JP6870949B2 - 金属印刷インキ - Google Patents

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Description

本発明は、缶の表面に凹凸意匠を形成するのに好適な金属印刷インキに関する。
金属缶、金属容器は、食品や飲料等を充填する包装容器として広く一般に利用されている。この金属缶の外面側には、美観ないしは意匠性、内容物の表記を目的として、様々な装飾が施される。このような装飾のひとつとして、表面に凹凸を形成することが提案されている。
凹凸の形成方法は種々提案されているが、印刷により凹凸を形成する方法として、例えば特許文献1には、缶体の外面に、シリコーン系ワックス等の添加剤を含む下地インキが印刷されてなる下地層と、この下地層上の印刷面に上地塗料が印刷されてなる上地層とが形成され、下地層との界面における上地塗料の表面張力差によって上地塗料が下地層にはじかれ、表面で斑状に凝集して凹凸模様が形成された塗装缶が提案されている。
内容物の表記等を印刷するための金属印刷インキと、金属印刷インキ上に塗布され、印刷された金属インキに傷等が付かないように保護するオーバープリント用ワニスとにこの方法を適用すれば、例えば特許文献2に記載されている方法のように、印刷層(下塗り塗膜)とは別に上塗り塗料を凝集させるための層を所定パターンで形成する工程を設けることなく、金属缶の表面に不定形に凹凸を形成することができる。
特開2002−361172号公報 特開平11−276986号公報
ところが本発明者らが検討したところ、シリコーン系添加剤を含むインキによって印刷した層上にオーバープリント用ワニスを塗布した際に、オーバープリント用ワニスが十分に凝集せず、所望の凹凸が形成されない場合があった。
また、特定の領域のみにシリコーン系添加剤を含むインキを用いて印刷し、他の領域は金属基材を露出させたり、シリコーン系添加剤を含まないインキを用いて印刷したりするなどして一部のみに凹凸を形成し、他は平坦にしようとした場合に、金属基材が露出した領域や、シリコーン系添加剤を含まないインキを用いて印刷した領域の一部でもオーバープリント用ワニスが凝集して、凹凸が形成されてしまう場合があった。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、所望の領域に好適に凹凸を形成することができる金属印刷インキを提供することを目的とする。
本発明はアルキッド樹脂を含む樹脂と、溶剤と、トレランス値が0.5以上8以下であり、シロキサン骨格を有する化合物と、を含むことを特徴とする金属印刷インキに関する。
本発明の金属印刷インキによれば、所望の領域に好適に凹凸を形成することができる。
本発明の金属印刷インキは、アルキッド樹脂を含む樹脂と、溶剤と、トレランス値が0.5以上8以下であり、シロキサン骨格を有する化合物と、を含む。以下、本発明の金属印刷インキの各成分について詳細に説明する。
本発明の金属印刷インキに使用される樹脂は、アルキッド樹脂を含む。本明細書においてアルキッド樹脂とは、多塩基酸と多価アルコールとの縮合物を骨格とし、脂肪酸或いはそれらの水素添加物、油あるいはそれらの水素化物、1価の酸、1価のアルコール等で変性した樹脂である。エポキシ樹脂やアクリル樹脂で変性してもよく、変性に用いる成分は通常アルキッド樹脂の合成に使用できる原料が使用でき特に制限はない。
アルキッド樹脂の合成に用いられる多塩基酸としては、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸等の芳香族2塩基酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、無水ヘット酸等の脂環族2塩基酸、マロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、ジメチルコハク酸、無水コハク酸、アルケニル無水コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水ハイミック酸等の脂肪族2塩基酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水メチルシクロヘキシルヘキセントリカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸等の多塩基酸等が挙げられ、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、オクタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールF、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられ1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
油、脂肪酸も特に制限はなく、通常アルキッド樹脂の合成に使用される油、脂肪酸が使用可能である。アマニ油、キリ油、サフラワー油、大豆油、トール油、ヌカ油、パーム油、ヒマシ油、脱水ヒマシ油、ヒマワリ油、ヤシ油、これら油の脂肪酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、リシノール酸、エレオステアリン酸等が挙げられ1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
1価の酸としては、特に限定されないが、安息香酸、p−ターシャリーブチル安息香酸、ロジン酸、水素添加ロジン酸等が挙げられ1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
1価のアルコールとしてはオクチルアルコール、デカノール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、グリコールエステル類、フェニルグリコール等のグリコールエーテル類、ロジンアルコール、水添ロジンアルコール等が挙げられ1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
アルキッド樹脂を、1価あるいは2価以上のエポキシ基を有する化合物でエポキシエステルを形成し変性することもできる。アクリル酸エステル、スチレン等のビニル化合物を、アルキッド樹脂の不飽和二重結合にラジカル重合開始剤を用いてグラフト重合させてもよい。
このようなアルキッド樹脂の油長は20以上60以下、酸価は0.1mgKOH/g以上25mgKOH/g以下、水酸基価は70mgKOH/g以上200mgKOH/g以下に調整されていることが好ましい。また、重量平均分子量は5000以50000以下に調整されていることが好ましい。これにより、金属印刷インキとしての印刷適性や塗膜物性に優れるとともに、後述するシロキサン骨格を含む化合物と併用する際に所望の領域に好適に凹凸を形成することができ、貯蔵安定性に優れる金属印刷インキとすることができる。
このようなアルキッド樹脂に加えて、通常金属印刷インキに用いられる他の樹脂を併用することも可能であり、石油樹脂、エポキシ樹脂、ケトン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、アミノ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、オイルフリーポリエステル樹脂、ロジンフェノール樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の金属印刷インキにおける樹脂の含有量は、所定のインキタックバリューに調整できればよく特に制限はないが、金属印刷インキの全量の5質量%以上70質量%以下が好ましく、30質量%以上70質量%以下がより好ましい。
また、アルキッド樹脂に加えて他の樹脂を併用する場合には、金属印刷インキに添加される樹脂に占めるアルキッド樹脂の含有量が50質量%以上であることが好ましい。
本発明に用いられる溶剤としては通常金属印刷インキに用いられている公知のものを使用することができる。例えば沸点範囲が230℃〜400℃程度の脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素やアルキルベンゼンなどの芳香族炭化水素、高級アルコールが挙げられ、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の金属印刷インキにおける溶剤の含有量は、所定のインキタックバリューに調整できれはよく特に制限はないが、一例として金属印刷インキの全量の5質量%以上60質量%以下である。
本発明の金属印刷インキに用いられるシロキサン骨格を含む化合物としてはトレランス値が0.5以上8以下のものであればよく、特に限定されない。例えばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の未変性シリコーンオイルや、これらポリオルガノシロキサン構造中の側鎖の一部または末端の少なくとも一方、あるいは側鎖の一部及び末端の少なくとも一方に、各種有機基が導入された変性シリコーンオイル等が挙げられる。
変性シリコーンオイルとしては、アルキル変性シリコーンオイル、アラルキル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、クロロ変性シリコーンオイル、フロロ変性シリコーンオイル、フロロアルキル変性シリコーンオイル、脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、脂肪酸アミド変性シリコーンオイル、アルコキシ変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、脂環式エポキシ変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、アクリル変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル等が挙げられる。
また、2種以上の有機基で変性したものを用いてもよく、このような変性シリコーンオイルとしてはアルキル・アラルキル変性シリコーンオイル、アルキル・アラルキル・ポリエーテル変性シリコーンオイル等が挙げられる。アルキル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイルのアルキル基、ポリエーテル基の末端に、さらにアクリル基やメタクリル基、アミノ基等の有機基を導入したものを用いてもよい。
シロキサン骨格を含む化合物のうち、トレランス値が0.5以上8以下のものを選択して用いることができ、1種のみ用いてもよいし2種以上を併用してもよい。シロキサン骨格を含む化合物のトレランス値は、シロキサン骨格を含む化合物の分子量や変性に用いられる有機基により調整することができる。例えば、シロキサン骨格を含む化合物にアルキル基やポリエーテル基、より好ましくは長鎖アルキル基を導入することによりシロキサン骨格を含む化合物のトレランス値を本発明の金属印刷インキに好適な範囲に調整することができる。
本明細書においてシロキサン骨格を含む化合物のトレランス値とは、室温でワニス100gにシロキサン骨格を含む化合物を滴下していき、濁りが生じ始めたときのシロキサン骨格を含む化合物の添加量(g)である。ワニスを入れたシャーレを新聞紙上に置き、ここにシロキサン骨格を含む化合物を滴下していき、新聞紙の文字が明瞭に視認できなくなった段階を濁りが生じ始めたときとする。また、このときのワニスは、油長が35以上45以下、酸価が10gKOH/g以上25mgKOH/g以下、水酸基価が90gKOH/g以上120mgKOH/g以下、重量平均分子量が25000以上35000以下、数平均分子量が3600以上4200以下であるアルキッド樹脂と溶剤とを、アルキッド樹脂固形分100質量部に対して溶剤30質量部を加えてワニスにしたものである。溶剤は、上述したような通常金属印刷インキに用いられている公知のものである。
本発明の金属印刷インキを用いて印刷した領域上では、後に塗布するオーバープリント用ワニスが金属印刷インキとの表面張力差により、凹部に缶体の保護に必要な膜厚を残しつつ凝集して、不定形の凹凸が1つまたは複数形成される。また、本発明の金属印刷インキが印刷された領域(凹凸を形成したい領域)と、本発明の金属印刷インキが印刷されていない領域(凹凸を形成しない領域)とが隣り合う場合、即ち缶外面の一部のみに凹凸を設けたい場合に、本発明の金属印刷インキが塗布された領域の外側にまで凹凸が形成されてしまうことを防ぐことができる。
シロキサン骨格を含む化合物のトレランス値が0.5未満であると金属印刷インキ上に塗布するオーバープリント用ワニスを凝集させる力が強過ぎ、外面の一部のみに凹凸を設けたい場合に、凹凸を形成したい領域を超えて凹凸が形成されてしまったり、凹部の膜厚が薄過ぎてオーバープリント用ワニスの本来の役割である、缶体の保護が不十分になってしまったりするおそれがある。また、貯蔵安定性に劣り、長期間保存した後ではシロキサン骨格を含む化合物を含む金属印刷インキで印刷した領域の一部にしか凹凸が形成されない、換言すればシロキサン骨格を含む化合物を含む金属印刷インキで印刷した領域上であっても凹凸が形成されない領域が生じるおそれがある。一方、トレランス値が8以上であると、オーバープリント用ワニスを凝集させる力が弱く、所望の凹凸を形成できないおそれがある。
シロキサン骨格を含む化合物のトレランス値は1.0以上5.0以下であることがより好ましく、1.0以上3.0以下であることがさらに好ましい。これにより、より確実に所望の領域に好適に凹凸を形成することができる。
シロキサン骨格を含む化合物の含有量は、発現させたい凹凸の程度(深さや凸部の面積)によるが、0.5質量%以上であるとはっきりとした凹凸が得られるため好ましい。一方で含有量が一定の値を超えるとオーバープリント用ワニスの凝集の程度に顕著な変化が認められなくなる。過剰に添加すると一部の領域のみに凹凸を形成したい場合に、凹凸を形成したい領域の外縁を超えて凹凸が形成されてしまうおそれもある。このためシロキサン骨格を含む化合物の含有量はシロキサン骨格を含む化合物の含有量は、金属印刷インキの全量の0.5質量%以上5質量%以下とすることが好ましく、1.0質量%以上3.0質量%以下とすることがより好ましく、1.5質量%以上2.5質量%以下とすることがさらに好ましい。
本発明の金属印刷インキは、必要に応じて無機顔料または有機顔料を含んでいてもよい。このような無機顔料、有機顔料としては、耐熱性、耐光性、耐レトルト性を備えるものであれば、従来金属印刷インキに使用されているようなものを特に制限なく使用することができ、無機顔料としては酸化チタンやシリカ、カーボンブラック等が挙げられる。有機顔料としてはフタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、キノフタロン系顔料等が挙げられる。
これらの顔料の含有量は種類や目的により適宜調整されるが、金属印刷インキの全量の10質量%以上60質量%以下とすることが好ましい。
本発明の金属印刷インキには、必要に応じて顔料分散剤、ドライヤー、酸触媒、補助溶剤等を用いることができる。補助溶剤としては、印刷適性、オーバープリントワニスの塗装性に応じて、任意の溶剤を1種または2種以上を組み合わせて用いることができ、グリコール系、グリコールエーテル系、グリコールエステル系、高級アルコール系溶剤等が挙げられる。
本発明の金属印刷インキは、ロールミル、ボールミル、ビーズミルなどを用いて、常法により調整することができる。
本発明の金属印刷インキを用いた印刷方法は、下地金属基材に、上述した金属印刷インキを用いて印刷層を形成する工程と、印刷層上に熱硬化性を有するオーバープリント用ワニスを塗布してオーバープリント層を形成する工程と、印刷層とオーバープリント層とを加熱硬化させる工程とをこの順に含む。
印刷層を形成する方法としては、通常の2ピース缶の印刷方法である樹脂凸版を使用したドライオフセット方式や水無し平版を使用したドライオフセット方式、通常の水を使用した平版オフセット方式等によって印刷することができる。インキの膜厚は任意であるが、例えば0.3μm以上3μm以下の範囲で調整すればよい。
本発明の金属印刷インキを用いて形成される印刷層は、下地金属基材の全面に形成されてもよいし、一部のみに形成されていてもよい。本発明の金属印刷インキが印刷されない領域は、通常の金属印刷インキによって印刷層が形成されていてもよいし、下地金属基材や下地金属基材と印刷層との間に塗布される他の塗料により形成された層が露出していてもよい。
金属基材の印刷に使用される下地金属基材としては、金属を円筒形の缶型に成型した2ピース缶や、未塗装あるいは塗装された成型前の金属板が用いられ特に制限はない。下地金属は、アルミニウム、鉄等が例示でき、化成処理、メッキ処理、サイズ塗料やホワイトコーティング等が塗装されていても、PETフィルム等がラミネート処理されていても構わない。
本発明の金属印刷インキと組み合わせて用いるオーバープリント用ワニスは、通常金属印刷に用いられるような、加熱によって硬化する任意の水性型または溶剤型のオーバープリント用ワニスが使用でき特に制限はない。
本発明の金属印刷インキは、金属印刷インキ上にオーバープリント用ワニスをウェットオンウェット方式で塗装した後、130℃〜210℃で5秒〜15分程度焼き付けて加熱硬化させる。オーバープリント用ワニスの塗装は例えばコーター方式で行うことができる。金属印刷インキ上にオーバープリント用ワニスを塗装してから焼き付け硬化させるまでの間に本発明の金属印刷インキを印刷した領域ではオーバープリント用ワニスが凝集して凹凸模様が形成される。
本発明の金属印刷インキを用いた印刷方法によれば、印刷層とは別にオーバープリント用ワニスを凝集させるための層を、凹凸に対応したパターンが設けられた版などを用いて形成する工程を設けることなく、通常の金属印刷と同様にして金属缶の表面に凹凸を形成することができる。凹凸に対応したパターンが設けられた版などを用いてオーバープリント用ワニスを凝集させるための層が設けられた場合には、パターンに対応してオーバープリント用ワニスがハジかれたり凝集したりするのとは異なり、本発明の金属印刷インキを印刷した領域ではオーバープリント用ワニスが不定形に凝集して凹凸模様が形成される。本発明の金属印刷インキを印刷しない領域ではオーバープリント用ワニスは平坦な塗膜となる。
以下、実施例と比較例により本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。配合組成その他の数値は特記しない限り質量基準である。
(アルキッド樹脂の合成)
ヤシ油脂肪酸190部、無水フタル酸102部、トリメチロールエタン78部、ペンタエリスリトール18部、1,6−ヘキサンジオール12部を常法にてエステル化し、油長41、酸価18mgKOH/g、水酸基価105mgKOH/g、重量平均分子量28000、数平均分子量3900のアルキッド樹脂を得た。このアルキッド樹脂を実施例、比較例に用いた。
(インキの調整)
得られた樹脂を用い、表1、2に示す配合で実施例、比較例、参考例の金属印刷インキを調整した。なお、表中における顔料1は、フタロシアニン系顔料(DIC株式会社製「FASTGEN Blue FA5375」)、顔料2はジスアゾ系顔料(DIC株式会社製「SYMULER FAST Yellow NIF」)である。ワニスは、上記のアルキッド樹脂100部とアルキルベンゼン(日本石油株式会社製「アルケンL」)30部とをワニス化したものである。溶剤はアルキルベンゼン(日本石油株式会社製「アルケンL」)である。
また、表1、2中のシリコーンオイルA−Gはジメチルポリシロキサンのメチル基の一部をアルキル基またはポリエーテル基で変性したものである。括弧内の値はワニス(上記のアルキッド樹脂100部とアルケンL30部をワニス化したもの)を用いて測定したそれぞれのトレランス値である。
Figure 0006870949
Figure 0006870949
(試験片の作成)
60℃で6ヶ月保存した実施例、比較例、参考例の金属印刷インキを、厚さ0.21mmのアルミニウム板に、RIテスターを用いて塗布した。引き続いて未硬化の金属印刷インキ上に、ナチュラルコーターを用いて公知の油性オーバープリント用ワニスと水性オーバープリント用ワニスをそれぞれ塗布した後、板温度200℃で3分焼き付けて試験片を作成した。得られた試験片を次のようにして評価し、結果を表3、4にまとめた。
(貯蔵安定性)
試験片の外観を観察し、凹凸が均一に形成されているものを○、凹凸の高さが高いものが集中している領域や浅いものが集中している領域があるものを△、凹凸が形成されている領域と、形成されていない領域とがあるものを×として3段階で評価した。
(外観)
試験片の外観を観察し、凹凸の有無と、凹凸の高さを調べた。凹凸の有無については、凹凸が視認できるものを○、視認できないものを×した。凹凸の高さについては、凹凸が視認できた試験片のうち最も高低差があるものを5、最も高低差が小さいものを1とし、5段階で評価した。
(隣接領域への影響)
凹凸を形成したい領域の外縁を超えて凹凸が形成されてしまう要因の一つとして、シロキサン骨格を含む化合物を含む金属印刷インキを用いて印刷した領域からシロキサン骨格を含まない金属印刷インキを用いて印刷した領域へと、シロキサン骨格を含む化合物が移行していることが考えられる。この状況を再現するために、実施例、比較例の金属印刷インキと、参考例の金属印刷インキとをそれぞれ3:7で混合したものを用いた以外は、上記と同様にして試験片を作成した。得られた試験片を観察し、凹凸の有無を調べた。凹凸が形成されているものを×、形成されていないものを○とした。
Figure 0006870949
Figure 0006870949
表3、4から明らかなように、本発明の金属印刷インキは貯蔵安定性に優れ、所望の領域に好適に凹凸を形成することができる。

Claims (6)

  1. 金属基材上に、アルキッド樹脂を含む樹脂と、溶剤1と、トレランス値が0.5以上8以下であり、シロキサン骨格を有する化合物と、を含む金属印刷インキを用いて印刷層を形成する工程と、
    前記印刷層上に熱硬化性を有するオーバープリント用ワニスを塗布してオーバープリント層を形成する工程と、
    前記印刷層と前記オーバープリント層とを加熱硬化させる工程とをこの順に含み、
    前記シロキサン骨格を有する化合物が、アルキル変性ジメチルポリシロキサンまたはポリエーテル変性ジメチルポリシロキサンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、
    前記アルキッド樹脂の油長が20以上60以下、酸価が0.1mgKOH/g以上25mgKOH/g以下、水酸基価が70mgKOH/g以上200mgKOH/g以下、重量平均分子量が5000以上50000以下であり、
    前記トレランス値とは、室温でワニス100gに前記シロキサン骨格を含む化合物を滴下していき、濁りが生じ始めたときのシロキサン骨格を含む化合物の添加量(g)であり、前記ワニスは、油長が35以上45以下、酸価が10gKOH/g以上25mgKOH/g以下、水酸基価が90gKOH/g以上120mgKOH/g以下、重量平均分子量が25000以上35000以下、数平均分子量が3600以上4200以下であるアルキッド樹脂と溶剤2の質量比が、アルキッド樹脂固形分100質量部に対して前記溶剤2が30質量部であり、
    前記溶剤1は沸点が230〜400℃の脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、高級アルコールからなる群から選ばれる少なくとも一種であり、
    前記溶剤1と前記溶剤2は同種のものである、印刷方法。
  2. 前記シロキサン骨格を有する化合物が、ジメチルポリシロキサンのメチル基の一部をアルキル基またはポリエーテル基で変性したシリコーンオイルである請求項1に記載の印刷方法。
  3. 前記シリコーンオイルの含有量が金属印刷インキ全量の0.5質量%以上である請求項1又は2の何れかに記載の印刷方法。
  4. 前記シリコーンオイルの含有量が金属印刷インキ全量の5質量%以下である請求項1又は2の何れかに記載の印刷方法。
  5. 前記金属基材がアルミニウム板である請求項1〜4の何れか1つに記載の印刷方法。
  6. 前記金属印刷インキを用いて印刷層を形成する工程が、樹脂凸版を使用したドライオフセット法、水無し平版を使用したドライオフセット法、湿し水を使用した平版オフセット法から選ばれる1種の方法により行われることを特徴とする請求項1〜5の何れか1つに記載の印刷方法。
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