JP6857542B2 - 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物およびその成形品 - Google Patents
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Description
<A成分について>
本発明のA成分の液晶性を示さない熱可塑性ポリエステル樹脂としては、ジカルボン酸類又はその反応性誘導体からなるジカルボン酸成分と、ジオール類又はそのエステル誘導体からなるジオール成分とを主成分とする縮合反応により得られる重合体又は共重合体であるが、好ましくは、ジカルボン酸成分のうち少なくとも50モル%がナフタレンジカルボン酸であり、ジオール成分のうち少なくとも50モル%がエチレングリコールである液晶性を示さない熱可塑性ポリエステルである。
本発明の樹脂組成物は、液晶性を示す熱可塑性ポリエステル樹脂(以下液晶ポリエステルと略す)を含有する。液晶ポリエステルを構成する主たる繰返し単位は、芳香族オキシカルボニル繰返し単位、芳香族ジカルボニル繰返し単位、芳香族ジオキシ繰返し単位、芳香族アミノオキシ繰返し単位、芳香族ジアミノ繰返し単位、芳香族アミノカルボニル繰返し単位、芳香族オキシジカルボニル繰返し単位、および脂肪族ジオキシ繰返し単位から選択される1種以上である。
式(1)で表される繰返し単位を与える単量体としては、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸ならびに、そのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性の誘導体が挙げられる。
スラリー重合法とは、熱交換流体の存在下で反応させる方法であって、固体生成物は熱交換媒質中に懸濁した状態で得られる。
本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を構成するカルボジイミド化合物は、カルボジイミド基(−N=C=N−)を分子内に有する化合物である。
でき、また市販品を用いることもできる。ポリカルボジイミドの市販品としては、例えば
、ラインヘミー社製スタバックゾールP、ラインヘミー社製スタバックゾールP−100
、ラインヘミー社製スタバックゾールP−400などの芳香族ポリカルボジイミド、日清
紡ケミカル社製LA−1、日清紡ケミカル社製HMV−15CAなどの脂肪族/または脂
環族ポリカルボジイミドを挙げることができる。
更に、そのカルボジイミドは環状であることがより好ましい。環状であることにより、イソシアネートガスの発生が抑制でき、作業環境が良くなる。
かかる環状カルボジイミド化合物としては、下記化合物を挙げることができる。
本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を構成するエポキシ化合物は単官能のエポキシ化合物であっても2官能以上のエポキシ化合物であってもよいが、グリシジル基を有するエポキシ化合物であることが好ましく、例えばグリシジルエステル化合物、グリシジルエーテル化合物、およびグリシジルエステルエーテル化合物が挙げられる。これらのエポキシ化合物は1種以上で用いることができる。前記のグリシジルエステル化合物としては、限定されるものではないが、具体例として、安息香酸グリシジルエステル、t−Bu−安息香酸グリシジルエステル、P−トルイル酸グリシジルエステル、シクロヘキサンカルボン酸グリシジルエステル、ペラルゴン酸グリシジルエステル、ステアリン酸グリシジルエステル、ラウリン酸グリシジルエステル、パルミチン酸グリシジルエステル、ベヘン酸グリシジルエステル、バーサティク酸グリシジルエステル、オレイン酸グリシジルエステル、リノール酸グリシジルエステル、リノレイン酸グリシジルエステル、ベヘノール酸グリシジルエステル、ステアロール酸グリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、ナフタレンジカルボン酸ジグリシジルエステル、ビ安息香酸ジグリシジルエステル、メチルテレフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、コハク酸ジグリシジルエステル、セバシン酸ジグリシジルエステル、ドデカンジオン酸ジグリシジルエステル、オクタデカンジカルボン酸ジグリシジルエステル、トリメリット酸トリグリシジルエステル、ピロメリット酸テトラグリシジルエステルなどが挙げられ、これらは1種または2種以上を用いることができる。
グリシジルエーテルエステル化合物において、下記式(9)で表される化合物が挙げられる。
なお、本発明の樹脂組成物は、本発明の趣旨に反しない範囲で、加熱助剤、酸化防止剤、離型剤等の各添加剤を含むことが出来る。
本発明の樹脂組成物は、ブロー成形時の赤外線(IR)ヒーターによる加熱効率を良くし、加熱時間を短縮する目的で、加熱助剤を含むことが出来る。かかる加熱助剤としてはフタロシアニン系近赤外線吸収剤、ATO、ITO、酸化イリジウムおよび酸化ルテニウムおよび酸化イモニウムなどの金属酸化物系近赤外線吸収剤、ホウ化ランタン、ホウ化セリウムおよびホウ化タングステンなどの金属ホウ化物系や酸化タングステン系近赤外線吸収剤などの近赤外吸収能に優れた各種の金属化合物、ならびに炭素フィラーが好適に例示される。かかるフタロシアニン系近赤外線吸収剤としてはたとえば三井化学(株)製MIR−362が市販され容易に入手可能である。炭素フィラーとしてはカーボンブラック、グラファイト(天然、および人工のいずれも含む)およびフラーレンなどが例示され、好ましくはカーボンブラックおよびグラファイトである。これらは単体または2種以上を併用して使用することができる。フタロシアニン系近赤外線吸収剤の含有量は、A成分とB成分との合計100重量部に対し、0.0005〜0.2重量部が好ましく、0.0008〜0.1重量部がより好ましく、0.001〜0.07重量部がさらに好ましい。上記含有量が0.0005重量部より少ない場合は加熱助剤としての効果が十分に得られずに、ブロー成形時のプリフォームの加熱に時間を多く要する場合がある。また、かかる含有量が0.2重量部よりも多い場合、ブロー成形の過熱時に加熱助剤がブリードアウトする場合がある。金属酸化物系近赤外線吸収剤、金属ホウ化物系近赤外線吸収剤、酸化タングステン系赤外線吸収剤および炭素フィラーの含有量は、樹脂組成物中、0.1〜500ppm(重量割合)の範囲が好ましく、0.5〜300ppmの範囲がより好ましい。上記含有量が0.1ppmより少ない場合は加熱助剤としての効果が十分に得られずに、ブロー成形時のプリフォームの加熱に時間を多く要する場合がある。また、かかる含有量が500ppmよりも多い場合、樹脂成分が大きく分解する場合がある。
本発明の樹脂組成物は酸化防止剤として、ヒンダードフェノール系化合物、ホスファイト系化合物、ホスホナイト系化合物、およびチオエーテル系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸化防止剤を含むことができる。酸化防止剤を配合することにより、成形加工時の色相や流動性が安定するだけでなく、耐加水分解性の向上にも効果がある。
本発明の樹脂組成物は離型剤を含むことができる。離型剤として具体的には、脂肪酸、脂肪酸金属塩、オキシ脂肪酸、パラフィン、低分子量のポリオレフィン、脂肪酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミド、脂肪族ケトン、脂肪酸部分鹸化エステル、脂肪酸低級アルコールエステル、脂肪酸多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステルおよび変性シリコーン等を挙げることができる。これらを配合することで機械特性、成形性、耐熱性に優れた成形品を得ることができる。
脂肪酸アミドとしては炭素数6以上のものが好ましく、具体的にはオレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘン酸アミド等が挙げられる。
脂肪族ケトンとしては炭素数6以上のものが好ましく、高級脂肪族ケトン等が挙げられる。
そのうち脂肪酸、脂肪酸金属塩、オキシ脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸部分鹸化エステル、パラフィン、低分子量ポリオレフィン、脂肪酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミドが好ましく、脂肪酸部分鹸化エステル、アルキレンビス脂肪酸アミドがより好ましい。なかでもモンタン酸エステル、モンタン酸部分鹸化エステル、ポリエチレンワックス、酸価ポリエチレンワックス、ソルビタン脂肪酸エステル、エルカ酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミドが好ましく、特にモンタン酸部分鹸化エステル、エチレンビスステアリン酸アミドが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、通常ペレットとして得られ、これを原料としてプリフォームを成形する。成形方法は、射出成形、プレス成形、押出成形など各種成形方法を選択出来るが、プリフォームを結晶化させずに急冷する観点から、射出成形、プレス成形が好ましい。射出成形においては、通常のコールドランナー方式の成形法だけでなく、ホットランナー方式の成形法も可能である。かかる射出成形においては、通常の成形方法だけでなく、適宜目的に応じて、射出圧縮成形、射出プレス成形、発泡成形(超臨界流体の注入によるものを含む)、インサート成形、インモールドコーティング成形、急速加熱冷却金型成形などの射出成形法を用いて成形品を得ることができる。例えばブロー成形用のプリフォームの射出成形であれば、各ペレットを130〜170℃の熱風乾燥機で5時間以上予備乾燥した後、シリンダ温度260〜300℃で溶融し、射出成形するのが好ましい。予備乾燥温度が130℃未満では乾燥が不十分となり、ペレット中に残存した水分によって樹脂分解を起こし、固有粘度が安定しない場合があり、予備乾燥温度が170℃より高いとペレットが黄変し、成形体の外観が損なわれる場合がある。成形する際の金型温度は5〜40℃が好ましく、10〜30℃が更に好ましい。金型温度が5℃未満では、金型の結露により成形品にシルバーなどの外観が多発する場合があり、金型温度が40℃を超えると成形品の結晶化が進み、ブロー成形の際に容器が破損する場合がある。
本発明の容器の作製方法は、任意の方法が採用される。例えば、ダイレクトブロー成形、押出ダイレクトブロー成形、1ステージの2軸延伸ブロー成形、2ステージの2軸延伸ブロー成形などを挙げることができるが、2ステージの2軸延伸ブロー成形が好ましい。
(1).押出性の評価
下記(組成物の調整)記載の方法で実施した押出の際の、ストランドの安定性を確認し、下記の基準で評価した。
◎ ・・・ ペレタイザーまでストランドが引けて、連続してペレット化が可能。
○ ・・・ ペレタイザーまでストランドが引けるが、ペレット量が2kgになるまでにストランドが切れて、連続してペレット化ができない。
× ・・・ ペレタイザーまでストランドが引けない。
××・・・ ストランドが作成できない。
常温下、規格NO.JIS K 6251記載のJIS3号ダンベル片を薬液シクロペンタノンに1週間浸漬した後、下記評価を行った。サンプル数は、n=3で実施した。
(i)外観変化
2週間浸漬後に取出したサンプルを観察し、浸漬前と比較し、下記の基準で評価した。
○ ・・・ 変化無し
△ ・・・ 表面光沢が若干低下
× ・・・ 表面光沢がない
(ii)重量変化
浸漬実施前後の3ケのダンベル片の重量を測定した。得られた重量を用いて、下記式(a)により重量変化率を算出した。
浸漬実施前後のダンベル片の引張試験を行った。引張チャック間の距離30mm、引張速度50mm/minの条件で試験を実施した。浸漬前後で得られた最大応力値を用い、下記式(b)により引張応力低下率を算出した。
プリフォームを用いてブロー成形を実施し、下記の評価を実施した。
○ ・・・ ブロー成形可能であり、かつボトル肉厚のバラつきが0.6mm未満である。
△ ・・・ ブロー成形可能であるが、ボトルの肉厚のバラつきが0.6mm以上である。
× ・・・ ブロー成形不可能
<A成分>
A−I:下記の製造例1で製造されたポリエチレンナフタレート樹脂。
[製造例1]
ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル100重量部およびエチレングリコール60重量部を酢酸コバルト四水和物0.010重量部(10ミリモル%)および酢酸マンガン四水和物0.030重量部(30ミリモル%)の存在下、常法によりエステル交換反応させ、メタノール溜出20分後に三酸化アンチモン0.012重量部(10ミリモル%)を添加し、エステル交換反応終了前に正リン酸0.020重量部(50ミリモル%)を添加し、次いで295℃、高真空下重縮合反応を行い固有粘度0.51dl/gのポリエチレンナフタレート樹脂を得た。次に、該ポリエチレンナフタレート樹脂を、温度227℃、真空度0.5Torrの条件にて8時間固相重合を行い、ポリエチレンナフタレート樹脂(A−I)を得た。
A−II:帝人(株)製 TRN−8550FF[テレフタル酸100モル%およびエチレングリコール100モル%より製造されたポリエチレンテレフタレート]
<B成分>
製造例において、下記の略号は以下の化合物を表す。
BON6:6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸
POB:p−ヒドロキシ安息香酸
HQ:ハイドロキノン
BP:4,4’−ジヒドロキシビフェニル
TPA:テレフタル酸
NDA:2,6−ナフタレンジカルボン酸
[製造例2]
トルクメーター付き攪拌装置および留出管を備えた反応容器にBON6、POB、HQおよびTPAを、表1に示す組成比で、総量5molとなるように仕込んだ。ここへ酢酸カリウム0.05g、および全モノマーの水酸基量(モル)に対して1.025倍モルの無水酢酸を仕込み、下記条件で脱酢酸重合を行った。窒素ガス雰囲気下に室温〜150℃まで1時間で昇温し、同温度にて30分間保持した。次いで、副生する酢酸を留去させつつ210℃まで速やかに昇温し、同温度にて30分間保持した。その後、335℃まで3時間かけ昇温した後、30分かけ20mmHgにまで減圧を行なった。所定のトルクを示した時点で重合反応を終了し、反応容器内容物を取り出し、粉砕機により液晶ポリエステルのペレットを得た。得られた液晶ポリエステル(B−I)のDSCにより測定された融点は221℃であった。
<C成分>
C−I:下記の製造例で製造された環状カルボジイミド
製造例中における各値は下記の方法で求めた。
(1)環状カルボジイミド構造のNMRによる同定
NMRによる同定は、日本電子(株)製JNREX270を使用し、1H−NMR、13C−NMRによって確認した。尚、溶媒は重クロロホルムを用いた。
(2)カルボジイミド骨格のIRによる同定
カルボジイミド骨格の同定は、ニコレー(株)製Magna−750を使用し、FT−IRよってカルボジイミドに特徴的な2100〜2200cm−1の吸収ピークを確認することで行った。
o−ニトロフェノール(0.11mol)とペンタエリトリチルテトラブロミド(0.025mol)、炭酸カリウム(0.33mol)、N,N−ジメチルホルムアミド200mlを攪拌装置及び加熱装置を設置した反応装置にN2雰囲気下仕込み、130℃で12時間反応後、DMFを減圧により除去し、得られた固形物をジクロロメタン200mlに溶かし、水100mlで3回分液を行った。有機層を硫酸ナトリウム5gで脱水し、ジクロロメタンを減圧により除去し、中間生成物D(ニトロ体)を得た。
D−I:下記の製造例で製造されたグリシジルエーテルエステル
[製造例4]
1Lの4口コルベンに6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸95.0gとエピクロロヒドリン467g加え、窒素気流下80℃に昇温した。次いで、テトラメチルアンモニウムクロリドの50%水溶液を80℃で2時間かけて滴下し、同温度で1時間撹拌した。さらに、48%水酸化ナトリウム水溶液87.1gを80℃で3時間かけて滴下し、同温度で30分撹拌した後、エピクロロヒドリンを減圧蒸留により除去した。残渣にトルエン560gを加えて10分撹拌した後、析出物を濾過した。ろ液を水250gで洗浄した後、48%NaOH水溶液19gを加えて、1時間還流した。さらに水250gで洗浄した後、5%リン水溶液250gで洗浄し、再び水250gで洗浄した。トルエンを減圧蒸留によって除去し、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸グリシジルエーテルエステルの粗組成物105gを得た。
D−III:ナガセケムテックス(株)製 デナコール EX−201
A成分、B成分、C成分およびD成分を用いて、表2の組成をドライブレンドにて均一に予備混合した後、かかる予備混合物を第1供給口より供給し、溶融押出してペレット化した。ここで、第一供給口とは根元の供給口のことである。溶融押出は、サイドスクリューを備えた径30mmφのベント式二軸押出機[(株)日本製鋼所製TEX30α−38.5BW−3V]を用い実施した。また、押出温度は、C1/C2/C3/C4〜D=50℃/120℃/280℃/300℃とし、メインスクリュー回転数は200rpm、サイドスクリュー回転数は50rpm、吐出量は20kg/h、ベント減圧度は3kPaとした。ストランドの安定性を確認し、押出性の評価を行った。結果を表2に示す。
<実施例1〜11、比較例1、4、5>
得られたペレットを160℃、5時間熱風乾燥機で乾燥したあと、日精50T(日精樹脂工業株式会社製 NEX50−5E)を用いて、シリンダ温度290℃、金型温度80℃、冷却時間20秒にて成形した。
<比較例2、3>
比較例2、3は押出性が悪く、ペレット化ができなかったため、ストランドを粉砕機にて粉砕し、実施例1と同様の方法で成形した。
なお、比較例6はストランドを作成することができなかったため、成形ができなかった。
成形で得られたJIS3号ダンベル片を用いて前述の耐薬品性の試験を行った。結果を表2に示す。
<実施例1〜11、比較例1、4、5>
得られたペレットを160℃、5時間熱風乾燥機で乾燥した後、東芝機械(株)製EC160NII−4Yを使用し、シリンダ温度295℃、金型温度20℃、冷却時間20秒にて成形を行い、厚み4.2mmのプリフォームを得た。次に、フロンティア(株)製FDB−1Dをブロー機として用い、1.5L容器形状のブロー金型(縦2.3倍×横3.4倍)を用いて、下記の要領で前記プリフォームの2軸延伸ブロー成形を行った。100℃、1時間熱風乾燥機内で予備加熱を行ったプリフォームをブロー成形機内にセットし、プリフォーム表面温度が150℃になるようにIR加熱ヒーターの出力を設定し、本加熱を行った。続いて、ロッド延伸速度80%、1次ブロー遅延時間0.28秒、1次ブロー時間0.3秒、1次ブロー圧1.2MPa、2次ブロー時間1.2秒、2次ブロー圧3.4MPa、金型温度20℃の条件にて成形を行い、ブロー成形を行った。
比較例2、3は押出性が悪く、ペレット化ができなかったため、ストランドを粉砕機にて粉砕し、実施例1と同様の方法でブロー成形を実施した。
なお、比較例6はストランドを作成することができなかったため、ブロー成形ができなかった。
各実施例、比較例について前述のブロー成形性の評価を行った。結果を表2に示す。
本発明の請求範囲にある樹脂組成物は、押出性が良好で、延伸ブロー成形が可能であり、重量変化率、引張応力変化率共に低く耐薬品性にも優れている。
<比較例1>
B成分の添加量が少ないため、耐薬品性が劣った。
<比較例2>
B成分の添加量が多いため、押出性が悪く、ブロー成形もできなかった。
<比較例3>
D成分を含まないため、押出性が悪かった。
<比較例4>
C成分を含まないため、耐薬品性が悪く、ブロー成形もできなかった。
<比較例5>
D成分の添加量が多いため、耐薬品性が悪く、ブロー成形もできなかった。
<比較例6>
C成分の添加量が多いため、ストランドを作成できなかった。そのため、耐薬品性、ブロー成形性は評価できなかった。
Claims (8)
- A成分がジカルボン酸成分(A−1成分)とジオール成分(A−2成分)とから構成され、ジカルボン酸成分のうち少なくとも50モル%がナフタレンジカルボン酸であり、ジオール成分のうち少なくとも50モル%がエチレングリコールであることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
- B成分の、示差走査熱量計で20℃/minにて昇温して測定した融点が190〜250℃の範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物。
- Ar1およびAr2が、上記式(5)であることを特徴とする請求項4に記載の樹脂組成物。
- D成分がグリシジルエーテルエステル化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物からブロー成形又は射出成形されてなる成形体。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物を用いてプリフォームを成形し、次に該プリフォームを縦方向に少なくとも2倍以上延伸し、かつ、縦方向への延伸の開始から完了までの間に、横方向への2倍以上の延伸を開始することを特徴とする延伸ブロー成形により成形品を得る方法。
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