JP7368674B1 - 凸版印刷用インキ組成物、及び基材の被覆方法並びに印刷塗装物 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた耐ミスチング性や機上安定性、流動性などの印刷適正と水性タイプのオーバープリント用ワニスへの優れた適性を有する凸版印刷用インキ組成物、およびそのインキを用いた基材の被覆方法並びに印刷塗装物を提供すること。【解決手段】脂肪酸変性ポリエステル、顔料、溶剤、及び水を含有する凸版印刷用インキ組成物において、前記脂肪酸変性ポリエステル中の脂肪酸の含有量が10~40質量%であり、凸版印刷用インキ組成物中の前記水の含有量が5~25%であることを特徴とする凸版印刷用インキ組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、凸版印刷用インキ組成物に関し、優れた耐ミスチング性、機上安定性などの印刷適正と水性タイプのオーバープリント用ワニスへの優れた適性を有する凸版印刷用インキ組成物、およびそのインキを用いた基材の被覆方法並びに印刷塗装物に関する。
包装容器としての金属容器は、種々の用途で利用されている。金属容器のうち、印刷シームレス缶は、金属板を最初に打ち抜き、しごきなどの工程を経て有底円筒状に加工し、有底円筒状の胴部に印刷塗装後、ネッキングやフランジング等の加工を施して缶体を仕上げる方法により製造される。
シームレス缶は果汁飲料、清涼飲料、炭酸飲料、ビールなどのアルコール飲料、食品などの包装容器として広く使用されている。シームレス缶の外周面は製品価値を高める装飾、腐食防止などの目的で印刷、塗装が施されている。
シームレス缶への印刷は、印刷インキがインキ壺から供給され、複数のロールを介して版面の画線部に転写され、更に、ブランケットへ転写された後、シームレス缶の胴部に印刷される。シームレス缶への印刷は、ドライオフセット方式が採用され、通常、樹脂凸版が使用される。
近年、従来の溶剤タイプのオーバープリント用ワニスに代わり、消防法上の観点や環境調和の観点から水性タイプのオーバープリント用ワニスが使用されることが一般的になりつつある。(特許文献1)
しかし、従来の印刷インキ塗膜上に水性タイプのオーバープリント用ワニスを塗布した場合、インキの凝集が起こって濃度むらが発生する、オーバープリント用ワニスのはじきが発生する、といった問題があった。この問題を解決するために、水性タイプのオーバープリント用ワニスに対する適性を有するインキが要求されてきた。
たとえば、水性タイプのオーバープリント用ワニスに対する適性を有するインキとしては、希釈剤成分によって、対水性ニス適性を得る例として、特許文献2、特許文献3があげられる。
しかし、これらは親水性が高い希釈剤成分を用いて水性タイプのオーバープリント用ワニスとのウェット適性を得るものであるが、これらの希釈溶剤を用いたインキは印刷時に多量のミストを発生させて印刷塗装缶に汚れを発生させたりして作業環境を悪化させる。
また、樹脂成分によって水性タイプのオーバープリント用ワニスへの適性を得る例として、たとえば特許文献4があげられる。
特許文献4では1価の分岐状飽和型カルボン酸、多価アルコールおよび多価カルボン酸を用い、水酸基を多く残すことで水性タイプのオーバープリント用ワニスに対して印刷適性をもたせ、耐ミスチング性を改善している。これらの方法では水性タイプのオーバープリント用ワニスに対する濡れ性は良くなるが、インキ中の顔料の分散状態を十分に安定させることができず、インキの流動性の低下が生じるとともに、使用条件によっては凝集が発生して機上安定性が悪化してしまう。
特開2013-194087号公報 特開平03-273068号公報 特開平04-106166号公報 特開平02-127485号公報
本発明は、優れた耐ミスチング性や機上安定性、流動性などの印刷適性と水性タイプのオーバープリント用ワニスへの優れた適性を有する凸版印刷用インキ組成物、およびそのインキを用いた基材の被覆方法並びに印刷塗装物を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、脂肪酸変性ポリエステル、顔料、溶剤、水を含有する凸版印刷用インキ組成物において、脂肪酸変性ポリエステル中の脂肪酸含有量、並びにインキ組成物中の水の含有量が特定の範囲内とすることで、優れた印刷適正と水性タイプのオーバープリント用ワニスへの優れた適性を発現させることを見出した。
すなわち本発明は、脂肪酸変性ポリエステル、顔料、溶剤、及び水を含有する凸版印刷用インキ組成物であって、前記脂肪酸変性ポリエステル中の脂肪酸の含有量が10~40質量%であり、凸版印刷用インキ組成物中の前記水の含有量が5~25%であることを特徴とする凸版印刷用インキ組成物に関する。
また、本発明は、基材上に上記凸版印刷用インキ組成物を印刷した後、オーバープリント用ワニスを塗布し、硬化させることを特徴とする基材の被覆方法に関する。
また、本発明は、基材上に凸版印刷用インキ組成物により形成された印刷層と、オーバープリント用ワニスにより形成されたオーバープリント層を備えた印刷塗装物に関する。
本発明によれば、水性タイプのオーバープリント用ワニスを使用する場合でも優れた適性を発現し、良好な印刷適性を示す凸版印刷用インキ組成物、並びに凸版印刷用インキ組成物による基材の被覆方法を提供することができる。上記凸版印刷用インキ組成物並びに被覆方法は、印刷作業環境を改善すると共に印刷時の歩留りが向上し、環境負荷を軽減することができる。
以下、本発明の凸版印刷用インキ組成物の一実施形態について説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の範囲において適宜変更を加えて実施することができる。
(凸版印刷用インキ組成物)
本実施形態の凸版印刷用インキ組成物(以下、インキ組成物とも呼ぶ)は、脂肪酸変性ポリエステル、顔料、溶剤、水を必須成分として含む。以下、各成分について説明する。
<脂肪酸変性ポリエステル>
本実施形態の脂肪酸変性ポリエステルは、バインダー成分として機能し多塩基酸と多価アルコールとの縮合物を骨格とし、脂肪酸で変性された樹脂である。
脂肪酸変性ポリエステルに含まれる脂肪酸の含有量は、脂肪酸変性ポリエステル中10質量%以上、40質量%以下であって、好ましくは、20質量%以上30質量%以下である。脂肪酸の含有量が上記範囲内である脂肪酸変性ポリエステルを含むインキ組成物は、インキ組成物中の水が層分離せず、また流動性と機上安定性が優れる。
脂肪酸は、ヨウ素価が100以下である脂肪酸が好ましい。ヨウ素価が100以下である脂肪酸は、これを用いることにより、脂肪酸を由来とする成分による特有の匂いを生じにくく、シームレス缶の内容物のフレーバー性が良好になるため好ましい。
ヨウ素価が100以下である脂肪酸としてはカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸などの天然または合成の脂肪酸;ヤシ油脂肪酸、ひまし油脂肪酸、パーム油脂肪酸等が挙げられる。これらの脂肪酸は単独で使用してもよいし、2種以上を併用しても良いが、流動性と機上安定性の観点からカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ヤシ油脂肪酸を使用することが好ましく、ヤシ油脂肪酸を使用することがより好ましい。
また、脂肪酸や油を原料とする脂肪酸の一部を脂肪酸以外の一塩基酸に変更してもよい。他の一塩基酸としては、安息香酸、p-t-ブチル安息香酸、アビエチン酸、水素添加アビエチン酸、12-ヒドロキシステアリン酸等が使用できる。
多塩基酸としては、例えば、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水コハク酸、アジピン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸などの二塩基酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸無水物などの三塩基酸などが使用でき、これらを併用してもよい。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,6-ヘキサンジオール、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールAなどの2価アルコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートなどの3価アルコール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどの4価以上のアルコールなどが使用でき、これらを併用してもよい。
脂肪酸変性ポリエステルのスチレン換算重量平均分子量(Mw)は、2,000以上15,000以下であることが好ましく、3,000以上7,000以下であることがより好ましい。また数平均分子量(Mn)は1,000以上4,000以下であることが好ましく、2,000以上3,000以下であることがより好ましい。分子量が小さすぎると、凝集力が小さくなるためインキ組成物の塗膜強度が不足する。一方、分子量が大きすぎると、脂肪酸変性ポリエステルの粘度が高すぎるためインキ組成物を所定の形状に調整することができず、また機上安定性が悪くなる。
脂肪酸変性ポリエステルの酸価は特に限定されない。一例を挙げると、酸価は、0.1mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であることが好ましく、1.0mgKOH/g以上15mgKOH/g以下であることがより好ましい。酸価が上記範囲内であることにより、インキ組成物は適正な流動性を確保でき転移性への影響を極力回避することができる。本実施形態において、酸価は、樹脂1g中に含まれている遊離酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数で定義される。単位はmgKOH/gである。
脂肪酸変性ポリエステルの製造方法は特に限定されない。例えば、脂肪酸変性ポリエステルの製造方法は、油を原料とするエステル交換法、脂肪酸を原料とする脂肪酸法など、公知の方法が利用できる。その一例としては、撹拌機、還流冷却管および温度計を備えた反応容器に上記に記載の脂肪酸と、多塩基酸と、多価アルコールをキシレンと共に仕込み、窒素雰囲気下にて撹拌しながら240℃まで昇温し、エステル化反応を行う。そして任意の酸価であることを確認した後、反応を終了することにより脂肪酸変性ポリエステルを得る。
インキ組成物中における脂肪酸変性ポリエステルの含有量は、種類や目的によって適宜調整されるが、15~40質量%が好ましく、20~35質量%が更に好ましい。脂肪酸変性ポリエステルの含有量が上記範囲内であることにより、インキ組成物は良好な作業性、印刷適性を示し、皮膜強度・加工性にも優れる。
さらに、上記脂肪酸変性ポリエステルに加え、通常の印刷インキに用いられる他の樹脂を併用することもできる。すなわち、インキ形状、印刷適性、塗膜物性等の要求性能に応じて、脂肪酸変性ポリエステルと相溶する公知の樹脂を単独または複数混合して使用できる。具体的には、たとえば、ロジン変性フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、石油樹脂、エポキシ樹脂、ケトン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等を例示できる。
<顔料>
本実施形態の顔料は、特に限定されない。印刷インキ用の公知の無機顔料または有機顔料を、単独または複数混合して使用できる。
無機顔料及び有機顔料は、耐熱性、耐光性、耐レトルト処理性を有するものであることが好ましい。無機顔料は、酸化チタン、シリカ、カーボンブラック等である。有機顔料は、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、キノフタロン系顔料、スレン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料等である。
顔料濃度は、種類や目的によって適宜調整される。一例を挙げると、白色を呈する酸化チタンはインキ組成物中10~70質量%、より好ましくは20~60質量%、黒色を呈するカーボンブラックは10~50質量%、より好ましくは20~40質量%、有機顔料は10~50質量%、より好ましくは15~40%である。顔料の含有量が上記範囲内であることにより、インキ組成物は良好な着色力、隠ぺい力を示し、分散安定性にも優れる。
<溶剤>
溶剤は、水性タイプのオーバープリント用ワニスとの適性および水との相性の観点から、親水性溶剤が好ましい。具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール系溶剤;ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコールフェニルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤;N-メチル-2-ピロリドン、2-ピロリドン等のラクタム系溶剤等が挙げられ、中でもポリプロピレングリコールがロール上での乾燥性の観点から好ましく挙げられる。
インキ組成物中における溶剤の含有量は15~35質量%が好ましく、20~30質量%がより好ましい。
<水>
インキ組成物中の水の含有量は5~25質量%であって、好ましくは10~20質量%である。水の含有量が上記範囲内であることにより、インキ組成物の流動性、耐ミスチング性、機上安定性を両立することができる。
溶剤に対する水の割合は5~40%がインキ組成物の流動性を向上させる観点から好ましい。
<分散剤>
本発明では、顔料の分散性を向上させるために、顔料分散剤を使用することが好ましい。顔料分散剤としては、従来既知の化合物を使用することができるが、水性対応の分散剤を使用することが好ましい。
顔料分散剤の例としては、ルーブリゾール社製のソルスパース20000、27000、41000、45000、53095、M387等;ビックケミー社製のDisperbyk-180、184、2015等;花王株式会社製のエマルゲン108、109、709、LS114、A-90等、第一工業製薬株式会社製のノイゲンXL-70、80、EA-137、157等が挙げられる。
・その他の成分
本実施形態のインキ組成物には、その他の成分としてインキ組成物に通常配合される添加剤を配合することができる。たとえば、体質顔料、ドライヤー、酸触媒、ワックス、粘度調整剤、保存安定剤等があげられる。
・印刷インキの調整方法
本実施形態のインキ組成物の調製方法は、特に限定されない。一例を挙げると、インキ組成物は、3本ロールミル、ボールミル、ビーズミル等を用いて常法によって調製できる。
本実施形態のインキ組成物の形状は、脂肪酸変性ポリエステル、顔料、溶剤、添加剤の種類や含有量で変わる。たとえば、凸版を使用したドライオフセット印刷用として、タック値(JIS K5701-1)4~12、フロー値(JIS K5701-1)27~47の範囲で調整されることが好ましい。
本発明の凸版印刷用インキ組成物は、樹脂凸版を使用したドライオフセット方式やフレキソ印刷方式で使用できる。インキの膜厚は任意であるが、0.5~6μmの範囲で行えばよい。
・基材
本発明の凸版印刷用インキ組成物における被覆対象の基材としては、特に限定されないが、例えば亜鉛引き又は錫引き鉄板、アルミニウム板等の金属基材、あるいはこれら金属素材からなる金属缶等が挙げられる。
また本発明の凸版印刷用インキ組成物は、金属基材を有底円筒状に打ち抜いたシームレス缶にも使用できる。シームレス缶の金属基材は、アルミニウム板、鉄板、これらにポリエステルフイルムなどをラミネート処理した被覆板等である。これらの基材は、化成処理、メッキ処理、ベースコーティングとしてサイズ塗装やホワイト塗装、シルバー塗装等が施されてもよい。
本実施形態の基材の被覆方法は、基材上に、凸版印刷用インキ組成物により印刷層を設ける工程、該印刷層上にオーバープリント用ワニスを塗布する工程、ついで硬化処理を施す工程を含む。また、本発明の印刷塗装物は、基材上に、凸版印刷用インキ組成物により形成された印刷層と、オーバープリント用ワニスにより形成されたオーバープリント層を備える。オーバープリント用ワニスを塗布する工程はウェットオンウェット方式で塗装する工程が好ましい。硬化処理を施す工程は加熱硬化であることが好ましく、加熱条件は特に限定されないが、一例を挙げると、第一の焼付け条件として180℃~300℃の温度で3秒~90秒程度、第二の焼付けとして180℃~300℃の温度で30秒~150秒程度加熱される。
オーバープリント用ワニスとしては熱硬化性のものが好ましく、特に制限されることなく従来公知のものが使用できる。例えば、水性のポリエステル・メラミン系、ポリエステル・エポキシ・メラミン系、ポリエステル・アクリル・メラミン系ワニスなどが例示できる。
以下に本発明を実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以下において「部」および「%」はいずれも「質量部」および「質量%」である。
(脂肪酸変性ポリエステル(1))
ヤシ油脂肪酸5部、無水フタル酸48部、ペンタエリスリトール14部、トリメチロールプロパン40部、キシロール10部、攪拌機を備えた四つ口フラスコに仕込み、窒素気流化でキシロールを回流しながら220℃~230℃の温度において、酸価が7.0mgKOH/gになるまでエステル化反応を行った。反応終了後、キシロールを240℃で留出させ、重量平均分子量9,800、数平均分子量3,600の脂肪酸変性ポリエステル(1)を得た。なお、脱水量は7部であった。
(脂肪酸変性ポリエステル(2))
ヤシ油脂肪酸10部、無水フタル酸45部、ペンタエリスリトール20部、トリメチロールプロパン32部、キシロール10部、攪拌機を備えた四つ口フラスコに仕込み、窒素気流化でキシロールを回流しながら220℃~230℃の温度において、酸価が7.0mgKOH/gになるまでエステル化反応を行った。反応終了後、キシロールを240℃で留出させ、重量平均分子量10,700、数平均分子量3,900の脂肪酸変性ポリエステル(2)を得た。なお、脱水量は7部であった。
(脂肪酸変性ポリエステル(3))
ヤシ油脂肪酸15部、無水フタル酸43部、ペンタエリスリトール25部、トリメチロールプロパン24部、キシロール10部、攪拌機を備えた四つ口フラスコに仕込み、窒素気流化でキシロールを回流しながら220℃~230℃の温度において、酸価が7.0mgKOH/gになるまでエステル化反応を行った。反応終了後、キシロールを240℃で留出させ、重量平均分子量10,300、数平均分子量3,800の脂肪酸変性ポリエステル(3)を得た。なお、脱水量は7部であった。
(脂肪酸変性ポリエステル(4))
ヤシ油脂肪酸20部、無水フタル酸40部、ペンタエリスリトール24部、トリメチロールプロパン23部、キシロール10部、攪拌機を備えた四つ口フラスコに仕込み、窒素気流化でキシロールを回流しながら220℃~230℃の温度において、酸価が7.0mgKOH/gになるまでエステル化反応を行った。反応終了後、キシロールを240℃で留出させ、重量平均分子量5,500、数平均分子量3,000の脂肪酸変性ポリエステル(4)を得た。なお、脱水量は7部であった。
(脂肪酸変性ポリエステル(5))
ヤシ油脂肪酸25部、無水フタル酸36部、ペンタエリスリトール23部、トリメチロールプロパン23部、キシロール10部、攪拌機を備えた四つ口フラスコに仕込み、窒素気流化でキシロールを回流しながら220℃~230℃の温度において、酸価が7.0mgKOH/gになるまでエステル化反応を行った。反応終了後、キシロールを240℃で留出させ、重量平均分子量4,700、数平均分子量2,700の脂肪酸変性ポリエステル(5)を得た。なお、脱水量は7部であった。
(脂肪酸変性ポリエステル(6))
ヤシ油脂肪酸30部、無水フタル酸33部、ペンタエリスリトール22部、トリメチロールプロパン22部、キシロール10部、攪拌機を備えた四つ口フラスコに仕込み、窒素気流化でキシロールを回流しながら220℃~230℃の温度において、酸価が7.0mgKOH/gになるまでエステル化反応を行った。反応終了後、キシロールを240℃で留出させ、重量平均分子量3,800、数平均分子量2,500の脂肪酸変性ポリエステル(6)を得た。なお、脱水量は7部であった。
(脂肪酸変性ポリエステル(7))
ヤシ油脂肪酸35部、無水フタル酸29部、ペンタエリスリトール22部、トリメチロールプロパン21部、キシロール10部、攪拌機を備えた四つ口フラスコに仕込み、窒素気流化でキシロールを回流しながら220℃~230℃の温度において、酸価が7.0mgKOH/gになるまでエステル化反応を行った。反応終了後、キシロールを240℃で留出させ、重量平均分子量3,100、数平均分子量2,200の脂肪酸変性ポリエステル(7)を得た。なお、脱水量は7部であった。
(脂肪酸変性ポリエステル(8))
ヤシ油脂肪酸40部、無水フタル酸26部、ペンタエリスリトール20部、トリメチロールプロパン20部、キシロール10部、攪拌機を備えた四つ口フラスコに仕込み、窒素気流化でキシロールを回流しながら220℃~230℃の温度において、酸価が7.0mgKOH/gになるまでエステル化反応を行った。反応終了後、キシロールを240℃で留出させ、重量平均分子量2,800、数平均分子量2,100の脂肪酸変性ポリエステル(8)を得た。なお、脱水量は7部であった。
(脂肪酸変性ポリエステル(9))
ヤシ油脂肪酸45部、無水フタル酸24部、ペンタエリスリトール32部、トリメチロールプロパン6部、キシロール10部、攪拌機を備えた四つ口フラスコに仕込み、窒素気流化でキシロールを回流しながら220℃~230℃の温度において、酸価が7.0mgKOH/gになるまでエステル化反応を行った。反応終了後、キシロールを240℃で留出させ、重量平均分子量2,700、数平均分子量2,000の脂肪酸変性ポリエステル(9)を得た。なお、脱水量は7部であった。
(脂肪酸変性ポリエステル(10))
カプリン酸17部、無水フタル酸41部、ペンタエリスリトール25部、トリメチロールプロパン24部、キシロール10部、攪拌機を備えた四つ口フラスコに仕込み、窒素気流化でキシロールを回流しながら220℃~230℃の温度において、酸価が7.0mgKOH/gになるまでエステル化反応を行った。反応終了後、キシロールを240℃で留出させ、重量平均分子量5,000、数平均分子量2,700の脂肪酸変性ポリエステル(10)を得た。なお、脱水量は7部であった。
(脂肪酸変性ポリエステル(11))
パルミチン酸23部、無水フタル酸38部、ペンタエリスリトール23部、トリメチロールプロパン23部、キシロール10部、攪拌機を備えた四つ口フラスコに仕込み、窒素気流化でキシロールを回流しながら220℃~230℃の温度において、酸価が7.0mgKOH/gになるまでエステル化反応を行った。反応終了後、キシロールを240℃で留出させ、重量平均分子量5,600、数平均分子量3,100の脂肪酸変性ポリエステル(11)を得た。なお、脱水量は7部であった。
(脂肪酸変性ポリエステル(12))
ヤシ油脂肪酸20部、無水フタル酸40部、ペンタエリスリトール24部、トリメチロールプロパン23部、キシロール10部、攪拌機を備えた四つ口フラスコに仕込み、窒素気流化でキシロールを回流しながら220℃~230℃の温度において、酸価が20.0mgKOH/gになるまでエステル化反応を行った。反応終了後、キシロールを240℃で留出させ、重量平均分子量4,100、数平均分子量2,600の脂肪酸変性ポリエステル(12)を得た。なお、脱水量は7部であった。
脂肪酸変性ポリエステル(1)~(12)の配合およびパラメーターを表1に示す。
Figure 0007368674000001
得られた脂肪酸変性ポリエステル(1)~(12)を用い、表2および表3に示す配合で実施例、比較例の凸版印刷用インキ組成物を調整した。タック値は5.5~6.5の範囲で設定した。なお、表中における顔料はフタロシアニンブルー15:3である。また、溶剤(1)は親水性溶剤であるポリプロピレングリコール(三洋化成工業株式会社製「サンニックスPP400」)、溶剤(2)は疎水性溶剤である分岐型アルキルベンゼン(三菱商事ケミカル株式会社製「AB730」、体質顔料はタルク(松村産業株式会社製「ハイフィラー#5000PJ」)、分散剤はポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル(花王株式会社製「エマルゲンLS114」)である。
Figure 0007368674000002


Figure 0007368674000003

(評価)
実施例1~14、比較例1~6のインキ組成物を下記要領にて評価し、結果を表2および表3に示した。尚、いずれの評価基準である、++は優れている、+は実用可能、NGは実用不可レベルである。
(流動性)
調整したインキ組成物について、スプレッドメーターにて流動性を評価した(JIS K 5701に基づく)。
++:60秒後のインキの広がりの直径が35mm以上
+:60秒後のインキの広がりの直径が30mm以上35mm未満
NG:60秒後のインキの広がりの直径が30mm未満
(機上安定性)
RIテスターを用いて4分割ロール上に0.05ccの凸版印刷用インキ組成物を引き延ばした後、インキをアルミ板に転写させた。その後インキの補充は行わずにロールを連続回転させ、10分ごとにアルミ板に印刷を行い、インキが転移しなくなるまでの時間を調べ、以下のように評価した。
++:60分以降もインキが転移する
+:30分以上60分未満でインキが転移しなくなる
NG:30分未満でインキが転移しなくなる
(耐ミスチング性)
調整したインキ組成物2.6ccをとってインコメーターの回転ローラーに塗布し、均一にならした後、2,400rpmで5秒間回転させた。この間、ローラーの下に10cm四方の板を置いておき、その上へのインキの飛散量を比較した。測定はローラーを40℃に保って行った。
評価基準
++:測定前後の板の質量変化が30mg未満であり、生産の際に問題にならない。
+:測定前後の板の質量変化が30mg以上、50mg未満であり、インキは飛散しているが生産に使用することは可能。
NG:測定前後の板の質量変化が50mg以上であり、生産に支障をきたす。
(水性タイプのオーバープリント用ワニスへの適性)
調整したインキ組成物について、アルミニウム製のシームレス缶に展色したインキ組成物の塗膜上に水性タイプのオーバープリント用ワニスを塗装した。その後、200℃にて3分間焼き付けて印刷塗装膜を作製した。この印刷塗装膜について、塗装されたオーバープリント用ワニスのはじきの有無を目視で評価した。
++:はじきが全く発生していない
+:はじきがわずかに発生している
NG:はじきが発生している
表2および表3から明らかなように、樹脂中の脂肪酸の含有量、インキ中の水の含有量が特定の範囲内にあるとき、流動性、機上安定性、耐ミスチング性が良好な凸版印刷用インキ組成物が得られ、工業上極めて有益であることが分かる。





























Claims (4)

  1. 脂肪酸変性ポリエステル、顔料、水以外の親水性溶剤、及び水を含有する凸版印刷用インキ組成物であって、前記脂肪酸変性ポリエステル中の脂肪酸の含有量が10~40質量%であり、凸版印刷用インキ組成物中の前記水の含有量が5~25質量%であることを特徴とする凸版印刷用インキ組成物。
  2. 前記脂肪酸変性ポリエステルがヤシ油脂肪酸変性ポリエステルである請求項1記載の凸版印刷用インキ組成物。
  3. 基材上に、請求項1または2に記載の凸版印刷用インキ組成物により印刷層を設け、該印刷層上にオーバープリント用ワニスを塗布し、ついで硬化処理を施す基材の被覆方法。
  4. 基材上に、請求項1または2に記載の凸版印刷用インキ組成物により形成された印刷層と、オーバープリント用ワニスにより形成されたオーバープリント層を備えた印刷塗装物。
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