JP6853799B2 - 常温で自己退色性を有する塗料組成物 - Google Patents
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(A)下記式(1)で表されるシリケート化合物の(部分)加水分解物30〜80部、
(式中、Rは炭素数1〜8の有機基を示し、これらは互いに同一のものでも異なるものであってもよい。また、nは1〜50の整数を示す。)
(B)金属キレート化合物10〜60部、
(C)バインダー成分5〜40部、
(ここで、「部」は「有効成分の重量部」を表す。)
を含有する塗料組成物に関する発明に想到した。
「視認性が低下」とは、塗膜の透明性の向上等によって、肉眼による観察において乾燥塗膜が塗装直後の塗膜よりも見えにくくなることを指す。
「親水性及び耐汚染性に優れる」とは、本発明の塗料組成物による塗膜が、上記(A)シリケート化合物の(部分)加水分解物を含まない塗料組成物による塗膜と比較して、親水性及び耐汚染性が向上していることを指す。
金属キレート化合物は、塗料中においては、上記(A)シリケート化合物の(部分)加水分解物と相互作用し、塗料の発色に寄与していると考えられる。一方、塗膜形成時においては、溶剤の揮発に従って、当該加水分解物が有するシラノールの縮合が進行して上記相互作用が解消され、発色性が低下すると解される。また、上記相互作用が解消された金属キレート化合物は、シラノールの縮合反応の触媒として働くとともに、塗膜構成成分にもなると解される。
上記(A)シリケート化合物の(部分)加水分解物、及び(B)金属キレート化合物のみの構成では、シラノールの縮合による硬化収縮によって塗膜に割れが生じやすい。しかし、バインダー成分を併用することで、塗膜の割れを抑制できる。
上記(A)〜(C)の各成分に加えて、親水性や耐汚染性の底上げのための成分として、コロイダルシリカやオルガノシリカゾル、微粒子金属ゾルを加えることができる。コロイダルシリカとしては、例えば、スノーテックスシリーズ(日産化学工業社製)が挙げられる。Na安定型、NH4 +安定型、酸性ゾル等の様々な安定化形態がある。また、それぞれの安定化形態において、多様な形状や粒子径が選択できるため、上記(A)〜(C)の各成分の特性を考慮して、適切なものを選択するとよい。また、同社では、溶剤分散タイプであるオルガノシリカゾルも扱っている。アルコール系、ケトン系、エーテル系等の種類があるため、上記(A)〜(C)の各成分との相溶性を考慮して、適切なものを選択するとよい。これらの成分は添加量が多くなるにつれて塗膜の親水性や耐汚染性への寄与が大きくなるが、有効成分換算で全成分の40重量%以内とするのが好ましい。添加量が40重量%より多いと、塗膜に割れが生じやすくなる。
2L3つ口フラスコに、エチルシリケート40(コルコート社製)50.0部、エタノール400.0部を加え、撹拌しながら0.1%塩酸700.0部を加え、50〜60度で4時間加熱した。常温まで冷却した後、水で固形分を3%に調整したシリケート化合物の(部分)加水分解物A−1を得た。
2L3つ口フラスコに、エチルシリケート40(コルコート社製)50.0部、エタノール400.0部を加え、撹拌しながら1%ホウ酸水溶液700.0部を加えた。70〜80度で7時間加熱した。常温まで冷却した後、アンモニア水でpHを10程度に、固形分を3%に調整したシリケート化合物の(部分)加水分解物A−2を得た。
2L3つ口フラスコに、エチルシリケート48(コルコート社製)50.0部、エタノール400.0部を加え、撹拌しながら1%ホウ酸水溶液700.0部を加えた。70〜80度で7時間加熱した。常温まで冷却した後、アンモニア水でpHを10程度に、固形分を3%に調整したシリケート化合物の(部分)加水分解物A−3を得た。
[比較例1]
[比較例2]
[比較例3]
塗料組成物1〜7及び比較塗料組成物1〜3を刷毛で一様にガラス基材に塗装し、常温で3時間乾燥させた。
塗装時の発色性を目視で評価した。
<評価基準>
○:塗装時に視認できる程度の発色がある。
△:塗料の発色が弱く、塗装時の視認が困難である。
×:塗料の発色がない。
塗膜を3時間乾燥させた後における発色性の有無を目視で評価した。
<評価基準>
○:発色性が低下し、塗装直後の発色性が認められない。
×:塗装直後の発色性と比較して、ほとんど変化がない。
塗膜乾燥後に目視で外観評価し、異常の有無を評価した。
<評価基準>
○:異常なし。
△:塗膜の一部に割れ、ハジキ等の異常がある。
×:塗膜全面に割れ、ハジキ等の異常がある。
水接触角の測定によって評価した。測定には、自動接触角計(KRUSS社製、型番DSA30S)を用いた。一般に、接触角が10度以下のものは超親水性を示すとされる。ここでは、ガラス基材の接触角と比較して、以下のように評価した。
<評価基準>
○:接触角が10度未満である。
○△:接触角が10度以上25度未満である。
△:接触角が25度以上40度未満である。
×:接触角が基材同等(40度)以上である。
乾燥塗膜に5%カーボン水懸濁液を一様に塗布し、常温で4時間乾燥させた後、水で洗い流して汚れの残り方を比較した。
<評価基準>
○:汚れが残らなかった。
△:汚れが部分的に残った。
×:汚れがほとんど洗い流されなかった。
表2は前述の実施例1〜7と比較例1〜3の塗膜物性の結果の評価を示したものである。
表2に示す塗膜物性の結果より、(A)〜(C)の3つの成分を必須成分とする塗料組成物は、塗装時の視認性に優れ、親水性及び耐汚染性に優れる塗膜を形成した。特に、(A)成分は、塗膜の親水性及び耐汚染性への寄与が大きい。また、(B)成分は、塗装時の視認性への寄与が大きく、(C)成分は塗膜外観への寄与が大きい。
Claims (3)
- シリケート化合物の(部分)加水分解物を含み、親水性及び耐汚染性を有する塗膜を形成する塗料組成物において、
(A)下記式(1)で表されるシリケート化合物の(部分)加水分解物30〜80部、
(式中、R 1 、R 2 、R 3 及びR 4 は炭素数1〜8の有機基を示し、これらは互いに同一のものでも異なるものであってもよい。また、nは1〜50の整数を示す。)
(B)金属キレート化合物10〜60部、
(C)バインダー成分5〜40部、
を含有するものであり、(ここで、「部」は上記(A)(B)(C)それぞれの「固形分の重量部」を表す。)
前記(B)金属キレート化合物は、チタンジイソプロポキシビス(アセチルアセトネート)、チタンテトラアセチルアセトネート、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート及びジルコニウムトリブトキシモノアセチルアセトネートからから選択された少なくとも一種であり、
塗装時においては発色によって視認性を示す一方、塗膜形成時においては、常温での乾燥の過程で、自己作用によって前記視認性が低下した塗膜を形成することを特徴とする塗料組成物。 - 前記(A)(B)(C)の3成分の固形分重量中、前記(B)金属キレート化合物は、41.2重量%以上配合されたことを特徴とする請求項1に記載の塗料組成物。
- 請求項1又2記載の塗料組成物によって形成される、親水性及び耐汚染性に優れ且つ自己作用によって前記視認性が低下した塗膜。
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