以下、本発明に係るスティック型電気掃除機の実施の形態について、図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
本発明に係るスティック型電気掃除機の第1実施形態について図1から図3を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るスティック型電気掃除機を示す斜視図である。
図2は、本発明の第1実施形態に係るスティック型電気掃除機を示す側面図である。
図1および図2に示すように、本実施形態に係るスティック型電気掃除機1は、把手2を有する手持ち操作可能な掃除機本体3と、掃除機本体3に接続される伸縮可能な延長管5と、延長管5に接続される吸込口体6と、を備えている。
掃除機本体3は、把手2を有する本体ケース7と、本体ケース7に収容されて吸込負圧を生じさせる電動送風機8と、本体ケース7に着脱自在に設けられる塵埃分離集塵部9と、主に電動送風機8を制御する本体制御部10と、電動送風機8や本体制御部10へ供給される電力を蓄える二次電池11と、を備えている。
掃除機本体3は、二次電池11に蓄えた電力によって電動送風機8を駆動させて、電動送風機8の駆動によって発生する負圧を延長管5に作用させている。スティック型電気掃除機1は、吸込口体6および延長管5を通じて床面から塵埃を含んだ空気(以下、「含塵空気」と呼ぶ。)を吸い込み、含塵空気から塵埃を分離し、分離後の塵埃を捕集し、蓄積するとともに分離後の空気を排気する。
本体ケース7は、側面視において延長管5の延長線上に配置される円筒状の前半部と、前半部から屈曲して延長管5の延長線から徐々に離れる後半部と、を備えている。本体ケース7の前半部の上面には、塵埃分離集塵部9が併設されている。本体ケース7の後半部は、吸込口体6を床上に配置した使用状態(図2)において、後方へ向かって延びている。
本体ケース7の正面部分には、本体接続口12が設けられている。本体接続口12は、延長管5を着脱可能な継手である。本体接続口12は、掃除機本体3の流体的な入口であり、延長管5と塵埃分離集塵部9とを流体的に接続している。
把手2は本体ケース7に一体に設けられている。把手2は、スティック型電気掃除機1で床面を掃除するために使用者が手で把持する部分である。把手2は、塵埃分離集塵部9の後端部の近傍から本体ケース7の後端部へアーチ状に架かっている。また、把手2は、延長管5の延長線L上に掛かって配置されている。
把手2の近傍には、把手2を握った使用者が、その手指を動かせる範囲に配置される入力部13が設けられている。
入力部13は、電動送風機8の運転開始操作を受け付ける運転開始スイッチ13aと、電動送風機8の運転停止操作を受け付ける運転停止スイッチ13bと、を備えている。運転開始スイッチ13aおよび運転停止スイッチ13bは、本体制御部10に電気的に接続されている。スティック型電気掃除機1の使用者は、入力部13を操作して電動送風機8の運転モードを択一的に選択できる。運転開始スイッチ13aは、電動送風機8の運転中に、運転モードの切替スイッチとしても機能している。この場合、本体制御部10は、運転開始スイッチ13aから操作信号を受け取る度に運転モードを強→中→弱→強→中→弱→………の順に切り換える。なお、入力部13は、運転開始スイッチ13aに代えて、強運転スイッチ(図示省略)、中運転スイッチ(図示省略)、および弱運転スイッチ(図示省略)を個別に備えていても良い。
塵埃分離集塵部9は、掃除機本体3に流れ込む含塵空気から塵埃を分離し、捕集し、蓄積する一方で、塵埃が除去された清浄な空気を電動送風機8へ送る。塵埃分離集塵部9は、遠心分離方式であっても良いし、濾過分離方式であっても良い。
電動送風機8は、塵埃分離集塵部9から空気を吸い込んで負圧(吸込負圧)を発生させる。
本体制御部10は、マイクロプロセッサ(図示省略)、およびマイクロプロセッサが実行する各種演算プログラム、パラメータなどを記憶する記憶装置(図示省略)を備えている。記憶装置には、予め設定される複数の運転モードが記憶されている。予め設定される複数の運転モードは、電動送風機8の運転出力の大小に関連するものであって、入力部13で受け付けられる使用者の操作に対応している。それぞれの運転モードには、相互に異なる入力値(電動送風機8の入力値)が予め設定されている。本体制御部10は、入力部13で受け付けられる使用者の操作に応じて、その操作内容に対応する任意の運転モードを予め設定される複数の運転モードから択一的に選択して記憶部から読み出し、読み出した運転モードにしたがって電動送風機8を制御する。
二次電池11は、本体ケース7内に設けられていても良いし、本体ケース7外に着脱自在、ひいては交換自在に装着されるものであっても良い。
延長管5および吸込口体6は、電動送風機8から作用する負圧によって、床面上の塵埃を空気とともに吸い込んで掃除機本体3へ案内する。
延長管5は、本体ケース7の本体接続口12および塵埃分離集塵部9を介して電動送風機8の吸込側に流体的に接続されている。延長管5は、使用者が掃除機本体3の把手2を把持した状態で実質的に床面に届く長さを有する。
また、延長管5は、複数の筒状体を重ね合わせたテレスコピック構造を有する。つまり延長管5は、伸縮可能な細長略円筒状の管である。延長管5の一方の端部には、掃除機本体3の本体接続口12に着脱自在な継手構造が設けられている。延長管5の他方の端部には、掃除機本体3の吸込口体6を着脱自在な継手構造が設けられている。
延長管5は、内管15と、内管15が内部に収納され、または内管15が内部から引き出されることによって延長管5の全長を伸縮させる外管16と、外管16側に設けられて内管15に対する外管16の固定および固定の解除を行う固定部17と、を備えている。
内管15は、掃除機本体3に機械的に連結される。外管16は、内管15を内部に収納することによって掃除機本体3へ近づく一方、内管15を内部から引き出すことによって掃除機本体3から遠ざかって延長管5の全長を伸縮させる。つまり、延長管5は、掃除機本体3側から見て近い側に内管15を備え、掃除機本体3側から見て遠い側に外管16を備えている。
固定部17は、外管16の掃除機本体3に近い側の端部16aに設けられている。また、固定部17は、外管16の掃除機本体3に近い側の端部16aを把持する使用者の手指が届く範囲において、外管16の上面側、下面側(図1、図2)、側面側のいずれの箇所に配置されていても良い。
固定部17は、外管16の外周面から露出する押しボタン18と、押しボタン18に一体のフック(図示省略)と、押しボタン18を押し返す方向へばね力を発生させるコイルばね(図示省略)と、を備えている。押しボタン18とフックとの間には支点があり、押しボタン18が外管16の中心線方向へ押し込まれると、フックが外管16の中心線から離れる方向へ移動する。
フックは、内管15側に設けられる凹部(図示省略)に引っ掛かって延長管5の長さを固定する。押しボタン18が外管16の中心線方向へ押し込まれて、フックが外管16の中心線から離れる方向へ移動すると、内管15と外管16との固定が解除されて伸縮自在になる。なお、内管15側に設けられる凹部は、延長管5を最長の長さ(図2)で固定および固定の解除をするもののほか、延長管5を最短の長さで固定および固定の解除をするもの、延長管5を最長の長さから最短の長さまでの間で段階的に固定および固定の解除を可能な少なくとも1つの凹部などを含んで複数、設けられていても良い。
コイルばねは、押しボタン18を押し返す方向、つまり内管15の凹部にフックが引っ掛かる方向へばね力を作用させている。
吸込口体6は、木床やカーペットなどの床面上を走行自在または滑走自在であり、走行状態または滑走状態において床面に対向する底面に吸込口21を有する。また、吸込口体6は、吸込口21に配置される回転自在な回転清掃体22と、回転清掃体22を駆動させる電動機23と、を備えている。吸込口体6の一方の端部には、延長管5の他方の端部に着脱自在な継手構造が設けられている。吸込口体6は、延長管5を介して電動送風機8の吸込側に流体的に接続されている。吸込口体6、延長管5、および塵埃分離集塵部9は、電動送風機8から吸込口21へ至る吸込風路である。
なお、吸込口体6は、電動機23に代えて回転清掃体22を駆動させる風車(図示省略)を備えていても良い。この風車は、スティック型電気掃除機1に吸い込まれる空気の流動によって回転し、回転清掃体22を駆動させる。
スティック型電気掃除機1は、運転開始スイッチ13aで使用者の操作を検知すると電動送風機8を始動させる。例えば、スティック型電気掃除機1は、電動送風機8が停止している状態で運転開始スイッチ13aに対する操作を受け付けると、先ず電動送風機8を強運転モードで運転し、再び運転開始スイッチ13aに対する操作を受け付けると電動送風機8を中運転モードで運転し、三度、運転開始スイッチ13aに対する操作を受け付けると電動送風機8を弱運転モードで運転し、以下同様に繰り返す。強運転モード、中運転モードおよび弱運転モードは、予め設定される複数の運転モードであり、強運転モード、中運転モード、弱運転モードの順に電動送風機8に対する入力値が小さい。始動した電動送風機8は、塵埃分離集塵部9から空気を排気してその内部を負圧にする。
塵埃分離集塵部9内の負圧は、本体接続口12、延長管5、および吸込口体6を順次に通じて吸込口21に作用する。スティック型電気掃除機1は、吸込口21に作用した負圧によって、被掃除面上の塵埃を空気とともに吸い込んで被掃除面を掃除する。塵埃分離集塵部9は、スティック型電気掃除機1に吸い込まれた含塵空気から塵埃を分離し、蓄積する一方で、含塵空気から分離した空気を電動送風機8へ送る。電動送風機8は、塵埃分離集塵部9から吸い込んだ空気を掃除機本体3外へ排気する。
また、スティック型電気掃除機1は、一体に接続された掃除機本体3、延長管5、吸込口体6を起立姿勢で収納する収納台31を備えている。
収納台31は、床面上に置かれる。収納台31は、一体に接続された掃除機本体3、延長管5および吸込口体6が装着されることで延長管5を縮小可能にし、吸込口体6、縮小された延長管5および掃除機本体3を起立姿勢で収納する。
収納台31は、一体に接続された吸込口体6、延長管5および掃除機本体3が装着されると、固定部17を機能させて内管15と外管16との固定を解除し、延長管5を縮小可能にする固定解除部32を備えている。
図3は、本発明の第1実施形態に係るスティック型電気掃除機を示す側面図である。
図3に示すように、本実施形態に係るスティック型電気掃除機1は、一体に接続された吸込口体6、延長管5および掃除機本体3を、収納台31に組み合わせることによって、起立姿勢のまま、床面への投影面積A(あるいは設置面積A)を極力小さくして収納することができる。なお、図3には、延長管5が最も伸張された状態を二点鎖線で示し、延長管5が最も縮小された状態を実線で示している。このとき、掃除機本体3は延長管5の上側の端部に接続されており、把手2は起立姿勢においてスティック型電気掃除機1の頂部付近に配置されることになる。
収納台31は、吸込口体6を定位置で定置させるストッパ33を備えている。ストッパ33は、収納台31に組み合わせられた吸込口体6、延長管5および掃除機本体3が、収納台31からずれ落ちないように吸込口体6の移動を阻止している。また、ストッパ33は、固定解除部32に延長管5の押しボタン18が押し付けられた際の反力を支持する役割を兼ねている。
また、収納台31は、収納台31に設けられて掃除機本体3が収納台31に収納されると二次電池11へ電力を供給する充電路35を備えている。充電路35は、掃除機本体3が収納台31に収納されると二次電池11へ電気的に接続される端子36を備えている。掃除機本体3も、掃除機本体3が収納台31に収納されると端子36に接して充電路35と二次電池11とを電気的に接続する端子(図示省略)が設けられている。
延長管5の固定部17は、吸込口体6、延長管5および掃除機本体3を、収納台31に装着すると収納台31の固定解除部32によって内管15と外管16との固定を解除する。具体的には、収納台31の固定解除部32は、吸込口体6、延長管5および掃除機本体3を、収納台31に組み合わせると固定部17の押しボタン18を押し込む位置に設けられた突起である。固定解除部32は、吸込口体6、延長管5および掃除機本体3が収納台31に装着されている限り固定部17の押しボタン18を押し込み続ける。つまり、延長管5は、吸込口体6、延長管5および掃除機本体3が収納台31に装着されている限り、内管15と外管16との固定が解除された状態が保たれる。したがって、延長管5は、掃除機本体3を持ち上げたり、下ろしたりすることによって容易に伸縮する。また、延長管5は、固定解除部32によって縮小可能になると掃除機本体3の重量で縮小することになる。
また、延長管5は、収納台31から取り外される動作に一連して伸張する。具体的には、吸込口体6、延長管5および掃除機本体3を、収納台31から取り外して使用するときには、先ず、使用者は、収納台31上の掃除機本体3の把手2を把持して延長管5の伸縮方向へ引き上げ、延長管5が延びきったところで吸込口体6、延長管5および掃除機本体3を一体で、収納台31から取り外すことによって、伸張した延長管5で掃除を始めることができる。
ところで、延長管5の内管15は、延長管5がもっとも縮んだ状態においても外管16の外側に残る所定長さDの残存部25を有している。
スティック型電気掃除機1の使用者は、一方の手で掃除機本体3の把手2を把持し、他方の手で外管16の一方の端部、つまり掃除機本体3に近い側の端部16aを把持して、固定部17で外管16と内管15との固定を解除し、両手を近づけることで延長管5を縮小させることができる。
また、スティック型電気掃除機1の使用者は、一方の手で掃除機本体3の把手2を把持し、他方の手で外管16の一方の端部、つまり掃除機本体3に近い側の端部16aを把持して、固定部17で外管16と内管15との固定を解除し、両手を遠ざけることで延長管5を伸張させることができる。
これら、延長管5の伸縮操作、特に縮小動作において、掃除機本体3に外管16が実質的に接する状態まで延長管5を縮小させることができる場合、つまり延長管5を最も短縮させた状態において内管15が露出することなく隠蔽されてしまう場合、外管16の端部16aを把持する手指の一部、例えば小指から薬指を外管16と掃除機本体3との間、または外管16と内管15の継手部との間に挟み込んでしまい、使用者が思わぬ負傷をしてしまう恐れがある。
そこで、本実施形態に係るスティック型電気掃除機1の内管15は、延長管5が最も縮んだ状態においても外管16の外側に残る所定長さDの残存部25を有している。
残存部25は、外管16と掃除機本体3との間、または外管16と内管15の継手部との間に手指の一部を挟まない程度、例えば3センチメートル以上あれば良い。
ところで、従来のキャニスタ型電気掃除機は、把手のある手元側に配置される外管と、把手から見て外管よりも遠くに配置される内管と、を備えている。使用者は、一方の手で把手に近い外管を把持しつつ固定部で外管と内管との固定を解除し、他方の手で把手から遠い内管の適宜の箇所を把持して延長管を伸縮させている。
他方、本実施形態に係るスティック型電気掃除機1は、延長管5や吸込口体6に比べて重量の重い掃除機本体3に把手2を有している。このスティック型電気掃除機1では、従来のキャニスタ型電気掃除機を使い慣れた使用者が、習慣的に一方の手で把手2に近い内管15を把持し、他方の手で把手2から遠い外管16を把持しつつ固定部17で外管16と内管15との固定を解除して、延長管5を伸縮させようとする恐れがある。
そして、スティック型電気掃除機1は、内管15側に重量の大きい掃除機本体3を有しているため、習慣的に一方の手で把手2に近い内管15を把持し、他方の手で把手2から遠い外管16を把持しつつ固定部17で外管16と内管15との固定を解除して、延長管5を伸縮させようとする場合、内管15を把持する手の握力が掃除機本体3の重量を支えきれずに、掃除機本体3の自重で落下するような状態で延長管5が急激に縮小してしまう恐れがある。掃除機本体3の自重で落下するような状態で延長管5が急激に縮小してしまうとき、使用者は、外管16と掃除機本体3との間、または外管16と内管15の継手部との間に手指を挟まれて負傷してしまう恐れがある。
そこで、本実施形態に係るスティック型電気掃除機1の内管15は、延長管5がもっとも縮んだ状態においても外管16の外側に残る所定長さDの残存部25を有している。
残存部25は、外管16と掃除機本体3との間に手指の全体を挟まない程度、例えば11センチメートル以上あれば良い。
つまり、一方の手で掃除機本体3の把手2を把持し、他方の手で外管16の掃除機本体3に近い側の端部16aを把持して延長管5を伸縮させる場合には、残存部25は、外管16と掃除機本体3との間に手指の一部を挟まない程度、例えば3センチメートル以上あれば良く、他方、一方の手で内管15を把持し、他方の手で外管16を把持して延長管5を伸縮させる場合には、残存部25は、外管16と掃除機本体3との間に手指の全体を挟まない程度、例えば11センチメートル以上あれば良いので、残存部25を11センチメートル以上、確保しておくことで延長管5の安全性を高められる。なお、残存部25は、内管15の継手部を含まず、外管16の内側へ出没する部分と同じ外径を有している。
また、残存部25は、一体に接続された吸込口体6、延長管5および掃除機本体3を収納台31に組合せ、起立姿勢で収納する際にも、使用者や、使用者以外に収納台31の近傍にいる他者が、縮小する延長管5に挟まれて負傷することを回避し、安産性を高めている。
このように構成される本実施形態に係るスティック型電気掃除機1は、伸縮可能な延長管5と、一体に接続された掃除機本体3、延長管5および吸込口体6が装着されることで延長管5を縮小可能にし、吸込口体6、縮小された延長管5および掃除機本体3を起立姿勢で収納する収納台31と、を備えることによって、従来のスティック型電気掃除機における壁掛式のドッキングステーションにようにねじ穴による壁の損傷がなく、設置面積Aを確保可能な所望の収納場所に収納することができる。
また、本実施形態に係るスティック型電気掃除機1は、伸縮可能な延長管5と、一体に接続された掃除機本体3、延長管5および吸込口体6が装着されることで延長管5を縮小可能にし、吸込口体6、縮小された延長管5および掃除機本体3を起立姿勢で収納する収納台31と、を備えることによって、起立姿勢における頂部付近に把手2が配置されることになり、使用開始の利便性も高い。
さらに、本実施形態に係るスティック型電気掃除機1は、収納台31に一体に接続された掃除機本体3、延長管5および吸込口体6が装着されることで延長管5の固定部17が解除され、延長管5を掃除機本体3の自重で縮小できるので、特別な操作を必要とせず、一体に接続された掃除機本体3、延長管5および吸込口体6を収納台31に装着する一連の動作によって収納状態に移行できる。
さらにまた、本実施形態に係るスティック型電気掃除機1は、収納台31に一体に接続された掃除機本体3、延長管5および吸込口体6が収納されている状態で延長管5の固定部17が解除されているため、一体に接続された掃除機本体3、延長管5および吸込口体6を収納台31から取り外す一連の動作によって延長管5を伸ばした状態で円滑に掃除を始められる。
また、本実施形態に係るスティック型電気掃除機1は、充電台を兼ねる収納台31を備えることによって、一体に接続された掃除機本体3、延長管5および吸込口体6をコードレスな状態で使用でき、しかも収納時に二次電池11の充電を済ませることができる。
さらに、本実施形態に係るスティック型電気掃除機1は、伸縮可能な延長管5を備えるため、狭い場所や手元から近い場所であっても取り回し性を高めて様々な利用シーンに対応できる。
さらにまた、本実施形態に係るスティック型電気掃除機1は、掃除機本体3の把手2の近くに配置される内管15と、内管15よりも遠くに配置される外管16とを備えることによって、一方の手で掃除機本体3の把手2を把持し、他方の手で外管16を把持して両腕を近づける操作によって延長管5を容易に伸縮させることができる。
また、本実施形態に係るスティック型電気掃除機1は、外管16の掃除機本体3に近い側の端部16aに設けられる固定部17を備えているため、一方の手で掃除機本体3の把手2を把持し、他方の手で外管16を把持しつつ、内管15と外管16との固定を解除しやすく、外管16を把持する一連の動作で延長管5を円滑に伸縮できる。
さらに、本実施形態に係るスティック型電気掃除機1は、延長管5の延長線上に掛かって配置される把手2を備えているので、把手2を持つ手をそのままに、両腕の間隔を狭める動作によって延長管5を伸縮させることができるので、掃除機本体3に集中する重量に影響されることなく、延長管5の伸縮時にスティック型電気掃除機1の落下を回避しやすい。
さらにまた、本実施形態に係るスティック型電気掃除機1は、延長管5が最も縮んだ状態においても外管16の外側に残る所定長さの残存部25を有する内管15を備えているため、延長管の伸縮操作において安全性を高められる。
[第2の実施形態]
本発明に係るスティック型電気掃除機の第2実施形態について図4から図7を参照して説明する。
図4は、本発明の第2実施形態に係るスティック型電気掃除機を示す斜視図である。
図5は、本発明の第2実施形態に係るスティック型電気掃除機を示す側面図である。
なお、本実施形態において、第1実施形態と共通する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図4および図5に示すように、本実施形態に係るスティック型電気掃除機1Aは、把手2を有する手持ち操作可能な掃除機本体3と、掃除機本体3に接続される伸縮可能な延長管5Aと、延長管5Aに接続される吸込口体6と、を備えている。
掃除機本体3は、二次電池11に蓄えた電力によって電動送風機8を駆動させて、電動送風機8の駆動によって発生する負圧を延長管5Aに作用させている。スティック型電気掃除機1は、吸込口体6および延長管5Aを通じて床面から塵埃を含んだ空気(以下、「含塵空気」と呼ぶ。)を吸い込み、含塵空気から塵埃を分離し、分離後の塵埃を捕集し、蓄積するとともに分離後の空気を排気する。
本体ケース7は、側面視において延長管5Aの延長線上に配置される円筒状の前半部と、前半部から屈曲して延長管5Aの延長線から徐々に離れる後半部と、を備えている。
本体ケース7の正面部分には、本体接続口12が設けられている。本体接続口12は、延長管5Aを着脱可能な継手である。本体接続口12は、掃除機本体3の流体的な入口であり、延長管5Aと塵埃分離集塵部9とを流体的に接続している。
把手2は、延長管5Aの延長線L上に掛かって配置されている。
延長管5Aおよび吸込口体6は、電動送風機8から作用する負圧によって、床面上の塵埃を空気とともに吸い込んで掃除機本体3へ案内する。
延長管5Aは、本体ケース7の本体接続口12および塵埃分離集塵部9を介して電動送風機8の吸込側に流体的に接続されている。延長管5Aは、使用者が掃除機本体3の把手2を把持した状態で実質的に床面に届く長さを有する。
また、延長管5Aは、複数の筒状体を重ね合わせたテレスコピック構造を有する。つまり延長管5Aは、伸縮可能な細長略円筒状の管である。延長管5Aの一方の端部には、掃除機本体3の本体接続口12に着脱自在な継手構造が設けられている。延長管5Aの他方の端部には、掃除機本体3の吸込口体6を着脱自在な継手構造が設けられている。
延長管5Aは、内管15Aと、内管15Aが内部に収納され、または内管15Aが内部から引き出されることによって延長管5Aの全長を伸縮させる外管16Aと、外管16A側に設けられて内管15Aに対する外管16Aの固定および固定の解除を行う固定部17Aと、を備えている。
外管16Aは、掃除機本体3に機械的に連結されている。
内管15Aは、外管16Aの内部に収納されることによって掃除機本体3へ近づく一方、外管16Aの内部から引き出されることによって掃除機本体3から遠ざかって延長管5の全長を伸縮させる。つまり、延長管5Aは、掃除機本体3側から見て近い側に外管16Aを備え、掃除機本体3側から見て遠い側に内管15Aを備えている。
固定部17Aは、外管16Aの掃除機本体3から遠い側の端部16bに設けられている。また、固定部17Aは、外管16Aの掃除機本体3から遠い側の端部16bを把持する使用者の手指が届く範囲において、外管16Aの上面側(図4、図5)、下面側、側面側のいずれの箇所に配置されていても良い。
固定部17Aは、外管16Aの外周面から露出する押しボタン18Aと、押しボタン18Aに一体のフック(図示省略)と、押しボタン18Aを押し返す方向へばね力を発生させるコイルばね(図示省略)と、を備えている。押しボタン18Aとフックとの間には支点があり、押しボタン18Aが外管16Aの中心線方向へ押し込まれると、フックが外管16Aの中心線から離れる方向へ移動する。
フックは、内管15A側に設けられる凹部(図示省略)に引っ掛かって延長管5Aの長さを固定する。押しボタン18Aが外管16Aの中心線方向へ押し込まれて、フックが外管16Aの中心線から離れる方向へ移動すると、内管15Aと外管16Aとの固定が解除されて伸縮自在になる。なお、内管15A側に設けられる凹部は、延長管5Aを最長の長さ(図5)で固定および固定の解除をするもののほか、延長管5Aを最短の長さで固定および固定の解除をするもの、延長管5Aを最長の長さから最短の長さまでの間で段階的に固定および固定の解除を可能な少なくとも1つの凹部などを含んで複数、設けられていても良い。
コイルばねは、押しボタン18Aを押し返す方向、つまり内管15Aの凹部にフックが引っ掛かる方向へばね力を作用させている。
吸込口体6の一方の端部には、延長管5Aの他方の端部に着脱自在な継手構造が設けられている。吸込口体6は、延長管5Aを介して電動送風機8の吸込側に流体的に接続されている。吸込口体6、延長管5A、および塵埃分離集塵部9は、電動送風機8から吸込口21へ至る吸込風路である。
スティック型電気掃除機1Aは、運転開始スイッチ13aで使用者の操作を検知すると電動送風機8を始動させる。例えば、スティック型電気掃除機1Aは、電動送風機8が停止している状態で運転開始スイッチ13aに対する操作を受け付けると、先ず電動送風機8を強運転モードで運転し、再び運転開始スイッチ13aに対する操作を受け付けると電動送風機8を中運転モードで運転し、三度、運転開始スイッチ13aに対する操作を受け付けると電動送風機8を弱運転モードで運転し、以下同様に繰り返す。強運転モード、中運転モードおよび弱運転モードは、予め設定される複数の運転モードであり、強運転モード、中運転モード、弱運転モードの順に電動送風機8に対する入力値が小さい。始動した電動送風機8は、塵埃分離集塵部9から空気を排気してその内部を負圧にする。
塵埃分離集塵部9内の負圧は、本体接続口12、延長管5A、および吸込口体6を順次に通じて吸込口21に作用する。スティック型電気掃除機1Aは、吸込口21に作用した負圧によって、被掃除面上の塵埃を空気とともに吸い込んで被掃除面を掃除する。塵埃分離集塵部9は、スティック型電気掃除機1Aに吸い込まれた含塵空気から塵埃を分離し、蓄積する一方で、含塵空気から分離した空気を電動送風機8へ送る。電動送風機8は、塵埃分離集塵部9から吸い込んだ空気を掃除機本体3外へ排気する。
また、スティック型電気掃除機1Aは、一体に接続された掃除機本体3、延長管5、吸込口体6を起立姿勢で収納する収納台31Aを備えている。
収納台31Aは、床面上に置かれる。収納台31Aは、一体に接続された掃除機本体3、延長管5Aおよび吸込口体6が装着されることで延長管5Aを縮小可能にし、吸込口体6、縮小された延長管5Aおよび掃除機本体3を起立姿勢で収納する。
収納台31Aは、一体に接続された吸込口体6、延長管5Aおよび掃除機本体3が装着されると、固定部17Aを機能させて内管15Aと外管16Aとの固定を解除し、延長管5Aを縮小可能にする固定解除部32Aを備えている。
図6は、本発明の第2実施形態に係るスティック型電気掃除機を示す側面図である。
図6に示すように、本実施形態に係るスティック型電気掃除機1Aは、一体に接続された吸込口体6、延長管5Aおよび掃除機本体3を、収納台31Aに組み合わせることによって、起立姿勢のまま、床面への投影面積A(あるいは設置面積A)を極力小さくして収納することができる。なお、図6には、延長管5Aが最も伸張された状態を二点鎖線で示し、延長管5Aが最も縮小された状態を実線で示している。このとき、掃除機本体3は延長管5Aの上側の端部に接続されており、把手2は起立姿勢においてスティック型電気掃除機1Aの頂部付近に配置されることになる。
収納台31Aは、吸込口体6を定位置で定置させるストッパ33Aを備えている。ストッパ33Aは、収納台31Aに組み合わせられた吸込口体6、延長管5Aおよび掃除機本体3が、収納台31Aからずれ落ちないように吸込口体6の移動を阻止している。また、ストッパ33Aは、固定解除部32Aに延長管5Aの押しボタン18Aが押し付けられた際の反力を支持する役割を兼ねている。
また、収納台31Aは、収納台31Aに設けられて掃除機本体3が収納台31Aに収納されると二次電池11へ電力を供給する充電路35を備えている。
延長管5Aの固定部17Aは、吸込口体6、延長管5Aおよび掃除機本体3を、収納台31に装着すると収納台31Aの固定解除部32Aによって内管15と外管16との固定を解除する。具体的には、収納台31Aの固定解除部32Aは、吸込口体6、延長管5Aおよび掃除機本体3を、収納台31Aに組み合わせると固定部17Aの押しボタン18Aを押し込む位置に設けられた突起である。
ところで、スティック型電気掃除機1の延長管5は、延長管5が伸縮しても吸込口体6から固定部17までの距離が変わらないため、収納台31の固定解除部32が収納台31に固定されていても固定部17が解除されている状態を保つことができる。他方、スティック型電気掃除機1Aの延長管5Aは、延長管5Aが伸縮すると吸込口体6から固定部17Aまでの距離が変わってしまう。そこで、収納台31Aの固定解除部32Aは、延長管5Aの伸縮に応じ、つまり固定部17Aの移動に追従する。
固定解除部32Aは、この追従機能によって、吸込口体6、延長管5Aおよび掃除機本体3が収納台31Aに装着されている限り固定部17Aの押しボタン18Aを押し込み続ける。つまり、延長管5Aは、吸込口体6、延長管5Aおよび掃除機本体3が収納台31Aに装着されている限り、内管15Aと外管16Aとの固定が解除された状態が保たれる。したがって、延長管5Aは、掃除機本体3を持ち上げたり、下ろしたりすることによって容易に伸縮する。また、延長管5Aは、固定解除部32Aによって縮小可能になると掃除機本体3の重量で縮小することになる。
また、延長管5Aは、収納台31Aから取り外される動作に一連して伸張する。具体的には、吸込口体6、延長管5Aおよび掃除機本体3を、収納台31Aから取り外して使用するときには、先ず、使用者は、収納台31A上の掃除機本体3の把手2を把持して延長管5Aの伸縮方向へ引き上げ、延長管5Aが延びきったところで吸込口体6、延長管5Aおよび掃除機本体3を一体で、収納台31Aから取り外すことによって、伸張した延長管5Aで掃除を始めることができる。
図7は、本発明の第2実施形態に係るスティック型電気掃除機の固定解除部の追従機能を示す断面図である。
図7に示すように、本実施形態に係るスティック型電気掃除機1Aの固定解除部32Aは、吸込口体6、延長管5Aおよび掃除機本体3が収納台31Aに組み合わされると固定部17Aの押しボタン18Aを押し込めるよう、初期には引張バネ41によって待機位置に配置されている。引張バネ41は、固定解除部32Aを収納台31の上方へと引き上げる方向へバネ力を働かせ、常に伸縮する延長管5Aの押しボタン18Aを固定解除部32に追従させる。引張バネ41は収納台31Aの内側に隠蔽されている。
固定解除部32Aは、吸込口体6、延長管5Aおよび掃除機本体3が収納台31Aに組み合わされると、固定部17Aの押しボタン18Aから延びる延長部材42に引っ掛かり、押しボタン18Aを押し込む。延長管5Aは、内管15Aと外管16Aとの固定が解除され、つまり伸縮可能になる。押しボタン18Aと延長部材42とが接触して引っ掛かり合う部分には、相互に嵌合する凹凸(図示省略)を設け、この凹凸を嵌合させて連結することによって、引張バネ41のバネ力Fを押しボタン18Aの押し込み力fに確実に変換できる。
延長管5Aに力が働いて伸縮すると、押しボタン18Aおよび延長部材42は、延長管5Aの伸縮にともなって移動する。そこで、収納台31Aは、引張バネ41のバネ力Fによって常に押しボタン18Aを押し込み続けて、延長管5Aを伸縮可能な状態に保つ。
押しボタン18Aから延びる延長部材42は、外管16Aの周囲を外管16Aの上面側から下面側に掛けて環状に延びている。延長部材42は、外管16Aの上面側に配置される押しボタン18Aを固定解除部32Aに連結して、固定部17Aを解除している。
なお、延長管5Aは、固定部17A、ひいてはボタン18Aを外管16Aの下面側に配置することによって、延長部材42を必要とすることなく固定解除部32Aで直接的に固定部17Aを解除することもできる。
また、スティック型電気掃除機1の延長管5は、固定部17、ひいてはボタン18を外管16Aの上面側に配置する場合には、スティック型電気掃除機1Aの延長管5Aのように延長部材42を適用することで、固定解除部32で間接的に固定部17を解除することもできる。
このように構成される本実施形態に係るスティック型電気掃除機1Aは、伸縮可能な延長管5Aと、一体に接続された掃除機本体3、延長管5Aおよび吸込口体6が装着されることで延長管5Aを縮小可能にし、吸込口体6、縮小された延長管5Aおよび掃除機本体3を起立姿勢で収納する収納台31Aと、を備えることによって、従来のスティック型電気掃除機における壁掛式のドッキングステーションにようにねじ穴による壁の損傷がなく、設置面積Aを確保可能な所望の収納場所に収納することができる。
また、本実施形態に係るスティック型電気掃除機1Aは、伸縮可能な延長管5Aと、一体に接続された掃除機本体3、延長管5Aおよび吸込口体6が装着されることで延長管5Aを縮小可能にし、吸込口体6、縮小された延長管5Aおよび掃除機本体3を起立姿勢で収納する収納台31Aと、を備えることによって、起立姿勢における頂部付近に把手2が配置されることになり、使用開始の利便性も高い。
さらに、本実施形態に係るスティック型電気掃除機1Aは、収納台31Aに一体に接続された掃除機本体3、延長管5Aおよび吸込口体6が装着されることで延長管5Aの固定部17Aが解除され、延長管5Aを掃除機本体3の自重で縮小できるので、特別な操作を必要とせず、一体に接続された掃除機本体3、延長管5Aおよび吸込口体6を収納台31Aに装着する一連の動作によって収納状態に移行できる。
さらにまた、本実施形態に係るスティック型電気掃除機1Aは、収納台31Aに一体に接続された掃除機本体3、延長管5Aおよび吸込口体6が収納されている状態で延長管5Aの固定部17Aが解除されているため、一体に接続された掃除機本体3、延長管5Aおよび吸込口体6を収納台31Aから取り外す一連の動作によって延長管5Aを伸ばした状態で円滑に掃除を始められる。
また、本実施形態に係るスティック型電気掃除機1Aは、充電台を兼ねる収納台31Aを備えることによって、一体に接続された掃除機本体3、延長管5Aおよび吸込口体6をコードレスな状態で使用でき、しかも収納時に二次電池11の充電を済ませることができる。
さらに、本実施形態に係るスティック型電気掃除機1Aは、伸縮可能な延長管5Aを備えるため、狭い場所や手元から近い場所であっても取り回し性を高めて様々な利用シーンに対応できる。
さらにまた、本実施形態に係るスティック型電気掃除機1Aは、掃除機本体3の把手2の近くに配置される外管16Aと、外管16Aよりも遠くに配置される内管15Aとを備えることによって、一般的なキャニスタ型電気掃除機の延長管に近い操作感を提供できる。
したがって、本発明に係るスティック型電気掃除機1、1Aによれば、収納場所の自由度が高く、収納および取り出し(掃除機の使用開始)の利便性が高まる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。