JP6867748B2 - ポリアセタール樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリアセタール樹脂組成物に関する。
ポリアセタール樹脂は結晶性樹脂であり、剛性、強度、靭性、摺動性、及びクリープ性に優れている。このため、従来から、ポリアセタール樹脂の用途は、自動車部品、電気・電子部品、及び工業部品などの各種機構部品用樹脂材料として、広範囲に亘っている。
一方、近年、自動車を中心に材料の低ホルムアルデヒド化への要求が高まっており、特に内装部品を中心にホルムアルデヒド発生量の少ないポリアセタール樹脂組成物の成形品が使用されている。
ポリアセタール樹脂組成物の成形品から発生するホルムアルデヒドを低減する方法としては、一般的には、ポリアミド樹脂やアミノ置換トリアジン類化合物、ヒドラジド化合物などのホルムアルデヒド捕捉剤を添加する方法(例えば、特許文献1、2参照)が知られている。
また、ポリアセタール樹脂の長期特性を改良する方法として、脂肪酸金属塩を添加する方法(例えば、特許文献3、4参照)も提案されている。
さらに、ポリアセタール樹脂にセルロースを添加し、熱安定性を改良する方法(例えば、特許文献5参照)も提案されている。
特開2006−111874号公報 特開2007−70574号公報 特開平10−273579号公報 特開平11−323076号公報 特開平3−128260号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載の方法では、ホルムアルデヒド発生量の低減効果と長期特性改善効果はあるものの、長期間連続成形した際の金型汚染性に改善の余地があるという問題を有している。また、アミド樹脂やアミノ置換トリアジン類化合物自体が成形時の熱によって焼け、更には異物となって成形品に残存し、成形品の品質の劣化を招来するという問題を有している。
また、特許文献3、4に記載の方法においては、長期特性や連続成形時の金型汚染性は改善がみられるものの、成形品から発生するホルムアルデヒド量が低減できていないという問題を有している。
さらに、特許文献5に記載の方法では、ポリアセタール樹脂の熱安定性は改善されているものの、長期特性が実用上十分ではないという問題を有している。
このように、成形品から発生するホルムアルデヒドを低減し、かつ長期特性及び金型汚染性を同時に併せ持つ材料は未だ提案されていないのが現状である。
従来から提案されている上記の技術によると、ホルムアルデヒド発生量を低減するためには、ホルムアルデヒドとの反応性を有する含窒素化合物の添加が有効であり、また長期特性を向上させるためには、脂肪酸金属塩の添加が有効で有ることを示唆している。
よって、ホルムアルデヒド発生量を低減し、かつ長期特性を向上させたポリアセタール樹脂組成物を得るためには、これらの公知の技術の組合せによって可能とも考えられる。
しかし、ホルムアルデヒドとの反応性を有する含窒素化合物は、成形品に析出(ブリード)し易く、また成形機の熱によって焼け、成形品に異物が発生し、成形品の品質の劣化を招来するという、成形性に関する問題を有している。一方、脂肪酸金属塩は、長期特性の向上と金型汚染性の低減には効果があるが、脂肪酸金属塩自体の熱分解により、ポリアセタール樹脂の熱分解を促進し、ホルムアルデヒド発生量を低減することができないという問題を有している。
そこで本発明においては、成形品から発生するホルムアルデヒド量を低減し、かつ長期特性と成形性に優れたポリアセタール樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の課題を解決するべく鋭意検討した結果、ポリアセタール樹脂に特定の化合物を配合することにより、成形品から発生するホルムアルデヒド量を低減し、かつ長期特性と成形性に優れるポリアセタール樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕
(A)ポリアセタール樹脂と、
(B)下記一般式(I)で表され、一般式(I)中、X 1 が水素である、カルボキシメチルセルロース(B1)及び下記一般式(I)又は(II)で表され、一般式(I)中、X 1 が1価のアルカリ金属であり、一般式(II)中、X 2 が2価のアルカリ土類金属である、カルボキシメチルセルロース誘導体(B2)と、
ヒンダードフェノール系酸化防止剤(C1)と、
を、含有し、
前記カルボキシメチルセルロース(B1)と前記カルボキシメチルセルロース誘導体(B2)の混合比率=(B2)/[(B1)+(B2)]が30〜70質量%である、
ポリアセタール樹脂組成物。
Figure 0006867748
式(I)中、X1は水素又は1価のアルカリ金属を示す。nは重合度を示す。nは1〜2000である。
Figure 0006867748
式(II)中、X2は2価のアルカリ土類金属を示す。は重合度を示す。mは1〜2
000である。
〔2〕
前記カルボキシメチルセルロース(B1)及び/又はカルボキシメチルセルロース誘導
体(B2)の含有量が、
前記(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.001〜10質量部である
、前記〔1〕に記載のポリアセタール樹脂組成物。
〔3〕
アミノ置換トリアジン類化合物(C2)を、前記(A)ポリアセタール樹脂100質量
部に対して、0.001〜5質量部、さらに含有する、前記〔1〕又は〔2〕に記載のポリアセタール樹脂組成物。
本発明によれば、成形品から発生するホルムアルデヒド量を著しく低減でき、かつ長期特性と成形性に優れたポリアセタール樹脂組成物が得られる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と言う。)について、詳細に説明する。
なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
〔ポリアセタール樹脂組成物〕
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、
(A)ポリアセタール樹脂と、
(B)特定のカルボキシメチルセルロース(B1)及び/又はカルボキシメチルセルロース誘導体(B2)の少なくとも1種と、
ヒンダードフェノール系酸化防止剤(C1)と、
を、含有する。
((A)ポリアセタール樹脂)
本実施形態のポリアセタール樹脂に含有されている(A)ポリアセタール樹脂とは、オキシメチレン基(−CH2O−)を主鎖に有するポリマーであり、当該ポリマーは、重合体連鎖の両末端がエステル基により封鎖されたポリオキシメチレンホモポリマー、オキシメチレン基以外に他の構成単位を少量含有するコポリマー、ブロックポリマー、ターポリマーのいずれであってもよい。
また、分子が線状のみならず分岐や架橋構造を有してもよく、これらポリアセタール樹脂は不安定末端基を安定化されていることが好ましい。
ポリアセタール樹脂ホモポリマーは、無水ホルムアルデヒドの重合により製造され、ポリマー末端をエステル化することにより熱的に安定化する。
一方、ポリアセタールコポリマーは、トリオキサン(主原料)と環状エーテルや環状ホルマール(コモノマー)とを共重合することによって製造される。
環状エーテルとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン、トリオキセパン、1,3−ジオキサンが挙げられる。
環状ホルマールとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、1,3−ジオキソラン、プロピレングリコールホルマール、ジエチレングリコールホルマール、トリエチレングリコールホルマール、トリエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマール、1,6−ヘキサンジオールホルマールなどが挙げられる。
これらコモノマーは、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これら環状エーテル及び環状ホルマールの中で、1,3−ジオキソラン、1,4−ブタンジオールホルマール、ジエチレングリコールホルマールなどの環状ホルマールが好ましい。
これらコモノマーは、主原料であるトリオキサンに対して、0.01〜20質量%の含有量で用いることが好ましく、0.1〜10質量%がより好ましい。
(A)ポリアセタール樹脂のメルトフローレートは、特に限定されるものではないが、長期特性の観点から、通常0.1〜100g/10分の範囲が好ましく、1.0〜50g/10分の範囲がより好ましい。
なお、メルトフローレートは、ISO1133(‘97)条件Dに準じて測定することができる。
((B)カルボキシメチルセルロース及び/又はその誘導体)
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、(B)特定のカルボキシメチルセルロース(B1)及び/又はカルボキシメチルセルロース誘導体(B2)を含有する。

本実施形態のポリアセタール樹脂組成物に含有されているカルボキシメチルセルロース(B1)及び/又はカルボキシメチルセルロース誘導体(B2)は、下記一般式(I)及び/又は(II)で表される。
Figure 0006867748
式(I)中、X1は水素又は1価のアルカリ金属を示す。
nは重合度を示す。nは1〜2000である。
Figure 0006867748
式(II)中、X2は2価のアルカリ土類金属を示す。
mは重合度を示す。mは1〜2000である。
なお、一般式(II)において、隣接する繰り返し単位に含まれるカルボキシル基が、必ずしも同一のアルカリ土類金属に配位している必要はない。
(B)特定のカルボキシメチルセルロース(B1)及び/又はカルボキシメチルセルロース誘導体(B2)には、ポリアセタール樹脂組成物中でホルムアルデヒド等と反応したものも含まれる。
カルボキシメチルセルロース(B1)は、原料であるパルプとアルカリ触媒、クロロ酢酸を用いて合成することができる。合成後、硫酸を用いて中和・精製後、アルカリ金属、アルカリ土類金属を付加させることにより、カルボキシメチルセルロース誘導体(B2)が合成できる。
その後、乾燥工程と粉砕工程を経て、本実施形態のポリアセタール樹脂組成物に含まれるカルボキシメチルセルロース(B1)及び/又はその誘導体(B2)を得ることができる。
上記により得られたカルボキシメチルセルロース(B1)及び/又はその誘導体(B2)は、空気環境下で測定した時の熱分解開始温度が190℃以上であることが好ましい。
これにより、(A)ポリアセタール樹脂の分解を促進する成分、すなわちポリアセタール樹脂の熱分解誘発成分が少ないことが明らかとなり、長期特性や成形性の観点から好ましい。
(B)カルボキシメチルセルロース(B1)及び/又はカルボキシメチルセルロース誘導体(B2)の熱分解開始温度は、着色性の観点から、200℃以上であることが好ましい。
当該熱分解開始温度は、室温から400℃の温度範囲で加熱した際の分解開始温度を測定することにより求められる。
具体的には、空気環境下で加熱した際に、110℃から150℃の温度領域(1)と150℃以上の温度領域(2)の質量減少速度が大きく異なることを利用し、これらの領域(1)と(2)の質量減少速度(傾き)の交点を求め、この交点を熱分解開始温度とする。
(B)カルボキシメチルセルロース(B1)及び/又はカルボキシメチルセルロース誘導体(B2)の平均粒子径は、製造する工程、例えば、乾燥・粉砕工程で篩を用いることにより制御することができる。
好ましい平均粒子径は、1〜100μmの範囲であり、より好ましくは1〜50μmの範囲であり、さらに好ましくは1〜30μmの範囲である。
(B)カルボキシメチルセルロース(B1)及び/又はその誘導体(B2)の平均粒子径が1μm以上であることにより長期特性の効果が得られ、30μm以下であることにより、ホルムアルデヒド量の低減の効果が得られる。
(B)カルボキシメチルセルロース(B1)及び/又はその誘導体(B2)の乾燥減量は、熱安定性の観点から、(B)カルボキシメチルセルロース(B1)及び/又はその誘導体(B2)に対して10質量%以下であることが好ましく、より好ましくは8質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下である。
カルボキシメチルセルロース(B1)及び/又はその誘導体(B2)の乾燥減量は、試料2gを精秤し、105℃±2℃の定温乾燥器にて4時間乾燥した後、デシケータ内で冷却し、その後、試料の質量を測定し、乾燥前後の質量から乾燥減量を求めることができる。
(B)カルボキシメチルセルロース(B1)及び/又はその誘導体(B2)のpHは、6〜9の範囲が好ましく、より好ましくは6〜8.5であり、さらに好ましくは6〜8である。
カルボキシメチルセルロース(B1)及び/又はその誘導体(B2)のpHが前述の範囲にある時、ホルムアルデヒド量低減の効果が得られる。
カルボキシメチルセルロース(B1)及びその誘導体(B2)のpHは、試料を無水物換算で1gを秤取し、水99mLを加えて撹拌し、均等な混合物になった状態でガラス電極を備えたpHメータ(温度:25℃)を用いることにより測定できる。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物における(B)カルボキシメチルセルロース(B1)及び/又はその誘導体(B2)の含有量は、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して0.001〜10質量部であることが好ましい。より好ましくは、0.01〜3質量部であり、さらに好ましくは0.05〜1質量部である。
カルボキシメチルセルロース(B1)及び/又はカルボキシメチルセルロース誘導体(B2)の含有量が0.001質量部であると成形性の向上効果が得られ、10質量部以下であるとホルムアルデヒド量低減の効果が得られる。
また、上記カルボキシメチルセルロース(B1)とその誘導体(B2)は、それぞれ1種のみを単独で使用してもよいが、カルボキシメチルセルロース(B1)及び/又はカルボキシメチルセルロース誘導体(B2)を、2種以上併用することが好ましい。
なお、2種以上併用する、とは、カルボキシメチルセルロース(B1)、カルボキシメチルセルロース誘導体(B2)を、それぞれ2種以上用いてもよく、カルボキシメチルセルロース(B1)とカルボキシメチルセルロース誘導体(B2)とを組み合わせて、両者を合わせて2種以上として用いてもよい。
特に、カルボキシメチルセルロース(B1)と、アルカリ金属又はアルカリ土類金属で化学的に修飾したカルボキシメチルセルロース誘導体(B2)を併用して用いることにより、優れた長期特性が得られる。
カルボキシメチルセルロース(B1)とその誘導体(B2)の混合比率=(B2)/[(B1)+(B2)]は1〜99質量%であることが好ましい。より好ましくは10〜90質量%であり、さらに好ましくは、30〜70質量%である。
カルボキシメチルセルロース及び/又はその誘導体の混合比率が前述の範囲にある時、ホルムアルデヒド量低減の効果が得られる。
(添加剤(C))
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、下記添加剤(C)をさらに加えることができる。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、(C)添加剤として、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(C1)を含有する。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤(C1)としては、以下に限定されるものではないが、例えば、
n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、
n−オクタデシル−3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、
n−テトラデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、
1,6−ヘキサンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、
1,4−ブタンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、
トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、
テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、
3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、
N,N’−ビス−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオニルヘキサメチレンジアミン、
N,N’−テトラメチレン−ビス−3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェノール)プロピオニルジアミン、
N,N’−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオニル]ヒドラジン、
N−サリチロイル−N’−サリチリデンヒドラジン、
3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、
N,N’−ビス[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]オキシアミド等が挙げられる。
好ましくは、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]及びテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンである。
これらのヒンダードフェノール系酸化防止剤(C1)は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、(C)添加剤として、アミノ置換トリアジン類化合物(C2)を含有することが好ましい。
アミノ置換トリアジン類化合物(C2)としては、以下に限定されるものではないが、例えば、
2,4−ジアミノ−sym−トリアジン、
2,4,6−トリアミノ−sym−トリアジン、
N−ブチルメラミン、
N−フェニルメラミン、
N,N−ジフェニルメラミン、N,N−ジアリルメラミン、
N,N’,N’’−トリフェニルメラミン、
メレム、メロン、メラム、
ベンゾグアナミン(2,4−ジアミノ−6−フェニル−sym−トリアジン)、
アセトグアナミン(2,4−ジアミノ−6−メチル−sym−トリアジン)、
2,4−ジアミノ−6−ブチル−sym−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−ベンジルオキシ−sym−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−ブトキシ−sym−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−シクロヘキシル−sym−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−クロロ−sym−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−メルカプト−sym−トリアジン、
2,4−ジオキシ−6−アミノ−sym−トリアジン、
2−オキシ−4,6−ジアミノ−sym−トリアジン、
N,N,N’,N’−テトラシアノエチルベンゾブアナミン、
サクシノグアナミン、
エチレンジメラミン、
トリグアナミン、
メラミンシアヌレート、
エチレンジメラミンシアヌレート、
トリグアナミンシアヌレート、
アンメリン、
アセトグアナミン等や、
イミダゾール基を有するトリアジン類化合物、具体的には
2,4−ジアミノ−6−[2’−ジメチルイミダゾリル−(1’)]―エチル−s−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]―エチル−s−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]―エチル−s−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−[2’−ジメチルイミダゾリル−(1’)]―エチル−s−トリアジンとイソシアヌル酸付加物等が挙げられる。
これらのアミノ置換トリアジン類化合物(C2)は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合せて用いてもよい。
前記添加剤(C)であるヒンダードフェノール系酸化防止剤(C1)とアミノ置換トリアジン類化合物(C2)の含有量は、ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.01〜10質量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.01〜5質量部であり、さらに好ましくは0.1〜3質量部の範囲である。
添加剤(C)が前記範囲であるとき、ホルムアルデヒド量低減の効果が得られる。
また、本実施形態のポリアセタール樹脂組成物において、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(C1)の含有量は、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.001〜10質量部が好ましく、より好ましくは0.001〜5質量部であり、さらに好ましくは0.01〜1質量部である。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤(C1)の含有量を0.001質量部以上とすることによりホルムアルデヒド量低減の効果が得られ、10質量部以下とすることにより、成形性の効果が得られる。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、アミノ置換トリアジン類化合物(C2)を、前記(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.001〜5質量部、さらに含有することが好ましい。より好ましくは0.001〜3質量部であり、さらに好ましくは0.01〜1質量部である。
アミノ置換トリアジン類化合物(C2)の含有量が0.001質量部以上であることnより、ホルムアルデヒド量低減の効果が得られ、5質量部以下であることにより、優れた成形性が得られる。
(その他の添加剤)
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、その目的を損なわない範囲で従来から知られている各種添加剤を含有してもよい。
このような添加剤としては、例えば、脂肪酸金属塩や脂肪酸エステル化合物が挙げられる。
添加剤としての脂肪酸金属塩とは、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩、カルボン酸塩又はアルコキシドが挙げられる。例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムもしくはバリウムなどの水酸化物;上記金属の炭酸塩、リン酸塩、珪酸塩、ホウ酸塩、カルボン酸塩、さらには層状複水酸化物が挙げられる。
前記カルボン酸塩のカルボン酸としては、10〜36個の炭素原子を有する飽和又は不飽和脂肪族カルボン酸が好ましく、これらのカルボン酸は水酸基で置換されていてもよい。
飽和又は不飽和脂肪族カルボン酸塩としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ジミリスチン酸カルシウム、ジパルミチン酸カルシウム、ジステアリン酸カルシウム、(ミリスチン酸−パルミチン酸)カルシウム、(ミリスチン酸−ステアリン酸)カルシウム、(パルミチン酸−ステアリン酸)カルシウム、12ヒドロキシステアリン酸カルシウムが挙げられ、中でも好ましくは、ジパルミチン酸カルシウム、ジステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシジステアリン酸カルシウムが挙げられる。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物においては、2種以上の脂肪酸金属塩を同時に添加してもよく、特に制限されるものではない。
例えば、ジステアリン酸カルシウムとジパルミチン酸カルシウムを同時に添加してもよく、また異なる炭素数の脂肪酸からなる金属塩、例えば(パルミチン酸−ステアリン酸)カルシウムとが混在していてもよい。
脂肪酸金属塩は、熱安定性の観点から、実質的に未反応の金属化合物が500質量ppm以下である脂肪酸金属塩が好ましい。より好ましくは300ppm以下であり、さらに好ましくは100ppm以下である。
脂肪酸金属塩は、例えば、脂肪酸と金属水酸化物との中和反応や、脂肪酸と金属塩化物との複分解反応、脂肪酸と金属酸化物との中和反応によって得られた粗脂肪酸金属塩を、更に水洗処理、乾燥処理を行うことで、得ることができる。
なお、得られた脂肪酸金属塩中の未反応の金属化合物は、脂肪酸金属塩を超音波処理し、この濾液に抽出された金属成分を原子吸光によって定量し、得られた定量値を原料の金属水酸化物、金属酸化物若しくは金属塩化物に換算することにより求めることができる。
添加剤としての脂肪酸エステル化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、脂肪酸としてカプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグリセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、エライジン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、プロピオール酸、ステアロール酸、12−ヒドロキシドデカン酸、3−ヒドロキシデカン酸、16−ヒドロキシヘキサデカン酸、10−ヒドロキシヘキサデカン酸、12−ヒドロキシオクタデカン酸、10−ヒドキシ−8−オクタデカン酸、dl−エリスロ−9,10−ジヒドロキシオクタデカン酸などを用い、これらとアルキレングリコールで構成する脂肪酸エステル化合物が挙げられる。
アルキレングリコールの付加モル数は、1〜70であることが好ましい。
好ましくは、脂肪酸がミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸であり、アルキレングリコールが(ポリ)エチレングリコールである脂肪酸ジエステル化合物、及び脂肪酸モノエステル化合物であって、エチレングリコールの付加モル数が1〜10の脂肪酸エステル化合物である。より好ましいエチレングリコールの付加モル数は1〜5である。
脂肪酸エステル化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、(ポリ)エチレングリコールジミリスチン酸エステル、(ポリ)エチレングリコールジパルミチン酸エステル、(ポリ)エチレングリコールジステアリン酸エステル、(ポリ)エチレングリコール(ミリスチン酸−パルミチン酸)エステル、(ポリ)エチレングリコール(ミリスチン酸−ステアリン酸)エステル、(ポリ)エチレングリコール(パルミチン酸−ステアリン酸)エステル、(ポリ)エチレングリコールモノミリスチン酸エステル、(ポリ)エチレングリコールモノパルミチン酸エステル、(ポリ)エチレングリコールモノステアリン酸エステルが挙げられる。
上記脂肪酸エステル化合物の中で、エチレングリコールジミリスチン酸エステル、エチレングリコールジパルミチン酸エステル、エチレングリコールジステアリン酸エステル、エチレングリコール(ミリスチン酸−パルミチン酸)エステル、エチレングリコール(ミリスチン酸−ステアリン酸)エステル、エチレングリコール(パルミチン酸−ステアリン酸)エステル、エチレングリコールモノミリスチン酸エステル、エチレングリコールモノパルミチン酸エステル、エチレングリコールモノステアリン酸エステルが好ましい。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、紫外線吸収剤や光安定剤、及び従来公知の無機系・有機系の各種強化材、着色剤等を含有してもよい。
これら添加剤の含有形態は、紛体であっても溶融状態であってもよく、特に限定されるものではない。
一般的には、押出し機を用いて溶融混練してポリアセタール樹脂組成物を得ることができる。
この時の押出機は単軸であっても2軸であってもよい。
また、ポリアセタール樹脂の重合時に添加してもよい。
押出し機の温度は、通常170℃〜240℃の範囲で適宜選択すればよく、特に制限するものではない。
〔成形体〕
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物を成形することにより、所望の成形体が得られる。
成形方法は、特に限定されるものではなく、押出し成形であっても、射出成形、真空成形、発泡成形のいずれでもよく、公知の成形方法により、成形品を得ることができる。
以下に、本実施形態について、具体的な実施例と、これとの比較例を挙げて説明するが、本実施形態は、以下の実施例に限定されるものではない。
〔測定方法〕
((1)ホルムアルデヒド発生量(VDA275値))
一軸押出し機にて調整したポリアセタール樹脂組成物を、シリンダー設定温度が200℃の射出成形機(金型温度:80℃)を用いて成形し、試験片を作製した。
なお、試験片成形の際には、成形機の滞留無しの条件で作製した試験片と、後述するように成形機の滞留時間を30分として作製した試験片の2種類を作製した。
その後、23℃で50%の湿度に調整した恒温室内に1昼夜放置した。
1昼夜経過度、ドイツ自動車工業会規定の方法(条件)に従って、試験片から放出するホルムアルデヒド量を定量した。
この時の抽出条件は、65℃の温度で2時間とした。
なお、測定に用いた試験片は、下記サイズの試験片を使用した。
[試験片形状]
・試験片サイズ:100mm×40mm×3mm
・金型ゲート(溶融樹脂流路)サイズ:3mm×3mmのサイドゲート
<成形機滞留30分の条件>
<成形条件>
・射出成形機 : 東芝機械(株)製IS−100GN
・シリンダー設定温度 : 200℃
・金型設定温度 : 80℃
・成形サイクル : 射出/冷却=60/15秒
・金型サイズ : 100×40mm×3mm平板
(流動末端先端部にガス抜き部設置)
・成形機滞留時間 : 30分
((2)長期特性)
単軸押出し機にて調整したポリアセタール樹脂組成物を、東芝機械(株)製IS−100Eを用いて、シリンダー設定温度200℃、射出時間60秒、冷却時間15秒、金型温度80℃にて、ISOダンベル試験片を作製した。
この試験片を140℃に設定したギヤオーブン内に放置し、140℃耐熱エージング性としての物性変化を測定した。
物性変化は、下記条件にて測定した引張強度より、引張強度保持率を算出した。引張強度保持率はn=5で測定した数値の平均値とした。引張強度保持率80%以下に達した日数を測定し、日数が多いほどポリアセタール樹脂組成物の長期特性が良好と評価した。

引張試験機:(株)島津製作所製AG10KNX
引張速度:50mm/min
引張強度保持率の求め方:
(140℃エージング試験後のISOダンベル試験片引張強度/140℃エージング試験前のISOダンベル試験片引張強度)×100=引張強度保持率(%)
((3)成形性(モールドデポジット性))
下記成形条件及び評価基準に従って、ポリアセタール樹脂組成物の成形性(モールドデポジット性)を評価した。
(a)成形条件
・射出成形機 : 東芝機械(株)製IS−100GN
・シリンダー設定温度 : 230℃
・金型設定温度 : 30℃
・成形サイクル : 射出/冷却=10/5秒
・金型サイズ : 100×40mm×3mm平板
(流動末端先端部にガス抜き部設置)
・成形ショット数 : 10,000ショット
(b)金型汚染性判定基準
・0:金型キャビティ内外、及びガス抜き部の何れも汚れはみられなかった。
・1:金型ガス抜き部に、僅かに汚れがみられた。
・2:金型キャビティの1/5程度の範囲で汚れがみられた。
・3:金型キャビティの1/2程度の範囲で汚れがみられた。
・4:金型キャビティ内外の全体に汚れがみられた。
・5:金型キャビティ全体に汚れがあり、不織布で拭いても汚れが落ちなかった。
((4)実施例及び比較例で使用した材料)
((A1)ポリアセタール樹脂)
ジャケット付き2軸パドル型連続重合反応機((株)栗本鐵工所製、径2B、L/D=14.8)を80℃に調整し、下記条件にてポリアセタール樹脂コポリマーを重合した。
得られたポリマーの不安定末端基を除去し、1,3−ジオキソランに由来するコモノマー成分の含有量が4mol%であり、MFR値が9g/10minのポリアセタール樹脂コポリマーを得た。
なお、ポリアセタール樹脂コポリマーの重合条件及び末端安定化条件を以下に示した。
[重合条件]
・トリオキサン(主モノマー):3500gr/hr
・1,3−ジオキソラン(コモノマー):120.9gr/hr
・メチラール(分子量調節剤):2.4gr/hr
・有機溶媒としてシクロヘキサン6.5g/hr
・三フッ化ホウ素−ジ−n−ブチルエーテラート(重合触媒)
トリオキサン1molに対して、0.20×10-4mol
なお、重合触媒は上記成分と別ラインにてフィードした。
[末端安定化条件]
・重合反応機から排出された粗ポリアセタール共重合体を、トリエチルアミン水溶液(0.5質量%)中にサンプリングし、その後、常温で1hr攪拌を実施した後、遠心分離機でろ過し、窒素下で120℃×3hr乾燥し、ポリアセタール樹脂コポリマーを得た。
((A2)ポリアセタール樹脂)
トリオキサン、1,3−ジオキソラン、分子量調調節剤は、前述のポリアセタール樹脂コポリマー(A1)と同様とし、重合する際の重合触媒の添加量とフィード方法を変更した。
変更箇所は、重合触媒量は、トリオキサン1molに対して0.13×10-4molとし、この量の重合触媒を1,3−ジオキソランとシクロヘキサンに添加し、予め均一混合した。
この均一混合物をトリオキサンとメチラールからなる混合物とは別のラインにて重合機にフィードした。
重合触媒量とフィード方法以外は、前述のポリアセタール樹脂コポリマー(A1)と同等の操作を行い、1,3−ジオキソランに由来するコモノマー成分の含有量が4mol%であり、MFR値が9g/10minのポリアセタール樹脂コポリマーを得た。
((B) カルボキシメチルセルロース(B1)及び/又はカルボキシメチルセルロース誘導体(B2))
(B1) カルボキシメチルセルロース
(B2−1)カルシウムが化学的に修飾したカルボキシメチルセルロース
(B2−2)ナトリウムが化学的に修飾したカルボキシメチルセルロース
((C1)ヒンダードフェノール系酸化防止剤)
(C1)トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]
((C2)アミノ置換トリアジン類化合物)
(C2−1)メラミン
(C2−2)2,4−ジアミノ−6−[2‘−メチルイミダゾリル−(1’)]―エチル
−s−トリアジン
((C3)添加剤)
(C3) ステアリン酸カルシウム
参考例1〕
ポリアセタール樹脂粉砕品(A1)100質量部に、ヒンダードフェノール系酸化防止
剤(C1)0.3質量部と、カルボキシメチルセルロース(B2−1)0.1質量部を添
加し、ヘンシェル混合機を用いて均一に混合し、混合物を得た。
得られた混合物を2軸押出し機(シリンダー設定温度:200℃)で溶融混練し、ペレ
ット化した。
このペレットを80℃で3時間乾燥させた後、上述した「ホルムアルデヒド発生量」、
「長期特性」、及び「成形性」の評価を行った。
評価結果を下記表1に示す。
参考例2、3〕
カルボキシメチルセルロース(B)の種類を変更した以外は、前記〔参考例1〕と同様の操作を行った。
評価結果を表1に示す。
参考例4〜8〕
カルボキシメチルセルロース(B)の添加量を変更した以外は、前記〔参考例1〕と同様の操作を行った。
評価結果を表1に示す。
参考例9、10、実施例11、12、参考例13、13´
2種類のカルボキシメチルセルロース(B)を表1に示す混合比率により併用した。そ
の他の条件は、前記〔参考例1〕と同様の操作を行った。
評価結果を表1に示す。
〔実施例14、15〕
2種類のカルボキシメチルセルロース(B)とその他添加剤(C2)を、それぞれ表1
に示す混合比率により併用した。その他の条件は、前記〔参考例1〕と同様の操作を行った。
評価結果を表1に示す。
〔実施例16〕
ポリアセタール樹脂をA2に変更した以外は、前記〔実施例14〕と同様の操作を行った。
評価結果を表1に示す。
〔比較例1〕
ポリアセタール樹脂粉砕品(A1)100質量部に、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(C1)0.3質量部を添加し、ヘンシェル混合機を用いて均一混合し、混合物を得た。
得られた混合物を2軸押出し機(シリンダー設定温度:200℃)で溶融混練し、ペレット化した。
このペレットを80℃で3時間乾燥させた後、上述した「ホルムアルデヒド発生量」、「長期特性」、及び「成形性」の評価を行った。
評価結果を表1に示す。
〔比較例2〕
ポリアセタール樹脂粉砕品(A1)100質量部に、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(C1)0.3質量部と、その他添加剤として、メラミン(C2−1)0.1質量部を添加し、ヘンシェル混合機を用いて均一混合し、混合物を得た。
得られた混合物を2軸押出し機(シリンダー設定温度:200℃)で溶融混練し、ペレット化した。
このペレットを80℃で3時間乾燥させた後、上述した「ホルムアルデヒド発生量」、「長期特性」、及び「成形性」の評価を行った。
評価結果を表1に示す。
〔比較例3〕
ポリアセタール樹脂粉砕品(A1)100質量部に、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(C1)0.3質量部と、その他添加剤として、ステアリン酸カルシウム(C3)0.1質量部を添加し、ヘンシェル混合機を用いて均一混合し、混合物を得た。
得られた混合物を2軸押出し機(シリンダー設定温度:200℃)で溶融混練し、ペレット化した。
このペレットを80℃で3時間乾燥させた後、上述した「ホルムアルデヒド発生量」、「長期特性」、及び「成形性」の評価を行った。
評価結果を表1に示す。
Figure 0006867748
本発明のポリアセタール樹脂組成物及びこれを用いた成形体は、電気、電子機器部品や、自動車機構部品や、工業用機構部品等として、産業上の利用可能性がある。

Claims (3)

  1. (A)ポリアセタール樹脂と、
    (B)下記一般式(I)で表され、一般式(I)中、X 1 が水素である、カルボキシメチルセルロース(B1)及び下記一般式(I)又は(II)で表され、一般式(I)中、X 1 が1価のアルカリ金属であり、一般式(II)中、X 2 が2価のアルカリ土類金属である、カルボキシメチルセルロース誘導体(B2)と、
    ヒンダードフェノール系酸化防止剤(C1)と、
    を、含有し、
    前記カルボキシメチルセルロース(B1)と前記カルボキシメチルセルロース誘導体(
    B2)の混合比率=(B2)/[(B1)+(B2)]が30〜70質量%である、
    ポリアセタール樹脂組成物。
    Figure 0006867748
    (式(I)中、X1は水素又は1価のアルカリ金属を示す。nは重合度を示す。nは1〜
    2000である。)
    Figure 0006867748
    (式(II)中、X2は2価のアルカリ土類金属を示す。mは重合度を示す。mは1〜2
    000である。)
  2. 前記カルボキシメチルセルロース(B1)及びカルボキシメチルセルロース誘導体(B
    2)の含有量が、
    前記(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.001〜10質量部である
    、請求項1に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  3. アミノ置換トリアジン類化合物(C2)を、前記(A)ポリアセタール樹脂100質量
    部に対して、0.001〜5質量部、さらに含有する、請求項1又は2に記載のポリアセ
    タール樹脂組成物。
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