JP6871931B2 - 軽量ニードル加工ファブリック及びその製造方法並びに燃料電池用の拡散層におけるその使用 - Google Patents

軽量ニードル加工ファブリック及びその製造方法並びに燃料電池用の拡散層におけるその使用 Download PDF

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Description

本発明は、燃料電池などの電気化学システム又はデバイスに使用される材料の分野に関する。
具体的には、本発明は、ファブリック、特に軽量のニードル加工されたファブリック、その製造方法、及び拡散層における支持体としてのその使用に関する。
PEMFC(プロトン交換膜燃料電池)は、動作原理が、燃料(一般的にはH)と燃焼剤(一般的にはO)の触媒反応を介して化学エネルギーを電気エネルギーに変換することに基づいている電流発生器である。したがって、このエネルギー生成は、電気化学的変換を介して起こる。
燃料電池は、少なくとも1つの電気化学セルを含むが、より一般的には、1つ以上の電流コレクタに接続された、用途のニーズを満たすために、一連のいくつかの電気化学セルの積層体を含む。各電気化学セルは、電気化学的変換を行う膜電極アセンブリ(MEA)を含む。
膜電極アセンブリ(MEA)は、
− 電解質を形成する導電性膜と、
− 電気化学反応が起こる2つの活性層(又はアノード及びカソード電極)であって、膜のいずれかの面に位置するものと、
− 2つのバイポーラプレートと、
− 2つのガス拡散層(GDL)であって、その各々が活性層とバイポーラプレートとの間に配置されているものと
から構成される。
一般に、導電性膜は、1つ以上のプロトン又はイオノマーポリマー(ionmer polymer)、一般にNafion(登録商標)型のペルフルオロスルホン化ポリマーを有する。導電性膜は、アノードをカソードから分離し、電子又はガスを通過させない。導電性膜はプロトンを伝導する。
電極は、触媒(一般に白金)、カーボン及びイオノマーポリマーから構成される。電極は、プロトンの膜への輸送、拡散層及びバイポーラプレートを介した電流コレクタへの電極の輸送、並びに反応生成物や水や熱と共に、試剤の輸送を可能にしなければならない。
バイポーラプレートは、電気を導通させながら、ミリメートルチャネルによって余分な水及び試剤を排出すると共にガスの分配を確保する。バイポーラプレートは、一般に、非多孔性グラファイト又はカーボン/ポリマー複合材料から作られる。
拡散層は、燃料電池においていくつかの役割を果たす。具体的には、拡散層は、試剤(可燃性ガス及び燃焼剤)及び適用可能であれば水蒸気をバイポーラプレートから活性層へ移動させることを可能にし、液体の水及び蒸気の排出、活性層で生成された電流のバイポーラプレートへの伝導、及び活性層で生成された熱の放出を可能にし、膜/活性層アセンブリを機械的に強化する。
これらの様々な役割を果たすために、拡散層は、単位面積、厚さ、導電率、熱伝導率、空気透過性、疎水性、化学的安定性及び物理的安定性の点で有効な特性を有さなければならない。特に、拡散層は、バイポーラプレートのチャネルの構造に起因して、MEAのための機械的補強材として作用するために十分に強固でなければならない。拡散層は、活性層とポーラプレートとの間でガス交換を可能にするためにガスに対して十分に多孔性でなければならず、プロトン移動を促進するために、活性層の加湿を妨げることなくバイポーラプレートに向かって水を排出できるように水に対して十分に多孔性でなければならない。
拡散層は、一般に、後に化学処理によって疎水性にされるファブリック、紙、又はフェルトタイプのカーボンファイバー強化材の形態の支持体を含む。この種の化学処理は、例えば、米国特許出願第2014/025581号に開示されている。一般に、これらの支持体上に微孔質層も適用される。微孔質層は、直径が約1ミクロンの細孔から構成される。これらの細孔は、拡散層支持体の細孔よりも小さい。微孔質層は、拡散層と活性層との間の界面である。拡散層の支持体に微孔質層を付加することにより、水管理におけるその活性によって燃料電池の性能が改善される。この種の微孔質層は、例えば、米国特許出願第2014/0205919号に開示されている。
したがって、拡散層の設計は、その性能が、支持体の特性、疎水性処理、微孔質層及びこれら全てのコンポーネントの加工性における最適化に依存するため、複雑である。支持体の加工性は、顕著な変形を伴わずに、様々なコーティングラインに沿って移動する支持体の能力(したがって、巻き解かれ、様々なローラー上を移動し、再び巻かれる能力)に関する。この種の浸漬は一般に疎水性処理中に使用されるため、支持体の加工性はその機械的強度及び完全に浸漬される能力に基づいて推定される。
様々な文献が、支持体の構造及び拡散層で使用するための支持体の改善方法を取り扱ってきた。
欧州特許第1445811号には、拡散層として使用されるカーボンファイバーファブリック支持体が開示されている。この支持体では、縦糸及び横糸がカーボンファイバー前駆体に形成されており、糸は0.005〜0.028g/mの範囲内の単位長さ当たりの質量を有する。糸の密度は20糸/cmである。この文献に記載されているこのファブリックの単位面積当たりの質量は、50〜150g/mの範囲である。この支持体は、カーボンファイバー前駆体糸で作られたファブリックを厚さ方向に加圧した後、カーボンファイバーファブリックを得るためにファブリックを炭化する工程によって得られる。加圧工程は支持体の厚さを減少させる。このファブリックは、圧縮されるとわずかに変形しやすい。この織られた支持体の製造に使用される糸は非常に微細であり、したがって製造コストが高く、脆弱である。これらの糸は容易に破断する可能性があり、このことはその加工性に加えて、織られた支持体を製造することができる速度に潜在的に影響する可能性がある。
国際公開第2011/131737号には、拡散層用の支持体が開示されており、この支持体は、ニードリングによって得られる、破断されたカーボン糸の織り混ぜによって、一方が他方の上に配置され互いに結び付けられた、カーボン糸の複数の一方向性シートから形成されている。一方向性シートは、各々のシートの向きを交互にしながら一方が他方の上に配置される。ニードリングは、製造された多軸シートの厚さと平行な方向に行われる。この支持体を電気化学セルの内部の拡散層として使用すると、電気化学セルの性能が改善される。全ての繊維が厚さに平行に配向されているこの種の補強材では、支持体のcm当たりのニードル衝撃(needle impact)数が多いことが必要である。一方向性シートの積層に適用される衝撃回数が多いにもかかわらず、得られるアセンブリは依然として処理が困難であり、取り扱い又は搬送が可能になるようにアセンブリをまとめるために、しばしば後処理を行う必要がある。後処理に存在する薬剤は、拡散層の性能を低下させる可能性がある。
現在市販されている拡散層は、製作された不織布又は織られた紙型のカーボンファイバーテキスタイルで作られている。現在、紙及び不織布の支持体によって最良の特性が達成されている。
しかし、紙及び不織布の支持体の使用にはいくつかの欠点がある。これらの支持体では、カーボンファイバーは無秩序に配向される。これにより、作成される拡散支持体の特徴の再現性が最適でなくなる可能性がある。さらに、紙又は不織布の支持体は、特に100g/m以下の重さの場合、取り扱いが困難である。それらの加工性を支援するために、結合剤又は安定剤などの添加剤がこれらの支持体に添加される。これらの添加剤は、拡散層を汚染し、その性能を損なう可能性がある。この場合、拡散層を使用できるように、汚染除去工程がしばしば必要であり、その製造方法のコスト及び複雑さを増大させる。
米国特許第4,790,052号及び国際公開第99/12733号には、ニードル加工カーボンファイバーの織物の使用が、例えばブレーキパッド用の補強構造体としての用途のために開示されており、したがって使用されるテキスタイルが燃料電池とは非常に異なる仕様に適合している発明とは非常に遠く離れた技術分野である。
したがって、特に電流密度の点で、拡散層の性能に影響を与えずに良好な加工性の利点を提供する、拡散層用の支持体を提供する必要性が存在する。
この文脈において、本発明は、その製造方法に加えて、優れた加工性及び電流密度の優れた性能を有する新規な拡散層用支持体を提供することによってこのような問題点を解決することを目的とする。
この目的は、カーボン糸から構成され、且つ40〜100g/mの範囲内の単位面積当たりの質量を有するニードル加工ファブリックによって達成される。
米国特許出願第2014/025581号 米国特許出願第2014/0205919号 欧州特許第1445811号 国際公開第2011/131737号 米国特許第4,790,052号 国際公開第99/12733号
本発明の最初の目的は、カーボン糸を含み、40〜100g/mの範囲内、好ましくは40〜80g/mの範囲内、特に60〜80g/mの範囲内の単位面積当たりの質量を有するファブリックであって、前記ファブリックが、ステープルファイバーを含み、前記ステープルファイバーは、その起点(起源)となるファブリックの構成糸から延出し、その起点となる糸と平行ではない方向に延出するものであることを特徴とするものに関する。
本発明によるファブリックは、単位面積当たりの質量、厚さ、透過性、多孔性、導電性、物理的安定性、及び化学的安定性の間で良好な妥協点を同時に提供する。また、添加剤を添加しなくても加工が容易であるという利点を提供する。したがって、燃料電池拡散層の支持体として作用するのに非常に適している。
本発明の別の目的は、特に燃料電池用の拡散層製造のための本発明の枠組みにおいて規定されたファブリックの使用に関する。
本発明の更なる別の目的は、燃料電池拡散層であり、本発明による少なくとも1つのファブリックを含み、前記ファブリックは、少なくとも1つの疎水性コーティングを含むものであることを特徴とする。この種の拡散層は、少なくとも1つの微孔質層をさらに含むことができる。この種の微孔質層は、本発明によるファブリックの表面に存在するコーティングの少なくとも一部に堆積する。
本発明はまた、本発明によるファブリックの製造方法であって、
− カーボン糸と、40〜100g/mの範囲内、好ましくは40〜80g/mの範囲内、特に60〜80g/mの範囲内の単位面積当たりの質量とを含む、少なくとも1つのファブリックを有する工程と、
− その幅広面の少なくとも1つから開始して前記ファブリックをニードリングする工程と
を少なくとも含むことを特徴とする方法に関し、本発明による拡散層を調製する方法にも関する。
本発明のさらなる目的は、本発明による少なくとも1つの拡散層を含む燃料電池である。
以下の詳細な説明は、添付図面を参照して、本発明をより完全に理解することを可能にする。
ニードリングが実施される前の、本発明の枠組みにおいて使用され得るファブリックの断面の概略図である。 ニードリング後の、図1Aのファブリックに相当する本発明によるファブリックの断面の概略図である。 図1Bの一部の拡大図であり、縦糸及び横糸を示している。 GDLの断面模式図である。 ファブリックの平面における抵抗率測定のために使用されるアセンブリの概略図である。 測定点を示す。 測定点を示す。 圧縮剛性及び応力の測定値を示す。 せん断応力の測定値を示す。 本発明による拡散層(GDL−2、GDL−3、GDL−4、GDL−5及びGDL−7)を含むMEA分極曲線と、本発明に含まれない拡散層(GDL−1)を含むMEAの分極曲線とを示す。 異なる温度及び湿度条件下でのコンディショニングについて、本発明による拡散層(GDL−6)と本発明に含まれない拡散層(GDL−1)とを含むMEA分極曲線を示す。 異なる温度及び湿度条件下でのコンディショニングについて、本発明による拡散層(GDL−6)と本発明に含まれない拡散層(GDL−1)とを含むMEA分極曲線を示す。 異なる温度及び湿度条件下でのコンディショニングについて、本発明による拡散層(GDL−6)と本発明に含まれない拡散層(GDL−1)とを含むMEA分極曲線を示す。 本発明による拡散層(GDL−5)と、ニードリング条件が最適化された本発明による拡散層(GDL−6)とを含むMEA分極曲線を示す。 本発明による拡散層(GDL−10)又は本発明に含まれない拡散層(GDL−1)を含むMEA分極曲線を示す。 本発明による拡散層(GDL−9)と、ニードル加工されていないファブリックに相当する、本発明に含まれない拡散層(GDL−8)とを含むMEA分極曲線を示す。 本発明による拡散層(GDL−6)と、ニードル加工多軸シートに相当する、本発明に含まれない拡散層(GDL−11)とを含むMEA分極曲線を示す。
本発明によるファブリック
本発明は、カーボン糸を含むファブリックに関し、前記ファブリックは、40〜100g/mの範囲内、好ましくは40〜80g/mの範囲内、特に60〜80g/mの範囲内の単位面積当たりの質量を有し、そして、前記ファブリックがステープルファイバーを含み、前記ステープルファイバーがその起点(起源)となるファブリックの構成糸から延出し、その起点となる糸の方向に平行ではない方向に延出すること、及び/又は前記ファブリックがニードル加工されていることを特徴とする。
「ファブリック」とは、織ることによる、すなわち交差及び交絡による、縦糸と横糸の一貫したアセンブリを意味する。
「単位面積当たりの質量」とは、ファブリック片の表面積に対する質量の比を意味する。単位面積当たりの質量は、ISO3374規格にしたがって測定することができる。
本発明の枠組みにおいて規定されるファブリックは、好ましくは、少なくとも90重量%、又はさらには排他的に、カーボン糸から構成される。ファブリックが排他的にカーボン糸から構成されていない場合、ファブリックの10重量%以下はポリマー系サイジング及び/又はファブリックを構成する他の糸で構成されてもよく、ガラス糸、ポリマー糸、又はガラス/ポリマー糸のハイブリッドであってもよい。
縦糸及び横糸は好ましくは全てカーボン糸である。より具体的には、縦糸は同一のカーボン糸であり、横糸は同一の糸であり、又は縦糸と横糸は全て同一である。
カーボン糸は、フィラメントのアセンブリから構成され、一般に1000〜80000本のフィラメント(これは1〜80K糸と呼ばれる)、有利には3000〜24000本のフィラメントを有する。フィラメントは互いに対して自由に動くことができる。カーボン糸についても同様である。フィラメントは非常に長いことを特徴とし、連続繊維と呼ぶことができる。
有利には、糸、特にカーボン糸の単位長さ当たりの質量は、0.03〜4g/mの範囲内、好ましくは0.2〜2g/mの範囲内にある。
有利には、縦糸又は横糸の数は、それぞれ0.4〜2本/cmの範囲内である。
本発明によるファブリックは、ファブリックの構造糸の少なくとも1つの部分から延出するステープルファイバーの存在を特徴とする。ステープルファイバーはフィラメントに対応し、フィラメントは依然として糸に取り付けられているが、糸に組み込まれたまま切断されている。ステープルファイバーは、その起点(起源)となる糸の方向と平行ではない方向に延出する。これを、ステープルファイバーの起点となり且つステープルファイバーが延出する糸に対するステープルファイバーの配向のずれと呼ぶ。この配向のずれは、特にファブリック平面の外側及び/又は織り線の外側における、少なくとも1つのフィラメントのカーボン糸が切断されていることによる、そしてそれ故にステープルファイバーが形成されていることによる、少なくとも1つのフィラメントのカーボン糸の配向の変化に相当する。好ましくは、カーボン糸のステープルファイバーに相当する少なくとも1つの切断されたフィラメントの配向の変化は、ファブリック平面の外側で、すなわち、その厚さに沿って生じる。
「糸の方向に平行ではない方向に延出する」とは、糸の内部に含まれるフィラメントを切断して得られた繊維を意味し、この繊維は、糸の一般的な方向から分散し、特に糸の長手方向軸から分散する。
より具体的には、ステープルファイバーは、一端が開放又は切断されたフィラメントに対応する。この切断端部は、ステープルファイバーに相当し、フィラメントがその内部に存在する糸に分岐又は分枝を本質的に形成するため、ここでは糸から延出すると述べている。ステープルファイバーは、縦糸及び/又は横糸を起点としてもよい。
図1B、及び図1Cにズームで示されるとおり、いくつかのステープルファイバーはファブリックの表面上に位置し、ファブリック上にある程度の毛羽立ちを作り出し、一方で、いくつかのステープルファイバーはファブリックの厚さ内に位置する。ファブリックの厚さ内に位置する繊維は、ファブリックの平面に平行に、又はファブリックの厚さに沿って、すなわち、ファブリックの平面に平行ではなく延出することができる。ファイバーがファブリックの平面とゼロではない任意の角度を形成している場合、ファイバーがファブリックの厚さに沿って延出すると言い、この角度は90°に等しくてもよく、又は0〜90°の範囲内の任意の値に対応してもよい。ファブリックの平面に沿った、又はファブリックの厚さに沿った(すなわち、ファブリックの平面とは異なる平面内に延出する)ステープルファイバーの配向は、顕微鏡で撮影した写真によって観察することができる。
表面上に存在するステープルファイバーの大部分は、ファブリックから延出するか又はファブリックの表面から出現し、それによってファブリックにある程度の毛羽立ちを与えることが好ましい。
ファブリック内のステープルファイバー及びそれらの起点となるファブリックに対するこれらのファイバーの配向のずれは、ニードル型ユニット、特にバーブニードル、又は空気もしくは水などの流体の噴射であってもよい少なくとも1つのパンチ要素の貫通によって実行される、カーボン糸を構成する特定のフィラメントを機械的に破断することによって得られてもよい。この種の技法は、使用されるパンチ要素(物理的ユニット又は噴射)にかかわらず、ニードリングと呼ばれる。ニードル又は流体の圧力の貫通及び引き抜きは、切断されたフィラメントの配向を変え、得られたステープルファイバーをいくつかの方向に配向することも可能にする。有利には、ニードリングは、得られたステープルファイバーの少なくとも一部が、ファブリックの厚さに沿うようにファブリックの厚さの中に貫通することを可能にする。
「ニードル加工ファブリック」とは、ニードリング操作を受けたファブリックを意味する。ニードリングの結果、ファブリックは糸、特にカーボン糸から構成され、その一部のフィラメントは切断され、切断されたフィラメントから、起点となる糸の一般的な方向に平行ではない方向に延出するステープルファイバーを形成する。これらのステープルファイバーの少なくとも一部は、ファブリックの厚さ内に位置する。図1Bに示すように、いくつかのステープルファイバーはファブリックの表面上に位置し、ファブリック上にある程度の毛羽立ちを作り出し、一方でいくつかのステープルファイバーはファブリックの厚さ内に位置する。
ニードリング前のファブリックの断面を図1Aに概略的に示す。このファブリックは、縦糸1と横糸3の交差及び交絡を含む。縦糸1及び横糸3は、フィラメント2及び4からそれぞれ構成されている。ファブリックの厚さは矢印5によって表され、ファブリックは平面Pに沿って延出し、ファブリックが一致する厚さであれば、ファブリックの2つの面S(幅広面とも称される)はこの平面に平行である。
「ファブリックの平面」とは、これらの2つの幅広面に平行に延在するファブリックの正中面を意味する(これに対して厚さに沿ったファブリックの他の面は、厚さがファブリックの最小寸法に対応するため小さい面と称する)。
ニードリング後のファブリックの断面を図1Bに概略的に示す。このファブリックは依然として縦糸1及び横糸3の交差及び交絡を含む。縦糸及び横糸のフィラメントが起点となるファイバー6は、ファブリックの平面内又はその厚さ方向に配向され得る。図1Bに示すファブリックの断面のズームである図1Cでは、ファブリックの平面に平行に延出するステープルファイバー6aと、ファブリックの厚さに沿って延出するステープルファイバー6bと、ファブリックの表面から突出しつつファブリックの厚さに沿って延出するステープルファイバー6cとが見られる。
有利なことに、本発明のファブリックは、50〜650衝撃/cm/面の範囲内、特に55〜300衝撃/cm/面の範囲内、好ましくは60〜140衝撃/cm/面の範囲内にある衝撃密度でニードル加工され、衝撃はファブリックの片面のみから、又は両面から与えることができる。
本発明の枠組みにおいては、1〜48K、例えば3K、6K、12K又は24K、好ましくは3〜24Kのカーボン糸を使用することが特に好ましい。例えば、ファブリックに使用するカーボン糸の数は、100〜3200テックス、特に200〜1600テックスの範囲である。
ファブリックは、例えば、引張弾性率が220〜241GPaの範囲にあり、引張破断応力が一般に3000〜5000MPaの範囲にある高抵抗(HR)糸、引張弾性率が280〜300GPaの範囲にあり、引張破断応力が一般に3450〜6200MPaの範囲にある中間モジュール(IM)糸、引張弾性率が301〜650GPaの範囲にあり、引張破壊応力が3450〜5520Paの範囲にある高モジュール(HM)糸など(「ASM Handbook」ISBN 0−87170−703−9、ASM International 2001による)の任意の種類のカーボン糸で作ることができる。
ファブリックの構造糸は、サイジングされてもされなくてもよく、多くの場合、この場合には、糸の重量の2%までを表す標準的なサイジング重量含有率でサイジングされる。
本発明によるファブリックの織物は、好ましくはニードル加工され、タフタ(直線織りとも呼ばれる)、綾織、バスケット織り、サテン、又はこれらの織物の派生物、好ましくはタフタであってもよい。タフタ織りは、ファブリックにより大きな強度を与え、他の織物に比べてファブリックの2つの幅広面の間でより多くの糸の往復回数を有する。
本発明のファブリックは、好ましくはニードル加工され、40〜100g/mの範囲内、好ましくは40〜80g/mの範囲内、特に60〜80g/mの範囲内の単位面積当たりの質量を有するカーボン糸から少なくとも部分的に構成される。
本発明によるファブリックは、好ましくはニードル加工され、0〜18%の範囲、好ましくは0〜10%の範囲内の開口係数を有する。開口係数は、材料が占めていない表面積と観察された全表面積との比に100を乗じたものとして定義することができ、この観察は、ファブリックを下側から照らしながらファブリックの天面を見ることによって行うことができる。開口係数(OF)は百分率として表される。開口係数は、例えば、実施例に記載の方法にしたがって測定することができる。
本発明によるファブリックは、好ましくはニードル加工され、ファブリックの平面内で測定して7Ω以下の表面抵抗を有する。
「表面抵抗」とは、電流の流れを妨げるファブリックの能力を意味する。表面抵抗は、周囲温度(22℃)でファブリックの幅広面の電極の変位を介して測定され、これらの測定の平均をとる。この測定を実施するための実験条件は、実施例の項目で詳細に提供する。
本発明によるファブリックは、好ましくはニードル加工されたものであり、ファブリックの平面を横断する平面内で、同じファブリックを4つ重ね折りした積層体上で測定して、0.5Ω以下の抵抗を有する。本発明のニードル加工ファブリックは非常に薄いため、1枚のファブリックを4つ折りにした積層体上でファブリックの平面を横断する平面の(すなわち、その厚さに沿った)抵抗を測定する方がより典型的なようであった。折ることは、ファブリックを形成する基本的なエンティティである。この測定を行うための実験条件は、実施例の項目で詳細に提供する。
ファブリックの平面内及びその厚さ方向の両方に延出するステープルファイバーを有する本発明によるファブリックは、3次元で導電性を有するという利点を提供する。したがって、この導電率は、ファブリックの長さ、幅及び厚さの方向に分布する。これらの3次元における導電率のこの改善された分布は、拡散層の性能を改善する。
本発明のニードル加工ファブリックは、好ましくは、ISO5084規格にしたがって測定して400μm以下、特に350μm以下、好ましくは35〜300μmの範囲内の平均厚さを有する。
本発明によるニードル加工ファブリックは、EN ISO9237規格にしたがって測定して5000m以下、好ましくは3000m以下の空気透過性を有することが好ましい。
本発明のニードル加工ファブリックは、10%の繊維体積含有量については9.10−12以下、30%の繊維体積含有量については9.10−13以下、50%の繊維体積含有率については2.10−13以下の水透過性を有する。
ファブリックの繊維体積含有量(FVC)は、ファブリックの単位面積当たりの質量及び使用されるカーボン糸の特性が既知であるものとし、ファブリックの厚さの測定値に基づき、以下の式を用いて計算する。
Figure 0006871931

[符号:TVF=FVC、Mass surfacique=単位面積当たりの質量、fil carbone=カーボン糸、tissu=ファブリック]
ここで、etissuは、ISO5084規格にしたがって測定されたファブリックの厚さ(mm)であり、ρfil carboneは、カーボン糸の密度(g/cm)であり、Tcarboneは、ファブリックの単位面積当たりの質量(g/m)である。
本発明によるニードル加工ファブリックは、好ましくは、1200N/mm以上、特に1500N/mm以上の圧縮剛性(P2)を有する。圧縮剛性は、実験の項目で説明する方法を用いて測定する。
本発明によるニードル加工ファブリックは、好ましくは、350N以下、特に300N以下の圧縮応力を有し、圧縮応力は、47%に等しい繊維体積含有量(FVC)について測定される。47%の繊維体積含有量についてこの圧縮応力を測定する方法は、実施例に記載されている。
本発明によるニードル加工ファブリックは、45°の牽引で測定して好ましくは8N以上、特に10N以上の最大せん断荷重を有する。この最大せん断荷重は、縦糸及び横糸を含み、加えられる力の方向に対して45°に配向されたファブリックで測定する。この方法は実験の項目で説明する。
本発明によるニードル加工ファブリックの総多孔率(Po)は、以下の式にしたがって得られる。
Po(%)=100−FVC(%)
FVCは上記の式(I)に基づいて計算される。
ニードリングによって本発明によるファブリックを製造する方法
本発明の別の目的は、ニードリングによって本発明によるファブリックを製造する方法に関し、方法は、
− カーボン糸を含み、さらにはカーボン糸から構成され、40〜100g/mの範囲内、好ましくは40〜80g/mの範囲内、特に60〜80g/mの範囲内の単位面積当たりの質量を有する、少なくとも1つのファブリックを使用する工程と、
− ファブリックの幅広面の少なくとも1つでファブリックをニードリングする工程と
を含む。
より具体的には、国際公開第2014/135806号に記載されているようなファブリック及び/又はこの特許出願に開示された方法にしたがって製造される可能性が高いファブリックを使用することが可能であり、さらなる詳細についてこの特許出願を参照することができ、この出願では所望の軽量化を実現するために糸を広げている。特に、この公開された特許出願の特許請求の範囲に規定されるファブリックを使用することができる。ファブリックを広げることは、オンラインでもオフラインでも行うことができる。
より詳細には、ニードリング工程の前に、ファブリックは、国際公開第2014/135806号で論じられている技術にしたがって決定付けられた以下の特徴、即ち、
− 単位面積当たりの質量が40g/m以上100g/m未満であり、一方を他方の上に同じ方向に沿って置いた3つの同一のファブリックの積層体上で測定した厚さの標準偏差が35μm以下であり、
− 単位面積当たりの質量が40g/m以上100g/m未満であり、一方を他方の上に同じ方向に沿って配置した3つの同一のファブリックの積層体上で測定した厚さの標準偏差が35μm以下であり、平均開口係数が1%以下であり、好ましくは開口係数の変動性が1%以下であり、及び/又はファブリックが好ましくは200〜3500テックス、好ましくは200〜1700テックス、特に200〜1600テックスのカウント数を有する糸から構成されている、
特徴を有し、さらなる詳細についてはこの特許出願を参照することができる。
特定の実施形態では、ファブリックは、ニードリング工程の前に、0〜5%の範囲内、特に0〜1%の範囲内の開口係数を有する。ニードリング前に1%を超える開口係数を達成するためには、ニードリングを受けるファブリックの伸張は、国際公開第2014/135806号に記載されているものよりも小さい。
ニードリング工程は、少なくとも1つのパンチ要素(ニードル型ユニット又は流体噴射であり得る)の貫通によって行われる。貫通は、ファブリックの少なくとも1つの幅広面から、好ましくはファブリックの平面を横切る(すなわち、その2つの幅広面を横切る)方向に沿って行われる。流体は、空気又は水であってもよい。ニードリングは、パンチ要素でファブリックを貫通させることによって、織られたカーボン糸の構成要素であるフィラメントのいくつかの配向を変えて切断することを可能にする。ニードリングは、「本発明によるファブリック」の項目で前述されているように構成要素であるフィラメントのいくつかを破断させ、それによってステープルファイバーを作り出し、ステープルファイバーは、その起点となるファブリックの構成要素である糸から延出し、その起点となる糸の方向に平行ではない方向に延出する。ニードリング操作は、ファブリックの厚さを増加させることによってファブリックの多孔性レベルを増加させ、その変化はニードリングパラメータに応じて変化し得る。特定の場合には、ニードリングは、ファブリックの開口係数を様々な程度に増加させる傾向があり得る。
衝撃又は貫通密度は片面につき50〜650衝撃/cmの範囲、特に55〜300衝撃/cmの範囲内、好ましくは60〜140衝撃/cmの範囲内である。「衝撃密度」とは、この幅広面の1cm当たりの幅広面に形成された貫通数を意味する。衝撃密度は、ファブリックの各面で同一であってもよく、又は幅広面毎に異なっていてもよい。ニードリング工程は、ファブリックの少なくとも1つの幅広面の全体にわたって均質に行われる。貫通が幅広面の片面のみで行われるか又は両面で行われるかにかかわらず、総衝撃密度は50〜1300衝撃/cm、特に55〜600衝撃/cm、好ましくは60〜280衝撃/cmの範囲である。幅広面の両面の貫通の場合、総衝撃密度は幅広面の各々で行われた衝撃密度の合計に相当する。両面に行われるニードリングの場合、貫通要素は、一方の面から他方の面にずれるように配置されることが好ましい。
ニードリング工程は、ファブリックの1つの幅広面又は両方の幅広面で行うことができる。両面の場合、幅広面を同時に又は交互に、言い換えれば逐次的にニードリングしてもよい。
ニードル型ユニットを使用してニードリングを行う場合、ユニットを貫通させて引き抜く。ユニットはバーブニードルである。バーブは、ニードルから突出する、又はニードルの窪んだ部分であり、フィラメントの一部を切断し、及び/又はフィラメントの一部に引っ掛けてファブリックの厚さ内へ貫通させる機能を有する、バーブニードルを使用することにより、貫通中に貫通表面からフィラメントを運び、引き抜く時に反対側からフィラメントを貫通することが可能になる。
好ましい実施形態では、ニードリング工程は、好ましくは少なくとも1つのバーブを含むニードルの貫通を介して行われる。ニードルは、一般に金属製であり、いくつかのサイズであってもよく、様々な数のバーブを有する特定の輪郭を有してもよく、それらが特定のサイズ及び輪郭を有してもよい。当業者は、ニードリングの条件及びニードリングされるファブリックに基づいてニードルを選択することができるであろう。
バーブニードルの場合、ニードル先端部を、先端部から最も遠いバーブから分離する距離(バーブを含む)を「ニードルの有用部分」と呼ぶ。
バーブニードルは、垂直輪郭と水平輪郭を有する。垂直輪郭は、ニードルの長手方向の切断面に対応する。水平面は、ニードルの半径方向の切断面に対応する。ニードルの有用部分は、例えば、3つのリブで形成される三角形の水平輪郭、又は、30〜90°の範囲内、好ましくは30〜70°の範囲内、さらにより好ましくは30〜50°の範囲内の角度を有する4分枝(又はリブ)の星形で形成される星形の輪郭を有してもよい。使用するバーブニードルの有用部分は、ニードルの向きに基づき縦糸又は横糸にニードリングすることによって作り出される配向のずれを促進する、三角形の水平輪郭を有する。
垂直のニードルの輪郭は、標準(直線状)又は円錐形、好ましくは直線状であり得る。
ニードルは、少なくとも1つのバーブ又は複数のバーブ、好ましくは2,3,4,5,6,7,8,9又はそれ以上のバーブを有し、バーブは3〜30mmの範囲内の有用長にわたって配置される。
リブ当たりのバーブの数は3以下であってもよく、好ましくは1に等しくてもよい。
バーブの位置におけるニードルの有用部分の全幅は、3mm以下、好ましくは0.3〜1mmの範囲内であってもよい。
バーブは、高さと深さによって規定される。深さは、ニードルの本体をバーブの最も突出した部分から隔てる最大距離である。バーブの深さは、例えば、0.05〜2mmの範囲内、好ましくは0.05〜0.5mmの範囲内である。ニードルの本体上のバーブの長さは、好ましくは0.1〜2mmの範囲内にある。
バーブニードルは、例えばGroz Berckert KGによって販売されている。例えば、KV bar、HL バーブ又はRF バーブを有するニードル、好ましくはKV バーブ又はHLバーブを有するニードルを選択することができる。
貫通は、好ましくは、少なくとも1つのバーブニードルを用いて、ファブリックの少なくとも1つの幅広面で、少なくとも1つのバーブの貫通、さらにはニードルに存在する全てのバーブの貫通が可能である距離にわたって行われる。
ニードリング技法では伝統的であるように、フィラメントを切断するために、使用するニードルの貫通の少なくとも一部、さらには全ての貫通が、ニードルの垂直輪郭を配向することによって行われ、ニードルに存在するバーブの少なくとも1つが、貫通時に遭遇する最初の糸に平行ではない向きに配向されるようにする。
「ニードリングによって本発明によるファブリックを製造する方法」の項目及び/又は「本発明によるファブリック」の項目に記載のニードリングに関する全ての特徴は、本発明によるニードル加工ファブリック、すなわちニードリング完了時に得られるファブリックに適用される。
拡散層
本発明の別の目的は、本発明の枠組みで規定された少なくとも1つのファブリック、又は本発明の枠組みで規定される製造方法によって得られる可能性のあるファブリックを含む燃料電池用拡散層であって、前記ファブリックが少なくとも1種の疎水性コーティングを含むものに関する。
「コーティング」とは、ファブリックの少なくとも一部、好ましくは全体、少なくとも1つの表面、さらには両面を覆い、そして、好ましくはファブリックに浸透し、より好ましくはそのコアに(言い換えれば、コアと呼ばれるファブリックの正中ゾーンまで)浸透する、少なくとも1つの要素を意味する。
「疎水性コーティング」とは、水をはじく少なくとも1種のコーティングを意味する。この種のコーティングは、少なくとも1種の疎水剤を含む。
疎水性コーティングは、優先的な液体水排出ゾーンを作り出すことによって、拡散層が水を排出することを可能にする。疎水性コーティングは、水が拡散層の細孔の内部に集まることを防止する。また、膜と活性層との間の反応物ガスの通過を阻止することも防止する。
疎水性コーティングは、支持体上に堆積される液体組成物から得られる。この液体組成物は、堆積する前に、水、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、及びそれらの混合物などの溶媒中に懸濁した少なくとも1種の疎水剤を含む。
疎水剤は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及びフッ素化エチレンプロピレン(FEP)から選択することができる。
一実施形態では、疎水性コーティングは、カーボンナノファイバーをさらに含む。この場合、そのようなカーボンナノファイバーは液体組成物中に、好ましくは少なくとも1種の分散剤と共に存在する。好都合には、カーボンナノファイバーと疎水剤との混合物は、ファブリックの導電率及び剛性を高め、したがって拡散層の性能を向上させる。
「カーボンナノファイバー」とは、直径が20〜1000nm、好ましくは100〜500nmの範囲にあり、長さが1〜100μm、好ましくは50〜100μmの範囲にあるカーボンファイバーを意味する。特に興味深いカーボンナノファイバーは、VGCF(Vapor Grown Carbon Fibers)、特にRhodia(フランス)によって販売されているVGCF(登録商標)−Hである。「分散剤」とは、カーボン粒子、特にカーボンナノファイバーの凝集を防止する任意の化学薬品を意味する。分散剤は、Triton X100、Nafion又はBrijなどの非イオン性又は陰イオン性界面活性剤から選択することができる。
組成物が堆積された後、支持体は、以下に説明するように、乾燥と称することができる最終的な疎水性コーティングをもたらす熱処理を受ける。
一実施形態では、疎水性コーティングは、少なくとも1種の疎水剤を、疎水性コーティングの総重量に対して、10〜100重量%、好ましくは40〜50重量%含む。別の実施形態では、疎水性コーティングは、疎水性コーティングの総重量に対して、10〜30重量%、好ましくは20〜25重量%の少なくとも1種の疎水剤、及び70〜90重量%、好ましくは75〜80重量%のカーボンナノファイバーを含むか、又はさらには構成される。これらの様々な割合は最終的な支持体、すなわち、分散剤など適用された組成物中に存在する他の化合物の除去をもたらす熱処理工程後に相当する。
有利には、ファブリック上に置かれた疎水性コーティングは、処理前のファブリックの重量に対して70〜120重量%、特に70〜90重量%を占める。この量は、導電率に関して良好な性能を有する拡散層をもたらす。
一実施形態では、本発明の拡散層は、少なくとも1つの微孔質層も含むことができる。
「微孔質層」とは、微孔質層の細孔径が0.01〜10μm、好ましくは0.1〜1μmの範囲の層を意味する。細孔径は走査型電子顕微鏡で測定する。微孔質層の細孔は、拡散層の細孔よりも小さい。微孔質層は、拡散層と活性層との間の界面として作用し、水管理に作用することによって燃料電池の性能を向上させる。この改良された性能は、微孔質層の様々な特性によって、特にマイクロメートル細孔によって得られる。細孔径は、燃料電池の全表面積にわたってガスのより良い分布をもたらす。さらに、拡散層ファブリックと微孔質層との間の細孔径の減少は、ガスの通過を加速し、したがって結露を減少させる。
微孔質層はまた、拡散層の導電性にも関与する。微細孔層は、大部分がカーボンブラックで一般的に作られており、活性層から外部ネットワークへの電子の輸送を容易にする。活性層と拡散層との高い相溶性により、微孔質層は活性層と拡散層との間の界面を改善し、したがってこれらの2つの層間の接触抵抗を減少させる。
疎水性コーティングを有するファブリックは、その幅広面の1つのみ、又は幅広面の両面で、微孔質層と組み合わせることができる。「組み合わされた」とは、微孔質層がファブリックに一体化されていることを意味する。
微孔質層は、疎水性コーティングを有するファブリック上に液体組成物の形態で堆積される。この液体組成物は、カーボンブラックと、テトラフルオロエチレン及びフッ素化エチレンプロピレンから選択される少なくとも1種の疎水剤とを含み得る。カーボンブラックは、活性層から拡散層への電子の移動を容易にすることによって、拡散層の導電性を増加させる。微孔質層中の疎水剤は、燃料電池内部の水管理を改善する。これは活性層及び膜に水を保持することを可能にし、それによってこれらの成分の良好な水和を可能にし、また、拡散層の細孔の水分をより迅速に排出させることを可能にする。
一実施形態では、微孔質層は、カーボンナノファイバーをさらに含むことができる。
カーボンナノファイバーは、堆積した液体組成物中に存在する溶媒が蒸発する間の微孔質層堆積物の亀裂を防止する。カーボンナノファイバーは、導電性を変えることなく構造を統合する。カーボンナノファイバーは、VGCF(Vapor Grown Carbon Fibers)から選択され、より具体的にはRhodia(フランス)によって販売されるVGCF(登録商標)−Hナノファイバーである。
一実施形態では、微孔質層は、30〜45重量%、好ましくは35〜40重量%のカーボンブラックと、5〜20重量%、好ましくは8〜15重量%の少なくとも1種の疎水剤と、35〜65重量%、好ましくは40〜60重量%のカーボンナノファイバーとを含んでもよく、さらには構成されていてもよく、これらの割合は微孔質層の総重量に対して表している。ここでも、これらの割合は、最終的な、すなわち熱処理工程後の支持体に相当し、熱処理工程は、以下に説明するように、拡散層を形成するために、適用された組成物中に存在する他の化合物を排除することにつながる。
一実施形態では、疎水性コーティングを有するファブリック上に堆積する微孔性層の量は、1〜3mg/cm、好ましくは2.3〜2.7mg/cmの範囲である。
拡散層の製造方法
本発明の別の目的は、
− 本発明の枠組みにおいて規定される少なくとも1つのファブリックを有するか、又は本発明の枠組みにおいて規定される方法にしたがって得られる可能性があるファブリックを有する工程と、
− 疎水性コーティングを形成するための少なくとも1種の液体組成物を有する工程と、
− 前記ファブリック上に前記液体組成物を堆積させる工程と、
− 前記液体組成物が堆積した前記ファブリックを熱処理する工程と
を少なくとも含む拡散層の製造方法である。
疎水性コーティングを形成するための液体組成物は、少なくとも1種の疎水剤を混合し、水などの溶媒中に懸濁させることによって得られる。
処理の間、ファブリックは、ISO5084規格にしたがって測定して好ましくは100〜300μmの範囲の所定の厚さを得るために制約されてもよい。
疎水性コーティングを形成するために、液体組成物が疎水剤に加えて他の成分を含む場合、少なくとも1種の分散剤及びカーボンナノファイバーを水などの溶媒中の疎水剤に添加することによって得られる。懸濁液を得るために、エンクロージャを含むホモジナイザーを用いてこの液体組成物を均質化する。ホモジナイザーは、例えばDispermatであってもよい。ホモジナイザーのシャフトは、1500〜2500rpmの範囲内の速度で回転し、エンクロージャ内の残留圧力は大気圧に対して−700〜−950mbar、好ましくは−900mbarの範囲内にある。液体組成物は、15〜25分の持続時間で均質化することができる。この均質化工程は、存在する集塊を壊し、組成物の内部に閉じ込められている可能性があるガスを除去する。粘度が0.8〜1.1mPasの範囲にある分散した流体組成物が得られる。この粘度は、支持体として作用するファブリック上に均質な疎水性コーティングを得ることを可能にする。
一実施形態では、疎水性コーティング用の液体組成物は、1〜10重量%、好ましくは2〜4重量%の少なくとも1種の疎水剤と、90〜99重量%、好ましくは少なくとも96〜98重量%の水などの溶媒とを含むことができ、重量%は液体組成物の総重量に対して表される。
別の実施形態では、疎水性コーティング用の液体組成物は、0.5〜3重量%、好ましくは1〜1.5重量%の少なくとも1種の疎水剤と、0.01〜1重量%、好ましくは0.1〜0.5重量%の少なくとも1種の分散剤と、1〜5重量%、好ましくは2〜3重量%のカーボンナノファイバーと、80〜99重量%、好ましくは92〜98重量%の水などの溶媒とを含んでもよく、重量%は液体組成物の総重量に対して表され、それらの合計は好ましくは100%に等しい。
次いで、液体組成物を、本発明の枠組みにおいて規定されるか又は本発明の枠組みにおいて規定される方法にしたがって得られる可能性があるファブリック上に堆積させることができる。堆積は、コア浸漬に加えて、ファブリックの2つの幅広面で最も頻繁に行われる。堆積は、コア浸漬又は噴霧浸漬、ローラプレス又は含浸機を用いた表面堆積など、当業者に周知の様々な技術を用いて行うことができる。好ましくは、疎水性コーティング用の液体組成物の堆積は、浸漬することによって実施することができ、本発明のニードル加工ファブリックを10〜300秒間浸漬することを含む。ファブリックと液体組成物との接触時間は、この液体組成物の粘度と共に、ファブリックに浸漬される液体組成物の量を制御する。
熱処理工程は、例えば空気中で200〜450℃、好ましくは250〜350℃の範囲の温度で行うことができる。この工程は、特に疎水剤の焼結による疎水性コーティングの固化、並びに溶媒及び分散剤(存在する場合)のような添加剤の蒸発を可能にする。
好ましい実施形態によれば、拡散層は微孔質層を含むこともできる。この場合、拡散層は、
− 微孔質層を形成するための少なくとも1種の液体組成物を有する工程と、
− 熱処理工程後に得られるファブリックの少なくとも1つの幅広面に前記液体組成物を堆積させる工程と、
− 前記組成物が堆積した前記ファブリックを熱処理する工程と
の連続する工程を含む方法にしたがって得ることができる。
微孔質層を形成する液体組成物は、一般に、疎水性コーティングを有する支持体の単一の幅広面に堆積される。この幅広面は、電極側のGDLの内側に位置決めされる。
一般に、最終的に組成物の焼結につながる熱処理の前に、液体組成物が堆積したファブリックを乾燥させるための中間工程が先行する。
微孔質層を形成するための液体組成物は、少なくとも1種の疎水剤と、カーボンブラックと、水、エタノール、プロパノール、エチレングリコール及びそれらの混合物などの少なくとも1種の溶媒とを含むことができる。
疎水剤は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及びフッ素化エチレンプロピレン(FEP)から選択される。
疎水剤の特徴は、疎水性コーティングを得るための液体組成物の疎水剤について述べたものと同じであることが好ましい。
微孔質層を構成するために組成物中に存在する溶媒についても同様であり、好ましくは水、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、及びそれらの混合物から選択される。
液体組成物は、2〜4重量%、好ましくは2.5〜3.5重量%の少なくとも1種の疎水剤と、1〜6重量%、好ましくは3〜4重量%のカーボンブラックと、70〜95重量%、好ましくは85〜90重量%の水などの少なくとも1種の溶媒とを含んでもよく、これらの割合は液体組成物の総重量に対して表され、それらの合計は好ましくは100%に等しい。
一実施形態によれば、微孔質層を形成するための液体組成物は、少なくとも1種の増粘剤と、少なくとも1種の分散剤と、少なくともカーボンナノファイバーをさらに含むことができる。
カーボンナノファイバーは、直径20〜1000nm、好ましくは100〜500nmの範囲、長さ0.01〜10μm、好ましくは0.1〜1μmの範囲のカーボンファイバーである。特に興味深いカーボンナノファイバーは、VGCF(Vapor Grown Carbon Fibers)及びRhodia(フランス)によって販売されているVGCF(登録商標)−Hである。分散剤は、集塊を壊すことによって、液体組成物の全成分の分散を改善する。そして均質な液体組成物が得られる。分散剤は、Triton(登録商標)X100、Nafion(登録商標)、Brij(登録商標)などの非イオン性又は陰イオン性界面活性剤から選択される。
カーボンナノファイバー及び分散剤の特徴は、疎水性コーティングを得るための組成物のナノファイバー及び分散剤について述べたものと同じであることが好ましい。
増粘剤は、堆積される液体組成物が疎水性コーティングを有するファブリック上に堆積することができるように、堆積される液体組成物を増粘し、液体組成物を粘性にする。これにより、この組成物が堆積した時にこの組成物がファブリックに浸透することを防ぐ。増粘剤は、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースから選択される。
この実施形態において、微孔質層を形成するための液体組成物は、2〜4重量%、好ましくは2.5〜3.5重量%の少なくとも1種の疎水剤と、1〜6重量%、好ましくは3〜4重量%のカーボンブラックと、0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜1.5重量%の少なくとも1種の分散剤と、0.5〜3重量%、好ましくは1〜2重量%の少なくとも1種の増粘剤と、2〜8重量%、好ましくは4〜5重量%のカーボンナノファイバーと、80〜99重量%、好ましくは85〜95重量%の水などの少なくとも1種の溶媒とを含み、これらの割合は溶液の総重量に対して表され、それらの合計は好ましくは100%に等しい。
疎水性コーティングを有するファブリックの少なくとも1つの幅広面への液体組成物の堆積は、スプレーデポジション、シルクスクリーンデポジション、及びコーティングデポジションなど、当業者に周知の技術によって行われる。
好ましくは、堆積は、バー又はスクレーパの並進運動によって疎水性コーティングを用いてファブリックの少なくとも1つの幅広面に液体組成物を広げることを含むコーティング方法を用いて行われる。ファブリックに堆積する液体組成物の量を管理するために、コーティングバーのねじ切りの厚さ又はスクレーパの高さを調整し、それによって所望の微孔質層を製造するための液体組成物の負荷量を得ることが可能になる。
液体組成物をファブリック上に広げた後、ファブリックを、例えば60〜100℃の範囲内の温度でコーティングバー上で直接乾燥させることができる。乾燥時間は、0.5〜5分の範囲であり得る。乾燥により、溶媒を蒸発させることによって微孔質層を凝固させることができる。堆積する微孔質層の量は、1〜3mg/cmの範囲である。
次に、疎水性コーティングを有するファブリック、好ましくはニードル加工されたファブリック及びその堆積した微孔質層を空気中で200〜450℃、好ましくは250〜350℃の範囲の温度で1時間30分〜2時間30分の間熱処理する。この工程は、微孔質層を(特に、疎水剤の焼結を介して)固化させ、全ての添加剤(増粘剤、分散剤など)を蒸発させ、微孔質層の最終成分(疎水剤、カーボンファイバー及びカーボンブラック)のみが残る。
燃料電池
本発明の別の目的は、本発明の枠組みにおいて規定されるか又は本発明の枠組みにおいて規定される方法によって得られる可能性がある、少なくとも1つの拡散層を含む燃料電池である。
「燃料電池」とは、化学エネルギーの電気エネルギーへの変換器を意味する。充放電サイクルを経る電池とは異なり、燃料電池は反応性ガスが供給される限り連続的に作動することができる。燃料電池は、固体酸化物燃料電池(SOFC)、溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)、リン酸燃料電池(PAFC)、プロトン交換膜燃料電池(PEMFC)、直接メタノール燃料電池(DMFC)、又はアルカリ燃料電池(AFC)であり得る。好ましくは、本発明の燃料電池は、プロトン交換膜燃料電池である。
図2は、少なくとも1つの電気化学セル22と少なくとも1つの電源23とを含む、本発明による燃料電池21、特にプロトン交換膜燃料電池を示す。
電気化学セル22は、少なくとも1つの電極、一般的には2つの電極(MEA)を有する膜の少なくとも1つのアセンブリ24と、少なくとも1つのシール102、一般的には2つのシール102、103と、少なくとも1つのバイポーラプレート104、一般的には2つのバイポーラプレート104、105と、発明の枠組みで規定されるか又は本発明の枠組みで規定される方法によって得られる可能性がある拡散層106、本発明の枠組みで規定されるか又は本発明の枠組みで規定される方法によって得られる可能性がある一般的には2つの拡散層106、107とを含む。
膜電極アセンブリ(MEA)24は、少なくとも1つの膜101と、少なくとも1つの電極108、一般的には2つの電極108及び109とを含む。
ここで本発明を以下の実施形態で説明するが、以下の実施形態は純粋に例示的な目的のために提供され、決してその範囲を限定するものとして解釈されるべきではない
A − 試験した支持体
試験した拡散層用の支持体は、疎水性処理及び微孔質層を有する紙型カーボンファイバー不織布支持体(以下、S−NTと称し、FuelCellsEtc社によりSigracet 24BCとして販売されている)、又は織物支持体、又は一方向性シートの積層体である。この支持体は、単位面積当たりの質量100g/m及び厚さ250μmを有する。
ニードリングの前に試験したファブリックの特徴を以下の表Iに要約する。
Figure 0006871931
ファブリック1〜5は、国際公開第2014/135805号及び国際公開第2014/135806号に記載された方法にしたがって広げられて得られる。
カーボン糸は、例えばHexcel Compositesから入手可能である。
拡散層用の支持体として、カーボン糸の4つの一方向性シートの0°/90°/90°/0°積層体も使用した。各一方向性シートは、ニードリング前に単位面積当たりの質量50g/m及び開口係数0%を有する。この積層体の各面(表裏)をニードリングする。
B − ニードリングプロトコル
ファブリック又は多軸シートを、Andritz Asselin−Thibeau S.A.S(エルブフ、フランス)によって製造された「ニードリング」機械N°040938269上に置く。
ニードルの右水平輪郭及び三角形の垂直輪郭の特徴及びニードリング条件を以下の表IIに示す。
ファブリックS−1及びS−8を得るために使用したニードルは、SINGERタイプ15*18*32 3.5 BL、RB 30 A06/15ニードルである。
ファブリックS−1〜S−4、S−7、及びS−8を得るために使用したニードルは、KV型のバーブ輪郭を有する。
ファブリックS−5及びS−6を得るために使用したニードルは、HL型のバーブ輪郭を有する。
ニードリングされた多軸シートを得るために使用したニードルは、従来型のバーブ輪郭(すなわち、直線状、非円錐形)を有する。
Figure 0006871931

C − ファブリックの特性
C1 − ファブリックの抵抗測定
ファブリック平面内の表面抵抗を測定し、ファブリックの平面を横切る平面内の抵抗を測定するために実施する測定手段は、
− Keithley 3706Aシステムスイッチ/マルチメータ装置
− Keithley LXI Discovery Browserソフトウェアプログラム
− LAV測定ゲージ
− 長さ25mm/80mmの銅プレート
である。
C1. 1ファブリックの平面における表面抵抗の測定
表面抵抗の測定は以下のように行われる。
アセンブリの較正のために、銅導体電極301(幅2.5cm及び長さ8cm)を、図3Aに示すように、互いに80mmの距離を置いてファブリック303の同じ面に配置する。
ゲージは、Rsquare=Rreadになるようにする。
squareはR×(w/L)に等しく、Rは読取り抵抗であり、wは支持体の測定幅(80mm)であり、Lは最も近い電極間の距離(80mm)である。
マイクロオーム計で4つのピークを測定するために電極を差し込み、マイクロオーム計は4WΩオートの測定に設定する。
ファブリック試料を硬い平らな面に置く。
試料測定のために、まず2枚の銅プレートを試料上に置く。プレート上に酸化層が存在する場合には、まずサンダー、例えば、オービタルサンダーで酸化層を除去する。酸化層は、測定の精度を損なう可能性がある。その後、適切な領域に銅プレートを置きながら、ゲージを上に置く。ゲージを電極上に軽く押し付ける。
次に、測定(「ループ測定」とも呼ばれる)を開始し、次いで、2つの電極をゲージ302の穴に入れ、銅プレートの表面を軽く押す。いくつかの測定値を決定するために数秒間待ってから、電極を取り外して測定を中止する。
試験するファブリックの試料上のゲージングデバイスと共に電極を動かすことによって、試験するファブリック毎に7回の測定を行う。4つの測定値を水平方向(図3Bの方向n°1)で採取し、3つの測定値を垂直方向(図3Cの方向n°2)で採取する。
表面抵抗値は、これら7回の測定値の平均値に相当する。結果を表IIIに示す。
C1.2 − 縦糸と横糸によって形成される平面を横切る平面における抵抗の測定
4つ折の積層体を作ることができるように、試験するファブリックを40×40mmの試料に切断する。重ねて折ったものを銅プレートの間に挟み、ロックねじに0.3Nmのトルクを加えることによって電極をプレートに押し付ける。
次に以下のように進める。
− 電極を差し込んでマイクロオーム計(赤色ケーブル1本、黒色ケーブル1本)で4つのピークを測定する。
− 測定時にマイクロオーム計を4WΩAutoに設定する。
− 上記のように試料をセットしたら、「TRIG」ボタンを押して電気測定値を確定し、それを画面上で読み取る。
− 次の試料について、もう一度「TRIG」を押すと、別の測定値が決定され、同様に続ける。
1回の試験につき3回の測定が行われ、一方、各試験の間に同じ折ったものを異なるように積層し直す。
横断面で測定される抵抗値は、これら3つの測定値の平均値に等しい。結果を表IIIに示す。
C2 − 平均厚さ測定
− (ISO5084)規格による平均厚さ測定と、
− 減圧下での平均厚さ測定(プロトコルについては後述する)と
の2種類の平均厚さ測定を行う。
ISO5084規格による平均厚さ測定は、単位面積当たりの平均質量の測定であり、10kPaの圧力で行う。
減圧下での平均厚さ測定は、以下のように減圧下で測定した平均点毎の測定の結果であり、分散を検証することを可能にする。
減圧下での厚さ測定には、
− Leybold Systemsの真空ポンプ、参照番号501902、
− Tesaの「micro−hite DCC 3D」三次元機械、
− 強化ガラス板、厚さ8mm、
− Vacuum tank ref film 818260F 205℃ Nylon 6 green、供給元Umeco,Aerovac、
− Bidim AB1060HA 380gsm 200℃ ポリエステル非圧縮定格厚さ6mm、供給元Umeco,Aerovac、
− PC及びPC−Dmis V42ソフトウェア、
− 最大トリガ0.06Nを有するφ3ボールプローブ、
− Robuso型切削砥石、
− 305x305mm切断テンプレート、
− 真空コネクタ、
− SM5130真空シール、供給元Umeco Aerovac
の機器を使用する。
減圧下での厚さ測定の説明は、以下の通りである。
− 試験する単一のファブリック(305×305mm)3枚の積層体を周囲の材料と共に、下から上へ、
・ Bidim(当業者に知られているフェルト)、
・ 縦糸が305×305mmの正方形の1つの端部に平行な方向に延出する、同方向の単一のファブリック3枚の積層体、
・ 真空タンク
の順でガラス板に置く。
− 真空タンク内に少なくとも15mbarの減圧を確立して、積層体を972mbar+/−3mbarの圧力下に置く。
− 減圧下でファブリック3枚の積層体の寸法安定化を達成しなければならない。
− 点を取る前に積層体をこの減圧下に少なくとも30分間放置する。
− ジョイスティック(コントローラの「joy」)を使用してテーブル上の物理的な点(テーブルの左上の白い点)を手動で取り、検証してから、自動モード(コントローラの「auto」)に変更する。
− 自動モードに入り、測定が行われるのを待つ。
このプログラムでは、タッチプローブを使用して25の測定点を取る。
真空タンクとガラスの厚さを測定するために、25点の測定を「空」、すなわち3枚のファブリックの積層体なしで繰り返す。
したがって、積層体あり及び積層体なしの高度測定値の差によって、積層体上に平均25点の厚さが得られる。
ISO5084規格による厚さ測定結果と減圧下での厚さ測定結果を表IIIに示す。
C3 − 横方向透過率の測定
各ファブリックの横方向透過率の測定は、国際公開第2010/046609号に記載された方法にしたがって実施する。横方向透過率は、繊維材料を横方向に横切る流体の能力、すなわち補強の平面の外側で規定することができる。mで測定する。表IIIの値は、2009年10月16日にEcole Nationale Superieure des Mines de Saint Etienneで論じられたRomain Nunezによる「複合構造物の製造のための繊維状プリフォームの横方向透過率を測定する際の問題」と題される論文に記載された測定機器及び技術を用いて測定される。さらなる詳細については、この出版物を参照されたい。FVCの変化は、試料の厚さを連続的に変化させることによって得られる。
試験の目的は、所与の繊維体積含有率(FVC)で試験した材料の透過率を測定することである。FVCは、試料の厚さを連続的に減少させることによって変化する。
圧力損失が安定すると、60秒間にわたって圧力センサ及び流量計からデータが送られる毎に記録することによって、6〜10回の透過率測定がFVC毎に行われる。この期間中、試料の現在のFVC含量を決定するために、試料の厚さの値を測定する。
各測定の間で、試料の厚さが減少し、圧力損失が一旦安定すると、次の測定が開始されるだけである。
測定は、「レーストラッキング」(透過率を測定する材料の隣又は「横」の流体通路)の影響を低減するために、2つの共円筒形チャンバを使用することによって、試験中に試料の厚さを確認しながら行う。使用する流体は水であり、圧力は1bar+/−0.01barである。横方向の透過率の結果を表IIIに示し、これは測定された測定値の平均に相当する。
C4 − 空気透過性の測定
空気透過性の測定は、EN ISO9237規格にしたがって行う。これらの結果を表IIIに示す。
C5 − 圧縮性の測定
圧縮率の測定に使用される手段は、
− ZWICK/ROELL Z300 Instron 5582 100KNなどの機械的万能試験機
− 温度モニタリングを伴う測定を行うためのZwick炉、
− T−expertソフトウェア(圧縮プリフォーム.ZPV)、
− 変形フレームワーク、
− 変形角を形成する角鋼部品、
− 圧縮のためのプレートとプレス、
− アレンキーとNo.10フラットレンチセット、
− K型熱電対及びKane−May KM340ディスプレイ
である。
圧縮率測定は、23℃±3℃の温度で、予備せん断なしで実施する。
試験するファブリックの単一試料を圧縮プレート上に置いておく。
試験の目的は、直径40mmのプレスを使用して0.2mm/分の速度で47%の繊維容積含有量(FVC)まで試料を圧縮することであり、このFVCの測定に使用される厚さは、変位に基づいて推定されるものである。測定は、試験1回につき単一ファブリックの3つの異なる試料について、1試料につき1回繰り返す。この47%FVCに対応するM荷重を測定する。この荷重は圧縮応力に相当し、ニュートン(N)で表される。
荷重変位曲線上の点Mの接線である直線P2を描く(図4参照)。P2の勾配は、圧縮剛性測定値に対応し、N/mm単位で表される。
圧縮剛性値が高くなればなるほど、ファブリックの加工性は大きくなる。
これらの結果を表IIIに示す。
C6 − 開口係数の測定
開口係数(OF)は、以下の方法にしたがって測定した。
デバイスは、10倍のレンズから成るSONY(SSC−DC58APモデル)カメラと、Waldmannライトテーブル、モデルW LP3 NR、101381 230V 50HZ 2x15Wとで構成される。測定する試料をライトテーブルに置き、カメラをスタンドに取り付け、試料から29cm離れたところに配置し、次にシャープネスを調整する。
測定幅は解析する試料に基づいて決定し、ズームを使用し、オープン・テキスタイル試料(OF>2%)については10cmのルーラー、あまり開いていない(OF<2%)試料については1.17cmを用いる。
絞り及び制御写真を使用して、制御写真上のOF値に対応するOF値を得るように光度を調整する。
Scion Image社(Scion Corporation、米国)製のVideometコントラスト測定ソフトウェアを使用する。画像が取り込まれた後、以下のように処理する。ツールを使用して、選択された較正に対応し(例えば10cm−70穴)、多数の完全なパターンを含む最大表面積を規定する。次に、テキスタイルで使用される用語としての基本表面領域、すなわち、繰返しによるファブリックの幾何学的形状を表す表面積を選択する。
ライトテーブルからの光がファブリックの開口部を通過すると、白い表面積を基本パターンの全表面積で割った比に100を乗じることによって(100×(白い表面積/基本表面積))、割合としてのOFが規定される。
拡散現象は、観察される多孔質の見かけの大きさ、したがってOFの見かけの大きさを変化させる可能性があるため、光度を設定することが重要であることに留意すべきである。過度に大きな飽和又は拡散現象が見られないように中間光度を使用する。
ニードリング前のファブリックの開放係数測定の結果を表Iに示し、ニードリング後のファブリックについて測定した結果を表IIIに示す。
C7 − せん断剛性の測定
45°の牽引
せん断(45°の牽引)を測定するために使用される手段は、
− INSTRON 5544 50 Nのような機械式万能試験機、
− Bluehirrソフトウェア、
− 剥離強度ジョー(jaws)、
− クラフト紙、
− 綿キャンバス接着ストリップ、
− C97ガラス接着剤、
− カットテンプレートとホイール
である。
試験するファブリックの試験片を適合するジョーの上に置き、次いでアセンブリをINSTRON(50Nセル)のスタンド上に置く。試験するファブリックは、ファブリックの糸が張力軸に対して+/−45°で配向されるように定位置に置く。
2つのジョー間の距離(200mm)を測定し、変位及びセルをゼロに設定する。
牽引速度は20mm/分である。
図5に示す曲線を描くために、ジョーの変位に基づいて適用する荷重を測定する。点Mは最大せん断荷重(45°牽引)である。
直線P2は、変曲点における曲線の接線に対応する。直線P2は、測定曲線の最も顕著な勾配に対応する。
直線P2の勾配は、せん断剛性の測定値に対応し、N/mm単位で表される。
結果を表IIIに示す。
C8 − 気孔率の測定
総多孔率(Po)の測定値は、以下の式に基づいて得られる。
Po(%)=100−FVC(%)
FVCは、明細書(式I参照)で規定されているような繊維体積含有量に対応する。
得られた計算結果を表IIIに示す。
C9 − 単位面積当たりの質量の測定
単位面積当たりの質量は、ISO3374規格にしたがって測定する。結果を表IIIに示す。
Figure 0006871931

Figure 0006871931

D − 拡散層の製造
拡散層(又はGDL)を得るために、第1の工程は、ニードル加工された(又はニードル加工されていない)ファブリックを、疎水性コーティングを形成する液体組成物で処理し、続いて350℃空気下で熱処理することを含む。第2の工程は、微孔質層を形成する液体組成物を含む疎水性コーティングを有するファブリックを処理し、続いて350℃で2時間熱処理することを含む。
D1 − 疎水性コーティングを形成するための液体組成物
表IVは、拡散層中に疎水性コーティング(HC)を形成するために使用される液体組成物(CRH)の様々な配合を示す。
Figure 0006871931
前記割合は、液体組成物の総重量に対して表される重量%である。
液体組成物CRH−1及びCRH−2は、生成物を混合し、Dispermatを用いて懸濁液を均質化することによって得られる。この装置は、液状組成物の内部で、2000rpmで鋸歯状ホイールを回転させ、20分間真空(P=−0.9バール)を印加しながらボルテックス現象を生じさせる。この工程は存在する任意の集塊を壊し、液体組成物中に閉じ込められている可能性のあるガスを除去する。
液体組成物CRH−1及びCRH−2を使用すると、表Vに示す以下の疎水性コーティングが得られる。
Figure 0006871931
前記割合は、乾燥疎水性コーティングの総重量に対して表される重量%である。
D2 − 微孔質層を形成するための液体組成物
微孔質層を塗布した時、この微孔質層の形成に用いた液体組成物は、
− 2.67%の疎水剤(PTFE)、
− 4.35%のカーボンナノファイバー(Rhodia社製VGCF−H)、
− 0.99%の増粘剤(メチルセルロース)、
− 1.5%の分散剤(Triton X100)、
− 3.17%のカーボンブラック、
− 87.32%の水(QSP)
の組成(CL−MPL)を有していた。
この液体組成物は、疎水性コーティングを堆積させるために使用する液体組成物に関して上述したように、生成物を混合し、Dispermatを用いて懸濁液を均質化することによって得られる。
前記割合は、液体組成物の総重量に対して表される重量%である。
この液体組成物を使用すると、
− 11.54%の疎水剤(PTFE)、
− 51.12%のカーボンナノファイバー(Rhodia社製VGCF−H)、
− 37.34%のカーボンブラック
の微孔質層が生成される。
前記割合は、熱処理後に最終的に得られる微孔質層の総重量に対して表される重量%である。
D3 − 拡散層の例
拡散層GDL−2〜GLD−11は、以下に示す動作条件にしたがって得られる。表VIは、各拡散層について、支持体として使用されるニードル加工(又はニードル加工なし)ファブリック、疎水性コーティング、及び使用される微孔質層を示す。
まず、支持体S−1〜S−10を、疎水性コーティングを有するように処理する。これを行うために、選択したCRH液体組成物の浴に含浸剤を用いて支持体を沈める。次に、支持体を空気中350℃で熱処理する。
次いで、液体組成物CL−MPLを、疎水性コーティングを有する先に得られた支持体上に、コーティング法によって堆積させる。組成物を支持体上に広げた後、微孔質層を固化させるために、支持体を80℃で直接コーティング台上で乾燥させる。次に、空気中350℃で熱処理を行う。最後に、2.5mg/mの微孔質層が得られる。
Figure 0006871931

E − 電流密度の測定
E1 − 膜電極アセンブリ(MEA)
次に、拡散層GDL−1〜GDL−11を膜電極アセンブリ(MEA)で使用する。
動作条件下で性能を検証するために、拡散層GDL−1〜GDL−11を、25cmの単セル内の3つの層(拡散層、アノード、及びカソードに対応する膜)で組み立てる。電極は、触媒とNafion型イオノマーとから構成される。
次に、この単セルをテストベンチでコンディショニングし、評価し、
− 圧力、
− 温度、
− 化学量論、
− 湿度
の動作条件の正確な制御を可能にする。
12時間のコンディショニングの後、
− 自動車条件、80℃、50%RH、1.5Bar、
− 湿気条件(自動車の始動)60℃、100%RH、1.5Bar、
− 乾燥条件、80℃、20%RH、1.5Bar
の3つの主な条件下でGDLの性能を評価する。
これらの3つの条件は、広い動作スペクトル内でGDLを検証することを可能にする。
E2 − 電流密度の測定
膜電極アセンブリ(MEA)の性能を分極曲線によって決定する。
膜電極アセンブリ(MEA)の分極曲線は、単セルを通過する電流密度に基づく電圧の変化を示す。したがって、この単セルの電気化学的性能を評価することが可能になる。
電流密度下で(Istabilization=10A、初期の自動車条件(Istabilization=25A)を除く)、少なくとも1時間、種々のパラメータ(例えば、圧力、温度、相対湿度(RH)など)が安定化した後、各々の動作条件で記録する。
走査速度は分極曲線全体にわたってVb=1A/分であり、電流密度の増加方向で行う。
電圧が420mVを下回るか、又はImax電流=37.5Aに達すると、データ取得中に電流の変化が停止する。
E3 − 結果
E3.1 − MEAの特性に対する支持体の効果
図6は、本発明による拡散層(GDL−2、GDL−3、GDL−4、GDL−5及びGDL−7)を含むMEA分極曲線と、本発明に含まれない拡散層(GDL−1)を含むMEAの分極曲線とを示す。
本発明による拡散層の性能は、市販のGDL−1拡散層と同様に高い。GDL−4拡散層の性能は、市販のGDL−1拡散層の性能よりわずかに良好である。
図7A、図7B、図7Cは、異なる温度及び湿度レベルでコンディショニングするための、本発明による拡散層(GDL−6)を含むMEAの分極曲線と、本発明に含まれない拡散層(GDL−1)を含むMEAの分極曲線とを示す。(図7A:コンディショニング80℃、50%RH(自動車)、図7B:コンディショニング60℃、100%RH、図7C:コンディショニング80℃、20%RH)。コンディショニングにかかわらず、本発明による拡散層は、本発明に含まれない拡散層(入手可能な市販の参照物で最良のもの)の電気化学的性能レベルに類似した電気化学的性能レベルを提供する。
図8は、本発明による拡散層(GDL−5)と、ニードリング条件が最適化された本発明による拡散層(GDL−6)とを含むMEA分極曲線を示す。これらの曲線は、使用している織物支持体にニードリング条件を適合させることによって拡散層の電気化学的性能を改善することが可能であることを示している。
E3.2−本発明による拡散層を含むMEAの特性に対する疎水性コーティングの様々な組成の例示
図9は、疎水性コーティングの組成がGDL−6に対して変化する本発明による拡散層(GDL−10)を含むMEAの分極曲線と、本発明に含まれない拡散層(GDL−1)を含むMEAの分極曲線とを示す。
これらの結果は、拡散層の疎水性コーティング中の疎水剤、カーボンナノファイバー、及び分散剤の質量比によってその性能の最適化が可能になるが、GDL−6に関して寄与した変動は、GDL−1に関してもより良い性能を得ることを可能にすることを示す。
E3.3 − 拡散層を含むMEAの特性に対するニードリングの影響
図10は、本発明による拡散層(GDL−9)と、同様のファブリックを使用しているがニードル加工されていない本発明に含まれない拡散層(GDL−8)とを含むMEA分極曲線を示す。ニードリングは性能を大幅に改善するように見える。
E3.4 − 拡散層を含むMEAの特性に支持体の性質が及ぼす影響
図11は、本発明による拡散層(GDL−6)と、本発明に含まれない拡散層(GDL−11、ニードル加工された一方向性シート)とを含むMEAの分極曲線を示す。ここでもまた、本発明によるファブリックを選択することにより、性能が大幅に改善される。
F − 結論
これらの結果は、本発明の枠組みに記載されたニードル加工ファブリックを使用することにより、GDLに使用される支持体の性能が改善され、市販製品S−NT(Signacet BC)と同様又はさらに良好な性能を得ることが可能になることを実証する。疎水性コーティングの組成及び量も、選択した支持体に関連して最適化されている。本発明による支持体は、特に満足できる加工性及び取り扱い特性を提供する。

Claims (21)

  1. 少なくとも1つの疎水性コーティングを含む少なくとも1つのニードル加工ファブリックを含んでなる、燃料電池用の拡散層であって、前記ニードル加工ファブリックは、カーボン糸を含み、40〜80g/mの単位面積当たりの質量を有するファブリックから出来ていて、前記ファブリックは、厚さを有し、ニードル加工されてステープルファイバーを含む前記ニードル加工ファブリックを提供するものであって、前記ステープルファイバーが、その起点となる、前記ニードル加工ファブリックの前記カーボン糸から延出し、その起点となる前記カーボン糸の方向と平行ではない方向に延出している、前記拡散層。
  2. 前記ステープルファイバーの少なくとも一部が、前記ニードル加工ファブリックの厚さに沿って延出する、請求項1に記載の拡散層。
  3. 前記ニードル加工ファブリックがニードル衝撃を適用することを含み、ニードル衝撃密度が、片面につき50〜650ニードル衝撃/cmの範囲内にあり、前記ニードル衝撃は、前記ニードル加工ファブリックの片面のみから、又は前記ニードル加工ファブリックの両面から与えられる、請求項1に記載の拡散層。
  4. 前記ニードル加工ファブリックは、縦糸と横糸とから構成され、前記ステープルファイバーが前記縦糸及び/又は前記横糸を起点とする、請求項1に記載の拡散層。
  5. 前記カーボン糸が、高抵抗カーボン糸、高モジュールカーボン糸、及び中間モジュールカーボン糸から選択される、請求項1に記載の拡散層。
  6. 前記疎水性コーティングが、テトラフルオロエチレン及びフッ素化エチレンプロピレンから選択される少なくとも1種の疎水剤を含む、請求項1に記載の拡散層。
  7. 前記疎水性コーティングがカーボンナノファイバーをさらに含む、請求項1に記載の拡散層。
  8. 前記拡散層が、細孔を含む少なくとも1つの微孔質層をさらに含む、請求項1に記載の拡散層。
  9. 前記微孔質層の細孔径が0.01〜10μmである、請求項8に記載の拡散層。
  10. 前記微孔質層が、カーボンブラックと、テトラフルオロエチレン及びフッ素化エチレンプロピレンから選択される少なくとも1つの疎水性剤とを含む、請求項8に記載の拡散層。
  11. 前記微孔質層がカーボンナノファイバーをさらに含む、請求項8に記載の拡散層。
  12. 燃料電池用の拡散層を製造する方法であって、
    カーボン糸を含み、40〜80g/mの範囲内の単位面積当たりの質量を有する、少なくとも1つのファブリックを提供するステップと、
    前記ファブリックをその幅広面の1つからニードリングして、ニードル衝撃が適用されているニードル加工ファブリックを形成するステップと、
    前記ニードル加工ファブリックに疎水性コーティングを形成するステップと
    を含む、前記方法。
  13. 前記ファブリックが、0〜5%の範囲内の開口係数を有する、請求項12に記載の方法。
  14. 前記ニードル衝撃密度が、片面につき50〜650ニードル衝撃/cmの範囲内である、請求項12に記載の方法。
  15. 液体組成物を使用して前記疎水性コーティングを形成し、前記液体組成物が、テトラフルオロエチレン及びフッ素化エチレンプロピレンから選択される少なくとも1種の疎水性剤を含む、請求項12に記載の方法。
  16. 前記液体組成物が、分散剤と、カーボンナノファイバーと、水、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、及びそれらの混合物などの少なくとも1種の溶媒とをさらに含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記拡散層の幅広面の片面又は両面に微孔質層を形成するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
  18. 液体組成物を使用して前記微孔質層を形成し、前記液体組成物が、カーボンブラックと、テトラフルオロエチレン及びフッ素化エチレンプロピレンから選択される少なくとも1種の疎水性剤とを含む、請求項17に記載の方法。
  19. 前記微孔質層を形成するための前記液体組成物が、増粘剤と、少なくとも1種の分散剤と、カーボンナノファイバーとをさらに含む、請求項18に記載の方法。
  20. 請求項1に記載の拡散層を含む、燃料電池。
  21. 請求項8に記載の拡散層を含む、燃料電池。
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