JP6867233B2 - 分散装置及び処理対象水の処理システム - Google Patents

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Description

本発明は、分散装置及び処理対象水の処理システムに関する。
下水などの処理対象水を処理する上で、廃水中の固形成分(浮遊性固形物やコロイドなど)を除去する処理を行う場合がある。この固形成分の除去は、凝集処理を加えることで効率的に行うことができる。凝集処理では、処理対象水に対して凝集剤を添加して、処理対象水中の固形成分を凝集剤中の成分で粗大化してフロックを形成させる。固形成分は、フロック化することで沈降性が高くなるため、フロックを沈殿させることで、処理対象水から分離、除去している。
凝集剤は、処理対象水中に分散することが望ましい。凝集剤が処理対象水中に分散せず、一部の領域に集中して存在した場合、集中した領域における固形成分のみを凝集して、その領域以外の固形成分を適切に凝集できなくなるおそれがある。例えばエマルション型の高分子凝集剤は、通常、処理対象水に添加する前に固形成分を含まない溶解用水に添加して、10分程度撹拌することで、溶解用水内に高分子凝集剤を分散、希釈、及び溶解させる。そして、高分子凝集剤が溶解した溶解用水を処理対象水に加え、撹拌することで分散させている。また、特許文献1には、凝集反応槽内で下水に凝集剤を添加して、攪拌機で撹拌混合する技術が記載されている。
特開2007−229658号公報
しかし、凝集剤を処理対象水中に分散する技術には、改善の余地がある。例えばエマルション型の高分子凝集剤を使用する場合、溶解用水内に高分子凝集剤を溶解させるというステップが必要となるため、作業の手間を要する。また、特許文献1のように、単に攪拌機で撹拌混合しても、適切に分散しないおそれもある。また、無機凝集剤においても、高濃度溶液(原液)が処理対象水中に添加される時も、高分子の使用する場合と同様、局部的に高濃度部分を生じる。単にその後に攪拌機で撹拌混合しても、適切に分散しないおそれがある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、凝集剤を処理対象水中に適切に分散させる分散装置及び処理対象水の処理システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示の分散装置は、処理対象水が流れる水路内においてトンネル空間を形成するように設けられ、前記処理対象水を前記トンネル空間の内側を流れるものと外側を流れるものとに分流することを可能とするトンネル部と、前記トンネル部の内部に設けられて、回転軸を中心に回転運動をする回転翼部と、前記水路内であって前記回転翼部よりも上流側に添加口が配置され、前記添加口から凝集剤を添加する凝集剤添加部と、を有し、前記回転翼部は、回転運動をすることにより、前記水路内を流れる処理対象水の一部を、前記凝集剤添加部により凝集剤が添加された状態としながら前記トンネル部内に吸引し、吸引した前記凝集剤が添加された処理対象水を前記トンネル部内で撹拌し、撹拌した前記凝集剤が添加された処理対象水を前記トンネル部外に排出して、前記トンネル部の外側を流れてきた処理対象水に合流させることにより、前記水路内を流れる処理対象水内に前記凝集剤を分散させる。
前記回転翼部は、前記トンネル部内の処理対象水の流速を、前記水路内であって前記トンネル部外の処理対象水の流速よりも高くすることが好ましい。
前記トンネル部は、前記処理対象水を内部に吸引する開口である入口部と、前記処理対象水を外部に排出する開口である出口部と、を有し、前記出口部の開口径が、前記入口部の開口径より小さいことが好ましい。
前記添加口は、前記トンネル部内であって、前記トンネル部の入口部と前記回転翼部との間に配置されていることが好ましい。
前記凝集剤は、エマルション型の高分子凝集剤であることが好ましい。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示の処理対象水の処理システムは、処理対象水が流れる水路と、前記水路内に設けられた前記分散装置と、前記分散装置によって前記凝集剤が分散された処理対象水が前記水路内から流入し、流入した処理対象水中で分散した凝集剤によりフロックを生成させるとともに生成したフロックを沈殿分離する分離槽と、を有する。
本発明によれば、凝集剤を処理対象水中に適切に分散させることができる。
図1は、本実施形態に係る処理システムの模式図である。 図2は、凝集剤による固形成分の凝集の原理を説明する模式図である。 図3は、凝集剤による固形成分の凝集の原理を説明する模式図である。 図4は、凝集剤による固形成分の凝集の原理を説明する模式図である。 図5は、凝集剤による固形成分の凝集の原理を説明する模式図である。 図6は、第1実施形態に係る分散装置の構成を示す模式図である。 図7は、分散装置の構成の他の例を示す模式図である。 図8は、分散装置の構成の他の例を示す模式図である。 図9は、第2実施形態に係る分散装置の構成を示す模式図である。 図10は、第3実施形態に係る分散装置の構成を示す模式図である。 図11は、第3実施形態に係る分散装置の構成を示す模式図である。 図12は、濁度及びSS除去率の測定結果を示す図表である。
以下に、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。
(第1実施形態)
(処理対象水処理システムについて)
図1は、本実施形態に係る処理システムの模式図である。図1に示すように、本実施形態に係る処理システム1は、水路10と、分散装置12と、分離槽14と、生物反応槽16と、最終沈殿槽18と、排出路20と、バイパス路21と、流量測定部22と、バイパス弁24と、制御部26とを有する。処理システム1は、処理対象水Wを処理するシステムであり、水路10から流入してくる原水W0に対して以下説明する処理を実行して浄化し、処理済み水W5として外部環境に排出する。なお、以下、処理システム1を経る過程で、原水W0、撹拌水W1、分散水W2、上澄み水W3、処理水W4、処理済み水W5について説明するが、これらを区別しない場合は、処理対象水Wと記載する。
水路10は、導水渠であり、外部から流入してくる原水W0が流れる。原水W0は、廃水であり、より詳しくは下水である。また、原水W0は、例えば雨天時などには、下水に雨水が混合したものとなる。原水W0は、固形成分Sを含有する。また、水路10は、通常、内部に原水W0が流れている際にも満管とならずに、内部が原水W0で完全に満たされていなくてもよい。すなわち、水路10の内部の原水W0の水面は、水路10の上面よりも下方に位置していてもよい。ただし、水路10は、原水W0に満たされていても(満管であっても)よい。なお、本実施形態において、原水W0は、廃水であるが、これに限られず、処理システム1による処理対象となる水であればよく、例えば河川水などであってもよい。
分散装置12は、少なくとも一部が水路10内に設けられている。分散装置12は、水路10内を流れる原水W0の一部を取り込んで、原水W0内に凝集剤Pを撹拌及び分散して、撹拌水W1を水路10内に排出する。撹拌水W1は、撹拌及び分散された凝集剤Pを含む原水W0である。分散装置12から水路10内に排出された撹拌水W1は、水路10を流れる原水W0、すなわち分散装置12に取り込まれなかった原水W0に合流する。撹拌水W1は、原水W0と合流することにより、原水W0に混合され、合流した原水W0内に凝集剤Pを分散させる。以下、撹拌水W1と合流して、凝集剤Pが分散した原水W0を、分散水W2と記載する。分散装置12の詳細な構造や処理については、後述する。
なお、本実施形態において、凝集剤Pは、エマルション型の高分子凝集剤である。さらに言えば、凝集剤Pは、カチオン系の凝集剤であり、すなわち、含有する高分子がプラスの電荷のイオン基を有するものである。ただし、凝集剤Pは、原水W0中の固形成分Sを凝集可能であれば、エマルション型の高分子凝集剤に限られず、例えば無機系凝集剤や、粉体状の高分子凝集剤を予め高濃度に溶解させた溶液などであってもよい。
分離槽14は、水路10に接続されている。水路10の分離槽14との接続箇所は、分散装置12が設けられている箇所よりも、原水W0(分散水W2)の流れの下流側となっている。従って、分離槽14には、分散水W2が導入される。分離槽14内では、分散水W2の流入による水流により、緩やかな水流が生じている。分離槽14では、分散水W2内の固形成分Sを、分散水W2内に分散する凝集剤Pにより、成長、粗大化させ、フロックFを形成する。分離槽14では、形成したフロックFを沈殿させることで、分散水W2中の液体成分(上澄み水W3)とフロックFとを分離する。
生物反応槽16は、水路17により分離槽14と接続されている。生物反応槽16は、分離槽14で生成された上澄み水W3が、水路17を経て流入する。生物反応槽16は、内部に活性汚泥Slを貯留している。生物反応槽16は、この活性汚泥Slにより、上澄み水W3に対して生物処理を実行し、上澄み水W3を浄化して処理水W4を生成する。なお、生物反応槽16は、上澄み水W3に対する生物処理の一例として、硝化処理、及び脱窒処理を実行する。図1の例では、生物反応槽16は、1つであるが、例えば、硝化処理を行う硝化槽と脱窒処理を行う脱窒槽との、複数の槽を備えていてもよい。
最終沈殿槽18は、水路19により生物反応槽16と接続されている。最終沈殿槽18は、生物反応槽16で生成された処理水W4が、水路19を経て流入する。最終沈殿槽18は、重力沈降により処理水W4中の固形成分を沈降させ、処理水W4中の液体成分(処理済み水W5)と固形成分とを分離する。最終沈殿槽18には、排出路20が接続されている。最終沈殿槽18で分離された処理済み水W5は、浄化後の処理対象水Wとして、排出路20から外部に排出される。
なお、上述のように、水路10には、原水W0として、雨水も流入する。雨水量が大きい場合、水路10に流入する原水W0の流量が大きくなる。この場合、流入する全ての原水W0に対し、生物反応槽16での生物処理や、最終沈殿槽18での分離処理が、間に合わなくなるおそれがある。この場合に備えて、処理システム1には、バイパス路21が設けられている。
バイパス路21は、分離槽14と排出路20とに接続されている。バイパス路21は、分離槽14内の上澄み水W3が流入し、流入した上澄み水W3を、排出路20に導出する。この上澄み水W3は、排出路20で処理済み水W5と合流して、外部に排出される。すなわち、バイパス路21は、生物反応槽16及び最終沈殿槽18を経ることなく、上澄み水W3を排出路20に排出する。ただし、バイパス路21は、上澄み水W3を、生物反応槽16及び最終沈殿槽18を経ることなく外部に排出する構成であれば、排出路20に接続されていなくてもよい。
より詳しくは、水路10には、流量測定部22が設けられ、バイパス路21には、バイパス弁24が設けられている。流量測定部22は、水路10内において、分散装置12よりも、原水W0の流れの上流側に配置されている。流量測定部22は、水路10に流入する原水W0の流量を測定する。制御部26は、流量測定部22が測定した原水W0の流量の値を取得する。制御部26は、原水W0の流量の値が所定の閾値より小さい場合は、バイパス弁24を閉じたままとする。従って、水路10内の原水W0の流量が閾値より小さい通常時においては、上澄み水W3がバイパス路21から流出せず、上澄み水W3の全量は、生物反応槽16に流出する。
一方、制御部26は、水路10に流入する原水W0の流量が所定の閾値以上である場合、バイパス弁24を開く。これにより、分離槽14内の上澄み水W3の一部が、生物反応槽16及び最終沈殿槽18を経ることなく、バイパス路21を介して外部に放出される。また、バイパス路21に流出した以外の上澄み水W3は、生物反応槽16に流入する。このように、水路10内の原水W0の流量が閾値以上となる緊急時(豪雨時など)においては、上澄み水W3の一部は、バイパス路21から、生物反応槽16を経ずに外部に流出する。従って、原水W0の流量が過度になった場合においても、生物反応槽16における処理能力を超える原水W0が生物反応槽16に流入することを抑制して、処理不良となることを抑制する。また、この場合においても、水路10に流入する原水W0は、全量が分離槽14に導入され、固形成分SがフロックFとして除去されている。従って、この場合においても、分離槽14でフロックFが分離された後の上澄み水W3をバイパスして流出させるため、排出する水による周辺環境の水質悪化をより好適に抑制できる。
(凝集剤による凝集について)
以下に、凝集剤Pによる原水W0中の固形成分Sの凝集の原理について説明する。図2から図5は、凝集剤による固形成分の凝集の原理を説明する模式図である。図2は、凝集剤Pを原水W0に添加する前の添加前状態の凝集剤Pの様子を示している。添加前状態において、凝集剤Pは、溶媒である油P1中に、水P2の相が複数分散している。水P2の相内には、高分子である複数のポリマーP3が含まれている。また、水P2の相の周囲には、界面活性剤P4が存在している。
図2の状態の凝集剤Pを原水W0に添加し、適切に撹拌すると、凝集剤Pが原水W0に分散して、図3に示す分散状態となる。図3に示すように、凝集剤Pを原水W0に添加すると、界面活性剤P4が転相(親水基と疎水基との向きが変わる)して、油P1と水P2とが入れ替わり、ポリマーP3は、界面活性剤P4の周囲の水相、すなわち原水W0内に放出される。
その後、原水W0内に放出されたポリマーP3は、自身のプラス電荷のイオン基同士が反発しあうことで、図4に示すように、分子鎖が伸展する溶解状態に時間をかけて移行する。また、ポリマーP3は、他のポリマーP3のプラス電荷のイオン基同士が反発し合うことで、分子鎖の伸展が一定程度に抑制されるとともに、原水W0の粘度が高くなる。
その後、伸展したポリマーP3は、図5に示すように、原水W0中のマイナスに帯電した固形成分Sを引き付け(結合し)、ポリマーP3を介して固形成分Sが凝集される(凝集状態)。このように固形成分Sが凝集されることにより、固形成分Sが粗大化して、フロックFを形成する。なお、固形成分Sを介してポリマーP3同士も引き付けあうことで、フロックFをより粗大化することも可能である。
上述のように、図4に示すポリマーP3の伸展時には、ポリマーP3により粘度が増加する。この際、ポリマーP3が原水W0内に十分に分散していないと、ポリマーP3が集中する箇所の粘度は増加するが、ポリマーP3が少ない箇所では、粘度の増加が抑制される。そのため、ポリマーP3の集中する箇所の原水W0は、他の箇所の原水W0との混合が困難となる。この場合、ポリマーP3の集中する箇所では、図5に示すように固形成分Sの凝集が始まるが、それ以外の箇所では、固形成分Sを凝集させることが困難となる。従って、ポリマーP3が原水W0内に十分に分散していない場合、フロックFの成長が阻害され、適切に凝集処理を行うことができなくなるおそれがある。本実施形態に係る処理システム1は、分散装置12により、原水W0中に凝集剤P(ポリマーP3)を分散させて分散水W2を生成している。これにより、本実施形態に係る処理システム1は、凝集処理を適切に行っている。以下、分散装置12について詳細に説明する。
(分散装置について)
図6は、第1実施形態に係る分散装置の構成を示す模式図である。図6に示すように、分散装置12は、トンネル部30と、回転部32と、凝集剤添加部34と、制御部36とを有する。トンネル部30は、水路10内に設けられる筒状の部材である。トンネル部30は、全体が水路10を流れる原水W0中に沈むように配置されている。トンネル部30は、水路10内の空間を、トンネル空間A1と外側空間A2とに区分する。トンネル空間A1は、トンネル部30の内部の空間である。外側空間A2は、水路10内の空間であってトンネル部30の外側の空間であり、水路10内のトンネル空間A1以外の空間である。トンネル部30は、水路10内を流れる原水W0を、トンネル空間A1の内側を流れるもの(トンネル部30の内部を流れるもの)と、トンネル空間A1の外側を流れるもの(外側空間A2を流れるもの)に分流する。
トンネル部30は、一方の端部側の開口である入口部30Aと、他方の端部側の開口である出口部30Bとが開口している。また、トンネル部30は、入口部30Aから出口部30Bまでが、連通しており、トンネル部30の内部であって入口部30Aから出口部30Bまでの空間が、トンネル空間A1を形成している。本実施形態においては、トンネル部30は、入口部30Aから出口部30Bまでの軸方向が、方向Xに沿うように配置されている。また、トンネル部30は、入口部30Aが方向X2側に位置しており、出口部30Bが、方向X1側に位置している。方向Xは、水路10の延在方向であり、水路10内で原水W0が流れる方向である。また、方向X1は、方向Xに沿った方向のうちの一方の方向であり、方向X2は、方向Xに沿った方向のうちの他方の方向である。方向X1は、水路10内における原水W0の流れに沿った方向、すなわち原水W0の下流側への方向である。方向X2は、水路10内における原水W0の流れと反対方向、すなわち原水W0の上流側への方向である。なお、トンネル部30は、水路10内に設けられていれば、軸方向が方向Xに沿っていなくてもよく、軸方向が方向Xに対して傾斜していてもよい。
回転部32は、トンネル部30の内部(トンネル空間A1内)に設けられ、回転軸40と回転翼部42とを有する。回転軸40は、回転翼部42の回転軸である。回転翼部42は、回転軸40の外周に設けられた翼状部材である。回転部32は、回転軸40を中心に、方向Xを回転軸として、回転翼部42を、方向Rに回転させる。回転部32は、軸方向が方向Xである水中攪拌機の形状となっているが、軸方向が方向Xに対して傾斜した水中ポンプのような形状となっていてもよい。
凝集剤添加部34は、凝集剤タンク50と、凝集剤配管52と、凝集剤ポンプ56とを有する。凝集剤タンク50は、水路10の外部に設けられており、内部に凝集剤Pを貯留するタンクである。凝集剤配管52は、末端部53が凝集剤タンク50に接続される配管である。凝集剤配管52は、先端部に、添加口54が開口している。凝集剤配管52は、末端部53から先端部(添加口54)に向けて延在し、添加口54が、水路10内に導入されている。添加口54は、水路10内であって、回転部32よりも、方向X2側に位置している。より詳しくは、添加口54はトンネル部30内(トンネル空間A1内)であって、トンネル部30の入口部30Aと回転部32との間(入口部30Aよりも方向X1側で回転部32よりも方向X2側)に位置している。
凝集剤ポンプ56は、凝集剤配管52に設けられたポンプである。凝集剤ポンプ56は、凝集剤タンク50から凝集剤Pを吸引して、凝集剤配管52内に凝集剤Pを導入する。凝集剤添加部34は、凝集剤ポンプ56によって、凝集剤タンク50が貯留した凝集剤Pを凝集剤配管52内に導入し、導入した凝集剤Pを、添加口54から放出する。また、添加口54には、弁55が設けられている。弁55は、背圧弁であり、凝集剤配管52内の凝集剤Pによって所定値より高い背圧(例えば水路10内の原水W0による水圧より高い圧力)がかかることにより、開弁する。弁55は、凝集剤配管52内の背圧が所定値以下である場合は、閉弁する。
本実施形態において、高分子凝集剤Pは、4質量%食塩水に濃度0.5質量%で含有させた際の粘度が、40mPa・s(パスカル・秒)以上、120mPa・s以下であるものが好ましい。4質量%食塩水とは、食塩水の全体質量に対し、食塩の質量が4%となっている状態の食塩水を指す。そして、4質量%食塩水に濃度0.5質量%で含有させるとは、この食塩水に高分子凝集剤Pを添加した際の全体の質量に対して、添加した高分子凝集剤Pの質量が、0.5%となっている状態を指す。なお、このような粘度で指定される高分子凝集剤Pは、ポリマーP3の推定分子量が、300万程度以上、1000万程度以下となる。また、凝集剤Pは、原水W0への添加前の状態で、ポリマーP3の濃度、すなわち全重量に対するポリマーP3の重量が、10%以上60%以下であることが好ましく、40%以上60%以下であることがより好ましい。ただし、ポリマーP3の粘度(分子量)及びポリマーP3の濃度は、これらの範囲に限られず、任意に設定してもよい。ポリマーP3の種類としては、例えば、アクリレート系、メタアクリレート系、アクリレート系またはメタアクリレート系とアクリル酸およびアクリルアミドの共重合物系、アクリル酸とアクリルの共重合物系、等が挙げられる。
制御部36は、分散装置12を制御する。制御部36は、凝集剤ポンプ56を駆動し、添加口54から、水路10内へ凝集剤Pを添加させる。制御部36は、凝集剤Pが分散水W2に混合された後におけるポリマーP3の濃度、すなわち分離槽14内の原水W0と凝集剤Pとの全重量に対するポリマーPの重量が、例えば0.5ppm以上3ppm以下となるように、凝集剤Pの添加量を設定している。
分散装置12は、以上説明したような構造となっている。以下、分散装置12による凝集剤Pの分散について説明する。図6に示すように、水路10内には、方向X1に向けて、原水W0が流れている。分散装置12は、トンネル部30内(トンネル空間A1内)において、回転翼部42を回転させている。回転翼部42は、方向Rに回転することで、入口部30A側(方向X2側)の原水W0を、方向Xに対してせん断する方向に撹拌しつつ、自身に向けて吸引し、吸引した原水W0を、出口部30B側(方向X1側)に放出する。従って、外側空間A2内であって回転翼部42よりも方向X2側に流れている原水W0は、回転翼部42に吸引されて、一部が入口部30Aからトンネル部30内に流入する。回転翼部42は、トンネル部30の内径領域Arよりも放射方向内側の原水W0だけでなく、トンネル部30の内径領域Arよりも放射方向外側を流れている原水W0も、吸引する。
トンネル部30内(トンネル空間A1内)に流入した原水W0は、回転翼部42の回転により、方向Xに対してせん断されつつ、トンネル部30内を方向X1に向けて螺旋状に流れる。また、分散装置12は、添加口54から、水路10内に凝集剤Pを添加している。添加口54は、トンネル部30内であって回転翼部42よりも方向X2側に位置している。従って、添加口54から注入された凝集剤Pは、トンネル部30内を流れる原水W0の流れに巻き込まれ、トンネル部30内を流れる原水W0と共に、トンネル部30内で撹拌される。すなわち、トンネル部30内に流入して凝集剤Pが添加された原水W0は、回転翼部42の回転により撹拌される。この撹拌により、凝集剤Pは、トンネル部30内を流れる原水W0中に分散して、撹拌水W1を形成する。
凝集剤Pを含んだ撹拌水W1は、出口部30Bから、トンネル部30の外部(外側空間A2)に放出される。トンネル部30の内径は、水路10の径(幅)よりも小さい。従って、撹拌水W1は、出口部30Bから放出される際に、放射方向外側に広がるように、水路10内(外側空間A2内)に拡散する。ここで、水路10内の外側空間A2には、トンネル部30内(トンネル空間A1内)に吸引されなかった原水W0が流れている。撹拌水W1は、出口部30Bから排出されて、水路10内の外側空間A2を流れる原水W0と合流する。また、撹拌水W1は、水路10内(外側空間A2内)に拡散するように流れ込むため、撹拌水W1は、合流した原水W0の全体に混合される。これにより、撹拌水W1中の凝集剤Pは、原水W0中に分散して、分散水W2を形成する。
このように、分散装置12は、回転翼部42の上流側から、流れている原水W0に凝集剤Pを添加し、凝集剤Pが添加された原水W0を、トンネル部30の内部(トンネル空間A1内)で撹拌して、水路10内に戻している。従って、分散装置12は、ポリマーP3の分子鎖が伸展する前、すなわち、ポリマーP3による凝集が活発になったり、粘度が高くなったりする前に、原水W0中に凝集剤P(ポリマーP3)を拡散させることが可能となる。
なお、トンネル部30内(トンネル空間A1内)に吸引された原水W0及び撹拌水W1は、回転翼部42の回転により流れが加速されているため、水路10内であって、トンネル部30の外(外側空間A2)を流れる原水W0よりも、流速が高くなっている。従って、撹拌水W1は、出口部30Bから、高速度で原水W0内に噴出されるため、撹拌水W1中の凝集剤Pは、より好適に原水W0中に分散する。
撹拌水W1と合流した原水W0、すなわち分散水W2は、水路10を更に流れて分離槽14に流入する。分散水W2は、内部に適切に凝集剤Pが分散した状態であるため、分離槽14で、フロックFを適切に成長させることができる。
なお、図6の説明では、添加口54は、トンネル部30内(トンネル空間A1内)に配置されていたが、回転部32よりも方向X2側に位置していればよい。図7及び図8は、分散装置の構成の他の例を示す模式図である。図7に示すように、添加口54は、トンネル部30の入口部30Aよりも方向X2側であって、トンネル部30の内径領域Arよりも放射方向内側に配置されていてもよい。また、図8に示すように、添加口54は、トンネル部30の内径領域Arよりも放射方向外側を流れている原水W0が吸い込まれる範囲において、外側空間A2内であってトンネル部30の内径領域Arよりも放射方向外側に配置されていてもよい。さらに、図8に示すように、トンネル部30は、出口部30Bの開口径が、入口部30Aの開口径よりも小さくなっていることがより好ましい。また、トンネル部30は、回転部32が設けられている位置から、方向X1に沿って出口部30Bに向かうに従って、内径が徐々に小さくなっていてもよい。このような形状となることで、エジェクタ効果によって出口部30Bから水路10内へ放出される撹拌水W1の流速がさらに向上して、凝集剤Pを原水W0内により好適に分散させることができる。
以上説明したように第1実施形態に係る分散装置12は、トンネル部30と、回転翼部42と、凝集剤添加部34とを有する。トンネル部30は、処理対象水(原水W0)が流れる水路10内においてトンネル空間A1を形成するように設けられる。トンネル部30は、処理対象水(原水W0)を、トンネル空間A1の内側を流れるものと、トンネル空間A1の外側(外側空間A2)を流れるものとに分流することを可能とする。回転翼部42は、トンネル部30の内部に設けられて、回転軸40を中心に回転運動をする。凝集剤添加部34は、添加口54を有する。添加口54は、水路10内であって、回転翼部42よりも、原水W0の流れの上流側(方向X2側)に配置されている。凝集剤添加部34は、この添加口54から、凝集剤Pを添加する。回転翼部42は、回転運動をすることにより、水路10内を流れる処理対象水(原水W0)の一部を、凝集剤添加部34により凝集剤Pが添加された状態としながらトンネル部30内(トンネル空間A1内)に吸引する。そして、回転翼部42は、吸引した凝集剤Pが添加された処理対象水(原水W0)を、トンネル部30内で撹拌する。回転翼部42は、撹拌した凝集剤Pが添加された処理対象水(撹拌水W1)をトンネル部30外(外側空間A2)に排出して、トンネル部30の外側(外側空間A2)を流れてきた処理対象水(原水W0)に合流させることにより、水路10内を流れる処理対象水(原水W0)内に凝集剤Pを分散させる。
この分散装置12は、凝集剤Pが添加された処理対象水(原水W0)をトンネル部30内に導入し、トンネル部30内で撹拌させる。そして、撹拌した処理対象水(撹拌水W1)を、トンネル部30外に排出して、水路10内を流れる他の原水W0に合流させる。従って、この分散装置12は、原水W0に適切に凝集剤Pを分散させることが可能となる。
また、回転翼部42は、トンネル部30内(トンネル空間A1内)の処理対象水(原水W0、撹拌水W1)の流速を、水路10内であってトンネル部30外(外側空間A2)を流れる処理対象水(原水W0)の流速よりも高くする。この分散装置12は、合流相手である原水W0よりも、撹拌水W1の流れを速くすることで、撹拌水W1に含まれた凝集剤Pを、より適切に原水W0中に分散させることが可能となる。
また、分散装置12は、制御部36で回転翼部42を回転させることで、トンネル部30内の処理対象水(原水W0、撹拌水W1)の流速を適切に上昇させて、凝集剤Pをより適切に原水W0中に分散させることが可能となる。
また、トンネル部30は、処理対象水(原水W0)を内部に吸引する開口である入口部30Aと、処理対象水(原水W0)を外部に排出する開口である出口部30Bと、を有する。出口部30Bの開口径は、入口部30Aの開口径より小さいことが好ましい。このように出口部30Bの開口径を小さくすることにより、撹拌水W1の流速をより適切に上昇させて、凝集剤Pをより適切に原水W0中に分散させることが可能となる。
また、添加口54は、トンネル部30内であって、入口部30Aと回転翼部42との間に配置されていることが好ましい。この分散装置12は、この位置に設けられた添加口54から凝集剤Pを添加することで、凝集剤Pをより適切に原水W0中に分散させることが可能となる。
また、凝集剤Pは、エマルション型の高分子凝集剤であることが好ましい。エマルション型の高分子凝集剤は、粘度が高くなりやすく、原水W0への分散が困難である。しかし、このように本実施形態に係る分散装置12を用いることで、エマルション型の高分子凝集剤であっても、適切に原水W0に分散させることが可能となる。また、エマルション型の高分子凝集剤を用いることで、原水W0内の固形成分Sをより好適に粗大化させることが可能となる。
また、本実施形態に係る処理システム1は、処理対象水が流れる水路10と、水路10内に設けられた分散装置12と、分離槽14とを有する。分離槽14は、分散装置12によって凝集剤Pが分散された処理対象水(分散水W2)が水路10内から流入し、流入した処理対象水中で分散した凝集剤Pにより、フロックFを生成させるとともに、生成したフロックFを沈殿分離する。この処理システム1は、分散装置12により凝集剤Pを分散させることで、フロックFを好適に粗大化させ、凝集処理を好適に実行することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る分散装置12Aは、電解質添加部60を有する点で、第1実施形態と異なる。第2実施形態において第1実施形態と構成が共通する箇所は、説明を省略する。
図9は、第2実施形態に係る分散装置の構成を示す模式図である。図9に示すように、分散装置12Aは、電解質添加部60を有する。電解質添加部60は、電解質タンク61と、電解質配管62と、電解質ポンプ66とを有する。電解質タンク61は、水路10の外部に設けられており、内部に電解質Eを貯留するタンクである。電解質Eは、電解質タンク61において溶媒(例えば水)で溶解されており、陽イオンと陰イオンとに電離している。本実施形態において、電解質Eは、塩化物であり、例えば塩化ナトリウムや塩化カルシウムであることが好ましい。ただし、電解質Eは、溶媒(水)に溶解して、陽イオンと陰イオンとに電離する物質であれば、これらの物質に限られない。
電解質配管62は、末端部63が電解質タンク61に接続される配管である。電解質配管62は、先端部に、電解質添加口64が開口している。電解質配管62は、末端部63から先端部(電解質添加口64)に向けて延在し、電解質添加口64が、水路10内に導入されている。電解質添加口64は、水路10内であって、回転部32よりも、方向X2側に位置している。より詳しくは、電解質添加口64はトンネル部30内(トンネル空間A1内)であって、トンネル部30の入口部30Aと回転部32との間(入口部30Aよりも方向X1側で回転部32よりも方向X2側)に位置している。なお、電解質添加口64は、凝集剤Pの添加口54と同様(図7及び図8)に、外側空間A2内であって、トンネル部30の入口部30Aよりも方向X2側であって、トンネル部30の内径領域Arよりも放射方向内側に配置されていてもよい。また、電解質添加口64は、外側空間A2内であって、トンネル部30の内径領域Arよりも放射方向外側を流れている原水W0が吸い込まれる範囲において、トンネル部30の内径領域Arよりも放射方向外側に配置されていてもよい。
電解質ポンプ66は、電解質配管62に設けられたポンプである。電解質ポンプ66は、電解質タンク61から電解質Eを吸引して、電解質配管62内に電解質Eを導入する。凝集剤添加部34は、凝集剤ポンプ56によって、凝集剤タンク50が貯留した電解質Eを電解質配管62内に導入し、導入した電解質Eを、電解質添加口64から放出する。また、電解質添加口64には、弁65が設けられている。弁65は、背圧弁であり、電解質配管62内の電解質Eによって所定値より高い背圧(例えば水路10内の原水W0による水圧より高い圧力)がかかることにより、開弁する。弁65は、電解質配管62内の背圧が所定値以下である場合は、閉弁する。
このように、第2実施形態においては、原水W0に電解質Eが添加される。電解質Eは、マイナス電荷のイオン基が、伸展状態のポリマーP3のプラス電荷のイオン基に引き付けられる。従って、電解質Eを添加することで、伸展状態において、ポリマーP3同士が反発し合うことを抑制して、粘度の増加を抑制する。これにより、高分子凝集剤Pを原水W0内により適切に分散させることが可能となる。また、ポリマーP3のプラス電荷のイオン基に電解質Eのイオン基が引き付けられることで、固形成分SがポリマーP3に引き付けられることを抑制し、高分子凝集剤Pが分散する前に凝集が始まることを抑制して、後段の分離槽14における凝集処理の効率の低下を抑制する。なお、電解質Eが添加された原水W0は、さらに原水W0と合流して希釈されるため、分離槽14における凝集処理の抑制は解消される。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態に係る分散装置12Bは、凝集剤添加部34Bが、添加環部58を有する点で、第1実施形態と異なる。第3実施形態において第1実施形態と構成が共通する箇所は、説明を省略する。
図10及び図11は、第3実施形態に係る分散装置の構成を示す模式図である。図11は、図10の方向X2側から分散装置12Bを見た図である。図10及び図11に示すように、第2実施形態に係る分散装置12Bは、凝集剤添加部34Bを有する。凝集剤添加部34Bは、先端に、添加環部58を有する。添加環部58は、水路10内であって、回転部32よりも、方向X2側に位置している。添加環部58は、トンネル部30外(外側空間A2)に配置されているが、トンネル部30内(トンネル空間A1内)であって、入口部30Aと回転部32との間に位置していてもよい。
添加環部58は、内部に空間を有する管が輪状に形成された部材である。添加環部58は、環の外径が、トンネル部30の内径、すなわち内径領域Arよりも小さい。添加環部58は、内径領域Ar内に位置して、環がトンネル部30の入口部30Aに対向するように設けられている。言い換えれば、添加環部58は、環の内側の開口が、トンネル部30の入口部30Aの開口に対向するように設けられている。
添加環部58は、開口59が、凝集剤配管52の先端に接続されている。添加環部58は、開口59から、内部の空間に、凝集剤配管52からの凝集剤Pが供給される。また、添加環部58は、輪に沿って、開口である添加口54Bが複数開口している。添加口54Bは、トンネル部30の入口部30Aに対向する位置に開口している。添加環部58内に供給された凝集剤Pは、これらの複数の添加口54Bから、水路10内に放出される。
このように、第3実施形態に係る分散装置12Bは、凝集剤添加部34Bが、添加環部58を有する。添加環部58は、水路10内であって、回転部32よりも、方向X2側に位置しており、環に沿って複数の添加口54Bが開口している。凝集剤添加部34Bは、この複数の添加口54Bから凝集剤Pを添加することで、凝集剤Pを原水W0内により好適に分散させることが可能となる。
(実施例)
次に、実施例について説明する。実施例においては、複数のサンプルを用いて凝集剤Pを添加、撹拌した後に凝集処理を行い、フロックFを除去した後の上澄み水の濁度(NTU)及びSS(Suspended Solid 懸濁物質)除去率を計測した。比較例では、ポリマー濃度が50%のエマルション型高分子凝集剤を、イオン交換水(溶解用水)に添加し、攪拌機の回転数を180rpmとして10分間撹拌して、撹拌水を生成した。この分散水におけるポリマー濃度は、0.3%となっている。その後、この分散水を下水に混合、撹拌して、ポリマー濃度が1ppmの分散水を生成した。そして、この分散水を5分間静置した後、上澄み水を採取し、その上澄み水の濁度及びSS除去率を計測した。
実施例1においては、ポリマー濃度が50%のエマルション型高分子凝集剤Pを、下水に添加し、攪拌機の回転数を1250rpmとして10秒間撹拌して、撹拌水を生成した。この撹拌水におけるポリマー濃度は、0.3%となっている。その後の処理は、比較例と同様である。実施例1においては、攪拌機の回転数を高速とし、撹拌時間を短くすることで、実施形態のように分散装置12による撹拌水の生成を模擬している。また、実施例2では、撹拌水に、濃度が0.1%となるように塩化ナトリウム(電解質E)を添加した以外は、実施例1と同様である。
図12は、濁度及びSS除去率の測定結果を示す図表である。図12に示すように、比較例において、濁度(NTU)は、71であり、SS除去率は、84%であった。実施例1において、濁度(NTU)は、76であり、SS除去率は、86%であった。実施例2において、濁度(NTU)は、71であり、SS除去率は、86%であった。以上より、各実施例に示すように、下水(廃水)を用い、かつ短い撹拌時間で撹拌水を生成した場合においても、従来のように清浄な水を用いて分散水を生成した場合に対しても、十分に分散が行われていることで、凝集処理の処理性能が低下しないことが分かる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態等の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態等の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
1 処理システム
10 水路
12 分散装置
14 分離槽
16 生物反応槽
18 最終沈殿槽
30 トンネル部
30A 入口部
30B 出口部
32 回転部
34 凝集剤添加部
40 回転軸
42 回転翼部
54 添加口
A1 トンネル空間
A2 外側空間
P 凝集剤
W 処理対象水
W0 原水
W1 撹拌水
W2 分散水

Claims (5)

  1. 処理対象水が流れる管状の水路内においてトンネル空間を形成するように設けられ、前記処理対象水を前記トンネル空間の内側を流れるものと外側を流れるものとに分流することを可能とするトンネル部と、
    前記トンネル部の内部に設けられて、回転軸を中心に回転運動をする回転翼部と、
    前記水路内であって前記回転翼部よりも上流側に添加口が配置され、前記添加口から凝集剤を添加する凝集剤添加部と、
    を有し、
    前記回転翼部は、回転運動をすることにより、前記水路内を流れる処理対象水の一部を、前記トンネル部内に吸引して、前記水路内であって前記トンネル部外を流れる第1処理対象水と、前記トンネル部内を流れて前記第1処理対象水より流速が高い第2処理対象水とに分流し、前記トンネル部内で、前記凝集剤添加部により添加された凝集剤を前記第2処理対象水中に一次分散し、前記凝集剤が一次分散した前記第2処理対象水を前記トンネル部外に排出して、前記トンネル部の外側を流れてきた前記第1処理対象水に合流させることにより、前記第2処理対象水中の前記凝集剤を前記第1処理対象水中に二次分散して、前記第1処理対象水及び前記第2処理対象水内に前記凝集剤を分散させる、
    分散装置。
  2. 前記トンネル部は、前記処理対象水を内部に吸引する開口である入口部と、前記処理対象水を外部に排出する開口である出口部と、を有し、前記出口部の開口径が、前記入口部の開口径より小さい、請求項1に記載の分散装置。
  3. 前記添加口は、前記トンネル部内であって、前記トンネル部の入口部と前記回転翼部との間に配置されている、請求項1又は請求項2に記載の分散装置。
  4. 前記凝集剤は、エマルション型の高分子凝集剤である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の分散装置。
  5. 処理対象水が流れる管状の水路と、
    前記水路内に設けられた、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の分散装置と、
    前記分散装置によって前記凝集剤が分散された処理対象水が前記水路内から流入し、流入した処理対象水中で分散した凝集剤によりフロックを生成させるとともに生成したフロックを沈殿分離する分離槽と、を有する、処理対象水の処理システム。
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