JP6851109B2 - 抗体を精製する方法及び担体を洗浄する方法 - Google Patents

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本発明は、抗体を精製する方法及び担体を洗浄する方法に関する。
近年、ガンや感染症等の治療に抗体を含む医薬品(抗体医薬)が用いられている。抗体医薬に用いる抗体は、遺伝子工学的手法により得られた抗体発現細胞(例えば、チャイニーズハムスター卵巣細胞等)を培養した後、アフィニティークロマトグラフィー等で精製することで得られている。
また、上記アフィニティークロマトグラフィーには、抗体を特異的に吸着可能な物質(リガンド)を固定した担体が一般に用いられている。リガンドは、イオン相互作用、疎水相互作用、水素結合、弱い共有結合、キレート結合等を抗体との間に複合的かつ立体的に形成する。
アフィニティークロマトグラフィーを用いることにより、抗体を含む液体試料に含まれる夾雑物(例えば、培養細胞由来のタンパク質(HCP(Host Cell Protein))や核酸、膜成分、代謝物質、培養液由来の成分の他、リガンドや担体が剥離したもの等)が除去され、抗体を高純度に精製できるとされているが、液体試料に含まれる夾雑物も、弱い結合力ながら担体に吸着し残存してしまい、このことが、抗体の精製純度が低下する要因や担体の再利用を困難にする要因となっていた(特許文献1、並びに非特許文献1及び2)。
特開2011−206046号公報
Journal of Chromatogr. A,1102,224−231,2006 Biotechnol. Prog.24,1115−1121,2008
そのため、担体に吸着したHCP等の夾雑物の持ち越しをなくすために、抗体を溶出させた後に塩基性液体を用いた担体の洗浄が実施されるが、プロテインA等のリガンドは塩基性液体により劣化し、動的結合容量が洗浄するたびに徐々に低下していくという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、アフィニティークロマトグラフィー用担体の動的結合容量の低下を抑制する手段を提供することにある。
上記課題は、下記の手段により解決された。
<1> アフィニティークロマトグラフィー用担体を充填したカラムを平衡化する工程と、前記平衡化したカラムに、抗体を含む液体を添加する工程と、前記抗体を含む液体に含まれる夾雑物を洗浄する工程と、前記抗体を前記カラムから溶出させる工程と、前記アフィニティークロマトグラフィー用担体を塩基性の液体で洗浄する工程とを含む、抗体の精製方法であって、前記塩基性の液体で洗浄する工程を、20℃以下で行うことを特徴とする、精製方法(以下、本発明の精製方法とも称する)。
<2> 前記アフィニティークロマトグラフィー用担体が、抗体吸着性リガンドが固定された担体である、<1>に記載の精製方法。
<3> アフィニティークロマトグラフィー用担体を塩基性の液体で洗浄する工程を含む、担体の洗浄方法であって、前記塩基性の液体で洗浄する工程を、20℃以下で行うことを特徴とする、洗浄方法(以下、本発明の洗浄方法とも称する)。
<4> 抗体吸着性リガンドが固定されたアフィニティークロマトグラフィー用担体を塩基性の液体で洗浄する工程を含む、担体の洗浄方法であって、前記塩基性の液体で洗浄する工程を、20℃以下で行うことを特徴とする、洗浄方法。
<5> 前記抗体吸着性リガンドが、タンパク質リガンドである、<2>又は<4>に記載の方法。
<6> 前記タンパク質リガンドが、プロテインA又はFc結合性タンパク質である、<5>に記載の方法。
本発明の精製方法及び洗浄方法により、アフィニティークロマトグラフィー用担体の動的結合容量の低下を抑制することができる。
<精製方法>
本発明の精製方法は、アフィニティークロマトグラフィー用担体を充填したカラムを平衡化する工程(以下、工程Aとも称する)と、前記平衡化したカラムに、抗体を含む液体を添加する工程(以下、工程Bとも称する)と、前記抗体を含む液体に含まれる夾雑物を洗浄する工程(以下、工程Cとも称する)と、前記抗体を前記カラムから溶出させる工程(以下、工程Dとも称する)と、前記アフィニティークロマトグラフィー用担体を塩基性の液体で洗浄する工程(以下、工程Eとも称する)とを含む、抗体の精製方法であって、工程Eを、20℃以下で行うことを特徴とするものである。なお、数値範囲等を表す「a〜b」等の表記は、特に断りのない限りa及びbをその数値範囲に含むものであり、「a以上、b以下」と同義である。
以下、本発明の精製方法について説明する。
(アフィニティークロマトグラフィー用担体)
本発明の精製方法で使用するアフィニティークロマトグラフィー用担体は、アフィニティークロマトグラフィーに用いられるものであれば特に限定されないが、例えば、抗体吸着性リガンドが固定された担体が挙げられる。
上記抗体吸着性リガンドとしては、タンパク質リガンドが好ましい。具体的には、プロテインA、プロテインG、プロテインL、Fc結合性タンパク質、(ストレプト)アビジン、レクチン、それらの機能性変異体等が挙げられる。なお、抗体吸着性リガンドはその全体を用いてもよいが、リコンビナント、酵素処理等によって得られるフラグメントを用いてもよい。
これらの中でも、プロテインA、プロテインG、プロテインL、Fc結合性タンパク質及びそれらの機能性変異体から選ばれる1種以上が好ましく、プロテインA、Fc結合性タンパク質が特に好ましい。Fc結合性タンパク質は特に限定されないが、例えば、特開2011−206046号公報に記載のFc結合性タンパク質等が挙げられる。
担体の材質としては、アガロース、デキストラン、セルロース等の天然高分子;ポリスチレン系樹脂、メタクリレート系樹脂等の合成高分子;シリカ;ガラス等が挙げられ、これらのうち1種が単独で用いられていてもよく、2種以上が用いられていてもよい。
また、担体の形状としては、粒子状、中空繊維状、不織布状、フィルター状、モノリス状が挙げられる。これらの中でも、粒子状が好ましい。
(工程A)
工程Aは、上記アフィニティークロマトグラフィー用担体を充填したカラムを平衡化する工程である。
ここで、工程A及び工程Cにおいて、系中のpHは、リガンドの変性を抑える点や工程Cにおける抗体の溶出を抑える点から、好ましくは5以上であり、より好ましくは5〜12の範囲であり、更に好ましくは5〜10の範囲であり、特に好ましくは6〜8の範囲(中性付近)である。また、pHをこのような範囲とするために、工程A、Cは緩衝液を用いて行うのが好ましい。
上記緩衝液に使用する緩衝剤は特に限定されないが、リン酸ナトリウム等のリン酸塩、Tris(トリスヒドロキシアミノメタン)、ホウ酸、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム等が挙げられる。また、MES(2−モルホリノエタンスルホン酸)やHEPES(2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸)といったグッドバッファー系緩衝剤を用いてもよい。また、緩衝液としてリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を用いてもよい。また、緩衝剤の濃度は、最終濃度で、好ましくは10〜100mM(10〜100mmol/L)程度である。
また、上記緩衝液としては、塩類を含むものが好ましい。塩類としては、塩化ナトリウム等のアルカリ金属塩化物が挙げられる。塩類の濃度は、最終濃度で、好ましくは20mM以上、より好ましくは30mM以上、特に好ましくは50mM以上であり、また、最終濃度で、好ましくは1200mM以下、より好ましくは1000mM以下、特に好ましくは500mM以下である。
工程A及び工程Cにおける緩衝液の使用量は、通常、カラム容量の1〜10倍であり、好ましくはカラム容量の3〜5倍である。
(工程B)
工程Bは、平衡化したカラムに、抗体を含む液体を添加する工程である。工程Bにより、液体試料中の抗体が担体に接触し吸着される。
抗体を含む液体としては、例えば、ハイブリドーマを培養した際の培養液と抗体との混合液が挙げられる。この場合、培養液に含まれる抗体以外の成分が夾雑物として挙げられる。
本発明における抗体としては、例えば、IgG抗体のCH2/CH3領域(CH2領域及びCH3領域)を含むタンパク質を有する抗体、Fc融合タンパク質、組換えタンパク質等が挙げられる。
なお、工程Bにおいては、液体試料を緩衝液で希釈して用いてもよい。緩衝液としては、工程Aで使用されるものと同様のものが挙げられる。
工程Bにおける抗体を含む液体の使用量は、通常、当該液体に含まれる抗体の使用量が、カラムに充填されたアフィニティークロマトグラフィー用担体の吸着容量の50〜100質量%の範囲となる量であり、好ましくは吸着容量の60〜90質量%の範囲となる量、より好ましくは75〜85質量%である。吸着容量は抗体を吸着させる際のカラムの流速等の条件により変化するが、例えば実施例に記載の手法により動的結合容量(抗体量mg/カラム粒子体積mL)として算出できる。使用するカラム粒子の量、流速、抗体の濃度等に応じて、上記の使用量を選定すればよい。
なお、工程Bにおいては、アフィニティークロマトグラフィー用担体と抗体が接触した状態を保持させてもよく、この場合、保持時間は、特に限定はされないが、通常1〜60分間であり、好ましくは1〜20分間、より好ましくは2〜8分間である。
(工程C)
工程Cは、抗体を含む液体に含まれる夾雑物を洗浄する中間洗浄工程である。
工程Cにおいては、中間洗浄に使用する洗浄液に上記緩衝液、上記塩類、水溶性有機溶媒、非イオン系界面活性剤及び疎水性アミノ酸から選ばれる1種以上を含有せしめて用いてもよい。これにより、抗体とアフィニティークロマトグラフィー用担体との疎水的な相互作用がコントロールしやすくなる。
水溶性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール(イソプロパノール)、ブタノール等の炭素数1〜6程度の直鎖状又は分岐状のアルコールの他、アセトニトリル、アセトン、ベンジルアルコール等が挙げられる。なお、これらのうち1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
水溶性有機溶媒を使用する場合、その使用量は、通常0.1〜25%(v/v)の範囲であり、好ましくは5〜20%(v/v)の範囲である。
非イオン系界面活性剤としては、ポリソルベート(Tween20、Tween40、Tween60、Tween80(以上商品名)等)やTriton X−100(商品名)等が挙げられる。なお、これらのうち1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
非イオン系界面活性剤を使用する場合、その使用量は、臨界ミセル濃度以上の常用濃度となるように添加すればよく、好ましくは0.01〜1%(v/v)の範囲である。
疎水性アミノ酸としては、ロイシン、イソロイシン、バリンが挙げられる。
疎水性アミノ酸を使用する場合、その使用量は、溶解可能な濃度域であればよく、好ましくは100mM〜1Mの範囲、より好ましくは200mM〜400mMの範囲である。
また、工程Cで用いる洗浄液には、水素結合の形成を阻害する物質を含有せしめてもよい。これにより、抗体とアフィニティークロマトグラフィー用担体との水素結合の強さをコントロールしやすくなる。
水素結合の形成を阻害する物質としては尿素が挙げられ、グアニジン塩酸塩等のグアニジウム塩を用いてもよい。
水素結合の形成を阻害する物質を使用する場合、その使用量は、最終濃度で、通常0.3M以上であり、好ましくは0.5M以上であり、より好ましくは0.5〜3Mの範囲である。
なお、工程Cで用いる洗浄液には、上記水溶性有機溶媒や非イオン系界面活性剤、疎水性アミノ酸と、上記水素結合の形成を阻害する物質とを組み合わせて含有せしめてもよい。これにより、工程Cによる夾雑物の洗浄効果をさらに高めることができる。
なお、工程Cで用いる洗浄液は、上記のとおり、塩類を含むものが好ましい。また、塩類の濃度は上記のとおりである。
(工程D)
工程Dは、抗体をカラムから溶出させる工程である。
工程Dは、溶出バッファーを用いて行うのが好ましい。溶出バッファーは担体の種類に応じて選択すればよいが、プロテインA等のタンパク質リガンドの場合は、酸性緩衝液が好ましい。酸性緩衝液のpHは、好ましくは2〜6の範囲であり、より好ましくは3〜6の範囲であり、特に好ましくは3〜5の範囲である。また、酸性緩衝液としては、クエン酸や酢酸等の有機酸の塩を用いた酸性緩衝液が挙げられる。有機酸の塩の濃度は、最終濃度で、好ましくは10〜100mM程度である。
工程Dにおける溶出バッファーの使用量は、通常、カラム容量の0.2〜10倍であり、好ましくはカラム容量の1〜5倍である。
なお、工程Eに先立ち、工程Dで抗体を溶出させたカラムを平衡化してもよい。当該平衡化は、工程Aと同様にして行えばよい。
また、工程Dにより溶出した抗体をカラムから回収することができる。抗体を回収する方法としては、例えば、クロマトグラフィーシステムのフラクションコレクターを用いる方法が挙げられる。
なお、上記工程A〜Dを実施する温度は特に限定されないが、好ましくは1〜40℃であり、より好ましくは1〜30℃である。
(工程E)
工程Eは、アフィニティークロマトグラフィー用担体を塩基性の液体を用いて20℃以下で洗浄する工程である。工程Eにおける洗浄はアルカリ洗浄であり、動的結合容量の低下を抑制する点や操作の容易性の点から、定置洗浄(Cleaning−in−place)が好ましい。
工程Eで用いる塩基性の液体としては、塩基性化合物の水溶液が好ましい。塩基性化合物は、塩基性無機化合物と塩基性有機化合物とに大別されるが、本発明の所望の効果を高める点から、塩基性無機化合物が好ましい。
塩基性無機化合物としては、金属の水酸化物、アンモニア等が挙げられる。この中でも、本発明の所望の効果を高める点から、金属の水酸化物が好ましく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物がより好ましく、アルカリ金属の水酸化物が更に好ましく、水酸化ナトリウムが特に好ましい。
塩基性の液体としては、水酸化ナトリウム水溶液が特に好ましい。
塩基性化合物の濃度は、本発明の所望の効果を高める点から、最終濃度で、好ましくは10mM以上、より好ましくは30mM以上、更に好ましくは50mM以上、特に好ましくは100mM以上であり、また、本発明の所望の効果を高める点から、最終濃度で、好ましくは2M以下、より好ましくは1.5M以下、更に好ましくは1M以下、特に好ましくは0.5M以下である。
工程Eにおける洗浄温度は20℃以下である。この構成によって、アフィニティークロマトグラフィー用担体の動的結合容量の低下を抑制することができる。
工程Eにおける洗浄温度は、本発明の所望の効果を高める点から、17.5℃以下が好ましく、15℃以下がより好ましく、12.5℃以下が更に好ましく、10℃以下が更に好ましく、8℃以下が特に好ましい。また、洗浄温度は、塩基性液体の凝固点を超えていればよいが、好ましくは1℃以上である。
また、洗浄温度を20℃以下にするにあたっては、カラム容器ごと20℃以下に冷却してもよく、洗浄液の温度を直接20℃以下に制御してもよい。また、精製方法の全工程を20℃以下で実施しても、工程Eのみを20℃以下で実施してもよい。
工程Eにおける塩基性液体の使用量は、通常、カラム容量の1〜10倍であり、好ましくはカラム容量の3〜5倍である。
工程Eにおける洗浄時間は、工程1回あたり、好ましくは1分間〜60分間であり、より好ましくは5分間〜40分間であり、特に好ましくは15分間〜30分間である。なお、工程Eを行う回数は、1回でも複数回でもよい。
<洗浄方法>
本発明の洗浄方法は、アフィニティークロマトグラフィー用担体を塩基性の液体で洗浄する工程を含む、担体の洗浄方法であって、前記塩基性の液体で洗浄する工程を、20℃以下で行うことを特徴とするものである。
本発明の洗浄方法における洗浄工程は、本発明の精製方法における工程Eと同様である。アフィニティークロマトグラフィー用担体についても、本発明の精製方法で用いるものとして挙げたものを使用できる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例1は参考例である。
〔試験例(塩基性液体による動的結合容量低下の比較)〕
カラムに充填したアフィニティークロマトグラフィー用担体の動的結合容量(DBC(Dynamic Binding Capacity)を測定したのち、塩基性液体(0.5M水酸化ナトリウム水溶液)でカラム内を置換して、所定の温度(実施例1:20℃、実施例2:15℃、実施例3:10℃、実施例4及び5:6℃、比較例:25℃)にて15時間静置し、動的結合容量を再度測定することで、塩基性液体による動的結合量低下を比較した。具体的な手順は以下のとおりである。なお、複数回(複数サイクル)の使用を経た場合を想定し、塩基性液体浸漬後に長時間の静置を行った。
(初期DBC測定)
GEヘルスケア社製Tricorn 50/200カラムに、プロテインAが固定された担体(JSRライフサイエンス社製 AmsphereTM A3)4mLを充填し、このカラムをGEヘルスケア社製AKTA prime plusに接続した。
次いで、20mMリン酸ナトリウム/150mM塩化ナトリウム水溶液(pH7.5)5CV(Column Volume:カラム充填体積)を、23℃環境下流速1mL/分で送液することで、カラムを平衡化した。
その後、保持時間4分における抗体(ヒトIgG抗体、Equitech Bio社製 HGG−1000)に対するDBCを測定した。抗体は、20mMリン酸ナトリウム/150mM塩化ナトリウム水溶液(pH7.5)で5mg/mLに希釈したものを使用して23℃環境下流速1mL/分で送液し、溶出先端10%ブレークスルーのときの抗体捕捉量とカラム充填体積から初期DBCを求めた。
(実施例1)
初期DBC測定後、23℃環境下にて、20mMリン酸ナトリウム/150mM塩化ナトリウム水溶液(pH7.5)5CVを流速2.0mL/分で送液することで未吸着の抗体を洗浄し、50mMクエン酸ナトリウム水溶液(pH3.2)5CVを流速1.0mL/分で送液することで抗体の溶出を実施した。次に、20mMリン酸ナトリウム/150mM塩化ナトリウム水溶液(pH7.5)5CVを流速2.0mL/分で送液することで、カラムを再度平衡化した。
その後、0.5M水酸化ナトリウム水溶液を流速1.0mL/分にて10分間通液することでカラム内を置換し、20℃の環境下で15時間静置したのち、上記初期DBCの測定に則り、塩基性液体浸漬後のDBCを測定し、初期DBCからの維持率を算出した。
(実施例2〜4)
塩基性液体浸漬後の静置温度を、15℃(実施例2)、10℃(実施例3)、6℃(実施例4)に変更する以外は実施例1と同様の操作を行い、初期DBCと静置後のDBCの比較を実施した。
(比較例)
塩基性液体浸漬後の静置温度を25℃に変更する以外は実施例1と同様の操作を行い、初期DBCと静置後のDBCの比較を実施した。
(測定結果)
各実施例、比較例の測定結果を表1に示す。
Figure 0006851109
(実施例5)
工程A〜工程Eに該当する手順(初期DBC測定前の平衡化から塩基性液体浸漬後の静置まで)をすべて6℃の冷蔵庫内にて実施する以外は、実施例4と同様の操作を行い、初期DBCと静置後のDBCの比較を実施した。その結果、実施例4とほぼ同様の結果が得られた。

Claims (7)

  1. アフィニティークロマトグラフィー用担体を充填したカラムを平衡化する工程と、
    前記平衡化したカラムに、抗体を含む液体を添加する工程と、
    前記抗体を含む液体に含まれる夾雑物を洗浄する工程と、
    前記抗体を前記カラムから溶出させる工程と、
    前記溶出させる工程の後に前記アフィニティークロマトグラフィー用担体を塩基性の液体で洗浄する工程とを含む、抗体の精製方法であって、
    前記アフィニティークロマトグラフィー用担体が、プロテインAが固定された担体であり、前記塩基性の液体で洗浄する工程を、15℃以下で行うことを特徴とする、
    精製方法。
  2. 請求項に記載の精製方法(但し、陰イオン交換クロマトグラフィーを用いる場合を除く)。
  3. 抗体を溶出させた後のアフィニティークロマトグラフィー用担体を塩基性の液体で洗浄する工程を含む、担体の洗浄方法であって、
    前記アフィニティークロマトグラフィー用担体が、プロテインAが固定された担体であり、前記塩基性の液体で洗浄する工程を、15℃以下で行うことを特徴とする、
    洗浄方法。
  4. 前記塩基性の液体で洗浄する工程を、1℃以上15℃以下で行う、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記溶出を、pH3〜5の範囲の酸性緩衝液を用いて行う、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記抗体が、IgG抗体のCH2領域及びCH3領域を含むタンパク質を有する抗体である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記塩基性の液体で洗浄する工程が、1回あたり1分間〜60分間複数回にわたり前記塩基性の液体で洗浄する工程である、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
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