JP6870830B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
このようなギヤ振動を抑制する技術に関連して、例えば、特許文献1には、移動基台に摩擦負荷を与えることによって移動基台の駆動に用いられる歯車列のガタを取り去る画像形成装置が記載されている。この画像形成装置によれば、歯車列の歯車にバックラッシがあっても、歯車が駆動方向に押しつけられて駆動方向にはガタがない状態で駆動される。このため、ステッピングモータの振動減衰時間が短くなり、移動基台を安定して移動できる。
特許文献2には、ステッピングモータの位置決め停止時間が短くて済むようなステッピングモータの制御方式が記載されている。
特許文献2に記載のステッピングモータの制御方式は、ステッピングモータ固有のセットリングタイムを低減することができる。しかし、この制御方式によれば、減速機構を介して回転体を駆動する際の減速ギヤ列の振動に起因する振動を抑制することはできないという問題がある。
図1は、本発明の実施形態の回転体駆動装置の模式的な正面図である。図2は、本発明の実施形態の回転体駆動装置の主要部の拡大図である。図3は、本発明の実施形態の遊技機の一例を示す模式的な斜視図である。
駆動モータ2の駆動軸2aにおけるコギングトルクの1回転当たりの振動回数はn回(ただし、nは3以上の整数)である。駆動モータ2のモータの種類は特に限定されない。
例えば、駆動モータ2は、安価な誘導電動機の一つであるPM(Permanent Magnet)モータであってもよい。駆動モータ2は、所定の回転角ごとに停止可能なステッピングモータであってもよい。駆動モータ2は、不図示の制御回路に電気的に接続される。この制御回路は、駆動モータ2の回転状態を制御する。
以下では、一例として、駆動モータ2はステップ数がnのステッピングモータであるとして説明する。このステッピングモータにおいては、1回転当たり、ステップ数nと同じ回数だけコギングトルク(ディテントトルク)が変動する。
第2ギヤ4は、歯数M(第2の歯数)を有する。歯数Mは、リール5の回転に必要なギヤ比に応じて設定される。歯数Mは、歯数Nよりも多くてもよいし、少なくてもよい。歯数Mと歯数Nとは互いに等しくてもよい。図1、2に示す例では、第2ギヤ4の歯数Mは、第1ギヤ3の歯数Nよりも多い。
第2ギヤ4は、装置本体7に固定された回転軸6に回転可能に支持されている。駆動軸2aと回転軸6との軸間距離は、第1ギヤ3および第2ギヤ4の噛み合いに必要な中心間距離に合わされている。
中心固定部5cは、リール5の中心部に配置されている。中心固定部5cは、図示略の連結部を介して第2ギヤ4と連結されている。この連結部は中心固定部5cと第2ギヤ4とを固定する連結部でもよい。この連結部は、中心固定部5cを第2ギヤ4に対して周方向に移動可能に連結してもよい。この場合、連結部は、バネなどの弾性部材およびダンパなどの減衰部材の少なくとも一方を含んでいてもよい。
外周部5bは、円筒状に形成されている。外周部5bは、外周部5bの外周面5aには、図形、記号、絵柄などの表示画像(以下、図柄という)が、例えば、印刷などを使用して描かれていてもよい。
支持部5dは、外周部5bを中心固定部5cの中心に関して同軸に支持する。本実施形態では、支持部5dは、中心固定部5cと外周部5bとの間において放射状に複数本配置されている。
リール5は、外周面5aが回転軸6の中心軸線と同軸となるように、第2ギヤ4に連結されている。
回転体駆動装置1の用途は特に限定されない。例えば、回転体駆動装置1は、図3に示す回胴式遊技機50(遊技機)の一部として用いられてもよい。
回胴式遊技機50の内部には、回転体駆動装置1が3つ配置されている。
回胴式遊技機50は、前面扉52を開閉可能に軸支するキャビネット51を有する。キャビネット51には、液晶表示装置53と、表示窓54と、張出部55と、腰部パネル56と、メダル払出口57とが、配されている。
張出部55の上面には、MAX−BETボタン58と、メダル投入口59とが配されている。張出部55の前面には、スタートレバー60と、左停止ボタン61と、中停止ボタン62と、右停止ボタン63とが配されている。
左リールユニット64、中リールユニット65、および右リールユニット66における各リール5の外周面5aには、周方向に沿って、20個あるいは21個程度の図柄が形成されている。
各外周面5aは、表示窓54を通して、外部から図柄が見えるように、周方向の一部が表示窓54内に露出している。
図4は、ステッピングモータのセットリングタイムについて説明する模式的なグラフである。横軸は時間、縦軸はステッピングモータの回転位置を表す角度である。図5は、比較例の回転体駆動装置の主要部の拡大図である。図6(a)、(b)、(c)は、比較例および本発明の実施形態の回転体駆動装置の動作について説明する模式図である。
このような回転体の揺動は、例えば、駆動源のステップ数を増やしたり、ダンパを設けたりして改善することも考えられるが、いずれも部品コストが増大してしまう。
特に、回胴式遊技機50に使用される駆動モータ2は、外周面5aに描かれた図柄の表示窓54内の動きが滑らかに見えるように、例えば、252ステップ/周程度の位置分解能が求められる。位置分解能が252ステップ/周であると、21図柄/周のリール5において、12ステップ/図柄の位置分解能が得られる。
しかし、252ステップ/周のステッピングモータは、汎用品が使用できないため、非常に高価である。
例えば、安価に入手できる48ステップ(単位ステップ角7.5°)のステッピングモータを用いて、リール5における252ステップ/周の位置分解能を得るには、ギヤ比M/Nを5.25にすればよい。具体的には、kを自然数として、N=48×k、M=252×kとすればよい。
本発明者は、さらに検討を進め、第1ギヤ3の歯数を駆動モータ2のステップ数nの自然数倍にすると、この振動が抑制されることを見出し、本発明に到った。
まず、本発明者が見出した振動低減の原理について、図5に示す比較例の回転体駆動装置101の動作を参照して説明する。以下では、簡単のため、本実施形態の回転体駆動装置1がn=N(k=1)の場合の例で説明する。具体的には、駆動モータ2のステップ数nが48、歯数N、Mがそれぞれ48、252であるとする。
回転体駆動装置101では、第1ギヤ103は、本実施形態の回転体駆動装置1と同様の駆動モータ2によって駆動される。
回転体駆動装置101では、n/N(=48/16)=3であるため、駆動モータ2が3ステップ分回転すると、第1ギヤ103が1ギヤピッチ分回転する。したがって、第1ギヤ103の1歯の噛み合いの間、第1ギヤ103が3種類の停止位置を通過する。
図6(a)は、第1ギヤ103のギヤ歯G1と第2ギヤ104のギヤ歯g1との噛み合いが進み、ギヤ歯G1がギヤ歯g1の回転方向上流側のギヤ歯g2と噛み合い始める位置が停止位置になっていることを示す。
図6(b)は、第1ギヤ103のギヤ歯G1がさらに単位ステップ角だけ図示反時計回りに回転し、ギヤ歯G1が第2ギヤ104のギヤ歯g1、g2に略均等に挟まれて噛み合う位置が停止位置になっていることを示す。
図6(c)は、第1ギヤ103のギヤ歯G1がさらに単位ステップ角だけ図示反時計回りに回転し、ギヤ歯G1と第2ギヤ104のギヤ歯g2との噛み合いが進み、ギヤ歯G1の回転方向上流側のギヤ歯G2と第2ギヤ104のギヤ歯g2とが噛み合い始める位置が停止位置になっていることを示す。
以下では、図6(a)、(b)、(c)に対応する第1ギヤ103の停止位置をそれぞれポジションA、B、Cと称する。
しかし、各ポジションA、B、Cでは、第1ギヤ103と第2ギヤ104との間の歯当たりが異なるため、第1ギヤ103の振動の第2ギヤ104への伝わり方は、ポジションA、B、Cごとに異なる。
同様に、振動のためにギヤ歯G1が停止位置から図示時計回りに移動すると、第1ギヤ103の中心から距離L2a(ただし、L2a>L1a)の位置で、力F2がギヤ歯g2に作用する。
力F1、F2は、第2ギヤ104の動きに応じて変化し、振動の減衰のために変化する。しかし、第2ギヤ104の回転速度に比べて振動周期が短く、振動が停止位置を中心として起こることを考慮すれば、力F1、F2は、平均的には互いに略均等な大きさで減衰していく。このため、第1ギヤ103から第2ギヤ104に作用する力のモーメントの大きさは、力F1、F2の作用点の腕の長さでほぼ決まる。
具体的には、第2ギヤ104の回転中心に対して、力F1の腕の長さの方が力F2の腕の長さよりも長い。このため、第2ギヤ104は、全体としては、駆動モータ2の振動のために第1方向R1の方に回転しやすい偏った力のモーメントを受ける。
同様に、振動のためにギヤ歯G1が停止位置から図示時計回りに移動すると、第1ギヤ103の中心から距離L2b(ただし、L1a<L2b<L2a)の位置で、力F2がギヤ歯g2に作用する。
L1bとL2bとは略等しいため、第2ギヤ104は、全体としては、駆動モータ2の振動のために回転方向の偏りがほとんどない略均等な力のモーメントを受ける。
同様に、ギヤ歯G1が停止位置から図示時計回りに移動すると、第1ギヤ103の中心から距離L2c(ただし、L2c<L1c)の位置で、力F2がギヤ歯g2に作用する。
このため、第2ギヤ104は、全体としては、ポジションAとは逆に、駆動モータ2の振動のために第2方向R2の方に回転しやすい偏った力のモーメントを受ける。
第2ギヤ104は、このように不均等な振動を受けるため、第2ギヤ104の回転に連動するリール5にも不均一な振動が重畳する。このため、リール5の回転の安定性が損なわれる。特に、リール5の正逆転、停止の際には、共振や自励振動などにより不均一な振動成分の振幅が増大するおそれがある。
反対に、第1ギヤ103の図示反時計回りの回転が急に停止する場合を考える。第2ギヤ104は回転慣性のために図示時計回りに回転するため、停止動作の開始時には、第2ギヤ104は、慣性力の反作用として第1ギヤ103から力F2を受ける。ポジションA、Cを比較すると、力F2のモーメントは、ポジションAの方が小さくなるから、ポジションCに比べてポジションAの方が停止しにくい。同様に、ポジションAの方が不安定な振動が起こりやすくなる。
駆動モータ2が逆回転する場合には、ポジションA、Cの関係も反対になる。
このため、駆動モータ2のコギングトルクに起因する振動が、第1ギヤ3を介して第2ギヤ4に伝達されても、リール5の周方向の動きに単一のパターンの振動が重畳されるのみである。この結果、振動によるリール5の回転変動も比較例に比べると安定する。
例えば、リール5の正逆転、停止のために回転に変動が生じる場合でも、共振や自励振動などにより不均一な振動成分の振幅が増大するおそれが低減される。
すなわち、本実施形態によれば、コギングトルクを加振源とするギヤ列の振動が残っていても、振幅の増大などの不安定化が防止される。
第1ギヤ3の駆動モータ2への取付位置は、停止位置がポジションBとなるように、各ギヤ歯の中心軸線が駆動軸2aの中心と回転軸6の中心とを結ぶ線上に位置するように配置されることがより好ましい。
ただし、第1ギヤ3がポジションA(C)で停止するように、駆動モータ2に取り付けられていても、各ギヤ歯の停止位置がポジションA(C)で一定している。このため、比較例に比べると振動の安定性は良好になる。
図7(a)は、本発明の実施形態の回転体駆動装置の作用について説明する模式的なグラフである。図7(b)は、図7(a)の部分拡大図である。図8(a)は、比較例の回転体駆動装置の作用について説明する模式的なグラフである。図8(b)は、図8(a)の部分拡大図である。
曲線201に示すように、エンコーダ出力は、静止位置に向かって増大し、静止位置を中心として減衰振動しながら、一定値に収束している。その際、微小振動が全体に重畳されている。図7(b)に立ち上がり時間内の波形が拡大されている。
曲線211に示すようにエンコーダ出力は、図7(a)と略同様に、全体としては、静止位置に向かって増大し、静止位置を中心として減衰振動しながら、一定値に収束している。その際、微小振動が全体に重畳されている。図8(b)に立ち上がり時間内の波形が拡大されている。
図7(b)、図8(b)を比較すると、比較例に比べて、本実施形態の回転体駆動装置1の方が重畳された微小振動の振幅が小さくなっていることが分かる。
しかし、駆動モータ2は、ロータと、第1ギヤ3を回転する出力軸との間に減速機構が介在する構成でもよい。この場合、第2ギヤ4が受ける駆動トルクの変動の1回転当たりの振動回数n’は、駆動モータ2のステップ数nと減速機構の減速比(出力/入力)rを用いて、n’=n/rのように表される。すなわち、r<1であれば、i=n’>nである。
2 駆動モータ(駆動源)
2a 駆動軸
3 第1ギヤ
4 第2ギヤ
5 リール(回転体)
5a 外周面
6 回転軸
50 回胴式遊技機(遊技機)
64 左リールユニット(回転体駆動装置)
65 中リールユニット(回転体駆動装置)
66 右リールユニット(回転体駆動装置)
G1、G2、g1、g2 ギヤ歯
R1 第1方向
R2 第2方向
t 立ち上がり時間
Ts セットリングタイム
θs ステップ角
Claims (4)
- 駆動源と、
前記駆動源のコギングトルクの1回転当たりの振動回数に応じて1回転当たりi回(iは3以上の整数)の駆動トルク変動を駆動時に受け、iの自然数倍の第1の歯数を有する第1ギヤと、
前記第1ギヤに噛み合っている第2ギヤと、
前記第2ギヤと同軸上に連結されて回転し、外周部に表示画像が形成されているリールと、
を備える、遊技機。 - 前記駆動源は、1回転当たりi以下のステップ数を有するステッピングモータである、
請求項1に記載の遊技機。 - 前記駆動源は、前記第1ギヤと同軸上に連結されている、
請求項1または2に記載の遊技機。 - 前記第2ギヤの第2の歯数は、前記第1の歯数よりも多い、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の遊技機。
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