JP6850637B2 - 燃料噴射装置の加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料噴射装置(インジェクタ)の加工方法に関し、特に、燃料噴射孔の研磨方法に関するものである。
従来、エンジンのシリンダ内(より詳しくは、シリンダの一端側に形成される燃焼室)に燃料を噴射する燃料噴射装置が知られている。この燃料噴射装置は、本体部の一端側に、該本体部に供給された燃料を噴射するための複数の燃料噴射孔が形成されている。このような従来の燃料噴射装置においては、本体部に燃料噴射孔を形成した際、該燃料噴射孔の内面を流体研磨し、燃料噴射孔を仕上げる(特許文献1参照)。具体的には、砥粒と油等の液体とを混合した研磨流体を、本体部の内部に供給する。そして、この研磨流体を本体部内において燃料噴射孔が形成された側の端部側に流し、すなわち本体部の軸心に沿って該本体部内に研磨流体を流し、各燃料噴射孔から研磨流体を本体部の外部に流出させる。研磨流体が各燃料噴射孔を流れる際、砥粒が燃料噴射孔の内面を研磨するのと同時に燃料噴射孔の入口部に面取り形状を形成し、燃料噴射孔の出口部直径を拡大させる。
ところで、燃料噴射装置は、燃料噴射孔がエンジンのシリンダ内(より詳しくは、シリンダの一端側に形成される燃焼室)に露出するように、エンジンに取り付けられる。この際、2バルブエンジン等においては、燃料噴射装置がバルブと干渉することを避けるため、燃料噴射装置の軸心(換言すると本体部の軸心)がシリンダの軸心に対して傾くように、燃料噴射装置がエンジンに取り付けられる。このように傾いて取り付けられる燃料噴射装置は、燃料噴射孔のそれぞれが本体部の軸心に対して軸対象ではなく形成されている。詳しくは、燃料噴射孔のそれぞれは、燃料噴射装置がエンジンに取り付けられた際、シリンダの軸心に対して軸対象となる位置に形成されている。以下、このような燃料噴射装置を、オフセットノズル型の燃料噴射装置と称する場合もある。
オフセットノズル型の燃料噴射装置においても、上述した流体研磨の方法で、各燃料噴射孔の内面が研磨される。ここで、オフセットノズル型の燃料噴射装置の各燃料噴射孔は、本体部の軸心に対して、すなわち本体部内を流れる研磨流体の流れ方向に対して異なった角度で形成されている。このため、燃料噴射孔のそれぞれにおける研磨流体の流れ方が異なるので、各燃料噴射孔の内面の研磨具合が異なってくる場合があった。つまり、各燃料噴射孔の直径が異なってしまう場合があった。
各燃料噴射孔の直径が異なってしまうと、各燃料噴射孔からの燃料の噴射のされ方(噴射される燃料の量、飛散距離等)も異なってくる。このため、各燃料噴射孔の直径が異なってしまうと、シリンダ内において燃料が不均一に存在することとなり、エンジンの性能を十分に発揮できない、排気ガス内における煤の量が増加してしまう等の課題が発生してしまう。
このため、従来、各燃料噴射孔の直径のバラツキが極力小さくなるように、研磨流体の液体の特性(動粘度等)を調整し、該特性を調整した液体を用いた研磨流体によって、オフセットノズル型の燃料噴射装置の各燃料噴射孔の内面を研磨していた。
特開2007−182814号公報
研磨流体の液体の特性(動粘度等)は、研磨流体の繰り返しの使用による経時変化、研磨加工の前加工工程において本体部に付着した液体の混入等により、変化してくる。このため、オフセットノズル型の燃料噴射装置の各燃料噴射孔を研磨する場合には、各燃料噴射孔の直径のバラツキを仕様範囲内に収めるため、頻繁に研磨流体を交換する必要があった。したがって、オフセットノズル型の燃料噴射装置の各燃料噴射孔を研磨する際、研磨流体の費用、研磨流体の交換時期を管理する管理費用等、製造コストが増加してしまうという課題があった。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、オフセットノズル型の燃料噴射装置の各燃料噴射孔を研磨する際、各燃料噴射孔の直径のバラツキを抑制しつつ、製造コストを抑制することも可能な燃料噴射装置の加工方法を提供することを目的とする。
本発明に係る燃料噴射装置の加工方法は、一端側に複数の燃料噴射孔が形成された本体部を有し、前記燃料噴射孔のそれぞれが前記本体部の軸心に対して軸対象ではなく形成されている燃料噴射装置の加工方法であって、砥粒と液体とを混合した研磨流体を前記燃料噴射孔のそれぞれに流し、前記燃料噴射孔のそれぞれの内面を研磨する研磨工程を有し、前記燃料噴射孔の1つを第1燃料噴射孔と定義し、前記軸心に対する傾きが前記第1燃料噴射孔よりも大きい前記燃料噴射孔の1つを第2燃料噴射孔と定義した場合、前記研磨工程において、前記第1燃料噴射孔に流す前記研磨流体の単位時間当りの流量を、前記第2燃料噴射孔に流す前記研磨流体の単位時間当りの流量よりも多くするものである。
例えば、前記研磨工程は、前記本体部に挿入された状態において前記研磨流体を吹出口から吹き出す供給管を用い、前記供給管の前記吹出口を前記燃料噴射孔の開口部に対向させて、当該燃料噴射孔に前記供給管から吹き出される前記研磨流体を流し、当該燃料噴射孔の内面を研磨する構成であり、前記第1燃料噴射孔と前記第2燃料噴射孔とを別々に研磨する。
この際、前記第1燃料噴射孔を研磨しているときの前記供給管と前記軸心との間の角度と、前記第2燃料噴射孔を研磨しているときの前記供給管と前記軸心との間の角度とを、異ならせてもよい。
また例えば、前記研磨工程は、前記本体部の内部に供給した前記研磨流体を前記一端側に流し、前記燃料噴射孔から前記研磨流体を前記本体部の外部に流出させる構成であり、前記研磨工程において、前記本体部の内部における前記一端側に、前記研磨流体を前記第1燃料噴射孔側に導く治具を配置する。
例えば、前記治具は、前記第2燃料噴射孔を前記軸心に対する傾きが最も大きい前記燃料噴射孔とした場合、前記一端側が下側となり、前記軸心が垂直方向となるように前記本体部を設置し、前記本体部の内部に配置された前記治具を観察した際、前記燃料噴射孔のそれぞれにおける前記本体部の内部側の開口部よりも下方に位置し、前記第2燃料噴射孔側から前記第1燃料噴射孔側へ下降するように傾斜する平面を有するものである。
また例えば、前記治具は、前記第2燃料噴射孔を前記軸心に対する傾きが最も大きい前記燃料噴射孔とした場合、前記一端側が下側となり、前記軸心が垂直方向となるように前記本体部を設置し、前記本体部の内部に配置された前記治具を観察した際、上方に突出し、少なくとも下端が前記燃料噴射孔のそれぞれにおける前記本体部の内部側の開口部よりも下方に位置する円錐部又は角錐部を有し、前記軸心と垂直な断面において、前記円錐部又は前記角錐部の頂点は前記軸心よりも前記第2燃料噴射孔側に寄って配置されているものである。
また例えば、前記研磨工程は、前記本体部の外部に設けられて一部の前記燃料噴射孔と連通する部屋を複数用い、前記本体部の内部に供給した前記研磨流体を前記一端側に流し、前記燃料噴射孔から前記研磨流体を前記部屋の内部に流出させる構成であり、前記研磨工程において、前記第1燃料噴射孔と前記第2燃料噴射孔とは異なる前記部屋に連通しており、前記第1燃料噴射孔と連通する前記部屋の内部の圧力が、前記第2燃料噴射孔と連通する前記部屋の内部の圧力よりも低くなっている。
また、本発明に係る燃料噴射装置の加工方法は、一端側に複数の燃料噴射孔が形成された本体部を有し、前記燃料噴射孔のそれぞれが前記本体部の軸心に対して軸対象ではなく形成されている燃料噴射装置の加工方法であって、砥粒と液体とを混合した研磨流体を前記燃料噴射孔のそれぞれに流し、前記燃料噴射孔のそれぞれの内面を研磨する研磨工程を有し、該研磨工程は、前記本体部に挿入された状態において前記研磨流体を吹出口から吹き出す供給管を用い、前記供給管の前記吹出口を前記燃料噴射孔の開口部に対向させて、当該燃料噴射孔に前記供給管から吹き出される前記研磨流体を流し、当該燃料噴射孔の内面を研磨する構成であり、前記燃料噴射孔の1つを第1燃料噴射孔と定義し、前記軸心に対する傾きが前記第1燃料噴射孔よりも大きい前記燃料噴射孔の1つを第2燃料噴射孔と定義した場合、前記第1燃料噴射孔と前記第2燃料噴射孔とを別々に研磨し、前記第1燃料噴射孔を研磨しているときの前記供給管と前記軸心との間の角度と、前記第2燃料噴射孔を研磨しているときの前記供給管と前記軸心との間の角度とを、異ならせるものである。
発明者らは、鋭意検討の結果、本体部の軸心に対する傾きが大きい燃料噴射孔ほど、内面が研磨されやすく、直径が大きくなりやすいことを見いだした。これは、以下の理由による。すなわち、本体部の軸心に対する傾きが大きい燃料噴射孔ほど、本体部の内部から燃料噴射孔に流入する際の研磨流体の曲がり角度が大きくなる。このため、本体部の軸心に対する傾きが大きい燃料噴射孔ほど、燃料噴射孔内の研磨流体の流れが乱れ、内面が研磨されやすくなるからである。
そこで、本発明に係る燃料噴射装置の加工方法では、燃料噴射孔の1つを第1燃料噴射孔と定義し、本体部の軸心に対する傾きが第1燃料噴射孔よりも大きい燃料噴射孔の1つを第2燃料噴射孔と定義した場合、研磨工程において、第1燃料噴射孔に流す研磨流体の単位時間当りの流量を、第2燃料噴射孔に流す研磨流体の単位時間当りの流量よりも多くする。すなわち、本発明に係る燃料噴射装置の加工方法は、内面が研磨されづらい燃料噴射孔に単位時間当りにより多くの研磨流体を流す構成となっている。このため、本発明に係る燃料噴射装置の加工方法は、各燃料噴射孔の内面が略同様に研磨されることとなり、各燃料噴射孔の直径のバラツキを抑制することができる。また、本発明に係る燃料噴射装置の加工方法は、各燃料噴射孔に流す研磨流体の単位時間当りの流量によって各燃料噴射孔の直径を調整するので、研磨流体の液体の特性が変化しても各燃料噴射孔の直径のバラツキは大きくならない。このため、本発明に係る燃料噴射装置の加工方法は、製造コスト(研磨流体の費用、研磨流体の交換時期を管理する管理費用等)も抑制できる。
例えば、供給管を用いて第1燃料噴射孔と第2燃料噴射孔とを別々に研磨することにより、第1燃料噴射孔に流す研磨流体の単位時間当りの流量を、第2燃料噴射孔に流す研磨流体の単位時間当りの流量よりも多くすることができる。この際、第1燃料噴射孔を研磨しているときの供給管と本体部の軸心との間の角度と、第2燃料噴射孔を研磨しているときの供給管と本体部の軸心との間の角度とを、異ならせてもよい。これにより、供給管から第1燃料噴射孔に流入する際の研磨流体の曲がり角度と、供給管から第2燃料噴射孔に流入する際の研磨流体の曲がり角度とを、近づけることができる。すなわち、第1燃料噴射孔内の研磨流体の流れの乱れ具合と、第2燃料噴射孔内の研磨流体の流れの乱れ具合とを、近づけることができる。したがって、第1燃料噴射孔及び第2燃料噴射孔の研磨されやすさが近くなるため、各燃料噴射孔の直径のバラツキをより抑制することができる。
また例えば、本体部の内部における一端側(燃料噴射孔が形成された側の端部側)に、研磨流体を第1燃料噴射孔側に導く治具を配置することによっても、第1燃料噴射孔に流す研磨流体の単位時間当りの流量を、第2燃料噴射孔に流す研磨流体の単位時間当りの流量よりも多くすることができる。前記一端側が下側となり、本体部の軸心が垂直方向となるように本体部を設置した際、治具が例えば以下の構成を有していれば、研磨流体を第1燃料噴射孔側に導くことができる。例えば、治具は、燃料噴射孔のそれぞれにおける本体部の内部側の開口部よりも下方に位置し、第2燃料噴射孔側から第1燃料噴射孔側へ下降するように傾斜する平面を有する。また例えば、治具は、上方に突出し、少なくとも下端が燃料噴射孔のそれぞれにおける本体部の内部側の開口部よりも下方に位置する円錐部又は角錐部を有し、本体部の軸心と垂直な断面において、円錐部又は角錐部の頂点は本体部の軸心よりも第2燃料噴射孔側に寄って配置されている。
また例えば、本体部の外部に第1燃料噴射孔に連通する部屋と第2燃料噴射孔に連通する部屋とを設け、研磨工程において、第1燃料噴射孔と連通する部屋の内部の圧力を第2燃料噴射孔と連通する前記部屋の内部の圧力よりも低くすることにより、第1燃料噴射孔に流す研磨流体の単位時間当りの流量を、第2燃料噴射孔に流す研磨流体の単位時間当りの流量よりも多くすることができる。
また、本発明に係る燃料噴射装置の加工方法は、供給管を用いて第1燃料噴射孔と第2燃料噴射孔とを別々に研磨する構成とし、第1燃料噴射孔を研磨しているときの供給管と本体部の軸心との間の角度と、第2燃料噴射孔を研磨しているときの供給管と本体部の軸心との間の角度とを、異ならせる構成としてもよい。これにより、供給管から第1燃料噴射孔に流入する際の研磨流体の曲がり角度と、供給管から第2燃料噴射孔に流入する際の研磨流体の曲がり角度とを、実質的に同一にできる。すなわち、第1燃料噴射孔内の研磨流体の流れの乱れ具合と、第2燃料噴射孔内の研磨流体の流れの乱れ具合とを、実質的に同一にできる。したがって、第1燃料噴射孔及び第2燃料噴射孔の研磨されやすさを実質的に同一にできるため、各燃料噴射孔に流す研磨流体の単位時間当りの流量を実質的に同一としても、各燃料噴射孔の直径のバラツキを抑制することができる。
本発明の実施の形態1に係る燃料噴射装置をエンジンに取り付けた状態を示す縦断面図である。 本発明の実施の形態1に係る燃料噴射装置の本体部のノズル部を、図1に示す姿勢で切断した縦断面図である。 本発明の実施の形態1に係る燃料噴射装置における燃料噴射孔の研磨方法を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る燃料噴射装置における燃料噴射孔の研磨方法の変形例を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る治具の一例を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る治具の別の一例を示す図である。 本発明の実施の形態3に係る燃料噴射装置における燃料噴射孔の研磨方法を示す図である。
実施の形態1.
以下、本発明に係る燃料噴射装置の加工方法に関する実施の形態について、具体的に説明する。ただし、本実施の形態を含む以下の実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、本発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更することが可能である。
図1は、本発明の実施の形態1に係る燃料噴射装置をエンジンに取り付けた状態を示す縦断面図である。また、図2は、本発明の実施の形態1に係る燃料噴射装置の本体部のノズル部を、図1に示す姿勢で切断した縦断面図である。なお、図1は、燃料噴射装置1以外の構成を断面で示している。
燃料噴射装置1は、本体部10を有している。この本体部10の一端側は、ノズル部11で構成されている。ノズル部11には、複数の燃料噴射孔20が形成されている。
燃料噴射装置1は、燃料噴射孔20がエンジン100のシリンダ101内(より詳しくは、シリンダ101の一端側に形成される燃焼室)に露出するように、エンジン100に取り付けられる。この際、燃料噴射装置1は、本体部10の軸心Aがシリンダ101の軸心Bに対して傾くように、エンジン100に取り付けられる。例えば、2バルブエンジン等においては、燃料噴射装置1がバルブと干渉することを避けるため、このように燃料噴射装置1がエンジンに取り付けられる。
このように傾いて取り付けられる燃料噴射装置1においては、図2に示すように、シリンダ101内に均等に燃料を噴射するため、燃料噴射孔20のそれぞれがシリンダ101の軸心Bに対して軸対象となる位置に形成されている。換言すると、燃料噴射装置1は、燃料噴射孔20のそれぞれが本体部10の軸心Aに対して軸対象ではなく形成されている。すなわち、燃料噴射装置1は、所謂オフセットノズル型の燃料噴射装置となっている。
なお、以下では、燃料噴射孔20の内の1つを区別して示したい場合、燃料噴射孔20の1つを第1燃料噴射孔21と称することとする。また、本体部10の軸心Aに対する傾きが第1燃料噴射孔21よりも大きい燃料噴射孔20の1つを、第2燃料噴射孔22と称することとする。すなわち、本体部10の軸心Aに対する傾きが最も大きい燃料噴射孔20以外の燃料噴射孔20のうちの任意の1つが、第1燃料噴射孔21となる。
本実施の形態1に係る燃料噴射装置1では、本体部10に燃料噴射孔20を形成した際、該燃料噴射孔20の内面を流体研磨し、燃料噴射孔20を仕上げる。すなわち、本実施の形態1に係る燃料噴射装置1の加工方法は、砥粒と油等の液体とを混合した研磨流体を燃料噴射孔20のそれぞれに流し、燃料噴射孔20のそれぞれの内面を研磨する研磨工程を有する。この研磨工程は、前加工工程において燃料噴射孔20に発生したバリの除去、燃料噴射孔20毎の直径のバラツキの是正、燃料噴射孔20の内面の表面粗さの向上等を目的として行われる。
ところで、従来の燃料噴射装置においては、次のように各燃料噴射孔の内面を研磨していた。すなわち、研磨流体を、本体部の内部に供給する。そして、この研磨流体を本体部内において燃料噴射孔が形成された側の端部側に流し、すなわち本体部の軸心に沿って該本体部内に研磨流体を流し、各燃料噴射孔から研磨流体を本体部の外部に流出させる。研磨流体が各燃料噴射孔を流れる際、砥粒が燃料噴射孔の内面を研磨する。
ここで、オフセットノズル型の燃料噴射装置の各燃料噴射孔は、本体部の軸心に対して、すなわち本体部内を流れる研磨流体の流れ方向に対して異なった角度で形成されている。このため、燃料噴射孔のそれぞれにおける研磨流体の流れ方が異なるので、各燃料噴射孔の内面の研磨具合が異なってくる場合があった。つまり、各燃料噴射孔の直径が異なってしまう場合があった。
各燃料噴射孔の直径が異なってしまうと、各燃料噴射孔からの燃料の噴射のされ方(噴射される燃料の量、飛散距離等)も異なってくる。このため、各燃料噴射孔の直径が異なってしまうと、シリンダ内において燃料が不均一に存在することとなり、エンジンの性能を十分に発揮できない、排気ガス内における煤の量が増加してしまう等の課題が発生してしまう。
この課題を解消するための従来の方法としては、各燃料噴射孔の直径のバラツキが極力小さくなるように、研磨流体の液体の特性(動粘度等)を調整し、該特性を調整した液体を用いた研磨流体によって、オフセットノズル型の燃料噴射装置の各燃料噴射孔の内面を研磨する方法がある。しかしながら、研磨流体の液体の特性(動粘度等)は、研磨流体の繰り返しの使用による経時変化、研磨加工の前加工工程において本体部に付着した液体の混入等により、変化してくる。このため、オフセットノズル型の燃料噴射装置の各燃料噴射孔を研磨する場合には、各燃料噴射孔の直径のバラツキを仕様範囲内に収めるため、頻繁に研磨流体を交換する必要があった。したがって、オフセットノズル型の燃料噴射装置の各燃料噴射孔を研磨する際、研磨流体の費用、研磨流体の交換時期を管理する管理費用等、製造コストが増加してしまうという課題があった。
このため、発明者らは、各燃料噴射孔の直径のバラツキを抑制しつつ、製造コストを抑制することも可能な燃料噴射孔の研磨方法について、検討を行った。この結果、発明者らは、本体部の軸心に対する傾きが大きい燃料噴射孔ほど、内面が研磨されやすく、直径が大きくなりやすいことを見いだした。これは、以下の理由による。すなわち、本体部の軸心に対する傾きが大きい燃料噴射孔ほど、本体部の内部から燃料噴射孔に流入する際の研磨流体の曲がり角度が大きくなる。このため、本体部の軸心に対する傾きが大きい燃料噴射孔ほど、燃料噴射孔内の研磨流体の流れが乱れ、内面が研磨されやすくなるからである。
そこで、本実施の形態1では、オフセットノズル型の燃料噴射装置である燃料噴射装置1の研磨工程において、各燃料噴射孔20を以下のように研磨し、各燃料噴射孔20の直径のバラツキを抑制している。
図3は、本発明の実施の形態1に係る燃料噴射装置における燃料噴射孔の研磨方法を示す図である。この図3は、ノズル部11の縦断面図となっている。なお、図3に示す白抜き矢印は、研磨流体90の流れ方向を示している。また、図3(a)は第1燃料噴射孔21を研磨している状態を示し、図3(b)は第2燃料噴射孔22を研磨している状態を示している。
本実施の形態1では、各燃料噴射孔20を研磨流体90で研磨する際、供給管30を用いる。供給管30は、該供給管30に供給された研磨流体90を吹出口31から吹き出すものである。燃料噴射孔20を研磨流体90で研磨する際、供給管30をノズル部11の内部に挿入する。そして、供給管30の吹出口31を、研磨したい燃料噴射孔20の開口部20a(ノズル部11の内部側の開口部)に対向させる。この状態で研磨流体90を吹出口31から吹き出すことにより、燃料噴射孔20に研磨流体90を流すことができ、当該燃料噴射孔20の内面を研磨することができる。
このように燃料噴射孔20の内面を研磨することにより、図3に示すように、第1燃料噴射孔21と、該第1燃料噴射孔21よりも本体部10の軸心Aに対する傾きが大きい第2燃料噴射孔22とを、別々に研磨することができる。この際、第1燃料噴射孔21に流す研磨流体90の単位時間当りの流量を、第2燃料噴射孔22に流す研磨流体90の単位時間当りの流量よりも多くする。すなわち、内面が研磨されづらい燃料噴射孔20に単位時間当りにより多くの研磨流体90を流す。これにより、各燃料噴射孔20の内面が略同様に研磨されることとなり、各燃料噴射孔20の直径のバラツキを抑制することができる。また、各燃料噴射孔20に流す研磨流体90の単位時間当りの流量によって各燃料噴射孔20の直径を調整するので、研磨流体90の液体の特性が変化しても各燃料噴射孔20の直径のバラツキは大きくならない。このため、製造コスト(研磨流体の費用、研磨流体の交換時期を管理する管理費用等)も抑制できる。
なお、例えば、供給管30から吹き出される研磨流体90の圧力、及び、供給管30から吹き出される研磨流体90の時間のうちの少なくとも一方を調節することにより、燃料噴射孔21に流す研磨流体90の単位時間当りの流量を調節することができる。
図4は、本発明の実施の形態1に係る燃料噴射装置における燃料噴射孔の研磨方法の変形例を示す図である。この図4は、ノズル部11の縦断面図となっている。なお、図4に示す白抜き矢印は、研磨流体90の流れ方向を示している。また、図4(a)は第1燃料噴射孔21を研磨している状態を示し、図4(b)は第2燃料噴射孔22を研磨している状態を示している。
供給管30を用いて各燃料噴射孔20の内面を研磨する場合、図4に示すように、第1燃料噴射孔21を研磨しているときの供給管30と本体部10の軸心Aとの間の角度と、第2燃料噴射孔22を研磨しているときの供給管30と本体部10の軸心Aとの間の角度とを、異ならせてもよい。これにより、供給管30から第1燃料噴射孔21に流入する際の研磨流体90の曲がり角度(供給管30と第1燃料噴射孔21との間の角度)と、供給管30から第2燃料噴射孔22に流入する際の研磨流体90の曲がり角度(供給管30と第2燃料噴射孔22との間の角度)とを、近づけることができる。すなわち、第1燃料噴射孔21内の研磨流体90の流れの乱れ具合と、第2燃料噴射孔22内の研磨流体90の流れの乱れ具合とを、近づけることができる。したがって、第1燃料噴射孔21及び第2燃料噴射孔22の研磨されやすさが近くなるため、各燃料噴射孔の直径のバラツキをより抑制することができる。
特に、供給管30から第1燃料噴射孔21に流入する際の研磨流体90の曲がり角度と、供給管30から第2燃料噴射孔22に流入する際の研磨流体90の曲がり角度とを、実質的に同一にした場合、第1燃料噴射孔21内の研磨流体90の流れの乱れ具合と、第2燃料噴射孔22内の研磨流体90の流れの乱れ具合とを、実質的に同一にできる。すなわち、第1燃料噴射孔21及び第2燃料噴射孔22の研磨されやすさを実質的に同一にできるため、各燃料噴射孔20に流す研磨流体の単位時間当りの流量を実質的に同一としても、各燃料噴射孔20の直径のバラツキを抑制することができる。
なお、本実施の形態1では、供給管30を用いて燃料噴射孔20を1つずつ研磨した。これに限らず、隣接する複数の燃料噴射孔20を、1つの供給管30によって一度に研磨してもよい。この場合、供給管30の吹出口31と、隣接する複数の燃料噴射孔20の開口部20aとを、対向させればよい。隣接する燃料噴射孔20は、本体部10の軸心Aに対する傾きが近似しているため、一度に研磨しても直径に差が出づらいからである。
実施の形態2.
本発明に係る燃料噴射孔20の研磨工程は、実施の形態1で示した研磨工程に限定されるものではない。本実施の形態2及び以下の実施の形態3において、本発明に係る燃料噴射孔20の研磨工程の別の一例を紹介する。なお、本実施の形態2及び以下の実施の形態3において、特に記述しない項目については実施の形態1と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。また、本実施の形態2に限っては、本体部10の軸心Aに対する傾きが最も大きい燃料噴射孔20を、第2燃料噴射孔22と称することとする。
本実施の形態2に係る燃料噴射孔20の研磨工程は、本体部10の内部に供給した研磨流体90をノズル部11に流し、各燃料噴射孔20から研磨流体90を本体部10(より詳しくはノズル部11)の外部に流出させる構成である。この際、本実施の形態2では、研磨工程において、ノズル部11の内部(本体部10の内部における一端側)に、研磨流体90を第1燃料噴射孔21側に導く治具40を配置する。
このように燃料噴射孔20の内面を研磨することにより、第1燃料噴射孔21に流す研磨流体90の単位時間当りの流量を、第2燃料噴射孔22に流す研磨流体90の単位時間当りの流量よりも多くすることができる。すなわち、内面が研磨されづらい燃料噴射孔20に単位時間当りにより多くの研磨流体90を流すことができる。これにより、各燃料噴射孔20の内面が略同様に研磨されることとなり、各燃料噴射孔20の直径のバラツキを抑制することができる。また、各燃料噴射孔20に流す研磨流体90の単位時間当りの流量によって各燃料噴射孔20の直径を調整するので、研磨流体90の液体の特性が変化しても各燃料噴射孔20の直径のバラツキは大きくならない。このため、製造コスト(研磨流体の費用、研磨流体の交換時期を管理する管理費用等)も抑制できる。
研磨流体90を第1燃料噴射孔21側に導く治具40は、例えば次のように構成される。
図5は、本発明の実施の形態2に係る治具の一例を示す図である。この図5は、ノズル部11が下側となり、軸心Aが垂直方向となるように本体部10を設置した状態において、ノズル部11の内部に配置された治具40を観察した縦断面図である。なお、図5に示す白抜き矢印は、研磨流体90の流れ方向を示している。
図5に示す治具40は、各燃料噴射孔20の開口部20aよりも下方に位置し、第2燃料噴射孔22側から第1燃料噴射孔21側へ下降するように傾斜する平面41を有している。このため、治具40側へ向かって本体部10内を流れてきた研磨流体90は、平面41に衝突した後、第1燃料噴射孔21側へ流れようとする。このため、図5に示すような治具40を設けることにより、第1燃料噴射孔21に流す研磨流体90の単位時間当りの流量を、第2燃料噴射孔22に流す研磨流体90の単位時間当りの流量よりも多くすることができる。
なお、治具40は、1つの平面41を有していてもよいし、複数の平面41を有していてもよい。治具40が1つの平面41を有する場合、第2燃料噴射孔22側から本体部10の軸心Aに対する傾きが最も小さい燃料噴射孔20側に下降するように、平面41を形成すればよい。また、治具40が複数の平面41を有する場合、例えば、第2燃料噴射孔22側から該第2燃料噴射孔22以外の各燃料噴射孔20側へ下降するように、複数の平面41を形成すればよい。
図6は、本発明の実施の形態2に係る治具の別の一例を示す図である。この図6は、ノズル部11が下側となり、軸心Aが垂直方向となるように本体部10を設置した状態において、ノズル部11の内部に配置された治具40を観察した縦断面図である。なお、図6に示す白抜き矢印は、研磨流体90の流れ方向を示している。
図6に示す治具40は、上方に突出し、少なくとも下端が各燃料噴射孔20の開口部20aよりも下方に位置する円錐部42を有している。そして、本体部10の軸心Aと垂直な断面において、円錐部42の頂点43は、本体部10の軸心Aよりも第2燃料噴射孔22側に寄って配置されている。このため、治具40側へ向かって本体部10内を流れてきた研磨流体90は、円錐部42の傾斜面に衝突した後、円錐部42の外周側つまり各燃料噴射孔20側へ流れようとする。この際、傾斜面の小さい範囲と比べ、傾斜面の大きい範囲の方が、円錐部42の外周側へ多くの研磨流体90を流す。このため、円錐部42の頂点43を第2燃料噴射孔22側へ寄せることにより、該第2燃料噴射孔22以外の燃料噴射孔20の方へ、多くの研磨流体90を流すことができる。したがって、図6に示すような治具40を用いても、第1燃料噴射孔21に流す研磨流体90の単位時間当りの流量を、第2燃料噴射孔22に流す研磨流体90の単位時間当りの流量よりも多くすることができる。
なお、円錐部42の替わりに、上方に突出し、少なくとも下端が各燃料噴射孔20の開口部20aよりも下方に位置する角錐部としてもよい。この場合、例えば、頂点43から各燃料噴射孔20に向かって下降する傾斜面によって、角錐部が形成される。円錐部42の替わりに角錐部とする場合にも、頂点43を第2燃料噴射孔22側へ寄せることにより、第1燃料噴射孔21に流す研磨流体90の単位時間当りの流量を、第2燃料噴射孔22に流す研磨流体90の単位時間当りの流量よりも多くすることができる。
また、治具40をノズル部11の内部にしっかりと固定したい場合には、図5及び図6に示すように、治具40に固定部材44を設けてもよい。固定部材44をノズル部11(換言すると本体部10)の外部に固定することにより、治具40がノズル部11内で回転等することを確実に防止でき、所望の量の研磨流体90を各燃料噴射孔20に流しやすくなる。また、治具40をノズル部11の内部にしっかりと固定したい場合には、治具40をノズル部11と一体で成形してもよい。この際、治具40が燃料噴射孔20からの燃料噴射に影響する場合には、燃料噴射孔20を研磨後、治具40部分をノズル部11から除去する加工(例えば切削加工)を行ってもよい。
実施の形態3.
図7は、本発明の実施の形態3に係る燃料噴射装置における燃料噴射孔の研磨方法を示す図である。この図7は、ノズル部11近傍の縦断面図となっている。
本実施の形態3に係る燃料噴射孔20の研磨工程は、本体部10つまりノズル部11の外部に設けられ、一部の燃料噴射孔20と連通する部屋50を、複数用いる。そして、本実施の形態3に係る燃料噴射孔20の研磨工程は、本体部10の内部に供給した研磨流体90をノズル部11に流し、各燃料噴射孔20から研磨流体90を部屋50の内部に流出させる構成となっている。この際、第1燃料噴射孔21と第2燃料噴射孔22とは異なる部屋50に連通しており、第1燃料噴射孔21と連通する部屋50の内部の圧力が、第2燃料噴射孔22と連通する部屋50の内部の圧力よりも低くなっている。
本実施の形態3では、各部屋50には、該部屋50に流入した研磨流体90を排出する排出配管51が設けられている。そして、各排出配管51には、絞り部52が設けられている。このため、絞り部52を調節することにより、排出配管51を流れる研磨流体90の単位時間当りの流量を調節できる。つまり、各部屋50から流出する研磨流体90の単位時間当りの流量を調節でき、各部屋50の圧力を調節することが可能となっている。
本実施の形態3のように燃料噴射孔20の内面を研磨しても、第1燃料噴射孔21に流す研磨流体90の単位時間当りの流量を、第2燃料噴射孔22に流す研磨流体90の単位時間当りの流量よりも多くすることができる。すなわち、内面が研磨されづらい燃料噴射孔20に単位時間当りにより多くのの研磨流体90を流すことができる。これにより、各燃料噴射孔20の内面が略同様に研磨されることとなり、各燃料噴射孔20の直径のバラツキを抑制することができる。また、各燃料噴射孔20に流す研磨流体90の単位時間当りの流量によって各燃料噴射孔20の直径を調整するので、研磨流体90の液体の特性が変化しても各燃料噴射孔20の直径のバラツキは大きくならない。このため、製造コスト(研磨流体の費用、研磨流体の交換時期を管理する管理費用等)も抑制できる。
1 燃料噴射装置、10 本体部、11 ノズル部、20 燃料噴射孔、20a 開口部、21 第1燃料噴射孔、22 第2燃料噴射孔、30 供給管、31 吹出口、40 治具、41 平面、42 円錐部、43 頂点、44 固定部材、50 部屋、51 排出配管、52 絞り部、90 研磨流体、100 エンジン、101 シリンダ、A 軸心、B 軸心。

Claims (5)

  1. 一端側に複数の燃料噴射孔が形成された本体部を有し、前記燃料噴射孔のそれぞれが前記本体部の軸心に対して軸対象ではなく形成されている燃料噴射装置の加工方法であって、
    砥粒と液体とを混合した研磨流体を前記燃料噴射孔のそれぞれに流し、前記燃料噴射孔のそれぞれの内面を研磨する研磨工程を有し、
    前記燃料噴射孔の1つを第1燃料噴射孔と定義し、前記軸心に対する傾きが前記第1燃料噴射孔よりも大きい前記燃料噴射孔の1つを第2燃料噴射孔と定義した場合、
    前記研磨工程において、前記第1燃料噴射孔に流す前記研磨流体の単位時間当りの流量を、前記第2燃料噴射孔に流す前記研磨流体の単位時間当りの流量よりも多くし、
    前記研磨工程は、前記本体部に挿入された状態において前記研磨流体を吹出口から吹き出す供給管を用い、前記供給管の前記吹出口を前記燃料噴射孔の開口部に対向させて、当該燃料噴射孔に前記供給管から吹き出される前記研磨流体を流し、当該燃料噴射孔の内面を研磨する構成であり、
    前記第1燃料噴射孔と前記第2燃料噴射孔とを別々に研磨し、
    前記第1燃料噴射孔を研磨しているときの前記供給管と前記軸心との間の角度と、前記第2燃料噴射孔を研磨しているときの前記供給管と前記軸心との間の角度とを、異ならせることを特徴とする燃料噴射装置の加工方法。
  2. 一端側に複数の燃料噴射孔が形成された本体部を有し、前記燃料噴射孔のそれぞれが前記本体部の軸心に対して軸対象ではなく形成されている燃料噴射装置の加工方法であって、
    砥粒と液体とを混合した研磨流体を前記燃料噴射孔のそれぞれに流し、前記燃料噴射孔のそれぞれの内面を研磨する研磨工程を有し、
    前記燃料噴射孔の1つを第1燃料噴射孔と定義し、前記軸心に対する傾きが前記第1燃料噴射孔よりも大きい前記燃料噴射孔の1つを第2燃料噴射孔と定義した場合、
    前記研磨工程において、前記第1燃料噴射孔に流す前記研磨流体の単位時間当りの流量を、前記第2燃料噴射孔に流す前記研磨流体の単位時間当りの流量よりも多くし、
    前記研磨工程は、前記本体部の内部に供給した前記研磨流体を前記一端側に流し、前記燃料噴射孔から前記研磨流体を前記本体部の外部に流出させる構成であり、
    前記研磨工程において、前記本体部の内部における前記一端側に、前記研磨流体を前記第1燃料噴射孔側に導く治具を配置し、
    前記第2燃料噴射孔は、前記軸心に対する傾きが最も大きい前記燃料噴射孔であり、
    前記一端側が下側となり、前記軸心が垂直方向となるように前記本体部を設置し、前記本体部の内部に配置された前記治具を観察した際、
    前記治具は、前記燃料噴射孔のそれぞれにおける前記本体部の内部側の開口部よりも下方に位置し、前記第2燃料噴射孔側から前記第1燃料噴射孔側へ下降するように傾斜する平面を有することを特徴とする燃料噴射装置の加工方法。
  3. 一端側に複数の燃料噴射孔が形成された本体部を有し、前記燃料噴射孔のそれぞれが前記本体部の軸心に対して軸対象ではなく形成されている燃料噴射装置の加工方法であって、
    砥粒と液体とを混合した研磨流体を前記燃料噴射孔のそれぞれに流し、前記燃料噴射孔のそれぞれの内面を研磨する研磨工程を有し、
    前記燃料噴射孔の1つを第1燃料噴射孔と定義し、前記軸心に対する傾きが前記第1燃料噴射孔よりも大きい前記燃料噴射孔の1つを第2燃料噴射孔と定義した場合、
    前記研磨工程において、前記第1燃料噴射孔に流す前記研磨流体の単位時間当りの流量を、前記第2燃料噴射孔に流す前記研磨流体の単位時間当りの流量よりも多くし、
    前記研磨工程は、前記本体部の内部に供給した前記研磨流体を前記一端側に流し、前記燃料噴射孔から前記研磨流体を前記本体部の外部に流出させる構成であり、
    前記研磨工程において、前記本体部の内部における前記一端側に、前記研磨流体を前記第1燃料噴射孔側に導く治具を配置し、
    前記第2燃料噴射孔は、前記軸心に対する傾きが最も大きい前記燃料噴射孔であり、
    前記一端側が下側となり、前記軸心が垂直方向となるように前記本体部を設置し、前記本体部の内部に配置された前記治具を観察した際、
    前記治具は、上方に突出し、少なくとも下端が前記燃料噴射孔のそれぞれにおける前記本体部の内部側の開口部よりも下方に位置する円錐部又は角錐部を有し、
    前記軸心と垂直な断面において、前記円錐部又は前記角錐部の頂点は前記軸心よりも前記第2燃料噴射孔側に寄って配置されていることを特徴とする燃料噴射装置の加工方法。
  4. 一端側に複数の燃料噴射孔が形成された本体部を有し、前記燃料噴射孔のそれぞれが前記本体部の軸心に対して軸対象ではなく形成されている燃料噴射装置の加工方法であって、
    砥粒と液体とを混合した研磨流体を前記燃料噴射孔のそれぞれに流し、前記燃料噴射孔のそれぞれの内面を研磨する研磨工程を有し、
    前記燃料噴射孔の1つを第1燃料噴射孔と定義し、前記軸心に対する傾きが前記第1燃料噴射孔よりも大きい前記燃料噴射孔の1つを第2燃料噴射孔と定義した場合、
    前記研磨工程において、前記第1燃料噴射孔に流す前記研磨流体の単位時間当りの流量を、前記第2燃料噴射孔に流す前記研磨流体の単位時間当りの流量よりも多くし、
    前記研磨工程は、前記本体部の外部に設けられて一部の前記燃料噴射孔と連通する部屋を複数用い、前記本体部の内部に供給した前記研磨流体を前記一端側に流し、前記燃料噴射孔から前記研磨流体を前記部屋の内部に流出させる構成であり、
    前記研磨工程において、前記第1燃料噴射孔と前記第2燃料噴射孔とは異なる前記部屋に連通しており、前記第1燃料噴射孔と連通する前記部屋の内部の圧力が、前記第2燃料噴射孔と連通する前記部屋の内部の圧力よりも低くなっていることを特徴とする燃料噴射装置の加工方法。
  5. 一端側に複数の燃料噴射孔が形成された本体部を有し、前記燃料噴射孔のそれぞれが前記本体部の軸心に対して軸対象ではなく形成されている燃料噴射装置の加工方法であって、
    砥粒と液体とを混合した研磨流体を前記燃料噴射孔のそれぞれに流し、前記燃料噴射孔のそれぞれの内面を研磨する研磨工程を有し、
    該研磨工程は、前記本体部に挿入された状態において前記研磨流体を吹出口から吹き出す供給管を用い、前記供給管の前記吹出口を前記燃料噴射孔の開口部に対向させて、当該燃料噴射孔に前記供給管から吹き出される前記研磨流体を流し、当該燃料噴射孔の内面を研磨する構成であり、
    前記燃料噴射孔の1つを第1燃料噴射孔と定義し、前記軸心に対する傾きが前記第1燃料噴射孔よりも大きい前記燃料噴射孔の1つを第2燃料噴射孔と定義した場合、
    前記第1燃料噴射孔と前記第2燃料噴射孔とを別々に研磨し、
    前記第1燃料噴射孔を研磨しているときの前記供給管と前記軸心との間の角度と、前記第2燃料噴射孔を研磨しているときの前記供給管と前記軸心との間の角度とを、異ならせることを特徴とする燃料噴射装置の加工方法。
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