JP2020124988A - 操舵制御装置 - Google Patents

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厚二 安樂
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Abstract

【課題】操舵フィーリングの低下を抑制できる操舵制御装置を提供する。【解決手段】電流指令値演算部51は、増減量Aiを演算する増減量演算部81と、下限値Ilolを演算する下限値演算部83と、γ軸電流指令値Iγ*の前回値を増減させることにより、γ軸電流指令値Iγ*を演算する増減処理部84とを備える。下限値演算部83は、横加速度LAと下限値Ilolとの関係を定めたマップを参照することにより横加速度LAに応じた下限値Ilolを演算する。増減処理部84は、γ軸電流指令値Iγ*の前回値に今回の演算周期で入力された増減量Aiを加算した仮のγ軸電流指令値Iγ*を演算する。そして、増減処理部84は、増減処理部84は、仮のγ軸電流指令値Iγ*の絶対値が下限値Ilolよりも小さい場合には、絶対値が下限値Ilolとなり、符号が仮のγ軸電流指令値Iγ*と同一の値をγ軸電流指令値Iγ*として演算する。【選択図】図5

Description

本発明は、操舵制御装置に関する。
従来、モータを駆動源とするアシスト機構により、車両の操舵機構にステアリング操作を補助するためのアシストトルクを付与する電動パワーステアリング装置(EPS)が知られている。近年、EPSのモータには、ブラシレスモータが採用されることが多くなっている。そして、EPSを制御対象とする操舵制御装置では、レゾルバ等の回転角センサによりモータの電気角を検出し、この検出電気角に基づいてアシストトルクの目標値に応じた電流指令値に実電流値が追従するように電流フィードバック制御を行うことにより、モータが出力するモータトルクを制御する。
こうした操舵制御装置として、例えば回転角センサの故障時等において、該センサにより検出される検出電気角を用いる替わりに、モータで発生する誘起電圧に基づいて推定する推定電気角に基づいて電流フィードバック制御を行う所謂センサレス制御を実行するものがある(例えば、特許文献1)。
特開2012−235559号公報
ところで、上記のような操舵制御装置では、運転者により操舵機構に入力される操舵トルクに基づいて電流指令値を演算している。ここで、車両がある程度の車速で旋回している場合、転舵輪が路面から受ける反力が大きくなるため、運転者は比較的大きな操舵トルクを入力している状態となり、当該操舵トルクに応じた比較的大きなアシストトルクが付与される状態となる。
このように比較的大きなアシストトルクが必要な状態において、例えば転舵輪に運転者の意図しない瞬間的なグリップロスが生じると、操舵機構に設けられたトルクセンサにより検出される操舵トルクが瞬間的に小さくなる。その結果、当該操舵トルクに基づいて付与されるアシストトルクが小さくなり、操舵フィーリングの低下を招くおそれがある。
本発明の目的は、操舵フィーリングの低下を抑制できる操舵制御装置を提供することにある。
上記課題を解決する操舵制御装置は、モータを駆動源とするアシスト機構により操舵機構にステアリング操作を補助するためのアシストトルクを付与する操舵装置を制御対象とし、モータ制御信号を生成するマイコンと、前記モータ制御信号に基づいて前記モータに駆動電力を供給する駆動回路とを備え、前記マイコンは、前記アシストトルクの目標値に応じた電流指令値を演算する電流指令値演算部と、前記電流指令値に実電流値を追従させる電流フィードバック制御の実行により前記モータ制御信号を生成するモータ制御信号生成部とを備え、前記モータ制御信号生成部は、前記モータの電気角を検出する回転角センサの正常時には、該回転角センサから出力される検出電気角に基づいて前記電流フィードバック制御を行い、前記回転角センサの異常時には、前記操舵機構に入力される操舵トルク及び前記モータに発生する誘起電圧値のいずれか一方に基づいて演算される推定電気角に基づいて前記電流フィードバック制御を行うものであって、前記電流指令値演算部は、前記推定電気角に基づく電流フィードバック制御の実行時において、車両が旋回している状態では、前記電流指令値の絶対値が該車両の転舵輪に作用する路面反力に応じた下限値を下回らないようにガードする。
上記構成によれば、推定電気角に基づく電流フィードバック制御の実行時において、車両が旋回している状態では電流指令値の絶対値が下限値を下回らないようにガードされるため、例えば運転者の意図しない瞬間的なグリップロスにより検出される操舵トルクが小さくなっても、モータから付与されるアシストトルクが小さくなることを抑制できる。これにより、操舵フィーリングの低下を抑制できる。
上記操舵制御装置において、前記下限値は、車両の旋回状態の緩急を示す旋回状態値の増大に基づいて大きくなるように変更されることが好ましい。
車両の旋回状態が急激であるほど、必要なアシストトルクは大きくなるため、上記構成のように旋回状態値の増大に基づいて下限値を大きくすることで、操舵フィーリングの低下を好適に抑制できる。
上記操舵制御装置において、前記電流指令値演算部は、車両が旋回している状態で前記検出電気角に基づく電流フィードバック制御から前記推定電気角に基づく電流フィードバック制御へ移行する際には、前記電流指令値の絶対値を旋回状態にある車両の前記転舵輪に作用する路面反力に応じた旋回時電流指示値に維持することが好ましい。
上記構成によれば、車両が旋回している状態で回転角センサに異常が生じた場合にも、運転者の意図しない瞬間的なグリップロス等によって操舵フィーリングが低下することを抑制できる。
本発明によれば、操舵フィーリングの低下を抑制できる。
操舵装置の概略構成図。 操舵制御装置のブロック図。 マイコンのブロック図。 回転角推定部のブロック図。 回転角センサの異常時における電流指令値演算部のブロック図。 電流指令値演算部による電流指令値演算の処理手順を示すフローチャート。
以下、操舵制御装置の一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、操舵制御装置1の制御対象となる操舵装置2は、電動パワーステアリング装置(EPS)として構成されている。操舵装置2は、運転者によるステアリングホイール3の操作に基づいて転舵輪4を転舵させる操舵機構5と、操舵機構5にステアリング操作を補助するためのアシストトルクを付与するアシスト機構6とを備えている。
操舵機構5は、ステアリングホイール3が固定されるステアリングシャフト11と、ステアリングシャフト11に連結された転舵軸としてのラック軸12と、ラック軸12が往復動可能に挿通されるラックハウジング13と、ステアリングシャフト11の回転をラック軸12の往復動に変換するラックアンドピニオン機構14とを備えている。なお、ステアリングシャフト11は、ステアリングホイール3が位置する側から順にコラム軸15、中間軸16、及びピニオン軸17を連結することにより構成されている。
ラック軸12とピニオン軸17とは、ラックハウジング13内に所定の交差角をもって配置されている。ラックアンドピニオン機構14は、ラック軸12に形成されたラック歯12aとピニオン軸17に形成されたピニオン歯17aとが噛合されることにより構成されている。また、ラック軸12の両端には、その軸端部に設けられたボールジョイントからなるラックエンド18を介してタイロッド19がそれぞれ回動自在に連結されている。タイロッド19の先端は、転舵輪4が組付けられた図示しないナックルに連結されている。したがって、操舵装置2では、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト11の回転がラックアンドピニオン機構14によりラック軸12の軸方向移動に変換され、この軸方向移動がタイロッド19を介してナックルに伝達されることにより、転舵輪4の転舵角、すなわち車両の進行方向が変更される。
アシスト機構6は、駆動源であるモータ21と、モータ21に連結されるとともにコラム軸15に連結されたウォームアンドホイール等の減速機構22とを備えている。そして、アシスト機構6は、モータ21の回転を減速機構22により減速してコラム軸15に伝達することによって、モータトルクをアシストトルクとして操舵機構5に付与する。なお、本実施形態のモータ21には、三相のブラシレスモータが採用されている。
操舵制御装置1は、モータ21に接続されており、その作動を制御する。なお、操舵制御装置1は、図示しない中央処理装置(CPU)やメモリを備えており、所定の演算周期ごとにメモリに記憶されたプログラムをCPUが実行する。操舵制御装置1には、各種のセンサが接続されている。各種のセンサとしては、例えばトルクセンサ31、車速センサ32、横加速度センサ33及び回転角センサ34がある。トルクセンサ31は、運転者の操舵によりステアリングシャフト11に付与された操舵トルクThを検出する。なお、トルクセンサ31は、コラム軸15に設けられており、トーションバー35の捩れに基づいて操舵トルクThを検出する。車速センサ32は、車両の走行速度である車速SPDを検出する。横加速度センサ33は、車両の左右方向に作用する加速度である旋回状態値としての横加速度LAを検出する。回転角センサ34は、モータ21の回転角を360°の範囲内の検出電気角θmaとして検出する。なお、操舵トルクTh及び検出電気角θmaは、一方向(本実施形態では、右)に操舵した場合に正の値、他方向(本実施形態では、左)に操舵した場合に負の値として検出する。そして、操舵制御装置1は、これら各センサから入力される各状態量に基づいて、モータ21に駆動電力を供給することにより、アシスト機構6の作動、すなわち操舵機構5にラック軸12を往復動させるべく付与するアシストトルクを制御する。
次に、操舵制御装置1の構成について説明する。
図2に示すように、操舵制御装置1は、モータ制御信号を生成するマイコン41と、モータ制御信号に基づいてモータ21に駆動電流を供給する駆動回路42とを備えている。マイコン41には、操舵トルクTh、車速SPD、横加速度LA及び検出電気角θmaが入力される。また、マイコン41には、駆動回路42とモータ21との間の給電線W1u〜W1wに設けられた電流センサ43u〜43wにより検出されるモータ21の各相電流値Iu〜Iwが入力される。さらに、マイコン41には、マイコン41と駆動回路42との間の信号線W2u〜W2wに設けられた電圧センサ44u〜44wにより検出されるモータ21の各相端子電圧値Vu〜Vwが入力される。そして、マイコン41は、これらの各状態量に基づいて、駆動回路42をPWM(パルス幅変調)駆動させるPWM駆動信号α1〜α6をモータ制御信号として生成し、駆動回路42に出力する。
駆動回路42は、複数のスイッチング素子T1〜T6を有している。本実施形態の駆動回路42は、スイッチング素子T1,T2、スイッチング素子T3,T4、及びスイッチング素子T5,T6の各組の直列回路を基本単位であるスイッチングアームとし、各スイッチングアームを並列に接続してなる周知の三相インバータとして構成されている。スイッチング素子T1,T2の中点Pu、スイッチング素子T3,T4の中点Pv、及びスイッチング素子T5,T6の中点Pwは、給電線W1u〜W1wを介してモータ21の各相のコイル45u〜45wにそれぞれ接続されている。駆動回路42は、マイコン41が出力するPWM駆動信号α1〜α6が対応するスイッチング素子T1〜T6のゲート端子に対してそれぞれ印加され、これらスイッチング素子T1〜T6のオンオフが切り替えられることによって、車載電源Bから供給される直流電圧を三相の交流電圧に変換する。これにより、給電線W1u〜W1wを介して三相交流電圧がモータ21の各相のコイル45u〜45wに供給され、アシストトルクが操舵機構5に付与される。
次に、マイコン41の構成について説明する。
図3に示すように、マイコン41は、所定の演算周期毎に以下の各制御ブロックに示される各演算処理を実行して、モータ制御信号であるPWM駆動信号α1〜α6を生成する。詳しくは、マイコン41は、アシストトルクの目標値である目標アシストトルクに応じた電流指令値を演算する電流指令値演算部51と、電流指令値に実電流値を追従させる電流フィードバック制御の実行によりPWM駆動信号α1〜α6を生成するモータ制御信号生成部52とを備えている。また、マイコン41は、モータ21の電気角の推定値である推定電気角θmbを演算する回転角推定部53と、検出電気角θmaに基づいて回転角センサ34の異常を検出する異常検出部54と、回転角センサ34の状態に応じて検出電気角θma及び推定電気角θmbのいずれか一方をモータ電気角θmとして選択する回転角選択部55とを備えている。そして、マイコン41は、回転角センサ34の正常時には、モータ電気角θmとなる検出電気角θmaに基づいて電流フィードバック制御を行い、回転角センサ34の異常時には、モータ電気角θmとなる推定電気角θmbに基づいて電流フィードバック制御を行う。つまり、マイコン41は、回転角センサ34に異常が生じた場合、検出電気角θmaを用いる替わりに、推定電気角θmbを用いてモータ21の作動を継続して制御すべく、バックアップ制御としてセンサレス制御を実行する。
まず、モータ電気角θmの演算に係る構成について説明する。
異常検出部54には、検出電気角θmaが入力される。異常検出部54は、検出電気角θmaに基づいて、回転角センサ34で正常な値を検出できなくなる異常が生じた旨を示す異常検出信号Seを生成する。例えば、異常検出部54は、検出電気角θmaの今回値と前回値との差の絶対値が予め定められた許容範囲を逸脱する場合に異常を検出する。許容範囲は、マイコン41の演算周期や、回転角センサ34のセンサ公差を考慮して、異常を検出することができる範囲に設定されている。
回転角選択部55には、検出電気角θma及び異常検出信号Seに加え、後述するように回転角推定部53において演算された推定電気角θmbが入力される。回転角選択部55は、異常が生じた旨の異常検出信号Seが入力されず、回転角センサ34で異常が生じていない場合、検出電気角θmaをモータ電気角θmとして演算する。一方、回転角選択部55は、異常が生じた旨の異常検出信号Seが入力され、回転角センサ34で異常が生じている場合、回転角センサ34の検出結果である検出電気角θmaを制御用の電気角として用いる替わりに、推定電気角θmbをモータ電気角θmとして演算する。
回転角推定部53には、各相端子電圧値Vu〜Vw、操舵トルクTh、及び各相電流値Iu〜Iwがそれぞれ入力される。回転角推定部53は、これらの各状態量に基づいて推定電気角θmbを演算する。
図4に示すように、回転角推定部53は、モータ21で発生する誘起電圧値Eに基づいて推定電気角θmbを推定するべく第1加算角度Δθm1を演算する第1推定電気角演算部61と、操舵トルクThに基づいて推定電気角θmbを推定するべく第2加算角度Δθm2を演算する第2推定電気角演算部62とを備えている。また、回転角推定部53は、第1推定電気角演算部61及び第2推定電気角演算部62のいずれの演算結果を用いて推定電気角θmbを演算するかを切り替える切り替え部63と、第1加算角度Δθm1及び第2加算角度Δθm2のいずれかを積算することにより推定電気角θmbを演算する積算部64とを備えている。
詳しくは、回転角推定部53は、誘起電圧値Eを演算するための相誘起電圧値演算部65及び誘起電圧値演算部66を備えている。相誘起電圧値演算部65には、各相電流値Iu〜Iw、及び各相端子電圧値Vu〜Vwがそれぞれ入力される。相誘起電圧値演算部65は、各相電流値Iu〜Iw、各相端子電圧値Vu〜Vw、及び予め設定されたコイル45u〜45wの抵抗値に基づいて、電圧方程式を用いることにより、三相交流座標系における各相誘起電圧値eu,ev,ewを演算する。誘起電圧値演算部66には、各相誘起電圧値eu,ev,eW及び推定電気角θmbの前回値、すなわち一演算周期前に演算された値が入力される。誘起電圧値演算部66は、推定電気角θmbの前回値に基づいて、各相誘起電圧値eu,ev,ewをδ/γ座標系上の値に変換し、2相の誘起電圧値eδ,eγを演算する。そして、誘起電圧値演算部66は、2相の誘起電圧値eδ,eγの2乗和の平方根を誘起電圧値(絶対値)Eとして演算する。
また、回転角推定部53は、角速度演算部67を有している。角速度演算部67には、誘起電圧値Eが入力される。角速度演算部67は、誘起電圧値Eに基づいて、モータ21の検出電気角θmaの変化であるモータ21の角速度、すなわち回転速度の推定値である推定角速度ωeを演算し、第1推定電気角演算部61に出力する。なお、誘起電圧値Eと推定角速度ωeとは、比例関係を有しており、誘起電圧値Eを予め定めた誘起電圧定数で除算して得られる値が推定角速度ωeである。
第1推定電気角演算部61は、推定角速度ωeに基づいて、一演算周期における推定電気角θmbの変化量を示す第1加算角度Δθm1を演算する。本実施形態の第1推定電気角演算部61には、操舵トルクThも入力されており、操舵トルクThの符号をモータ21の回転方向とみなして、第1加算角度Δθm1の符号を設定する。
第2推定電気角演算部62には、操舵トルクThが入力される。第2推定電気角演算部62は、操舵トルクThに基づいて、一演算周期における推定電気角θmbの変化量を示す第2加算角度Δθm2を演算して生成する。具体的には、第2推定電気角演算部62には、操舵トルクThと第2加算角度Δθm2との関係を示すマップが設けられている。そして、第2推定電気角演算部62は、同マップを参照することにより第2加算角度Δθm2を演算し、操舵トルクThの符号に基づいて、第2加算角度Δθm2の符号を設定する。なお、マップの一例として、操舵トルクThの絶対値が所定の第1トルクTh1以下の領域では第2加算角度Δθm2がゼロとなり、操舵トルクThが第1トルクTh1よりも大きく第2トルクTh2以下の領域では操舵トルクThの増加に比例して増加し、第2トルクTh2よりも大きな領域では一定値となるように設定できる。
切り替え部63には、誘起電圧値Eが入力される。切り替え部63は、誘起電圧値Eが電圧閾値Ethよりも大きい場合、第1加算角度Δθm1を推定電気角θmbに加算するように設定する。また、切り替え部63は、誘起電圧値Eが電圧閾値Eth以下の場合、第2加算角度Δθm2を推定電気角θmbに加算するように設定する。なお、本実施形態の電圧閾値Ethは、誘起電圧値Eに応じて演算される推定角速度ωeに対応する運転者の操舵速度ωsが低い低操舵速度状態であるとして経験的に求められる範囲の値に設定される。つまり、誘起電圧値Eが電圧閾値Eth以下の所定値の状況である低操舵速度状態としては、誘起電圧値Eが小さく、誘起電圧値Eに基づき推定電気角θmbを推定する精度が低い状態を想定している。一方、誘起電圧値Eが電圧閾値Ethよりも大きい上記所定値以外の状況である低操舵速度状態でない通常操舵速度状態としては、誘起電圧値Eが大きく、誘起電圧値Eに基づき推定電気角θmbを推定する精度が高い状態を想定している。
積算部64には、第1加算角度Δθm1及び第2加算角度Δθm2のいずれかが入力される。積算部64は、その記憶部64aに記憶された推定電気角θmbの前回値に対して入力された加算角度を積算することにより、推定電気角θmbを演算して生成する。
このように図3に示すマイコン41は、モータ21の駆動を制御する間、回転角センサ34が正常である場合には、検出電気角θmaをモータ電気角θmとして演算し、回転角センサ34で異常が生じた場合、推定電気角θmbをモータ電気角θmとして演算する。
次に、電流指令値に基づくモータ制御信号の生成について説明する。
電流指令値演算部51には、操舵トルクTh、車速SPD、横加速度LA及び異常検出信号Seが入力される。そして、電流指令値演算部51は、異常が生じた旨の異常検出信号Seが入力されず、回転角センサ34で異常が生じていない場合、操舵トルクTh及び車速SPDに基づいて、後述するようにd/q座標系におけるd軸電流指令値Id*及びq軸電流指令値Iq*を演算する。一方、電流指令値演算部51は、異常が生じた旨の異常検出信号Seが入力され、回転角センサ34で異常が生じている場合、後述するように操舵トルクTh、車速SPD及び横加速度LAに基づいて、δ/γ座標系におけるδ軸電流指令値Iδ*及びγ軸電流指令値Iγ*を演算する。ここでは、電流指令値演算部51の制御態様として、d軸電流指令値Id*及びq軸電流指令値Iq*を演算する場合を通常制御といい、δ軸電流指令値Iδ*及びγ軸電流指令値Iγ*を演算する場合をバックアップ制御という。また、本実施形態の電流指令値演算部51は、異常が生じた旨の異常検出信号Seが入力された時点からバックアップ制御を実行するまでの間、車速SPD及び横加速度LAに基づいて、δ軸電流指令値Iδ*及びγ軸電流指令値Iγ*を演算する移行時制御を行う。
なお、d/q座標系は、検出電気角θmaに従う二相回転座標系であって、ロータに設けられた界磁の作る磁束に沿う方向のd軸と、このd軸に直交したq軸とにより規定されるものである。また、δ/γ座標系は、推定電気角θmbに従う二相回転座標系であって、ロータに設けられた界磁の作る磁束に沿う方向のδ軸と、このδ軸に直交したγ軸により規定されるものである。つまり、d/q座標系とδ/γ座標系とは、座標系の回転角度が検出値であるか推定値であるかの違いを示す便宜的なものであり、モータ21の制御上、d軸電流指令値Id*とδ軸電流指令値Iδ*、q軸電流指令値Iq*とγ軸電流指令値Iγ*は、それぞれ同様の性質のものである。
モータ制御信号生成部52には、d軸電流指令値Id*及びq軸電流指令値Iq*、又はδ軸電流指令値Iδ*及びγ軸電流指令値Iγ*が入力される。また、モータ制御信号生成部52には、各相電流値Iu〜Iw及びモータ電気角θmが入力される。そして、モータ制御信号生成部52は、d軸電流指令値Id*及びq軸電流指令値Iq*が入力される場合には、d/q座標系における電流フィードバック制御の実行、すなわち検出電気角θmaに基づく電流フィードバック制御の実行によりPWM駆動信号α1〜α6を生成する。また、モータ制御信号生成部52は、δ軸電流指令値Iδ*及びγ軸電流指令値Iγ*が入力される場合には、δ/γ座標系における電流フィードバック制御の実行、すなわち推定電気角θmbに基づく電流フィードバック制御の実行によりPWM駆動信号α1〜α6を生成する。
上記のようにd/q座標系とδ/γ座標系との違いは便宜的なものであり、モータ制御信号生成部52は、電流指令値演算部51の制御態様に関係なく、回転角センサ34の正常時と異常時ともに同様の処理を行う。そのため、以下では、d/q座標系における電流フィードバック制御について説明し、δ/γ座標系における電流フィードバック制御の説明は省略する。なお、説明の便宜上、図4では、δ軸及びγ軸上の制御量を括弧書きで示している。
詳しくは、モータ制御信号生成部52は、三相二相変換部71、フィードバック制御部(以下「F/B制御部」という)72、二相三相変換部73、及びPWM変換部74を備えている。三相二相変換部71には、各相電流値Iu〜Iw及びモータ電気角θmが入力される。三相二相変換部71は、モータ電気角θmに基づいて、各相電流値Iu〜Iwをd/q座標上に写像することによって、d/q座標系におけるモータ21の実電流値であるd軸電流値Id及びq軸電流値Iqを演算する。
F/B制御部72には、減算器75においてd軸電流指令値Id*からd軸電流値Idを減算することによって得られる電流偏差ΔId、及び減算器76においてq軸電流指令値Iq*からq軸電流値Iqを減算することによって得られる電流偏差ΔIqが入力される。が入力される。F/B制御部72は、d軸電流値Id及びq軸電流値Iqをそれぞれd軸電流指令値Id*及びq軸電流指令値Iq*に追従させるべく、電流偏差ΔId,ΔIqに基づく電流フィードバック制御を実行することによって、d軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*を演算する。なお、電流フィードバック制御としては、例えばPID(比例積分微分)制御を採用できる。
二相三相変換部73には、d軸電圧指令値Vd*、q軸電圧指令値Vq*、及びモータ電気角θmとがそれぞれ入力される。二相三相変換部73は、モータ電気角θmに基づいて、d軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*を三相の交流座標系上に写像することによって、各相電圧指令値Vu*〜Vw*を演算する。
PWM変換部74には、各相電圧指令値Vu*〜Vw*が入力される。PWM変換部74は、各相電圧指令値Vu*〜Vw*をPWM変換することによって、PWM駆動信号α1〜α6を生成する。このように生成されたPWM駆動信号α1〜α6は、上記駆動回路42に出力される。
次に、電流指令値演算部51による通常制御について説明する。
電流指令値演算部51は、車速SPD及び操舵トルクThに基づいてd軸電流指令値Id*及びq軸電流指令値Iq*を演算する。具体的には、電流指令値演算部51は、操舵トルクThの絶対値が大きくなるほど、また車速SPDが低くなるほど、より大きな絶対値を有するq軸電流指令値Iq*を演算する。なお、d軸電流指令値Id*は、基本的にゼロに設定される。
次に、電流指令値演算部51によるバックアップ制御について説明する。
電流指令値演算部51は、車速SPD、操舵トルクTh及び横加速度LAに基づいてδ軸電流指令値Iδ*及びγ軸電流指令値Iγ*を演算する。
詳しくは、図5に示すように、電流指令値演算部51は、γ軸電流指令値Iγ*の前回値に対する増減量Aiを演算する増減量演算部81と、γ軸電流指令値Iγ*の絶対値の上限値Iuplを演算する上限値演算部82と、γ軸電流指令値Iγ*の絶対値の下限値Ilolを演算する下限値演算部83とを備えている。また、電流指令値演算部51は、γ軸電流指令値Iγ*の前回値を増減させることにより、γ軸電流指令値Iγ*を演算する増減処理部84を備えている。
増減量演算部81には、減算器85において操舵トルクThからトルク指令値Th*を減算したトルク偏差ΔThが入力される。なお、本実施形態のトルク指令値Th*は、基本的にゼロに設定される。増減量演算部81は、トルク偏差ΔThと増減量Aiとの関係を定めたマップを備えており、同マップを参照することによりトルク偏差ΔThに応じた増減量Aiを演算する。マップには、トルク偏差閾値Tthが予め設定されている。そして、増減量演算部81は、トルク偏差ΔThの絶対値がトルク偏差閾値Tth以下の場合には、増減量Aiとして負の一定値を演算し、トルク偏差ΔThがトルク偏差閾値Tthを超えると、増減量Aiとして正の一定値を演算する。なお、トルク偏差閾値Tthは、運転者が入力する操舵トルクThが小さく、車両がほぼ直進するような値に設定されている。このように演算された増減量Aiは、増減処理部84に出力される。
上限値演算部82には、車速SPDが入力される。上限値演算部82は、車速SPDと上限値Iuplとの関係を定めたマップを備えており、同マップを参照することにより車速SPDに応じた上限値Iuplを演算する。マップは、車速SPDがゼロの場合、すなわち車両が停車している状態では、上限値Iuplがゼロとなるように設定されている。また、同マップは、車速SPDの増大に基づいて急激に増加し、車両が低速で走行している状態で上限値Iuplが最も大きくなる。また、同マップは、車速SPDが低速で走行していることを示す値からさらに増大すると、車速SPDの増大に基づいて徐々に減少するように設定されている。このように演算された上限値Iuplは、増減処理部84に出力される。
下限値演算部83には、横加速度LAが入力される。下限値演算部83は、横加速度LAと下限値Ilolとの関係を定めたマップを備えており、同マップを参照することにより横加速度LAに応じた下限値Ilolを演算する。マップには、予め第1横加速度閾値LA1及び第2横加速度閾値LA2が設定されている。下限値演算部83は、横加速度LAの絶対値が第1横加速度閾値LA1未満の場合には、下限値Ilolをゼロと演算する。また、下限値演算部83は、横加速度LAの絶対値が第1横加速度閾値LA1を超えると、横加速度LAの絶対値の増大に基づいてより大きな下限値Ilolを演算し、横加速度LAの絶対値が第2横加速度閾値LA2超えると、一定の最大値Imaxとなるように演算する。このように演算された下限値Ilolは、増減処理部84に出力される。
なお、第1横加速度閾値LA1は、車両が旋回している状態である場合に生じる最低限の横加速度を示す値であり、予め実験等により得られた結果に基づいて設定されている。また、第2横加速度閾値LA2は、車両がスリップ等を起こさずに旋回可能な車速SPD及び転舵輪4の転舵角で急旋回している状態である場合に生じる横加速度を示す値であり、予め実験等により得られた結果に基づいて設定されている。また、最大値Imaxは、車両が急旋回している場合に転舵輪4に作用する路面反力に対して、十分なアシストトルクを付与できるような電流値であり、予め実験等により得られた結果に基づいて設定されている。ここで、車両に生じる横加速度LAは、転舵角が一定の場合、車速SPDに応じて決まり、車速SPDの増大に基づいて大きくなるが、車速SPDがある程度以上大きくなると、例えば車両がスリップすることで、それ以上は大きくならない。そして、下限値Ilolの最大値Imaxは、車速SPDが中程度の場合における上限値Iuplの値よりも小さくなり、下限値Ilolが上限値Iuplよりも大きくならないように設定されている。
増減処理部84には、増減量Ai、上限値Iupl及び下限値Ilolが入力される。また、増減処理部84には、前回の演算周期で演算したγ軸電流指令値Iγ*を記憶する記憶部84aが設けられている。増減処理部84は、γ軸電流指令値Iγ*の前回値に今回の演算周期で入力された増減量Aiを加算した仮のγ軸電流指令値Iγ*を演算する。続いて、増減処理部84は、仮のγ軸電流指令値Iγ*の絶対値が上限値Iupl以下であり、かつ下限値Ilol以上であるか否かを判定する。そして、増減処理部84は、仮のγ軸電流指令値Iγ*の絶対値が上限値Iupl以下であり、かつ下限値Ilol以上である場合には、当該仮のγ軸電流指令値Iγ*をそのままγ軸電流指令値Iγ*として演算する。一方、増減処理部84は、仮のγ軸電流指令値Iγ*の絶対値が上限値Iuplよりも大きい場合には、絶対値が上限値Iuplとなり、符号が仮のγ軸電流指令値Iγ*と同一の値をγ軸電流指令値Iγ*として演算する。また、増減処理部84は、仮のγ軸電流指令値Iγ*の絶対値が下限値Ilolよりも小さい場合には、絶対値が下限値Ilolとなり、符号が仮のγ軸電流指令値Iγ*と同一の値をγ軸電流指令値Iγ*として演算する。なお、δ軸電流指令値Iδ*は、基本的にゼロに設定される。
次に、電流指令値演算部51による移行時制御について説明する。
電流指令値演算部51は、異常が生じた旨の異常検出信号Seが入力された演算周期において、車速SPDが車速閾値SPDthよりも大きく、かつ横加速度LAが第3横加速度閾値LA3よりも大きい場合には、絶対値が旋回時電流指令値Iγseとなり、符号が横加速度LAに応じた値をγ軸電流指令値Iγ*として演算する。なお、δ軸電流指令値Iδ*は、基本的にゼロに設定される。
車速閾値SPDthは、車両が停車状態であることを示す小さな値であり、予め設定されている。本実施形態の第3横加速度閾値LA3は、車両がスリップ等を起こさずに旋回可能な車速SPD及び転舵輪4の転舵角で急旋回している状態である場合に生じる横加速度を示す値であり、第2横加速度閾値LA2と同じ値に設定されている。ただし、第3横加速度閾値LA3は、第2横加速度閾値LA2と異なる値に設定してもよく、適宜変更可能である。また、旋回時電流指令値Iγseは、車両が急旋回している場合に転舵輪4に作用する路面反力に対して、十分なアシストトルクを付与できるような電流値であり、下限値Ilolの最大値Imaxと同じ値に設定されている。ただし、旋回時電流指令値Iγseは、最大値Imaxと異なる値に設定してもよく、適宜変更可能である。
詳しくは、図6のフローチャートに示すように、電流指令値演算部51は、各種状態量を取得すると(ステップ101)、異常が生じた旨の異常検出信号Seが入力されたか否かを判定する(ステップ102)。異常が生じた旨の異常検出信号Seが入力されない場合には(ステップ102:NO)、通常制御を実施し、上記のように操舵トルクTh及び車速SPDに基づいてd軸電流指令値Id*及びq軸電流指令値Iq*を演算する(ステップ103)。
一方、電流指令値演算部51は、異常が生じた旨の異常検出信号Seが入力された場合には(ステップ102:YES)、車速SPDが車速閾値SPDthよりも大きいか否かを判定する(ステップ104)。車速SPDが車速閾値SPDthよりも大きい場合には(ステップ104:YES)、横加速度LAが第3横加速度閾値LA3よりも大きいか否かを判定する(ステップ105)。車速SPDが車速閾値SPDth以下の場合(ステップ104:NO)、又は横加速度LAが第3横加速度閾値LA3以下の場合には(ステップ105:NO)、バックアップ制御を実施し、上記のように操舵トルクTh、車速SPD及び横加速度LAに基づいてδ軸電流指令値Iδ*及びγ軸電流指令値Iγ*を演算する(ステップ106)。
これに対し、電流指令値演算部51は、横加速度LAが第3横加速度閾値LA3よりも大きい場合(ステップ105:YES)、移行時制御を実施し、δ軸電流指令値Iδ*を基本的にゼロとするとともに、絶対値が旋回時電流指令値Iγseとなり、横加速度LAの符号に応じたγ軸電流指令値Iγ*を演算する(ステップ107)。
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)電流指令値演算部51は、推定電気角θmbに基づく電流フィードバック制御の実行時において、車両が旋回している状態では、γ軸電流指令値Iγ*の絶対値が旋回状態にある車両の転舵輪4に作用する路面反力に応じた下限値Ilolを下回らないようにガードする。そのため、例えば運転者の意図しない瞬間的なグリップロスにより検出される操舵トルクThが小さくなっても、モータ21から付与されるアシストトルクが小さくなることを抑制できる。これにより、操舵フィーリングの低下を抑制できる。
(2)下限値演算部83は、横加速度LAの増大に基づいて下限値Ilolを大きくする演算をするようにした。ここで、車両の旋回状態が急激であるほど、必要なアシストトルクは大きくなるため、本実施形態のように横加速度LAの増大に基づいて下限値Ilolを大きくすることで、操舵フィーリングの低下を好適に抑制できる。
(3)電流指令値演算部51は、検出電気角θmaに基づく電流フィードバック制御から推定電気角θmbに基づく電流フィードバック制御へ移行する際には、γ軸電流指令値Iγ*の絶対値を旋回時電流指令値Iγseに維持する移行時制御を実行する。そのため、車両が旋回している状態で回転角センサ34に異常が生じた場合にも、運転者の意図しない瞬間的なグリップロス等によって操舵フィーリングが低下することを抑制できる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、横加速度LAに基づいて車両が旋回状態であるか否かを判定したが、これに限らず、例えばヨーレート等の他の状態量に基づいて車両が旋回状態であるか否かを判定してもよい。
・上記実施形態において、上限値演算部82が有するマップの形状は適宜変更可能である。例えば同マップを、車速SPDがゼロの場合に上限値Iuplが最も大きくなり、車速SPDの増大に基づいて減少するように設定してもよい。
・上記実施形態において、下限値演算部83が有するマップの形状は適宜変更可能である。例えば同マップを、横加速度LAが第1横加速度閾値LA1以下の場合には下限値Ilolがゼロとなり、横加速度LAが第1横加速度閾値LA1よりも大きい場合には下限値Ilolが一定の最大値Imaxとなるように設定してもよい。なお、下限値Ilolが上限値Iuplの値よりも大きくなる場合、例えばγ軸電流指令値Iγ*の絶対値が下限値Ilolを下回らないようにガードすることを優先する設定としてもよい。
・上記実施形態では、車速SPDのみに基づいてγ軸電流指令値Iγ*の上限値Iuplを演算したが、これに限らない。例えばモータ21の温度を検出し、モータ21が過熱しないように上限値Iuplを設定してもよい。また、上限値Iuplを設定しなくてもよい。
・上記実施形態では、移行時制御の実行時においてγ軸電流指令値Iγ*の絶対値となる旋回時電流指令値Iγseの値を一定としたが、これに限らず、例えば旋回時電流指令値Iγseの絶対値を横加速度LAに応じて変更してもよい。
・上記実施形態において、電流指令値演算部51が移行時制御を実行せず、回転角センサ34に異常が生じた場合には、直ちにバックアップ制御を実行するようにしてもよい。
・上記実施形態において、電流指令値演算部51がバックアップ制御の実行時にγ軸電流指令値Iγ*の絶対値が横加速度LAに基づく下限値Ilolを下回らないようにガード処理を行わず、移行時制御のみを実行するようにしてもよい。
次に、上記実施形態及び変形例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(イ)モータを駆動源とするアシスト機構により操舵機構にステアリング操作を補助するためのアシストトルクを付与する操舵装置を制御対象とし、モータ制御信号を生成するマイコンと、前記モータ制御信号に基づいて前記モータに駆動電力を供給する駆動回路とを備え、前記マイコンは、前記アシストトルクの目標値に応じた電流指令値を演算する電流指令値演算部と、前記電流指令値に実電流値を追従させる電流フィードバック制御の実行により前記モータ制御信号を生成するモータ制御信号生成部とを備え、前記モータ制御信号生成部は、前記モータの回転角を検出する回転角センサの正常時には、該回転角センサから出力される検出電気角に基づいて前記電流フィードバック制御を行い、前記回転角センサの異常時には、前記操舵機構に入力される操舵トルク及び前記モータに発生する誘起電圧値のいずれか一方に基づいて演算される推定電気角に基づいて前記電流フィードバック制御を行う操舵制御装置であって、前記電流指令値演算部は、車両が旋回している状態で前記検出電気角に基づく電流フィードバック制御から前記推定角に基づく電流フィードバック制御へ移行する場合には、前記電流指令値の絶対値を旋回状態にある車両の転舵輪に作用する路面反力に応じた旋回時電流指示値に維持する操舵制御装置。上記構成によれば、車両が旋回している状態で回転角センサに異常が生じた場合に、運転者の意図しない瞬間的なグリップロス等によって操舵フィーリングが低下することを抑制できる。
(ロ)前記旋回状態値は、車両の横加速度である操舵制御装置。上記構成によれば、車両の旋回状態が急激になると横加速度が大きくなることを踏まえ、車両が旋回状態であるか否かを好適に判定できる。
1…操舵制御装置、2…操舵装置、3…ステアリングホイール、4…転舵輪、5…操舵機構、6…アシスト機構、11…ステアリングシャフト、12…ラック軸、21…モータ、41…マイコン、42…駆動回路、51…電流指令値演算部、52…モータ制御信号生成部、53…回転角推定部、54…異常検出部、55…回転角選択部、81…増減量演算部、82…上限値演算部、83…下限値演算部、84…増減処理部、Ai…増減量、Id*…d軸電流指令値、Iq*…q軸電流指令値、Iδ*…δ軸電流指令値、Iγ*…γ軸電流指令値、Iγse…旋回時電流指令値、Iupl…上限値、Ilol…下限値、Imax…最大値、LA…横加速度、LA1…第1横加速度閾値、LA2…第2横加速度閾値、LA3…第3横加速度閾値、Se…異常検出信号、SPD…車速、Th…操舵トルク、α1〜α6…モータ制御信号としてのPWM駆動信号、θm…モータ電気角、θma…検出電気角、θmb…推定電気角。

Claims (3)

  1. モータを駆動源とするアシスト機構により操舵機構にステアリング操作を補助するためのアシストトルクを付与する操舵装置を制御対象とし、
    モータ制御信号を生成するマイコンと、前記モータ制御信号に基づいて前記モータに駆動電力を供給する駆動回路とを備え、
    前記マイコンは、前記アシストトルクの目標値に応じた電流指令値を演算する電流指令値演算部と、前記電流指令値に実電流値を追従させる電流フィードバック制御の実行により前記モータ制御信号を生成するモータ制御信号生成部とを備え、
    前記モータ制御信号生成部は、前記モータの電気角を検出する回転角センサの正常時には、該回転角センサから出力される検出電気角に基づいて前記電流フィードバック制御を行い、前記回転角センサの異常時には、前記操舵機構に入力される操舵トルク及び前記モータに発生する誘起電圧値のいずれか一方に基づいて演算される推定電気角に基づいて前記電流フィードバック制御を行う操舵制御装置であって、
    前記電流指令値演算部は、前記推定電気角に基づく電流フィードバック制御の実行時において、車両が旋回している状態では、前記電流指令値の絶対値が該車両の転舵輪に作用する路面反力に応じた下限値を下回らないようにガードする操舵制御装置。
  2. 請求項1に記載の操舵制御装置において、
    前記下限値は、車両の旋回状態の緩急を示す旋回状態値の増大に基づいて大きくなるように変更される操舵制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載の操舵制御装置において、
    前記電流指令値演算部は、車両が旋回している状態で前記検出電気角に基づく電流フィードバック制御から前記推定電気角に基づく電流フィードバック制御へ移行する際には、前記電流指令値の絶対値を旋回状態にある車両の前記転舵輪に作用する路面反力に応じた旋回時電流指示値に維持する操舵制御装置。
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