JP6859156B2 - 防音装置 - Google Patents
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Description
図1は、本発明に係る防音装置の一実施形態であり、一部展開した状態を示す平面図、図2は図1のA−A線断面図である。図1及び図2に示すように、この防音装置は、板状の吸音部1を備えている。吸音部1は、上下方向に対向する第1端部11及び第2端部12と、左右方向に対向する側端部13,14とを有する矩形状に形成されている。そして、吸音部1の両側端部には、それぞれ板状の第1遮音部2が旋回可能に取り付けられている。また、吸音部1の第2端部12には、板状の第2遮音部3が旋回可能に取り付けられている。さらに、吸音部1の第2端部12の両側には、棒状に延びる脚部4がそれぞれ旋回可能に取り付けられている。以下、これらの部材について詳細に説明する。
図2に示すように、吸音部1は、矩形状の前面板101と、この前面板101と同形状で、前面板101と隙間をあけて対向配置される背面板102と、これら前面板101と背面板102の周縁同士を連結する枠部材103と、を備えている。前面板101には多数の貫通孔(図示省略)が形成されているが、背面板102には貫通孔は形成されていない。また、これら前面板101と背面板102との間には、複数の反射板104が配置されている。各反射板104は、矩形状に形成され、左右方向の幅が前面板101及び背面板102とほぼ同じであり、斜めに傾斜するように配置されている。すなわち、各反射板104の上端部が前面板101に連結されるとともに、下端部が、上端部よりも低い位置で背面板102に連結されている。こうして複数の反射板104により、前面板101と背面板102との隙間は、複数の空間に仕切られている。なお、反射板104の下端部は背面板102に連結、固定していなくてもよい。また、反射板104は、前面板101、背面板102もしくは枠部材103のいずれかに連結、固定されていればよい。
一対の第1遮音部2は、板材によって形成されている。両第1遮音部2は、左右対称な形状であるため、ここでは、右側の第1遮音部2について説明し、左側の第1遮音部2については説明を省略する。図1に示すように、この第1遮音部2は、上下方向に対向する第1端部21及び第2端部22と、左右方向に対向する左端部23及び右端部24とを有する矩形状に形成されている。左端部23は、吸音部1の右側の側端部13とほぼ同じ長さであり、この側端部13にヒンジ(図示省略)によって連結されている。これにより、第1遮音部2は、吸音部1に対して旋回可能となっており、後述するように、吸音部1の前面板101と重なるように折り畳み可能となっている。第1遮音部2の第2端部22は、水平方向に延びているが、第1端部21は、傾斜するように延びている。すなわち、左端部23から離れるにしたがって第2端部22側に延びるように傾斜している。これにより、第1遮音部2の右端部24は、吸音部1の側端部13よりも短くなっているが、吸音部1の側端部13と平行に延びている。また、第1遮音部2の左右方向の幅は、吸音部1の左右方向の幅の半分程度の長さになっている。
図1に示すように、第2遮音部3は、板材によって形成される本体部31を備えている。この本体部31は、上下方向に対向する第1端部311及び第2端部312と、左右方向に対向する左端部313及び右端部314とを有する矩形状に形成されている。第2遮音部3の上下方向の長さは、吸音部1よりもやや長く、左右方向の幅も吸音部1よりもやや長くなっている。そして、本体部31の左端部313と右端部314には、それぞれ、本体部31と直交するように立ち上がる板状の側辺部32が一体的に連結されている。側辺部32は、本体部31の左端部313及び右端部314の全長に亘って延び、さらに第2端部312からやや突出するように延びている。また、側辺部32の第1端部311側の端部には、上述した吸音部1の軸部材16が回転可能に取り付けられている。これにより、第2遮音部3は、吸音部1に対して、軸部材16を中心に旋回可能に連結されており、後述するように、第2遮音部3を吸音部1に対して折り畳むことができる。このとき、側辺部32は、吸音部1の側面を覆うように配置される。
次に、一対の脚部4について説明する。図1及び図2に示すように、各脚部4は、第2遮音部3の上下方向の長さとほぼ同じ長さの棒状に形成されている。そして、各脚部4の一端部は、吸音部1の各側面と第2遮音部3の側辺部32との間で、それぞれ、軸部材16に回転可能に連結されている。したがって、各脚部4は、第2遮音部3と同様に、軸部材16周りに旋回可能となっている。なお、軸部材16の代わりに、ボルト・ナットで旋回可能なように、脚部4を吸音部1に連結してもよい。
次に、上記のように構成された防音装置の使用方法について、図3〜図8も参照しつつ説明する。この防音装置は、騒音源が地面Eから所定の高さにある場合に用いられる第1態様と、騒音源が地面Eに近いところにある場合に用いられる第2態様を取り得るように構成されている。いずれの態様においても、吸音部1の前面板101が騒音源と対向するように防音装置を配置する。以下、これら第1態様及び第2態様について説明する。また、この防音装置の折り畳み構造についても説明する。
まず、図3及び図4に示すように、吸音部1が上側に配置されるように、第2遮音部3を吸音部1に対して旋回し、吸音部1の前面板101と、第2遮音部3とのなす角度を180°〜270°の間に設定する。つまり、第2遮音部3を、吸音部1を挟んで騒音源から離れた側に配置する。次に、両脚部4を旋回し、吸音部1の前面板101と、各脚部4とのなす角度を90°〜180°の間で設定する。つまり、両脚部4を、吸音部1を挟んで騒音源に近い側に配置する。こうして、第2遮音部3と両脚部4とで、吸音部1を、地面Eから離れた位置で、地面Eと概ね垂直に立ち上がるように支持する。このとき、第2遮音部3と両脚部4とのなす角度を調整することで、吸音部1の高さを調整することができる。すなわち、騒音源の高さに応じて、吸音部1の高さを調整する。このとき、第2遮音部3において地面Eと接する下端部の両側からは、側辺部32が突出しているため、図3に示すように、これら突出している両側辺部32の間には隙間が形成される。すなわち、第2遮音部3の下端部は、直線状に形成されていないため、地面に凹凸があったとしても、これに対応するように、第2遮音部3の下端部を配置することができる。
まず、図6及び図7に示すように、第2遮音部3が上側に配置されるように、第2遮音部3に対して吸音部1を旋回し、吸音部1の前面板101と、第2遮音部3とのなす角度を180°〜270°の間に設定する。つまり、吸音部1を、第2遮音部3を挟んで騒音源から離れた側に配置する。次に、両脚部4を旋回し、第2遮音部3と、各脚部4とのなす角度を90°〜180°の間で設定する。つまり、両脚部4を、第2遮音部3を挟んで騒音源に近い側に配置する。こうして、吸音部1と両脚部4とで、第2遮音部3を、地面Eから離れた位置で、地面Eと概ね垂直に立ち上がるように支持する。このとき、吸音部1と両脚部4とのなす角度を調整することで、第2遮音部3の高さを調整することができる。このとき、図6に示すように、吸音部1において地面Eと接する第1端部(下端部)11の両側からは、突出部15が突出しているため、これら突出部15の間には隙間が形成される。すなわち、吸音部1の第1端部11は、直線状に形成されていないため、地面に凹凸があったとしても、これに対応するように、吸音部1の第1端部11を配置することができる。
使用後または使用前の防音装置は、折り畳みによりコンパクトな形状にすることができる。図9に示すように、まず、両第1遮音部2を旋回し、吸音部1の前面板101と重なるように折り畳む。次に、脚部4を旋回し、第2遮音部3と重なるように配置する。続いて、図10に示すように、吸音部1を旋回し、第2遮音部3と吸音部1の前面板とが対向するように折り畳む。これにより、吸音部1、両第1遮音部2、及び両脚部4は、第2遮音部3の両側辺部32の間に配置されるとともに、吸音部1と第2遮音部3との間に、両第1遮音部2及び脚部4が配置されるようになる。すなわち、板状をなすようなコンパクトな形状となる。
上記のように構成された防音装置は、以下の効果を得ることができる。
(1) 吸音部1に加え、その両側端部13、14に板状の第1遮音部2を設け、さらに第2端部に第2遮音部3を設けている。そのため、防音装置を騒音源に対して対向するように配置すると、吸音部1で騒音を吸音できることに加え、両遮音部2,3において、騒音を騒音源に向かって反射したり、遮音したり、あるいは回折現象によって防音装置の背後への騒音を減衰させることができる。したがって、防音装置を吸音部1だけで構成するのに比べ、低コストで高い防音効果を得ることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。なお、以下の変形例は、適宜組み合わせ可能である。
上記実施形態では、吸音部1、一対の第1遮音部2、第2遮音部3、及び一対の脚部4によって防音装置を構成しているが、本発明に係る防音装置は、少なくとも吸音部1と第1遮音部2とを備えていれば、低コストで高い防音効果を得ることができる。したがって、用途に応じて適宜、第2遮音部3や脚部4を設ければよい。
上記実施形態では、一対の第1遮音部2、第2遮音部3、及び一対の脚部4が、吸音部1に対して折り畳み可能となっているが、これに限定されず、このうち、少なくとも1つが角度を調整できないように固定しておくこともできる。
脚部4の取付位置は特には限定されず、上記のような第1態様または第2態様がとり得るような位置であれば、吸音部1、第1遮音部2、及び第2遮音部3のいずれの位置であってもよい。但し、上記のように、吸音部1と第1遮音部2との連結部分の近傍であることが好ましい。また、脚部4の数も特には限定されず、1または3以上であってもよい。
吸音部1、一対の第1遮音部2、第2遮音部3の形状は特には限定されず、概ね板状であれば、例えば、矩形以外の形状であってもよく、多角形状、円形状など適宜決定することができる。
吸音部1の構造は、公知のものを適宜利用することができ、少なくとも、複数の貫通孔が形成された前面板と、これに対向する背面板と、これらの間に配置される吸音材と、が設けられていれば、その他の構造は特には限定されない。その他、吸音部1の突出部15の数も特には限定されない。
2 第1遮音部
3 第2遮音部
4 脚部
Claims (5)
- 対向する一対の側端部を有し、板状に形成され、内部に吸音材が配置され、前記一対の側端部と直交するように対向する第1端部及び第2端部を有する、吸音部と、
前記吸音部の側端部にそれぞれ連結され、板状に形成され、音を反射するように構成された一対の第1遮音部と、
前記吸音部の前記第2端部に旋回可能に連結され、板状に形成された第2遮音部と、
第1端部及び第2端部をそれぞれ有する、少なくとも1つの脚部と、
を備え、
前記吸音部と前記第2遮音部とが重なるように、折り畳み可能に構成されており、
前記各脚部の第1端部は、前記吸音部と前記第2遮音部との連結部分の近傍に旋回可能に連結され、
前記脚部は、
前記脚部と前記第2遮音部とで前記吸音部を支持する第1態様と、
前記脚部と前記吸音部とで前記第2遮音部を支持する第2態様と、
をとり得るように構成されている、防音装置。 - 前記各第1遮音部は、前記吸音部の前記側端部において旋回可能に連結され、
前記吸音部と前記両第1遮音部とが重なるように、折り畳み可能に構成されている、請求項1に記載の防音装置。 - 前記第2遮音部において、前記吸音部の第2端部とは反対側の端部には、少なくとも1つの突部が設けられている、請求項1または2に記載の防音装置。
- 前記吸音部の第1端部には、少なくとも1つの突部が設けられている、請求項1から3のいずれかに記載の防音装置。
- 前記吸音部は、複数の貫通孔が形成された前面板と、当該前面板と対向するように配置された背面板と、前記前面板と背面板との間に配置された吸音材と、を備えている、請求項1から4のいずれかに記載の防音装置。
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