JP6859815B2 - 操舵制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、操舵制御装置に関する。
従来、車両の操舵機構にモータのトルクをアシスト力として付与するEPS(電動パワーステアリング装置)が存在する。たとえば特許文献1に記載のEPSの制御装置は、操舵トルクおよび操舵角などの操舵状態を示す複数種の状態量に基づきアシスト制御量を演算し、当該アシスト制御量に基づきモータへの給電を制御する。制御装置は、各状態量に応じてアシスト制御量の変化範囲を制限する制限値(上限値および下限値)を状態量ごとに個別に設定する。制御装置は、これら個別に設定した制限値を合算した値をアシスト制御量に対する最終的な制限値として設定する。このように、EPSの制御装置に異常なアシスト制御量に対する制限機能を持たせることによって、異常値を示すアシスト制御量が演算された場合、当該異常なアシスト制御量の値は最終的な制限値によって各状態量に応じた適切な値に制限される。
特許文献1のEPSでは、操舵機構としてラックアンドピニオン機構が採用されている。当該機構は、ステアリングホイールの操作に伴うピニオンの回転を当該ピニオンに噛み合うラック軸の直線運動に変換することにより転舵輪の向きを変える。ラック軸はハウジングに摺動可能に収容されている。通常、ラック軸がその可動範囲の限界に達するとき、当該ラック軸の端部(ラックエンド)がハウジングに突き当たる、いわゆる「エンド当て」が生じることにより、ラック軸の移動範囲が物理的に規制される。これにより、ステアリングホイールの操作範囲も規制される。
特許文献2に記載されるように、「エンド当て」を発生させないようにしたEPSも知られている。このEPSの制御装置は、操舵角がしきい値に達したとき、操舵反力を急激に増大させるために、アシスト制御量(電流指令値)に対する補正量を演算する。この補正量はアシスト制御量と逆の符号を有するものである。このため、アシスト制御量、ひいてはモータへ供給される電流が急激に減少あるいは逆符号となることにより、操舵反力が急激に増大する。すなわち、操舵角がしきい値に達した以降、運転者は操舵角の絶対値が大きくなる方向へ向けてステアリングホイールを操作することが難しくなる。したがって、ステアリングホイールの操作範囲、ひいてはラック軸の可動範囲を仮想的につくることができる。ステアリングホイールの操作範囲を本来の最大操舵範囲よりも狭い範囲に仮想的に制限することにより、ラック軸が実際の物理的な可動範囲の限界に至るまで、ステアリングホイールが操作されることを抑制することができる。
特開2015−163498号公報 特開2015−20506号公報
EPSの制御装置に、引用文献1の異常なアシスト制御量に対する制限機能、および引用文献2におけるステアリングホイールの操作範囲に対する仮想的な制限機能の両方を持たせる場合、つぎのようなことが懸念される。すなわち、ステアリングホイールの操作範囲に対する仮想的な制限機能が実行されるとき、アシスト制御量が減少されることによってモータへ供給される電流が抑えられるため、検出される操舵トルクはより大きくなりやすい。このため、操舵状態を示す状態量の一である操舵トルクに応じた個別の制限値、ひいては当該個別の制限値が反映される最終的な制限値が、ステアリングホイールの操作範囲に対する仮想的な制限機能の実行を通じて減少されるアシスト制御量に対して過剰に拡がるおそれがある。この状況下において、異常値を示す過大なアシスト制御量が演算された場合、この異常なアシスト制御量を適切に制限することができないことが懸念される。
本発明の目的は、異常値を示す過大なアシスト制御量をより適切に制限することができる操舵制御装置を提供することにある。
上記目的を達成し得る操舵制御装置は、アシスト制御部と、補正制御部と、制限値演算部と、制限処理部と、を備えている。アシスト制御部は、操舵トルクおよび操舵角を含む複数種の状態量に基づき、車両の操舵機構に付与するアシスト力の発生源であるモータへの給電を制御するためのアシスト制御量を演算する。補正制御部は、操舵角が、前記操舵機構の構成要素であるステアリングホイールの物理的な操作範囲の限界位置の近傍値に達したとき、操舵トルクを急増させるために前記アシスト制御量に対する補正量を演算する補正制御を実行する。制限値演算部は、前記複数種の状態量に応じて前記アシスト制御量の変化範囲を制限する制限値を前記状態量ごとに個別に設定するとともに、これら制限値を合算することにより前記アシスト制御量に対する最終的な制限値を演算する。制限処理部は、前記制限値演算部により演算される前記アシスト制御量に対する最終的な制限値に基づき前記アシスト制御量の変化範囲を制限する。前記制限値演算部は、操舵角に応じて前記補正量に対する個別の制限値を設定し、当該設定される前記補正量に対する個別の制限値を加味して前記最終的な制限値を演算する。また、前記制限値演算部は、前記補正制御が実行されるとき、その実行直前の操舵トルクに応じた個別の制限値を前記最終的な制限値の演算に使用する。
この構成によれば、アシスト制御量の制限値はアシスト制御量の演算に使用される各状態量に対して個別に設定されるとともに、これら制限値を合算した値がアシスト制御量に対する最終的な制限値として設定される。このため、何らかの原因によって異常値を示す過大なアシスト制御量が演算された場合であれ、当該異常なアシスト制御量は最終的な制限値によって各状態量に応じた適切な値に制限される。適切な値に制限されたアシスト制御量に基づきアシスト力の発生源であるモータへの給電が制御されることにより、意図しないアシスト力が操舵機構に付与されることが抑制される。
また、操舵角がステアリングホイールの物理的な操作範囲の限界位置の近傍値に達したとき、補正制御部による補正制御の実行を通じて、アシスト制御量に対する補正量が演算される。この補正量は、操舵トルクを急増させるためのものである。この補正量に基づきアシスト制御量が補正されることにより、操舵トルクが急激に増大する。このため、ステアリングホイールの回転位置がその物理的な操作範囲の限界位置の近傍に達した以降、ステアリングホイールを操舵角の絶対値が大きくなる方向へ操作することが難しくなる。したがって、ステアリングホイールの操作範囲を、物理的な操作範囲よりも狭い範囲に仮想的に制限することができる。
ここで、アシスト制御量が補正量に基づき補正されることにより操舵トルクが増大することから、当該補正量は、その時々の操舵状態に応じて演算される本来のアシスト制御量の値を強制的に減少させるもの、あるいは逆符号の値にするものであることが見て取れる。このため、操舵トルクに応じた個別の制限値、ひいては当該個別の制限値が反映される最終的な制限値の制限幅が、補正制御の実行を通じて減少あるいは逆符号とされるアシスト制御量に対して過剰に拡がるおそれがある。
この点、上記の構成によれば、前記補正制御が実行されるとき、その補正制御が実行される直前の操舵トルクに応じた個別の制限値が使用されて前記最終的な制限値が演算される。補正制御が実行される直前の操舵トルクの絶対値は、補正制御が実行された以降の操舵トルクの絶対値よりも小さい。このため、補正制御が実行される直前の操舵トルクを使用して設定される個別の制限値による制限幅は、補正制御が実行された以降の操舵トルクを使用して設定される個別の制限値による制限幅よりも狭くなる。すなわち、操舵トルクに応じた個別の制限値による制限幅、ひいては当該個別の制限値が反映される最終的な制限値による制限幅が、減少あるいは逆符号とされるアシスト制御量に対して無駄に拡がることが抑制される。したがって、ステアリングホイールの操作範囲を仮想的に制限する補正制御が実行される場合であれ、異常値を示す過大なアシスト制御量をより適切に制限することができる。
また、補正制御部により演算される補正量が反映されることにより、アシスト制御量は当初に演算される値とは異なる値に変化する。このため、アシスト制御量に対する制限値についても前記補正量を加味して設定することが好ましい。この点、上記の構成によれば、操舵角に応じて設定される前記補正量に対する個別の制限値を加味して、アシスト制御量に対する最終的な制限値が演算される。このため、当該最終的な制限値は、前記補正量が反映されたアシスト制御量に適した制限値となる。したがって、補正量が反映されたアシスト制御量が、誤って制限されることもなく、当該アシスト制御量をより適切に制限することが可能となる。また、異常値を示す補正量が演算されることに起因する異常なアシスト制御量についても適切に制限することが可能となる。
上記の操舵制御装置において、前記制限値演算部は、保持部と切替部とを有することが好ましい。保持部は、操舵トルクに応じた個別の制限値が使用されるたびに当該使用された操舵トルクに応じた個別の制限値を保持する。切替部は、前記補正制御の実行有無に応じて、前記最終的な制限値の演算に使用する前記操舵トルクに応じた個別の制限値を、今回演算された個別の制限値と、前記保持部に保持されている前回演算された個別の制限値との間で切り替える。
この構成によれば、前記補正制御が実行されるとき、前記最終的な制限値の演算に使用される前記操舵トルクに応じた個別の制限値が、今回演算された個別の制限値から、保持部に保持されている前回演算された個別の制限値(補正制御が実行される直前の個別の制限値)へ切り替えられる。また、前記補正制御が実行されないとき、前記最終的な制限値の演算に使用される前記操舵トルクに応じた個別の制限値が、保持部に保持されている前回演算された個別の制限値から、今回演算された個別の制限値へ切り替えられる。このように、最終的な制限値の演算に使用される、操舵トルクに応じた個別の制限値を、補正制御の実行有無に応じて適切に切り替えることができる。
上記の操舵制御装置において、前記補正制御部は、前記補正制御の実行有無に応じてフラグの値をセットし、前記制限値演算部は、前記フラグの値に基づき前記補正制御の実行有無を認識することが好ましい。
この構成によれば、制限値演算部は、補正制御部においてセットされるフラグの値に基づき、補正制御の実行有無を簡単に認識することができる。
上記の操舵制御装置において、前記制限値演算部は、操舵角感応演算部を有し、前記操舵角感応演算部は、第1の演算部と、第2の演算部と、第3の演算部とを有することが好ましい。第1の演算部は、操舵角に応じて前記アシスト制御量に対する個別の制限値を演算する。第2の演算部は、操舵角に応じて前記補正量に対する個別の制限値を演算する。第3の演算部は、前記第1の演算部により演算される個別の制限値と前記第2の演算部により演算される個別の制限値とを合算することにより、操舵角に応じた最終的な個別の制限値を演算する。
この構成によれば、アシスト制御量に対する操舵角に応じた個別の制限値と、補正量に対する個別の制限値とが合算されることにより、補正量に対する個別の制限値が、操舵角に応じた最終的な個別の制限値、ひいてはアシスト制御量に対する最終的な制限値に反映される。
上記の操舵制御装置において、前記制限値演算部は、複数の状態量感応演算部と、最終制限値演算部と、を有していてもよい。複数の状態量感応演算部は、前記状態量に応じて前記アシスト制御量に対する個別の制限値を演算する。最終制限値演算部は、前記複数の状態量感応演算部により演算される個別の制限値を合算することにより前記アシスト制御量に対する最終的な制限値を演算する。前記複数の状態量感応演算部は、操舵角に応じて前記アシスト制御量に対する個別の制限値を演算する第1の操舵角感応演算部と、操舵角に応じて前記補正量に対する個別の制限値を演算する第2の操舵角感応演算部と、を含むことが好ましい。
この構成によれば、第1の操舵角感応演算部および第2の操舵角感応演算部を含む複数の状態量感応演算部により演算される複数の個別の制限値が合算されることにより、補正量に対する個別の制限値が、アシスト制御量に対する最終的な制限値に反映される。
上記の操舵制御装置において、前記制限値演算部は、操舵角と前記アシスト制御量に対する個別の制限値との関係を規定するマップに基づき、操舵角に応じた個別の制限値を演算する操舵角感応演算部を有していてもよい。前記マップにより規定される個別の制限値は、前記アシスト制御量に対する補正量を加味して設定されることが好ましい。
この構成によれば、マップを使用することにより、補正量に基づき補正されるアシスト制御量に対する、操舵角に応じた個別の制限値を簡単に演算することができる。マップにより規定される個別の制限値は、補正量に対する個別の制限値が反映されたものとして盛ることができる。
本発明によれば、異常値を示す過大なアシスト制御量をより適切に制限することができる。
電子制御装置の第1の実施の形態が搭載される電動パワーステアリング装置の一例を示す構成図。 第1の実施の形態の電子制御装置の制御ブロック図。 第1の実施の形態の電子制御装置におけるアシスト制御部の制御ブロック図。 第1の実施の形態の電子制御装置で使用される、操舵角と仮想エンド制御量との関係の一例を示すマップ。 第1の実施の形態の電子制御装置における上下限リミット演算部の制御ブロック図。 (a)は、第1の実施の形態の電子制御装置における上限値演算部に設けられるスイッチの制御ブロック図、(b)は、第1の実施の形態の電子制御装置における下限値演算部に設けられるスイッチの制御ブロック図。 第1の実施の形態の電子制御装置における操舵角感応リミッタの制御ブロック図。 第1の実施の形態の電子制御装置で使用される、操舵トルクと制限値との関係の一例を示すマップ。 第1の実施の形態の電子制御装置で使用される、操舵トルクの微分値と制限値との関係の一例を示すマップ。 第1の実施の形態の電子制御装置で使用される、操舵角と制限値との関係の一例を示すマップ。 第1の実施の形態の電子制御装置で使用される、操舵速度と制限値との関係の一例を示すマップ。 第1の実施の形態の電子制御装置で使用される、操舵角加速度と制限値との関係の一例を示すマップ。 第1の実施の形態の電子制御装置で使用される、操舵角と仮想エンド制御量に対する制限値との関係の一例を示すマップ。 第1の実施の形態の電子制御装置で演算される、アシスト制御量(電流指令値)の変化の一例を示すグラフ。 操舵制御装置の第2の実施の形態において使用される、操舵角と制限値との関係の他の例を示すマップ。 操舵制御装置の第3の実施の形態における上下限リミット演算部の制御ブロック図。
<第1の実施の形態>
以下、操舵制御装置を電動パワーステアリング装置のECU(電子制御装置)に具体化した第1の実施の形態を説明する。
<EPSの概要>
図1に示すように、電動パワーステアリング装置10は、運転者のステアリング操作に基づいて転舵輪を転舵させる操舵機構20、運転者のステアリング操作を補助する操舵補助機構30、および操舵補助機構30の作動を制御するECU40を備えている。
操舵機構20は、運転者により操作されるステアリングホイール21、およびステアリングホイール21と一体回転するステアリングシャフト22を備えている。ステアリングシャフト22は、ステアリングホイール21の中心に連結されたコラムシャフト22a、コラムシャフト22aの下端部に連結されたインターミディエイトシャフト22b、およびインターミディエイトシャフト22bの下端部に連結されたピニオンシャフト22cからなる。ピニオンシャフト22cの下端部は、ピニオンシャフト22cに交わる方向へ延びるラック軸23(正確にはラック歯が形成された部分23a)に噛合されている。したがって、ステアリングシャフト22の回転運動は、ピニオンシャフト22cおよびラック軸23からなるラックアンドピニオン機構24によりラック軸23の往復直線運動に変換される。当該往復直線運動が、ラック軸23の両端にそれぞれ連結されたタイロッド25を介して左右の転舵輪26,26にそれぞれ伝達されることにより、これら転舵輪26,26の転舵角θtaが変更される。
なお、図1に二点鎖線で示されるように、ラック軸23およびピニオンシャフト22cの下端部はハウジング27に収容されている。ステアリングホイール21の操作を通じて、ラック軸23がその可動範囲の限界に達するとき、当該ラック軸23の端部(ラックエンド)がハウジング27に突き当たる、いわゆる「エンド当て」が生じることにより、ラック軸23の移動範囲が物理的に規制される。これにより、ステアリングホイール21の操作範囲も規制される。
図1に示すように、操舵補助機構30は、操舵補助力の発生源であるモータ31を備えている。モータ31としては、たとえば三相のブラシレスモータが採用される。モータ31は、減速機構32を介してコラムシャフト22aに連結されている。減速機構32はモータ31の回転を減速し、当該減速した回転力をコラムシャフト22aに伝達する。すなわち、ステアリングシャフト22にモータのトルクが操舵補助力(アシスト力)として付与されることにより、運転者のステアリング操作が補助される。
ECU40は、車両に設けられる各種のセンサの検出結果を運転者の要求あるいは走行状態を示す情報として取得し、これら取得される各種の情報に応じてモータ31を制御する。
各種のセンサとしては、たとえば車速センサ51、ステアリングセンサ52、トルクセンサ53および回転角センサ54がある。車速センサ51は車速(車両の走行速度)Vを検出する。ステアリングセンサ52はコラムシャフト22aに設けられて操舵角θsを検出する。トルクセンサ53はコラムシャフト22aに設けられて操舵トルクτを検出する。回転角センサ54はモータ31に設けられてモータ31の回転角θmを検出する。
ECU40は車速V、操舵角θs、操舵トルクτおよび回転角θmに基づき目標アシスト力を演算し、当該目標アシスト力を操舵補助機構30に発生させるための駆動電力をモータ31に供給する。
<ECUの構成>
つぎに、ECUのハードウェア構成を説明する。
図2に示すように、ECU40は駆動回路(インバータ回路)41およびマイクロコンピュータ42を備えている。
駆動回路41は、マイクロコンピュータ42により生成されるモータ制御信号Sc(PWM駆動信号)に基づいて、バッテリなどの直流電源から供給される直流電力を三相交流電力に変換する。当該変換された三相交流電力は各相の給電経路43を介してモータ31に供給される。各相の給電経路43には電流センサ44が設けられている。これら電流センサ44は各相の給電経路43に生ずる実際の電流値Imを検出する。なお、図2では、説明の便宜上、各相の給電経路43および各相の電流センサ44をそれぞれ1つにまとめて図示する。
マイクロコンピュータ42は、車速センサ51、ステアリングセンサ52、トルクセンサ53、回転角センサ54および電流センサ44の検出結果をそれぞれ定められたサンプリング周期で取り込む。マイクロコンピュータ42はこれら取り込まれる検出結果、すなわち車速V、操舵角θs、操舵トルクτ、回転角θmおよび実際の電流値Imに基づきモータ制御信号Scを生成する。
<マイクロコンピュータ>
つぎに、マイクロコンピュータの機能的な構成を説明する。
マイクロコンピュータ42は、図示しない記憶装置に格納された制御プログラムを実行することによって実現される各種の演算処理部を有している。
図2に示すように、マイクロコンピュータ42は、これら演算処理部として電流指令値演算部61およびモータ制御信号生成部62を備えている。電流指令値演算部61は、操舵トルクτ、車速Vおよび操舵角θsに基づき電流指令値Iを演算する。電流指令値Iはモータ31に供給するべき電流を示す指令値である。正確には、電流指令値Iは、d/q座標系におけるq軸電流指令値およびd軸電流指令値を含む。本実施形態においてd軸電流指令値は零に設定されている。d/q座標系は、モータ31の回転角θmに従う回転座標である。モータ制御信号生成部62は、回転角θmを使用してモータ31の三相の電流値Imを二相のベクトル成分、すなわちd/q座標系におけるd軸電流値およびq軸電流値に変換する。そして、モータ制御信号生成部62は、d軸電流値とd軸電流指令値との偏差、およびq軸電流値とq軸電流指令値との偏差をそれぞれ求め、これら偏差を解消するようにモータ制御信号Scを生成する。
<電流指令値演算部>
つぎに、電流指令値演算部について説明する。
図2に示すように、電流指令値演算部61は、アシスト制御部71、上下限リミット演算部72および上下限ガード処理部73を有している。また、電流指令値演算部61は3つの微分器74,75,76を有している。微分器74は操舵角θsを微分することにより操舵速度ωsを演算する。微分器75は前段の微分器74により算出される操舵速度ωsをさらに微分することにより操舵角加速度αsを演算する。微分器76は操舵トルクτを時間で微分することにより操舵トルク微分値dτを演算する。
アシスト制御部71は、操舵トルクτ、車速V、操舵角θs、操舵速度ωs、操舵角加速度αsおよび操舵トルク微分値dτに基づきアシスト制御量Ias を演算する。アシスト制御量Ias は、モータ31への給電を制御するために演算されるものである。アシスト制御量Ias は、各種の状態量に応じた適切な大きさの目標アシスト力を発生させるためにモータ31へ供給すべき電流量の値(電流値)である。
上下限リミット演算部72は、アシスト制御部71において使用される各種の信号、ここでは操舵トルクτ、操舵角θs、操舵トルク微分値dτ、操舵速度ωsおよび操舵角加速度αsに基づきアシスト制御量Ias に対する制限値として上限値IUL および下限値ILL を演算する。上限値IUL および下限値ILL はアシスト制御量Ias に対する最終的な制限値となる。
上下限ガード処理部73は、上下限リミット演算部72により演算される上限値IUL および下限値ILL に基づきアシスト制御量Ias の制限処理を実行する。すなわち、上下限ガード処理部73はアシスト制御量Ias の値ならびに上限値IUL および下限値ILL を比較する。上下限ガード処理部73は、アシスト制御量Ias が上限値IUL を超える場合にはアシスト制御量Ias を上限値IUL に制限し、下限値ILL を下回る場合にはアシスト制御量Ias を下限値ILL に制限する。当該制限処理が施されたアシスト制御量Ias が最終的な電流指令値Iとなる。なお、アシスト制御量Ias が上限値IUL と下限値ILL との範囲内であるときには、アシスト制御部71により演算されるアシスト制御量Ias がそのまま最終的な電流指令値Iとなる。
<アシスト制御部>
つぎに、アシスト制御部71について詳細に説明する。
図3に示すように、アシスト制御部71は基本アシスト制御部81、補償制御部82、および加算器83を備えている。また、アシスト制御部71は仮想エンド制御部87および加算器88を有している。
基本アシスト制御部81は操舵トルクτおよび車速Vに基づき基本アシスト制御量I を演算する。基本アシスト制御量I は、操舵トルクτおよび車速Vに応じた適切な大きさの目標アシスト力を発生させるための基礎成分(電流値)である。基本アシスト制御部81はたとえばマイクロコンピュータ42の図示しない記憶装置に格納されるアシスト特性マップを使用して基本アシスト制御量I を演算する。アシスト特性マップは操舵トルクτおよび車速Vに基づき基本アシスト制御量I を演算するための車速感応型の三次元マップであって、操舵トルクτ(絶対値)が大きいほど、また車速Vが小さいほど大きな値(絶対値)の基本アシスト制御量I が算出されるように設定されている。
補償制御部82は、より優れた操舵感を実現するために基本アシスト制御量I に対する各種の補償制御を実行する。補償制御部82は慣性補償制御部84、ステアリング戻し制御部85およびトルク微分制御部86を備えている。
慣性補償制御部84は、操舵角加速度αsおよび車速Vに基づきモータ31の慣性を補償するための補償量I (電流値)を演算する。補償量I を使用して基本アシスト制御量I を補正することにより、ステアリングホイール21の切り始め時における引っ掛かり感(追従遅れ)および切り終わり時の流れ感(オーバーシュート)が低減される。
ステアリング戻し制御部85は、操舵トルクτ、車速V、操舵角θsおよび操舵速度ωsに基づきステアリングホイール21の戻り特性を補償するための補償量I (電流値)を演算する。補償量I を使用して基本アシスト制御量I を補正することにより、路面反力によるセルフアライニングトルクの過不足が補償される。補償量I に応じてステアリングホイール21を中立位置に戻す方向へ向けたアシスト力が発生されるからである。
トルク微分制御部86は、逆入力振動成分を操舵トルク微分値dτとして検出し、当該検出される操舵トルク微分値dτに基づき逆入力振動などの外乱を補償するための補償量I (電流値)を演算する。補償量I を使用して基本アシスト制御量I を補正することにより、ブレーキ操作に伴い発生するブレーキ振動などの外乱が抑制される。補償量I に応じて逆入力振動を打ち消す方向へ向けたアシスト力が発生されるからである。
加算器83は基本アシスト制御量I に対する補正処理として補償量I 、補償量I および補償量I を加算することによりアシスト制御量Ias を生成する。
仮想エンド制御部87は、ステアリングホイール21の操作位置が物理的な操作範囲の限界位置に近づいたとき、いわゆる仮想エンド制御を実行する。仮想エンド制御とは、ステアリングホイール21の操作範囲を本来の物理的な最大操舵範囲よりも狭い範囲に仮想的に制限するための制御であって、モータ31に発生させる操舵方向と同じ方向のトルク(アシスト力)を急激に減少させる、あるいは操舵方向と反対方向のトルク(操舵反力トルク)をモータ31に発生させる制御をいう。
すなわち、仮想エンド制御部87は、操舵角θsがステアリングホイール21の物理的な最大操舵範囲の近傍値に達したとき、マイクロコンピュータ42の図示しない記憶装置に格納された仮想エンドマップを使用して、仮想エンド制御量I を演算する。仮想エンド制御量I は、加算器83により演算される本来のアシスト制御量Ias に対する補正量であって、操舵角θsの符号(正負)と逆符号に設定される。
なお、仮想エンド制御部87は、仮想エンド制御を実行しているとき、仮想エンド制御の実行状態を示すフラグFを「1」にセットする。仮想エンド制御部87は、仮想エンド制御を実行していないとき、フラグFを「0」にセットする。
加算器88は、仮想エンド制御部87により演算される仮想エンド制御量I を、加算器83により演算されるアシスト制御量Ias に加算することにより、最終的なアシスト制御量Ias を演算する。ここで、仮想エンド制御量I は、操舵角θsと逆符号を有するため、アシスト制御量Ias (基本アシスト制御量I )に対しても逆符号を有する。このため、最終的なアシスト制御量Ias は、加算器83により演算される本来のアシスト制御量Ias の絶対値よりも小さい値、あるいは逆符号の値となる。したがって、モータ31により発生されるアシスト力はアシスト制御量Ias の減少度合いに応じて減少する、あるいはモータ31によって本来のアシスト制御量Ias と逆符号を有するアシスト制御量Ias に応じた操舵反力トルクが発生される。これにより、操舵トルクτは急激に増大する。
<仮想エンドマップ>
つぎに、仮想エンドマップについて説明する。
図4のグラフに示すように、仮想エンドマップMは、横軸を操舵角θs、縦軸を仮想エンド制御量I とするマップであって、操舵角θsと仮想エンド制御量I との関係を規定する。仮想エンドマップMの特性はつぎの通りである。
操舵角θsが正の値である場合、操舵角θsが正の角度しきい値θth未満であるとき、仮想エンド制御量I の値は「0」である。また、操舵角θsが正の値である場合、操舵角θsが正の角度しきい値θth以上であるとき、仮想エンド制御量I の値は操舵角θsの増大に対して急激に負の方向へ増大する。
操舵角θsが負の値である場合、操舵角θsの絶対値が負の角度しきい値−θthの絶対値未満であるとき、仮想エンド制御量I の値は「0」である。また、操舵角θsが負の値である場合、操舵角θsの絶対値が負の角度しきい値θthの絶対値以上であるとき、仮想エンド制御量I の値は操舵角θsの絶対値の増大に対して急激に正の方向へ増大する。
ちなみに、正負の角度しきい値±θthは、ステアリングホイール21が物理的な操作範囲の限界位置に達する限界操舵角±θmaxの近傍値に設定される。ただし、角度しきい値±θthの絶対値は、限界操舵角±θmaxの絶対値よりも小さい値である。
<上下限リミット演算部>
つぎに、上下限リミット演算部72について詳細に説明する。
図5に示すように、上下限リミット演算部72は上限値演算部90および下限値演算部100を備えている。
<上限値演算部>
上限値演算部90は、操舵トルク感応リミッタ91、操舵トルク微分値感応リミッタ92、操舵角感応リミッタ93、操舵速度感応リミッタ94、操舵角加速度感応リミッタ95および加算器96を有している。また、上限値演算部90は、スイッチSWを備えている。
操舵トルク感応リミッタ91は、操舵トルクτに応じてアシスト制御量Ias に対する上限値IUL1 を演算する。操舵トルク微分値感応リミッタ92は、操舵トルク微分値dτに応じてアシスト制御量Ias に対する上限値IUL2 を演算する。操舵角感応リミッタ93は、操舵角θsに応じてアシスト制御量Ias に対する上限値IUL3 を演算する。操舵速度感応リミッタ94は、操舵速度ωsに応じてアシスト制御量Ias に対する上限値IUL4 を演算する。操舵角加速度感応リミッタ95は、操舵角加速度αsに応じてアシスト制御量Ias に対する上限値IUL5 を演算する。
加算器96は5つの上限値IUL1 〜IUL5 を足し算することによりアシスト制御量Ias に対する最終的な上限値IUL を生成する。
スイッチSWは、操舵トルク感応リミッタ91と加算器96との間の演算経路に設けられている。操舵トルク感応リミッタ91により演算される上限値IUL1 は、スイッチSW1を介して加算器96へ供給される。スイッチSWは、フラグFの値に応じて、加算器96へ供給する上限値IUL1 を今回値と前回値との間で切り替える。ここで、今回値とは、今回の演算周期において演算される上限値IUL1 をいう。また、前回値とは、今回値の一演算周期前の上限値IUL1 をいう。
<下限値演算部>
下限値演算部100は、操舵トルク感応リミッタ101、操舵トルク微分値感応リミッタ102、操舵角感応リミッタ103、操舵速度感応リミッタ104、操舵角加速度感応リミッタ105および加算器106を有している。また、下限値演算部100は、スイッチSWを備えている。
操舵トルク感応リミッタ101は、操舵トルクτに応じてアシスト制御量Ias に対する下限値ILL1 を演算する。操舵トルク微分値感応リミッタ102は、操舵トルク微分値dτに応じてアシスト制御量Ias に対する下限値ILL2 を演算する。操舵角感応リミッタ103は、操舵角θsに応じてアシスト制御量Ias に対する下限値ILL3 を演算する。操舵速度感応リミッタ104は、操舵速度ωsに応じてアシスト制御量Ias に対する下限値ILL4 を演算する。操舵角加速度感応リミッタ105は、操舵角加速度αsに応じてアシスト制御量Ias に対する下限値ILL5 を演算する。
加算器106は5つの下限値ILL1 〜ILL5 を足し算することによりアシスト制御量Ias に対する最終的な下限値ILL を生成する。
スイッチSWは、操舵トルク感応リミッタ101と加算器106との間の演算経路に設けられている。操舵トルク感応リミッタ101により演算される下限値ILL1 は、スイッチSWを介して加算器106へ供給される。スイッチSWは、フラグFの値に応じて、加算器106へ供給する下限値ILL1 を今回値と前回値との間で切り替える。ここで、今回値とは、今回の演算周期において演算される下限値ILL1 をいう。また、前回値とは、今回値の一演算周期前の下限値ILL1 をいう。
<スイッチ>
つぎに、スイッチSW,SWについて詳細に説明する。
図6(a)に示すように、スイッチSWは、上限値保持部97および上限値切替部98を有している。操舵トルク感応リミッタ91により演算される上限値IUL1 は、上限値切替部98を介して加算器96へ供給される。
上限値保持部97は、上限値切替部98から加算器96へ供給される上限値IUL1 を取り込み、この取り込まれる上限値IUL1 を保持する。上限値保持部97に保持される上限値IUL1 は、加算器96へ上限値IUL1 が供給される度に更新される。すなわち、上限値保持部97に保持されている上限値IUL1 は、加算器96へ供給される今回値としての上限値IUL1 に対する前回値(一演算周期前の上限値IUL1 )である。
上限値切替部98は、データ入力として、操舵トルク感応リミッタ91により演算される上限値IUL1 および上限値保持部97に保持されている上限値IUL1 を取り込む。また、上限値切替部98は、制御入力として、仮想エンド制御部87によりセットされるフラグFの値を取り込む。上限値切替部98は、フラグFの値に基づき、加算器96へ供給する上限値IUL1 を、操舵トルク感応リミッタ91により演算される上限値IUL1 (今回値)と、上限値保持部97に保持されている上限値IUL1 (前回値)との間で切り替える。上限値切替部98は、フラグFの値が「0」であるとき、操舵トルク感応リミッタ91により演算される上限値IUL1 を加算器96へ供給する。上限値切替部98は、フラグFの値が「1」であるとき(より正確には、フラグFの値が「0」ではないとき)、上限値保持部97に保持されている上限値IUL1 を加算器96へ供給する。
図6(b)に示すように、スイッチSWは、下限値保持部107および下限値切替部108を有している。操舵トルク感応リミッタ101により演算される下限値ILL1 は、下限値切替部108を介して加算器106へ供給される。
下限値保持部107は、下限値切替部108から加算器106へ供給される下限値ILL1 を取り込み、この取り込まれる下限値ILL1 を保持する。下限値保持部107に保持される下限値ILL1 は、加算器106へ下限値ILL1 が供給される度に更新される。すなわち、下限値保持部107に保持されている下限値ILL1 は、加算器106へ供給される今回値としての下限値ILL1 に対する前回値(一演算周期前の下限値ILL1 )である。
下限値切替部108は、データ入力として、操舵トルク感応リミッタ101により演算される下限値ILL1 および下限値保持部107に保持されている下限値ILL1 を取り込む。また、下限値切替部108は、制御入力として、仮想エンド制御部87によりセットされるフラグFの値を取り込む。下限値切替部108は、フラグFの値に基づき、加算器106へ供給する下限値ILL1 を、操舵トルク感応リミッタ101により演算される下限値ILL1 (今回値)と、下限値保持部107に保持されている下限値ILL1 (前回値)との間で切り替える。下限値切替部108は、フラグFの値が「0」であるとき、操舵トルク感応リミッタ101により演算される下限値ILL1 を加算器106へ供給する。下限値切替部108は、フラグFの値が「1」であるとき(より正確には、フラグFの値が「0」ではないとき)、下限値保持部107に保持されている下限値ILL1 を加算器106へ供給する。
<操舵角感応リミッタ>
つぎに、操舵角感応リミッタ93,103の構成を詳細に説明する。
図7に示すように、操舵角感応リミッタ93は、第1の演算部93a、第2の演算部93b、および加算器93cを有している。第1の演算部93aは、操舵角θsに応じてアシスト制御量Ias に対する上限値IUL3−1 を演算する。第2の演算部93bは、操舵角θsに応じて仮想エンド制御量I に対する上限値IUL3−2 を演算する。加算器93cは、2つの上限値IUL3−1 ,IUL3−2 を足し算することにより、操舵角θsに応じた最終的な個別の上限値IUL3 を演算する。
操舵角感応リミッタ103は、基本的には操舵角感応リミッタ93と同様の構成を有している。すなわち、図7に括弧付の符号で示すように、操舵角感応リミッタ103も、第1の演算部103a、第2の演算部103b、および加算器103cを備えている。第1の演算部103aは、操舵角θsに応じてアシスト制御量Ias に対する下限値ILL3−1 を演算する。第2の演算部103bは、操舵角θsに応じて仮想エンド制御量I に対する下限値ILL3−2 を演算する。加算器103cは、2つの下限値ILL3−1 ,ILL3−2 を足し算することにより、操舵角θsに応じた最終的な個別の下限値ILL3 を演算する。
<上下限リミットマップ>
上限値演算部90および下限値演算部100は、それぞれ第1〜第6のリミットマップM1〜M6を使用して各上限値IUL1 〜IUL5 および各下限値ILL1 〜ILL5 を演算する。第1〜第6のリミットマップM1〜M6はマイクロコンピュータ42の図示しない記憶装置に格納されている。第1〜第5のリミットマップM1〜M5は、それぞれ運転者のステアリング操作に応じて演算されるアシスト制御量Ias は許容し、それ以外の何らかの原因による異常なアシスト制御量Ias は許容しないという観点に基づき設定される。
図8に示すように、第1のリミットマップM1は、横軸を操舵トルクτ、縦軸をアシスト制御量Ias とするマップであって、操舵トルクτとアシスト制御量Ias に対する上限値IUL1 との関係、および操舵トルクτとアシスト制御量Ias に対する下限値ILL1 との関係をそれぞれ規定する。操舵トルク感応リミッタ91,101はそれぞれ第1のリミットマップM1を使用して操舵トルクτに応じた上限値IUL1 および下限値ILL1 を演算する。
第1のリミットマップM1は、操舵トルクτと同じ方向(正負の符号)のアシスト制御量Ias は許容し、操舵トルクτと異なる方向のアシスト制御量Ias は許容しない観点に基づき設定されることにより、つぎのような特性を有する。すなわち、操舵トルクτが正の値である場合、アシスト制御量Ias の上限値IUL1 は操舵トルクτの増大に伴い正の方向へ増加し、所定値を境として正の一定値に維持される。また、操舵トルクτが正の値である場合、アシスト制御量Ias の下限値ILL1 は「0」に維持される。一方、操舵トルクτが負の値である場合、アシスト制御量Ias の上限値IUL1 は「0」に維持される。また、操舵トルクτが負の値である場合、アシスト制御量Ias の下限値ILL1 は操舵トルクτの絶対値が増大するほど負の方向へ増加し、所定値を境として負の一定値に維持される。
図9に示すように、第2のリミットマップM2は、横軸を操舵トルク微分値dτ、縦軸をアシスト制御量Ias とするマップであって、操舵トルク微分値dτとアシスト制御量Ias に対する上限値IUL2 との関係、および操舵トルク微分値dτとアシスト制御量Ias に対する下限値ILL2 との関係をそれぞれ規定する。操舵トルク微分値感応リミッタ92,102はそれぞれ第2のリミットマップM2を使用して操舵トルク微分値dτに応じた上限値IUL2 および下限値ILL2 を演算する。
第2のリミットマップM2は、操舵トルク微分値dτと同じ方向(正負の符号)のアシスト制御量Ias は許容し、操舵トルク微分値dτと異なる方向のアシスト制御量Ias は許容しない観点に基づき設定されることにより、つぎのような特性を有する。すなわち、操舵トルク微分値dτが正の値である場合、アシスト制御量Ias の上限値IUL2 は操舵トルク微分値dτの増大に伴い正の方向へ増加し、所定値を境として正の一定値に維持される。また、操舵トルク微分値dτが正の値である場合、アシスト制御量Ias の下限値ILL2 は「0」に維持される。一方、操舵トルク微分値dτが負の値である場合、アシスト制御量Ias の上限値IUL2 は「0」に維持される。また、操舵トルク微分値dτが負の値である場合、アシスト制御量Ias の下限値ILL2 は操舵トルク微分値dτの絶対値が増大するほど負の方向へ増加し、所定値を境として負の一定値に維持される。
図10に示すように、第3のリミットマップM3は、横軸を操舵角θs、縦軸をアシスト制御量Ias とするマップであって、操舵角θsとアシスト制御量Ias に対する上限値IUL3−1 との関係、および操舵角θsとアシスト制御量Ias に対する下限値ILL3−1 との関係をそれぞれ規定する。操舵角感応リミッタ93,103(より正確には、第1の演算部93a,103a)は、それぞれ第3のリミットマップM3を使用して操舵角θsに応じた上限値IUL3−1 および下限値ILL3−1 を演算する。
第3のリミットマップM3は、操舵角θsと反対方向(正負の符号)のアシスト制御量Ias は許容し、操舵角θsと同じ方向のアシスト制御量Ias は許容しない観点に基づき設定されることにより、つぎのような特性を有する。すなわち、操舵角θsが正の値である場合、アシスト制御量Ias の上限値IUL3−1 は「0」に維持される。また、操舵角θsが正の値である場合、アシスト制御量Ias の下限値ILL3−1 は操舵角θsの増大に伴い負の方向へ増加する。一方、操舵角θsが負の値である場合、アシスト制御量Ias の上限値IUL3−1 は操舵角θsの絶対値が増大するほど正の方向へ増加する。また、操舵角θsが負の値である場合、アシスト制御量Ias の下限値ILL3−1 は「0」に維持される。
図11に示すように、第4のリミットマップM4は、横軸を操舵速度ωs、縦軸をアシスト制御量Ias とするマップであって、操舵速度ωsとアシスト制御量Ias に対する上限値IUL4 との関係、および操舵速度ωsとアシスト制御量Ias に対する下限値ILL4 との関係をそれぞれ規定する。操舵速度感応リミッタ94,104はそれぞれ第4のリミットマップM4を使用して操舵速度ωsに応じた上限値IUL4 および下限値ILL4 を演算する。
第4のリミットマップM4は、操舵速度ωsと反対方向(正負の符号)のアシスト制御量Ias は許容し、操舵速度ωsと同じ方向のアシスト制御量Ias は許容しない観点に基づき設定されることにより、つぎのような特性を有する。すなわち、操舵速度ωsが正の値である場合、アシスト制御量Ias の上限値IUL4 は「0」に維持される。また、操舵速度ωsが正の値である場合、アシスト制御量Ias の下限値ILL4 は操舵速度ωsの増大に伴い負の方向へ増加し、所定値を境として負の一定値に維持される。一方、操舵速度ωsが負の値である場合、アシスト制御量Ias の上限値IUL4 は操舵速度ωsの絶対値が増大するほど正の方向へ増加し、所定値を境として正の一定値に維持される。また、操舵速度ωsが負の値である場合、アシスト制御量Ias の下限値ILL4 は「0」に維持される。
図12に示すように、第5のリミットマップM5は、横軸を操舵角加速度αs、縦軸をアシスト制御量Ias とするマップであって、操舵角加速度αsとアシスト制御量Ias に対する上限値IUL5 との関係、および操舵角加速度αsとアシスト制御量Ias に対する下限値ILL5 との関係をそれぞれ規定する。操舵角加速度感応リミッタ95,105はそれぞれ第5のリミットマップM5を使用して操舵角加速度αsに応じた上限値IUL5 および下限値ILL5 を演算する。
第5のリミットマップM5は、操舵角加速度αsと反対方向(正負の符号)のアシスト制御量Ias は許容し、操舵角加速度αsと同じ方向のアシスト制御量Ias は許容しない観点に基づき設定されることにより、つぎのような特性を有する。すなわち、操舵角加速度αsが正の値である場合、アシスト制御量Ias の上限値IUL5 は「0」に維持される。また、操舵角加速度αsが正の値である場合、アシスト制御量Ias の下限値ILL5 は操舵角加速度αsの増大に伴い負の方向へ増加し、所定値を境として負の一定値に維持される。一方、操舵角加速度αsが負の値である場合、アシスト制御量Ias の上限値IUL5 は操舵角加速度αsの絶対値が増大するほど正の方向へ増加し、所定値を境として正の一定値に維持される。また、操舵角加速度αsが負の値である場合、アシスト制御量Ias の下限値ILL5 は「0」に維持される。
図13に示すように、第6のリミットマップM6は、横軸を操舵角θs、縦軸を仮想エンド制御量I とするマップであって、操舵角θsと仮想エンド制御量I に対する上限値IUL3−2 との関係、および操舵角θsと仮想エンド制御量I に対する下限値ILL3−2 との関係をそれぞれ規定する。操舵角感応リミッタ93,103(より正確には、第2の演算部93b,103b)は、それぞれ第6のリミットマップM6を使用して操舵角θsに応じた上限値IUL3−2 および下限値ILL3−2 を演算する。
第6のリミットマップM6は、先の図4のグラフに示される仮想エンドマップMに基づき演算される仮想エンド制御量I は許容し、それ以外の何らかの原因による異常な仮想エンド制御量I は許容しないという観点に基づき設定される。また、第6のリミットマップM6は、操舵角θsと反対方向(正負の符号)の仮想エンド制御量I は許容し、操舵角θsと同じ方向の仮想エンド制御量I は許容しない観点に基づき設定される。第6のリミットマップM6の特性は、つぎの通りである。
すなわち、操舵角θsが正の値である場合、仮想エンド制御量I の上限値IUL3−2 は「0」に維持される。また、操舵角θsが正の値である場合、操舵角θsが正の所定値未満であるとき、仮想エンド制御量I の下限値ILL3−2 は「0」に維持される。また、操舵角θsが正の値である場合、操舵角θsが正の所定値以上であるとき、仮想エンド制御量I の下限値ILL3−2 は操舵角θsの増大に対して急激に負の方向へ増大する。
一方、操舵角θsが負の値である場合、操舵角θsの絶対値が負の所定値の絶対値未満であるとき、仮想エンド制御量I の上限値IUL3−2 は「0」に維持される。また、操舵角θsが負の値である場合、操舵角θsの絶対値が負の所定値の絶対値以上であるとき、仮想エンド制御量I の上限値IUL3−2 は操舵角θsの絶対値の増大に対して急激に正の方向へ増大する。また、操舵角θsが負の値である場合、仮想エンド制御量I の下限値ILL3−2 は「0」に維持される。
ちなみに、正負の所定値は、たとえば角度しきい値±θthの近傍値に設定される。ただし、所定値の絶対値は、角度しきい値±θthの絶対値よりも小さい値である。
<ECUの作用および効果>
つぎに、ECU40の基本的な作用および効果を説明する。ここでは、ECU40は仮想エンド制御を実行していないことを前提とする。
アシスト制御量Ias に対する制限値(上限値および下限値)がアシスト制御量Ias を演算する際に使用する各信号、ここでは操舵状態を示す状態量である操舵トルクτ、操舵トルク微分値dτ、操舵角θs、操舵速度ωsおよび操舵角加速度αsに対して個別に設定される。マイクロコンピュータ42は、アシスト制御量Ias に基づき最終的な電流指令値Iを演算するに際して、各信号の値に応じてアシスト制御量Ias の変化範囲を制限するための制限値を信号毎に設定する。マイクロコンピュータ42は、これら信号毎に設定される制限値(IUL1 〜IUL5 ,ILL1 〜ILL5 )を合算した値をアシスト制御量Ias に対する最終的な制限値(IUL ,ILL )として設定する。
ちなみに、信号毎の制限値、ひいては最終的な制限値は運転者のステアリング操作に応じて演算される通常のアシスト制御量Ias は許容し、何らかの原因に起因する異常なアシスト制御量Ias は制限する観点に基づき設定される。マイクロコンピュータ42は、たとえば運転者の操舵入力に対するトルク微分制御およびステアリング戻し制御などの各種補償制御による補償量は許容する一方、各補償量の値を超える異常出力あるいは誤出力などは制限する。
マイクロコンピュータ42は、アシスト制御量Ias が最終的な上限値IUL および下限値ILL により定められる制限範囲を超えるとき、上限値IUL を超えるアシスト制御量Ias あるいは下限値ILL を下回るアシスト制御量Ias が最終的な電流指令値Iとしてモータ制御信号生成部62に供給されないように制限する。最終的な上限値IUL および下限値ILL には信号毎に設定された個別の制限値(上限値および下限値)が反映されている。すなわち、異常な値を示すアシスト制御量Ias が演算される場合であれ、当該異常なアシスト制御量Ias の値は最終的な制限値によって各信号値に応じた適切な値に制限される。そして、当該適切なアシスト制御量Ias が最終的な電流指令値Iとしてモータ制御信号生成部62に供給されることにより適切なアシスト力が操舵機構20に付与される。何らかの原因によって異常値を示す過大なアシスト制御量Ias が演算された場合であれ、この異常なアシスト制御量Ias に基づく最終的な電流指令値Iがモータ制御信号生成部62に供給されることが抑制される。このため、操舵機構20に対して意図しないアシスト力が付与されることが抑制される。たとえば、いわゆるセルフステアリングなどの発生も抑制される。
ここで、アシスト制御量Ias の異常が続く限り継続してアシスト制御量Ias を制限することも可能ではあるものの、より安全性を高める観点から、つぎのようにしてもよい。
図14のグラフに示すように、アシスト制御量Ias の値がたとえば下限値ILL を下回るとき(時刻TL0)、アシスト制御量Ias の値は下限値ILL で制限される。マイクロコンピュータ42は当該制限される状態が一定期間ΔTだけ継続したとき(時刻TL1)、下限値ILL を「0」に向けて漸減させる(以下、「漸減処理」という。)。そして下限値ILL が「0」に至るタイミング(時刻TL2)でアシスト制御量Ias の値は「0」になる。その結果、操舵機構20に対するアシスト力の付与が停止される。当該漸減処理は、異常な状態が一定期間ΔTだけ継続したときにはアシスト力の付与を停止することが好ましいという観点に基づき行われる。アシスト制御量Ias の値は徐々に小さくなるので、これに伴いアシスト力も徐々に小さくなる。このため、操舵機構20に対するアシスト力の付与を停止させる際、操舵感に急激な変化が発生することはない。安全性も、より高められる。
なお、アシスト制御量Ias の値が上限値IUL を超える場合についても同様である。すなわち、マイクロコンピュータ42はアシスト制御量Ias の制限状態が一定期間ΔTだけ継続したとき、上限値IUL を「0」に向けて漸減させる。
当該漸減処理は上限値IUL および下限値ILL の演算処理とは無関係に強制的に行われるものである。マイクロコンピュータ42は、当該漸減処理の実行中において、アシスト制御量Ias の値が上限値IUL と下限値ILL との間の正常範囲内の値に復帰したとき、漸減処理の実行を停止するようにしてもよい。これにより、強制的に「0」に向けて漸減させた上限値IUL または下限値ILL は本来の値に復帰する。
<仮想エンド制御の実行時>
つぎに、ECUが仮想エンド制御を実行するときの作用および効果を説明する。
運転者によるステアリングホイール21の操作を通じて操舵角θsが角度しきい値±θthに達したとき、マイクロコンピュータ42はステアリングホイール21のそれ以上の切り増し操作(操舵角θsの絶対値が大きくなる方向へ向けた操作)を抑制するために仮想エンド制御を実行する。この仮想エンド制御の実行を通じて、モータ31により発生されるアシストトルク(アシスト力)が急激に減少されること、あるいはモータ31によって操舵反力トルクが発生されることにより、操舵トルクτが急激に増大する。このため、操舵角θsが角度しきい値±θthに達した以降、運転者はステアリングホイール21を切り増し操作することが難しくなる。したがって、運転者に対して仮想的な突き当たり感を付与することによって、ステアリングホイール21の操作範囲を、その物理的な操作範囲よりも狭い範囲に仮想的に制限することができる。
ここで、何らかの原因によって異常値を示す過大な仮想エンド制御量I が演算されることが考えられる。そして、この異常な仮想エンド制御量I が本来のアシスト制御量Ias に加算されることによって得られる最終的なアシスト制御量Ias についても異常値を示すおそれがある。
この点、本例では第6のリミットマップM6に基づき仮想エンド制御量I に対する個別の制限値(IUL3−2 ,ILL3−2 )が演算される。そして、この仮想エンド制御量I に対する個別の制限値が加味されて、アシスト制御量Ias に対する最終的な制限値(IUL ,ILL )が演算される。このため、この最終的な制限値(IUL ,ILL )は、仮想エンド制御量I が反映された最終的なアシスト制御量Ias に適した値となる。したがって、異常な仮想エンド制御量I に起因して演算される異常なアシスト制御量Ias は、仮想エンド制御量I に対する個別の制限値(IUL3−2 ,ILL3−2 )が反映された最終的な制限値(IUL ,ILL )によって適切に制限される。また、正常な仮想エンド制御量I が反映された最終的なアシスト制御量Ias が誤って制限されることもなく、当該アシスト制御量Ias をより適切に制限することが可能となる。このように、適切な値に制限されるアシスト制御量Ias が最終的な電流指令値Iとしてモータ制御信号生成部62に供給されることにより、意図しないトルク(アシストトルク、あるいは操舵反力トルク)が操舵機構20に付与されることを抑制することができる。
<操舵トルクに応じた個別の制限値を切り替えることの意義>
つぎに、操舵トルクτに応じた個別の制限値(IUL1 ,ILL1 )をフラグFの値に応じて今回値と前回値との間で切り替えることの技術的な意義を説明する。
まず、仮想エンド制御が実行されていない場合、フラグFの値は「0」にセットされる。このとき、操舵トルク感応リミッタ91,101により演算される今回の制限値(IUL1 ,ILL1 )が使用されて最終的な制限値(IUL ,ILL )が演算される。この最終的な制限値(IUL ,ILL )によりアシスト制御量Ias が制限される。また、このときの仮想エンド制御量I は「0」である。このため、アシスト制御量Ias の値が強制的に減少されたり、アシスト制御量Ias の符号が逆になったりすることはなく、アシスト制御量Ias はその時々の操舵状態に応じた値となる。また、操舵トルク感応リミッタ91,101により演算される今回の個別の制限値(IUL1 ,ILL1 )、ひいては当該個別の制限値が反映される今回の最終的な制限値(IUL ,ILL )についても、その時々の操舵状態に応じて演算されるものである。このため、操舵トルク感応リミッタ91,101により演算される今回の制限値(IUL1 ,ILL1 )による制限幅、ひいては今回の最終的な制限値(IUL ,ILL )による制限幅が、アシスト制御量Ias に対して無駄に拡がることはない。
つぎに、操舵角θsがステアリングホイール21の物理的な最大操舵範囲の近傍値(角度しきい値±θth)に達したとき、仮想エンド制御が実行される。仮想エンド制御が実行されている間においては、操舵状態に応じた本来のアシスト制御量Ias が仮想エンド制御量I に応じて減少される、あるいは逆符号とされるため、トルクセンサ53を通じて検出される操舵トルクτの値はより大きくなりやすい。このため、操舵トルクτに応じた個別の制限値(IUL1 ,ILL1 )、ひいては当該個別の制限値が反映される最終的な制限値(IUL ,ILL )が、仮想エンド制御の実行を通じて減少あるいは逆符号とされるアシスト制御量Ias に対して過剰に拡がるおそれがある。
この点、本例では仮想エンド制御が実行されているとき、すなわちフラグFの値が「1」であるとき、操舵トルク感応リミッタ91,101により演算される今回の制限値(IUL1 ,ILL1 )ではなく、上限値保持部97に保持されている前回の上限値IUL1 および下限値保持部107に保持されている前回の下限値ILL1 が、操舵トルクτに応じた個別の制限値として使用される。これら前回の上限値IUL1 および前回の下限値ILL1 は、仮想エンド制御が実行される直前、すなわち仮想エンド制御の実行を通じて操舵トルクτが増大する前において、操舵トルク感応リミッタ91,101により演算された上限値IUL1 および下限値ILL1 である。このため、前回の制限値(IUL1 ,ILL1 )による制限幅は、今回の制限値(IUL1 ,ILL1 )による制限幅よりも狭くなる。したがって、仮想エンド制御の実行を通じて操舵トルクτが増大する場合において、操舵トルクτに応じた個別の制限値(IUL1 ,ILL1 )による制限幅が過剰に拡がることが抑制される。ひいては、当該個別の制限値(IUL1 ,ILL1 )が反映される最終的な制限値(IUL ,ILL )による制限幅が、仮想エンド制御の実行を通じて減少あるいは逆符号とされるアシスト制御量Ias に対して、過剰に拡がることも抑制される。
したがって、ECU40に仮想エンド制御機能を持たせる場合であれ、異常値を示すアシスト制御量Ias に対する制限機能をより適切に発揮させることができる。たとえば仮想エンド制御が実行されている場合に異常値を示す過大なアシスト制御量Ias が演算されるとき、この異常なアシスト制御量Ias がより適切に制限されることにより、モータトルクのより大きな変化、あるいはセルフステアリングの発生を抑制することができる。安全性もより高められる。
なお、仮想エンド制御の実行が停止されたとき、すなわちフラグFの値が「1」から「0」へ切り替わったとき、最終的な制限値(IUL ,ILL )の演算に使用される個別の制限値(IUL1 ,ILL1 )は、上限値保持部97および下限値保持部107に保持された前回の個別の制限値から、操舵トルク感応リミッタ91,101により演算される今回の個別の制限値へ切り替えられる。
<第2の実施の形態>
つぎに、操舵制御装置の第2の実施の形態を説明する。
第1の実施の形態において、操舵角感応リミッタ93,103は、2つのマップ(M3,M6)を使用して操舵角θsに応じた個別の制限値(IUL3 ,ILL3 )を演算したが、つぎのようにしてもよい。すなわち、操舵角感応リミッタ93,103は、図15のグラフに示される単一の第7のリミットマップM7を使用して、操舵角θsに応じた個別の制限値(IUL3 ,ILL3 )を演算する。
図15のグラフに示すように、第7のリミットマップM7は、第3のリミットマップM3により規定される制限値(IUL3−1 ,ILL3−1 )と、第6のリミットマップM6により規定される制限値(IUL3−2 ,ILL3−2 )との論理和を演算することにより得られる特性を有している。すなわち、第7のリミットマップM7は、第3のリミットマップM3の特性を、仮想エンド制御部87により演算される仮想エンド制御量I を加味して設定したものとして見ることができる。第7のリミットマップM7により規定される、操舵角θsに応じた個別の制限値(IUL3 ,ILL3 )には、仮想エンド制御量I に対する個別の制限値(IUL3−2 ,ILL3−2 )が反映されている。
このようにしても、操舵角θsに応じた個別の制限値(IUL3 ,ILL3 )を、仮想エンド制御量I を考慮しつつ適切に演算することができる。また、操舵角感応リミッタ93,103として、第1の演算部(93a,103a)および第2の演算部(93b,103b)のいずれか一、および加算器(93c,103c)を割愛した構成を採用することができる。このため、操舵角感応リミッタ93,103の構成を簡単にすることができる。また、第7のリミットマップM7を使用することにより、第1の演算部(93a,103a)の演算結果と第2の演算部(93b,103b)の演算結果とを加算する演算が不要となる。このため、操舵角θsに応じた個別の制限値(IUL3 ,ILL3 )を、より簡単に演算することができる。
<第3の実施の形態>
つぎに、操舵制御装置の第3の実施の形態を説明する。
第1の実施の形態では、操舵角感応リミッタ93,103は、操舵角θsに応じて、アシスト制御量Ias に対する個別の制限値(IUL3−1 ,ILL3−1 )および仮想エンド制御量I に対する個別の制限値(IUL3−2 ,ILL3−2 )を演算したが、つぎのようにしてもよい。すなわち、アシスト制御量Ias に対する個別の制限値(IUL3−1 ,ILL3−1 )、および仮想エンド制御量I に対する個別の制限値(IUL3−2 ,ILL3−2 )を、それぞれ別の演算部により演算する。
図16に示すように、上限値演算部90には、操舵角感応リミッタ93に加えて、仮想エンド制御量用の操舵角感応リミッタ99が設けられている。下限値演算部100には、操舵角感応リミッタ103に加えて、仮想エンド制御量用の操舵角感応リミッタ109が設けられている。
操舵角感応リミッタ93,103は、図10のグラフに示される第3のリミットマップM3を使用して、アシスト制御量Ias に対する操舵角θsに応じた個別の制限値(IUL3−1 ,ILL3−1 )を演算する。第3のリミットマップM3に基づき演算される個別の制限値(IUL3−1 ,ILL3−1 )は、加算器96,106へ供給される。
操舵角感応リミッタ99,109は、図13のグラフに示される第6のリミットマップM6を使用して、仮想エンド制御量I に対する個別の制限値(IUL3−2 ,ILL3−2 )を操舵角θsに応じて演算する。第6のリミットマップM6に基づき演算される個別の制限値(IUL3−2 ,ILL3−2 )は、加算器96,106へ供給される。
このようにしても、アシスト制御量Ias に対する最終的な制限値(IUL ,ILL )には、アシスト制御量Ias に対する操舵角θsに応じた個別の制限値(IUL3−1 ,ILL3−1 )、および仮想エンド制御量I に対する個別の制限値(IUL3−2 ,ILL3−2 )がいずれも反映される。したがって、異常値を示す過大な仮想エンド制御量I が演算される場合であれ、アシスト制御量Ias を適切に制限することができる。
<他の実施の形態>
なお、各実施の形態は、つぎのように変更して実施してもよい。
・本例では、仮想エンド制御部87はアシスト制御部71の構成要素として設けたが、アシスト制御部71とは別の構成要素として設けてもよい。仮想エンド制御部87により演算される仮想エンド制御量I がアシスト制御部71により演算されるアシスト制御量Ias に加算されればよい。
・本例では、ステアリングシャフト22にアシスト力を付与するタイプの電動パワーステアリング装置にECU40を適用した例を挙げたが、たとえばラック軸23にアシスト力を付与するタイプの電動パワーステアリング装置にECU40を適用してもよい。
20…操舵機構、31…モータ、40…ECU(操舵制御装置)、71…アシスト制御部、72…上下限リミット演算部(制限値演算部)、73…上下限ガード処理部(制限処理部)、87…仮想エンド制御部(補正制御部)、91,101…操舵トルク感応リミッタ(状態量感応演算部)、92,102…操舵トルク微分値感応リミッタ(状態量感応演算部)、93,103…操舵角感応リミッタ(状態量感応演算部、操舵角感応演算部、第1の操舵角感応演算部)、93a,103a…第1の演算部、93b,103b…第2の演算部、93c,103c…加算器(第3の演算部)、94,104…操舵角速度感応リミッタ(状態量感応演算部)、95,105…操舵角加速度感応リミッタ(状態量感応演算部)、96,106…加算器(最終制限値演算部)、97…上限値保持部、98…上限値切替部、99…操舵角感応リミッタ(第2の操舵角感応演算部)、107…下限値保持部、108…下限値切替部、M7…第7のリミットマップ。

Claims (6)

  1. 操舵トルクおよび操舵角を含む複数種の状態量に基づき、車両の操舵機構に付与するアシスト力の発生源であるモータへの給電を制御するためのアシスト制御量を演算するアシスト制御部と、
    操舵角が、前記操舵機構の構成要素であるステアリングホイールの物理的な操作範囲の限界位置の近傍値に達したとき、操舵トルクを急増させるために前記アシスト制御量に対する補正量を演算する補正制御を実行する補正制御部と、
    前記複数種の状態量に応じて前記アシスト制御量の変化範囲を制限する制限値を前記状態量ごとに個別に設定するとともに、これら制限値を合算することにより前記アシスト制御量に対する最終的な制限値を演算する制限値演算部と、
    前記制限値演算部により演算される前記アシスト制御量に対する最終的な制限値に基づき前記アシスト制御量の変化範囲を制限する制限処理部と、を備え、
    前記制限値演算部は、操舵角に応じて前記補正量に対する個別の制限値を設定し、当該設定される前記補正量に対する個別の制限値を加味して前記最終的な制限値を演算するとともに、前記補正制御が実行されるとき、その実行直前の操舵トルクに応じた個別の制限値を前記最終的な制限値の演算に使用する操舵制御装置。
  2. 請求項1に記載の操舵制御装置において、
    前記制限値演算部は、操舵トルクに応じた個別の制限値が使用されるたびに当該使用された操舵トルクに応じた個別の制限値を保持する保持部と、
    前記補正制御の実行有無に応じて、前記最終的な制限値の演算に使用する前記操舵トルクに応じた個別の制限値を、今回演算された個別の制限値と、前記保持部に保持されている前回演算された個別の制限値との間で切り替える切替部と、を有している操舵制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の操舵制御装置において、
    前記補正制御部は、前記補正制御の実行有無に応じてフラグの値をセットし、前記制限値演算部は、前記フラグの値に基づき前記補正制御の実行有無を認識する操舵制御装置。
  4. 請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の操舵制御装置において、
    前記制限値演算部は、操舵角感応演算部を有し、
    前記操舵角感応演算部は、操舵角に応じて前記アシスト制御量に対する個別の制限値を演算する第1の演算部と、
    操舵角に応じて前記補正量に対する個別の制限値を演算する第2の演算部と、
    前記第1の演算部により演算される個別の制限値と前記第2の演算部により演算される個別の制限値とを合算することにより、操舵角に応じた最終的な個別の制限値を演算する第3の演算部と、を有している操舵制御装置。
  5. 請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の操舵制御装置において、
    前記制限値演算部は、前記状態量に応じて前記アシスト制御量に対する個別の制限値を演算する複数の状態量感応演算部と、
    前記複数の状態量感応演算部により演算される個別の制限値を合算することにより前記アシスト制御量に対する最終的な制限値を演算する最終制限値演算部と、を有し、
    前記複数の状態量感応演算部は、操舵角に応じて前記アシスト制御量に対する個別の制限値を演算する第1の操舵角感応演算部と、
    操舵角に応じて前記補正量に対する個別の制限値を演算する第2の操舵角感応演算部と、を含む操舵制御装置。
  6. 請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の操舵制御装置において、
    前記制限値演算部は、操舵角と前記アシスト制御量に対する個別の制限値との関係を規定するマップに基づき、操舵角に応じた個別の制限値を演算する操舵角感応演算部を有し、
    前記マップにより規定される個別の制限値は、前記アシスト制御量に対する補正量を加味して設定されている操舵制御装置。
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