JP6258277B2 - 水質浄化方法および水質浄化システム - Google Patents

水質浄化方法および水質浄化システム Download PDF

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Description

本発明は、湖沼等の浄化対象の水域の水質の浄化方法および浄化システムに関するものである。
親水池や公園池、ゴルフ場の池等、多くの湖沼では、生活排水等に起因する栄養塩等の流入や蓄積によって富栄養化することで、藍藻類や褐藻類等の植物プランクトンの大量発生し、水の色の変化や濁りが発生したり、更に悪化するとアオコや赤潮等の環境問題を生じることがあった。
植物プランクトン等の水中懸濁物質を除去し、水質汚染の問題を解決するために、種々の技術開発が行われている。例えば、湖沼の水を濾過装置を用いてろ過することで、物理的に植物プランクトンや栄養塩等を除去することが行われている。しかしながら、濾過装置を用いると、大量の栄養塩が流入したり、植物プランクトンが発生した場合、濾過装置にかかる負担が大きくなりすぎ十分に処理できない場合があった。
また、この他にも、環境浄化に有効な微生物を湖沼に生育させ、栄養塩等の除去を行うことが行われている。しかしながら、微生物を用いる場合、その浄化対象となる湖沼に馴化させることにも時間がかかり、季節要因や他の環境汚染物質の流入により微生物の生育状態が変わることがあった。
さらに、植物プランクトンを殺菌して除去することで、水中懸濁物質を低減することも行われている。これは例えば、殺菌剤を添加したり、オゾンの殺菌力を利用したりするものである。しかしながら、殺菌による処理は、水の透明度を向上させることはできても、その湖沼に微生物や魚類等が生息できなくなるおそれがある。
そのため、湖沼等の浄化対象の水域の生体バランスをできる限り壊すことなく、水中懸濁物質を低減させる技術が望まれている。
そのような技術のひとつとして、上述した濾過装置による処理に準じて、簡易濾過槽、凝集槽等を有する水処理施設を設け、凝集剤を用いて水中懸濁物質の除去を行う方法がある。例えば、特許文献1には、閉鎖水域の浄化システムが開示されており、具体的には、凝集槽、沈降槽、ろ過槽とを有しこれらの順序や配管ラインを工夫した水質浄化システムが開示されている。
また、浄化対象の水域から水中懸濁物質を除去する方法としては、凝集剤との反応により生じたフロックに気泡等を接触させることで浮上させる浮上曝気法により行われることが多い(例えば、特許文献2参照)。これは、懸濁物質とのフロックを浮上させた方が回収しやすいとの思想から行われてきたものである。
特許第4022499号公報 特開平6−226249号公報
しかしながら、特許文献1で開示された水質浄化システムは、システム内で大量のフロック(懸濁物質を凝集剤で凝集させることで生じる沈殿物)が発生する為、それを産業廃棄物として処理することが必要になる。また、特許文献2等で開示された浮上曝気法では、水中懸濁物質を浮上させた場合、その回収を行わなければ、汚染原因がなくならないことや、水中懸濁物質を浮上させるためには非常に大きな流量で凝集剤を含む液を送ったり、気泡を送ったりする必要があり、結果としてシステムが大型化する等の問題があった。さらには、浮上した水中懸濁物質を完全に回収することは現実的には極めて困難であり、水の透視度の回復が困難であった。
このように、従来の水質浄化方法や水質浄化システムには改善の余地があるのが実状である。かかる状況下、本発明の目的は、湖沼等の浄化対象の水域の生体バランスをできる限り壊すことなく、水中懸濁物質を低減させる水質浄化方法を提供することである。また、本発明の他の目的は、当該水質浄化方法を好適に実現する水質浄化システムを提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の発明が上記目的に合致することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の水質浄化方法を提供する。
<1> 浄化対象の水域における水中懸濁物質を凝集させて水質を浄化させる方法であって、
凝集剤と混合するための混合用水を取水する工程(1)と、
前記混合用水に凝集剤を混合し凝集剤混合液とする工程(2)と、
浄化対象の水域に、前記凝集剤混合液を旋回流として送出する工程(3)と、
を有する水質浄化方法。
<2> 工程(1)において、前記混合用水を浄化対象の水域から取水する前記<1>に記載の水質浄化方法。
<3> 前記凝集剤が、アルミニウム塩系凝集剤、鉄塩系凝集剤およびカチオン系合成高分子凝集剤からなる群から選択される少なくとも1以上の凝集剤である前記<1>または<2>に記載の水質浄化方法。
<4> 工程(3)において、凝集剤混合液を断続的に浄化対象の水域に送出する前記<1>〜<3>のいずれかに記載の水質浄化方法。
<5> 浄化対象の水域に、前記凝集剤混合液と共に硫黄細菌を供給する工程(4)を有する前記<1>〜<4>のいずれかに記載の水質浄化方法。
<6> 硫黄細菌を、前記凝集剤混合液に添加して供給する前記<5>に記載の水質浄化方法。
<7> 硫黄細菌を、担持させた固定床型の微生物製剤を用いて供給する前記<5>または<6>に記載の水質浄化方法。
また、本発明は、以下の水質浄化システムを提供する。
<8> 浄化対象の水域における水中懸濁物質を凝集させて水質を浄化させる水質浄化システムであって、
浄化対象の水域から凝集剤と混合するための混合用水を取水する取水手段と、
前記混合用水と凝集剤を混合し凝集剤混合液とする凝集剤混合手段と、
前記凝集剤混合液を、ノズルを介して旋回流として送出する環流手段と、
を有する水質浄化システム。
<9> 前記取水手段における取水および前記環流手段における送出を行う水中ポンプを有する前記<8>に記載の水質浄化システム。
<10> 凝集剤混合手段が、水中の配設された凝集剤混合管である前記<8>または<9>に記載の水質浄化システム。
<11> さらに、浄化対象の水域に硫黄細菌を供給する硫黄細菌供給手段を有する前記<8>〜<10>のいずれかに記載の水質浄化システム。
本発明によれば、浄化対象の水域における水中懸濁物質を効率的に沈殿除去することができる水質浄化方法および水質浄化システムが提供される。
本発明の実施形態1に係る水質浄化システムを示す図である。 本発明の実施形態2に係る水質浄化システムを示す図である。 本発明の水質浄化システムにおける環流手段に用いられるノズルの構成を示す模式図である。 本発明の水質浄化システムにおける環流手段に用いられるノズルの構成を示す模式図である。 本発明の水質浄化システムにおける環流手段に用いられるノズルの構成を示す模式図である。 本発明の水質浄化システムにおける環流手段に用いられるノズルの構成を示す模式図である。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を変更しない限り、以下の内容に限定されない。
<1.水質浄化方法>
本発明の水質浄化方法は、浄化対象の水域における水中懸濁物質を凝集させて水質を浄化させる方法であって、凝集剤と混合するための混合用水を取水する工程(1)と、前記混合用水に凝集剤を混合し凝集剤混合液とする工程(2)と、浄化対象の水域に、前記凝集剤混合液を旋回流として送出する工程(3)と、を有する。
本発明の水質浄化方法の浄化対象となる水域は特に制限はないが、水の入れ替わりが生じにくく富栄養化等によりアオコ等の問題が発生しやすい、庭園池・堀・公園池・釣り堀・ゴルフ場池・工場の沈砂池のような湖沼等のいわゆる閉鎖水域が好適な対象である。本発明はこれらの懸濁物質を沈殿させ除去することで水域の透明度を上昇させ水質を向上させ、また悪臭を防止することができる。
以下、本発明の水質浄化方法の各工程についてより詳細に説明する。
「工程(1)」
工程(1)は、工程(2)において、凝集剤と混合するための混合用水を取水する工程である。
混合用水は、水道水等の外部から供給される水を使用してもよいが、浄化対象の水域から取水することが好ましい。このようにすることにより、水道等の外部配管を必要としないため、配管等の設置コストを低減させ、システムを小型化でき、環境負荷を低減させることができる。また、システムが小型であるため、景観を損ねることもない。
浄化対象の水域から取水する場合、水域からの取水用の配管と、取水するためのポンプのような取水手段により行うことができ、浄化対象の水域の大きさや環境要因、初期汚染度等を考慮して、適宜取水手段を選択すればよい。なお、混合用水を浄化対象の水域から取水する場合、取水した混合用水に含まれる水中懸濁物質の濃度が高すぎる場合には、工程(2)で凝集剤と混合したときに沈殿を生じるおそれがあるため、前段にフィルターを設けて水中懸濁物質の全部又は一部を除去してもよい。
「工程(2)」
工程(2)は、混合用水に凝集剤を混合し凝集剤混合液とする工程である。
凝集剤は、水中懸濁物質と混合されることで懸濁物質を凝集させ大きな塊(フロック)を形成する薬剤であり、本発明の浄化方法においては従来公知の凝集剤を対象となる水中懸濁物質の種類や濃度に応じて適宜選択して使用する。
凝集剤としては、カチオン性の凝集剤である、アルミニウム塩系凝集剤、鉄塩系凝集剤およびカチオン系合成高分子凝集剤からなる群から選択される1以上の凝集剤は、優れた凝集作用を有するため、好適に使用することができる。
アルミニウム塩系凝集剤のポリ塩化アルミニウムの場合、アルミニウムの陽イオンがフロック形成の主たる反応物質となる。同様に、硫酸アルミニウムの場合もアルミニウムの陽イオン、ポリ硫酸第二鉄の場合、鉄の陽イオン等がフロック形成の主たる反応物質となる。なお、一般的に、水域における水中の懸濁物質は、アニオン性の電荷を帯びていることが多いため、これらの懸濁物質の除去を行うためには、陽イオンを有する凝集剤やカチオン性の凝集剤を用いることが好ましい。
凝集剤混合液中の凝集剤の供給量や濃度は、懸濁物質の除去が行われる水域の汚染の程度や、その主たる懸濁物質の種類、懸濁物質を除去する速さや期間などに応じて適宜設定される。例えば、ポリ塩化アルミニウムの場合、凝集剤の供給量は、一日当たりに供給する凝集剤量(g)を対象となる水域の水量(t)にあわせて、0.001〜1.0g/t/day)となるように設定することが有効である。このポリ塩化アルミニウムの供給量は、0.001〜0.5g/t/dayであることがより好ましい。本発明によれば、ノズルを用いて水域全体に凝集剤を供給することができるため、このような比較的、低い濃度の供給量で水中懸濁物質を除去することができる。
混合用水と凝集剤との混合方法は、凝集剤が混合用水に均一に分散できればよく、凝集剤の種類や量、混合用水の量を考慮して適宜決定される。
例えば、凝集剤混合液槽に凝集剤を水等に溶解させた凝集剤溶液を貯留しておき、この凝集剤溶液を工程(1)で取水した水に混合するための凝集剤混合管を設けることで行うことができる。この混合するための凝集剤混合管は、凝集剤溶液の混合を任意で調節できるように開閉可能なものとしておくことが好ましい。なお、凝集剤混合管については、後述の<2.水質浄化システム>において説明する。
「工程(3)」
工程(3)は、浄化対象の水域に、工程(2)で形成される凝集剤混合液を旋回流として送出する工程である。
本発明の水質浄化方法は、工程(1)、(2)で製造した混合用水に凝集剤を混合した凝集剤混合液を、浄化対象の水域に旋回流として送出することに最大の特徴がある。なお、「旋回流」とは、送出される液体の流れ方向に対して、回転しながら流れる流れのことを意味する。
汚濁され透明度が低下した水域では、浮遊物質やコロイド物質といった懸濁物質が水中に分散している状態である。これらの懸濁物質は凝集剤と反応し、フロックを形成することで沈殿する。これにより、水中の懸濁物質は除去され、透明度が向上し、さらには、懸濁物質由来の悪臭等もなくなる。水中懸濁物質の除去においては、凝集剤混合液の凝集剤によって、水域の懸濁物質と反応し易くし大きな塊(フロック)として沈殿させることが重要となる。
本発明の浄化方法では、工程(3)において、凝集剤混合液を旋回流として送出することによって、水域全体に流れを作ることができ、流量をそれほど大きくしなくとも、遠方まで凝集剤混合液を供給することができる。その結果、浄化対象の水域における水面近傍のみならず、水中にも効率良く凝集剤が供給されるため、凝集剤が浄化対象の水域の水中懸濁物質と接触しやすくなり、効率よくフロックを形成し、沈殿しやすくなる。凝集した水中懸濁物質は、自重で沈降するため、回収工程を必要としない。そのため、本発明の水質浄化方法では、従来の浮上曝気法のように、大流量を実現するポンプや気泡供給装置を必要とせず、システムを小型化することが可能である。
工程(3)における旋回流の発生手段は特に制限はないが、凝集剤混合液を旋回流として噴出することができるノズルを使用することが好ましい。
ノズルを介して送出される凝集剤混合液を旋回流とするためには、例えば、ノズル直前の配管をらせん状の流れとなる管構造としておくことで旋回流とすることができる。このようなノズルの具体例は、<2.水質浄化システム>において後述する。
圧力を持った水を高速で噴出させるために用いる細い開口部を有するノズルを介することで、送出された凝集剤混合液が水中でも一定の凝集剤濃度を維持したまま強い流れのエネルギーを持ち、ノズルを介して送出された凝集剤混合液が接する水量ひいては水中懸濁物質の量も大きくなるため、凝集剤と反応する水中懸濁物質が増加して大きなフロックが生じやすくなる。また、強い流れとして供給することで、閉鎖水域においても緩やかな撹拌力を発揮し、撹拌により懸濁物質が含まれる水の偏りを減らし水域全体の懸濁物質を除去することができる。
工程(1)において、浄化対象の水域自体から取水し、前記取水した水を工程(3)によりその水域に戻す、いわゆる「環流」を行うと、他の水系から水を持ってくる必要がないため、比較的小型のシステムとできる。
さらに、このような構成であると、浄化対象の水域自体から取水された混合用水には水中懸濁物質が含まれるが、混合用水は工程(2)において凝集剤と接触する。そのため、水中懸濁物質と凝集剤との反応は、工程(3)で水域に送出された凝集剤混合液の凝集剤が、その水域の水中懸濁物質と反応するときのみならず、工程(2)で混合されたときにも起こるため、より効率的にフロックを形成することができる。例えば、工程(2)においては沈殿しない程度のフロック(未沈殿フロック)になるようにし、工程(3)において未沈殿フロックを含む凝集剤混合液を旋回流で浄化対象の水域に送出して、沈殿を生じる大きさのフロックを形成するようにしてもよい。
また、混合用水の水中懸濁物質が高濃度であっても、工程(2)においてフロックの沈殿が発生しないように、工程(2)における滞留時間を短くなるようにすることが好ましい。
浄化対象の水域における凝集剤混合液の送出は、目的とする水中懸濁物質がより多く存在する箇所に行えばよい。通常、ある程度の水深への凝集剤混合液の送出が行われるが、水面近傍に発生するアオコ等の浄化目的には、水面近傍に凝集剤混合液の送出を行ってもよい。
また、工程(3)において、凝集剤混合液を断続的に浄化対象の水域に送出することが好ましい。水中懸濁物質は、経時的にその量が変化するため、定期的に除去することが求められるが、水中懸濁物質は数時間から数日等の比較的長い時間をかけ徐々に増加することが多い。そこで、工程(3)において、凝集剤混合液を断続的に浄化対象の水域に送出することにより、水域に凝集剤等を断続的に提供することができ、徐々に増加する懸濁物質を定期的に除去できる。
また、断続的に運転することによって、ポンプ等の旋回流供給手段にかかる負荷を低減することができ、また、少ないエネルギーで装置を運転し続けることができる。
このような運転を行うときの条件は、断続的な送出であっても水域への旋回流が継続するような条件であることが好ましい。例えば、1時間運転したのち、1時間停止して、また1時間運転する等のように、0.1〜3時間程度のスパンで運転と停止とを繰り返すような断続的な運転とすることができる。
本発明の水質浄化方法において、さらに、浄化対象の水域に、前記凝集剤混合液と共に硫黄細菌を供給する工程(4)を有することが好ましい。
上述の通り、本発明の水質浄化方法における工程(1)〜(3)により、水中懸濁物質はフロックとなり沈殿する。この沈殿した懸濁物質は、悪臭や透明度に対して悪影響を与えにくく、かつ、自然にその水域に存在する微生物等により、適宜、代謝され無害化される。一方で、浄化対象の水域が、閉鎖水域で流れが少なく嫌気状態に近い場合には、自然に存在する微生物のみでは処理されにくい場合もある。
そこで、工程(4)により、自然界に最も不足しやすく、嫌気状態で有害物質を除去する際に重要な硫黄細菌を供給することで、沈殿したフロックの無害化が促進される。
硫黄細菌は、硫黄及び硫黄化合物を酸化または還元することによってエネルギーを得ている化学合成独立栄養細菌である。主に硫化水素を酸化して硫黄とし、更に硫酸にまで酸化することのできる細菌群の総称である。このような硫黄細菌の例として硫黄酸化細菌ともいわれ、色素の有無によって無色硫黄細菌及び有色硫黄細菌に大別される細菌群があげられる。
また、工程(4)において、硫黄細菌を凝集剤混合液に添加して供給することが好ましい。このように硫黄細菌を、凝集剤混合液に添加して供給すると、形成されるフロックに硫黄細菌を確実に供給することができるため、沈殿したフロックの無害化がより促進される。
また、硫黄細菌を担持させた固定床型の微生物製剤を用いて硫黄細菌を供給することも好ましい。硫黄細菌は、菌の大きさが小さく流れ去りやすいことや、増殖速度が比較的遅いが、固定床型の微生物製剤を使用することでこの問題が抑制できる。
具体的な微生物製剤としては、多孔質粒子を主とした担体に硫黄細菌を担持させたものを使用することができる。
多孔質粒子とは、粒子内に多くの細孔を有する粒子であり、例えばケイ酸塩鉱物などの鉱物資源が多孔質粒子として使用できる。また、好適な多孔質粒子としては、モンモリロナイトおよびゼオライト、カオリンなどの鉱物資源があげられる。また、粒子サイズは100μm以下程度の、比較的小さいものが好ましい。
硫黄細菌は、その大きさが0.5〜10μm程度の幅の糸状菌などが多く、粒子サイズが小さい多孔質粒子に選択的に担持され増殖しやすい。なお、このような小さい粒子サイズの多孔質粒子に硫黄細菌を担持させたものを、凝固させたブロック状にて供給することもできる。
また、小さい粒子サイズの多孔質粒子に硫黄細菌を担持させたものを、通水性を有する袋に封入した袋状硫黄細菌製剤として湖沼等の水域に設置することで硫黄細菌を供給することもできる。このような袋状硫黄細菌製剤の好適な市販品の一例として、アクアサービス株式会社製バイオ製剤「アクアリフト1600PNシリーズ」を挙げることができる。
また、アクアサービス株式会社製バイオ製剤「アクアリフト1600LNシリーズ」を併用することにより、より効果的に富栄養の原因物質(窒素系有害物)を分解し、底質の硫化物・有機物を分解して水底に微生物・原生動物等の水生生物の繁殖させることができ、食物連鎖に由来する浄化作用を促進することができる。
以上に説明したように、水質浄化方法は、水中懸濁物質を有効に沈殿除去することができ、水域の透明度向上や、悪臭防止等を行うことができ、省エネ・低コストで、湖沼、親水池、堀、溜め池、ゴルフ場池、公園池、庭園池などの透明度を向上させ底質も改善することができる。浄化水域の透明度等の水質管理を行うことで、例えば、月1回程度の定期メンテナンスでも十分に水域の清浄化を達成できる。
<2.水質浄化システム>
以下、本発明の水質浄化システムについて説明する。本発明の水質浄化システムは、上述した本発明の水質浄化方法を好適に実現できる一態様であり、本発明の水質浄化方法は、当該本発明の水質浄化システムの構成のみに限定されない。
本発明の水質浄化システムは、浄化対象の水域における水中懸濁物質を凝集させて水質を浄化させる水質浄化システムであって、浄化対象の水域から凝集剤と混合するための混合用水を取水する取水手段と、前記混合用水と凝集剤を混合し凝集剤混合液とする凝集剤混合手段と、前記凝集剤混合液を、ノズルを介して旋回流として送出する環流手段と、を有することを特徴とする。
なお、以下の水質浄化システムの説明において、<1.水質浄化方法>と重複する説明については省略する。
本発明の水質浄化システムは、上述した本発明の水質浄化方法における工程(1)〜(3)を行うことができるものであり、特に工程(1)において、浄化対象の水域自体から取水し、前記取水した水を、工程(2)により凝集剤混合液としたのちに、工程(3)によりその水域に戻す、いわゆる「環流」と、工程(3)における旋回流の発生手段としてノズルを使用することを必須とする構成の水質浄化システムである。このような構成であれば、システム全体を小型装置として設計しやすく、エネルギー消費量が少ないものとすることができ、比較的容易にメンテナンスすることができる。そして、湖沼等の懸濁物質を季節変動の影響を受けにくく、安定して除去することができる。
取水手段は、本発明の水質浄化方法における工程(1)に対応し、水域からの取水用の配管と、取水するための取水装置とから構成される。また、環流手段は、工程(3)に対応し、凝集剤混合液とノズルを介して旋回流で水域に供給する。ノズルを介することにより、目的とする水域により確実に凝集剤混合液を供給することができる。
取水手段や環流手段において、陸上に配置される通常のポンプも使用できるが、本発明の水質浄化システムの好適な態様では、取水手段における取水および環流手段における送出を行う水中ポンプを有する。
取水および送出を、水中ポンプで行うことで、陸上までの配管を設置する必要が無くなる。陸上までの長い配管は水流に配管ロスを生じさせることから、大型のポンプを設置しなければならず、管理コスト上昇の原因となることがある。
なお、本発明の水質浄化システムは水中ポンプを用いた設計とすることができるのは、<1.水質浄化方法>で上述した通り、凝集剤により凝集した懸濁物質を水域中に沈殿させ微生物により分解除去させることから、懸濁物質の濾過や回収工程を必要としないという特徴を有するため、この構成とすることができるものである。
凝集剤混合手段は、工程(2)に対応し、取水手段が、浄化対象の水域から取水した水(混合用水)と、凝集剤を混合し凝集剤混合液とできる構成であれば制限はない。例えば、公知の混合槽でもよく、凝集剤混合用の凝集剤混合管であってもよい。凝集剤混合管(以下、単に「混合管」と記載する。)は、混合用水と凝集剤の混合が十分に起こる限り特に制限はなく、供給される水量等の運転条件を考慮して、混合管の長さや太さが設計される。また、混合を促進するために、配管壁面を加工したり、充填材をいれてもよい。
取水手段や環流手段において使用されるポンプは、断続的に運転することが可能なポンプであると、負荷を低減することができ、また、少ないエネルギーで装置を運転し続けることができる。
また、取水手段における取水および環流手段における送出を行う水中ポンプを用いるとき、凝集剤混合手段を水中に設置することが好ましい。このような態様では、取水手段及び還元手段における水中ポンプ、凝集剤混合手段における混合管、環流手段におけるノズル等の構成が水中に設置されることとなる。
閉鎖水域はその水面が季節や天候の要因で変化することがあり、陸上までの配管を設置する場合、渇水状態の低い水面も想定した設計を行うための長い配管が必要となるが、本発明の水質浄化システムの構成要素をすべて水中に配置し、配管を短くすることができるので、小型でかつエネルギー消費量が少ない装置で達成することができる。
なお、水中ポンプ、混合管、ノズル等の取水手段、凝集剤混合手段、還元手段の一部を水中に設置するにあたっては、これらのうち水中に設置される構成を水中ケース内に収容し、保護することが好ましい。この水中ケースに適度な穴をあけたいわゆるパンチングメタルを用いることで、水域の枝や石等の塵芥による目詰まりなどを防止することができ、故障しにくい長期運転に適したものとすることができる。
本発明の装置には、硫黄細菌含有液を供給する硫黄細菌供給手段を設けておいてもよい。硫黄細菌供給手段は、<1.水質浄化方法>における工程(4)に対応する。
硫黄細菌供給手段としては、例えば、硫黄細菌を含有する液を含む硫黄細菌槽と、前記硫黄細菌槽の硫黄細菌を含有する液を送出する構成が挙げられる。硫黄細菌槽には、硫黄細菌が担持された担体と、硫黄細菌が増殖するような液体とを混合したものを加えることで、硫黄細菌量を維持した状態としておくことができる。また、硫黄細菌槽の硫黄細菌を含有する液を、水域に送出する手段を設けたものとすることで、硫黄細菌を安定的に供給することもできる。
なお、この硫黄細菌の送出は、凝集剤混合液に硫黄細菌を混合して行ってもよいし、硫黄細菌送出用の別系統の配管を設けて、凝集剤混合液とは独立して供給するものであってもよい。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明するが、これらは本発明の例示であり、下記以外の様々な構成を採用することもできる。
[実施形態1]
本発明の水質浄化システムの一例として実施形態1を図1に示す。実施形態1は、本発明の水質浄化システムにおける構成の大部分を陸上に設置した態様である。
実施形態1に係る水質浄化システム100は、浄化対象となる水域である湖沼から、取水する取水手段として、取水配管11と取水ポンプ12を有している。また、この取水ポンプ12から送出される送出水に、凝集剤を混合し凝集剤混合液とする凝集剤混合手段として、実施形態1では凝集剤の溶液を貯留する凝集剤溶液槽21と、凝集剤溶液槽21の液を送液するための送液ポンプ22と、送液ポンプ22により送液された凝集剤の溶液と、取水ポンプ12から送液された水とを混合する混合管23とを有している。また、混合管23には、凝集剤の混合量を調整するために調整弁24が設けられている。なお、通常取水ポンプ12の送液の方が送液ポンプ22の送液よりもより高い水圧で送液するため、この調整弁24は逆流防止弁が用いられている。混合管23で、取水配管11より取水した水(混合用水)に、凝集剤溶液槽21から供給された凝集剤が混合され、凝集剤混合液が形成される。
さらに、実施形態1では、凝集剤混合液をノズルを介して水域に送出する環流手段として、混合管23で、取水配管11を介して水域から取水した水に凝集剤が混合された凝集剤混合液が、送出配管32を通り、ノズル31を介して、湖沼に送出される。この湖沼に送出される送出液3Aは、旋回流として送出される。なお、旋回流を発生させるノズル31の構成については後述する。
このような構成を有する水質浄化システム100では、除去対象の水域から取水した水(混合用水)を、凝集剤混合液として旋回流として元の除去対象の水域することができるので、送出液3Aに含まれる凝集剤が湖沼の広い範囲に供給され、かつ、旋回流での供給により、凝集剤が水中懸濁物質と接触しやすくなるため、フロックが大きく成長して沈殿しやすいものとなる。また、湖沼全体に懸濁物質を沈殿させることから、凝集したフロックの回収等の作業を行う必要性が低く、水域を清浄にたもったまま維持管理しやすい。
さらに、実施形態1の水質浄化システム100では、湖沼に硫黄細菌を供給するための硫黄細菌供給手段を有している。実施形態1では硫黄細菌供給手段として、硫黄細菌を培養した硫黄細菌含有液を硫黄細菌槽41と、この硫黄細菌槽41の硫黄細菌含有液を湖沼に送液するための送液ポンプ42と、その送液ポンプ42から湖沼に送液する配管上に設けられた調整弁43を有する構成としている。この硫黄細菌供給手段を用いて、硫黄細菌を供給することで、効率よく沈殿したフロックを分解することができるため、湖沼の水質改善効果が向上する。
[実施形態2]
本発明の水中懸濁物質の除去装置の一例として実施形態2を図2に示す。実施形態2は、取水手段および環流手段に係る構成を水中に設置した水中ポンプを用いて行うものである。
水質浄化システム200は、浄化対象である水域である湖沼から、取水する取水手段として、取水配管11Aと取水ポンプ12を有している。この取水ポンプ12は、図2に示すように水中に設置されたものであり、水中ケースに収容されている。このようにすることで、取水配管11Aは極めて短いものとすることができる。
また、実施形態2では取水ポンプ12から送出される水に、凝集剤を混合し凝集剤混合液とする凝集剤混合手段として、凝集剤の溶液を貯留する凝集剤溶液槽21と、凝集剤溶液槽21の液を送液するための送液ポンプ22と、送液ポンプ22により送液された凝集剤の溶液と取水ポンプ12から送液された水(混合用水)とを混合する混合管26を有している。混合管26は、水中に設置された取水ポンプ12からの送出配管に取り付けられ水中に設置されており、凝集剤溶液槽21から送液ポンプ22により凝集剤の溶液が供給される。混合管26は他の配管より径が大きく設計されており、混合管26の内部で混合用水と凝集剤とを十分に混合させることができる。なお、混合管26の内部での凝集剤混合液の滞留時間は、混合用水と凝集剤の混合が十分にできる範囲で短い方が好ましい。滞留時間を短くすることにより、混合管26内で混合用水に含まれる水中懸濁物質と凝集剤の反応が進行して沈殿を生じることを抑制することができる。
また、この実施形態においては凝集剤溶液槽21中の凝集剤溶液の均質性を維持するために凝集剤溶液槽内の液を撹拌する撹拌ポンプ25を有した構成である。また、凝集剤の混合量を調整するために調整弁24が設けられている。調整弁24は、実施形態1でも述べたように逆流防止弁を用いてもよい。
また、取水ポンプの運転は断続的なものとしても良い。フロックの沈殿や分解、懸濁物質の流入といった水域の浄化に関して生じる現象は、数日〜数週間程度の長時間をかけて生じるため、取水ポンプの運転が断続的なものであっても十分な効果を得ることができ、断続的な運転とすることで消費電力を抑えることができる。
さらに、凝集剤混合液をノズルを介して水域に送出する環流手段に関して、実施形態2では、混合管26で、取水配管11Aを介して水域から取水した水に凝集剤が混合された凝集剤混合液は、ノズル31を介して、湖沼に旋回流として送出される。
このような構成を有する水質浄化システム200では、除去対象の水域から取水した水(混合用水)を、凝集剤混合液として旋回流として元の除去対象の水域することができるので、送出液3Aに含まれる凝集剤が湖沼の広い範囲に供給され、かつ、旋回流での供給により、凝集剤が水中懸濁物質と接触しやすくなるため、フロックが大きく成長して沈殿しやすいものとなる。また、湖沼全体に懸濁物質を沈殿させることから、凝集したフロックの回収等の作業を行う必要性が低く、水域を清浄にたもったまま維持管理しやすい。
実施形態2では、水中に設置される取水ポンプ12や、混合管26、ノズル31等を保護するために水中ケース60を設けている。一方、凝集剤溶液は、水中ポンプよりも頻繁に液量の管理供給を行うために、陸上に設置しておいた方が管理しやすく、この陸上におかれる凝集剤溶液槽21や、送液ポンプ22等は、陸上ケース50により、保護されている。
また、実施形態2では、湖沼におけるフロック分解効率を向上させるための硫黄細菌を供給する工程として、硫黄細菌を担持させた固定庄型の微生物製剤である袋状硫黄細菌製剤44を湖沼に設置した態様を示す。この袋状硫黄細菌製剤44に担持され、ここから供給される硫黄細菌によって、フロックがより効率よく分解される。
以下、実施形態2の環流手段として用いられるノズル31Aの一例を図3〜5に示す。 ノズル31Aは、その内部で本発明の水質浄化方法における工程(2)における混合用水と凝集剤の混合を行うと共に、工程(3)における旋回流の発生を行うことができる。 すなわち、ノズル31Aは、特に上記実施形態2のように混合用水と凝集剤とが混合された後、直ちに旋回流として水域に送出されるような構成に特に好適である。
ノズル31Aは、そのケース等を併せた全体構造として、例えば、高さ(図3中H)110mm、幅(図3中W)80mm、奥行き(図中3中D)85mmの大きさとすることができ、この大きさは適宜、使用環境の水域の水量や、設置場所等に応じて変更することができる。
図3のノズル31Aにおいて、取水ポンプ等を介して送出された水域から取水した水はノズル31Aの下部から取水された水の流れ方向11fからノズル31A内に流入する。また、凝集剤の溶液は、ノズル31Aの背面方向から凝集剤溶液の流れ方向21fからノズル31A内に流入する。そして、この図3においては、ノズル31A内で、ノズル円筒の外周に沿って旋回している取水された水と、流れ方向21fから直進してきた凝集剤溶液とが混合され混合液となる(ノズル31Aが混合管26としても機能している)。そして、この混合液がノズル31Aの送出口33を通じて旋回流として水域に環流される。この旋回流として送出された混合液は、強い流れ方向を有して水域に供給される。
図6は、旋回流を作るためのノズル形状の一例である。図6は、略円筒状のノズルであり、そのノズル円筒の断面と、水の流れを模式的に表すものである。図6において、円筒状のノズルに、その円筒の外周に沿うように水を流入させる配管を設けることで、筒の外周沿いに流入する水が、円筒内でらせん状に回転し、送出口33から送出されるとき、旋回流として送出される。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
例えば、実施形態1,2における水質浄化システムでは、取水手段、凝集剤混合手段及び環流手段が一系統の実施形態を示したが、浄化対象の水域の大きさや汚染度に応じて、複数系統であってもよい。また、水質浄化システムは、基本構成を共通にし、環流手段におけるノズルのみを複数系統設けてもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を変更しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
実施形態2に準じる構成の水質浄化システムを使用し、実際の水域(水量約5000tの庭園池)に対して、水質浄化試験を行った。
以下の実施例に用いた水質浄化システムの仕様(水中ケース及び陸上ケース内の構成)は次のものである。
[水中部分]
取水ポンプやノズル等を内蔵する水中ケースと、そのポンプ等の仕様は次の通りである。
水中ケース:高さ約24cm×幅約37cm×奥行約58cm(重量:約11kg)
水中ポンプ:100V、150W
ノズル:図6に示すような円筒状のノズルを用いて旋回流を発生させるノズルを用い た。ノズルの円筒は直径75mm、長さ75mmである。また、ノズルへ流 入する取水した水の流量は、10L/minとした。
[陸上部分]
凝集剤の溶液を混合部・ノズルに送出するための構造と、ポンプの制御部等を内蔵する陸上部分の構成は次の通りである。
陸上ケース大きさ:高さ約86cm×幅約58cm×奥行約55cm
(重量:約20kg)
主電源:100V、撹拌ポンプ:15W
[実施例1]
浄化対象の水域:水量約5000tの庭園池
[試験前の水域の状態]
全体的に白っぽく濁っており、夏場はアオミドロが大量発生し舟を出して回収作業を何度も行わなければいけなかった。
[運転時の条件]
実施形態2に示す構成とした水質浄化システムを用いて、庭園池から取水した混合用水と、ポリ塩化アルミニウムとを混合し得られた凝集剤混合液を旋回流で、ポリ塩化アルミニウム重量基準で平均0.02g/t/dayとなるように供給した。また、硫黄細菌が優占的に担持された袋状硫黄細菌製剤2袋(1袋あたりの内容物量:1kg)を、池に均等に配置した。
[運転後の経過]
4月に運転開始した。凝集剤混合液を旋回流で庭園池に供給するとフロックが形成され沈殿することに起因して水の透明性が向上することが確認された。運転開始後、1週間程度で浄化対象の庭園池白っぽい濁りがなくなった。また、夏場にはアオミドロの発生も抑制し、アオミドロの回収作業は1度も行う必要はなかった。以後、1年を通してほぼ透視度1m以上を維持した。
[実施例2]
浄化対象の水域:水量約1500tの神社池
[試験前の状態]
シルト濁りで透明度が悪く、浚渫工事なども行っていたが改善しない状況の池であった。
[運転時の条件]
実施形態2に示す構成とした水質浄化システムを用いて、神社池から取水した混合用水と、ポリ塩化アルミニウムとを混合し得られた凝集剤混合液を旋回流で、ポリ塩化アルミニウム重量基準で平均0.1g/t/dayとなるように供給した。また、硫黄細菌が優占的に担持された袋状硫黄細菌製剤1袋(1袋あたりの内容物量:1kg)を、池の中央付近に配置した。
[運転後の経過]
11月に運転開始した。凝集剤混合液を旋回流で神社池に供給するとフロックが形成され沈殿することに起因して水の透明性が向上することが確認された。運転開始後、約1週間で透視度を当初の15cmから1m以上まで改善した。
以上の試験により、凝集剤を水と混合させて得られる凝集剤混合液を旋回流で浄化対象の水域に送出することのより、水中懸濁物質を有効に沈殿させることができ、水質を浄化できることが確認された。
本発明の水質浄化方法や水質浄化システムによれば、省エネ・低コストで、湖沼、親水池、堀、溜め池、ゴルフ場池、公園池、庭園池などの透明度を向上させ底質も改善することができる。
100、200 水質浄化システム
11 取水配管
11f 取水した水の流れ方向
12 取水ポンプ
21 凝集剤溶液槽
21f 凝集剤溶液の流れ方向
22 送液ポンプ
23,26 混合管
24 調整弁
25 撹拌ポンプ
31 ノズル
31A 旋回流型ノズル
32 送出配管
33 送出口
3A 送出液
41 硫黄細菌槽
42 送液ポンプ
43 調整弁
44 袋状硫黄細菌製剤
50 陸上ケース
60 水中ケース

Claims (11)

  1. 浄化対象の水域における水中懸濁物質を凝集沈殿させて水質を浄化させる方法であって、
    凝集剤と混合するための混合用水を取水ポンプにより取水する工程(1)と、
    前記取水ポンプにより送出する前記混合用水に凝集剤を混合し凝集剤混合液とする工程(2)と、
    浄化対象の水域に、前記凝集剤混合液を前記取水ポンプからの送出により旋回流として送出する工程(3)と、
    を有することを特徴とする水質浄化方法。
  2. 工程(1)において、前記混合用水を浄化対象の水域から取水する請求項1に記載の水質浄化方法。
  3. 前記凝集剤が、アルミニウム塩系凝集剤、鉄塩系凝集剤およびカチオン系合成高分子凝集剤からなる群から選択される少なくとも1以上の凝集剤である請求項1または2に記載の水質浄化方法。
  4. 工程(3)において、凝集剤混合液を断続的に浄化対象の水域に送出する請求項1〜3のいずれかに記載の水質浄化方法。
  5. 浄化対象の水域に、前記凝集剤混合液と共に硫黄細菌を供給する工程(4)を有する請求項1〜4のいずれかに記載の水質浄化方法。
  6. 硫黄細菌を、前記凝集剤混合液に添加して供給する請求項5に記載の水質浄化方法。
  7. 硫黄細菌を、担持させた固定床型の微生物製剤を用いて供給する請求項5または6に記載の水質浄化方法。
  8. 浄化対象の水域における水中懸濁物質を凝集させて水質を浄化させる水質浄化システムであって、
    浄化対象の水域から凝集剤と混合するための混合用水を取水ポンプにより取水する取水手段と、
    前記取水ポンプにより送出する前記混合用水と凝集剤を混合し凝集剤混合液を生成する凝集剤混合手段と、
    前記凝集剤混合液を、前記取水ポンプからの送出によりノズルを介して旋回流として前記水域に送出する環流手段と、
    を有することを特徴とする水質浄化システム。
  9. 前記取水手段における取水および前記環流手段における送出を行う水中ポンプを有する請求項8に記載の水質浄化システム。
  10. 凝集剤混合手段が、水中の配設された凝集剤混合管である請求項8または9に記載の水質浄化システム。
  11. さらに、浄化対象の水域に硫黄細菌を供給する硫黄細菌供給手段を有する請求項8〜10のいずれかに記載の水質浄化システム。
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