JP6856000B2 - 双ロール式連続鋳造装置、及び、薄肉鋳片の蛇行制御方法 - Google Patents
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Description
そして、冷却ロール間から下方に製出された薄肉鋳片は、薄肉鋳片を上下方向に挟持するピンチロールを介して水平方向に搬送され、必要に応じてインラインミルによって圧延され、巻き取り装置によってコイル状に巻き取られる。
このため、例えば以下の特許文献2−6に示すように、搬送される薄肉鋳片の蛇行を制御する様々な手段が提案されている。
特許文献3には、ピンチロールの幅方向の両側における反力を制御することで、薄肉鋳片の蛇行を抑制する手段が提案されている。
特許文献4には、ピンチロールのアライメント制御を行うことによって、薄肉鋳片の蛇行を抑制する手段が提案されている。
特許文献5には、巻き取り時における張力を制御することによって、薄肉鋳片の蛇行を抑制する手段が提案されている。
特許文献6には、インラインミルによる圧延を制御することによって、薄肉鋳片の蛇行を抑制する手段が提案されている。
ここで、上述のように特許文献2−6に開示された手段においては、ピンチロール以降で蛇行制御を行なっていることから、冷却ロールから製出された薄肉鋳片の捩れに起因した薄肉鋳片の蛇行を制御することは困難であった。
この場合、ピンチロールの入側に設けられた蛇行検知手段によって、薄肉鋳片の蛇行を検知した時点で、相対速度調整手段に指令を与え、薄肉鋳片の蛇行の矯正を速やかに行うことができる。また、上述の蛇行検知手段によって蛇行が矯正されたことを確認した際には、再度、相対速度調整手段に指令を与え、通常の操業に復帰することができる。また、これらの蛇行矯正作業を自動で実施することができる。
この場合、ガイド面が接触した薄肉鋳片と同期して移動することから、薄肉鋳片の搬送速度を変更した場合にも、薄肉鋳片に疵が発生することを抑制できる。なお、ガイド部材を、回転可能なガイドロールや、ベルトコンベア式とすることで、前記ガイド面を前記薄肉鋳片と同期して移動させることが可能となる。
この場合、ガイド面から噴出されるガスによって、ガイド面と薄肉鋳片とが強く接触することを抑制でき、薄肉鋳片の表面疵の発生を抑制することができる。
ここで、本実施形態において製造される薄肉鋳片1を構成する鋼種としては、例えば、0.001〜0.01%C極低炭鋼、0.02〜0.05%C低炭鋼、0.06〜0.4%C中炭鋼、0.5〜1.2%C高炭鋼、SUS304鋼に代表されるオーステナイト系ステンレス鋼、SUS430鋼に代表されるフェライト系ステンレス鋼、3.0〜3.5%Si方向性電磁鋼、0.1〜6.5%Si無方向性電磁鋼等(なお、%は、質量%)が挙げられる。
また、本実施形態では、製造される薄肉鋳片1の幅が500mm以上2000mm以下の範囲内、厚さが1mm以上5mm以下の範囲内とされている。
また、一対の冷却ロール11,11の上方には、溶鋼プール部16に供給される溶鋼3を保持するタンディッシュ18と、このタンディッシュ18から溶鋼プール部16へと溶鋼3を供給する浸漬ノズル19と、が配置されている。
本実施形態では、ガイド部材31は、冷却ロール11,11の軸線と平行に配置された回転軸を中心に回動するガイドロールとされており、このガイドロールの外周面が、冷却ロール11の軸線と平行に延在するガイド面32とされている。
本実施形態である双ロール式連続鋳造装置10においては、目視または蛇行検知手段39によってピンチロール21,21の入側で薄肉鋳片1の蛇行を検知すると、相対速度調整手段38に指令が送られ、相対速度調整手段38によって、ピンチロール21,21を介して搬送される薄肉鋳片1の搬送速度を、冷却ロール11,11から製出される薄肉鋳片1の製出速度よりも遅くする。これにより、ピンチロール21,21の上流側において、薄肉鋳片1が下方へと弛むことになる。
そして、目視または蛇行検知手段39によってピンチロール21,21の入側で薄肉鋳片1の蛇行が矯正されたことを検知すると、相対速度調整手段38によって、ピンチロール21,21を介して搬送される薄肉鋳片1の搬送速度を、冷却ロール11,11から製出される薄肉鋳片1の製出速度よりも速くし、下方に弛ませた薄肉鋳片1をピンチロール21,21側へと搬送し、弛みを解消する。
薄肉鋳片1の弛みが解消された後には、相対速度調整手段38によって、ピンチロール21,21を介して搬送される薄肉鋳片1の搬送速度と、冷却ロール11,11から製出される薄肉鋳片1の製出速度とを一致させて通常の操業へと復帰する。
また、図6に示すように、ガイド面132には、接触する薄肉鋳片に対してガスを噴出する噴出孔133を形成してもよい。この場合、ガイド面132から噴出されるガスによって薄肉鋳片とガイド面132とが軟接触することになり、薄肉鋳片の表面疵の発生を抑制することができる。
鋳造開始から間もなく、薄肉鋳片の幅方向の一端側で焼き付きによる拘束が生じ、薄肉鋳片の捩れが発生した。
一方、発明例として、ピンチロールを介して搬送される薄肉鋳片の搬送速度を冷却ロールから製出される薄肉鋳片の製出速度よりも遅くして薄肉鋳片を前記ピンチロールの上流側で弛ませた場合には、薄肉鋳片がガイド部材と接触するとともに、冷却ロールとガイド部材との間、及び、ガイド部材とピンチロールの間で薄肉鋳片が下方に弛むように配置され、自重によって薄肉鋳片の蛇行が矯正された。これにより、薄肉鋳片の巻き取りが安定し、鋳造を長時間安定して実施することができた。
3 溶鋼
5 凝固シェル
11 冷却ロール
15 サイド堰
16 溶鋼プール部(溶融金属プール部)
31 ガイド部材
32 ガイド面
38 相対速度調整手段
39 蛇行検知手段
Claims (5)
- 回転する一対の冷却ロールと一対のサイド堰によって形成された溶融金属プール部に浸漬ノズルを介して溶融金属を供給し、前記冷却ロールの周面に凝固シェルを形成・成長させて、薄肉鋳片を製造し、ピンチロールによって前記冷却ロール間から引き出された前記薄肉鋳片を上下方向に挟持して搬送する双ロール式連続鋳造装置であって、
前記冷却ロールの軸線と平行に延在するガイド面を有するガイド部材と、前記冷却ロールから製出される前記薄肉鋳片の製出速度と前記ピンチロールを介して搬送される前記薄肉鋳片の搬送速度との相対速度を調整する相対速度調整手段と、を有し、
前記ガイド部材は、水平方向で前記冷却ロールのロールキス点と前記ピンチロールとの間に位置するとともに、挟持された前記薄肉鋳片の下側に位置するピンチロールよりも下方に配設されており、前記相対速度調整手段によって前記搬送速度を前記製出速度よりも遅くして前記薄肉鋳片を前記ピンチロールの上流側で弛ませた際に、前記薄肉鋳片が、前記ガイド面に接触するとともに、前記冷却ロールと前記ガイド部材との間、及び、前記ガイド部材と前記ピンチロールの間で、下方に弛むように配置されることを特徴とする双ロール式連続鋳造装置。 - 前記ピンチロールの入側に、前記薄肉鋳片の蛇行を検知する蛇行検知手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の双ロール式連続鋳造装置。
- 前記ガイド面は、接触した前記薄肉鋳片と同期して移動する構成とされていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の双ロール式連続鋳造装置。
- 前記ガイド部材の前記ガイド面には、接触する前記薄肉鋳片に対してガスを噴出する噴出孔が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の双ロール式連続鋳造装置。
- 回転する一対の冷却ロールと一対のサイド堰によって形成された溶融金属プール部に浸漬ノズルを介して溶融金属を供給し、前記冷却ロールの周面に凝固シェルを形成・成長させて、薄肉鋳片を製造し、ピンチロールによって前記冷却ロール間から引き出された前記薄肉鋳片を上下方向に挟持して搬送する双ロール式連続鋳造装置において、前記薄肉鋳片の蛇行を矯正する薄肉鋳片の蛇行制御方法であって、
前記冷却ロールの軸線と平行に延在するガイド面を有するガイド部材が、水平方向で前記冷却ロールのロールキス点と前記ピンチロールとの間に位置するとともに、挟持された前記薄肉鋳片の下側に位置するピンチロールよりも下方に配設されており、
前記薄肉鋳片の蛇行が確認された際には、前記ピンチロールを介して搬送される前記薄肉鋳片の搬送速度を、前記冷却ロールから製出される前記薄肉鋳片の製出速度よりも遅くして、前記薄肉鋳片を前記ピンチロールの上流側で弛ませ、
前記ガイド部材の前記ガイド面に前記薄肉鋳片を接触させるとともに、前記冷却ロールと前記ガイド部材との間、及び、前記ガイド部材と前記ピンチロールの間で、前記薄肉鋳片を下方へ弛ませることを特徴とする薄肉鋳片の蛇行制御方法。
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JP2017209229A JP6856000B2 (ja) | 2017-10-30 | 2017-10-30 | 双ロール式連続鋳造装置、及び、薄肉鋳片の蛇行制御方法 |
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