JP6854849B2 - 電流検出装置および電流検出装置の製造方法 - Google Patents

電流検出装置および電流検出装置の製造方法 Download PDF

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Description

本願は、電流検出装置に関する。
例えば、2組の3相巻線を有する交流回転機のそれぞれの相の巻線の電流を検出する磁気センサを用いた電流検出装置においては、それぞれの巻線の磁気センサに、他の相の電流による磁界が外乱磁界となって混入することによる電流検出誤差が含まれることになる。この誤差を低減するための構成が種々提案されている。
特許文献1に記載の電流検出装置は、第1対向部と第2対向部の電流の向きが逆となるように第1磁気センサと第2磁気センサを配置し、外乱磁界によって生じる電流検出誤差を低減している。特許文献2に記載の電流検出装置は、他相より影響を受ける磁束の大きさに対応する補正電流を補正導体に流すことで隣接する他相の磁束の影響による電流検出誤差を低減している。
特開2018−96795号公報 国際公開第2017/187813号
特許文献1に記載の電流検出装置は、1相の電流を検出するために2つの磁気センサが必要となる。例えば、2群3相モータの場合であれば12個の磁気センサが必要となるため、各相を1つの検出素子で検出する場合に比べて空間が多く必要となる。
また、特許文献2に記載の電流検出装置は、補正電流を流すための補正導体が必要となるため、空間が多く必要となる上、補正導体を実装しない場合に比べて補正導体の発熱によって温度上昇しやすくなる。部品の許容温度内で使用するためには、温度上昇を抑制するため高温時には電流量を制限する。熱的に厳しい環境下で使用される場合には、補正導体の発熱によって出力トルクの制限が早めにかかる。
本願は、上記の問題点を解決するための技術を開示するものであり、空間を多く必要とせず、電流検出誤差の小さい電流検出装置を提供することを目的としている。
本願に開示される電流検出装置は、交流回転機の2n相(nは3の倍数)のそれぞれの巻線へのそれぞれの電流経路にそれぞれ対向配置された磁気センサを有する電流検出装置において、2n個のそれぞれの電流経路配置位置に、それぞれ磁気センサが対向配置された電流経路が、2n相のうちのl番目の相であるl相(l=1〜2n)の電流I、l相の電流経路と2n相のうちのk番目の相であるk相(k=1〜2n)の電流経路に対向配置された磁気センサとの結合係数al_kとにより表記されるk相の電流経路に対向配置された磁気センサが検出する検出電流iksの表記
Figure 0006854849
による2n個の検出電流iksを、Iの振幅が全て同じであるとして2軸座標系にdq変換された電流表記によるd軸和電流およびq軸和電流のそれぞれの直流成分と交流成分のそれぞれを同位相の正弦関数で表される項ごとにまとめて表記したそれぞれの項のうち、誤差成分となる項の振幅が、l≠kである複数の係数al_kにより相殺される条件となる位置関係に配置されているものである。
また、本願に開示される電流検出装置の製造方法は、それぞれ磁気センサが対向配置された2n個の電流経路を配置する位置として、2n個の電流経路配置位置を決定する配置位置決定工程、決定された2n個のそれぞれの電流経路配置位置に、それぞれ磁気センサが対向配置された2n個の電流経路のそれぞれを、2n相のうちのl番目の相であるl相(l=1〜2n)の電流I、l相の電流経路と2n相のうちのk番目の相であるk相(k=1〜2n)の電流経路に対向配置された磁気センサとの結合係数al_kとにより表記される、k相の電流経路に対向配置された磁気センサが検出する検出電流iksの表記
Figure 0006854849
による2n個の検出電流iksを、Iの振幅が全て同じであるとして2軸座標系にdq変換された電流表記によるd軸和電流およびq軸和電流のそれぞれの直流成分と交流成分のそれぞれを同位相の正弦関数で表される項ごとにまとめて表記したそれぞれの項のうち、誤差成分となる項の振幅が、l≠kである複数の係数al_kにより相殺される条件となるよう割り当てる電流経路割り当て工程、電流経路割り当て工程において割り当てられた電流経路配置位置に、それぞれ磁気センサが対向配置されたそれぞれの電流経路を配置する電流経路配置工程、を備えたものである。
本願に開示される電流検出装置および電流検出装置の製造方法によれば、空間を多く必要とせず、電流検出誤差の小さい電流検出装置を実現できる。
実施の形態1による電流検出装置を含む電動駆動装置の全体構成を示す図である。 実施の形態1による電流検出装置の各相の電流位相の関係を示す図である。 実施の形態1による電流検出装置の電流経路配置位置を示す図である。 実施の形態1による電流検出装置の電流経路と磁気センサの位置関係の一例を示す図である。 実施の形態1による電流検出装置の電流経路と磁気センサの位置関係の別の例を示す図である。 実施の形態1による電流検出装置の電流経路の配置の割り当てを説明するための表を示す図である。 実施の形態1による電流検出装置の電流経路と磁気センサの位置関係のさらに別の例を示す図である。 実施の形態1による電流検出装置の電流経路と磁気センサの位置関係のさらに別の例を示す図である。 実施の形態1による電流検出装置の各電流経路配置位置における電流経路と磁気センサの配置の一例を示す図である。 実施の形態1による電流検出装置の電流経路配置位置の一部の位置がずれた場合を示す図である。 実施の形態1による電流検出装置の電流経路配置位置の別の例を示す図である。 実施の形態1による電流検出装置の電流経路の配置の別の割り当てを説明するための表を示す図である。 実施の形態1による電流検出装置の電流経路配置位置のさらに別の例を示す図である。 実施の形態1による電流検出装置の電流経路の配置のさらに別の割り当てを説明するための表を示す図である。 実施の形態1による電流検出装置の電流経路配置位置のさらに別の例を示す図である。 実施の形態1による電流検出装置の電流経路配置位置のさらに別の例を示す図である。 実施の形態2による電流検出装置の各相の電流位相の関係を示す図である。 実施の形態3による電流検出装置の各相の電流位相の関係を示す図である。 実施の形態4による電流検出装置の電流経路配置位置を示す図である。 実施の形態4による電流検出装置の電流経路と磁気センサの位置関係の一例を示す図である。 実施の形態4による電流検出装置の電流経路の配置の割り当てを説明するための表を示す図である。 実施の形態4による電流検出装置の電流経路と磁気センサの位置関係の別の例を示す図である。 実施の形態4による電流検出装置の電流経路と磁気センサの位置関係のさらに別の例を示す図である。 実施の形態4による電流検出装置の電流経路と磁気センサの位置関係のさらに別の例を示す図である。 実施の形態4による電流検出装置の電流経路と磁気センサの位置関係のさらに別の例を示す図である。 実施の形態5による電流検出装置の製造方法を説明するためのフロー図である。
実施の形態1.
以下、各実施の形態について図に基づいて説明するが、各図において、同一または相当部材、部位については、同一符号を付して説明する。
図1は、実施の形態1による電流検出装置を含む電動駆動装置の全体構成を示す図である。図1に示すように、電動駆動装置は、平滑コンデンサ3、第1の電力変換器4a、第2の電力変換器4b、および、制御部6を備えている。電力変換装置は、電源としての直流電源2に接続されている。また、電力変換装置には、負荷として、交流回転機1が接続されている。電力変換装置は、直流電源2からの直流電圧を交流電圧に変換して交流回転機1に供給する。
交流回転機1は、第1の3相巻線U1、V1、W1と第2の3相巻線U2、V2、W2とを有する3相交流回転機である。第1の3相巻線U1、V1、W1と第2の3相巻線U2、V2、W2とは、互いに電気的に接続されることなく、交流回転機1の固定子に納められている。3相交流回転機としては、例えば、永久磁石同期回転機、誘導回転機、同期リラクタンス回転機等が挙げられる。本願は、n相×2(nは3の倍数)の巻線を有する交流回転機であれば、どのような回転機にでも適用できる。本実施の形態1では、第1の3相巻線と第2の3相巻線とは、図2に示すように位相差がπ/6(単位はrad(ラジアン)、以降、位相の単位が記載されていないときは、単位はradである)であるものとして説明する。
直流電源2は、電力変換器4に直流電圧Vdcを出力する。この直流電源2は、バッテリー、DC−DCコンバータ、ダイオード整流器、PWM整流器等、直流電圧を出力する直流電源であれば、どのような構成であっても良い。平滑コンデンサ3は、直流電源2に並列に接続され、母線電流の変動を抑制して安定した直流電流を実現する。
電力変換器4aは、逆変換回路(インバータ)を用いて、オン/オフ信号Qup1〜Qwn1に基づいて、高電位側スイッチング素子Sup1、Svp1、Swp1および低電位側スイッチング素子Sun1、Svn1、Swn1をオンオフすることによって、直流電源2から入力した直流電圧Vdcを電力変換して交流回転機1の3相巻線U1、V1、W1に交流電圧を印加し、電流Iu1、Iv1、Iw1を通電する。ここで、オンオフ信号Qup1、Qun1、Qvp1、Qvn1、Qwp1、Qwn1は、電力変換器4aにおいて、それぞれSup1、Sun1、Svp1、Svn1、Swp1、Swn1をオンオフするためのオンオフ信号である。半導体スイッチSup1〜Swn1として、IGBT、バイポーラトランジスタ、MOSパワートランジスタ等の半導体スイッチとダイオードを逆並列に接続したものを用いる。
電力変換器4bは、逆変換回路(インバータ)を用いて、オン/オフ信号Qup1〜Qwn1に基づいて、高電位側スイッチング素子Sup2、Svp2、Swp2および低電位側スイッチング素子Sun2、Svn2、Swn2をオンオフすることによって、直流電源2から入力した直流電圧Vdcを電力変換して交流回転機1の3相巻線U2、V2、W2に交流電圧を印加し、電流Iu2、Iv2、Iw2を通電する。ここで、オンオフ信号Qup2、Qun2、Qvp2、Qvn2、Qwp2、Qwn2は、電力変換器4bにおいて、それぞれSup2、Sun2、Svp2、Svn2、Swp2、Swn2をオンオフするためのオンオフ信号である。以後、Qup2〜Qwn2において、その値が1ならば対応するスイッチをオンするための信号が出力され、その値が0ならば対応するスイッチをオフするための信号が出力されるものとする。半導体スイッチSup2〜Swn2として、IGBT、バイポーラトランジスタ、MOSパワートランジスタ等の半導体スイッチとダイオードを逆並列に接続したものを用いる。
電流検出装置5は、交流回転機1の3相巻線U1、V1およびW1に流れる電流Iu1、電流Iv1および電流Iw1の値を、それぞれ、電流検出値iu1s、iv1sおよびiw1sとして検出するとともに、交流回転機1の3相巻線U2、V2およびW2に流れる電流Iu2、電流Iv2および電流Iw2の値を、それぞれ、電流検出値iu2s、iv2sおよびiw2sとして検出する。図1のように電力変換器4aと交流回転機1の3相巻線の間、電力変換器4bと交流回転機1の3相巻線の間に電流検出装置5を設けることで、電力変換器4aおよび電力変換器4bのスイッチング素子の状態に拘らず常時電流を検出できるという効果を得ることができる。仮に、低電位側スイッチング素子に直列に電流検出装置5を設けた場合、低電位側スイッチング素子がオンの場合に電流を検出するため、高変調率になると、いずれか1相の電流を検出できない状態が生じる。出力に制限をかけることによって、一部の相で電流検出ができない状態を回避することはできるが、出力トルクが低下する。つまり、図1の位置に電流検出装置5を置く構成は、電流検出可否を考慮せずにスイッチング素子のオン/オフを決定することで最大出力を得ることが可能となるため、本実施の形態に好適である。
続いて、電圧指令演算器6とオン/オフ信号発生器8を備えた制御部6について述べる。制御部6は、例えば、演算処理を実行するマイクロコンピュータと、プログラムデータ、固定値データ等のデータを記憶するROM(Read Only Memory)と、格納されているデータを更新して順次書き換えられるRAM(Random Access Memory)とによって実現される。
電圧指令演算器7は、外部から入力される制御指令に基づいて、交流回転機1を駆動するための第1の3相巻線U1、V1およびW1に印加する電圧に係る第1の3相電圧指令Vu1、Vv1、Vw1を演算するとともに、第2の3相巻線U2、V2およびW2に印加する電圧に係る第2の3相電圧指令Vu2、Vv2、Vw2を演算して、オン/オフ信号発生器8に出力する。電圧指令演算器7における、第1の3相電圧指令Vu1、Vv1およびVw1、および第2の3相電圧指令Vu2、Vv2およびVw2の演算方法としては、例えば、電流フィードバック制御などを使用する。なお、電圧利用率を向上させるために、空間ベクトル変調あるいは二相変調などの公知の変調方式を用いてもよい。
オン/オフ信号発生器8は、電力変換器4aおよび電力変換器4bの各半導体スイッチをパルス幅変調(PWM変調)するための信号を発生する。具体的には、第1の3相電圧指令Vu1、Vv1およびVw1に基づいて、電圧指令Vu1、Vv1、Vw1に応じたパルス幅を持つオンオフ信号Qup1、Qun1、Qvp1、Qvn1、Qwp1、Qwn1を出力するとともに、第2の3相電圧指令Vu2、Vv2およびVw2に基づいて、電圧指令Vu2、Vv2、Vw2に応じたパルス幅を持つオンオフ信号Qup2、Qun2、Qvp2、Qvn2、Qwp2、Qwn2を出力する。
図3は、交流回転機1のロータの軸100の伸びる方向から見た、電流検出装置5における電流検出器の配置位置を示す概略図である。以降、各相の電流経路に磁気センサを対向配置して構成する電流検出器を配置する位置を電流経路配置位置と称することにする。図3に示すように、ロータの軸100に対して、第1電流経路配置位置と第2電流経路配置位置を交互に円周上に等間隔に配置している。ここでは第1電流経路配置位置と第2電流経路配置位置を同一円上に配置しているが、第1電流経路配置位置と第2電流経路配置位置を半径が異なる同心円上に、隣り合う2個の電流経路配置位置と中心を結ぶ線がなす角、すなわち中心に対する隣り合う2個の電流経路配置位置の配置角が全て同一となるように配置すれば同様の効果を得られる。電流検出装置5は、第1電流経路配置位置Y11、Y12、Y13と第2電流経路配置位置Y21、Y22、Y23に配置される6個の電流検出器で構成される。電流経路配置位置Y11、Y12、Y13、Y21、Y22、Y23に配置される電流検出器を構成する磁気センサは、それぞれ電流検出値iu1s、iv1s、iw1s、iu2s、iv2sおよびiw2sのいずれかを検出する。電流経路配置位置Y11、Y21、Y12、Y22、Y13、Y23はこの順に、同心円上に、隣り合う電流経路配置位置のロータの軸100に対する配置角がπ/3となるように配置している。第1電流経路配置位置Y11では、図4のように第1電流経路X11が発生する磁界を第1磁気センサS11で検知してi11を得る。紙面裏側に電力変換器4aまたは電力変換器4bが、紙面表側に交流回転機1が接続されることを示し、電力変換器から交流回転機に向けて正の電流が流れる場合の方向を示す。図示しないが、第1電流経路配置位置Y11と同様に、第1電流経路配置位置Y12では、第1電流経路X12が発生する磁界を第1磁気センサS12で検知してi12を得て、第1電流経路配置位置Y13では、第1電流経路X13が発生する磁界を第1磁気センサS13で検知してi13を得る。また、第2電流経路配置位置Y21では、第1電流経路X21が発生する磁界を第2磁気センサS21で検知してi21を得て、第2電流経路配置位置Y22では、第2電流経路X22が発生する磁界を第2磁気センサS22で検知してi22を得て、第2電流経路配置位置Y23では、第2電流経路X23が発生する磁界を第2磁気センサS23で検知してi23を得る。
図4では、第1電流経路X11と第1磁気センサS11を左右に並べて配置したが、例えば、図5のように磁性体50を用いて第1電流経路X11が発生する磁界を集磁して第1磁気センサS11で検知する構成としてもよい。また、図3では第1電流経路配置位置および第2電流経路配置位置における電流経路を放射状の電流経路としたが、紙面表から裏、紙面裏から表など他の経路の向きであっても同様の効果を得られる。
交流回転機の回転子が生成する磁界はロータの軸となるシャフトを経由して、磁気センサの外乱要因となるが、図3のように、電流経路配置位置をロータの軸100を中心とする同心円状に配置することでそれぞれの磁気センサにおける外乱磁界を等価なものにすることができる。同相ノイズはdq軸上では相殺することができるため、出力トルクへの影響を抑制できる。ただし、同心円の中心がロータの軸100と一致することは、必須要件ではない。例えば磁気センサを配置する位置におけるシャフトからの磁界の漏れが小さければ、同心円の中心がロータの軸と一致していなくても、シャフトからの磁界の漏れに起因するノイズの影響は小さい。
以下では、U1〜W2の6相のそれぞれの電流経路をどの電流経路配置位置に配置するのが適当であるかについて説明する。全ての相の電流の振幅が同一であるとして規格化した場合、電流検出値iu1s、iv1s、iw1s、iu2s、iv2sおよびiw2sは、電気角をθ、電流の位相角をβとしたとき、式(1)で与えられる。
Figure 0006854849
ここで、alj_ki(k、l:u、v、w i、j:1、2)は電流経路kiに対向配置されている磁気センサが電流経路ljの電流による磁界を感じる割合、すなわち結合係数を表す。例えば、au1_u1は、電流経路U1に対向配置されている磁気センサが電流経路U1の電流による磁界を感じる割合、すなわち検出したい電流経路との結合係数である。また、av1_u1は、電流経路U1に対向配置されている磁気センサが電流経路V1の電流による磁界を感じる割合、すなわち、電流経路U1に対向配置されている磁気センサと電流経路V1との結合係数である。このように、係数alj_kiで、kiとljが同一のものは検出したい電流そのものの係数、kiとljが異なるものはノイズ成分となる係数である。
検出した3相電流は、式(2)および式(3)に基づきdq軸電流に変換できる。
Figure 0006854849
Figure 0006854849
和電流(Id1+Id2=IおよびIq1+Iq2=I)に比べて差電流(Id1−Id2およびIq1−Iq2)が微小であることを利用して、出力トルクは式(4)で与えられる。和電流に含まれる検出誤差を低減することで出力トルク精度を向上、あるいは出力トルクリプルを抑制できる。
Figure 0006854849
ここで、Pmは極対数、φはロータの磁束、LおよびLはそれぞれd軸インダクタンスおよびq軸インダクタンスである。
d軸和電流Iは直流成分Id_sum_dcと交流成分Id_sum_acの和で、q軸和電流Iは直流成分Iq_sum_dcと交流成分Iq_sum_acの和で表現でき、それぞれ式(5)〜(8)で与えられる。
Figure 0006854849
Figure 0006854849
Figure 0006854849
Figure 0006854849
各式において、同位相の正弦関数で表される項を1つの項としたとき、式(5)および式(7)では、第2項から第6項までが誤差成分である。第2項から第4項までは位相が2/3π異なるものとなっており、各項の正弦関数に係る係数の値、すなわち振幅が等しければ第2項から第4項までの和は零となる(第2項から第4項までの複数の項により相殺されるという、後述の条件(B))。つまり、式(5)および式(7)において誤差成分を零とするには、第2項から第4項までの振幅が等しく、第5項および第6項の振幅が零(誤差成分となる項の振幅が複数の係数により相殺されて零となるという、後述の条件(A))であればよい。式(6)および式(8)において、第1項から第9項までが誤差成分である。第1項から第3項までは位相が2/3π異なるものとなっており、各項の振幅が等しければ第1項から第3項までの和は零となる(後述の条件(B))。第4項から第6項までは位相が2/3π異なるものとなっており、各項の振幅が等しければ第4項から第6項までの和は零となる(後述の条件(B))。第7項から第9項までは位相が2/3π異なるものとなっており、各項の振幅が等しければ第7項から第9項までの和は零となる(後述の条件(B))。つまり、式(6)および式(8)において誤差成分を零とするには、第1項から第3項までの振幅が等しく、第4項から第6項までの振幅が等しく、第7項から第9項までの振幅が等しければよい。
以上ように、nが3の倍数であり、全ての相の電流の振幅が同一であるとして規格化することにより、dq変換された電流表記によるd軸和電流およびq軸和電流を、同位相の正弦関数で表される項をそれぞれまとめて、同位相の正弦関数ごとの項により表記することができる。交流回転機が、例えば、n=3、すなわち3相巻線が2個、図2のように2個の巻線の位相差がπ/6であるような、2n=6相の交流回転機である場合、例えば式(5)から式(8)のように表記できる。同位相の正弦関数の項における、有効な値を有する複数の係数al_k(l≠k)による相殺を利用して、dq変換した電流表記の誤差項が、以下の(A)、(B)の条件の少なくともどちらかを満たすように、それぞれ電流経路に磁気センサが対向配置された2n個の電流経路のそれぞれを2n個の電流経路配置位置に割り当てることにより、誤差が小さい電流検出装置が実現できる。すなわち、各磁気センサを他相から遠く離して配置する必要がないため、空間を多く必要とせず、補正導体あるいは磁気シールドといった付加部材も必要としない、誤差の少ない電流検出装置が得られる。
(A)誤差成分となる項の係数の値、すなわち振幅が、少なくとも一つの項において、その項に含まれる複数の係数により相殺される条件
(B)誤差成分のうちの、それぞれの正弦関数の位相が異なる複数の項により誤差成分の振幅が相殺される条件
以下、(A)、(B)いずれかの条件を満たす電流検出器、すなわち各相の電流経路の具体的な配置を説明する。第1電流経路X11〜X13および第2電流経路X21〜X23の通電相の組み合わせとして、図6の6つの配置を考える。X11をV1相とする場合には、図11のUをVに、VをWに、WをUに読み替えればよく、X11をW1相とする場合には、図11のUをWに、VをUに、WをVに読み替えればよい。
以下では式(1)の係数を式(9)のように規格化して説明する。
Figure 0006854849
図6の配置C1の場合には、他の係数は式(10)で与えられる。式(5)の第2項の係数の値は−6k、第3項および第4項の係数の値は3k、第5項の係数の値は−6k、第6項の係数の値は6kとなるため、和電流の直流成分誤差は残る。しかし、例えば式(6)の第3項の係数の値は、−k+0+k−k+0+kとなって零となる。このように、式(6)の第1項から第9項までの係数の値は、それぞれの項の複数の係数による相殺により全て零となり、和電流の交流成分誤差は抑制できる。すなわち交流成分の誤差項が(A)の条件を満足する。
Figure 0006854849
図6の配置C2の場合には、他の係数は式(11)で与えられる。式(5)の第2項から第6項の係数、式(6)の第1項から第9項の係数は全て零となり和電流の直流成分誤差および交流成分誤差はともに抑制できる。すなわち、直流成分誤差の項および交流成分誤差の項が条件(A)を満足する。
Figure 0006854849
同様に、図6の配置C1、C3、C5とすることで、和電流の直流成分誤差は残るが、和電流の交流成分誤差を抑制できる。すなわち交流成分の誤差項が(A)の条件を満足する。図6の配置C1、C3、C5では、第1電流経路X11〜X13を流れる電流の位相は、この順に2π/3ずつ進んでおり、第2電流経路X21〜X23を流れる電流の位相も、この順に2π/3ずつ進んでいる。nが3の倍数である2組のn相巻線を有する交流回転機についても同様であり、第1電流経路配置位置、すなわち一の組のn個の電流経路配置位置に配置されるn個の電流経路を流れる電流の位相が、電流経路配置位置が配置されている円周についての一巡回方向に順に2π/n radずつ進み、第2電流経路配置位置、すなわち他の組のn個の電流経路配置位置に配置されるn個の電流経路を流れる電流の位相も、同巡回方向に順に2π/n radずつ進むように電流経路を配置することで、出力トルクリプルを低減できるという従来に無い効果を得ることができる。なお、上記の一巡回方向は、図3および図6を参照すると時計回りであるが、例えば図3のY11をY13の位置に、Y13をY11の位置に、Y21をY23の位置に、Y23をY21の位置に交換した巡回方向が逆の場合であっても、上記の説明は全く同様である。すなわち、上記の一巡回方向は、時計回り、反時計回り、いずれかであれば良いのは言うまでもない。以降も同様である。
また、図6の配置C2、C4、C6とすることで、和電流の直流成分誤差および交流成分誤差をともに抑制できる。すなわち、直流成分誤差の項および交流成分誤差の項が条件(A)を満足する。図6の配置C2、C4、C6では、第1電流経路X11〜X13を流れる電流の位相は、この順に2π/3ずつ進んでおり、第2電流経路X21〜X23を流れる電流の位相は、この順に2π/3ずつ遅れている。nが3の倍数である2組のn相巻線を有する交流回転機についても同様であり、一の組のn個の電流経路配置位置に配置されるn個の電流経路を流れる電流の位相が、電流経路配置位置が配置されている円周についての一巡回方向に順に2π/n radずつ進み、他の組のn個の電流経路配置位置に配置されるn個の電流経路を流れる電流の位相は、同巡回方向に順に2π/n radずつ遅れるように電流経路を配置することで、出力トルクの精度を向上しつつ、出力トルクリプルを低減できるという従来に無い効果を得ることができる。
例えば、出力トルクの精度が必要な制御対象、例えば車両用発電電動機に本実施の形態の電流検出装置を用いる場合には、配置C2、C4またはC6を選択すればよく、出力トルクリプルを抑制したい制御対象、例えば電動パワーステアリング用回転機に本実施の形態の電流検出装置を用いる場合には、組み合わせC1からC6のいずれかを選択すればよい。
和電流の直流成分および交流成分の誤差項の係数の値を複数の係数による相殺により零にするために、au1_u2が−au2_u1となることを利用しているため、第2電流経路X21が第1磁気センサS11に生成する磁界の検出軸方向成分と、第1電流経路X11が第2磁気センサS21に生成する磁界の検出軸方向成分の大きさが等しくなるように配置することが望ましい。例えば、電流経路が、図3に示すように、同一平面上の電流経路配置位置に放射状に配置されている場合、図7のように電流経路の上側(紙面の表側)、あるいは図8のように電流経路の下側(紙面の裏側)に磁気センサを配置したりすることで、実現することができる。つまり、第1磁気センサが配置された平面と第1電流経路が配置された平面との距離を、第2磁気センサが配置された平面と第2電流経路が配置された平面との距離と等しくすることで、干渉し合う磁気センサの影響を等価にできる。また、図9のように電流経路が紙面に垂直に配置される場合、電流経路の配置される円と同心となる同心円上に磁気センサを配置してもよい。図9では磁気センサを電流経路の内径側に配置したが、外径側に配置しても問題は無く、第1電流経路が配置された円と、第2電流経路が配置された円と、第1磁気センサが配置された円と、第2磁気センサが配置された円を同心円とすることで、干渉し合う磁気センサの影響を等価にできる。
図3に対して一部の電流経路配置位置がずれている場合の影響について図10を用いて説明する。図10は図3に対してY23の位置のみがずれている。図3において図6の配置C2で電流経路を配置すると、式(11)により式(5)〜(8)の各係数が零になり、和電流の直流成分誤差および交流成分誤差を零にすることができていた。図10の場合には、例えば、Y23の位置がずれていない場合に比べてU1相とU2相は離れ、W1相とU2相は近づくため、Y23の位置がずれていない場合に比べてau1_u2は小さい値となり、au2_w1は大きい値となる。このため、例えば、式(12)および式(13)のように各係数は与えられ、和電流において0.6%程度の直流成分の誤差となる。式(12)および式(13)において、au2_w1およびaw1_u2が最大値0.12となっており、各相のうち最大12%の検出誤差があるにもかかわらず、適正な配置にすることで検出誤差を低減できている。つまり、完全に等間隔で無くても、後述する出力トルクの誤差上限内に収まる程度のずれであれば、同様の効果が得られる。
Figure 0006854849
Figure 0006854849
図3では第1電流経路配置位置と第2電流経路配置位置を交互に円周上に等間隔に配置したが、図11のように第1電流経路配置位置同士は等間隔に、第2電流経路配置位置同士は等間隔に、第1電流経路配置位置と第2電流経路配置位置を交互に不等間隔に配置してもよい。第1電流経路X11〜X13および第2電流経路X21〜X23の通電相の組み合わせとして、図12の2つの配置を考える。図12の配置C1の場合には、他の係数は式(14)で与えられ、和電流の直流成分誤差は残るが、交流成分誤差は抑制できる。すなわち、交流成分誤差の項が条件(A)を満足する。図12の配置C1では、第1電流経路X11〜X13を流れる電流の位相は、この順に2π/3ずつ進んでおり、第2電流経路X21〜X23を流れる電流の位相も、この順に2π/3ずつ進んでいる。nが3の倍数である2組のn相巻線を有する交流回転機についても同様であり、一の組のn個の電流経路配置位置に配置されるn個の電流経路を流れる電流の位相が、電流経路配置位置が配置されている円周についての一巡回方向に順に2π/n radずつ進み、他の組のn個の電流経路配置位置に配置されるn個の電流経路を流れる電流の位相も、同巡回方向に順に2π/n radずつ進むように電流経路を配置することで、出力トルクリプルを低減できるという従来に無い効果を得ることができる。
Figure 0006854849
図12の配置C2の場合には、他の係数は式(15)で与えられ、和電流の直流成分誤差および交流成分誤差はともに抑制できる。すなわち、直流成分誤差の第2項〜第4項が条件(B)を、第5項〜第6項が条件(A)を満足するとともに、交流成分誤差の項が条件(A)を満足する。図12の配置C2では、第1電流経路X11〜X13を流れる電流の位相は、この順に2π/3ずつ進んでおり、第2電流経路X21〜X23を流れる電流の位相は、この順に2π/3ずつ遅れている。nが3の倍数である2組のn相巻線を有する交流回転機についても同様であり、一の組のn個の電流経路配置位置に配置されるn個の電流経路を流れる電流の位相が、電流経路配置位置が配置されている円周についての一巡回方向に順に2π/n radずつ進み、他の組のn個の電流経路配置位置に配置されるn個の電流経路を流れる電流の位相は、同巡回方向に順に2π/n radずつ遅れるように電流経路を配置することで、出力トルクの精度を向上しつつ、出力トルクリプルを低減できるという従来に無い効果を得ることができる。
Figure 0006854849
また、図13のようにそれぞれ3個の電流経路配置位置が等間隔に配置された第1電流経路配置位置と第2電流経路配置位置を円周方向でπの範囲に分けて配置してもよい。第1電流経路X11〜X13および第2電流経路X21〜X23の通電相の組み合わせとして、図14の2つの配置を考える。図14の配置C1の場合には、他の係数は式(16)で与えられ、和電流の直流成分誤差は残るが、交流成分誤差は抑制できる。すなわち、交流成分誤差の項が条件(A)を満足する。図14の配置C1では、第1電流経路X11〜X13を流れる電流の位相は、この順に2π/3ずつ進んでおり、第2電流経路X21〜X23を流れる電流の位相も、この順に2π/3ずつ進んでいる。nが3の倍数である2組のn相巻線を有する交流回転機についても同様であり、一の組のn個の電流経路配置位置に配置されるn個の電流経路を流れる電流の位相が、電流経路配置位置が配置されている円周についての一巡回方向に順に2π/n radずつ進み、他の組のn個の電流経路配置位置に配置されるn個の電流経路を流れる電流の位相も、同巡回方向に順に2π/n radずつ進むように電流経路を配置することで、出力トルクリプルを低減できるという従来に無い効果を得ることができる。
Figure 0006854849
図14の配置C2の場合には、他の係数は式(17)で与えられ、和電流の直流成分誤差および交流成分誤差はともに抑制できる。すなわち、直流成分誤差の項および交流成分誤差の項が条件(A)を満足する。図14の配置C2では、第1電流経路X11〜X13を流れる電流の位相は、この順に2π/3ずつ進んでおり、第2電流経路X21〜X23を流れる電流の位相は、この順に2π/3ずつ遅れている。nが3の倍数である2組のn相巻線を有する交流回転機についても同様であり、一の組のn個の電流経路配置位置に配置されるn個の電流経路を流れる電流の位相が、電流経路配置位置が配置されている円周についての一巡回方向に順に2π/n radずつ進み、他の組のn個の電流経路配置位置に配置されるn個の電流経路を流れる電流の位相は、同巡回方向に順に2π/n radずつ遅れるように電流経路を配置することで、出力トルクの精度を向上しつつ、出力トルクリプルを低減できるという従来に無い効果を得ることができる。
Figure 0006854849
また、図15のように第1電流経路配置位置と第2電流経路配置位置を点対称に配置してもよい。第1電流経路配置位置同士、第2電流経路配置位置同士に比べると第1電流経路配置位置と第2電流経路配置位置は相対的に離れているため、式(18)のように近似できる。
Figure 0006854849
図14の配置C1の場合には、他の係数は式(19)で与えられ、和電流の直流成分誤差は残るが、交流成分誤差は抑制できる。すなわち、交流成分誤差の項が条件(A)を満足する。一方、図14の配置C2の場合には、他の係数は式(20)で与えられ、和電流の直流成分誤差および交流成分誤差はともに抑制できる。すなわち、直流成分誤差の項および交流成分誤差の項が条件(A)を満足する。nが3の倍数である2組のn相巻線を有する交流回転機についても同様であり、一の組のn個の電流経路配置位置に配置されるn個の電流経路を流れる電流の位相が、電流経路配置位置が配置されている円周についての一巡回方向に順に2π/n radずつ進み、他の組のn個の電流経路配置位置に配置されるn個の電流経路を流れる電流の位相も、同巡回方向に順に2π/n radずつ進むように電流経路を配置することで、出力トルクリプルを低減できるという従来に無い効果を得ることができる。さらに、一の組のn個の電流経路配置位置に配置されるn個の電流経路を流れる電流の位相が、電流経路配置位置が配置されている円周についての一巡回方向に順に2π/n radずつ進み、他の組のn個の電流経路配置位置に配置されるn個の電流経路を流れる電流の位相は、同巡回方向に順に2π/n radずつ遅れるように電流経路を配置することで、出力トルクの精度を向上しつつ、出力トルクリプルを低減できるという従来に無い効果を得ることができる。
Figure 0006854849
Figure 0006854849
また、図16のように第1電流経路配置位置と第2電流経路配置位置を線対称に配置してもよい。第1電流経路配置位置同士、第2電流経路配置位置同士に比べると第1電流経路配置位置と第2電流経路配置位置は相対的に離れているため、式(21)のように近似できる。
Figure 0006854849
図14の配置C1の場合には、他の係数は式(22)で与えられ、和電流の直流成分誤差は残るが、交流成分誤差は抑制できる。すなわち、交流成分誤差の項が条件(A)を満足する。一方、図14の配置C2の場合には、他の係数は式(23)で与えられ、和電流の直流成分誤差および交流成分誤差はともに抑制できる。すなわち、直流成分誤差の項および交流成分誤差の項が条件(A)を満足する。nが3の倍数である2組のn相巻線を有する交流回転機についても同様であり、一の組のn個の電流経路配置位置に配置されるn個の電流経路を流れる電流の位相が、電流経路配置位置が配置されている円周についての一巡回方向に順に2π/n radずつ進み、他の組のn個の電流経路配置位置に配置されるn個の電流経路を流れる電流の位相も、同巡回方向に順に2π/n radずつ進むように電流経路を配置することで、出力トルクリプルを低減できるという従来に無い効果を得ることができる。さらに、一の組のn個の電流経路配置位置に配置されるn個の電流経路を流れる電流の位相が、電流経路配置位置が配置されている円周についての一巡回方向に順に2π/n radずつ進み、他の組のn個の電流経路配置位置に配置されるn個の電流経路を流れる電流の位相は、同巡回方向に順に2π/n radずつ遅れるように電流経路を配置することで、出力トルクの精度を向上しつつ、出力トルクリプルを低減できるという従来に無い効果を得ることができる。
Figure 0006854849
Figure 0006854849
本実施の形態では、電流検出誤差を誤差成分に含まれる複数の係数による相殺により零に抑制する方法について説明してきたが、相殺により正確に零となる必要はなく、要求性能をみたす電流検出誤差とすればよいことは言うまでもない。第1電流経路配置位置に配置される磁気センサの検出誤差をΔId1、ΔIq1、真値をId1r、Iq1r、第2電流経路配置位置に配置される磁気センサの検出誤差をΔId2、ΔIq2、真値をId2r、Iq2rとすると、出力トルクTは式(24)となる。
Figure 0006854849
出力トルクの誤差成分Terrは、式(25)で与えられる。
Figure 0006854849
要求される出力トルク精度または出力トルクリプル内に式(24)中の誤差成分を抑制するには、式(26)あるいは式(27)を満たすようにすればよい。
Figure 0006854849
Figure 0006854849
ここで、ΔI=ΔId1+ΔId2、ΔI=ΔIq1+ΔIq2であり、ΔIはd軸和電流の誤差成分、ΔIはq軸和電流の誤差成分を表す。
例えば、L=Lの突極性の無い交流回転機であれば、出力トルクの誤差成分は式(28)となるので、出力トルクの誤差上限がTlimであればδは式(29)で与えればよい。同様の考え方でδも上限値を与えることができる。例えば、式(18)および式(21)の近似誤差の分だけ出力トルクの誤差が生じるが、出力トルクの誤差上限内であれば問題無い。
Figure 0006854849
Figure 0006854849
なお、本実施の形態で述べた等間隔、点対称、線対称は、出力トルクの誤差上限内に入る程度の位置ばらつきを許容したものであることは言うまでも無い。
実施の形態2.
本実施の形態2では図17のような2個の3相巻線の位相差が零である場合について、どの電流経路配置位置にどの相の電流経路を配置すればよいかを説明する。本実施の形態2の電流検出装置は、実施の形態1とは第1の3相巻線と第2の3相巻線の位相差のみが異なるので、実施の形態1と説明が重なる点については説明を省略する。
対応する相の電流がほぼ同等であるため、第1の3相巻線と第2の3相巻線の位相差が零である場合、2つを比較して故障を検知したり、いずれかの一方の磁気センサが故障の場合にもう一方の磁気センサの検出値を用いて継続運転したりする公知の制御を適用することができる。
d軸和電流の直流成分Id_sum_dcと交流成分Id_sum_acは、それぞれ式(30)および式(31)で与えられる。q軸和電流はq軸和電流に対して位相がπ/2異なる同様の係数を持つ式となるため以下ではd軸和電流における誤差成分の抑制について説明する。
Figure 0006854849
Figure 0006854849
図3のように第1電流経路配置位置と第2電流経路配置位置を交互に円周上に配置する場合、図6の配置C1、C3、C5とすることで和電流の直流成分誤差は残るが、和電流の交流成分誤差を抑制できる。すなわち、交流成分誤差の項が条件(B)を満足する。また、図6の配置C2、C4、C6とすることで、和電流の直流成分誤差および交流成分誤差をともに抑制できる。すなわち、直流成分誤差の項が条件(A)を満足するとともに、交流成分誤差の項が条件(B)を満足する。
図11のように第1電流経路配置位置同士は等間隔に、第2電流経路配置位置同士は等間隔に、第1電流経路配置位置と第2電流経路配置位置を交互に不等間隔に配置する場合、図12の配置C1とすることで和電流の直流成分誤差は残るが、和電流の交流成分誤差を抑制できる。すなわち、交流成分誤差の項が条件(B)を満足する。また、図12の配置C2とすることで、和電流の直流成分誤差および交流成分誤差をともに抑制できる。すなわち、直流成分誤差の項が条件(A)を満足するとともに、交流成分誤差の項が条件(B)を満足する。
図13のように第1電流経路配置位置と第2電流経路配置位置を円周方向でπずつ分けて配置する場合、図14の配置C1とすることで和電流の直流成分誤差は残るが、和電流の交流成分誤差を抑制できる。すなわち、交流成分誤差の項が条件(B)を満足する。また、図14の配置C2とすることで、和電流の直流成分誤差および交流成分誤差をともに抑制できる。すなわち、直流成分誤差の項が条件(A)を満足するとともに、交流成分誤差の項が条件(B)を満足する。
図15のように第1電流経路配置位置と第2電流経路配置位置を点対称に配置する場合、図14の配置C1とすることで和電流の直流成分誤差は残るが、和電流の交流成分誤差を抑制できる。すなわち、交流成分誤差の項が条件(B)を満足する。また、図14の配置C2とすることで、和電流の直流成分誤差および交流成分誤差をともに抑制できる。すなわち、直流成分誤差の項が条件(A)を満足するとともに、交流成分誤差の項が条件(B)を満足する。
図16のように第1電流経路配置位置と第2電流経路配置位置を線対称に配置する場合、図14の配置C1とすることで和電流の直流成分誤差は残るが、和電流の交流成分誤差を抑制できる。すなわち、交流成分誤差の項が条件(B)を満足する。また、図14の配置C2とすることで、和電流の直流成分誤差および交流成分誤差をともに抑制できる。すなわち、直流成分誤差の項が条件(A)を満足するとともに、交流成分誤差の項が条件(B)を満足する。
実施の形態3.
本実施の形態3では図18のような、2個の3相巻線の位相差がπ/3である場合について、どの電流経路配置位置にどの相の電流経路を配置すればよいかを説明する。本実施の形態3の電流検出装置は、実施の形態1とは第1の3相巻線と第2の3相巻線の位相差のみが異なるので、実施の形態1と説明が重なる点については説明を省略する。
第1の3相巻線と第2の3相巻線の位相差がπ/3である場合、位相がπ異なる相の電流が存在するため、2つを比較して故障を検知したり、いずれかの一方の磁気センサが故障の場合にもう一方の磁気センサの検出値を用いて継続運転したりする公知の制御を適用することができる。
d軸和電流の直流成分Id_sum_dcと交流成分Id_sum_acは、それぞれ式(32)および式(33)で与えられる。q軸和電流はq軸和電流に対して位相がπ/2異なる同様の係数を持つ式となるため以下ではd軸和電流における誤差成分の抑制について説明する。
Figure 0006854849
Figure 0006854849
図3のように第1電流経路配置位置と第2電流経路配置位置を交互に円周上に配置する場合、図6の配置C1、C3、C5とすることで和電流の直流成分誤差は残るが、和電流の交流成分誤差を抑制できる。すなわち、交流成分誤差の第1項〜第3項が条件(B)を、第4項〜第6項が条件(A)を満足する。また、図6の配置C2、C4、C6とすることで、和電流の直流成分誤差および交流成分誤差をともに抑制できる。すなわち、直流成分誤差の項が条件(A)を満足するとともに、交流成分誤差の第1項〜第3項が条件(B)を、第4項〜第6項が条件(A)を満足する。
図11のように第1電流経路配置位置同士は等間隔に、第2電流経路配置位置同士は等間隔に、第1電流経路配置位置と第2電流経路配置位置を交互に不等間隔に配置する場合、図12の配置C1とすることで和電流の直流成分誤差は残るが、和電流の交流成分誤差を抑制できる。すなわち、交流成分誤差の第1項〜第3項が条件(B)を、第4項〜第6項が条件(A)を満足する。また、図12の配置C2とすることで、和電流の直流成分誤差および交流成分誤差をともに抑制できる。すなわち、直流成分誤差の項が条件(A)を満足するとともに、交流成分誤差の第1項〜第3項が条件(B)を、第4項〜第6項が条件(A)を満足する。
図13のように第1電流経路配置位置と第2電流経路配置位置を円周方向でπずつ分けて配置する場合、図14の配置C1とすることで和電流の直流成分誤差は残るが、和電流の交流成分誤差を抑制できる。すなわち、交流成分誤差の第1項〜第3項が条件(B)を、第4項〜第6項が条件(A)を満足する。また、図14の配置C2とすることで、和電流の直流成分誤差および交流成分誤差をともに抑制できる。すなわち、直流成分誤差の項が条件(A)を満足するとともに、交流成分誤差の第1項〜第3項が条件(B)を、第4項〜第6項が条件(A)を満足する。
図15のように第1電流経路配置位置と第2電流経路配置位置を点対称に配置する場合、図14の配置C1とすることで和電流の直流成分誤差は残るが、和電流の交流成分誤差を抑制できる。すなわち、交流成分誤差の第1項〜第3項が条件(B)を、第4項〜第6項が条件(A)を満足する。また、図14の配置C2とすることで、和電流の直流成分誤差および交流成分誤差をともに抑制できる。すなわち、直流成分誤差の項が条件(A)を満足するとともに、交流成分誤差の第1項〜第3項が条件(B)を、第4項〜第6項が条件(A)を満足する。
図16のように第1電流経路配置位置と第2電流経路配置位置を線対称に配置する場合、図14の配置C1とすることで和電流の直流成分誤差は残るが、和電流の交流成分誤差を抑制できる。すなわち、交流成分誤差の第1項〜第3項が条件(B)を、第4項〜第6項が条件(A)を満足する。また、図14の配置C2とすることで、和電流の直流成分誤差および交流成分誤差をともに抑制できる。すなわち、直流成分誤差の項が条件(A)を満足するとともに、交流成分誤差の第1項〜第3項が条件(B)を、第4項〜第6項が条件(A)を満足する。
なお、1組の6相巻線の交流回転機であっても、本実施の形態のU1〜W2にそれぞれ対応する相を割り当てて考えることで、同様の効果を得ることができる。
実施の形態4.
図19は、実施の形態4による電流検出装置の、交流回転機1のロータの軸100の伸びる方向から見た電流経路配置位置を示す概略図である。2n=6相分ある電流検出器の配置位置として3個、すなわちn個の電流経路配置位置を与える。電流検出装置5は、第1電流経路配置位置Y11、Y12、Y13と第2電流経路配置位置Y21、Y22、Y23に配置される電流検出器で構成される。Y11、Y12、Y13、Y21、Y22、Y23に配置される電流検出器を構成する磁気センサは、それぞれ電流検出値iu1s、iv1s、iw1s、iu2s、iv2sおよびiw2sのいずれかを検出する。Y11とY21、Y12とY22、Y13とY23は同一の電流経路配置位置に隣接して配置する。第1電流経路配置位置Y11では、図4のように第1電流経路X11が発生する磁界を第1磁気センサS11で検知してi11を得る。また、例えば、図5のように磁性体50を用いて第1電流経路X11が発生する磁界を集磁して第1磁気センサS11で検知する構成としてもよい。紙面裏側に電力変換器4aまたは電力変換器4bが、紙面表側に交流回転機1が接続されることを示し、電力変換器から交流回転機に向けて正の電流が流れる場合の方向を示す。図示しないが、第1電流経路配置位置Y11と同様に、第1電流経路配置位置Y12では、第1電流経路X12が発生する磁界を第1磁気センサS12で検知してI12を得て、第1電流経路配置位置Y13では、第1電流経路X13が発生する磁界を第1磁気センサS13で検知してi13を得る。また、第2電流経路配置位置Y21では、第1電流経路X21が発生する磁界を第2磁気センサS21で検知してi21を得て、第2電流経路配置位置Y22では、第2電流経路X22が発生する磁界を第2磁気センサS22で検知してi22を得て、第2電流経路配置位置Y23では、第2電流経路X23が発生する磁界を第2磁気センサS23で検知してi23を得る。
以下では、U1〜W2の6相の電流検出器をどの電流経路配置位置に配置するのが適当であるかについて説明する。全ての相の電流の振幅が同一であるとして規格化した場合、電流検出値iu1s、iv1s、iw1s、iu2s、iv2sおよびiw2sは、実施の形態1で説明した式(1)のように与えられる。検出した3相電流は、式(2)および式(3)に基づきdq軸電流に変換できる。和電流(Id1+Id2=IおよびIq1+Iq2=I)に比べて差電流(Id1−Id2およびIq1−Iq2)が微小であることを利用して、出力トルクは式(4)で与えられる。和電流に含まれる検出誤差を低減することで出力トルク精度、出力トルクリプルは抑制できる。
d軸和電流Id1+Id2=Iは直流成分Id_sum_dcと交流成分Id_sum_acの和で、q軸和電流Iq1+Iq2=Iは直流成分Iq_sum_dcと交流成分Iq_sum_acの和で表現でき、それぞれ式(5)〜(8)で与えられる。
各式において、同位相の正弦関数で表される項を1つの項としたとき、式(5)および式(7)では、第2項から第6項までが誤差成分である。第2項から第4項までは位相が2/3π異なるものとなっており、各項の正弦関数に係る係数の値、すなわち振幅が等しければ第2項から第4項までの和は零となる(実施の形態1で説明した条件(B))。つまり、式(5)および式(7)において誤差成分を零とするには、第2項から第4項までの係数が等しく、第5項および第6項の振幅が零(実施の形態1で説明した条件(A))であればよい。式(6)および式(8)において、第1項から第9項までが誤差成分である。第1項から第3項までは位相が2/3π異なるものとなっており、各項の振幅が等しければ第1項から第3項までの和は零となる(条件(B))。第4項から第6項までは位相が2/3π異なるものとなっており、各項の振幅が等しければ第4項から第6項までの和は零となる。第7項から第9項までは位相が2/3π異なるものとなっており、各項の振幅が等しければ第7項から第9項までの和は零となる(条件(B))。つまり、式(6)および式(8)において誤差成分を零とするには、第1項から第3項までの振幅が等しく、第4項から第6項までの振幅が等しく、第7項から第9項までの振幅が等しければよい。
図20は、同一の配置位置に隣接して配置される第1電流経路配置位置Y12および第2電流経路配置位置Y22における電流経路と磁気センサの配置を示した概略図である。第1電流経路X12、第1磁気センサS12、第2磁気センサS22、第2電流経路X22の順に並ぶ。第1電流経路X12が第1磁気センサS12で生成する磁界の方向は下向きであるから検出軸はP12となる。第2電流経路X22が第2磁気センサS22で生成する磁界の方向は上向きであるから検出軸はP22となる。第2電流経路X22が第1磁気センサS12の位置に生成する磁界の方向は上向きであるから検出軸P12とは逆向きとなる。第1電流経路X12が第2磁気センサS22の位置に生成する磁界の方向は下向きであるから検出軸P22とは逆向きとなる。つまり、第1磁気センサS11〜S13、第2磁気センサS21〜S23のいずれにおいても、本来取得したい成分に対してノイズ成分は逆方向の成分となる。
式(5)の第5項および第6項の係数を見ると、第1の3相巻線同士、第2の3相巻線同士のノイズ成分の和となっているので、第1の3相巻線の電流検出器同士または第2の3相巻線の電流検出器同士を隣接させなければ、係数を零とすることができる。第2項の係数は、U1相の電流経路がW2相の磁気センサに与えたノイズ成分から、W2相の電流経路がU1相の磁気センサに与えたノイズ成分を減算しているので、それぞれノイズ成分があったとしても相殺されて零となる。第3項および第4項の係数が第2項の係数と等しくなるには零となる必要がある。
第1電流経路X11〜X13および第2電流経路X21〜X23の通電相の組み合わせは、図21の6通りが考えられる。X11をV1相とする場合には、図21のUをVに、VをWに、WをUに読み替えればよく、X11をW1相とする場合には、図21のUをWに、VをUに、WをVに読み替えればよい。
組み合わせC3の場合には、隣接する電流経路配置位置に配置される2個の電流経路の組み合わせ、すなわち(X11、X21)、(X12、X22)および(X13、X23)となる係数は式(34)で与えられる。
Figure 0006854849
式(9)および式(34)以外の係数は、1およびkよりも微小であるため零とみなしてよい。式(5)の第3項と第4項の係数を零にすることができないが、式(6)の位相が異なる第4項から第6項までの係数を等しくすることができ、位相が異なる第4項から第6項の3つの項によって相殺されることにより第4項から第6項の全体で誤差項の振幅が零となる。すなわち、実施の形態1で説明した条件(B)を満足する。これにより、出力トルクの精度は出ないものの、出力トルクリプルは低減できる。組み合わせC5でも同様である。
以上のように、隣接する電流経路配置位置がどの程度隣接していればよいかは、隣接していない2個の電流経路間における係数al_kの値が、隣接して配置される2個の電流経路間における係数al_kの値に対して無視できる程度になるくらい隣接していればよい。具体的には、隣接して配置される2個の電流経路間の距離が、隣接していない最も距離が短い電流経路間の距離の0.2倍以下の距離になっていればよい。
一方、組み合わせC2の場合には、隣接する電流経路配置位置に配置される2個の電流経路の組み合わせとなる係数は式(35)で与えられる。
Figure 0006854849
式(9)および式(35)以外の係数は、1およびkよりも微小であるため零とみなしてよい。式(6)の第4項から第6項までの係数を等しくすることができないが、式(5)の第3項と第4項の係数を零にすることができる。すなわち、条件(A)を満足する。これにより、出力トルクリプルは低減できないものの、出力トルクの精度は出すことができる。組み合わせC4およびC6でも同様である。
さらに、組み合わせC1は、隣接する電流経路配置位置に配置される2個の電流経路の組み合わせとなる係数は式(36)で与えられる。
Figure 0006854849
式(9)および式(36)以外の係数は、1およびkよりも微小であるため零とみなしてよい。式(5)の第3項と第4項の係数を零にすることができる上、式(6)の第4項から第6項までの係数を等しくすることができる。すなわち、条件(A)と条件(B)を満足する。これにより、出力トルクの精度は出る上、出力トルクリプルも低減できる。すなわち、例えば、出力トルクの精度が必要な制御対象、例えば車両用発電電動機に本実施の形態の電流検出装置を用いる場合には、組み合わせC1、C2、C4またはC6を選択すればよく、出力トルクリプルを抑制したい制御対象、例えば電動パワーステアリング用回転機に本実施の形態の電流検出装置を用いる場合には、組み合わせC1、C3またはC5を選択すればよい。
つまり、第1電流経路X11〜X1nを流れる電流を順に2π/nずつ位相が進んだものとするとともに、第2電流経路X21〜X2nを流れる電流を順に2π/nずつ位相が進んだものとすることで、出力トルクリプルを低減できるという従来に無い効果を得ることができる。第1電流経路X11〜X1nを流れる電流を順に2π/nずつ位相が進んだものとするとともに、第2電流経路X21〜X2nを流れる電流を順に2π/nずつ位相が遅れたものとすることで、出力トルクの精度を向上できるという従来に無い効果を得ることができる。さらに、kを1〜nの自然数としたとき第1電流経路X1kと第2電流経路X2kを流れる電流の位相が、それぞれπ/2異なる(図21 C1)設定とすることで、出力トルクの精度を向上しつつ、出力トルクリプルを低減できるという従来に無い効果を得ることができる。
なお、ここでは2組の3相巻線を持つ交流回転機について説明したが、誤差成分を表す式が2π/3ずれた3つの正弦関数で構成されればよいので、nが3の倍数であれば2組のn相巻線においても同様の効果を得ることが可能である。
図20では、第1電流経路X12が発生する磁界の第1磁気センサS12の検出軸P12における第2電流経路X22が発生する磁界の方向と、第2電流経路X22が発生する磁界の第2磁気センサS22の検出軸P22における第1電流経路X12が発生する磁界の方向が、ともに検出軸の方向に対して逆方向になるように配置することで、式(5)の第2項において3つの組み合わせ(U1とW2、V1とU2、W1とV2)のパラメータが異なる符号で2回登場することを利用して、出力トルクリプルの低減に加えて出力トルクの精度の向上まで可能としている。
自相の磁気センサに対して最も近い電流経路を自相のものとし、2番目に近い電流経路を隣接する電流検出器の相のものとすることで、残りの4相の電流経路の影響を相対的に小さいものとすることができ、式(1)のau1_u1〜aw2_w2の36個のパラメータのうち電流検出誤差を低減するのに考慮すべき対象を12個に絞れるという従来に無い効果を得ることができる。
ここまでは図20のように配置した場合について説明したが、第1電流経路配置位置Y12および第2電流経路配置位置Y22では、第1磁気センサS12、第1電流経路X12、第2電流経路X22、第2磁気センサS22の順に並ぶ図22のような配置としてもよい。このとき、第1電流経路X12が第1磁気センサS12の位置に生成する磁界の方向は上向きであるから検出軸はP12となる。第2電流経路X22が第2磁気センサS22の位置に生成する磁界の方向は下向きであるから検出軸はP22となる。第2電流経路X22が第1磁気センサS12の位置に生成する磁界の方向は上向きであるから検出軸P12とは同じ向きとなる。第1電流経路X12が第2磁気センサS22の位置に生成する磁界の方向は下向きであるから検出軸P22とは同じ向きとなる。この場合も式(5)〜式(8)は同様に成り立つため、第1電流経路X12が発生する磁界の第1磁気センサS12の検出軸P12において第2電流経路X22が発生する磁界の方向と、第2電流経路X22が発生する磁界の第2磁気センサS22の検出軸P22において第1電流経路X12が発生する磁界の方向が、ともに検出軸の方向に対して同方向になるように配置することで、式(5)の第2項において3つの組み合わせ(U1とW2、V1とU2、W1とV2)のパラメータが異なる符号で2回登場することを利用して、出力トルクリプルの低減に加えて出力トルクの精度の向上まで可能となる。なお、図20および図22にように磁気センサと電流経路を直線上に並べて配置することで、電流検出装置の紙面上下方向のサイズを抑制するという効果も得ることができる。
また、図20および図22では磁気センサと電流経路を直線上に並べて配置したが、図23のように電流経路と磁気センサを別の直線上に並べて配置しても出力トルクにおいて同様の効果が得られる。隣接する第1電流経路配置位置と第2電流経路配置位置において、第1電流経路と第2電流経路を同一平面上に、第1磁気センサと第2磁気センサを別の同一平面上に配置することができるため、搭載性を向上することができる。
なお、図24あるいは図25のように、電力変換器4aまたは電力変換器4bおよび交流回転機1と、第1電流経路X12と第2電流経路X22の接続方向が逆であっても、6相を適切な配置にすることで同様の効果を得ることは可能である。ただし、図20、図22および図23のように電力変換器4aまたは電力変換器4bおよび交流回転機1と、第1電流経路X12と第2電流経路X22の接続方向が同じである方が、配線の取り回しがしやすく小型化に寄与することは言うまでも無い。隣接する2個の電流経路配置位置における電流経路と磁気センサの配置は、複数の種類の配置を組み合わせて使用してもよい。
交流回転機の回転子が生成する磁界は回転軸となるシャフトを経由して、磁気センサの外乱要因となるが、図19のように、ロータの軸100を中心とする同心円状に配置することでそれぞれの磁気センサにおける外乱磁界を等価なものにすることができる。同相ノイズはdq軸上では相殺することができるため、出力トルクへの影響を抑制できる。ただし、同心円の中心がロータの軸100と一致することは、必須要件ではない。例えば磁気センサを配置する位置におけるシャフトからの磁界の漏れが小さければ、同心円の中心がロータの軸と一致していなくても、シャフトからの磁界の漏れに起因するノイズの影響は小さい。
実施の形態5.
実施の形態5では、実施の形態1から4で説明した、各相の電流経路の配置を決定して電流検出装置を製造する、電流検出装置の製造方法をまとめて説明する。図26は、実施の形態5による電流検出装置の製造方法の流れを示すフローチャートである。
まず、2n相の各巻線の磁気センサが検出するそれぞれの検出電流iksを、al_k(k、lは1からnの整数)を用いて式(37)のように表記する。
Figure 0006854849
ここで、Iはl相の電流値、係数al_kは、k相の電流経路に対向配置された磁気センサがl相の電流を検出する割合、すなわちk相の磁気センサとl相の電流経路との結合係数である。
式(37)は、n=3、すなわち3相巻線が2個、2個の巻線の位相差がπ/6であるような、2n=6相の交流回転機である場合の式(1)を、2n相の巻線を有する回転機における電流検出装置について、一般的な式として表記した式である。式(1)では、Iの振幅が全て同じであるとして電流を規格化して表記している。係数al_kは、例えばak_kを1として、k相の電流検出器がl相の電流をどれだけ検出するかの割合で表すことができる。このとき、k相とl相の電流の向きの関係、l相の電流によりk相の電流検出器の位置で発生する磁束の向きを考量して係数の符号を決定する必要がある。従来の電流検出装置では、例えば電流検出器を磁気シールドする、あるいはk相の電流検出器を、l≠kであるl相のすべての電流経路から十分遠い距離に配置する、あるいは補正導体を設置して補正電流を付加する、などして係数al_kのうちl≠kの係数の値が、ak_kの値に比較して無視できるくらい小さな値となる、あるいは無視できるくらい小さな値と等価な値となるようにしていた。本願では実施の形態1から4で説明したように、少なくとも複数の係数al_k(l≠k)が、ak_kの値に比較して無視できない、有効な値を有する場合に、その有効な値を有する複数の係数al_k(l≠k)間による相殺により、誤差項の値が低減あるいは零になる電流経路の配置があることに着目して、電流経路の配置を決定することに特徴がある。
次に、式(37)で表わされる2n相の電流表記を用いて、電流表記を2軸座標系に、すなわちdq変換する(ステップST1)。次に、それぞれ磁気センサが対向配置された2n個の電流経路を配置する電流経路配置位置として、2n個の電流経路配置位置を設定する(ステップST2)。この段階で、どの位相の電流経路をどの電流経路配置位置に配置するかまでは決定されていない。また、ステップST1とステップST2は順番が逆であってもよい。
nが3の倍数であり、Iの振幅が全て同じであるとして、dq変換された電流表記によるd軸和電流およびq軸和電流を、同位相の正弦関数で表される項をそれぞれまとめて、同位相の正弦関数ごとの項により表記する。交流回転機が、例えば、n=3、すなわち3相巻線が2個、図2のように2個の巻線の位相差がπ/6であるような、2n=6相の交流回転機である場合、例えば式(5)から式(8)のように表記できる。このように、nが3の倍数であり、Iの振幅が全て同じであるとしたとき、dq変換された電流表記によるd軸和電流およびq軸和電流は、同位相の正弦関数で表される項をそれぞれまとめて、同位相の正弦関数ごとの項により表記できる。この、同位相の正弦関数ごとの項により、有効な値を有する複数の係数al_k(l≠k)による相殺を利用して、dq変換した電流表記の誤差項が、下記(A)、(B)の条件の少なくともどちらかを満たすように、2n個の電流経路のそれぞれを2n個の電流経路配置位置に割り当てる(ステップST3)。
(A)誤差成分となる項の係数の値、すなわち振幅が、少なくとも一つの項において、その項に含まれる複数の係数により相殺される条件
(B)誤差成分のうちの、それぞれの正弦関数の位相が異なる複数の項により誤差成分の振幅が相殺される条件
なお、実施の形態4による電流検出装置では、2n個の電流経路配置位置を、n個のそれぞれの位置に、隣接した2個の配置位置を設けた電流経路配置位置として設定することになる。
以上により、それぞれの電流経路配置位置に、割り当てられた相の電流経路を配置して電流検出装置を製造する(ステップST4)。このようにして製造された電流検出装置は、上記(A)、(B)の条件のいずれかの条件を満たすよう、それぞれの配置位置に、それぞれの相の電流経路が配置された構成の電流検出装置となる。
以上のように、(A)、(B)の条件の少なくとも一つを満たすように、それぞれ電流経路に磁気センサが対向配置された2n個の電流経路のそれぞれを2n個の電流経路配置位置に割り当てることにより、誤差が小さい電流検出装置が実現できる。すなわち、各磁気センサを他相から遠く離して配置する必要がないため、空間を多く必要とせず、補正導体あるいは磁気シールドといった付加部材も必要としない、誤差の少ない電流検出装置が得られる。
本願には、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1 交流回転機、5 電流検出装置、100 ロータの軸、S11、S12、S13、S21、S22、S23 磁気センサ、X11、X12、X13、X21、X22、X23 電流経路、Y11、Y12、Y13、Y21、Y22、Y23 電流経路配置位置

Claims (32)

  1. 交流回転機の2n相(nは3の倍数)のそれぞれの巻線へのそれぞれの電流経路にそれぞれ対向配置された磁気センサを有する電流検出装置において、
    2n個のそれぞれの電流経路配置位置に、それぞれ前記磁気センサが対向配置された前記電流経路が、
    前記2n相のうちのl番目の相であるl相(l=1〜2n)の電流I、前記l相の電流経路と前記2n相のうちのk番目の相であるk相(k=1〜2n)の電流経路に対向配置された前記磁気センサとの結合係数al_kとにより表記されるk相の電流経路に対向配置された前記磁気センサが検出する検出電流iksの表記
    Figure 0006854849
    による2n個の検出電流iksを、Iの振幅が全て同じであるとして2軸座標系にdq変換された電流表記によるd軸和電流およびq軸和電流のそれぞれの直流成分と交流成分のそれぞれを同位相の正弦関数で表される項ごとにまとめて表記したそれぞれの項のうち、誤差成分となる項の振幅が、l≠kである複数の係数al_kにより相殺される条件となる位置関係に配置されていることを特徴とする電流検出装置。
  2. 前記誤差成分となる項の振幅が、l≠kである複数の係数al_kにより相殺される条件は、
    前記誤差成分となる項の振幅が、少なくとも一つの項において、当該一つの項に含まれる複数の係数により相殺される条件、
    前記誤差成分のうちの、それぞれの前記正弦関数の位相が異なる複数の項により誤差成分の振幅が相殺される条件、
    のうち少なくとも一つの条件であることを特徴とする請求項1に記載の電流検出装置。
  3. 前記相殺される条件により、
    前記交流回転機の出力トルク精度または出力トルクリプルに基づいて決定された誤差δ、および誤差δを用いて、
    前記d軸和電流の誤差成分ΔIが|ΔI|<δ、または前記q軸和電流の誤差成分ΔIが|ΔI|<δ
    を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の電流検出装置。
  4. 前記2n相の巻線は、2組のn相の巻線で構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電流検出装置。
  5. 前記2組のn相の巻線の位相差がπ/6radであることを特徴とする請求項4に記載の電流検出装置。
  6. 前記2組のn相の巻線の位相差が零であることを特徴とする請求項4に記載の電流検出装置。
  7. 前記2組のn相の巻線の位相差がπ/3radであることを特徴とする請求項4に記載の電流検出装置。
  8. 前記2n個の前記電流経路配置位置は、同一円上に配置されていることを特徴とする請求項4から7のいずれか1項に記載の電流検出装置。
  9. 前記同一円の中心が前記交流回転機のロータの軸の位置であることを特徴とする請求項8に記載の電流検出装置。
  10. 前記2n個の前記電流経路配置位置は等間隔に配置されていることを特徴とする請求項8または9に記載の電流検出装置。
  11. 前記2n個の前記電流経路配置位置は、2組の等間隔に配置されたn個の前記電流経路配置位置として設定され、それぞれの組のn個の前記電流経路配置位置に、前記2組のn相の巻線のそれぞれの組のn相の巻線に対応する前記電流経路が配置されていることを特徴とする請求項8または9に記載の電流検出装置。
  12. 前記2n個の前記電流経路配置位置は、互いに点対称の位置に配置された2組のn個の前記電流経路配置位置として設定され、それぞれの組のn個の前記電流経路配置位置に、前記2組のn相の巻線のそれぞれの組のn相の巻線に対応する前記電流経路が配置されていることを特徴とする請求項8または9に記載の電流検出装置。
  13. 前記2n個の前記電流経路配置位置は、互いに線対象の位置に配置された2組のn個の前記電流経路配置位置として設定され、それぞれの組のn個の前記電流経路配置位置に、前記2組のn相の巻線のそれぞれの組のn相の巻線に対応する前記電流経路が配置されていることを特徴とする請求項8または9に記載の電流検出装置。
  14. 一の組のn個の前記電流経路配置位置に配置されるn個の前記電流経路を流れる電流の位相は、前記電流経路配置位置が配置されている前記同一円についての一巡回方向に順に2π/n radずつ進み、他の組のn個の前記電流経路配置位置に配置されるn個の前記電流経路を流れる電流の位相は、前記一巡回方向に順に2π/n radずつ遅れていることを特徴とする請求項12または13に記載の電流検出装置。
  15. 前記2n個の前記電流経路配置位置は、前記2組のn相の巻線への電流経路に対応して2組のn個の前記電流経路配置位置として、一の組のn個の前記電流経路配置位置が同一円上であり、他の組のn個の前記電流経路配置位置が前記同一円とは半径の異なる同心円上であって、隣り合う前記電流経路配置位置の前記同心円の中心に対する配置角が同一となるよう設定されていることを特徴とする請求項4から7のいずれか1項に記載の電流検出装置。
  16. 前記2n相の巻線は、1組の2n相の巻線であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電流検出装置。
  17. 交流回転機の2n相(nは3の倍数)のそれぞれの巻線へのそれぞれの電流経路にそれぞれ対向配置された磁気センサを有する電流検出装置の製造方法において、
    それぞれ前記磁気センサが対向配置された2n個の前記電流経路を配置する位置として、2n個の電流経路配置位置を設定する配置位置設定工程、
    設定された2n個のそれぞれの前記電流経路配置位置に、それぞれ前記磁気センサが対向配置された2n個の前記電流経路のそれぞれを、
    前記2n相のうちのl番目の相であるl相(l=1〜2n)の電流I、前記l相の電流経路と前記2n相のうちのk番目の相であるk相(k=1〜2n)の電流経路に対向配置された前記磁気センサとの結合係数al_kとにより表記される、k相の電流経路に対向配置された前記磁気センサが検出する検出電流iksの表記
    Figure 0006854849
    による2n個の検出電流iksを、Iの振幅が全て同じであるとして2軸座標系にdq変換された電流表記によるd軸和電流およびq軸和電流のそれぞれの直流成分と交流成分のそれぞれを同位相の正弦関数で表される項ごとにまとめて表記したそれぞれの項のうち、誤差成分となる項の振幅が、l≠kである複数の係数al_kにより相殺される条件となるよう割り当てる電流経路割り当て工程、
    前記電流経路割り当て工程において割り当てられた前記電流経路配置位置に、それぞれ前記磁気センサが対向配置されたそれぞれの前記電流経路を配置する電流経路配置工程
    を備えたことを特徴とする電流検出装置の製造方法。
  18. 前記電流経路割り当て工程における、前記誤差成分となる項の振幅が、l≠kである複数の係数al_kにより相殺される条件は、
    前記誤差成分となる項の振幅が、少なくとも一つの項において、当該一つの項に含まれる複数の係数により相殺される条件、
    前記誤差成分のうちの、それぞれの前記正弦関数の位相が異なる複数の項により誤差成分の振幅が相殺される条件、
    のうち少なくとも一つの条件であることを特徴とする請求項17に記載の電流検出装置の製造方法。
  19. 前記相殺される条件により、
    前記交流回転機の出力トルク精度または出力トルクリプルに基づいて決定された誤差δ、および誤差δを用いて、
    前記d軸和電流の誤差成分ΔIが|ΔI|<δ、または前記q軸和電流の誤差成分ΔIが|ΔI|<δ
    を満たすことを特徴とする請求項17または18に記載の電流検出装置の製造方法。
  20. 前記2n相の巻線は、2組のn相の巻線で構成されていることを特徴とする請求項17から19のいずれか1項に記載の電流検出装置の製造方法。
  21. 前記2組のn相の巻線の位相差がπ/6radであることを特徴とする請求項20に記載の電流検出装置の製造方法。
  22. 前記2組のn相の巻線の位相差が零であることを特徴とする請求項20に記載の電流検出装置の製造方法。
  23. 前記2組のn相の巻線の位相差がπ/3radであることを特徴とする請求項20に記載の電流検出装置の製造方法。
  24. 前記配置位置設定工程において、前記2n個の前記電流経路配置位置を、同一円上に設定することを特徴とする請求項20から23のいずれか1項に記載の電流検出装置の製造方法。
  25. 前記同一円の中心を前記交流回転機のロータの軸の位置に設定することを特徴とする請求項24に記載の電流検出装置の製造方法。
  26. 前記配置位置設定工程において、前記2n個の前記電流経路配置位置を、等間隔に設定することを特徴とする請求項24または25に記載の電流検出装置の製造方法。
  27. 前記配置位置設定工程において、前記2n個の前記電流経路配置位置を、2組の等間隔に配置されたn個の前記電流経路配置位置として設定し、
    前記電流経路割り当て工程において、それぞれの組のn個の前記電流経路配置位置に、前記2組のn相の巻線のそれぞれの組のn相の巻線に対応する前記電流経路を割り当てることを特徴とする請求項24または25に記載の電流検出装置の製造方法。
  28. 前記配置位置設定工程において、前記2n個の前記電流経路配置位置を、互いに点対称の位置に配置された2組のn個の前記電流経路配置位置として設定し、
    前記電流経路割り当て工程において、それぞれの組のn個の前記電流経路配置位置に、前記2組のn相の巻線のそれぞれの組のn相の巻線に対応する前記電流経路を割り当てることを特徴とする請求項24または25に記載の電流検出装置の製造方法。
  29. 前記配置位置設定工程において、前記2n個の前記電流経路配置位置を、互いに線対象の位置に配置された2組のn個の前記電流経路配置位置として設定し、
    前記電流経路割り当て工程において、それぞれの組のn個の前記電流経路配置位置に、前記2組のn相の巻線のそれぞれの組のn相の巻線に対応する前記電流経路を割り当てることを特徴とする請求項24または25に記載の電流検出装置の製造方法。
  30. 前記電流経路割り当て工程において、一の組のn個の前記電流経路配置位置に割り当てるn個の前記電流経路を流れる電流の位相が、前記電流経路配置位置が配置されている前記同一円についての一巡回方向に順に2π/n radずつ進むようn個の前記電流経路を割り当て、他の組のn個の前記電流経路配置位置に割り当てるn個の前記電流経路を流れる電流の位相が、前記一巡回方向に順に2π/n radずつ遅れるようn個の前記電流経路を割り当てることを特徴とする請求項28または29に記載の電流検出装置の製造方法。
  31. 前記配置位置設定工程において、前記2n個の前記電流経路配置位置を、前記2組のn相の巻線への電流経路に対応して2組のn個の前記電流経路配置位置として、一の組のn個の前記電流経路配置位置が同一円上であり、他の組のn個の前記電流経路配置位置が前記同一円とは半径の異なる同心円上であって、隣り合う前記電流経路配置位置の前記同心円の中心に対する配置角が同一となるよう設定することを特徴とする請求項20から23のいずれか1項に記載の電流検出装置の製造方法。
  32. 前記2n相の巻線は、1組の2n相の巻線であることを特徴とする請求項17から19のいずれか1項に記載の電流検出装置の製造方法。
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