JP2008229798A - 液体ホーニングガン及び交差穴のバリ取り方法 - Google Patents

液体ホーニングガン及び交差穴のバリ取り方法 Download PDF

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生 矢島
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智 亀山
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Tatsuya Yokogoshi
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Abstract

【課題】部品内部に穿孔された、互いに交差する直線孔の交差部に生じるバリを、短時間で確実に除去する。
【解決手段】エアジェット38の細管46が、噴射ノズル40の中心軸C40に対し偏芯するようにして、噴射ノズル40の円筒空間42内部を先端内壁面48の近傍まで延びている。噴射ノズル40内部の円筒空間42をスラリーが流れ、先端内壁面48とエアジェット38の先端面52との間に設けられた所定の間隙Sにおいて、エアとスラリーとが混合される。噴射孔44の中心軸C44が、噴射ノズル40の中心軸C40に対し傾斜するように形成されていることから、噴射ノズル40を油穴16の開放端に対向させた状態で、油穴16の中心軸C16に対し噴射角度を傾斜させて、スラリーを噴射することが可能である。スラリーは、油穴16の内部を、交差部16aに形成されたバリに向けて流れることから、バリに衝突するスラリーの流速が高まり、バリ除去効率が向上する。
【選択図】図1

Description

本発明は、部品内部に穿孔された互いに交差する直線孔の交差部に生じるバリの除去に適した、液体ホーニングガン及び交差孔のバリ取り方法に関するものである。
図5に示されるように、エンジンのクランクシャフト10には、軸受に支持されるクランクジャーナル12及びクランクピン14に、潤滑油を供給するための油穴16が形成されている。この油穴16は、部品内部で互いに交差する直線穴であり、穿孔作業の際には、その開放端や、図6に示される交差部16aにバリが生じる。このバリは、脱落すると軸受(メタル)を傷つける要因となることから、油穴16のバリの除去は、エンジンの信頼性を向上させる上で必要不可欠である。そこで、従来から、クランクシャフト10の油穴16のバリ取り作業が行われており、例えば、油穴16の径に対応した小型のバリ取りカッタを高速回転させて、バリを除去するバリ取り装置が用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
又、部品内部の油穴交差部16aのバリについては、従来から、液体ホーニングによる除去が行われている。液体ホーニングは、研磨剤と水との混合液であるスラリーを高速でバリに噴射することにより、バリを除去する加工方法である。液体ホーニングを行うための液体ホーニングガン18は、図6に示されるように、ガン本体20に、エアジェット22と、噴射ノズル24とが組み付けられて構成されている。ガン本体20には、スラリーの一時貯留室26及びスラリー供給管の接続ポート28が形成されており、噴射ノズル24の噴射孔30の基端部は、スラリーの一時貯留室26に開口している。又、エアジェット22の先端が、噴射ノズル24の噴射孔30の基端部に対向している。そして、エアジェット22からエアが噴射されることによって、スラリーの一時貯留室26内のスラリーが、噴射ノズル24の噴射孔30へと流入し、スラリーは噴射孔30にて加速されて、噴射ノズル24の先端から、噴射ノズル24の中心軸方向へと噴射される。
実開平5−2851号公報
ところで、クランクシャフト10の油穴交差部16aは、クランクシャフト10の内部に形成されており、バリの除去を短時間で確実に行うためには、噴射ノズル24から噴射されるスラリーの噴射圧を高める必要がある。従って、液体ホーニングの際には、液体ホーニングガン18のノズル24の先端を、可能な限り油穴16の開放端に接近させることが望ましい。ところが、クランクシャフト10の油穴16は、カウンターウエイト32に挟まれた狭小空間に開口していることから、ノズル24の先端を油穴16に接近させるためには、ガン本体20がカウンターウエイト32と緩衝しないように、ガン本体20から延びる噴射ノズル24の長さを、十分に確保する必要がある。
一方、噴射ノズル24の長さを延長すると、スラリーとエアとの混合部34と、ノズル24の先端部との距離が増加し、噴射ノズル24をスラリーが通過する際に圧力損失が生じ、ノズル24の先端から噴射されるスラリーの噴射圧が低下してしまう。従って、ノズル24の先端から噴射されるスラリーの噴射圧が必要以上に低下してしまうことを防ぐために、エアジェット22に供給されるエア圧を、予め高圧にする必要がある(例えば0.5Mpa)。その結果、通常の工場エア配管から得られるエア圧(例えば0.3Mpa)では圧力が不足し、液体ホーニングガン18のための独自の高圧エア供給手段が必要となってしまう。又、液体ホーニングガン18の、スラリーとエアとの混合部34に供給されるエア圧の増加により、ノズル24の噴射孔30自体の、スラリーの通過による磨耗が激しくなり、ノズル24の短命化を招いてしまうといった問題も生じることとなる。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、スラリーの噴射用エアの供給手段に、独自の高圧エア供給手段を用いることなく、部品内部に穿孔された、互いに交差する直線孔の交差部に生じるバリを、短時間で確実に除去することを可能とするものである。又、液体ホーニングガンのノズルの寿命を延ばすことにある。
上記課題を解決するために、本発明の液体ホーニングガンは、スラリーの一時貯留室及びスラリー供給管の接続ポートが形成されたガン本体に、エアジェットと、噴射ノズルとが組み付けられて構成された液体ホーニングガンであって、前記直線穴の交差部を流れるスラリーの流速を高めるように、噴射ノズルからスラリーを噴射するものである。
又、本発明の、部品内部に穿孔された互いに交差する直線穴の交差部に生じるバリを除去する方法は、スラリーの一時貯留室及びスラリー供給管の接続ポートが形成されたガン本体に、エアジェットと、噴射ノズルとが組み付けられて構成された液体ホーニングガンを用い、前記直線穴の開放端から、前記直線穴の中心軸に対しスラリーの噴射角度を傾斜させ、前記交差部に向けてスラリーを噴射するものである。
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
(1)スラリーの一時貯留室及びスラリー供給管の接続ポートが形成されたガン本体に、エアジェットと、噴射ノズルとが組み付けられて構成された液体ホーニングガンであって、
前記噴射ノズルは、その内部に前記エアジェットが挿通される円筒空間が形成され、該円筒空間の先端内壁面に噴射孔が設けられており、
前記噴射ノズルの円筒空間は、前記エアジェットの細管が挿通された状態で、前記スラリーの一時貯留室から前記先端内壁面の噴射孔へとスラリーを導くことが可能な断面積を有し、更に、前記先端内壁面に形成された噴射孔は、その中心軸が、前記噴射ノズルの中心軸に対し傾斜するように形成されている液体ホーニングガン。
本項に記載の液体ホーニングガンは、噴射ノズルの円筒空間が、エアジェットの細管が挿通された状態で、スラリーの一時貯留室から先端内壁面の噴射孔へとスラリーを導くことが可能な断面積を有していることから、噴射ノズルの噴射孔へと、スラリーが円滑に送られる。そして、スラリーは、噴射ノズルの円筒空間内でエアジェットのエア圧を受け、噴射孔から噴射される。しかも、噴射ノズルの円筒空間の先端内壁面に設けられた噴射孔の中心軸が、噴射ノズルの中心軸に対し傾斜するように形成されていることから、部品内部に穿孔された互いに交差する直線穴の交差部に生じるバリを除去する際に、噴射ノズルを直線穴の開放端に対向させた状態で、直線穴の中心軸に対しスラリーの噴射角度を傾斜させて、スラリーを噴射することが可能である。そして、噴射ノズルの噴射孔から噴射されたスラリーは、直線穴の内部を、交差部に形成されたバリに向けて流れることから、バリに衝突するスラリーの流速が高まることとなる。又、別の手法としては、スラリーの通る噴射ノズルの噴射孔に螺旋状の条痕をつけることで、噴射の直進性を向上させ、安定的に流速を上げることもできる。すなわち、直線穴の内部におけるスラリーの流れを、バリに衝突するスラリーの流速が高まるように整流することによって、スラリーによるバリ除去効率を高めるものである。
(2)上記(1)項において、前記エアジェットは、先端面に開口が形成された細管を有し、該細管が、前記噴射ノズルの円筒区間内部を前記先端内壁面の近傍まで延び、かつ、前記先端内壁面とエアジェットの先端面との間に所定の間隙が設けられている液体ホーニングガン。
本項に記載の液体ホーニングガンにおいて、エアジェットの、先端面に開口が形成された細管が、噴射ノズルの円筒区間内部を先端内壁面の近傍まで延びているが、噴射ノズルの円筒空間は、エアジェットの細管が挿通された状態で、スラリーの一時貯留室から先端内壁面の噴射孔へとスラリーを導くことが可能な断面積を有していることから、噴射ノズル内部の円筒空間をスラリーが流れ、噴射ノズルの噴射孔へと、スラリーが円滑に送られる。そして、噴射ノズル内部の円筒空間の先端内壁面とエアジェットの先端面との間に設けられた所定の間隙において、エアとスラリーとが混合される。該所定の間隙においてエアの圧力を受けたスラリーは、噴射ノズルの先端に設けられた噴射孔から直ちに噴射されることから、噴射圧の損失を可能な限り防ぎ、エアジェットによるエアの供給圧力を比較的低圧に抑えた状態で、必要なスラリーの噴射圧を確保することができる。
なお、かかる構成によれば、スラリーがエアの圧力を受けた状態となるのは、噴射ノズルの円筒空間内の、先端内壁面近傍の所定の間隙から、噴射孔までの部分のみであり、なおかつ、本構成では、エアジェットからのエアの供給圧力を比較的低圧に抑えても、バリを十分に除去できるため、スラリーの通過に伴う、噴射ノズルの噴射孔自体の磨耗を回避することが可能となる。
(3)上記(2)項において、前記エアジェットの細管が、その中心軸を前記噴射ノズルの中心軸に対し偏芯させている液体ホーニングガン(請求項1)。
本項に記載の液体ホーニングガンは、エアジェットの細管の中心軸が、噴射ノズルの中心軸に対し偏芯するように構成されることによって、噴射ノズルの円筒空間の断面積を十分に確保することが出来ない場合(すなわち、噴射ノズルの直径を十分に確保することができないような場合)であっても、噴射ノズルの円筒空間内部におけるエアジェットの設置スペースと、スラリーの一時貯留室から噴射ノズル先端に設けられた噴射孔へのスラリーの流通スペースとを確保するものである。又、かかる構成によれば、エアジェットの中心軸が、噴射ノズルの中心軸に対し偏芯することによって、エアジェットの先端の開口と噴射ノズルの先端の中心との位置が、噴射ノズルの半径方向にずれることとなる。その結果として、噴射ノズルの中心軸に対し傾斜して設けられた噴射孔に対するスラリーの流れが円滑となり、圧力損失を可能な限り回避するものである。
(4)前記噴射ノズルの噴射孔の中心軸と、前記エアジェットの開口の中心軸とが一致している液体ホーニングガン(請求項2)。
本項に記載の液体ホーニングガンは、噴射ノズルの噴射孔の中心軸と、エアジェットの開口の中心軸とが一致することから、エアジェットの開口から噴射されるエアの圧力を受けて送出されるスラリーの流れ方向と、噴射孔の延びる方向とが一致し、噴射孔に対するスラリーの流れが円滑となり、圧力損失を可能な限り回避するものである。
(5)上記(4)項において、前記エアジェットの開口が形成された先端面に、前記開口の中心軸と直交する面取りが施されている液体ホーニングガン(請求項3)。
本項に記載の液体ホーニングガンは、エアジェットの開口が形成された先端面が、エアジェットの開口の中心軸に対し直交するように面取りが施されていることから、スラリーが噴射ノズル内部の円筒空間内を流れ、更に、円筒空間の先端内壁面と、エアジェットの先端面との間に設けられた所定の間隙へとスラリーが流れ込む際に、スラリーはエアジェットの先端の開口から噴射されるエアに対し垂直方向に供給されることとなる。よって、スラリーは最も効率的にエアの圧力を受けて、噴射ノズルの噴射孔から噴射されることとなる。
(6)前記噴射ノズルの少なくとも先端部が、別体のゴム製部品により着脱自在に構成されている液体ホーニングガン(請求項4)。
本項に記載の液体ホーニングガンにおいて、スラリーがエアの圧力を受けた状態となるのは、噴射ノズルの円筒空間内の、先端内壁面近傍の所定の間隙から、噴射孔までの部分のみである。又、エアジェットからのエアの供給圧力が比較的低圧に押さえられることから、スラリーの通過に伴う噴射ノズルの磨耗の影響は、元々少ないものである。しかしながら、本項のごとく、噴射ノズルの少なくとも先端部が、別体のゴム製部品により構成されていることとすれば、更に噴射ノズルの噴射孔の磨耗に対する耐久性を高めることができる。又、仮に磨耗が生じた場合であっても、先端部のみ交換することで、噴射ノズルの噴射孔を常に良好な状態に維持することができる。
又、例えば、噴射ノズルの噴射孔に螺旋状若しくは直線状のガイド溝を設けて、スラリーの整流効果を高めつつ、かかるガイド溝の磨耗を可能な限り回避し、又は、ガイド溝に磨耗が生じた場合であっても、交換を容易に行うことが可能となる。
(7)スラリーの一時貯留室及びスラリー供給管の接続ポートが形成されたガン本体に、エアジェットと、噴射ノズルとが組み付けられて構成された液体ホーニングガンを用い、部品内部に穿孔された互いに交差する直線穴の交差部に生じるバリを除去する方法であって、前記直線穴の開放端から、前記直線穴の中心軸に対しスラリーの噴射角度を傾斜させ、前記交差部に向けてスラリーを噴射する交差穴のバリ取り方法(請求項5)。
本項に記載の交差穴のバリ取り方法は、直線穴の開放端から、直線穴の中心軸に対しスラリーの噴射角度を傾斜させ、交差部に向けてスラリーを噴射することで、バリに衝突するスラリーのスラリーの流速を高め、互いに交差する直線孔の交差部に生じるバリを、短時間で確実に除去するものである。
本発明はこのように構成したので、スラリーの噴射用エアの供給手段に、独自の高圧エア供給手段を用いることなく、部品内部に穿孔された、互いに交差する直線孔の交差部に生じるバリを、短時間で確実に除去することが可能となる。又、液体ホーニングガンのノズルの寿命を延ばすことが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面に基づいて説明する。なお、従来技術と同一部分、若しくは相当する部分には同一符号を付している。
図1に示されるように、本発明の実施の形態に係る液体ホーニングガン36は、ガン本体20に、エアジェット38と、噴射ノズル40とが組み付けられて構成されており、ガン本体20には、従来の液体ホーニングガン18(図6)と同様に、スラリーの一時貯留室26及びスラリー供給管の接続ポート28が形成されており、従来のガン本体20を流用することができる。
さて、本発明の実施の形態に係る噴射ノズル40は、図2にも示されるように、その内部に円筒空間42が形成され、先端内壁面48に噴射孔44が設けられている。又、エアジェット38は、図3にも示されるように、先端面に開口50が形成された細管46を有し、この細管46が、噴射ノズル42の円筒空間44内部を、先端内壁面48の近傍まで延びている。しかも、細管46の中心軸C46が、噴射ノズル40の中心軸C40に対し偏芯するように構成されている。又、噴射ノズル40の円筒空間42は、エアジェット46が挿通された状態で、スラリーの一時貯留室26から噴射孔へとスラリーを導くことが可能な断面積を有し、かつ、噴射孔44が形成された先端内壁面48と、エアジェット46の先端面52との間に、所定の間隙Sが設けられている。図示の例では、円筒空間42の先端内壁面48は、円錐状に形成されている。
なお、エアジェット38及び噴射ノズル40の外径については、従来のエアジェット22及び噴射ノズル24と同一とされており、従来のガン本体20に何ら改造を加えることなく、これらを装着することが可能である。
更には、噴射ノズル40の先端に設けられた噴射孔44の中心軸C44が、噴射ノズル40の中心軸C40に対し、所定角度で傾斜するように形成されている。なお、噴射ノズル40の中心軸C40に対する噴射孔44の中心軸C44の傾斜角度θは、後述のごとく、スラリーが、噴射ノズル40の噴射孔44から、クランクシャフト10の油穴交差部16aに向けて噴射されるに適した角度であり、油穴交差部16aの位置にもよるが、本発明の実施の形態では10°〜15°程度に設定されている。
又、図1に示されるように、ノズル本体20にエアジェット38及び噴射ノズル40が組み付けられた状態で、噴射ノズル40の噴射孔44の中心軸C44と、エアジェット38の開口50の中心軸C50とが一致している。更に、図3に示されるように、エアジェット38の開口50が形成された先端面52は、開口50の中心軸C50と直交する面取りが施されている。
なお、図4に示されるように、本発明の実施の形態においては、噴射ノズル40の先端部54が別体のゴム製部品により構成され、噴射ノズル40に対し着脱自在となっていることが、より望ましい。図4の例では、噴射ノズル40には、ゴム製部品である先端部54を固定するためのフランジ40aが形成され、先端部54がこのフランジ40aと弾性嵌合することによって、噴射ノズル40に対し着脱自在となっている。更に、噴射ノズル40の先端部のみならず、円筒空間42を形成する噴射ノズル42の内壁部分についても、必要に応じ、ゴム製部品により着脱自在に構成することにより、スラリーによる磨耗の影響を最小限に抑えることも可能である。
上記構成をなす、本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能である。まず、本発明の実施の形態に係る液体ホーニングガン36は、噴射ノズル40内部の円筒空間42が、エアジェット38の細管46が挿通された状態で、スラリーの一時貯留室26から先端内壁面48の噴射孔44へとスラリーを導くことが可能な断面積を有していることから、噴射ノズル40の噴射孔44へと、スラリーが円滑に送られる。そして、スラリーは、噴射ノズル40の円筒空間42内でエアジェット38のエア圧を受け、噴射孔44から噴射される。しかも、噴射ノズル40の円筒空間42の先端内壁面48に設けられた噴射孔44の中心軸C44が、噴射ノズル40の中心軸C40に対し傾斜するように形成されていることから、クランクシャフト10の油穴交差部16aに生じるバリを除去する際に、図1に示されるように、噴射ノズル40を油穴16の開放端に対向させた状態で、油穴16の中心軸C16に対し噴射角度を傾斜させて、スラリーを噴射することが可能である。そして、噴射ノズル40の噴射孔44から噴射されたスラリーは、油穴16の内部を、交差部16aに形成されたバリに向けて流れることから、バリに衝突するスラリーの流速が高まることとなる。又、別の手法としては、スラリーの通る噴射ノズル40の噴射孔44に螺旋状の条痕をつけることで、噴射の直進性を向上させ、安定的に流速を上げることもできる。すなわち、本発明の実施の形態に係る液体ホーニングガン36は、油穴16の内部におけるスラリーの流れを意図的に整流することによって、スラリーによるバリ除去効率を高めるものである。
又、本発明の実施の形態に係る液体ホーニングガン36は、エアジェット38の、先端面52に開口50が形成された細管46が、噴射ノズル40の円筒空間42内部を先端内壁面48の近傍まで延びているが、噴射ノズル40の円筒空間42は、細管46が挿通された状態で、スラリーの一時貯留室26から先端内壁面48の噴射孔44へとスラリーを導くことが可能な断面積を有していることから、噴射ノズル40内部の円筒空間42をスラリーが流れ、噴射ノズル40の噴射孔44へと、スラリーが円滑に送られる。そして、噴射ノズル40内部の円筒空間42の先端内壁面48とエアジェット38の先端面52との間に設けられた所定の間隙Sにおいて、エアとスラリーとが混合される。更に、所定の間隙Sにおいてエアの圧力を受けたスラリーは、噴射ノズル40の円筒空間42の先端内壁面48に設けられた噴射孔44から、エアとスラリーとの混合後直ちに噴射されることから、噴射圧の損失を可能な限り防ぎ、エアジェット38によるエアの供給圧力を比較的低圧に抑えた状態で、必要なスラリーの噴射圧を確保することができる。
なお、かかる構成によれば、スラリーがエアの圧力を受けた状態となるのは、噴射ノズル40の円筒空間42内の、先端内壁面48近傍の所定の間隙Sから、噴射孔44までの部分のみであり、なおかつ、前述のように、エアジェット38からのエアの供給圧力を比較的低圧に抑えても、バリを十分に除去できるため、スラリーの通過に伴う、噴射ノズル40の噴射孔44自体の磨耗を回避することが可能となり、噴射ノズル40の寿命が長くなる。
又、本発明の実施の形態に係る液体ホーニングガン36は、エアジェット38の細管46の中心軸C46が、噴射ノズル40の中心軸C40に対し偏芯するように構成されることによって、噴射ノズル40の円筒空間42の断面積を十分に確保することが出来ない場合であっても、噴射ノズル40の円筒空間42内部におけるエアジェット38(細管46)の設置スペースと、スラリーの一時貯留室26から噴射ノズル40先端に設けられた噴射孔44へのスラリーの流通スペースとを確保することができる。よって、本発明の実施の形態のごとく、クランクシャフト10のカウンターウエイト32に挟まれた狭小空間に開口している油穴16の、交差部16aに生じるバリを除去する場合のように、噴射ノズル40の直径を十分に確保することができないような場合であっても、噴射ノズル40の円筒空間42内部にエアジェット38(細管46)の設置スペースと、スラリーの流通スペースとを確保することが可能である。
又、エアジェット38の細管46の中心軸C46が、噴射ノズル40の中心軸C40に対し偏芯することによって、エアジェット38の先端の開口50と噴射ノズル40の先端の中心位置とが、噴射ノズル40の半径方向にずれることとなる。その結果として、噴射ノズル40の中心軸C40に対し所定角度θで傾斜して設けられた噴射孔44に対するスラリーの流れが円滑となり、圧力損失を可能な限り回避することができる。
そして、噴射ノズル40の噴射孔44の中心軸C44と、エアジェット38の開口50の中心軸C50とが一致することから、エアジェット38の開口から噴射されるエアの圧力を受けて送出されるスラリーの流れ方向と、噴射ノズル40の噴射孔44の延びる方向とが一致し、噴射孔44に対するスラリーの流れが円滑となり、圧力損失を可能な限り回避することができる。
加えて、エアジェット38の開口50が形成された先端面52に、エアジェット38の開口50の中心軸C50と直交する面取りが施されていることから、スラリーが噴射ノズル40の円筒空間42内を流れ、更に、円筒空間42の噴射孔44が形成された先端内壁面48と、エアジェット38の先端との間に設けられた所定の間隙Sへとスラリーが流れ込む際に、スラリーはエアジェット38の開口50から噴射されるエアに対し垂直方向に供給されることとなる。よって、スラリーは最も効率的にエアの圧力を受けて、噴射ノズル40の噴射孔44から噴射されることとなる。
なお、噴射ノズル40の少なくとも先端部54が、別体のゴム製部品により着脱自在に構成されていることとすれば、更に噴射ノズル40の噴射孔44の磨耗に対する耐久性を高めることができる。又、仮に噴射孔44に磨耗が生じた場合であっても、噴射孔44先端部54のみ交換することで、噴射ノズル40の噴射孔44を常に良好な状態に維持することができる。
又、噴射ノズル40の少なくとも先端部54が、別体のゴム製部品により着脱自在に構成されていることとすれば、例えば、噴射ノズル40の噴射孔44に螺旋状若しくは直線状のガイド溝を設けて、スラリーの整流効果を高めつつ、かかるガイド溝のスラリーによる磨耗を可能な限り回避し、又は、ガイド溝磨耗が生じた場合であっても、交換を容易に行うことが可能となる。
そして、本発明の実施の形態に係る液体ホーニングガン36を用い、油穴16の開放端から、油穴16の中心軸C16に対しスラリーの噴射角度を傾斜させ、交差部16aに向けてスラリーを噴射することで、バリに衝突するスラリーのスラリーの流速を高め、互いに交差する油穴16の交差部16aに生じるバリを、短時間で確実に除去することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る液体ホーニングガンの断面図である。 図1に示される液体ホーニングガンの、噴射ノズルの単体図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は下面図、(d)は正面図である。 図1に示される液体ホーニングガンの、エアジェットの単体図であり、(a)は平面図、(b)は一部縦断面で示された側面図、(c)は下面図である。 本発明の実施の形態に係る液体ホーニングガンの応用例を示す模式図である。 一部断面で示された、クランクシャフトの側面図である。 従来の液体ホーニングガンと、クランクシャフトの油穴とを示す模式図である。
符号の説明
10:クランクシャフト、12:クランクジャーナル、16:油穴、16a:交差部、20:ガン本体、26:スラリーの一時貯留室、28:接続ポート、30:噴射孔、32:カウンターウエイト、36:液体ホーニングガン、38:エアジェット、40:噴射ノズル、42:円筒空間、44:噴射孔、48:先端内壁面、50:エアジェットの開口、52:エアジェットの先端面、54:噴射ノズルの先端部、C42:円筒空間の中心軸、C46:細管の中心軸、C50:エアジェットの先端の開口の中心軸

Claims (5)

  1. スラリーの一時貯留室及びスラリー供給管の接続ポートが形成されたガン本体に、エアジェットと、噴射ノズルとが組み付けられて構成された液体ホーニングガンであって、
    前記噴射ノズルは、その内部に前記エアジェットが挿通される円筒空間が形成され、該円筒空間の先端内壁面に噴射孔が設けられており、
    前記エアジェットは、先端面に開口が形成された細管を有し、該細管が、その中心軸を前記噴射ノズルの中心軸に対し偏芯させるようにして、前記噴射ノズル内部の円筒空間内部を前記先端内壁面の近傍まで延び、かつ、前記先端内壁面とエアジェットの先端面との間に所定の間隙が設けられており、
    前記噴射ノズルの円筒空間は、前記エアジェットの細管が挿通された状態で、前記スラリーの一時貯留室から前記先端内壁面の噴射孔へとスラリーを導くことが可能な断面積を有し、更に、前記先端内壁面に形成された噴射孔は、その中心軸が、前記噴射ノズルの中心軸に対し傾斜するように形成されていることを特徴とする液体ホーニングガン。
  2. 前記噴射ノズルの噴射孔の中心軸と、前記エアジェットの開口の中心軸とが一致していることを特徴とする請求項1記載の液体ホーニングガン。
  3. 前記エアジェットの開口が形成された先端面に、前記開口の中心軸と直交する面取りが施されていることを特徴とする請求項2記載の液体ホーニングガン。
  4. 前記噴射ノズルの少なくとも先端部が、別体のゴム製部品により着脱自在に構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の液体ホーニングガン。
  5. スラリーの一時貯留室及びスラリー供給管の接続ポートが形成されたガン本体に、エアジェットと、噴射ノズルとが組み付けられて構成された液体ホーニングガンを用い、部品内部に穿孔された互いに交差する直線穴の交差部に生じるバリを除去する方法であって、
    前記直線穴の開放端から、前記直線穴の中心軸に対しスラリーの噴射角度を傾斜させ、前記交差部に向けてスラリーを噴射することを特徴とする交差穴のバリ取り方法。
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WO2012156657A1 (en) * 2011-05-13 2012-11-22 COTTRELL, Anthony Ernest Particulate discharging apparatus
CN108161765A (zh) * 2017-12-29 2018-06-15 重庆广福科技有限公司 用于对管件进行喷砂处理装置

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