてもよい。

次に、ＣＰＵ１０７は、表示部１０３に図６に示すシート設定画面６０１を表示させる（Ｓ２０６）。シート設定画面６０１の領域６０２には、現在設定されているシートのサイズおよび向きを示す情報が表示され、領域６０８には現在設定されているシートの種類が表示される。従って、シート設定画面６０１が表示された時点では、初期値のサイズ及び向きを示す情報と初期値の種類とが表示される。

シート設定画面６０１の領域６０３には、シートのサイズ及び向きを変更するための各種操作キー（６０４〜６０７）が表示される。図６に示す例では、「自動検知」キー６０４が選択されているため、シートのサイズ及び向きとして、ガイド幅センサ５４及び長さ検知センサ５７の検知結果に基づいて特定された値が設定されている。「ユーザー設定サイズ」キー６０５が押下された場合、シート長さ（給送方向長さ）及びシート幅（幅方向長さ）を示す任意の数値をユーザーが入力する画面が表示される。「定型サイズ」キー６０６が押下された場合、定型サイズの候補群からシートのサイズ及び向きを選択可能な画面が表示される。また、「フリーサイズ」キー６０７が押下された場合、シートのサイズ及び向きに関する情報の入力を行うことなく画像形成装置１０１が画像形成ジョブを実行可能なフリーサイズ機能が有効となる。

なお、フリーサイズ機能の設定はシートのサイズ及び向きに関する情報の入力を省略可能な省略設定の一例である。省略設定が有効である場合、シートのサイズ及び向きを表す設定値は、仮の値や不定サイズを表す定数となる。本実施例のフリーサイズモードにおいては、シート幅としてガイド幅センサ５４により検知された値が代入され、シート長さは適当な値によって補完される。シート長さとして補完される値は、画像形成装置１０１がサポートするシートサイズの最大長（例えば、Ａ３サイズの長辺長さである４２０ｍｍ）とすると好適である。

シート設定画面６０１には、シートの種類を変更するための「変更」キー６０９が表示される。「変更」キー６０９が押下された場合、ＣＰＵ１０７は、表示部１０３に図７に示す選択画面７０１を表示させる。選択画面７０１の領域７０２には、画像形成装置１０１が対応するシートの種類に対応付けられた選択操作可能な操作キーが一覧表示される。また、シート設定画面６０１には、シートの種類を変更せずに操作を中止するための「キャンセル」キー７０３と、選択結果を確定させるための「ＯＫ」キー７０４とが表示される。「キャンセル」キー７０３及び「ＯＫ」キー７０４のどちらが操作された場合にも、選択画面７０１が閉じられてシート設定画面６０１が表示される。

図５に示すように、シート設定画面６０１が表示された状態で、シートのサイズ及び向きの少なくとも一方を変更する操作が行われた場合（Ｓ２０７：Ｙｅｓ）、ＣＰＵ１０７は変更後の値をＥＥＰＲＯＭ１１１に格納する（Ｓ２０８）。また、シートの種類を変更する操作が行われた場合にも（Ｓ２０９：Ｙｅｓ）、ＣＰＵ１０７は変更後の値をＥＥＰＲＯＭ１１１に格納する（Ｓ２１０）。そして、シート設定画面６０１の「ＯＫ」キー６１０が押下されると（Ｓ２１１：Ｙｅｓ）、ＣＰＵ１０７は「シート属性情報設定状態」の値を「確定」に設定して、シート検知センサ５６の検知信号の変化を待機する待機状態に戻る（Ｓ２０２）。

対照的に、待機状態において手差しトレイ５２からシートが取除かれたことをＣＰＵ１０７が検知した場合（Ｓ２０３：Ｎｏ，有→無の変化）、シートのサイズ及び向きに関する情報とシートの種類に関する情報とがリセットされる（Ｓ２１３，Ｓ２１４）。即ち、ＣＰＵ１０７は、シート属性情報の設定値を記憶手段から消去する。そして、ＣＰＵ１０７は、「シート属性情報設定状態」の値を「未確定」に設定した上で（Ｓ２１５）、待機状態に戻る（Ｓ２０２）。

［ＰＤＬジョブ］
以下、画像形成装置１０１によるＰＤＬジョブの実行プロセスについて説明する。まず、図８を用いてＰＤＬジョブとして画像形成装置１０１が受信するデータ（以下、ＰＤＬデータ８００とする）の内容について説明する。ＰＤＬデータ８００は、ホストコンピュータにインストールされたドライバソフトウェアによって生成され、ＬＡＮ／ＷＡＮ等のネットワークを介して画像形成装置１０１にコントロールユニット１０２に伝達される。

図８に示すように、ＰＤＬデータ８００は、大まかに、ジョブの属性を表す属性データ８１１と、印刷を実行すべき画像データのセットであるページデータ８２０とを含んでいる。属性データ８１１は、データ名８１２、部数８１３、シート供給元８１４、シートサイズ８１５、シート向き８１６、及びシート種類８１７の各情報を含む。データ名８１２は、ＰＤＬデータ８００を識別するための名称であり、例えばドライバソフトウェアにページデータ８２０を提供したアプリケーションデータのファイル名に基づいて付与される。部数８１３は、印刷部数を示す情報である。シート供給元８１４は、印刷に使用するシートの供給元を示す情報である。シート供給元としてユーザーが特定のシート保持部を指定した場合は、シート供給元８１４として、給送カセット５１のいずれか又は手差しトレイ５２を示す値が格納される。なお、ＰＤＬジョブに関して、シート供給元８１４の指定は任意となっており、ユーザーがシート供給元を指定しない場合はシート供給元８１４として「自動選択」を示す値が格納される。

シートサイズ８１５は、ユーザーによって指定されたシートサイズを示す情報である。なお、本実施例では、ＰＤＬジョブにおけるシートサイズの指定は必須であり、本実施例ではシートサイズ８１５の情報はＰＤＬデータ８００に必ず含まれるものとする。シート向き８１６は、ユーザーによって指定されたシート向きを示す情報である。ユーザーがシート向きを指定しなかった場合はシート向き８１６の情報は省略される。シート種類８１７は、ユーザーによって指定されたシート種類を示す情報である。なお、ＰＤＬジョブに対してシート種類８１７を指定することは任意となっており、ユーザーがシート種類を指定しなかった場合はシート種類８１７の情報は省略される。また、画像形成装置１０１に搭載されたステイプリングや両面印刷等の機能を使用する場合には、属性データ８１１に、上記各情報の他に対応する機能の実行を指令する情報が含まれる。ページデータ８２０は、ページ毎に、画像形成装置１０１が対応するＰＤＬのフォーマットで記述された画像データ８２１を含んでいる。

図９（ａ）のフローチャートを用いて、ＰＤＬジョブを実行する実行処理の手順の概略について説明する。なお、この実行処理は、画像形成装置１０１の主電源がＯＮである状態で構成的に実行され、ＰＤＬデータを受信した際に適宜進行するものとする。ＣＰＵ１０７は、ネットワークを介してＰＤＬデータ８００を受信したかどうかを常に確認している（Ｓ３０１）。ＰＤＬデータ８００を受信した場合（Ｓ３０１：Ｙｅｓ）、ＣＰＵ１０７はＰＤＬデータ８００を解析して、属性データ８１１のシート供給元８１４、シートサイズ８１５、シート向き８１６、及びシート種類８１７を含む情報を抽出する（Ｓ３０２）。

次に、ＣＰＵ１０７はシート供給元８１４の情報に基づいて、画像形成装置１０１が備えるシート保持部の中から、シート供給元とはなり得ないものを除いた検索対象シート保持部の一覧を作成する（Ｓ３０３）。そして、作成した一覧に含まれるシート保持部について、順に、画像形成動作においてシート供給元として使用可能であるかどうかを判定するシート保持部適合判定（Ｓ３０５）を実行する（Ｓ３０４〜Ｓ３０６）。

検索対象シート保持部の中にシート保持部適合判定によってＯＫ（適合）と判定されたものがあった場合（Ｓ３０６：ＯＫ）、ＣＰＵ１０７は印刷を実行する（Ｓ３０７）。即ち、ＣＰＵ１０７は、画像形成エンジン５０により、当該シート保持部から給送されるシートに対してページデータ８２０に基づく画像を形成させる印刷処理（画像形成処理）を実行する。

図９（ｂ）に示すように、印刷処理には、例えばＰＤＬのフォーマットで記述された各ページの画像データ８２１（入力画像データ）をレンダリングして、出力画像データであるビットマップ画像を生成する画像処理（Ｓ３１１）が含まれる。このとき、ビットマップ画像の向きは、後述する方法によって設定された印刷シート情報のシート向きを用いて設定される。この画像処理には、ビットマップ画像の向きを、ＰＤＬデータ８００のシート向き８１６から記憶手段に記憶されたシートの向きへと回転させる画像回転処理が含まれる。画像処理によって生成されたビットマップ画像は、ビデオ信号として画像形成エンジン５０に伝達され、露光装置３による走査光の変調等に用いられる（Ｓ３１２）。また、印刷処理においては、ＰＤＬデータ８００の属性データ８１１及び／又はＥＥＰＲＯＭ１１１に記憶されたシート属性情報に基づいて、画像形成装置１０１が備える機能の条件設定（例えばシート種類８１７に応じた定着装置の温度条件）が変更される。ＰＤＬデータ８００で指定された全てのページ及び全ての部数の印刷が完了すると（Ｓ３１３：Ｙｅｓ）、印刷処理は終了される。

一方、全ての検索対象シート保持部についてシート保持部適合判定の結果がＮＧ（不適合）であった場合（Ｓ３０４：Ｙｅｓ）、ＣＰＵ１０７は、印刷に適したシートが無い旨を表示部１０３に表示する（Ｓ３０８）。そして、いずれかのシート保持部についてシート属性情報が変更されるまで待機し、シート属性情報の変更を検知した場合（Ｓ３０９：Ｙｅｓ）には、検索対象シート保持部の一覧作成及びシート保持部適合判定を再度実行する。なお、ＣＰＵ１０７は、シート検知センサ５６の検出信号が変化すると（図５のＳ２０２：Ｙｅｓ）、ユーザーによるシートの交換が行われ、シート属性情報の変更が行われたと判断する。

上記ＰＤＬ実行プロセスにおいて検索対象シート保持部一覧の作成（図９（ａ）：Ｓ３０３）を行う際の処理内容について、図１０のフローチャートに沿って説明する。まず、ＣＰＵ１０７は、画像形成装置１０１が備える全てのシート保持部のリストを取得し、検索対象シート保持部一覧とする（Ｓ４０１）。次に、取得したシート保持部のリストを予め定められた優先度に従って並び替えを行う（Ｓ４０２）。例えば、給送カセット５１と手差しトレイ５２とでは、給送カセット５１の方が高い優先順位に、また、カセット同士では画像形成エンジン５０に近いほど高い優先順位に設定される。次に、ＰＤＬデータ８００の解析結果にシート供給元の情報があるかどうかが判定され、シート供給元の指定がある場合には（Ｓ４０３：Ｙｅｓ）、指定されたシート供給元以外のシート保持部が検索対象シート保持部一覧から削除される（Ｓ４０４）。

ＣＰＵ１０７は、検索対象シート保持部一覧に手差しトレイ５２が含まれているかどうかを判定する（Ｓ４０５）。手差しトレイ５２が含まれていない場合（Ｓ４０５：Ｎｏ）には、その時点での内容で検索対象シート保持部一覧が確定し、一覧の作成が終了する。手差しトレイ５２が含まれている場合（Ｓ４０５：Ｙｅｓ）には、ＣＰＵ１０７は、ＥＥＰＲＯＭ１１１を参照して、手差しトレイ５２についての「シート属性情報設定状態」の値を取得する（Ｓ４０６）。「シート属性情報設定状態」が「確定」である場合は（Ｓ４０７：Ｙｅｓ）、ＣＰＵ１０７はその時点での内容で検索対象シート保持部一覧を確定する。一方、「シート属性情報設定状態」が「未確定」である場合は（Ｓ４０７：Ｎｏ）、手差しトレイ５２を検索対象シート保持部一覧から削除して（Ｓ４０８）、一覧の作成を終了する。

続いて、上記ＰＤＬ実行プロセスにおいてシート保持部適合判定（図９（ａ）：Ｓ３０５）を行う際の処理内容について、図１１のフローチャートに沿って説明する。なお、この適合判定は、コピージョブ等のＰＤＬジョブ以外の画像形成ジョブを実行する場合に実行される適合判定と共通である。

まず、ＣＰＵ１０７は、シート保持部適合判定の判定結果を表す変数を「ＮＧ」に設定して初期化（Ｓ５０１）すると共に、印刷処理に用いるための「印刷シート属性情報」を初期化する（Ｓ５０２）。ただし、印刷シート属性情報とは、ＣＰＵ１０７が印刷処理の対象として認識したシートの属性情報であり、画像形成ジョブが終了するまでＲＡＭ１１３等の記憶手段に一時的に保持される情報を指す。次に、ＣＰＵ１０７は、検索対象として指定されたシート保持部についての、ＥＥＰＲＯＭ１１１に記憶されているシート属性情報を、「シート保持部シート属性情報」として取得する（Ｓ５０３）。

また、ＣＰＵ１０７は、画像形成ジョブに含まれるシート属性情報を、「ジョブシート属性情報」として取得する（Ｓ５０４）。ＰＤＬジョブの場合、ジョブシート属性情報とは、ＰＤＬデータ８００の解析によって得られたシートサイズ８１５、シート向き８１６、及びシート種類８１７がジョブシート属性情報に含まれる。なお、シート向き８１６が設定されていない場合には、シートサイズ８１５に基づいてジョブシート属性情報を補完するものとする。例えば、画像形成装置１０１によって長辺送り及び短辺送りの両方をサポートされたシートサイズ８１５の場合には、印刷速度の点で有利な短辺送り向きで補完を行う。また、片方のシート向きのみサポートされたシートサイズ８１５の場合には、サポートされたシート向きによって補完を行う。

次に、ＣＰＵ１０７は、今回のジョブがドライバ設定優先機能の動作対象となるか、即ちＰＤＬジョブであるかどうかを判断する（Ｓ５０５）。ＰＤＬジョブではない場合は、ドライバ設定優先機能が適用不能であるため、処理を続行して印刷シート属性情報にシート保持部シート属性情報の値を代入する（Ｓ５０６）。ＰＤＬジョブの場合、ＣＰＵ１０７は、ＥＥＰＲＯＭ１１１からドライバ設定優先機能が有効であるか無効であるかの設定情報を取得する（Ｓ５０７）。このとき、ドライバ設定優先機能が無効である場合は、ＰＤＬジョブ以外のジョブである場合と同様に、印刷シート属性情報にシート保持部シート属性情報の値が代入される（Ｓ５０６）。ドライバ設定優先機能が有効である場合は、ＣＰＵ１０７がドライバ設定優先モードとなり、印刷シート属性情報の設定処理（Ｓ５０８）を実行する。ドライバ設定優先モードにおいては、後述する特定の場合を除いて、印刷シート属性情報として、ジョブシート属性情報の内容がシート保持部属性情報に対して優先的に設定される。

次に、印刷シート属性情報のシートサイズとジョブシート属性情報のシートサイズとが一致するかどうか、及び、印刷シート属性情報のシート種類とジョブシート属性情報のシート種類とが一致するかどうかの判定が行われる（Ｓ５０９，Ｓ５１０）。なお、ジョブシート属性情報にシート種類が設定されていない場合は、このステップＳ５１０の判定を省略してもよい。また、判定の省略に代えて、シート保持部シート属性情報が予め設定された特定のシート種類群に含まれるかどうかによって、ステップＳ５１０において「一致」と判定した場合と同様の効果を生じさせる構成としてもよい。

ステップＳ５０９，Ｓ５１０による判定結果の少なくとも一方が「不一致」である場合、ＣＰＵ１０７は、このシート保持部を用いた画像形成ジョブの実行は不可能であると判断し、判定結果として初期値である「ＮＧ」を返して処理を終了する。一方、これらの判定結果がいずれも「一致」である場合、ＣＰＵ１０７は、印刷シート属性情報と、画像形成ジョブによって指定された画像形成装置１０１の機能とが組合せ可能か判定する機能組合せ適合判定処理を実行する（Ｓ５１１）。なお、機能組合せ適合判定処理の内容は後述する。

機能組合せ適合判定処理の結果がＯＫであった場合、即ち印刷シート属性情報が指定された機能に適合するものであった場合、ＣＰＵ１０７は、このシート保持部から給送されるシートに対する画像形成動作を開始可能であると判定する。この場合、ＣＰＵ１０７は、シート保持部適合判定処理の結果として「ＯＫ」を返して処理を終了する（Ｓ５１３）。一方、機能組合せ適合判定処理の結果がＮＧであった場合には、ＣＰＵ１０７は、このシート保持部を用いた画像形成ジョブの実行は不可能であると判定し、判定結果として初期値である「ＮＧ」を返して処理を終了する。

［ドライバ設定優先モードにおける動作］
ここで、ドライバ設定優先モードにおける画像形成装置１０１の動作の特徴について説明する。上述した通り、通常モードにおいては、印刷シート属性情報としてＥＥＰＲＯＭ１１１に記憶されているシート保持部属性情報を用いて、ＰＤＬデータから抽出されたジョブシート属性情報との間でシートサイズ及びシート種類が一致するか判定される。また、シートサイズ及びシート種類がいずれも一致する場合には、機能組合せ適合判定が実行される。従って、通常モードにおいては、ＰＤＬジョブに含まれるシート属性情報が、前記記憶手段に記憶されたシート属性情報に適合することを必要条件として、印刷処理が実行される。

一方、ドライバ設定優先モードにおいては、原則的に、印刷シート属性情報としてＰＤＬデータから抽出されたジョブシート属性情報が使用される。このため、シート保持部適合判定において、印刷シート属性情報とジョブシート属性情報との間でシートサイズ及びシート種類の一致／不一致を判定する際には、常に「一致」と判定される。即ち、ドライバ設定優先モードにおいては、ＰＤＬジョブに含まれるシート属性情報が、記憶手段（ＥＥＰＲＯＭ１１１）に記憶されているシート属性情報に適合しない場合でも、印刷処理が実行されてシートに画像を形成される。ただし、上述した通り、ドライバ設定優先モードにおいて強制的に印刷処理が実行されるとは限らず、機能組合せ適合判定（Ｓ５１１）のような他の判定条件に適合することが必要となる。

ところで、ドライバ設定優先モードにおいて、ＰＤＬジョブに含まれるシート向きが、ＥＥＰＲＯＭ１１１に記憶されたシート向きと異なっているケースも考えられる。例えば、ユーザーが、ドライバソフトウェアを介して設定されたシート向きとは異なる方向でシートを載置してしまった場合がこれに相当する。しかし、このような場合、実際のシートの向きに対して９０度回転した画像が出力されてしまうことになり、画像の長辺方向の端部が欠けるなど、ユーザーが所望する印刷結果を得られない場合があった。例えば、図２（ｃ）に示す手差しトレイ５２のように、シート保持部に対して異なる向きで載置可能なシートが存在する場合に、このようなケースが発生しやすくなると考えられる。手差しトレイ５２の場合、側部ガイド５３，５３の可動範囲内であれば、長辺及び短辺のいずれを幅方向に合わせた状態であってもシートを載置可能である。

［印刷シート属性情報の設定］
そこで、本実施例においては、ドライバ設定優先モードにおいて、印刷シート属性情報のシート向きとして、ＰＤＬジョブに含まれるシート向きではなくＥＥＰＲＯＭ１１１に記憶されたシート向きを使用する。以下、ドライバ設定優先モードにおける印刷シート属性情報の設定処理（図１１のＳ５０８）について、図１２のフローチャートを用いて説明する。

本設定処理が開始される前の状態では、印刷シート属性情報のシートサイズ、シート向き、及びシート種類は、いずれも初期化されている。ＣＰＵ１０７は、設定処理を開始すると、印刷シート属性情報のシートサイズ及びシート種類として、ＰＤＬデータから抽出した値を設定する（Ｓ６０１，Ｓ６０２）。一方、印刷シート属性情報のシート向きとしては、ＣＰＵ１０７は、ＥＥＰＲＯＭ１１１に記憶されたシート属性情報を参照して、シート保持部適合判定の対象であるシート保持部のシート向きを設定する（Ｓ６０３）。

このような設定に基づく画像形成装置１０１の動作について、図１３（ａ）〜（ｃ）を用いて説明する。ただし、図１３（ａ）は、印刷を行う画像データを表している。また、図１３（ｂ）、（ｃ）は、比較用の画像形成装置と本実施例の画像形成装置とによって、ドライバ設定優先機能を有効にした状態で図１３（ａ）の画像データを含むＰＤＬジョブを実行させて得られた印刷結果を示している。比較用の画像形成装置は、ドライバ設定優先モードにおける印刷シート属性情報として、シート向きを含めてＰＤＬデータから抽出された情報が使用される点で本実施例と異なっており、その他の点は本実施例と同様の構成を備えている。ＰＤＬジョブには、シートサイズとしてＡ４が指定され、シート向きとして短辺送り向きが指定されているものとする。一方、手差しトレイ５２には、Ｂ４サイズのシートが長辺送り向きで載置されているものとする。

比較用の構成では、印刷シート属性情報のシートサイズ及びシート向きとして「Ａ４、短辺送り向き」が設定される。このため、図１３（ｂ）に示すように、実際には長辺送り向きで載置されたシートに対して短辺送り向きの画像が形成され、画像の長辺方向端部が欠けてしまう。一方、本実施例の構成によれば、印刷シート属性情報のシートサイズ及びシート向きとして「Ａ４、長辺送り向き」が設定される。このため、図１３（ｃ）に示すように、印刷処理において画像回転処理が実行され、実際のシートの向きに沿った画像が形成され、画像の欠損が防がれる。

なお、図１３（ｂ）、（ｃ）に示した例では、ＰＤＬジョブによって指定されたシートサイズとは異なるサイズのシートが載置されているが、指定されたシートサイズに等しいサイズのシートが載置されていた場合にも同様の結果が得られる。即ち、比較用の構成では画像の長辺方向端部が欠けてしまうのに対し、本実施例の構成では実際のシートにフィットした画像が出力される。また、本実施例の構成において、仮に指定されたシートサイズよりも小さなシートが使用される場合であっても、比較用の構成に比べて、画像が欠ける面積を小さく抑えることができる。

このように、本実施例の印刷シート属性情報の設定によれば、ドライバ設定優先モードにおいて、ＰＤＬジョブで指定されたシート向きが実際のシート向きに一致しない場合に、実際のシートに合わせて回転した画像が出力される。また、ＰＤＬジョブで指定されたシート向きが実際のシート向きに一致する場合に、ＰＤＬジョブに含まれる画像データの通りに画像が出力される。これにより、出力画像の欠損が防止又は低減されるため、ユーザーの期待する通りの印刷結果が得られると期待できる。

［機能組合せ適合判定］
最後に、シート保持部適合判定処理において実行される機能組合せ適合判定処理（図１１のステップＳ５１３）について、図１４のフローチャートを用いて説明する。まず、ＣＰＵ１０７は、本判定処理の判定結果を表す変数を「ＯＫ」に設定して初期化する（Ｓ７０１）。次に、ＣＰＵ１０７は、画像形成ジョブに両面印刷を指示する設定が含まれているかどうかを判定し（Ｓ７０２）、両面印刷が指定されている場合には、印刷シート属性情報が両面印刷に適するかどうかを判定する（Ｓ７０３）。具体的には、シート搬送方向の長さ（シート長さ）が、画像形成装置１０１の反転搬送部８（図２（ｂ）参照）に配置された搬送ローラの間隔より十分に長いかどうかの判断が含まれる。なぜならば、シート長さ搬送ローラの間隔より短い場合には、搬送ローラ間でのシートの受渡しに失敗してジャム等の搬送異常が生じる可能性があるためである。

次に、ＣＰＵ１０７は、フィニッシャユニット１０９による後処理を指示するフィニッシング設定が画像形成ジョブに含まれているかどうかを判定する（Ｓ７０４）。フィニッシャユニット１０９による後処理とは、パンチ穴を開ける処理（パンチング）、ステイプルを用いた綴じ処理（ステイプリング）等を指すものとする。フィニッシング設定が含まれていた場合、印刷シート属性情報がフィニッシング設定で指定された処理内容に適合するかどうかを判定する（Ｓ７０５）。例えば、フィニッシャユニット１０９が、シート搬送方向におけるシート後端に対してのみパンチング可能な構成であり、フィニッシング設定としてＡ４シートの一方の長辺に沿ったパンチングが指定されている場合を考える。この場合、印刷シート属性情報のシート向きが「短辺送り方向」以外に設定されていると、パンチングを適切に実施できない可能性があるため、不適合であると判定される。ステイプリングについても同様であり、Ａ４シートの一方の長辺に沿ったステイプリングが指定されている場合には、印刷シート属性情報のシート向きは「短辺送り方向」でなければならないケースが存在する。

両面印刷に関する判定（Ｓ７０３）及びフィニッシング設定に関する判定（Ｓ７０５）の結果が、いずれも適合であった場合には、ＣＰＵ１０７は判定結果として「ＯＫ」を返して処理を終了する。一方、判定結果のいずれか一方でも不適合であった場合には、ＣＰＵ１０７は、機能組合せ適合判定の判定結果として「ＮＧ」を返して処理を終了する（Ｓ７０６）。

ここで、ドライバ設定優先モードでＰＤＬジョブを実行する場合、機能組合せ適合判定には、図１２を用いて説明したフローチャートに沿って設定された印刷シート属性情報が用いられることになる。従って、印刷処理を実行する際に画像回転処理が実行される場合には、回転後のシート向きを用いて両面印刷及びフィニッシングを実施できるかどうか判定される。従って、例えば、ＰＤＬジョブで指定されたシートサイズ及び向きに従えば両面印刷可能であるが、回転後のシート向きでは両面印刷に不適合となる場合に、印刷処理の実行が停止される。これにより、機能組合せ適合判定処理の精度を高めて、搬送異常等の不都合を回避することができる。

［変形例］
なお、本実施例において、機能組合せ適合判定処理において判定が行われる機能として、両面印刷及びフィニッシングを例にして説明したが、画像形成装置に実装された他の機能に対する適合性を判定する工程を含んでいてもよい。

また、本実施例では、通常モードでＰＤＬジョブが実行される場合、ＰＤＬデータのシートサイズ及びシート向きがＥＥＰＲＯＭ１１１に記憶された値に一致する場合にのみ印刷処理が実行される（図１１のＳ５０９，Ｓ５１０）。しかしながら、通常モードにおいて、シートサイズが一致し、かつ、シート向きが異なる状態を、ＰＤＬデータのシート属性情報がＥＥＰＲＯＭ１１１に記憶されたシート属性情報に適合する場合に含める構成であってもよい。即ち、通常モードにおいて、上述の場合には実際のシート向きに合わせて回転された画像が出力される構成であってもよい。

次に、本開示の第２の実施例に係る画像形成装置及びその制御方法について説明する。本実施例は、シート保持部に保持されたシートのシートサイズが「フリーサイズ」である場合の動作が上記実施例１と異なっている。その他の構成は実施例１と同様であるため、実施例１と共通する要素には同符号を付して説明を省略する。

以下、図１５に示すフローチャートに沿って、ドライバ設定優先モードにおける印刷シート属性情報の設定処理について説明する。なお、本実施例における印刷シート属性情報の設定処理の開始条件は、実施例１と同様である。即ち、シート保持部適合判定（図１１参照）において、画像形成ジョブがＰＤＬジョブであり（Ｓ５０５：Ｙｅｓ）、かつ、ドライバ設定優先機能が有効である場合（Ｓ５０６：Ｙｅｓ）に、以下のような設定処理が実行される。

まず、印刷シート属性情報のシートサイズ及びシート種類として、ＰＤＬデータから抽出した値が設定される（Ｓ８０１，Ｓ８０２）。次に、ＣＰＵ１０７はＥＥＰＲＯＭ１１１に記憶されたシート属性情報を参照して、シート保持部適合判定の対象であるシート保持部について、シートサイズが「フリーサイズ」に設定されているかどうかを判定する（Ｓ８０３）。

シートサイズが「フリーサイズ」であった場合、ＣＰＵ１０７は、ＰＤＬデータに含まれるシートサイズと、シート保持部に配置されたサイズ検知手段を用いて検知されたシートのサイズに関する情報とを用いて印刷シート属性情報のシート向きを設定する。具体的には、まず、ＰＤＬデータのシートサイズからシートの縦横（長辺及び短辺）の長さの中央値Ｍが算出される（Ｓ８０４）。そして、この中央値Ｍと、ガイド幅センサ５４，５４を用いて検知したシート幅Ｗとを比較する（Ｓ８０５）。

中央値Ｍがシート幅Ｗより大きい場合（Ｍ＞Ｗ）、ＣＰＵ１０７はシートが長辺送り向きでシート保持部に載置されていると判断し、印刷シート属性情報のシート向きを長辺送り向きに設定する（Ｓ８０６）。一方、中央値Ｍがシート幅Ｗ以下である場合（Ｍ≦Ｗ）、ＣＰＵ１０７はシートが短辺送り向きでシート保持部に載置されていると判断し、印刷シート属性情報のシート向きを短辺送り向きに設定する（Ｓ８０７）。言い換えれば、ＣＰＵ１０７は、ＰＤＬデータのシートサイズに基づく閾値を算出し、検知されたシート幅が閾値以上である場合はシート幅方向が長辺方向であると判断し、シート幅が閾値未満である場合はシート幅方向が短辺方向であると判断する。そして、本実施例では、閾値となる長さが画像データの短辺長さ及び長辺長さの中央値Ｍに設定されている。

一方、シートサイズが「フリーサイズ」ではない場合には（Ｓ８０３：Ｎｏ）、実施例１と同様に、シート保持部シート属性情報のシート向きが印刷シート属性情報のシート向きの設定値となる。

以下、このような設定に基づく画像形成装置１０１の動作について、図１６（ａ）〜（ｄ）を用いて説明する。ただし、シートサイズが「フリーサイズ」ではない場合の動作は、実施例１と同様であるため説明を省略する。図１６（ａ）は印刷すべき画像データを表しており、図１６（ｂ）は、手差しトレイ５２に載置されたシートを表している。図１６（ｃ）、（ｄ）は、図１６（ｂ）に示すシートを手差しトレイ５２に短辺送り方向及び長辺送り方向で載置した場合に、印刷シート属性情報として設定されるシートサイズを表している。また、シートのサイズは画像データのサイズに等しい２００ｍｍ×３００ｍｍであるものとする。

上述した通り、本実施例の手差しトレイ５２には、載置されたシートの給送方向における長さであるシート長さを精確に検知するための構成が備え付けられていない。そのため、シートサイズが「フリーサイズ」である場合には、ＥＥＰＲＯＭ１１１に記憶されたシートサイズのシート長さは、画像形成装置１０１が扱える最大サイズである４２０ｍｍとして補完されている。従って、図１６（ｂ）に示すシートが短辺送り方向で載置された場合には、図１６（ｃ）に示すように、実際には２００ｍｍであるシート長さが４２０ｍｍに設定されている。また、このシートが長辺送り方向で載置された場合には、図１６（ｄ）に示すように、実際には３００ｍｍであるシート長さが４２０ｍｍに設定されている。

本実施例では、補完されたシート長さによらず、ガイド幅センサ５４，５４を用いて検知可能なシート幅を用いてシート向きが設定される。図１６（ａ）に示す例では、ＰＤＬデータのシートサイズから算出されるシートサイズの中央値Ｍは、（２００＋３００）／２＝２５０［ｍｍ］である。上記シートを短辺送り向きで手差しトレイ５２に載置した場合には、ガイド幅センサ５４，５４によって検知されるシート幅Ｗは３００［ｍｍ］である。従って、この場合はＭ≦Ｗの関係が成り立つため、シート向きは短辺送り向きであると判断され、印刷シート属性情報のシート向きが短辺送り向きに設定される。一方、上記シートを長辺送り向きで手差しトレイ５２に載置した場合には、ガイド幅センサ５４，５４によって検知されるシート幅Ｗは２００［ｍｍ］である。従って、この場合はＭ＞Ｗの関係が成り立つため、シート向きは長辺送り向きであると判断され、印刷シート属性情報のシート向きが長辺送り向きに設定される。

そして、印刷処理においては、上記実施例１と同様に、ＰＤＬジョブに含まれるシート向きと印刷シート属性情報のシート向きとが異なる場合に、画像回転処理が実行される。これにより、図１６（ｂ）に示すシートを短辺給送向き及び長辺給送向きのどちらに合わせて載置した場合であっても、実際のシート向きに沿った画像が形成されることになる。また、図示したサイズ以外のシートを載置した場合であっても、ガイド幅センサ５４，５４によって検知されるシート幅を用いて推定されたシート向きに従って、必要に応じて画像回転処理が実行される。従って、本実施例の構成によれば、フリーサイズモードにおいても、ユーザーが期待した通りの印刷結果が得られる。

［変形例］
上記実施例では、サイズ検知手段によって検知したシートの一辺の長さであるシート幅Ｗを、中央値Ｍを閾値として判定する構成としたが、判定基準はこれに限らない。例えば、検知されたシート幅ＷがＰＤＬジョブのシートサイズの長辺長さ以上である場合には、短辺送り向きのシートとして印刷処理を実行することで、少なくとも長辺方向の画像の端部が欠けることを回避することができる。そこで、少なくともこのような場合には印刷シート属性情報のシート向きが短辺送り向きとなるように判定基準を設定すると好適である。なお、本実施例の判定基準はこのような条件を満たす判定基準の一例である。また、閾値との大小を比較する場合において、検知されたシートサイズと閾値とが等しい場合のシート向きをどのように判定するかは任意とする。

次に、本開示の第３の実施例に係る画像形成装置及びその制御方法について説明する。本実施例は、ＰＤＬジョブに含まれるシートサイズとＥＥＰＲＯＭ１１１に記憶されたシートサイズとの比較結果を考慮して印刷シート属性情報のシート向きを決定する点で上記実施例１と異なっている。その他の構成は実施例１と同様であるため、実施例１と共通する要素には同符号を付して説明を省略する。

以下、図１７を用いて、本実施例における印刷シート属性情報の設定方法について説明する。なお、上記実施例１，２と同じく、この設定処理はドライバ設定優先モードでＰＤＬジョブを実行する場合に、シート保持部適合判定処理の一部として実行される。

まず、ＣＰＵ１０７は、印刷シート属性情報のシートサイズ及びシート種類として、ＰＤＬデータから抽出した値を設定する（Ｓ９０１，Ｓ９０２）。次に、ＣＰＵ１０７は、ＰＤＬデータから抽出したシートサイズと、ＥＥＰＲＯＭ１１１に記憶されたシートサイズとが一致するかどうかを判定する（Ｓ９０３）。これらのシートサイズが一致する場合には、ＥＥＰＲＯＭ１１１に記憶されたシート向きの値が印刷シート属性情報のシート向きとして設定される（Ｓ９０４）。一方、シートサイズが一致しない場合には、ＰＤＬデータから抽出されたシート向きの値が印刷シート属性情報のシート向きとして設定される（Ｓ９０５）。

このような設定に基づく画像形成装置１０１の動作について説明する。ドライバ設定優先機能が有効に設定された状態で、画像形成装置１０１にＰＤＬジョブが投入され、ＰＤＬジョブに含まれるシート向きと手差しトレイ５２に載置されたシートのシート向きとが異なっている状況を考える。このとき、実施例１の構成によれば、シートサイズに関する情報の一致／不一致によらず、印刷シート属性情報のシート向きとして、ＥＥＰＲＯＭ１１１に記憶されたシート向きの値が使用される。一方、本実施例の構成によれば、ＰＤＬデータに含まれるシートサイズと、ＥＥＰＲＯＭ１１１に記憶されたシートサイズが一致する場合にのみ、印刷シート属性情報のシート向きとして、ＥＥＰＲＯＭ１１１に記憶されたシート向きの値が使用される。

従って、ＰＤＬジョブのシート属性情報と記憶手段に記憶されたシート属性情報との間で、シートサイズが一致している場合には、本実施例は実施例１と同様の動作を実行する。即ち、この場合、ＰＤＬジョブに含まれるシート向きが記憶手段に記憶されたシート向きと異なっているときは、印刷処理において画像回転処理が実行され、９０度回転された画像が出力される。また、ＰＤＬジョブに含まれるシート向きが記憶手段に記憶されたシート向きに等しいときは、ＰＤＬジョブに含まれる画像データの通りに画像が出力される。

ＰＤＬジョブのシート属性情報と記憶手段に記憶されたシート属性情報との間で、シートサイズが一致しない場合には、実施例１とは異なり、ＰＤＬデータに含まれるシート向きに従って印刷処理が実行される。例えば、ＰＤＬジョブとして「Ａ４、短辺給送向き」のシートを指定するジョブが投入され、手差しトレイ５２に「Ｂ４、長辺給送向き」のシートが設定されていた場合、実施例１では、上述した通り長辺給送向きの画像が出力される（図１３（ｃ）参照）。一方、本実施例では、同様の場合には短辺給送向きの画像が出力される（図１３（ｂ）参照）。

ここで、シート保持部に載置されるシートの向きは、シート給送方向を基準とした向きの他、ユーザーのアクセス方向を基準とした向き（「縦置き／横置き」等）として表現される場合がある。そのため、ＰＤＬジョブのシート属性情報と記憶手段に記憶されたシート属性情報との間で、シートサイズが一致し、シート向きのみが不一致である場合、ユーザーがシート向きの不一致を認識していない可能性がある。一方、シートサイズ及びシート向きの両方が不一致である場合には、少なくとも上記の場合に比して、ユーザーがシート属性情報の不一致を認識した上で印刷処理の実行を指示している可能性が高いと考えられる。

本実施例の構成によれば、ＰＤＬジョブと記憶手段に記憶された情報との間でシート向きのみが不一致である場合において、シートサイズが一致する場合にのみ画像回転処理が実行され、シートサイズが不一致である場合には画像回転処理は実行されない。これにより、ユーザーが誤った向きでシートを載置した可能性が比較的高い場合にのみ、９０度回転した画像が出力される構成を実現することができる。

［変形例］
なお、ＰＤＬジョブに含まれるシートサイズと、ＥＥＰＲＯＭ１１１に記憶されたシートサイズを「一致」と判定するための条件は、数値的に厳密な一致に限らず、適宜許容範囲を設けてもよい。例えば、ＥＥＰＲＯＭ１１１にユーザー設定サイズとして長辺及び短辺の長さが数値入力されている場合に、数ｍｍ程度の小さな差であればＰＤＬジョブで指定されたシートサイズと異なっていても「一致」と判定する設定としてもよい。

［その他の実施例］
上記実施例１乃至３では、画像形成装置１０１に搭載されたコントロールユニット１０２の内部で画像回転処理が実行されるものとして説明したが、例えばホストコンピュータによって画像回転処理が実行される構成であってもよい。例えば、ＰＤＬのフォーマットで記載された画像データを画像形成エンジンが対応するラスター形式に変換するレンダリング処理をホストコンピュータが実行する構成において、レンダリングと同時に画像回転処理を実行させてもよい。要するに、制御手段が画像形成装置１０１の内部及び外部のどちらに存在するかによらず、ホストコンピュータ及び画像形成装置を含む画像形成システムにおいて、入力画像データに対して必要に応じて回転された画像が出力される構成であればよい。言い換えれば、ホストコンピュータ及び画像形成装置のいずれか一方に搭載された制御手段が、必要な情報の取得工程と、取得した情報に基づいて印刷用の画像を生成する生成工程とを含む処理方法によって画像データを処理するものであればよい。

ただし、取得工程において取得される情報は、記憶手段に記憶されたシート属性情報と、ドライバ設定優先機能が有効か無効かを示す情報と、ドライバソフトウェアに入力された入力画像データ及びシートの向きと、を含むものとする。上記実施例では、シート保持部適合判定におけるステップＳ５０３〜Ｓ５０７が取得工程に相当する。また、生成工程においては、上記実施例のいずれかと同様の基準によって設定された印刷シート属性情報のシート向きに従って、ドライバソフトウェアに入力された入力画像データを必要に応じて回転させた出力画像データが生成されるものとする。上記実施例では、印刷処理のステップＳ３１１が生成工程に相当する。

また、上記実施例１乃至３で説明した印刷シート属性情報の設定方法の内、２つ以上を画像形成装置１０１に搭載し、ドライバ設定優先モードにおいて使用される設定方法をユーザーが予め選択可能な構成としてもよい。

本発明は、上述の実施形態の１以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける１つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、１以上の機能を実現する回路（例えば、ＡＳＩＣ）によっても実現可能である。

５０画像形成部（画像形成エンジン）：５１，５２シート保持部（給送カセット、手差しトレイ）；５４，５７サイズ検知手段（ガイド幅センサ、長さ検知センサ）；９１シート処理部；１０１画像形成装置；１０７制御手段（ＣＰＵ）；１１０，１１１，１１２，１１３記憶手段（ＨＤＤ、ＥＥＰＲＯＭ、ＲＯＭ、ＲＡＭ）；２００ホストコンピュータ（ＰＣ）

Claims

用紙が載置される給紙部と、
前記給紙部から給送される用紙に画像を形成する画像形成部と、
画像形成装置の操作部を介して設定される、前記給紙部に載置された用紙についての用紙サイズ情報及び用紙向き情報を記憶する記憶手段と、
用紙に画像を形成するための画像データと、画像形成に用いる用紙についての用紙サイズ情報及び用紙向き情報と、を含む画像形成ジョブを外部装置から受信する受信部と、
前記受信部により前記画像形成ジョブが受信された場合に、前記画像形成ジョブに含まれる用紙サイズ情報が前記記憶手段に記憶された用紙サイズ情報と一致することを必要条件として、前記給紙部から給送される用紙への画像形成を許可する第１のモードと、画像形成ジョブに含まれる用紙サイズ情報が前記記憶手段に記憶された用紙サイズ情報と一致しない場合であっても、前記給紙部から給送される用紙への画像形成を許可する第２のモードと、を含む複数のモードのいずれかを実行する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記第２のモードにおいて、
前記画像形成ジョブに含まれる用紙サイズ情報が前記記憶手段に記憶された用紙サイズ情報と一致するか否かを判定し、
一致しないと判定した場合は、前記画像形成ジョブに含まれる用紙向き情報を用いて前記画像形成部による画像形成を実行させ、
一致すると判定した場合において、前記画像形成ジョブに含まれる用紙向き情報と前記記憶手段に記憶された用紙向き情報が一致しないときは、前記画像データを前記記憶手段に記憶された用紙向き情報に合わせて回転させる回転処理を前記画像データに施して前記画像形成部による画像形成を実行させ、前記画像形成ジョブに含まれる用紙向き情報と前記記憶手段に記憶された用紙向き情報が一致するときは、前記回転処理を前記画像データに施さずに前記画像形成部による画像形成を実行させる、
ことを特徴とする画像形成装置。
前記制御手段は、前記第２のモードにおいて、前記画像形成ジョブに含まれる用紙サイズ情報が前記記憶手段に記憶された用紙サイズ情報と一致すると判定した場合、前記画像形成ジョブに含まれる用紙サイズ情報と、前記記憶手段に記憶された用紙向き情報と、を用いて、前記画像形成部による画像形成を開始可能であるか判定する判定処理を実行する、
ことを特徴とする請求項１に記載の画像形成装置。
前記画像形成部によって画像を形成された用紙を処理する処理部を備え、
前記制御手段は、前記判定処理において、前記画像形成ジョブに含まれる用紙サイズ情報と用紙向き情報及び前記記憶手段に記憶された用紙向き情報が前記処理部による処理内容に適合するかどうかを判定する、
ことを特徴とする請求項２に記載の画像形成装置。
前記画像形成部は、用紙の両面に画像を形成可能であり、
前記制御手段は、前記判定処理において、前記画像形成ジョブに含まれる用紙サイズ情報と用紙向き情報及び前記記憶手段に記憶された用紙向き情報が前記画像形成部によって両面に画像を形成可能なものであるかどうかを判定する、
ことを特徴とする請求項２又は３に記載の画像形成装置。
前記給紙部は、用紙を手差し可能な手差しトレイである、
ことを特徴とする請求項１乃至４のいずれか１項に記載の画像形成装置。