JP6869395B1 - セルロース組成物及びセルロース組成物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来よりも簡便な方法で解繊処理を行う技術を提供する。【解決手段】セルロース組成物は、セルロース繊維の一部の水酸基が所定の式で表される置換基によって修飾されている硫酸化セルロース繊維と、含窒素化合物と、を含有することを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、セルロース組成物及びセルロース組成物の製造方法に関する。
一般に、セルロース繊維は、食品、化粧品、機能紙、樹脂補強材等の原料として用いられている。また、セルロース繊維の表面を化学修飾した化学修飾セルロース繊維は水中での分散が容易となるため、原料としてのセルロース繊維が様々な分野で使われるようになっている。
セルロースを化学修飾したものの一つとして硫酸化セルロースがある。特許文献1では、無水硫酸を硫酸化試薬として用いてセルロースを硫酸エステル化することによって、粒子状の硫酸化セルロースを調製している。
特開2007−92034号公報
しかしながら、特許文献1に記載の硫酸化セルロースは、酸度の高い無水硫酸を製造時に用いるために、重合度が低下し、この結果として、粘度が低下するという課題があった。また、一般に、セルロースナノファイバーは繊維の配向性を有するため、一般的な撹拌羽により一定方向に長期撹拌を続けると、繊維が配向することによって粘度が低下してしまうという課題があった。
また、一般に、所望のサイズのセルロース繊維を製造するために、高圧条件下において解繊処理が行われているが、より簡便に所望のサイズのセルロース繊維を製造する方法の開発が望まれていた。
本発明は、上記の課題の少なくとも一つを解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することができる。
(1)本発明の一形態によれば、セルロース組成物が提供される。このセルロース組成物は、セルロース繊維の一部の水酸基が下記式(1)で表される置換基によって修飾されている硫酸化セルロース繊維と、含窒素化合物と、を含有し、前記含窒素化合物は、ジエチルアミン、トリエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ピロリジン、ピぺリジン、ピペラジン、2−メチルピぺリジン、1−メチルピぺリジン、ピリジン、ホルムアミド、尿素、N,N−ジメチルアセトアミド、2−ピロリドン、1−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチルエチレン尿素、ヒダントイン、モルホリン、1−アセチル−3−メチル尿素、アセチル尿素、1−メチル尿素、チオウレア、シクロへキシルアミン、オレイン酸アミド、ラウロカプラム、N−ドデシルアクリルアミド、ω−ラウリンラクタム、1−n−オクチル−2−ピロリドン、及びN,N−ジメチルホルムアミドからなる群から選ばれる少なくとも一つであり、前記硫酸化セルロース繊維は、以下の(A)から(D)の条件を満たすことを特徴とする。その他、本発明は、以下の形態として実現することができる。
(A)数平均繊維径が2nm以上500nm以下
(B)平均アスペクト比が50以上3000以下
(C)セルロースI型結晶構造を有する
(D)前記硫酸化セルロース繊維の含有量に対する前記置換基の含有量(置換基の含有量[mmol]/硫酸化セルロース繊維の含有量[g])が、0.01mmol/g以上3.0mmol/g以下
Figure 0006869395
〔式中、Mは水素イオン、金属イオン、又はオニウムイオンを示す。〕
(1)本発明の一形態によれば、セルロース組成物が提供される。このセルロース組成物は、セルロース繊維の一部の水酸基が下記式(1)で表される置換基によって修飾されている硫酸化セルロース繊維と、含窒素化合物と、を含有することを特徴とする。
Figure 0006869395
〔式中、Mは水素イオン、金属イオン、アミン、又はオニウムイオンを示す。〕
この形態のセルロース組成物によれば、含窒素化合物を含まない場合と比較して、含窒素化合物が解繊助剤として働くため、従来よりも簡便な方法で解繊処理を行うことができる。
(2)上記形態のセルロース組成物において、前記硫酸化セルロース繊維は、以下の(A)から(D)の条件を満たしてもよい。
(A)数平均繊維径が2nm以上500nm以下
(B)平均アスペクト比が50以上3000以下
(C)セルロースI型結晶構造を有する
(D)前記硫酸化セルロース繊維の含有量に対する前記置換基の含有量(置換基の含有量[mmol]/硫酸化セルロース繊維の含有量[g])が、0.01mmol/g以上3.0mmol/g以下
この形態のセルロース組成物によれば、長期間静置後の粘度低下を防ぐことが可能になる。
(3)上記形態のセルロース組成物において、前記含窒素化合物は、20℃1気圧下において、水に対して、1g/L以上溶解してもよい。
この形態のセルロース組成物によれば、硫酸化セルロース繊維に対する解繊助剤効果に優れる。
(4)上記形態のセルロース組成物において、前記含窒素化合物は、分子内において、窒素原子と酸素原子とを含んでもよい。
この形態のセルロース組成物によれば、硫酸化セルロース繊維に対する解繊助剤効果に優れる。
(5)上記形態のセルロース組成物において、前記硫酸化セルロース繊維の含有量に対する前記置換基の含有量(置換基の含有量[mmol]/硫酸化セルロース繊維の含有量[g])が、1.5mmol/g以上2.7mmol/g以下であってもよい。
この形態のセルロース組成物によれば、セルロース繊維構造の保持効果を高めることができる。
(6)上記形態のセルロース組成物において、前記硫酸化セルロース繊維の結晶化度が50%以上98%以下であってもよい。
この形態のセルロース組成物によれば、増粘性や沈降抑制効果を向上させることができる。
(7)本発明の他の形態によれば、上記形態のセルロース組成物から形成された乾燥物が提供される。
この形態の乾燥物によれば、硫酸基が酸型の状態において乾燥した際の着色を防ぐことができる。
(8)本発明の一形態によれば、セルロース組成物の製造方法が提供される。このセルロース組成物の製造方法は、セルロース繊維の一部の水酸基が下記式(1)で表される置換基によって修飾されている硫酸化セルロース繊維と、含窒素化合物と、を含有する溶液を混合する工程を備えることを特徴とする。
Figure 0006869395
〔式中、Mは水素イオン、金属イオン、アミン、又はオニウムイオンを示す。〕
この形態のセルロース組成物の製造方法によれば、含窒素化合物を含まない場合と比較して、簡便に解繊を行うことができる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、セルロース組成物を含む増粘剤等の態様で実現することができる。
繊維径の測定方法を説明する図。
A.セルロース組成物
本発明の一実施形態であるセルロース組成物は、セルロース繊維の一部の水酸基が下記式(1)で表される置換基によって修飾されている硫酸化セルロース繊維と、含窒素化合物と、を含有する。下記式(1)では、波線部分がセルロース分子を表す。つまり、硫酸化セルロース繊維は、セルロース中の水酸基の酸素原子に対して、水素原子の代わりに−SO Mが結合した構造を有し、セルロース繊維表面に硫酸基が導入されている。
Figure 0006869395
〔式中、Mは水素イオン、金属イオン、アミン、又はオニウムイオンを示す。〕
本実施形態のセルロース組成物によれば、含窒素化合物を含まない場合と比較して、含窒素化合物が解繊助剤として働くため、従来よりも簡便な方法で解繊処理を行うことができる。
また、本発明の他の実施形態であるセルロース組成物(以下、単に「セルロース組成物」とも呼ぶ)の硫酸化セルロース繊維は、以下の(A)から(D)の条件を満たす。
(A)数平均繊維径が2nm以上500nm以下
(B)平均アスペクト比が50以上3000以下
(C)セルロースI型結晶構造を有する
(D)前記硫酸化セルロース繊維の含有量に対する前記置換基の含有量(置換基の含有量[mmol]/硫酸化セルロース繊維の含有量[g])が、0.01mmol/g以上3.0mmol/g以下
セルロース組成物の形態は、特に限定されず、例えば、サスペンション、エマルション等の分散体、溶液、スラリー、粉体等であってよく、ローション、クリーム、ゲル、バーム等と呼ばれるものを含む。また、噴射剤等と共に充填されエアゾールとして塗布される形態であってもよい。
本実施形態のセルロース組成物によれば、長期静置後における粘度低下を防ぐことが可能になる。このような効果を奏するメカニズムは定かではないが、含窒素化合物によって、硫酸化セルロース繊維の硫酸基による自己分解が抑制されるためと推定される。
また、本発明の他の実施形態である乾燥物は、上述のセルロース組成物から形成される。本実施形態の乾燥物によれば、硫酸基が酸型の状態において乾燥した際の着色を防ぐことができる。このような効果を奏するメカニズムは定かではないが、含窒素化合物によって、硫酸化セルロース繊維の硫酸基による自己分解が抑制されるためと推定される。
[硫酸化セルロース繊維]
本明細書において、「硫酸化セルロース繊維」とは、セルロース繊維の一部の水酸基が下記式(1)で表される置換基によって修飾されているセルロース繊維を示す。下記式(1)では、波線部分がセルロース分子を表す。つまり、硫酸化セルロース繊維は、セルロース中の水酸基の酸素原子に対して、水素原子の代わりに−SO Mが結合した構造を有し、セルロース繊維表面に硫酸基が導入されている。
Figure 0006869395
ここで、上述のMは、水素イオン、金属イオン、アミン、又はオニウムイオンを示す。Mは、1価から3価の陽イオンが例示できる。ここで、Mが2価又は3価の陽イオンの場合、当該陽イオンは、2つ又は3つの−OSO との間でイオン結合を形成する。
金属イオンとしては、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、遷移金属イオン、その他の金属イオンが挙げられる。ここで、アルカリ金属としては、特に限定されないが、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等が挙げられる。アルカリ土類金属としては、特に限定されないが、例えば、カルシウム、ストロンチウム等が挙げられる。遷移金属としては、特に限定されないが、例えば、鉄、ニッケル、パラジウム、銅、銀等が挙げられる。その他の金属としては、例えば、ベリリウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム等が挙げられる。
アミンとしては、例えば、1〜3級アミンが挙げられる。ここで、1〜3級アミンとしては、特に限定されないが、例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン,ジエタノールアミン,トリエタノールアミン、プロピルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ペンチルアミン、tert−ペンチルアミン、ジブチルアミン、2−エチルへキシルアミン、ジへキシルアミン、トリへキシルアミン、オクチルアミン、ドデシルアミン、プロぺニルアミン、イソブテニルアミン等が挙げられる。
オニウムイオンとしては、特に限定されないが、例えば、アンモニウムイオンやホスホニウムイオン等が挙げられる。アンモニウムイオンとしては、NH だけでなく、NH の1つ以上の水素原子が有機基に置き換わってできる各種アミン由来のアンモニウムイオンが挙げられる。アンモニウムイオンとしては、例えば、NH 、第四級アンモニウムカチオン、アルカノールアミンイオン、ピリジニウムイオン等が挙げられる。ホスホニウムイオンとしては、第4級ホスホニウムカチオン等が挙げられる。
Mで表される陽イオンとしては、保存安定性の観点から、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、第四級アンモニウムカチオンの少なくとも一つが好ましい。Mで表される陽イオンは、いずれか1種でもよいが、2種以上を組み合わせてもよい。
(置換基の含有量)
本実施形態の硫酸化セルロース繊維において、硫酸化セルロース繊維1gあたりにおける前記式(1)で表される置換基の含有量(置換基の含有量[mmol]/硫酸化セルロース繊維の含有量[g])は、0.01mmol/g以上3.0mmol/g以下である。セルロース結晶構造の保持効果を高めるという観点から、この含有量は、より好ましくは2.8mmol/g以下であり、さらに好ましくは2.7mmol/g以下であり、特に好ましくは2.5mmol/g以下である。また、セルロース繊維の表面を置換基で覆うという観点から、この含有量は、0.05mmol以上/gであることが好ましく、より好ましくは0.1mmol/g以上であり、さらに好ましくは1.0mmol/g以上であり、特に好ましくは1.2mmol/g以上であり、より一層好ましくは1.5mmol/g以上である。
本明細書において、置換基の含有量は、電位差滴定により算出される値であり、例えば、洗浄により原料として用いた変性化剤や、それらの加水分解物等の副生成物を除去した後、電位差測定の分析を行って算出することができる。具体的には、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
(結晶化度)
本実施形態の硫酸化セルロース繊維は、セルロースI型結晶構造を有するものであり、硫酸化セルロース繊維の結晶化度が50%以上であることが好ましい。結晶化度が50%以上であることにより、セルロース結晶構造に由来する特性をより効果的に発現することができる結果として、増粘性や沈降抑制効果を向上させることができる。結晶化度は、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは65%以上であり、70%以上でもよい。結晶化度の上限は特に限定されないが、硫酸エステル化反応の反応効率を向上させる観点から、98%以下が好ましく、より好ましくは95%以下であり、更に好ましくは90%以下であり、特に好ましくは85%以下である。
本明細書において、セルロースの結晶化度は、X線回折法による回折強度値からSegal法により算出したセルロースI型結晶化度であり、下記式により定義される。
セルロースI型結晶化度(%)=〔(I22.6−I18.5)/I22.6〕×100
〔式中、I22.6は、X線回折における格子面(200面)(回折角2θ=22.6°)の回折強度を示し、I18.5は、アモルファス部(回折角2θ=18.5°)の回折強度を示す。〕
なお、セルロースI型とは天然セルロースの結晶型のことであり、セルロースI型結晶化度とは、セルロース全体のうち結晶領域量の占める割合のことを意味する。
(数平均繊維径)
硫酸化セルロース繊維の数平均繊維径は2nm以上500nm以下であるが、好ましくは2nm以上150nm以下であり、より好ましくは2nm以上100nm以下であり、特に好ましくは3nm以上80nm以下である。数平均繊維径が2nm未満であると、セルロースが溶解してナノファイバーとして得られず、高い増粘性や優れたスプレー性などの効果が得られない虞がある。一方、数平均繊維径が500nm超の場合、繊維が太すぎるため、高い増粘性や優れたスプレー性などの効果が得られない虞がある。硫酸化セルロース繊維の最大繊維径は、高い増粘性と優れたスプレー性を発揮する観点から、1000nm以下であることが好ましく、特に好ましくは500nm以下である。
図1は、繊維径の測定方法を説明する図である。繊維径は、1本の繊維Fの長手方向に直交する線と繊維の外周との2つの交点間の距離を測定することにより、求めることができる。つまり、繊維径は、図1で示す点P1と点P2との間の距離を示す。繊維長は、繊維の全体が観察画像中に写っている繊維の長さを測定することにより、求めることができる。繊維の長さを測定する際、繊維に折れ曲がりがある場合は、例えば、折れ曲がり点が1点であれば、一端から折れ曲がり点までの長さと、この折れ曲がり点から他端までの長さの合計値を繊維長とする。なお、繊維径及び繊維長は少なくとも25本以上の繊維を観察する。また、大きな繊維径の繊維を含む場合には、ガラス上へキャストした表面の走査型電子顕微鏡(SEM)像や光学顕微鏡像を観察してもよい。そして、構成する繊維の大きさに応じて5000倍、10000倍あるいは50000倍のいずれかの倍率で電子顕微鏡画像による観察を行ってもよい。このようにして得られた繊維径及び繊維長のデータにより、数平均繊維長および数平均繊維径を算出する。
(平均アスペクト比)
上記硫酸化セルロース繊維の平均アスペクト比は50以上3000以下であるが、好ましくは2000以下、より好ましくは1000以下であり、好ましくは100以上、より好ましくは200以上である。平均アスペクト比が50未満であると増粘性が低くなるという問題が生じる。
上記硫酸化セルロース繊維の平均アスペクト比は、先に述べた方法に従って得られた数平均繊維径および数平均繊維長を用いて、下記の式により算出される。
平均アスペクト比=数平均繊維長[nm]/数平均繊維径[nm]
[硫酸化セルロース繊維の製造方法]
硫酸化セルロース繊維の製造方法は、特に限定されないが、例えば、セルロース原料と硫酸化試薬を反応させる方法が挙げられる。この製造方法は、繊維形状を保ったままのセルロース繊維を硫酸化試薬で処理することによって、硫酸化試薬と当該セルロース繊維の構成要素であるセルロース微細繊維を反応させることにより、セルロース微細繊維を硫酸エステル化する工程(化学修飾工程)を含む。
(セルロース原料)
上記の化学修飾工程で用いるセルロース繊維(セルロース原料)の具体例としては、特に限定されないが、例えば、植物、動物(例えば、ホヤ類)、藻類、微生物(例えば、酢酸菌)、微生物産生物等を起源とするもの等が挙げられる。植物としては、例えば、木材、綿、竹、麻、ジュート、ケナフ、農地残廃物、布、パルプ、再生パルプ、古紙等が挙げられる。これらの中で、植物由来パルプが好ましい原材料として挙げられる。
植物由来パルプは、例えば、植物原料を化学的、若しくは機械的に、又は両者を併用してパルプ化することで得られる植物由来パルプが挙げられる。具体的な植物由来パルプとしては、例えば、ケミカルパルプ(クラフトパルプ(KP)、亜硫酸パルプ(SP))、セミケミカルパルプ(SCP)、ケミグランドパルプ(CGP)、ケミメカニカルパルプ(CMP)、砕木パルプ(GP)、リファイナーメカニカルパルプ(RMP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)等が好ましいものとして挙げられる。
また、セルロース原料としては、本実施形態の目的を阻害しない範囲内で化学修飾されていてもよく、即ち、化学変性パルプを用いてもよい。例えば、セルロース繊維表面に存在する一部あるいは大部分の水酸基が酢酸エステル、硝酸エステルを含むエステル化されたもの、またメチルエーテル、ヒドロキシエチルエーテル、ヒドロキシプロピルエーテル、ヒドロキシブチルエーテル、カルボキシメチルエーテル、シアノエチルエーテルを含むエーテル化されたもの、また一級水酸基を酸化させたTEMPO(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシラジカル)酸化処理パルプを含むことができる。
本実施形態に使用されるセルロース原料の形状は、特に制限はないが、取り扱いの観点から繊維状、シート状、綿状、粉末状、チップ状、フレーク状が望ましい。
(前処理工程)
嵩密度が10kg/m以上のセルロース原料を用いる場合は、化学修飾工程の反応に先立ち、前処理を行い、嵩密度を0.1〜5.0kg/mにしてもよい。この前処理を予め行うことにより、硫酸エステル化工程をより効率的に行うことができる。前処理方法としては、特に限定されないが、機械処理を行うことにより、セルロース原料を適度な嵩密度にすることができる。機械処理としては、使用する機械や処理条件に制限はなく、例えばシュレッダー、ボールミル、振動ミル、石臼、グラインダー、ブレンダー、高速回転ミキサー等が挙げられる。嵩密度は好ましくは、0.1〜5.0kg/mであり、より好ましくは0.1〜3.0kg/mであり、さらにより好ましくは0.1〜1.0kg/mである。
(反応工程)
硫酸エステル化工程において、セルロース繊維と硫酸化試薬との反応(即ち、硫酸エステル化反応)は、硫酸化試薬を含む薬液にセルロース原料(セルロース繊維)を浸漬することにより行うことができる。
硫酸化試薬としては、スルファミン酸が好ましく用いられる。スルファミン酸は、無水硫酸や硫酸水溶液等に比べてセルロース溶解性が小さいだけでなく、酸性度が低いために重合度の保持が可能である。また、強酸性かつ高腐食性のある無水硫酸や硫酸水溶液に対して、スルファミン酸は、取り扱いに制限がなく、大気汚染防止法の特定物質にも指定されていないため、環境に対する負荷が小さい。
スルファミン酸の使用量は、セルロース繊維への置換基の含有量を考慮して適宜調整することができる。スルファミン酸は、例えば、セルロース分子中のアンヒドログルコース単位1モル当たり、好ましくは0.01〜50モル使用することができ、より好ましは0.1〜30モル使用することができる。
硫酸エステル化反応を行う薬液は、硫酸化試薬と溶媒を混合したものであり、更に触媒を添加してもよく、添加しなくてもよい。触媒としては、特に限定されないが、例えば、尿素、アミド類、三級アミン類等が挙げられるが、工業的観点から尿素を用いることが好ましい。触媒の使用量は、特に限定されないが、例えば、セルロース分子中のアンヒドログルコース単位1モル当たり0.001〜5モルが好ましく、0.005〜2.5モルがより好ましく、0.01〜2.0モルが更に好ましい。触媒は、高濃度のものをそのまま用いてもよく、事前に溶媒で希釈して用いてもよい。また、触媒の添加方法は、特に限定されないが、一括添加、分割添加、連続的添加、又はこれらの組合せで行うことができる。
薬液に使用する溶媒は、特に限定されないが、公知の溶媒を使用してもよい。公知の溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オクタノール、ドデカノール等の炭素数1〜12の直鎖あるいは分岐のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の炭素数3〜6のケトン;直鎖又は分岐状の炭素数1〜6の飽和炭化水素又は不飽和炭化水素;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素;炭素数2〜5の低級アルキルエーテル;ジオキサン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ピリジン等の溶媒が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。上記の溶媒の中では、セルロース原料の膨潤を促進する観点から、たとえば、水または極性有機溶媒がより好ましい。なお、上記溶媒は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。溶媒の使用量は、特に限定されないが、例えば、セルロース原料の溶媒含有量(即ち、セルロース原料の乾燥質量に対する溶媒の質量の比率)が10質量%以上、好ましくは10〜10000質量%、より好ましくは20〜5000質量%、更に好ましくは50〜2000質量%で使用される。溶媒量が少ないほど、洗浄工程の利便性が向上する。
硫酸エステル化反応の温度は0〜100℃を例示でき、好ましくは10〜80℃、さらに好ましくは20〜70℃である。この反応温度が低すぎると反応完結に長時間を要する傾向にあり、反応温度が高すぎるとセルロース分子内のグリコシド結合が切断される傾向にある。硫酸エステル化反応は通常30分〜5時間で完結する。
着色の少ない製品を得るために、更に、硫酸エステル化反応の際に、窒素ガス、ネオンガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスや炭酸ガスを導入してもよい。これらのガスの導入方法としては、例えば、(i)ガスを反応槽に吹き込みながら反応を行う方法、(ii)反応前に反応槽内をガスで置換した後、反応槽を密閉して反応を行う方法等が挙げられる。工業的見地から、ガスは反応時に使用しないのが好ましい。
また、硫酸化工程の後、必要に応じて更なる化学修飾工程を設けてもよい。化学修飾工程としては、例えば、硫酸化されなかったセルロース繊維表面に存在する一部の水酸基を、酢酸エステル、硝酸エステルによりエステル化する工程、メチルエーテル、ヒドロキシエチルエーテル、ヒドロキシプロピルエーテル、ヒドロキシブチルエーテル、カルボキシメチルエーテル、シアノエチルエーテルによりエーテル化する工程、また一級水酸基を酸化させたTEMPO酸化処理する工程等が挙げられる。
(中和・洗浄工程)
本実施形態では、必要に応じて、硫酸エステル塩を中和する工程を設けてもよい。硫酸エステル塩は、得られた粗製物のpHが低下することによって酸性を示した場合、粗製物の保存安定性が低い。そのため、この硫酸エステル塩に塩基性化合物を添加して中和させることにより、pHを中性もしくはアルカリ性に調整することが好ましい。中和に用いる塩基性化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、その他の無機塩、アミン類、オニウム化合物等が挙げられる。具体的には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、酢酸カルシウム、乳酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、水酸化マグネシウム、酢酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウム、塩基性乳酸アルミニウム、塩基性塩化アルミニウム、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルホスホニウムヒドロキシド等が挙げられる。なお、本実施形態において、一種以上の塩基性化合物を使用して中和することができる。
また、反応停止の目的、及び/又は、硫酸化試薬残渣、残留触媒、溶媒等の除去の目的で、湿潤状態の化学修飾セルロース繊維を洗浄する工程を設けてもよい。この時、洗浄条件は特に限定されないが、洗浄に使用する溶媒として水、及び/又は、有機溶媒を用いて、反応終了後の化学修飾セルロース繊維を洗浄するのが好ましい。
脱溶媒方法は、特に限定されないが、例えば、遠心沈降法、濾過、プレス処理等を使用できる。ここで、溶媒を完全に除去せず、化学修飾セルロース繊維からなるシートを溶媒で湿潤状態にしておいてもよい。化学修飾セルロース繊維の溶媒含有量(即ち、化学修飾セルロース繊維集合体の乾燥質量に対する溶媒の質量の比率)は1〜500質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜100質量%であり、更に好ましくは10〜50質量%である。
[含窒素化合物]
本実施形態のセルロース組成物は、含窒素化合物を含有する。本明細書において、「含窒素化合物」とは、窒素原子を含む化合物を意味する。
含窒素化合物は、特に限定されず、例えば、一般的に使用されるものを使用することができる。含窒素化合物としては、例えば、ジエチルアミン、トリエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ピロリジン、ピぺリジン、ピペラジン、2−メチルピぺリジン、1−メチルピぺリジン、ピリジン、ホルムアミド、尿素、N,N−ジメチルアセトアミド、2−ピロリドン、1−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチルエチレン尿素、ヒダントイン、モルホリン、1−アセチル−3−メチル尿素、アセチル尿素、1−メチル尿素、チオウレア、シクロへキシルアミン、オレイン酸アミド、ラウロカプラム、N−ドデシルアクリルアミド、ω−ラウリンラクタム、1−n−オクチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。これらは1種で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
含窒素化合物としては、硫酸化セルロース繊維に対する解繊助剤効果に優れるため、分子内において、窒素原子と酸素原子とを含んでいることが好ましい。含窒素化合物は、例えば、尿素、N,N−ジメチルアセトアミド、2−ピロリドン、1−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチルエチレン尿素、ヒダントイン、モルホリン、1−アセチル−3−メチル尿素、アセチル尿素、1−メチル尿素、オレイン酸アミド、ラウロカプラム、N−ドデシルアクリルアミド、ω−ラウリンラクタム、1−n−オクチル−2−ピロリドン、及びN,N−ジメチルホルムアミドからなる群から選択された1種または2種以上であることが好ましい。
また、含窒素化合物としては、20℃1気圧下において、水に対して、1g/L以上溶解することが好ましい。このような化合物の具体例としては、例えば、尿素、N,N−ジメチルアセトアミド、2−ピロリドン、1−メチル−2−ピロリドン、ヒダントイン、モルホリン、1−アセチル−3−メチル尿素、アセチル尿素、1−メチル尿素、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
セルロース組成物において、硫酸化セルロース繊維の含有量に対する含窒素化合物の含有量の割合(含窒素化合物の含有量[g]/硫酸化セルロース繊維の含有量[g])は、特に限定されないが、好ましくは0.001%以上5000%以下であり、より好ましくは0.01%以上4000%以下であり、さらに好ましくは0.05%以上3500%以下である。この質量比率が好ましい下限値以上であることにより、解繊助剤としての効果や硫酸基の保護効果を向上させることができる。この質量比率が好ましい上限値以下であることにより、硫酸化セルロース繊維単独の場合よりも粘度が低下することを抑制できる。
また、セルロース組成物において、硫酸化セルロース繊維の含有量は、特に限定されないが、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.001質量%以上4質量%以下がより好ましく、0.01質量%以上2質量%以下がさらに好ましい。硫酸化セルロース繊維の含有量が0.001質量%以上であることにより、増粘効果を発揮できる。また、硫酸化セルロース繊維の含有量が5質量%以下であることにより解繊及び/又は撹拌が容易になる。
また、セルロース組成物において、含窒素化合物の含有量は、特に限定されないが、0.0001質量%以上100質量%以下が好ましく、0.001質量%以上70質量%以下がより好ましく、0.01質量%以上60質量%以下がさらに好ましい。含窒素化合物の含有量が0.0001質量%以上であることにより、長期静置後の粘度低下を抑制できるとともに、硫酸基が酸型の状態における乾燥物の着色を抑制できる。また、含窒素化合物の含有量が100質量%以下であることにより、含窒素化合物と均一に混合し解繊が容易になる。
また、セルロース組成物には、効果を妨げない範囲において他の成分を添加してもよい。他の成分としては、特に限定されないが、例えば、当該分野で一般的に使用されるものが挙げられる。他の成分としては、例えば、耐候剤、抗菌剤、抗カビ剤、顔料、充填材、防錆剤、染料、造膜助剤、無機架橋剤、有機架橋剤(例えば、ブロックドイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、メラミン系架橋剤等)、シランカップリング剤、ブロッキング防止剤、粘度調整剤、レベリング剤、消泡剤、分散安定剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、無機、有機充填剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤等が挙げられる。
本実施形態のセルロース組成物は、通常の製造方法によって製造することができる。例えば、本実施形態のセルロース組成物は、硫酸化セルロース繊維と、含窒素化合物と、その他の任意成分とを、所定の方法にて混合する事により製造することができる。具体的には、本実施形態のセルロース組成物は、例えば、精製水に分散した本実施形態の硫酸化セルロース繊維及び精製水に溶解した含窒素化合物を、精製水に攪拌しながら徐々に加えることによって粘ちょう性液体とし、ついで、任意の他の成分を加えて均一にした後、放置することによって製造することができる。
(微細化工程)
一般的に、マイクロオーダーの硫酸化セルロース繊維に対して、機械的解繊による微細化工程を経ることにより、ナノオーダーの硫酸化セルロース繊維を得ることができる。硫酸化セルロース繊維の微細化工程を行う一般的な装置としては、例えば、リファイナー、二軸混錬機(二軸押出機)、高圧ホモジナイザー、媒体撹拌ミル(例えば、ロッキングミル、ボールミル、ビーズミル等)、石臼、グラインダー、振動ミル、サンドグラインダー等が挙げられる。
ここで、本実施形態の微細化工程は、セルロース繊維の一部の水酸基が下記式(1)で表される置換基によって修飾されている硫酸化セルロース繊維と、含窒素化合物と、を含有する溶液を混合する工程である。この工程により、硫酸化セルロース繊維を微細化する。
Figure 0006869395
〔式中、Mは水素イオン、金属イオン、アミン、又はオニウムイオンを示す。〕
微細化工程を経ることにより、以下の(A)から(D)の条件を満たす硫酸化セルロース繊維を含むセルロース組成物を得ることができる。この製造方法によれば、含窒素化合物を用いない場合と比較して、簡便に解繊を行うことが可能である。このため、硫酸化セルロース繊維の微細化処理を行う装置としては、例えば、ホモミキサー、ホモディスパー、ジューサーミキサー、プラネタリーミキサー、スタンドミキサー等を用いることができる。
微細化工程における回転数は、特に限定されないが、例えば、2,000rpm以上20,000rpm以下が好ましく、3,000rpm以上18,000rpm以下がより好ましく、3,000rpm以上15,000rpm以下がさらに好ましい。2,000rpm以上であることにより、硫酸化セルロース繊維を効果的に微細化できる。また、20,000rpm以下であることにより、好ましい繊維形態を保持できる。
微細化工程における攪拌時間は、特に限定されないが、例えば、5分以上120分以下が好ましく、5分以上80分以下がより好ましく、5分以上60分以下がさらに好ましい。5分以上であることにより、硫酸化セルロース繊維を微細化し、かつ水溶性セルロースと硫酸化セルロース繊維が均一に混ざることで配向阻害効果を向上させることができる。また、120分以下であることにより、好ましい繊維形態を保持できる。
[乾燥物]
本実施形態のセルロース組成物は、乾燥物を形成することができる。セルロース組成物から形成された乾燥物は、例えば、溶媒を蒸散させることにより得ることができる。乾燥方法としては、特に限定されないが、例えば、噴霧乾燥、凍結乾燥、流動床乾燥、固定床乾燥、真空式、送風式等が挙げられる。乾燥物の用途としては、特に限定されないが、例えば、酸型の状態においても透明な乾燥皮膜を得ることができることから、例えば、塗料、コーティング剤、電子デバイス基板等に用いることができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、「%」とあるのは、特に限定のない限り「質量%」を意味する。
[硫酸化セルロース繊維の合成]
まず、実験に用いる硫酸化セルロース繊維を下記の製造例1〜3に従って合成する。
(製造例1)
まず、反応工程として、スルファミン酸14.4g(セルロース分子中のアンヒドログルコース単位1モル当たり1.2モル)に、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)620gを添加した後、30分撹拌を行った。その後、室温(25℃)下において、セルロース原料として針葉樹クラフトパルプ20.0gを添加した。その後、55℃で4時間反応させた後、室温(25℃)まで冷却した。次に、繊維を取り出した後に、水で洗浄した後、中和剤として2N水酸化ナトリウム水溶液を添加することにより、pHを7.6に調整した。その後、脱水を行うことによって、硫酸化セルロース繊維A1を得た。
(製造例2)
反応工程においてスルファミン酸の仕込み量を23.9gとした点以外は、製造例1と同様の手順により硫酸化セルロース繊維A2を得た。
(製造例3)
反応工程においてスルファミン酸の仕込み量を41.9gとした点以外は、製造例1と同様の手順により硫酸化セルロース繊維A3を得た。
(評価)
製造例1〜3により得られたセルロース繊維について硫酸基量と、結晶化度とを測定した。測定結果を表1に示す。各測定の詳細については、以下に示す。
・硫酸基量(mmol/g)
硫酸基量は、電位差滴定により算出した。ここで、硫酸基量は、硫酸化セルロース繊維の含有量に対する置換基の含有量(置換基の含有量[mmol]/硫酸化セルロース繊維の含有量[g])と同義である。乾燥質量を精秤した硫酸化セルロース繊維試料を用いて、固形分率0.5%に調製した硫酸化セルロース繊維の水分散体を60mL調製した。その後、1N塩酸水溶液によって、水分散体のpHを約1.0とした。その後、ろ過及び水洗浄をした後、硫酸エステル化セルロース繊維を再び固形分率0.5%となるように水に再分散させた。その後、0.1N水酸化カリウム水溶液を滴下することにより電位差測定を行った。そして、この滴下量を用いて硫酸基量を算出した。
・セルロースI型結晶化度(%)
硫酸化セルロース繊維のX線回折強度を、X線回折法を用いて測定した。そして、その測定結果からSegal法を用いて、下記式により結晶化度を算出した。
セルロースI型結晶化度(%)=〔(I22.6−I18.5)/I22.6〕×100
上記式中、I22.6は、X線回折における格子面(200面)(回折角2θ=22.6°)の回折強度を示し、I18.5は、アモルファス部(回折角2θ=18.5°)の回折強度を示す。また、サンプルのX線回折強度の測定は、株式会社リガク製の「RINT2200」を用い、以下の条件にて実施した。
X線源:Cu/Kα―radiation
管電圧:40kV
管電流:30mA
測定範囲:回折角2θ=5〜35°
X線のスキャンスピード:10°/min
[TEMPO酸化セルロース繊維の合成]
比較例に用いるTEMPO酸化セルロース繊維について、製造例4に従って合成した。
(製造例4)
針葉樹クラフトパルプ2.0gに、水150mL、臭化ナトリウム0.25g、2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシラジカル(TEMPO)0.025gを加えた後、十分撹拌させた。その後、13質量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液を、上記パルプ1.0gに対して次亜塩素酸ナトリウム量が10mmol/gとなるように加えることにより、反応を開始した。さらに、反応中のpHが10〜11に保持するように0.5N水酸化ナトリウム水溶液を滴下しながら、45分間反応させた。反応後、0.1N塩酸を加えてpHを7.0とした後、脱水を行うことにより、TEMPO酸化セルロース繊維B1を得た。
(評価)
製造例4により得られたTEMPO酸化セルロース繊維B1についてカルボキシ基量と、結晶化度とを測定した。なお、カルボキシ基量の測定方法は以下の方法で行い、結晶化度の測定方法は硫酸化セルロース繊維の評価と同様の手法で行った。測定結果を表1に示す。
・カルボキシ基量
上記セルロース繊維0.25gを水に分散させたセルロース水分散体60mlを調製した後、0.1Nの塩酸水溶液によってpHを約2.5とした。その後、0.05Mの水酸化ナトリウム水溶液を滴下することにより、電気伝導度測定を行った。測定は、pHが11になるまで続けた。電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において、消費された水酸化ナトリウム量(V)を用いて、下記式に基づいてカルボキシ基量を求めた。
カルボキシ基量[mmol/g]=V[ml]×(0.05/セルロース質量[g])
Figure 0006869395
[酸型のセルロース繊維の調製]
次に、上述のセルロース繊維を再度酸型にし、得られた酸型のセルロース繊維を用いてセルロース組成物を調製し、その後、セルロース組成物の乾燥物を作製した。
(製造例5)
製造例1で得られた硫酸化セルロース繊維A1 66.7g(固形分濃度15%)に水933.3mLを加えることにより、固形分濃度が1質量%となるようにした。その後、さらに、1MのHCl水溶液を添加することにより、pHが1.0以下となるようにした。次に、セルロース繊維を脱水後、水で洗浄し、さらに脱水を行うことによって、対イオンが水素の酸型の硫酸化セルロース繊維A1aを得た。
(製造例6)
硫酸化セルロース繊維A1の代わりに硫酸化セルロース繊維A3を用いた点以外は、製造例5と同様の手順により硫酸化セルロース繊維A3aを得た。
(製造例7)
硫酸化セルロース繊維A1の代わりにTEMPO酸化セルロース繊維B1を用いた点以外は、製造例5と同様の手順によりTEMPO酸化セルロース繊維B1aを得た。測定結果を表2に示す。
Figure 0006869395
[セルロース組成物の調製]
次に、上記製造方法により得られたセルロース繊維を用いてセルロース組成物を調製した。
(実施例1)
製造例1により得られた硫酸化セルロース繊維A1 33.5g(固形分濃度15%)に水466.5mLを加え固形分濃度が1質量%となるように調製した。その後、尿素を5.0mg添加した後、ホモミキサー(プライミクス社製 ホモミキサーMARKII2.5型)によって10,000rpmで60分間撹拌することにより、セルロース組成物を得た。
(実施例2〜11)
製造例1〜3により得られた硫酸化セルロース繊維を用いて、表3、4に示す条件となるように、実施例1と同様の操作を行うことでセルロース組成物を得た。
(比較例1)
製造例1により得られた硫酸化セルロース繊維A1 33.5g(固形分濃度15%)に水466.5mLを加え固形分濃度が1質量%となるように調製した。その後、ホモミキサー(プライミクス社製 ホモミキサーMARKII2.5型)によって10,000rpmで60分間撹拌することにより、セルロース組成物を得た。
(比較例2)
製造例1により得られた硫酸化セルロース繊維A1の代わりに製造例3により得られた硫酸化セルロース繊維A3を用いた点、ホモミキサーによる攪拌時間を10分とした点以外は、比較例1と同様の操作でセルロース組成物を得た。
(比較例3)
製造例1により得られた硫酸化セルロース繊維A1の代わりに製造例4により得られたTEMPO酸化セルロース繊維B1を用いた点、尿素を用いた点、ホモミキサーによる攪拌時間を30分とした点以外は、比較例1と同様の操作でセルロース組成物を得た。
(実施例12)
製造例5により得られた酸型の硫酸化セルロース繊維A1a 40.0g(固形分濃度25%)に水960.0mLを加え固形分濃度が1質量%となるようにした。その後、尿素を5.0mg添加した後、ホモミキサー(プライミクス社製 ホモミキサーMARKII2.5型)によって10,000rpmで10分間撹拌した。その後、高圧解繊処理としてマイクロフルイタイザーによる処理(150MPa、10パス)を行うことによって、セルロース組成物を得た。
(実施例13〜15)
製造例5及び6により得られた酸型の硫酸化セルロース繊維A1a,A3aと含窒素化合物とを用いて、表5に示す条件となるように、実施例12と同様の操作を行うことでセルロース組成物を得た。
(比較例4)
製造例5により得られた酸型の硫酸化セルロース繊維A1a 40.0g(固形分濃度25%)に水960.0mLを加え固形分濃度が1質量%となるようにした。その後、ホモミキサー(プライミクス社製 ホモミキサーMARKII2.5型)によって10,000rpmで10分間撹拌することにより、セルロース組成物を得た。なお、その後の高圧解繊処理としてのマイクロフルイタイザーによる処理は、繊維の分散性の観点から行えなかった。
(比較例5)
製造例6により得られた酸型の硫酸化セルロース繊維A3a 66.7g(固形分濃度15%)に水933.3mLを加え固形分濃度が1質量%となるようにした。その後、ホモミキサー(プライミクス社製 ホモミキサーMARKII2.5型)によって10,000rpmで10分間撹拌した。その後、高圧解繊処理としてマイクロフルイタイザーによる処理(150MPa、10パス)を行うことによって、セルロース組成物を得た。
(比較例6)
製造例7により得られた酸型のTEMPO酸化セルロース繊維B1a 50.0g(固形分濃度20%)に水950.0mLを加え固形分濃度が1質量%となるようにした。その後、尿素を5.0mg添加した後、ホモミキサー(プライミクス社製 ホモミキサーMARKII2.5型)によって10,000rpmで10分間撹拌することにより、セルロース組成物を得た。なお、その後の高圧解繊処理としてのマイクロフルイタイザーによる処理は、繊維がマイクロフルイタイザーを通過できなかったため、実施できなかった。
(評価)
実施例及び比較例について、以下の測定及び評価を行った。
・数平均繊維径、数平均繊維長及び平均アスペクト比
セルロース繊維の平均繊維径及び平均繊維長は、光学顕微鏡又は原子間力顕微鏡(AFM)で観察した繊維50本の数平均値である。また、平均アスペクト比は、数平均繊維長/数平均繊維径の値である。
・透明度
セルロース組成物50.0gに水50mLを加えた後、ホモミキサーを用いて8,000rpm、5分間撹拌した。そして、脱気した後、一日静置した。波長660nmにおけるこの溶液の透過率を分光光度計により測定した。
・粘度(初期粘度、長期静置後粘度、粘度低下率)
セルロース組成物50.0gに水50mLを加えた後、ホモミキサーを用いて8,000rpm、5分間撹拌した。そして、脱気した後、100mLのスクリュー管に移し、1日静置した。25℃1気圧の条件下において、BM型粘度計(英弘精機社製、BROOKFIELD、B型粘度計、アナログ粘度計LVT型)を用いて6rpmで3分間攪拌させた後のサンプルの粘度を、「初期粘度」とした。
さらに、このサンプルを、40℃の恒温槽で2週間静置した。そして、25℃1気圧の条件下において、BM型粘度計を用いて6rpmで3分間攪拌させた後のサンプルの粘度を、「長期静置後粘度」とした。
また、長期静置後粘度と、初期粘度と、以下の式とを用いて、「粘度低下率」を算出した。
粘度低下率(%)=〔1−(長期静置後粘度/初期粘度)〕×100
・スプレー性
セルロース組成物50.0gに水50mLを加え、ホモミキサーを用いて8,000rpm、5分間撹拌した後、スプレー容器(サンラテック社製分注瓶(スプレー式)S−50)に入れ、噴射を試みた。そして、噴射の可否を目視で観察した。スプレー性の判定の基準を以下に示す。
〇:ノズルからミスト状に噴射される。
△:ノズルから噴射されるがミスト状ではない。
×:ノズルから噴射できない。
・沈降抑制効果
容量200mLのポリカップに、水性セルロース組成物10.0gと水90mLとを添加した後、ホモミキサーを用いて8,000rpm、5分間撹拌することにより、固形分濃度が0.1質量%のセルロース組成物を得た。得られたセルロース組成物にアルミナ(粒子径0.5μm)1.0gを添加した後、ホモディスパー(プライミクス社製、ホモディスパー2.5型)を用いて2,000rpm、2時間撹拌した。その後、この分散液を直径3cm×30cm長の目盛付試験管に25mL添加した後、25℃で3日静置した。その後、この分散液の離水量を測定し、この離水量と以下の式とを用いて、沈降度を算出した。
沈降度=離水量(mL)/25(mL)
沈降抑制効果の判定の基準を以下に示す。
〇:沈降度が0.1未満
△:沈降度が0.1以上、0.3未満
×:0.3以上
・乾燥物着色性
PFAシャーレ(φ50mm)にセルロース組成物10.0gを添加した後、オーブンによって105℃で5時間乾燥させることにより、乾燥皮膜を得た。そして、乾燥皮膜の着色の有無を目視で観察した後、乾燥物着色性を以下の基準で評価した。なお、この評価は、実施例12〜15及び比較例4〜7のみ行った。
〇:透明又は白色
△:淡黄色
×:黄色から黒色
得られた結果を、以下の表に示す。
Figure 0006869395
Figure 0006869395
Figure 0006869395
上述の結果から以下のことが分かった。つまり、実施例1〜11と比較例1〜2とを比較することにより、含窒素化合物を含むことによって、高圧解繊処理を行わずに攪拌処理のみで、繊維径が小さい微細繊維状セルロースを得ることができることが分かった。そして、この結果として、実施例のセルロース組成物によれば、スプレー性が良好であることが分かった。
また、実施例1〜11と比較例1〜2とを比較することによって、本実施例のセルロース組成物は、長期間静置後においても粘度の低下が抑制されることが分かった。このような効果を奏する原因は定かではないが、含窒素化合物が硫酸化セルロース繊維の硫酸基を保護することにより、自己分解による粘度低下が抑制されたためと推定される。
一方、比較例3のセルロース繊維は、硫酸基ではなくカルボキシ基を有するため、含窒素化合物を加えても十分な解繊助剤効果が得られず、この結果として、繊維径が大きく、スプレー性及び沈降抑制効果に優れなかった。
さらに、実施例12〜15と比較例4〜6とを比較することによって、セルロース組成物における硫酸基が酸型の状態においても、長期間静置後の粘度低下が抑制されるとともに、乾燥させた際にも着色が抑制されることが分かった。このような効果を奏する原因は定かではないが、硫酸基が酸型の状態においても含窒素化合物が硫酸化セルロース繊維の硫酸基を保護することにより、自己分解が抑制されたためと推定される。
一方、比較例4,5は、含窒素化合物が含まれないため、解繊が進まず、この結果として、繊維径が大きいとともに、乾燥物着色性に優れない結果となった。また、比較例6のセルロース繊維は、硫酸基ではなくカルボキシ基を有するため、含窒素化合物を加えても十分な解繊助剤効果が得られず、高圧解繊処理を施すことができなかった。
本実施形態のセルロース組成物は、長期静置時における粘度の安定性に優れるため、例えば、増粘剤に用いることができる。また、本実施形態のセルロース繊維から形成された乾燥物は、透明性に優れるため、例えば、陽イオン化合物吸着剤としても用いることができる。特に、酸型の状態においても透明な乾燥皮膜を得ることができることから、例えば、塗料、コーティング剤、電子デバイス基板等、これらの性能が求められる分野に好適に用いることができる。
本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
P1…点
P2…点
F…繊維

Claims (6)

  1. セルロース繊維の一部の水酸基が下記式(1)で表される置換基によって修飾されている硫酸化セルロース繊維と、含窒素化合物と、を含有し、
    前記含窒素化合物は、ジエチルアミン、トリエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ピロリジン、ピぺリジン、ピペラジン、2−メチルピぺリジン、1−メチルピぺリジン、ピリジン、ホルムアミド、尿素、N,N−ジメチルアセトアミド、2−ピロリドン、1−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチルエチレン尿素、ヒダントイン、モルホリン、1−アセチル−3−メチル尿素、アセチル尿素、1−メチル尿素、チオウレア、シクロへキシルアミン、オレイン酸アミド、ラウロカプラム、N−ドデシルアクリルアミド、ω−ラウリンラクタム、1−n−オクチル−2−ピロリドン、及びN,N−ジメチルホルムアミドからなる群から選ばれる少なくとも一つであり、
    前記硫酸化セルロース繊維は、以下の(A)から(D)の条件を満たすことを特徴とする、セルロース組成物。
    (A)数平均繊維径が2nm以上500nm以下
    (B)平均アスペクト比が50以上3000以下
    (C)セルロースI型結晶構造を有する
    (D)前記硫酸化セルロース繊維の含有量に対する前記置換基の含有量(置換基の含有量[mmol]/硫酸化セルロース繊維の含有量[g])が、0.01mmol/g以上3.0mmol/g以下
    Figure 0006869395
    〔式中、Mは水素イオン、金属イオン、又はオニウムイオンを示す。〕
  2. 前記含窒素化合物は、20℃1気圧下において、水に対して、1g/L以上溶解することを特徴とする、請求項1に記載のセルロース組成物。
  3. 前記含窒素化合物は、分子内において、窒素原子と酸素原子とを含むことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のセルロース組成物。
  4. 前記硫酸化セルロース繊維の含有量に対する前記置換基の含有量(置換基の含有量[mmol]/硫酸化セルロース繊維の含有量[g])が、1.5mmol/g以上2.7mmol/g以下であることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のセルロース組成物。
  5. 前記硫酸化セルロース繊維の結晶化度が50%以上98%以下であることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のセルロース組成物。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のセルロース組成物から形成された乾燥物。
JP2020053472A 2020-03-24 2020-03-24 セルロース組成物及びセルロース組成物の製造方法 Active JP6869395B1 (ja)

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