JP6854664B2 - ステータおよび圧縮機 - Google Patents
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Description
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、小型で、組立時の作業性を高めることができるステータおよび圧縮機を提供することを目的とする。
本発明の第1実施形態のスクロール圧縮機S1について説明する。
図1は、本実施形態によるスクロール圧縮機S1の縦断面図である。なお、スクロール圧縮機S1は、空気調和機等において冷媒を圧縮するために適用される。
図1において、スクロール圧縮機S1は、電動機部100と、圧縮機構部200と、これらを気密状態で収納する密閉容器300と、を有している。そして、電動機部100と、圧縮機構部200とは、クランクシャフト150によって連結されている。
図2において、ステータ120は、電磁鋼板等によって形成されたステータコア2と、絶縁物である樹脂によって形成されたインシュレータ5と、を有している。
ここで、ステータコア2は、略円筒状に形成された円筒部2bと、円筒部2bの周回方向等分9箇所において形成された突極2a,…,2aとを有している。突極2a,…,2aは、円筒部2bの内周面から、その中心軸に向かって略直方体状に突出して成るものである。突極2a,…,2aの相互間に形成された空間をスロット3,…,3という。
すなわち、図2に示した全てのスロット3,…,3にスロット絶縁紙4を挿入し、ステータコア2の上面にインシュレータ5を衝合し、巻線8の巻回を開始した状態の平面視を図3に示す。なお、巻線8は、断面円形の導体と、導体の周囲を覆う絶縁被膜とを有している。図3においてインシュレータ5の最内端には、複数の内壁部5cが環状に配列されているが、これら内壁部5cの相互間には、コイルノズル6を挿通するための通路7が形成されている。ここで、コイルノズル6とは、自動巻線装置のワイヤガイドとして用いられる部材であり、略筒状に形成されている。
すなわち、図2に示した全ての突極2aおよび巻胴部5aに巻線8を巻回して巻回部84を形成し、渡り線82(図4参照)を圧着端子用ハウジング10に装着し、口出線86を外部に引き出した状態の平面視を図5に示す。3個の圧着端子用ハウジング10には、それぞれ圧着端子11が圧入され、ここで渡り線82が3本ずつ接続される。また、口出線86は、筒状絶縁体の保護チューブ17に挿通される。そして、口出線86は、保護チューブ17とともに、各巻回部84の上部の空間内に周回方向に沿って延設された後、口出線まとめ部21において一束にまとめられ、外部に引き出される。また、各巻回部84の間には、絶縁性を確保するために、相間絶縁紙9が挿入されている。このように、ステータコア2、スロット絶縁紙4、インシュレータ5、巻線8、相間絶縁紙9、圧着端子用ハウジング10、圧着端子11、保護チューブ17、インシュレータカバー180(図1参照)等によってステータ1が構成される。
図6において、U相,V相,W相の3本の渡り線82を、82U,82V,82Wと表記する。圧着端子用ハウジング10は、上面を開口した略直方体箱状に形成され、インシュレータ5の内面から外面に向かって、渡り線82U,82V,82Wを配設するための3本の溝10bが形成されている。渡り線82U,82V,82Wは、これら3本の溝10bに各々嵌めこまれている。
すなわち、図5,図6に示した製造段階のステータ120に対して、圧着端子用ハウジング10の上部にインシュレータカバー180を装着した状態を図7に示す。
インシュレータカバー180は、遮蔽部182と、突出部183(露出箇所遮蔽部)と、環状部184(環状絶縁体)と、円筒部186と、を有し、これらを一体に形成して構成されている。
環状部184に形成された貫通孔184aは、凸部5dおよび爪部5eを合わせた幅よりも若干幅広くなっている。環状部184を上方向から図示の位置に圧入すると、貫通孔184aの周縁部が爪部5eによって係止され、インシュレータカバー180はインシュレータ5に強固に固定される。この状態において、保護チューブ17に挿通された口出線86は、巻回部84と、環状部184とに挟まれ、その位置が固定される。
すなわち、図7において、遮蔽部182の中心位置からステータ120を半径方向に切断した状態を図9に示す。当該部分は、巻線8を巻回する工程(図3参照)において、圧着端子用ハウジング10に対してコイルノズル6が最も干渉しやすい位置である。
インシュレータカバー180の環状部184には、半径方向に凹んだ凹部184bが形成されている。この凹部184bには、口出線86を束ねた口出線まとめ部21(図5参照)が挿通され、口出線まとめ部21は、上方に向かって引き出される。
次に、本発明の第2実施形態のスクロール圧縮機について説明する。
本実施形態のスクロール圧縮機の全体構成は、第1実施形態のもの(図1〜図10)と略同様である。但し、本実施形態においては第1実施形態のインシュレータカバー180および遮蔽部182に相当する部材が別体に構成されている点が相違する。
図11は、本実施形態のスクロール圧縮機におけるステータ120の要部の断面図である。図11の断面位置は、第1実施形態における図9の断面位置に対応する。
次に、本発明の第3実施形態のスクロール圧縮機について説明する。
本実施形態のスクロール圧縮機の全体構成は、第1実施形態のもの(図1〜図9)と略同様である。但し、本実施形態においては、遮蔽部182の内側に、絶縁用樹脂材を充填した点が異なっている。
図12は、本実施形態のスクロール圧縮機における要部の断面図である。図12の断面位置は、第1実施形態における図9の断面位置に対応する。
次に、本発明の第4実施形態のスクロール圧縮機について説明する。
本実施形態のスクロール圧縮機の全体構成は、第1実施形態のもの(図1〜図9)と略同様である。但し、本実施形態においては、遮蔽部182と圧着端子用ハウジング10との間に絶縁フィルム材を挿入した点が異なっている。
図13は、本実施形態のスクロール圧縮機における要部の断面図である。図13の断面位置は、第1実施形態における図9の断面位置に対応する。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。上述した実施形態は本発明を理解しやすく説明するために例示したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について削除し、若しくは他の構成の追加・置換をすることが可能である。上記実施形態に対して可能な変形は、例えば以下のようなものである。
2a 突極
2b 円筒部
5 インシュレータ
5a 巻胴部
5b 外壁部
8 巻線
10 圧着端子用ハウジング(接続用ハウジング)
19 絶縁用樹脂材
20 絶縁フィルム材
110 ロータ
120 ステータ
170,180 インシュレータカバー
182 遮蔽部
183 突出部(露出箇所遮蔽部)
184 環状部(環状絶縁体)
200 圧縮機構部
Claims (7)
- 略円筒状に形成された円筒部と、該円筒部の内壁から内側に向かって突出する複数の突極とを有するステータコアと、
前記ステータコアの端部に設けられ、略円環状に形成された外壁部と、前記複数の突極を覆うように前記外壁部から内側に突出する複数の巻胴部と、前記外壁部から前記円筒部の軸方向に突出するように形成された接続用ハウジングと、を有するインシュレータと、
前記突極および前記巻胴部に巻回され、前記接続用ハウジングにて相互に接続され、冷媒または冷凍機油に近接し得る複数の巻線と、
前記接続用ハウジングを覆う遮蔽部と、
前記インシュレータに装着され、前記巻胴部に対向して配置される環状絶縁体と、
を有し、
前記環状絶縁体と、前記遮蔽部とが一体に構成されている
ことを特徴とするステータ。 - 複数の前記巻線は、導体と、前記導体の周囲を覆う絶縁被膜とを有し、前記接続用ハウジングの一の側面において前記導体を露出させるものであり、
前記遮蔽部は、前記導体の露出箇所を覆う露出箇所遮蔽部を有する
ことを特徴とする請求項1に記載のステータ。 - 前記ステータは、圧縮機構部を有する圧縮機に適用されるものであり、
前記遮蔽部および前記環状絶縁体は、前記ステータコアと、前記圧縮機構部との間に配置される
ことを特徴とする請求項2に記載のステータ。 - 前記露出箇所遮蔽部と、前記ステータコアとの間隔は、0.1mm以上かつ5mm以下である
ことを特徴とする請求項3に記載のステータ。 - 前記遮蔽部の内側に、絶縁用樹脂材を充填した
ことを特徴とする請求項1に記載のステータ。 - 前記遮蔽部の内側に、絶縁フィルム材を挿入した
ことを特徴とする請求項1に記載のステータ。 - 請求項1ないし6の何れか一項に記載のステータと、
前記ステータによって回転駆動されるロータと、
前記ロータに結合され冷媒を圧縮する圧縮機構部と、
を有することを特徴とする圧縮機。
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