JP6866230B2 - ニッケル水素蓄電池 - Google Patents

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Description

本発明は、ニッケル水素蓄電池に関する。
一般に、ポータブル機器や携帯機器などの電源として、また電気自動車やハイブリッド自動車用の電源として、エネルギー密度が高く信頼性に優れた蓄電池であるニッケル水素蓄電池が広く用いられている。ニッケル水素蓄電池は、水酸化ニッケルを主成分とした正極と、水素吸蔵合金を主成分とした負極と、アルカリ電解液とから構成されている。
ニッケル水素蓄電池が充電及び放電されると、水素吸蔵合金は、水素を吸蔵及び放出する。水素の吸蔵及び放出が繰り返されると、水素吸蔵合金は膨張及び収縮することによって微粉化する。微粉化された水素吸蔵合金は、その表面積の増大に応じて、アルカリ電解液による腐食が促進されて寿命が低下する。そこで従来から、水素吸蔵合金の微粉化を生じ難くすることにより、アルカリ電解液に対する水素吸蔵合金の耐腐食性を向上させる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−156382号公報
一方、水素吸蔵合金が微粉化すると、水素吸蔵合金の表面積が増大することによって、水素吸蔵合金に含まれる導電性の高い金属(例えばニッケル)の露出面積も増大し、露出した金属が反応の触媒として作用する。このように導電性が高い金属が多く露出されると、負極の内部抵抗が低下するため、ニッケル水素蓄電池の電力の出力特性が高められる。
このように、従来では、水素吸蔵合金の微粉化による出力特性の向上と耐腐食性の向上とは、トレードオフの関係にあり、それらの両方を成立させることは困難であった。
本発明は、上記実情を鑑みてなされたものであり、その目的は、出力特性の向上及び耐腐食性の向上の両立を図ることができるニッケル水素蓄電池を提供することにある。
上記課題を解決するニッケル水素蓄電池は、正極と、水素吸蔵合金を含む負極とを備えたニッケル水素蓄電池において、前記負極の容量には、前記正極の容量に対して過剰となる容量である放電リザーブが設けられ、前記負極に含まれる水素吸蔵合金は、第1の水素吸蔵合金と、当該第1の水素吸蔵合金よりも高い水素平衡解離圧を有する第2の水素吸蔵合金とを備え、水素吸蔵合金に含まれる元素のうち水素との親和力が高い元素をA元素、水素との親和力が低い元素をB元素とし、A元素の物質量に対するB元素の物質量の比率をAB比とするとき、前記第1の水素吸蔵合金のAB比は前記第2の水素吸蔵合金のAB比よりも小さく、前記水素吸蔵合金全体に対する前記第1の水素吸蔵合金の割合は、前記負極全体の容量に対する前記放電リザーブの割合と、前記正極の充電率における0%以上の下限値に対応する前記負極の容量の前記負極全体の容量に対する割合とを加算した割合未満である。
A元素の物質量に対するB元素の物質量の比率であるAB比が小さければ、水素吸蔵合金の微粉化の生じやすさである微粉化性が高い。上記構成によれば、負極は、水素平衡解離圧が低く微粉化性が高い第1の水素吸蔵合金と、水素平衡解離圧が高く微粉化性が低い第2の水素吸蔵合金とを備える。第2の水素吸蔵合金は、第1の水素吸蔵合金よりも水素平衡解離圧が高いために、水素化反応及び脱水素化反応が開始される電位が、満充電状態のときの負極電位側となる。そのため、負極の充電率で0%から100%まで充電されるときには、第1の水素吸蔵合金の充電反応が開始され進行した後に、第2の水素吸蔵合金の充電反応が開始される。また、負極の充電率で100%から0%まで放電されるときには、第2の水素吸蔵合金の放電反応が開始され進行した後に、第1の水素吸蔵合金の放電反応が開始される。また、第1の水素吸蔵合金の割合は上記した割合とされるので、ニッケル水素蓄電池が正極の充電率で下限値以上の範囲で制御されれば、第1の水素吸蔵合金を充電反応及び放電反応に直接的に関与しない。これにより、微粉化性の低い第2の水素吸蔵合金のみを直接的に充電反応及び放電反応に関与させることができる。そして、微粉化性の高い第1の水素吸蔵合金を、充電率の下限値以上の範囲において充電反応及び放電反応に直接的に関与させないことで第1の水素吸蔵合金の微粉化を抑制できる。その結果、水素吸蔵合金全体の腐食を抑制することができる。また、製造工程等において、充電及び第1の水素吸蔵合金を微粉化することが可能な充電率までの放電のサイクルを複数回行うこと等によって第1の水素吸蔵合金を予め微粉化しておけば、ニッケル水素蓄電池が電源として使用される際には、負極における導電性の高い金属の露出面積が増大した状態とされており、充電反応及び放電反応が繰り返される間もその状態が維持されることとなる。そのため、水素吸蔵合金の腐食を抑制しつつ、電池の出力特性を向上することができる。従って、出力特性の向上及び耐腐食性の向上の両立を図ることができる。
上記ニッケル水素蓄電池について、前記第1の水素吸蔵合金及び前記第2の水素吸蔵合金は、AB型の水素吸蔵合金であって、前記第2の水素吸蔵合金のAB比は、前記第1の水素吸蔵合金のAB比よりも0.1以上大きいことが好ましい。
AB比が小さい水素吸蔵合金は、微粉化性が高く、且つ水素平衡解離圧が低い。上記構成によれば、第1の水素吸蔵合金及び第2の水素吸蔵合金がAB型の水素吸蔵合金である場合、第2の水素吸蔵合金のAB比は、第1の水素吸蔵合金のAB比よりも大きいため、水素平衡解離圧にもAB比の差に応じた差分が生じる。こうした水素平衡解離圧の差分は、換言すれば、充電及び放電が開始されるときの第1の水素吸蔵合金の電位と第2の水素吸蔵合金の電位との間に生じる電位差に相当する。また、上記のAB比の差分を0.1以上にすることによって、ニッケル水素蓄電池の制御範囲に基づき決定される正極の充電率の下限値以上の範囲で制御されれば、充電の途中で第1の水素吸蔵合金の水素化が開始されたり、放電の途中で第1の水素吸蔵合金の脱水素化が開始されたりすることを抑制することができる。
上記ニッケル水素蓄電池について、前記第1の水素吸蔵合金及び前記第2の水素吸蔵合金は、AB型の水素吸蔵合金であって、A元素の主元素がLa、B元素の主元素がNiであり、「X」を正極理論容量、「Y」を負極理論容量、「R」をAB比とするとき、「6.9≦(Y/X)・R≦7.1」を満たすことが好ましい。
ニッケル水素蓄電池の負極容量は正極容量よりも大きい正極規制とされている。すなわち、負極理論容量は正極理論容量よりも大きくする必要があるため、正極合材の正極活物質の含有量に比べ、負極合剤の負極活物質の含有量が必然的に大きくなる。上記構成によれば、正極理論容量に対する負極理論容量の比(Y/X)と、AB比との乗算値が、6.9以上7.1以下を満たすとき、内部抵抗を低下する効果を良好に保持しつつ、正極理論容量に対する負極理論容量の比を小さくすることができる。このため、負極活物質の含有量を少なくすることができる。
上記ニッケル水素蓄電池について、前記第2の水素吸蔵合金のコバルトの含有量は、前記第1の水素吸蔵合金のコバルトの含有量よりも大きいことが好ましい。
水素吸蔵合金にコバルトを混合することにより、水素吸蔵合金の水素化による格子膨張を抑え、微粉化を抑制することができる。上記構成によれば、第2の水素吸蔵合金のコバルト含有量が第1の水素吸蔵合金よりも大きいため、第2の水素吸蔵合金の微粉化を抑制することができる。
上記ニッケル水素蓄電池について、前記水素吸蔵合金全体に対する前記第1の水素吸蔵合金の割合は、前記負極の容量に対する前記放電リザーブの割合以上であることが好ましい。
上記構成によれば、第1の水素吸蔵合金の割合は、放電リザーブの割合以上であるため、第1の水素吸蔵合金の割合が放電リザーブの割合未満であるニッケル水素蓄電池に比べ、導電性の高い金属の露出面積が増大されることによって出力特性の向上を図ることができる。
上記ニッケル水素蓄電池について、前記水素吸蔵合金全体に対する前記第1の水素吸蔵合金の割合は、前記負極の容量に対する前記放電リザーブの容量の割合未満であることが好ましい。
ニッケル水素蓄電池は、使用に伴い、正極の容量と負極の容量とのバランスが崩れ、放電リザーブが低減することがある。上記構成によれば、第1の水素吸蔵合金の割合が、放電リザーブの割合未満であるため、放電リザーブが低減した場合でも、第1の水素吸蔵合金の充電反応及び放電反応への関与が防がれるか、又は第1の水素吸蔵合金のうち充電反応及び放電反応へ関与する部分を少なくすることができる。そのため、第1の水素吸蔵合金の微粉化を抑制することによって、耐腐食性を向上させることができる。
上記ニッケル水素蓄電池について、前記下限値は、当該ニッケル水素蓄電池が電源として使用される際の前記正極の充電率の下限値であることが好ましい。
上記構成によれば、第1の水素吸蔵合金の割合は、負極の容量のうち、放電リザーブの割合と、ニッケル水素蓄電池が電源として使用されるときの下限値の容量とを加算した割合未満に相当する。このため、第1の水素吸蔵合金の割合を、充電反応及び放電反応に直接的に関与しないような割合にすることができる。
上記ニッケル水素蓄電池について、前記下限値は40%であることが好ましい。
たとえば、ハイブリッド自動車などでは、ニッケル水素蓄電池は、充電率40%以上で制御されることが多い。上記構成によれば、第1の水素吸蔵合金の割合は、負極の容量に対する放電リザーブの割合と、負極の容量に対する充電率0%以上40%未満の容量の割合とを加算した割合未満である。そのため、たとえばニッケル水素蓄電池がハイブリッド自動車用の電源として使用されるときにも、第1の水素吸蔵合金の割合を、充電反応及び放電反応に直接的に関与しないような割合にすることができる。
上記ニッケル水素蓄電池について、前記第2の水素吸蔵合金及び前記第1の水素吸蔵合金の45℃における水素平衡解離圧の差は、0.01MPa以上であることが好ましい。
上記構成によれば、充電が開始されるときの第1の水素吸蔵合金の電位と、第2の水素吸蔵合金の電位との間に適切な電位差が生じる。また、放電が開始されるときの第1の水素吸蔵合金の電位と、第2の水素吸蔵合金の電位との間に適切な電位差が生じる。そのため、蓄電池が正極の充電率で下限値以上の範囲で制御されれば、第1の水素吸蔵合金を充電反応及び放電反応に直接的に関与しないようにさせることができる。
上記ニッケル水素蓄電池について、前記正極及び前記負極は、樹脂からなるケースに収容されることが好ましい。
上記構成によれば、水素平衡解離圧が低い第1の水素吸蔵合金と、水素平衡解離圧が高い第2の水素吸蔵合金とを備える負極が、樹脂からなるケースに収容される。すなわち、第1の水素吸蔵合金からは水素が放出されにくいため、負極に備えられる水素吸蔵合金の全てが第2の水素吸蔵合金である電池に比べ、樹脂を透過して外部に放出される水素の量を低減することができる。
上記ニッケル水素蓄電池について、前記第1の水素吸蔵合金は、AB型の水素吸蔵合金であって、前記第1の水素吸蔵合金のa軸長と前記水素吸蔵合金全体に対する前記第1の水素吸蔵合金の割合との積、及び、前記第1の水素吸蔵合金のb軸長と前記水素吸蔵合金全体に対する前記第1の水素吸蔵合金の割合との積の少なくとも一方が0.7以上、かつ、1.4以下である。
第1の水素吸蔵合金のa軸長と水素吸蔵合金全体に対する第1の水素吸蔵合金の割合との積、及び、第1の水素吸蔵合金のb軸長と水素吸蔵合金全体に対する第1の水素吸蔵合金の割合との積の少なくとも一方が0.7以上、かつ、1.4以下であれば、出力特性の向上と耐腐食性の向上との両立が図られる。よって、上記構成によれば、負極は、水素平衡解離圧が低く微粉化性が高い第1の水素吸蔵合金と、水素平衡解離圧が高く微粉化性が低い第2の水素吸蔵合金とを備える。第2の水素吸蔵合金は、第1の水素吸蔵合金よりも水素平衡解離圧が高いために、水素化反応及び脱水素化反応が開始される電位が、満充電状態のときの負極電位側となる。そのため、負極の充電率で0%から100%まで充電されるときには、第1の水素吸蔵合金の充電反応が開始され進行した後に、第2の水素吸蔵合金の充電反応が開始される。また、負極の充電率で100%から0%まで放電されるときには、第2の水素吸蔵合金の放電反応が開始され進行した後に、第1の水素吸蔵合金の放電反応が開始される。また、第1の水素吸蔵合金の割合は上記した割合とされるので、ニッケル水素蓄電池が正極の充電率で下限値以上の範囲で制御されれば、第1の水素吸蔵合金が充電反応及び放電反応に直接的に関与しない。これにより、微粉化性の低い第2の水素吸蔵合金のみを直接的に充電反応及び放電反応に関与させることができる。そして、微粉化性の高い第1の水素吸蔵合金を、充電率の下限値以上の範囲において充電反応及び放電反応に直接的に関与させないことで第1の水素吸蔵合金の微粉化を抑制できる。その結果、水素吸蔵合金全体の腐食を抑制することができる。また、製造工程等において、充電及び第1の水素吸蔵合金を微粉化することが可能な充電率までの放電のサイクルを複数回行うこと等によって第1の水素吸蔵合金を予め微粉化しておけば、ニッケル水素蓄電池が電源として使用される際には、負極における導電性の高い金属の露出面積が増大した状態とされており、充電反応及び放電反応が繰り返される間もその状態が維持されることとなる。そのため、水素吸蔵合金の腐食を抑制しつつ、電池の出力特性を向上することができる。従って、出力特性の向上及び耐腐食性の向上の両立を図ることができる。
本発明によれば、ニッケル水素蓄電池の出力特性の向上及び耐腐食性の向上の両立を図ることができる。
ニッケル水素蓄電池の一実施形態について、その構成の概略を示すブロック図。 同実施形態のニッケル水素蓄電池を構成する極板群の端面を示す端面図。 ニッケル水素蓄電池の正極容量と負極容量のバランスを示す概念図。 第1の水素吸蔵合金の磁化率と、第2の水素吸蔵合金の磁化率とを示すグラフ。 第1の水素吸蔵合金、第2の水素吸蔵合金、及びそれらの混合物のPCT(Pressure-Composition-Temperature)線を示すグラフ。 同実施形態における負極容量に対する第1の水素吸蔵合金の容量を示す概念図であって、(a)は第1の水素吸蔵合金の容量が放電リザーブ以上である状態を示す図、(b)は第1の水素吸蔵合金の容量が放電リザーブ未満である状態を示す図。 第1の水素吸蔵合金及び第2の水素吸蔵合金からなる負極の充電特性及び放電特性と、第2の水素吸蔵合金からなる負極の充電特性及び放電特性とを示すグラフ。 実施例及び比較例の評価結果を示す表。 実施例及び比較例の内部抵抗及び内圧の測定結果を示すグラフ。
以下、ニッケル水素蓄電池について、その一実施形態を説明する。
まず図1を参照して、ハイブリッド自動車に搭載された蓄電池10について説明する。本実施形態では、蓄電池10は、電動機の動力源として、電動機に電気的に接続される。また、蓄電池10は、発電機にも電気的に接続され、発電機の駆動によって生じた電力によって充電される。また、蓄電池10が搭載されたハイブリッド自動車が、外部電源から伝送される電力によって蓄電池10を充電させることが可能なプラグインハイブリッド自動車である場合には、蓄電池10は、外部電源に接続される車載充電器に接続されている。
蓄電池10は、複数の電池モジュール11が電気的に直列又は並列に接続された組電池である。電池モジュール11は、複数の単電池100を備えている。単電池100は、水素吸蔵合金を含む負極と、水酸化ニッケルを含む正極とを備えたニッケル水素蓄電池である。
電池モジュール11は、樹脂製のケース110を備え、このケース110内には、6つの電槽が設けられている。各電槽は、単電池100である第1セル101〜第6セル106に対応する。電池モジュール11は、第1セル101〜第6セル106を電気的に直列接続させてなる正極端子12と負極端子13とを充電及び放電に用いる入出力端子として備える。正極端子12及び負極端子13には、正側配線PL及び負側配線NLを介して、図示しない電動機が接続されている。
正極端子12と負極端子13との間には、端子間電圧を測定する電圧計40が電気的に接続されている。また、電池モジュール11には、負側配線NLを介して入出力電流を測定する電流計41が電気的に直列接続されている。電圧計40は測定した端子間電圧に応じた信号を、電流計41は測定した電流に応じた信号をそれぞれ電池制御装置50に出力する。
なお、図1では、電圧計40は、電池モジュール11に対して1つずつ接続しているが、複数の電池モジュール11に対して1つの電圧計40を接続し、電圧計40が測定した電圧から、電池モジュール11毎の電圧を求めてもよい。また、電流計41も、複数の電池モジュール11に対して接続され、電流計41が測定した電流から、電池モジュール11毎の電流として求めてもよい。
電池制御装置50は、演算部や記憶部を有するコンピュータを含み構成されており、記憶部等に記憶されたプログラムの演算部での演算処理を通じて各種処理を行う。電池制御装置50は、SOC算出部51を備えている。SOC算出部51は、電圧計40から入力した信号に基づく電圧、及び電流計41から入力した信号に基づく電流を用いて、蓄電池10の充電率である充電状態(State Of Charge、以下SOCという)を算出する。
蓄電池10は、ハイブリッド自動車での制御範囲として定められたSOC制御範囲内で、その充電及び放電が制御される。電池制御装置50は、電動機を制御する電動機制御装置(図示略)に、SOC算出部51が算出したSOCに応じた信号を出力する。電動機制御装置は、電池制御装置50から入力した信号に基づき、蓄電池10の充電及び放電を制御する。例えば、エンジンの動力により発電する発電機を搭載したハイブリッド自動車では、蓄電池10のSOCが、SOC制御範囲の下限を下回らないようにエンジンが駆動され、蓄電池10のSOCがSOC制御範囲の上限を超えないように電動機が駆動される。
図2に示すように、単電池100は、極板群120、電解液(図示略)、正極側の集電板113及び負極側の集電板114を備えている。極板群120は、板状の正極板111及び負極板112がセパレータ115を介して積層されたものである。正極板111の端部は、溶接などの接合方法によって正極側の集電板113に接合されている。負極板112の端部は、溶接等の接合方法によって、負極側の集電板114に接合されている。
正極板111は、三次元多孔体からなる基材と、基材に担持された正極合材を有している。基材は、発泡金属からなることが好ましい。発泡金属としては、たとえば発泡ニッケルを用いることができる。この基材は、正極合材を担持する担体の機能と、集電体の機能とを有する。正極合材は、水酸化ニッケルを主成分とする正極活物質、導電剤等を有する。
負極板112は、芯材と、芯材に担持された負極合材を備えている。負極合材は、水素吸蔵合金を含んでいる。水素吸蔵合金は、使用温度及び使用圧力下において、水素を可逆的に吸蔵・放出する合金又は金属間化合物を指す。水素吸蔵合金の種類は特に限定されないが、例えば、希土類の混合物であるミッシュメタル、カルシウム(Ca)と他の遷移金属を主成分とするカルシウム系水素吸蔵合金、ランタン(La)、セリウム(Ce)などの希土類と他の遷移金属を主成分とする希土類水素吸蔵合金、マグネシウムを主成分とするマグネシウム系水素吸蔵合金、チタンと他の遷移金属を主成分とするチタン系水素吸蔵合金、ジルコニウムと他の遷移金属を主成分とするジルコニウム系水素吸蔵合金、ラーベス相構造をもつラーベス相水素吸蔵合金などを用いることができる。また、水素吸蔵合金は、水素との親和力が強い元素を「A」、弱い元素を「B」とするとき、その組成が、AB型となるAB型水素吸蔵合金、AB型となるAB型水素吸蔵合金、AB型となるAB型水素吸蔵合金や、ほかの型の水素吸蔵合金であってもよい。
負極合材に含まれる水素吸蔵合金は、当該水素吸蔵合金を構成する金属のなかでも特に導電性が高い金属を含んでいることが好ましい。このように特に導電性が高い金属(高導電性金属)としては、ニッケル(Ni)が挙げられる。この水素吸蔵合金は、たとえば、MmNixMy(x、yは実数、Mmはミッシュメタル)であらわされる。
負極合材は、水素吸蔵合金のほか、カルボキシメチルセルロース等の増粘材、スチレン‐ブタジエン共重合体等の結着材を含んでいる。負極板112は、これらを混合し、ペースト状に加工したものを、パンチングメタル等の芯材に充填した後、乾燥、圧延、切断することによって製造される。
このニッケル水素蓄電池の正極及び負極における放電反応は、下記の半反応式(1),(2)のようになる。充電時には、逆方向に反応が進行する。負極では、放電時には、水素吸蔵合金が脱水素化し、充電時には、水素吸蔵合金が水素化する。

(正極)NiOOH+HO+e → Ni(OH)+OH …(1)
(負極)MH+OH → M+HO+e …(2)

図3に示すように、この単電池100は、負極容量が正極容量よりも大きく、電池容量が正極容量によって規制される正極規制とされている。また、出荷時等における初期状態では、負極容量には、正極が満充電であるときの残りの充電容量である充電リザーブC1と、正極のSOCが0%に到達したときの残りの放電容量である放電リザーブC2が確保されている。また上記初期状態においては、電池モジュール11を構成する各単電池100の正極容量と負極容量とのバランスが揃った状態になっている。なお、ここでいう正極の「満充電」とは、単電池100において正極活物質の未充電部分がなくなった状態をいう。このとき正極のSOCは100%である。また、正極のSOCが0%に達した状態、即ち正極活物質の充電部分がなくなった状態を、単電池100のSOCが0%である状態とし、正極のSOCが100%に達した状態を、単電池100のSOCが100%である状態とする。このように負極容量に充電リザーブC1を設けることによって、過充電時における負極からの水素の発生を抑制することができる。また、負極容量に放電リザーブC2を設けることによって、過放電時における負極からの酸素の発生を抑制することができる。
次に、負極に含まれる水素吸蔵合金について詳述する。本実施形態の水素吸蔵合金は、水素平衡解離圧が低く微粉化性が高い第1の水素吸蔵合金と、水素平衡解離圧が高く微粉化性が低い第2の水素吸蔵合金との2種類の合金を混合したものである。
まず、水素吸蔵合金の微粉化性について説明する。一般的に、水素吸蔵合金は、電池の充電に伴い、水素原子を金属の格子間に取り込んで吸蔵することによって水素化する。また、水素吸蔵合金は、放電に伴い、金属の格子間に取り込んだ水素原子を放出して脱水素化する。この水素化及び脱水素化の繰り返しによって、格子欠陥が生じたりして結晶性が低下し、合金が微粉末に変化(微粉化)する。水素吸蔵合金は、水素化及び脱水素化の繰り返し回数が多いほど、微粉化が進み、粒子が細かくなる傾向にある。この微粉化の生じやすさは、合金の種類によって異なる。微粉化の生じやすさを、以下、微粉化性という。
微粉化が生じた水素吸蔵合金は、アルカリ性の電解液との接触面積が大きくなる。電解液との接触面積が大きいほど、水素吸蔵合金は腐食されやすい。一方、水素吸蔵合金が微粉化すると、例えばニッケルなどの高導電性金属が多く露出される。このように高導電性金属の露出面積が増えると、負極合材の内部抵抗が低下するため、単電池100の出力が向上する。
また、水素吸蔵合金に含有されるA元素の物質量(モル数)に対する、B元素の物質量の比率(B元素の物質量/A元素の物質量)をAB比とするとき、このAB比は微粉化性と相関がある。第1の水素吸蔵合金のAB比は、第2の水素吸蔵合金のAB比よりも小さい。換言すると、第1の水素吸蔵合金は、第2の水素吸蔵合金に比べて、A元素の割合が大きい。A元素は水素化物をつくりやすい元素であるため、A元素が多ければ合金の結晶格子内に水素原子が吸蔵されやすくなる。水素吸蔵合金は、水素原子を吸蔵する際、体積が著しく膨張するためにひずみが生じて微粉化するため、水素原子を吸蔵しやすい水素吸蔵合金は微粉化性が高い。例えばAB型の水素吸蔵合金の場合、A元素はLa,Ce,Nd等であり、B元素はNi,Co,Mn,Al等である。AB型の水素吸蔵合金の場合、A元素はMg,Zr等であり、B元素はZn,Ni等である。AB型の水素吸蔵合金の場合、A元素はTi等であり、B元素はFe,Co等である。
第1の水素吸蔵合金のAB比は、4.8以上5.2以下の範囲に含まれる。第2の水素吸蔵合金のAB比は、5.2以上5.4以下の範囲に含まれる。また、「X」を正極理論容量、「Y」を負極理論容量、「AB」をAB比とするとき、第1の水素吸蔵合金のAB比、及び第2の水素吸蔵合金のAB比の両方が、1.25以上1.4以下の範囲に含まれる。なお、正極理論容量は、設計上の正極の容量、負極理論容量は、設計上の負極の容量であって、充電リザーブ及び放電リザーブが設けられている場合にはそれを含めた容量である。
また、第1の水素吸蔵合金及び第2の水素吸蔵合金がAB型の水素吸蔵合金である場合、第1の水素吸蔵合金のAB比は、第2の水素吸蔵合金のAB比よりも0.1以上小さい。AB比が小さい水素吸蔵合金は、微粉化性が高い他、水素平衡解離圧が低い。したがって、充電及び放電が開始されるときの第1の水素吸蔵合金の電位と第2の水素吸蔵合金の電位との間に適切な電位差が生じる。このため、蓄電池10の制御範囲に基づき決定される正極の充電率で予め設定された下限値以上の範囲で制御されれば、充電の途中で第1の水素吸蔵合金の水素化が開始されたり、放電の途中で第1の水素吸蔵合金の脱水素化が開始されたりすることを抑制することができる。また、第1の水素吸蔵合金のAB比と第2の水素吸蔵合金のAB比との差を0.1以上とすることで、内部抵抗の低減効果を十分に高めることができる。
AB型の水素吸蔵合金は、主相が六方晶系であるCaCu型の結晶構造である。CaCu型は、格子定数におけるa軸長及びb軸長が同じ長さで、a軸及びb軸の角度が120度の単位格子からなる。AB型の水素吸蔵合金は、主相が六方晶系又は立方晶系であり、少なくともa軸長及びb軸長が同じ長さである。AB型の水素吸蔵合金は、主相が立方晶系であるCsCl型であり、少なくともa軸長及びb軸長が同じ長さである。結晶性が高い水素吸蔵合金は、a軸長及びb軸長が小さく、微粉化しにくくなる。第1の水素吸蔵合金のa軸長及びb軸長は、例えば、5.04Å以上5.06Å以下であればよく、5.0484Å以上5.0512Å以下であることが好ましい。また、第2の水素吸蔵合金のa軸長及びb軸長は、例えば、5.00Å以上5.03Å以下であればよく、5.0180Å以上5.0224Å以下であることが好ましい。第1の水素吸蔵合金のa軸長及びb軸長は、第2の水素吸蔵合金のa軸長及びb軸長よりも大きく、その差は0.02Å以上である。このように第1の水素吸蔵合金と第2の水素吸蔵合金のa軸長の差及びb軸長の差を0.02Å以上とすることにより、微粉化性に明らかな差異が生じる。
水素吸蔵合金の格子定数におけるa軸(及びb軸)は、次のように測定することができる。まず粒径が500μm以下の水素吸蔵合金を準備し、粉砕機にて1分間粉砕する。また、粉砕した水素吸蔵合金を20μmのふるいで分級し、篩下の水素吸蔵合金をサンプルとする。さらにX線回折法によって、a軸長を測定する。測定条件は、例えば、線源:CuKα、管電流:40mA、管電圧:35kV、回折角2θ:20°以上120°以下、スキャンスピード:0.28sec/step、ステップ幅0.00730°、ステップ数:13624である。
さらに、水素吸蔵合金にコバルトを混合することにより、水素吸蔵合金の水素化による格子膨張を抑え、微粉化が抑制される。また、コバルトを混合することにより、マンガンの溶出を抑制することができる。第1の水素吸蔵合金のコバルト含有量は、0以上0.1mol/g以下が好ましく、第2の水素吸蔵合金のコバルト含有量は0.15mol/g以上0.5mol/g以下が好ましい。また、第2の水素吸蔵合金のコバルト含有量は、第1の水素吸蔵合金のコバルト含有量よりも大きいことが好ましい。さらに、第1の水素吸蔵合金はコバルトを含有しないことがより好ましい。このように第2の水素吸蔵合金のコバルト含有量を第1の水素吸蔵合金のコバルト含有量よりも大きくすることで、第2の水素吸蔵合金の微粉化を低くすることができる。また、第2の水素吸蔵合金のコバルト含有量は、第1の水素吸蔵合金のコバルト含有量よりも、1重量%以上大きいことが好ましい。このように第2の水素吸蔵合金のコバルト含有量を大きくしつつ、第1の水素吸蔵合金と第2の水素吸蔵合金との間にコバルト含有量の差を設けることで、充電及び放電が開始されるときの第1の水素吸蔵合金の電位と第2の水素吸蔵合金の電位との間に適切な電位差を生じさせることができる。
微粉化性は、充電及び放電を所定回数繰り返した後の水素吸蔵合金の表面積や粒子径の平均などでも評価できるが、充電及び放電を所定回数繰り返した後の水素吸蔵合金の磁化率でも評価することができる。磁化率は、試料の磁気モーメントを測定するものであり、磁化率が大きいほど、水素吸蔵合金の微粉化の度合いが大きいといえる。磁化率は、VSM(Vibrating Sample Magnetometer:試料振動型磁力計)を用いて測定することができ
る。
図4に、充電及び放電に伴う第1の水素吸蔵合金の磁化率の変化を示す磁化率変化線L1と、第2の水素吸蔵合金の磁化率の変化を示す磁化率変化線L2とを示す。磁化率変化線L1は、水素吸蔵合金として第1の水素吸蔵合金のみを用いて単電池を作製したときの第1の水素吸蔵合金の磁化率を示し、磁化率変化線L2は、水素吸蔵合金として第2の水素吸蔵合金のみを用いて単電池を作製したときの第2の水素吸蔵合金の磁化率を示す。
磁化率変化線L1,L2のうち、プロット点P11,P21は、正極のSOCが「0%」から「100%」となるまでの充電、及び正極のSOCが「0%」に至るまでの放電を10回繰り返した初期活性工程後の磁化率を示す。プロット点P12,P22は、初期活性工程後、耐久試験を500サイクル行った後の水素吸蔵合金の磁化率を示す。耐久試験は、たとえば正極のSOC20%以上80%以下の範囲での充電及び放電を1サイクルとする試験である。磁化率変化線L1は、プロット点P11,P12を通る直線であり、磁化率変化線L2は、プロット点P21,P22を通る直線である。磁化率変化線L1,L2から、第1の水素吸蔵合金は、第2の水素吸蔵合金に比べ、充電及び放電に伴う微粉化の進行が速いことがわかる。
次に、水素平衡解離圧について説明する。水素吸蔵合金は、その種類に応じて水素吸蔵特性が異なる。水素吸蔵特性には、単位量あたりに含まれる水素量の割合である水素吸蔵量(H/M)、水素の吸蔵圧と放出圧とに差が出るヒステリシスのほか、水素化反応及び脱水素化反応が平衡状態となったときの水素圧力である水素平衡解離圧などがある。
水素平衡解離圧は、水素吸蔵合金に水素を吸蔵させて求められた圧力‐組成等温線であるPCT(Pressure-Composition-Temperature)線を例えばJISH7201に準拠した方法やその他の方法により作成し、そのPCT線から算出する。PCT線を作成する際は、前処理をした水素吸蔵合金を測定容器内に入れ、測定容器内を真空脱気して水素吸蔵合金を脱水素化させた後、水素ガスを測定容器内の圧力が所定の圧力になるまで導入する。そして、測定容器内が平衡状態になるまで放置した後、水素ガスの圧力を測定する。この測定を、導入する水素ガス量を変更して、所定回数繰り返す。そして、所定の式に、測定した圧力を入力して、PCT線を求める。このPCT線のうち、平坦となる領域を、水素平衡解離圧(プラトー圧)とする。なお、水素平衡解離圧は、水素吸蔵合金が水素を放出するときのPCT線から求めてもよい。
一定条件の下で測定された水素平衡解離圧が高いほど、水素化及び脱水素化が開始される負極電位は、満充電状態のときの負極電位に近くなる。そのため、蓄電池10の実際の使用状況ではそのような制御は行われないが、負極のSOCが「0%」から「100%」まで充電されるとき、第1の水素吸蔵合金の水素化反応が先に開始されて進行した後に、第2の水素吸蔵合金の水素化反応が開始される。また、負極のSOCが「100%」から「0%」まで放電されるとき、第2の水素吸蔵合金の脱水素化反応が先に開始されて進行した後に、第1の水素吸蔵合金の脱水素化反応が開始される。
図5に、第1の水素吸蔵合金、第2の水素吸蔵合金及びそれらの混合物を測定対象としたPCT線を示す。このPCT線は、水素吸蔵合金が水素を吸蔵した平衡状態のときの水素吸蔵量と水素の圧力とを示すものである。縦軸は、平衡状態における水素の圧力である平衡水素圧の対数を示し、横軸は、水素吸蔵量(H/M)を示している。曲線L11は、第1の水素吸蔵合金のPCT線を示し、曲線L13は、第2の水素吸蔵合金のPCT線を示す。曲線L12は、第1の水素吸蔵合金及び第2の水素吸蔵合金を所定の割合で混合したときのPCT線を示す。第1の水素吸蔵合金及び第2の水素吸蔵合金を混合したものは、水素吸蔵量が低いときは、平衡解離圧が第1の水素吸蔵合金に近い。また、水素吸蔵量が多くなると、第2の水素吸蔵合金に近くなる。第1の水素吸蔵合金及び第2の水素吸蔵合金を混合したときの負極電位の挙動から、負極電位に応じて、水素化及び脱水素化を担う水素吸蔵合金が異なっていることがわかる。
なお、第1の水素吸蔵合金の水素平衡解離圧と、第2の水素吸蔵合金の水素平衡解離圧との差は、45℃の水素平衡解離圧で0.01MPa以上であることが好ましい。0.01MPa以上とすると、充電が開始されるときの第1の水素吸蔵合金の電位と、第2の水素吸蔵合金の電位との間に適切な電位差が生じる。また、放電が開始されるときの第1の水素吸蔵合金の電位と、第2の水素吸蔵合金の電位との間に適切な電位差が生じる。このため、放電に伴う第2の水素吸蔵合金の脱水素化の途中で、第1の水素吸蔵合金の脱水素化が開始されることを抑制することができる。なお、一例として、第1の水素吸蔵合金の45℃の水素平衡解離圧は0.005MPa以上であることが挙げられ、好ましくは0.005MPa以上0.03MPa以下であることが挙げられる。また、第2の水素吸蔵合金の45℃の水素平衡解離圧は0.03MPa以上であることが挙げられ、好ましくは0.03MPa以上0.06MPa以下であることが挙げられる。但し、第1の水素吸蔵合金の水素平衡解離圧及び第2の水素吸蔵合金の水素平衡解離圧は、これらの値に限定されるものではない。
次に図6を参照して、第1の水素吸蔵合金と第2の水素吸蔵合金との配合割合について説明する。図6(a)に示すように、蓄電池10のSOCは、例えば、電動機を制御する制御装置によって、下限値が「40%」、上限値が「80%」であるSOC制御範囲内で制御される。蓄電池10のSOCがそのSOC制御範囲内となるように蓄電池10が制御されるとき、蓄電池10のSOCが「0%」以上「40%」未満の容量C3分の正極活物質及び負極活物質は、充電反応及び放電反応に関与しないこととなる。以下、この容量C3を、未使用容量C3という。なお、理論上は未使用容量であっても、電池モジュール11を構成する単電池100間で容量バランスのずれが生じたときには、未使用容量C3に相当する正極活物質及び負極活物質は、充電反応及び放電反応に関与することがある。
また、少なくとも蓄電池10のSOCが「0%」以上で制御されれば、負極容量Cのうち放電リザーブC2分の負極活物質は、充電反応及び放電反応に関与しない。すなわち、蓄電池10のSOCがSOC制御範囲内になるように充電及び放電が制御される限り、未使用容量C3の正極活物質及び負極活物質と、放電リザーブC2分の負極活物質とは、充電反応及び放電反応に関与しない。
負極容量Cのうち第1の水素吸蔵合金の容量C11は、放電リザーブC2と、未使用容量C3とを加算した容量C4未満である。水素吸蔵合金全体に対する第1の水素吸蔵合金の割合でいうと、その割合は、負極容量Cに対する放電リザーブC2の割合(C2/C)と、SOC下限値未満の容量、すなわち未使用容量C3の割合(C3/C)とを加算した割合(C4/C)未満である。このように加算した割合(C4/C)は、水素吸蔵合金のうち、充電反応及び放電反応に直接的に関与しない水素吸蔵合金の割合に相当する。なお、蓄電池10がSOC100%の状態から放電されるとき、第2の水素吸蔵合金は、第1の水素吸蔵合金よりも先に放電反応に関与するため、図6(a)及び(b)では、第2の水素吸蔵合金の容量C12を高SOC側に、第1の水素吸蔵合金の容量C11を低SOC側に配置している。
また、単位質量あたりの第1の水素吸蔵合金の容量を「α(Ah/g)」、単位質量あたりの第2の水素吸蔵合金の容量を「β(Ah/g)」、水素吸蔵合金全体の質量に対する第1の水素吸蔵合金の割合を「X」、単位質量あたりの負極容量を「γ(Ah/g)」とすると、単位質量あたりの負極容量γは下記の式(1)で表される。負極容量「γ」は、負極容量CNを負極の質量で除算したものである。なお、割合「X」は0よりも大きく、1よりも小さい。また、下記の式(1)から、割合「X」は、下記の式(2)のように表される。

γ=α(1−X)+βX ・・・(1)
X=(γ−α)/(β−α) ・・・(2)

図6(a)は、水素吸蔵合金全体に対する第1の水素吸蔵合金の割合が最大である状態を示す。すなわち、第2の水素吸蔵合金の容量C11が、放電リザーブC2と、未使用容量C3とを加算した容量(C4)未満の範囲の最大値である。
図6(b)は、水素吸蔵合金全体に対する第1の水素吸蔵合金の割合が、負極容量Cに対する放電リザーブC2の割合(C2/C)未満である状態を示す。
ところで、上述したように、蓄電池10の負極容量は正極容量よりも大きい正極規制とされている。すなわち、負極理論容量は正極理論容量よりも大きくする必要があるため、正極合材の正極活物質の含有量に比べ、負極合剤の負極活物質の含有量が必然的に多くなる。したがって、負極活物質の含有量を低下させてコストを削減することが望まれている。但し、負極活物質の含有量を単に減少させると、充電リザーブや放電リザーブが小さくなり、蓄電池10の使用に伴い正極規制となった場合には電池容量が低下してしまう。
これに対し、水素吸蔵合金を第1の水素吸蔵合金及び第2の水素吸蔵合金によって構成することで、蓄電池10の出力特性を大幅に向上することができるため、車載用の蓄電池10として実用的な出力特性を確保しつつ、水素吸蔵合金の含有量を減少させることができる。具体的には、「X」を正極理論容量、「Y」を負極理論容量、「R」をAB比とするとき、ニッケル水素蓄電池は、設計の上で必然的に、正極理論容量に対する負極理論容量の比率が1.25以上1.40以下(1.25≦Y/X≦1.40)、AB比が4.8以上5.4以下(4.8≦AB≦5.4)となる。これに対し、水素吸蔵合金を第1の水素吸蔵合金及び第2の水素吸蔵合金で構成した蓄電池10は、蓄電池10に必要な正極理論容量Xに対する負極理論容量Yの比率にAB比を乗算した値を、以下の式(3)に示す範囲とすることができる。なお、第1の水素吸蔵合金及び第2の水素吸蔵合金は、AB型の水素吸蔵合金であって、A元素の主元素はLa、B元素の主元素はNiとする。

6.9≦(Y/X)・R≦7.1・・・(3)

従来の1種類の水素吸蔵合金からなる蓄電池で、上記の蓄電池10と同等の性能を得ようとしたとき、正極理論容量Xに対する負極理論容量Yの比率にAB比を乗算した値「(Y/X)・R」は、7.26以上7.4以下となっていた。上記の蓄電池10では、式(3)に示す範囲となるため、負極理論容量を減少させることができる。
次に図7を参照して、第1の水素吸蔵合金及び第2の水素吸蔵合金からなる負極の放電特性及び充電特性について説明する。図7のグラフは、負極の残容量に対する負極電位の変化を示す放電曲線及び充電曲線である。負極電位は、単電池100に基準電極を挿入し、単電池100を放電及び充電しながら基準電極に対する電位を測定したものである。グラフの横軸は、負極の残容量を示し、グラフの縦軸は、負極電位を示す。また、第1の水素吸蔵合金の水素平衡解離圧と第2の水素平衡解離圧との差は、45℃の水素平衡解離圧で0.01MPa以上である。
図7中上側の2つの充電曲線のうち、実線で示す充電曲線L21は本実施形態の水素吸蔵合金を用いた負極の充電曲線であり、破線で示す充電曲線L20は、第2の水素吸蔵合金のみを用いた負極の充電曲線である。縦軸は、負極電位を示し、上方に向かうにつれ、電位が低く(絶対値が大きく)なっている。また、充電曲線L20,L21は、負極のSOCが「0%」未満の状態から充電を開始することによって負極電位を測定したものである。負極の残容量が少ないときには、残容量が同一である条件の下で、本実施形態の負極の電位(充電曲線L21)は、第2の水素吸蔵合金のみの負極の電位(充電曲線L20)よりも高い(絶対値が小さい)。つまり、負極のSOCが「0%」未満の状態からの充電の初期では、第1の水素吸蔵合金の水素化が先に進行する。また、少なくとも第1の水素吸蔵合金の容量C11分だけ充電されたときには、第2の水素吸蔵合金の充電が開始されるので、充電曲線L21の負極電位と充電曲線L20の負極電位とは同じとなる。
図7中下側の2つの放電曲線のうち、実線で示す曲線L31は本実施形態の水素吸蔵合金を用いた負極の放電曲線であり、破線で示す曲線L30は、第2の水素吸蔵合金のみを用いた負極の放電曲線である。負極の残容量が多いときには、残容量が同一である条件の下で、本実施形態の負極の電位(曲線L31)は、第2の水素吸蔵合金のみの負極の電位(曲線L30)とほぼ同じである。つまり、放電初期では、第2の水素吸蔵合金の脱水素化が先に進行することを示している。また、少なくとも第2の水素吸蔵合金の容量C12分だけ放電されたときには、第1の水素吸蔵合金の放電が開始される。そのため、負極の残容量が少ないときには、残容量が同一である条件の下で、本実施形態の負極の電位(曲線L31)は、第2の水素吸蔵合金のみからなる負極の電位(曲線L30)よりも高く(絶対値が小さく)なる。
このように、負極における第1の水素吸蔵合金の割合を上記した割合とすると、微粉化しやすい第1の水素吸蔵合金は、充電反応及び放電反応に直接的に関与しない。このため、蓄電池10のSOCがSOC制御範囲内となるように蓄電池10が制御されれば、第1の水素吸蔵合金は水素化及び脱水素化が抑制される。したがって、蓄電池10が使用されるときには、第1の水素吸蔵合金の腐食を抑制することができる。また、第2の水素吸蔵合金は、微粉化性が低いので、充電及び放電に伴う微粉化が進行しにくい。
また、蓄電池10の出荷前には、正極のSOCが「100%」となるまでの充電、及び負極容量が第1の水素吸蔵合金を微粉化可能な容量に至るまでの放電を10回繰り返した初期活性工程が行われる。「負極容量が第1の水素吸蔵合金を微粉化可能な容量」とは、負極の充電部分(水素化された部分)がなくなった状態、即ち「0」以上であって、第1の水素吸蔵合金の容量である容量C11未満の容量である。この工程によって、蓄電池10が出荷される前などに、第1の水素吸蔵合金は微粉化される。そして、蓄電池10が電動機の電源として使用されるときには、初期活性工程にて微粉化された状態がほぼ維持されることとなる。第1の水素吸蔵合金は第2の水素吸蔵合金より微粉化しやすいため、第1の水素吸蔵合金を予め微粉化することによって、高導電性金属の露出面積を増やすことができる。これにより、負極の内部抵抗が低下するため、蓄電池10の出力特性を向上させることができる。
さらに、図6(b)に示すように、水素吸蔵合金全体に対する第1の水素吸蔵合金の割合が、負極容量Cに対する放電リザーブC2の割合(C2/C)未満であると、電池モジュール11を構成する複数の単電池100の間で容量バランスが崩れて、放電リザーブが少なくなったとしても、第1の水素吸蔵合金の充電反応及び放電反応への関与が防がれるか、又は第1の水素吸蔵合金のうち充電反応及び放電反応へ関与する部分を少なくすることができる。
また、第1の水素吸蔵合金及び第2の水素吸蔵合金の45℃での水素平衡解離圧の差が0.01MPa以上である場合は、蓄電池10の出力特性が向上されることを確認済みである。
また、ニッケル水素蓄電池には、水素吸蔵合金が放出した微量の水素がケース110を透過して外部に漏れ続けるものがあることがわかっている。この現象は、樹脂製の電池ケースの場合に特に起こりやすい。このように、水素が外部に漏出すると、ケース110内の水素分圧の平衡を保つべく、水素漏出量に応じて負極の水素吸蔵合金から水素が排出される。これにより、負極の放電リザーブC2が減少し、ついには、放電リザーブC2が消滅してしまう可能性がある。しかし、水素吸蔵合金を第1の水素吸蔵合金及び第2の水素吸蔵合金から構成すると、水素平衡解離圧が低い第1の水素吸蔵合金が含有される分、負極に含有される水素吸蔵合金の全てが第2の水素吸蔵合金である電池に比べ、樹脂を透過して外部に放出される水素の量を低減することができる。従って、第1の水素吸蔵合金及び第2の水素吸蔵合金を混合して負極を形成することによって、蓄電池10の寿命を向上させることができる。
以上説明したように、第1の実施形態によれば、以下に列挙する効果が得られるようになる。
(1)負極は、水素平衡解離圧が低く微粉化性が高い第1の水素吸蔵合金と、水素平衡解離圧が高く微粉化性が低い第2の水素吸蔵合金とを有する。第2の水素吸蔵合金は、第1の水素吸蔵合金よりも水素平衡解離圧が高いために、水素化反応及び脱水素化反応が開始される電位が、満充電状態のときの負極電位側となる。そのため、負極の充電率で0%から100%まで充電されるときには、第1の水素吸蔵合金の充電反応が開始され進行した後に、第2の水素吸蔵合金の充電反応が開始される。また、負極の充電率で100%から0%まで放電されるときには、第2の水素吸蔵合金の放電反応が開始され進行した後に、第1の水素吸蔵合金の放電反応が開始される。また、第1の水素吸蔵合金の割合は上記した割合とされるので、ニッケル水素蓄電池が正極の充電率で下限値以上の範囲で制御されれば、第1の水素吸蔵合金を充電反応及び放電反応に直接的に関与しない。これにより、微粉化性の低い第2の水素吸蔵合金のみを直接的に充電反応及び放電反応に関与させることができる。そして、微粉化性の高い第1の水素吸蔵合金を充電反応及び放電反応に直接的に関与させないことで第1の水素吸蔵合金の微粉化を抑制できる。その結果、水素吸蔵合金全体の腐食を抑制することができる。また、製造工程等において、充電及び第1の水素吸蔵合金を微粉化することが可能な充電率までの放電のサイクルを複数回行うこと等によって第1の水素吸蔵合金を予め微粉化しておけば、ニッケル水素蓄電池が電源として使用される際には、負極における導電性の高い金属の露出面積が増大した状態とされており、充電反応及び放電反応が繰り返される間もその状態が維持されることとなる。そのため、水素吸蔵合金の腐食を抑制しつつ、電池の出力特性を向上することができる。従って、出力特性の向上及び耐腐食性の向上の両立を図ることができる。
(2)第1の水素吸蔵合金及び第2の水素吸蔵合金は、AB型の水素吸蔵合金である場合、第2の水素吸蔵合金のAB比は、第1の水素吸蔵合金のAB比よりも大きいため、水素平衡解離圧にもAB比の差に応じた差分が生じる。こうした水素平衡解離圧の差分は、換言すれば、充電及び放電が開始されるときの第1の水素吸蔵合金の電位と第2の水素吸蔵合金の電位との間に適切な電位差に相当する。また、AB比の差分を0.1以上にすることによって、蓄電池10の制御範囲に基づき決定される正極の充電率の下限値以上の範囲で蓄電池10が制御されれば、充電の途中で第1の水素吸蔵合金の水素化が開始されたり、放電の途中で第1の水素吸蔵合金の脱水素化が開始されたりすることを抑制することができる。
(3)第1の水素吸蔵合金及び第2の水素吸蔵合金は、「X」を正極理論容量、「Y」を負極理論容量、「R」をAB比とするとき、「6.9≦(Y/X)・R≦7.1」を満たす。ニッケル水素蓄電池の負極容量は正極容量よりも大きい正極規制とされ、負極理論容量は正極理論容量よりも大きくする必要があるため、正極合材の正極活物質の含有量に比べ、負極合剤の負極活物質の含有量が必然的に大きくなる。第1の水素吸蔵合金及び第2の水素吸蔵合金について、上記範囲が満たされるとき、内部抵抗を低下する効果を良好に保持しつつ、正極理論容量に対する負極理論容量の比を小さくすることができる。このため、負極活物質の含有量を少なくすることができる。
(4)水素吸蔵合金にコバルトを混合することにより、水素吸蔵合金の水素化による格子膨張を抑え、微粉化を抑制することができる。また、水素吸蔵合金にコバルトを添加すると、水素吸蔵合金として含有されるマンガンの溶出を防ぐことができる。上記構成によれば、第2の水素吸蔵合金のコバルト含有量が第1の水素吸蔵合金よりも大きいため、第2の水素吸蔵合金の微粉化性を低くすることができる。
(5)水素吸蔵合金全体に対する第1の水素吸蔵合金の割合が、放電リザーブC2の割合以上である場合には、その割合が放電リザーブC2の割合未満である蓄電池に比べ、高導電性金属の露出面積が増大される。このため、蓄電池10の出力特性の向上を図ることができる。
(6)水素吸蔵合金全体に対する第1の水素吸蔵合金の割合が、負極容量Cに対する放電リザーブC2の割合未満である場合には、単電池100の間で容量バランスが崩れて単電池100の放電リザーブC2が低減した場合でも、第1の水素吸蔵合金の充電反応及び放電反応への関与が防がれるか、又は第1の水素吸蔵合金のうち充電反応及び放電反応へ関与する部分を少なくすることができる。そのため、第1の水素吸蔵合金の微粉化を抑制することによって、耐腐食性を向上させることができる。
(7)水素吸蔵合金全体に対する第1の水素吸蔵合金の割合は、負極容量Cに対する放電リザーブC2の割合(C2/C)と、負極容量Cに対する、正極のSOC0%以上40%未満の容量の割合とを加算した割合未満である。そのため、蓄電池10がハイブリッド自動車用の電源として使用されるときにも、第1の水素吸蔵合金の割合を、充電反応及び放電反応に直接的に関与しないような割合にすることができる。
(8)第2の水素吸蔵合金の水素平衡解離圧と、第1の水素吸蔵合金の水素平衡解離圧との差は、0.01MPa以上である。これにより、充電が開始されるときの第1の水素吸蔵合金の電位と、第2の水素吸蔵合金の電位との間に適切な電位差が生じる。また、放電が開始されるときの第1の水素吸蔵合金の電位と、第2の水素吸蔵合金の電位との間に適切な電位差が生じる。そのため、蓄電池10のSOCがSOC制御範囲となるように充電及び放電が制御されれば、第1の水素吸蔵合金を充電反応及び放電反応に直接的に関与しないようにさせることができる。
(9)水素平衡解離圧が低い第1の水素吸蔵合金と、水素平衡解離圧が高い第2の水素吸蔵合金とを備える負極が、樹脂からなるケース110に収容される。蓄電池10のSOCがSOC制御範囲内となるように蓄電池10が制御されるとき、第1の水素吸蔵合金からは水素が放出されにくい。そのため、負極に備えられる水素吸蔵合金の全てが第2の水素吸蔵合金である電池に比べ、樹脂を透過して外部に放出される水素の量を低減することができる。
以下、実施例1、比較例1について説明する。なお、実施例は本発明を限定するものではない。
(実施例1)
水素吸蔵合金は、以下の方法で作製した。まず、La、Ce、Pr(プラセオジム)、Nd(ネオジム)、Sm(サマリウム)などの希土類元素、詳しくはランタン系元素の混合物が合金化されたミッシュメタルを用意した。そして、準備工程として、このミッシュメタルと、Ni、Co、Mn及びAlとを、所定の組成になるように配合して原料組成物を準備した。さらに、生成工程として、準備した原料組成物を溶融した上で溶融状態から凝固までの冷却速度を1000℃/秒以上とするいわゆる溶融急冷法を行うことにより水素吸蔵合金を生成した。この場合、溶融した原料組成物が急速に冷却されることにより、組成成分の分布のばらつきの小さい水素吸蔵合金が生成される。また、水素吸蔵合金の全体に対するAl及びMnの重量比が調整されることにより、水素吸蔵合金の断面のうちAl及びMnが偏析して相対的に高濃度に存在する断面箇所の比率が制御される。そして、生成した水素吸蔵合金をボールミルで粉砕し、第1の水素吸蔵合金粉末を作製した。
第2の水素吸蔵合金は、ミッシュメタルと、Ni、Co,Mn及びAlとの組成を変えて第1の水素吸蔵合金と同様に作製した。第2の水素吸蔵合金の45℃における水素平衡解離圧は、第1の水素吸蔵合金よりも高く、その差は、0.036MPaであった。また、VSM(東英工業株式会社製)で測定された磁化率は、第1の水素吸蔵合金の方が高かった。第1の水素吸蔵合金の割合は、水素吸蔵合金に対して、30質量%とした。
次に、水素吸蔵合金粉末をアルカリ水溶液に浸漬して攪拌した後に水洗および乾燥した。さらに、乾燥した水素吸蔵合金粉末にカルボキシメチルセルロース等の増粘材、スチレン‐ブタジエン共重合体等の結着材を加えて混練しペーストを作製した。そして、このペーストをパンチングメタルに塗布し、乾燥、圧延および切断することにより負極板を作製した。
正極板については、発泡ニッケル基板に水酸化ニッケルを主成分とする活物質ペーストを充填した上で乾燥、圧延および切断することにより正極板を作製した。そして、上記した正極板・負極板を耐アルカリ性樹脂の不織布から構成されるセパレータを介して複数枚積層し、水酸化カリウム(KOH)を主成分とするアルカリ電解液とともに電槽内に収容することで、ニッケル水素蓄電池である単電池を作製した。
(比較例1)
負極を、実施例の第2の水素吸蔵合金のみから構成した以外は実施例と同様に単電池を作製した。
次に、実施例1の単電池及び比較例1の単電池の出力特性を以下のように評価した。
(直流に対する初期内部抵抗値(DC−IR)の測定方法)
まず、実施例1の単電池2つと比較例1の単電池2つとを、常温の下で単電池の充電率(SOC:State Of Charge)が60%になるまで充電を実施した。そして、実施例1の単電池1つ及び比較例1の単電池1つについて、25℃の温度下で、ニッケル水素蓄電池を一定の電流値で5秒間放電した際の電圧降下(ΔV)を用い、ニッケル水素蓄電池の直流内部抵抗(DC−IR)を「ΔV/電流値」によって算出した。
また、SOC60%になるまで充電した実施例1の単電池1つ及び比較例1の単電池1を−30℃までそれぞれ冷却した後、25℃の温度条件のときと同じように、直流内部抵抗を算出した。そして、温度条件毎に、比較例1の単電池の直流内部抵抗から実施例1の単電池の直流内部抵抗を減算した差分ΔRを比較例1の直流内部抵抗で除算した百分率を求め、その百分率に「100%」を加算した。その結果を図8の表に示す。100%以上であるのは、比較例1に対して実施例1の直流内部抵抗が低下したことを示す。
(耐久試験250サイクル後のハイレート内圧の測定方法)
SOCが20%以上80%以下の範囲且つ35℃の温度下で、20Aにて実施例1及び比較例1の単電池の充電及び放電を行い、これを1サイクルとした。この耐久試験を250サイクル行った後、各単電池の内圧を測定した。そして、比較例1の単電池の内圧から実施例1の単電池の内圧を減算した差分ΔPを求めるとともに、その差分ΔPを比較例1の内圧で除算した百分率を求め、その百分率に「100%」を加算した。その結果を図8の表に示す。100%以上であるのは、比較例1に対して実施例1の内圧が低下したことを示す。なお、内圧は大気圧程度であることが好ましく、比較例1は大気圧に対して高い圧力状態であった。
(耐久試験250サイクル後の内部抵抗値(DC−IR)の測定方法)
実施例1の単電池2つと比較例1の単電池2つとについて、上記の耐久試験を250サイクル行った後の各単電池の内部抵抗値を測定した。温度条件は、25℃及び−30℃の2つの条件とした。内部抵抗の測定は、初期内部抵抗値の測定と同様に行った。
そして、温度条件毎に、比較例1の単電池の直流内部抵抗から、25℃で耐久試験を行った実施例1の単電池の直流内部抵抗を減算した差分ΔRを求めるとともに、その差分ΔRを比較例1の直流内部抵抗で除算した百分率を求め、その百分率に「100%」を加算した。その結果を図8の表に示す。100%以上であるのは、比較例1に対して実施例1の直流内部抵抗が低下したことを示す。
図8に示す評価結果から、初期及び耐久試験後の両方において、実施例1の単電池は、比較例1の単電池に比べて出力特性が向上されたことがわかる。また、温度が変わっても、実施例1の単電池の出力特性は、比較例1の単電池の出力特性よりも向上した。さらに、実施例1の電池の内圧は、比較例1の電池の内圧よりも低くなったことがわかる。
(実施例2)
負極を、下記条件の他は実施例1と同様に作製した。
第1の水素吸蔵合金はコバルトを含有せず、第2の水素吸蔵合金のコバルト含有量は0.2mol/g以上0.5mol/g以下とした。
第1の水素吸蔵合金の45℃の水素平衡解離圧は0.005MPa以上0.03MPa以下とした。また、第2の水素吸蔵合金の45℃の水素平衡解離圧は、第1の水素吸蔵合金の45℃の水素平衡解離圧に対して0.01MPa以上の差を有し、かつ、0.03MPa以上0.06MPa以下とした。
第1の水素吸蔵合金のa軸長及びb軸長を、5.04Å以上5.06Å以下とした。また、第2の水素吸蔵合金のa軸長及びb軸長を、5.00Å以上5.03Å以下とした。なお、本実施形態では、各水素吸蔵合金のa軸長とb軸長とが同じ長さであるので、以下では、a軸長について説明し、b軸長についての説明は割愛する。
また、第1の水素吸蔵合金のa軸長と第2の水素吸蔵合金のa軸長との差が0.02Å以上であるようにした。すなわち、第1の水素吸蔵合金のa軸長が、第2の水素吸蔵合金のa軸長よりも大きく、かつ、その差が0.02Å以上の条件を満たす関係にあるようにした。
第1の水素吸蔵合金の割合は、水素吸蔵合金全体に対して、10質量%以上30質量%以下であるとよいが、15質量%以上25質量%以下であるとより好ましい。
さらに、「第1の水素吸蔵合金のa軸長[Å]」と「水素吸蔵合金全体に対する第1の水素吸蔵合金の割合」との積からなる評価値が「0.7」以上、かつ、「1.4」以下になるように調整した。
この水素吸蔵合金粉末から作製したペーストをパンチングメタルに塗布し、乾燥、圧延及び切断することにより負極板を作製した。そして、この負極板及び、実施例1で作製した正極板を用いてニッケル水素蓄電池である単電池を作製した。
(比較例2)
負極を、実施例2の水素吸蔵合金について、「第1の水素吸蔵合金のa軸長[Å]」と「水素吸蔵合金全体に対する第1の水素吸蔵合金の割合」との積からなる評価値が「0.7」より小さく、又は、「1.4」より大きくなるように調整したこと以外は実施例2と同様に単電池を作製した。
(評価値と、内部抵抗及び内圧との関係)
実施例2及び比較例2の二次電池を複数作製し、内部抵抗及び内圧を測定した。ここで内部抵抗は、初期内部抵抗値(DC−IR)である。内圧は、耐久試験250サイクル後のハイレート内圧であり、前述の実施例1及び比較例1の内圧測定方法と同様の方法で測定した。そして、「第1の水素吸蔵合金のa軸長[Å]×水素吸蔵合金全体に対する第1の水素吸蔵合金の割合」で算出される評価値に対する関係をグラフにした。
図9のグラフに示すように、DC−IRは、評価値に対して負の比例関係を有しており、評価値が大きくなることに応じて低下する。本実施形態では、例えば、作製した単電池においてDC−IRが所定の閾値以下、ここでは2.6[mΩ]以下であるものが良好であるものとする。この閾値は、実験や理論、経験等から予め定めることができる値である。図9のグラフを参照すると、評価値が「0.7」以上であるとき、DC−IRが良好な範囲である2.6[mΩ]以下になることが示されている。
また、内圧は、下に凸の略二次曲線として得られ、評価値が「1」付近にあるとき最小値になり、評価値が「1」から離れるに従って大きくなる。ここでは、内圧は最小値が約「0.28」である。本実施形態では、例えば、作製した単電池において内圧が所定の閾値以下、ここでは0.3[mm/hg]以下であるものが良好であるものとする。この閾値は、実験や理論、経験等から予め定めることができる値である。図9を参照すると、評価値が「0.5」以上、かつ、「1.4」以下にあるとき、内圧が良好な範囲である0.3[mm/hg]以下になることが示されている。
以上のことから、DC−IRが良好な範囲にあるとともに、内圧が良好な範囲にあるためには、評価値が「0.7」以上、かつ、「1.4」以下にあることが好ましいことが求められる。換言すると、評価値が「0.7」以上、かつ、「1.4」以下の範囲にある二次電池であれば、出力特性及び内圧を良好な状態で両立させることができる。
(他の実施形態)
なお、上記実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・負極合材の水素吸蔵合金は、3種類以上の水素吸蔵合金から構成されていてもよい。水素吸蔵合金が3種類以上の水素吸蔵合金からなるとき、蓄電池が電源として使用されるときに放電及び充電に直接的に関与するような水素平衡解離圧を有する水素吸蔵合金が、第2の水素吸蔵合金である。また、第1の水素吸蔵合金は、その第2の水素吸蔵合金のうち最も低い水素平衡解離圧を有する水素吸蔵合金よりも、低い水素平衡解離圧を有する水素吸蔵合金である。また、その第1の水素吸蔵合金は、少なくともそのうちの1種が第2の水素吸蔵合金よりも高い微粉化性を有している。
・電池モジュール11は6つの電槽を備えるとしたが、6つ以外の複数の電槽を備えていてもよい。
・上記実施形態では、蓄電池10を、複数の電池モジュール11から構成される組電池に具体化した態様について説明した。これ以外の態様として、蓄電池10は、1つの電池モジュール11であってもよいし、単電池であってもよい。
・上記実施形態では、蓄電池10の蓄電量に関する充電状態がSOCである場合について例示した。しかしこれに限らず、蓄電池10の充電状態は、実際の蓄電量(充電量)であってもよい。通常、蓄電量(充電量)とSOCとは相互に変換可能である。
・蓄電池10の初期活性工程は、正極のSOCが「100%」となるまでの充電、及び負極容量が第1の水素吸蔵合金を微粉化可能な容量に至るまでの放電を10回繰り返す工程としたが、繰り返し回数は10回以外の複数回でもよい。または、充電及び放電は1回だけ行われてもよい。また、初期活性工程における充電は、正極のSOCが「100%」未満である所定率となるまで行われてもよいし、「100%」よりも大きい所定率となるまで行われてもよい。
・上記実施形態では、第1の水素吸蔵合金の割合の決定に用いられる「正極の充電率の下限値」を、40%としたが、ハイブリッド自動車におけるSOC制御範囲等に合わせて変更してもよい。
・上記実施形態では、第1の水素吸蔵合金の割合の決定に用いられる「正極の充電率の下限値」は、蓄電池10が電源として使用されるときの充電率の下限値とした。これ以外に、「正極の充電率の下限値」は、蓄電池10が電源として使用されるときの充電率の下限値にマージンをもたせた値としてもよい。
・上記実施形態では、蓄電池10は、ハイブリッド自動車に搭載された電動機の電源としたが、ハイブリッド自動車又はその他の自動車に搭載されたその他の装置の電源としてもよい。また、蓄電池10は、電源として用いられるものであれば、定置用電源等、自動車以外の電源として用いられてもよい。たとえば、定置用電源は、電動機の電源に比べ、一般的にSOCの制御範囲が大きく設定される。したがって、第1の水素吸蔵合金の割合は、そのSOCの制御範囲に応じて設定されればよい。
・SOCの制御範囲の下限値は「0%」であってもよい。この場合、第1の水素吸蔵合金の割合は、負極容量に対する放電リザーブC2の割合未満とされる
・上記実施形態では、第1の水素吸蔵合金の微粉化性は第2の水素吸蔵合金の微粉化性よりも高く、第1の水素吸蔵合金のAB比は、第2の水素吸蔵合金のAB比よりも0.1以上大きいとした。しかし、第1の水素吸蔵合金は、第2の水素吸蔵合金の微粉化性よりも高い微粉化性を有していればよく、第1の水素吸蔵合金の電位と第2の水素吸蔵合金の電位との間に、蓄電池10の使用態様に応じた適切な電位差が生じればよく、AB比の差は0.1未満であってもよい。
・上記実施形態では、水素吸蔵合金のa軸長とb軸長とが同じ長さとしたが、各水素吸蔵合金のa軸長及びb軸長の範囲内であれば、水素吸蔵合金のa軸長とb軸長とが異なる長さであってもよい。
・蓄電池10は、電気自動車に搭載された電動機の電源として用いられるものであってもよい。
10…蓄電池、11…電池モジュール、12…正極端子、13…負極端子、40…電圧計、41…電流計、50…電池制御装置、51…SOC算出部、100…単電池、101〜106…第1セル〜第6セル、111…正極板、112…負極板、113,114…集電板、115…セパレータ、NL…負側配線、PL…正側配線。

Claims (8)

  1. 正極と、水素吸蔵合金を含む負極とを備えたニッケル水素蓄電池において、
    前記負極の容量には、前記正極の容量に対して過剰となる容量である放電リザーブが設けられ、
    前記負極に含まれる水素吸蔵合金は、第1の水素吸蔵合金と、当該第1の水素吸蔵合金よりも高い水素平衡解離圧を有する第2の水素吸蔵合金とを備え、
    第1の水素吸蔵合金は、ランタン系元素の混合物が合金化されたミッシュメタルと、Ni、Mn及びAl、若しくはさらにCoを含有するものからなるものとし、第2の水素吸蔵合金は、ミッシュメタルとNi、Co、Mn及びAlからなるものとした組成で作成し、
    水素吸蔵合金に含まれる元素のうち水素との親和力が高い元素をA元素、水素との親和力が低い元素をB元素とし、A元素の物質量に対するB元素の物質量の比率をAB比とするとき、前記第2の水素吸蔵合金のAB比は前記第1の水素吸蔵合金のAB比よりも大きく、
    前記水素吸蔵合金全体に対する前記第1の水素吸蔵合金の割合は、前記負極全体の容量に対する前記放電リザーブの割合と、前記正極の充電率における0%以上の下限値に対応する前記負極の容量の前記負極全体の容量に対する割合とを加算した割合未満であり、
    前記第1の水素吸蔵合金及び前記第2の水素吸蔵合金は、AB 型の水素吸蔵合金であってA元素の主元素がLa、B元素の主元素がNiであり、
    前記第2の水素吸蔵合金のAB比は、前記第1の水素吸蔵合金のAB比よりも0.1以上大きく、
    「X」を正極理論容量、「Y」を負極理論容量、「R」をAB比とするとき、
    6.9≦(Y/X)・R≦7.1
    を満たし、
    前記第2の水素吸蔵合金のコバルトの含有量は、前記第1の水素吸蔵合金のコバルトの含有量よりも大きい
    ことを特徴とするニッケル水素蓄電池。
  2. 前記第2の水素吸蔵合金の45°Cの水素平衡解離圧が前記第1の水素吸蔵合金よりも、0.01MPa以上高いものとした請求項1記載のニッケル水素蓄電池。
  3. 前記水素吸蔵合金全体に対する前記第1の水素吸蔵合金の割合は、前記負極の容量に対する前記放電リザーブの割合以上である
    請求項1又は2に記載のニッケル水素蓄電池。
  4. 前記水素吸蔵合金全体に対する前記第1の水素吸蔵合金の割合は、前記負極の容量に対する前記放電リザーブの容量の割合未満である
    請求項1又は2に記載のニッケル水素蓄電池。
  5. 前記下限値は、当該ニッケル水素蓄電池が電源として使用される際の前記正極の充電率の下限値である
    請求項1〜のいずれか1項に記載のニッケル水素蓄電池。
  6. 前記下限値は40%である
    請求項1〜のいずれか1項に記載のニッケル水素蓄電池。
  7. 前記正極及び前記負極は、樹脂からなるケースに収容される
    請求項1〜のいずれか1項に記載のニッケル水素蓄電池。
  8. 前記第1の水素吸蔵合金は、前記第1の水素吸蔵合金のa軸長と前記水素吸蔵合金全体に対する前記第1の水素吸蔵合金の割合との積、及び、前記第1の水素吸蔵合金のb軸長と前記水素吸蔵合金全体に対する前記第1の水素吸蔵合金の割合との積の少なくとも一方が0.7以上、かつ、1.4以下である
    請求項1〜のいずれか1項に記載のニッケル水素蓄電池。
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