JP2019135038A - 流体供給管 - Google Patents

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Masuhiko Komazawa
増彦 駒澤
勝 大木
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勝 大木
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【課題】流体に所定の流動特性を与えて、流体の潤滑性、侵透性、及び冷却効果を向上させることができる流体供給管を提供することにある。【解決手段】流体供給管は、内部構造体と、内部構造体を収納するための管本体と、を含む。管本体は、流入口と流出口とを含む。内部構造体は、第1から第3の部分を有し、第1の部分は、第1の回転方向に旋回する複数の螺旋状に形成された翼を含み、第2の部分は、第1の部分より下流側に位置し、外周面に複数の突出部を有し、第3の部分は、第2の部分より下流側に位置し、第1の回転方向とは逆の第2の回転方向に旋回する、複数の螺旋状に形成された翼を含む。【選択図】図2

Description

本発明は、流体を供給する装置の流体供給管に関し、より具体的には、その内部を流れる流体に所定の流動特性を与える流体供給管に関する。例えば、本発明の流体供給管は、研削盤、ドリル、切削装置、等の様々な工作機械の切削液供給装置に適用される。
従来、研削盤やドリル等の工作機械によって、例えば、金属から成る被加工物を所望の形状に加工する際に、被加工物と刃物との接触する部分に加工液(例えば、クーラント)を供給することによって加工中に発生する熱を冷ましたり、被加工物の切りくず(チップとも称する)を加工箇所から除去したりする。被加工物と刃物との接触する部分で高い圧力と摩擦抵抗によって発生する切削熱は、刃先を摩耗させたり強度を落としたりして、刃物などの工具の寿命を減少させる。また、被加工物の切りくずが十分に除去されなければ、加工中に刃先にへばりついて加工精度を落とすこともある。
切削液とも呼ばれる加工液は、工具と被加工物との間の摩擦抵抗を減少させ、切削熱を除去する同時に、被加工物の表面からの切りくずを除去する洗浄作用を行う。このために、加工液は摩擦係数が小さくて、沸騰点が高くて、刃物と被加工物との接触部によく浸透する特性を持つことが好ましい。
例えば、特開平11−254281号には、作用要素(刃物)と被加工物との接触部に加工液を強制的に侵入させるためにガス(例えば、エア)を噴出するガス噴出手段を加工装置に設ける技術が開示されている。
更には、特開2017−225908号には、図16に示す液体吐出管構造体が開示されており、貯留層内で温度管理された液体(クーラント)をポンプで循環させるようにした循環冷却装置に設けられて、ポンプから送り出された液体に微細なバブル(マイクロバブル又はファインバブル)を発生して刃物や被加工物に吐出させる改良技術となっている。具体的には、液体吐出管構造体Tの中に、螺旋羽根HR、フリップフロップ現象発生軸体FRから成る時計回りの高速旋回流を発生するひと組の部材と、螺旋羽根HL、フリップフロップ現象発生軸体FLから成る反時計回りの高速旋回流を発生する他の一組の部材との2組の部材を並列に設置して、流入側INよりの流体に対して夫々逆の回転方向の旋回流を生じさせ、吐出管構造体Tの流出側OUTで衝突させて、旋回流を相殺するようにしている。その結果、回転を伴わない工作機械(例えば、研磨機や放電加工機)に対して、無旋回状態の液体を吐出することで、冷却効果や潤滑効果、洗浄効果をあげるとしている。
特開平11−254281号 特開2017−225908号
特許文献1に開示されたもののような通常の技術によると、工作機械に加工液を吐き出す手段に加えて、ガスを高速且つ高圧で噴出する手段を追加に設けなければならないので、費用が増加すると共に装置が大型化される問題がある。また、研削盤においては高速で回転する研削用砥石の外周面に沿って連れ回りする空気によって砥石と被加工物との接触部に加工液が十分に達することができない問題がある。従って、研削砥石の回転方向と同じ方向に向かって空気を噴射することだけでは、加工液を十分に浸透させにくいので、加工熱を所望の水準に冷却させにくいという問題が相変らず存在する。
特許文献2に開示されたものによれば、流体吐出管構造体Tは、2組の螺旋羽根、フリップフロップ現象発生軸体を必要とし、装置が大掛かりとなる。また、ポンプで液体(クーラント)を循環させている関係で、そもそも乱流があり、流体吐出管構造体Tの2組の螺旋羽根、フリップフロップ現象発生軸体から成る部材に対して、常に同じ流量の液体が送られるのかという問題がある。2組の部材から出力する流量が異なると、吐出管構造体Tの流出側で衝突させて時計回りと反時計回りの旋回流を相殺することは不完全なものとなる。
本発明は、このような事情に鑑みて開発されたものである。本発明の目的は、その内部を流れる流体に所定の流動特性を与えて、流体の潤滑性、侵透性及び冷却効果を向上させることができる流体供給管を提供することにある。また、時計回り或いは反時計回りの旋回性を消し去って流体を出力するのに、よりコンパクトで、効果的な流体供給管を提供することにある。
本発明は、上述の課題を解決するために、次のような構成にしてある。即ち、流体供給管は、内部構造体と、内部構造体を収納するための管本体と、を含む。管本体は、流入口と流出口とを含む。内部構造体は、第1から第3の部分を有し、第1の部分は、第1の回転方向に旋回する複数の螺旋状に形成された翼を含み、第2の部分は、第1の部分より下流側に位置し、外周面に複数の突出部を有し、第3の部分は、第2の部分より下流側に位置し、第1の回転方向とは逆の第2の回転方向に旋回する、複数の螺旋状に形成された翼を含む。
本発明の流体供給管を工作機械等の流体供給部に設ければ、流体供給管の内で発生した多数のマイクロバブルが工具と被加工物とにぶつかって消滅する過程において発生する振動及び衝撃によって、従来に比べて洗浄効果が向上する。これは切削刃などの工具の寿命を延長させ、工具の取換えのために消耗する費用を節減することができる。また、本発明の流体供給管によって与えられる流動特性は、流体の侵透性を向上させて冷却効果を増大させ、潤滑性を向上させると共に、加工精度を向上させることができる。
また、本発明のいくつかの実施形態において、流体供給管は、管本体と内部構造体とが容易に組み立てられる形態及び構造を有する。従って、単純な工程によって内部構造体と管本体とを組み立てることができる。
また、本発明によれば、一つの流路からの流体を内部構造体に供給して、流入側の第1の部分にて反時計回り(あるいはその逆)の旋回流としたのち、下流の第2の部分の複数の突出部に供給して所望の流動特性を得た後、第3の部分にて時計回り(或いはその逆)の流動性を与えるので、コンパクトな装置でありながら、第1の部分、第2の部分の旋回性を第3の部分にて打ち消して、無旋回性の流体を出力することができる。
本発明の流体供給管は、研削盤、切削機、ドリル、等の様々な工作機械にあっての加工液供給部に適用されることができる。また、回転を伴わない工作機械(例えば、研磨機や放電加工機)にも適用できる。それだけでなく、二つ以上の種類の流体(液体と液体、液体と気体、又は、気体と気体)を混合する装置にも効果的に用いることができる。本発明は、それ以外にも、流体を供給する様々なアプリケーションに適用可能である。例えば、家庭用のシャワーノズルや水耕栽培装置にも適用可能である。
以下の詳細な記述が以下の図面と合わせて考慮されると、本願のより深い理解が得られる。これらの図面は例示に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
本発明が適用された流体供給部を備える研削装置を示す。 本発明の第1の実施形態に係る流体供給管の側面分解図である。 本発明の第1の実施形態に係る内部構造体の3次元斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る内部構造体の3次元透視図である。 本発明の第1の実施形態に係る流体供給管の側面透視図である。 本発明の第1の実施形態に係る流体供給管の内部構造体の菱形突出部を形成する(反時計回りに位置する)方法を説明する図である。 本発明の第2の実施形態に係る流体供給管の側面分解図である。 本発明の第2の実施形態に係る流体供給管の側面透視図である。 本発明の第2の実施形態に係る流体供給管の内部構造体の菱形突出部を形成する(時計回りに位置する)方法を説明する図である。 本発明の第3の実施形態に係る流体供給管の側面分解図である。 本発明の第3の実施形態に係る流体供給管の側面透視図である。 本発明の第4の実施形態に係る流体供給管の側面分解図である。 本発明の第4の実施形態に係る流体供給管の側面透視図である。 本発明の第5の実施形態に係る流体供給管の側面分解図である。 本発明の第5の実施形態に係る流体供給管の側面透視図である。 本発明の従来技術を説明するための液体吐出管構造体の縦断側面図である。
本明細書においては、主に本発明を研削装置などの工作機械に適用した実施形態について説明するが、本発明の適用分野はこれに限定されない。本発明は、流体を供給する多様なアプリケーションに適用可能であり、例えば、家庭用のシャワーノズルや流体混合装置、更には、水耕栽培装置にも適用可能である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明が適用された流体供給部を備える研削装置の一実施形態を示す。図示されたように、研削装置1は研削刃(砥石)2、被加工物Wを平面の上で移動させるテーブル3、被加工物W又は研削刃2を上下に移動させるコラム(図示を省略)、等を備える研削部4と、流体(即ち、冷却剤)を研削刃2や被加工物Wに供給する流体供給部5とを備える。流体は、例えば、水である。研削刃2は、図示が省略された駆動源により、図1の平面において時計回りに回転駆動され、研削箇所Gでの研削刃2の外周面と被加工物Wとの摩擦によって被加工物Wの表面が研削される。また、図示は省略するが、流体供給部5は流体を貯留するタンクと、上記流体をタンクから流出させるポンプとを備える。
流体供給部5は、研削刃2と被加工物Wとに向けて流体を吐き出す吐出口を有するノズル6と、流体に所定の流動特性を与える内部構造体を備える流体供給管Pと、タンクに貯留された流体がポンプにより流入する配管9とを含む。ジョイント部7は、流体供給管Pの流出口側とノズル6とを連結する。ジョイント部8は、流体供給管Pの流入口側と配管9とを連結する。配管9から流体供給管Pに流入する流体は、流体供給管Pを通過しながらその内部構造体によって所定の流動特性を持つようになり、流体供給管Pの流出口を経てノズル6を通じて研削箇所Gに向かって吐き出される。本発明のいくつかの実施形態によれば、流体供給管Pを通過した流体はマイクロバブルを含む。以下、流体供給管Pの複数の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図2は本発明の第1の実施形態に係る流体供給管100の側面分解図であり、図3は、流体供給管100の内部構造体120の3次元斜視図である。図4は、内部構造体120の3次元透視図である。図5は流体供給管100の側面透視図である。図2及び図5において、流体は流入口108から流出口109側へ流れる。図2乃至図5に示されたように、流体供給管100は、内部構造体120と管本体140とを備える。
管本体140は、流入側部材141と、流出側部材144から構成される。流入側部材141と流出側部材144とは、円筒形の中が空いている管の形態を有する。流入側部材141は、一端部に所定の直径の流入口108を有し、他の端部側には流出側部材144との接続のために内周面をねじ加工することによって形成された雌ねじ142を含む。流入口108側には連結部111が形成され、図1のジョイント部8と結合される。例えば、連結部111の内周面に形成された雌ねじとジョイント部8の端部の外周面に形成された雄ねじとのねじ結合により、流入側部材141とジョイント部8とが連結される。本実施形態においては、図2に示されたように、流入側部材141は両端部の内径、即ち、流入口108の内径と雌ねじ142との内径とが違い、流入口108の内径が雌ねじ142の内径より小さい。流入口108と雌ねじ142との間にはテーパー部143が形成されている。本発明はこの構成に限定されず、流入側部材141は両端部の内径が同一であってもよい。
流出側部材144は、一端部に所定の直径の流出口109を有し、他の端部側には流入側部材141との接続のために外周面をねじ加工することによって形成された雄ねじ145を備える。流出側部材144の雄ねじ145の外周面の直径は流入側部材141の雌ねじ142の内径と同一である。流出口109側には連結部112が形成されており、連結部112は、図1のジョイント部7と結合される。例えば、連結部112の内周面に形成された雌ねじとジョイント部7の端部の外周面に形成された雄ねじとのねじ結合により、流出側部材144とジョイント部7とが連結される。連結部112と雄ねじ145との間には筒形部146及びテーパー部147が形成される。流出側部材144は両端部の内径、即ち、流出口109の内径と雄ねじ145との内径が違い、流出口109の内径が雄ねじ145の内径より小さい。本発明はこの構成に限定されず、流出側部材144は両端部の内径が同一であってもよい。流入側部材141の内周面の雌ねじ142と流出側部材144の外周面の雄ねじ145とのねじ結合によって流入側部材141と流出側部材144が連結されることで、管本体140が形成される。
一方、管本体140の上記構成は一実施形態に過ぎず、本発明は上記構成に限定されない。例えば、流入側部材141と流出側部材144との連結は上記のねじ結合に限定されないし、機械部品の結合方法はどれでも適用可能である。また、流入側部材141と流出側部材144との形態は、図2及び図5の形態に限定されないし、設計者が任意に選択したり、流体供給管100の用途によって変更したりすることができる。流入側部材141又は流出側部材144は、例えば、スチールのような金属、又はプラスチックから成る。
図2に図示されたように、流体供給管100は、管本体140に収納される内部構造体120を含む。流体供給管100は、図5の如く内部構造体120を挿入し固定する。
内部構造体120は、例えば、スチールのような金属からなった円柱部材を加工する方法又はプラスチックを成形する方法等によって形成される。図2乃至図5を参照すれば、内部構造体120は、第1の渦巻発生部122と、バブル発生部124と、第2の渦巻発生部127と、誘導部125とを備えることが理解される。この第1の渦巻発生部122が、内部構造体120の「第1の部分」の一部または全部に対応し、バブル発生部124が、内部構造体120の「第2の部分」の一部又は全部に対応する。第2の渦巻発生部127が、内部構造体120の「第3の部分」の一部又は全部に対応する。本発明の一実施形態によれば、円柱部材を加工して内部構造体120を制作する。
第1の渦巻発生部122は、円柱部材の一部を加工して形成されたものであり、図3、図4に示されたように、断面が円形である軸部分と、3個の螺旋状に形成された翼とからなる。図2を参照すれば、本実施形態において、第1の渦巻発生部122の長さa2は、バブル発生部124の長さa4よりは短いことが理解される。第1の渦巻発生部122の翼の各々は、その先端が軸部分の円周方向に互いに120°ずつずらし、軸部分の一端から他段まで外周面に所定の間隔をあけて反時計まわりに螺旋状に形成されている。本実施形態では翼の個数を3個にしたが、本発明はこのような実施形態に限定されない。また、渦巻発生部122の翼の形態は、渦巻発生部122に進入した流体が、各翼の間を通過する間に反時計回りの渦巻流を起こすことができる形態であれば特に制限されない。一方、本実施形態では、渦巻発生部122は、内部構造体120を流出側部材144に収納した時に、内周面に近接する程度の外径を有する。
バブル発生部124は、図2乃至図5に示されたように、円形の断面を有する軸部分の外周面に多数の菱形の突出部(凸部)が網状に形成されている構造を有する。それぞれの菱形突出部は、軸部分の外周面から外側へ向かって突出するように、例えば、円柱部材を研削加工することによって形成されることができる。この場合、多数の菱形突出部は、反時計回りに旋回して成る位置に形成される。この場合、円柱部材の外周面を研削加工あるいは研削加工に加えて切削加工、旋削加工、エンドミル加工等を単独で、或いは組み合わせて行うことによって形成される。これらの加工方法は、第1の渦巻発生部122、バブル発生部124、第2の渦巻発生部127、誘導部125及びその他の部位の形成にも適用できる。より具体的に説明するならば、それぞれの菱形突出部の形成方法は、例えば、図6に図示されたように、円柱部材の長さ方向に対して90度の方向に一定の間隔を持つ複数のラインと、上記長さ方向に対して所定の角度(例えば、60度)を持つ一定の間隔のラインを交差させ、90度の方向のラインの間を一回ずつ飛ばして所定の深さに研削するとともに、傾いたライン間を一回ずつ飛ばして研削する。このようにして、軸部分の外周面から突出する菱形の複数の突出部が上下(円周方向)、左右(軸部分の長さ方向)に一つずつ飛ばして規則的に形成される。このようにして、円柱上に形成された菱形突起部の間に、軸部分の長さ方向(左右方向)に対し60度の方向に反時計回りで複数本の流路が形成されることになる。突起部の断面の形態は、菱形に限定されず、三角形或いは他の多角形であってもよい。また、本実施形態では、バブル発生部124は、流出側部材144に収納した時、内周面に近接する程度の外径を有する。
本実施形態では、図2に示されたように、第1の渦巻発生部122の軸部分の直径はバブル発生部124の軸部分の直径と同じであるが、第1の渦巻発生部122とバブル発生部124との間に第1のテーパー部(長さa3)を設けてもよい。
バブル発生部124の下流には、第2の渦巻発生部127が形成される。第2の渦巻発生部127は、円柱部材の一部を加工して形成されたものであり、図3、図4に示されたように、断面が円形である軸部分と、3個の螺旋状に形成された翼とからなる。図2を参照すれば、本実施形態において、第2の渦巻発生部127の長さa5は、バブル発生部124の長さa4よりは短く、第1の渦巻発生部122の長さa2と等しいことが理解される。なお、この第2の渦巻発生部の長さa5は、第1の渦巻発生部122及びバブル発生部124にて、反時計回りの旋回が生じているのを打ち消し、無旋回性とするような長さであれば、第1の渦巻発生部122の長さa2と等しくなくともよく、第1の渦巻発生部122の長さa2よりも短く、あるいは長くすることができる。第2の渦巻発生部127の翼の各々は、その先端が軸部分の円周方向に互いに120°ずつずらし、軸部分の一端から他段まで外周面に所定の間隔をあけて、第1の渦巻発生部122の回転方向(反時計回り)とは逆の時計まわりに螺旋状に形成されている。本実施形態では翼の個数を3個にしたが、本発明はこのような実施形態に限定されない。また、第2の渦巻発生部127の翼の形態は、第2の渦巻発生部127に進入した流体が、各翼の間を通過する間に時計回りの渦巻流を起こすことができ、且つ、第1の渦巻発生部122及びバブル発生部124にて、反時計回りの旋回が生じているのを打ち消す形態であれば、翼の個数や形状も特に制限されない。一方、本実施形態では、第2の渦巻発生部127は、内部構造体120を流出側部材144に収納した時に、内周面に近接する程度の外径を有する。
誘導部125は上記円柱部材の下流側の末端の部分をドーム形に加工して形成する。図2に示されたように、第2の渦巻発生部127と、誘導部125との間には、円柱形状の軸部分が延びている。本実施形態では、この軸延長部126の長さ(a6)は、図5に示されたように、内部構造体120が流出側部材144に収納された時、内部構造体120の誘導部125が流出側部材144のテーパー部147に位置するように決まる。本実施形態では、誘導部125がドーム形態を有するが、本発明はこの実施形態に限定されなく、誘導部125は他の形態を有することも可能である。或いは、内部構造体120は誘導部125を備えないこともある。
流体供給管100は、例えば、以下の組み立て過程によって製造される。まず、内部構造体120を流出側部材144に収納する。内部構造体120は、上記の構造及び寸法関係によって、内部構造体120と流出側部材144とのセルフアライメントが可能である。そして、流出側部材144の外周面の雄ねじ145と流入側部材141の内周面の雌ねじ142とを結合させる。
以下、図2乃至図5を参照して、流体が流体供給管10を通過する間の流動について説明する。インペラ(羽根車)が右折又は左折する(時計回り又は反時計回りに回転する)電動ポンプによって、流体が配管9(図1参照)を経て流体供給管100の流入口108を通じて流入される。流体は、内部構造体120が収納された流出側部材144の内部の空間に流れ込む。
内部構造体120が収納された流出側部材144の中空部を通じて流れる流体は、第1の渦巻発生部122の反時計方向に螺旋状に形成された3個の翼の間を通過して行く。流体は第1の渦巻発生部122の各翼によって強烈な反時計回りの渦巻流になって、バブル発生部124に送られる。
そして、流体はバブル発生部124の軸部分の外周面に規則的に形成された複数の菱形突出部の間を通る。これらの複数の菱形突出部は流体の進行方向(バブル発生部124の軸方向)に対して反時計回りの複数の狭い流路を形成する。流体が複数の菱形突出部によって形成された複数の狭い流路を通過することで、多数の微小な渦を発生させるフリップフロップ現象(流体の流れる方向が周期的に交互に変換して流れる現象)が起こる。このようなフリップフロップ現象によって、流出側部材144の中空部の内でバブル発生部124の複数の突出部の間を通る流体は規則的に左右に方向を変換して流れ、その結果、流体の混合及び拡散を誘発する。バブル発生部124の上記構造は、異なる性質を有する二つ以上の流体を混合する場合にも有用である。
また、内部構造体120は、流体が断面積が大きい上流(第1の渦巻発生部122)から断面積が小さい下流(バブル発生部124の複数の菱形突出部の間に形成された流路)へ流れるようにする構造を有する。この構造は以下に説明するように流体の静圧力(static pressure)を変化させる。流体に外部エネルギーが加えられない状態での圧力、速度、及び位置エネルギーの関係は次のようなベルヌーイ方程式として表される。


ここで、pは流線内の一点での圧力、ρは流体の密度、υはその点での流動の速度、gは重力加速度、hは基準面に対するその点の高さ、kは定数である。上記方程式として表現されるベルヌーイ定理は、エネルギー保存法則を流体に適用したものであり、流れる流体に対して流線上ですべての形態のエネルギーの合計はいつも一定であるということを説明する。ベルヌーイ定理によると、断面積が大きい上流では、流体の速度が遅くて静圧は高い。これに対して、断面積が小さい下流では、流体の速度が速くなり静圧は低くなる。
流体が液体である場合、低くなった静圧が液体の飽和蒸気圧に到達すると液体の気化が始まる。このようにほぼ同一の温度において静圧がきわめて短い時間内に飽和蒸気圧より低くなって(水の場合、3000−4000Pa)液体が急激に気化する現象をキャビテーション(cavitation)と称する。本発明の流体供給管100の内部構造体120はこのようなキャビテーション現象を誘発する。キャビテーション現象によって液体のうちに存在する100ミクロン以下の微小な気泡核を核として液体が沸騰したり溶存気体の遊離によって小さい気泡が多数生じたりする。即ち、流体がバブル発生部124を通じながら多数のマイクロバブルが発生する。
水の場合、1つの水分子が他の4個の水分子と水素結合を形成でき、この水素結合ネットワークを破壊することは容易ではない。そのために、水は水素結合を形成しない他の液体に比べて沸点や融点が非常に高いし、高い粘度を示す。水の沸点が高い性質は優秀な冷却効果をもたらすので、研削等を行う加工装置の冷却水として頻繁に用いられるが、水分子の大きさが大きくて加工箇所への侵透性や潤滑性は良くないという問題がある。そこで、通常は水でない特殊な潤滑油(即ち、切削油)を単独に、または、水と混合して用いる場合も多い。ところで、本発明の供給管を用いれば、上記したキャビテーション現象によって水の気化が起き、その結果、水の水素結合ネットワークが破壊されて粘度が低くなる。また、気化によって発生するマイクロバブルは侵透性及び潤滑性を向上させる。侵透性の向上は結果的に冷却効率を増加させる。従って、本発明によると、特殊な潤滑油を使うこと無しに、水だけを用いても加工品質、即ち、工作機械の性能を向上させることができる。
反時計回りの旋回流である流体はバブル発生部124を過ぎて、第2の渦巻発生部127の時計方向に螺旋状に形成された3個の翼の間を通過して行く。流体は第2の渦巻発生部127の各翼によって、反時計回りの旋回性が打ち消されて、無旋回性の流体として誘導部125に送られる。
流体が内部構造体120の端部に形成された第1の誘導部125に向かって流れると、流路が急激に広くなることによってバブル発生部124によるフリップフロップ現象はほとんど消え、コアンダ(Coanda)効果が発生する。コアンダ効果は、流体を曲面の周囲で流せば流体と曲面との間の圧力低下によって、流体が曲面に吸い寄せられることによって、流体が曲面に沿って流れる現象を称する。このようなコアンダ効果によって、流体は誘導部125の表面に沿って流れるように誘導される。ドーム形態の誘導部125によって中心に向かって誘導された流体は流出側部材144のテーパー部147に向かう。
流体供給管100の流出口109から出力した流体は、ジョイント部7を通じて流出され、ノズル6を通じて研削箇所Gに向かって吐き出される。流体がノズル6を通じて吐き出される際に、バブル発生部124で発生した多数のマイクロバブルが大気圧に露出され、研削刃2や被加工物Wにぶつかってバブルがこわれたり爆発したりして消滅する。このようにバブルが消滅する過程で発生する振動及び衝撃は、研削箇所Gで発生するスラッジや切りくずを効果的に除去する。換言すれば、マイクロバブルが消滅しながら研削箇所Gの周囲の洗浄効果を向上させる。また、流体供給管100の流出口109から吐き出される流体は、誘導部125によって増幅されたコアンダ効果によって、刃物や被加工物の表面によく張り付くようになる。これは流体による冷却効果を増加させる。また、上述したとおり、流体の回転性は、打ち消されて吐出されるため、各種の工作機械の冷却や洗浄にも適しているし、その他のアプリケーションに流体供給管100を採用する場合も、送出流体は好適なものとなっている。
本発明の流体供給管100を工作機械等の流体供給部に設けることによって、研削刃と被加工物とで発生する熱を従来に比べてより効果的に冷却させることができ、侵透性及び潤滑性が良くなって加工精度を向上させることができる。また、被加工物の切りくずを加工箇所から効果的に除去することで、切削刃等の工具の寿命を延長させ、工具の取換えのために消耗する費用を節減することができる。
尚、本実施形態では、1つの部材を加工して内部構造体120の第1の渦巻発生部122と、バブル発生部124と、第2の渦巻発生部127と、誘導部125とを形成するので、内部構造体120が一体化した1つの部品として製造される。上記の構造及び寸法関係によって、内部構造体120を流出側部材144の内部に入れて固定した後、流出側部材144の雄ねじ145と流入側部材141の雌ねじ142とを結合する簡単な工程だけで、流体供給管100を製造することができる。即ち、流体供給管100の部品の組み立てが容易であり、流体供給管100の製造にかかる時間が短縮される。
本発明の流体供給管は、研削装置、切削装置、ドリル、等の様々な工作機械においての加工液供給部に適用されることができる。また、2つ以上の流体(液体と液体、液体と気体、又は、気体と気体等)を混合する装置にも効果的に利用することができる。例えば、本発明の流体供給管を燃焼エンジンに適用すれば、燃料と空気とが十分に混ざり合うことによって燃焼効率が向上する。また、本発明の流体供給管を洗浄装置に適用すれば、通常の洗浄装置に比べて洗浄効果をより向上させることができる。また、本発明の流体供給管を水耕栽培装置に用いれば、供給水の溶存酸素を増加させて、推移中の酸素量(溶存酸素濃度)を維持又は向上させることに利用できる。
(第2の実施形態)
次に、図7乃至図9を参照して本発明の第2の実施形態に係る流体供給管200について説明する。第1の実施形態と同一の構成については説明を省略し、第1の実施形態と差のある部分に対して詳細に説明する。第1の実施形態の構成要素と同一の構成要素については同一の図面符号を使う。図7は第2の実施形態に係る流体供給管200の側面分解図であり、図8は内部構造体220を管本体140に挿入固定した状態を示す側面透視図である。図7及び図8に示されたように、流体供給管200は、内部構造体220と、管本体140とを備える。第2の実施形態の管本体140は第1の実施形態のものと同一であるので、その説明を省略する。図7及び図8において、流体は流入口108から流出口109側へ流れる。
第2の実施形態の内部構造体220は、例えば、金属から成る円柱形態の部材を研削、切削、旋削或いはエンドミル加工して形成され、或いはプラスチックを成形加工して、上流側から下流側に向かって、第1の渦巻発生部222と、バブル発生部224と、第2の渦巻発生部227と、ドーム形の誘導部125とを備える。この金属加工やプラスチック加工は、以降に説明する他の実施形態においても同様である。内部構造体220の構造は、第1の実施形態の内部構造体120と同様であるので、同じ部分についての詳細な説明は省略する。
本実施形態の内部構造体220の第1の渦巻発生部222は、第1の実施形態とは逆の時計回りの3つの翼を有し、時計回りの強烈な旋回流を発生する。第1の渦巻発生部222を通過した時計回りの流体が、バブル発生部224の時計回りの流路を通過して、更に、第1の実施形態とは逆の反時計回りの3つの翼を有する第2の渦巻発生部227にて、第1の渦巻発生部222及びバブル発生部224による時計回りの旋回性を打ち消して、無旋回性の流体であって、所定の流動特性を持つ流体として誘導部125を経由してテーパー部147に向かうこととなる。
バブル発生部224の突出部(凸部)のそれぞれの菱形突出部は、例えば、図9の方法によって形成される。すなわち、円柱部材の長さ方向に対して90度の方向に一定の間隔を持つ複数のラインと、上記長さ方向に対して所定の角度(例えば、60度)を持つ一定の間隔のラインを交差させ、90度の方向のラインの間を一回ずつ飛ばして所定の深さに研削するとともに、傾いたライン間を一回ずつ飛ばして研削する。このようにして、軸部分の外周面から突出する菱形の複数の突出部が上下(円周方向)、左右(軸部分の長さ方向)に一つずつ飛ばして規則的に形成される。このようにして、円柱上に形成された菱形突起部の間に、軸部部分の長さ方向(左右方向)に対し60度の方向に時計回りで複数本の流路が形成されることになる。突起部の断面の形態は、菱形に限定されず、三角形或いは他の多角形であってもよい。また、本実施形態においては、バブル発生部224は、管本体140に収納した時、管本体140の流出側部材144の内周面に近接する程度の外径を有する。
第2の渦巻発生部227にて、無旋回流となった流体は、誘導部125を経て流出口109から流出され、ジョイント部7を経た後、ノズル7を通じて研削箇所Gに向かって吐き出される。
第1の実施形態で説明したように、内部構造体220のバブル発生部224によって発生したマイクロバブルによって、研削箇所Gの周囲の洗浄効果が向上される。また、流体供給管200の流出口109から吐き出される流体は、誘導部125によって増幅されたコアンダ効果によって、刃物や被加工物の表面によく張り付くようになる。これは流体による冷却効果を増加させる。また、上述したとおり、流体の回転性は、打ち消されて無旋回性の流体として吐出されるため、各種の工作機械の冷却や洗浄にも適していて、その他のアプリケーションに流体供給管200を採用する場合も、送出流体は好適なものとなっている。
(第3の実施形態)
次に、図10及び図11を参照して本発明の第3の実施形態に係る流体供給管300について説明する。第3の実施形態の流体供給管300において、他の実施形態と同一の構成については説明を省略し、同一の構成要素に対しては同一の図面符号を使う。図10は第3の実施形態に係る流体供給管300の側面分解図であり、図11は流体供給管300の側面透視図である。流体供給管300は、内部構造体320と管本体140とを備える。第3の実施形態の管本体140は第1の実施形態のものと同一であるので、その説明を省略する。図10及び図11において、流体は流入口108から流出口109側へ流れる。
第3の実施形態の内部構造体320は、例えば、金属からなる円柱形態の部材を加工して形成され、或いはプラスチックを加工して形成され、上流側から下流側に向かって第1の渦巻発生部122と、バブル発生部124と、第2の渦巻発生部127と円錐形態の誘導部325とを備える。図11に示されたように、内部構造体320が管本体140に収納された時、内部構造体320の誘導部325が流出側部材144のテーパー部147に位置し、且つ連結部112の途中まで突出することとなる。円錐形態の誘導部325では、円錐を中心に渦巻状になりながら流体が中心に集められて誘導される。第1の実施形態と同様に、内部構造体320の第1の渦巻発生部122と、バブル発生部124は、反時計回りの回転特性(旋回性)を有し、第2の渦巻発生部127は、時計回りの回転特性(旋回性)を有する。
第1の実施形態で説明したように、内部構造体320のバブル発生部124によって発生したマイクロバブルによって、研削箇所Gの周囲の洗浄効果が向上される。また、流体供給管300の流出口109から吐き出される流体は、誘導部325によって増幅されたコアンダ効果によって、刃物や被加工物の表面によく張り付くようになる。これは流体による冷却効果を増加させる。また、第2の渦巻発生部127によって、無旋回の流体として、流出口109から吐出されるため、各種の工作機械の冷却や洗浄にも適しているし、その他のアプリケーションに流体供給管300を採用する場合も、送出流体は好適なものとなっている。
もちろん、他の実施形態によれば、第2の実施形態と同様に、この第3の実施形態の第1の渦巻発生部122と、バブル発生部124を、第1の渦巻発生部222と、バブル発生部224の時計回りの回転特性(旋回性)を有するものとし、第2の渦巻発生部127を第2の渦巻発生部227の反時計回りの回転特性(旋回性)を有するものとすることもできる。
(第4の実施形態)
次に、図12及び図13を参照して本発明の第4の実施形態に係る流体供給管400について説明する。他の実施形態と同一の構成については説明を省略し、これらと差のある部分について詳細に説明する。図12は第4の実施形態に係る流体供給管400の側面分解図であり、図13は流体供給管400の側面透視図である。図12及び図13に示されたように、流体供給管400は内部構造体420と管本体140とを備える。第4の実施形態の管本体140は、第1の実施形態のものと同一であるので、その説明を省略する。図12及び図13において、流体は流入口108から流出口109側へ流れる。
第4の実施形態の内部構造体420は、例えば、金属からなる円柱形態の部材を加工して形成され、或いはプラスチックを加工して形成され、上流側から下流側に向かって流体拡散部121と、第1の渦巻発生部122と、バブル発生部124と、第2の渦巻発生部127と、ドーム形態の誘導部125とを備える。第1の渦巻発生部122と、バブル発生部124と、ドーム形態の誘導部125とは、第1の実施形態で説明したものと同じであり、第1の実施形態と差異があるのは、流体拡散部121のみである。
流体拡散部121は、円柱部材の一端部を円錐の形態に加工(例えば、スピニング)することで形成される。流体拡散部121は、流入口108を経て流入側部材141に流入される流体を管の中心部から外側へ、すなわち半径方向に拡散させる。この流体拡散部121は、流入側部材141のテーパー部143に位置する(図13参照)。本実施形態においては、流体拡散部121は、円錐の形態を有するが、本発明はこの実施形態に限定されなく、流体拡散部121は、他の形態をとることもできる。一実施形態では、流体拡散部をドーム形態に形成する。
図12によれば、流体拡散部121の軸方向の長さa1は、第1の渦巻発生部a2の長さよりも短いことが理解される。また、流体拡散部121の断面積が最大である部分の半径は、第1の渦巻発生部122の半径(軸の中心から羽根の先端までの距離)より小さいのが好ましい。
内部構造体420のバブル発生部124によって発生したマイクロバブルによって、研削箇所Gの周囲の洗浄効果が向上される。また、流体供給管400の流出口109から吐き出される流体は、誘導部125によって増幅されたコアンダ効果によって、刃物や被加工物の表面によく張り付くようになる。これは流体による冷却効果を増加させる。また、第1の渦巻発生部122(反時計回り)と、バブル発生部124(反時計回り)と、第2の渦巻発生部127(時計回り)とを経由して流体が流出口109から吐出されるため、最終的に無旋回の流体なっており、各種の工作機械の冷却や洗浄にも適しているし、その他のアプリケーションに流体供給管400を採用する場合も、送出流体は好適なものとなっている。
なお、本実施形態の場合も、第1の渦巻発生部122と、バブル発生部124とを、第2の実施形態と同様に時計回りの旋回を生じさせるようにし、第2の渦巻発生部127の反時計回りの回転特性によって、旋回性を打ち消して、無旋回の流体とすることができる。
この場合も、第2の渦巻発生部127の軸方向の長さa5は、第1の渦巻発生部122の軸方向の長さa2と必ずしも同一でなくてよく、要は、第1の渦巻発生部122と、バブル発生部124で生じた反時計回り(或いは時計回り)の旋回特性を、第2の渦巻発生部127にて消し去ることができる長さ、或いは更には、翼の個数や形状であればよい。
(第5の実施形態)
次に、図14及び図15を参照して本発明の第5の実施形態に係る流体供給管500について説明する。他の実施形態と同一の構成については説明を省略し、これらと差のある部分について詳細に説明する。図14は第5の実施形態に係る流体供給管500の側面分解図であり、図15は流体供給管500の側面透視図である。図14及び図15に示されたように、流体供給管500は内部構造体520と管本体140とを備える。第5の実施形態の管本体140は、第1の実施形態のものと同一であるので、その説明を省略する。図14及び図15において、流体は流入口108から流出口109側へ流れる。
第5の実施形態の内部構造体520は、例えば、金属からなる円柱形態の部材を加工して形成され、或いはプラスチックを加工して形成され、上流側から下流側に向かって流体拡散部121と、第1の渦巻発生部122と、バブル発生部124と、第2の渦巻発生部127と、円錐形態の誘導部325とを備える。第1の渦巻発生部122と、バブル発生部124と、円錐形態の誘導部325とは、第3の実施形態で説明したものと同じであり、第3の実施形態と差異があるのは、流体拡散部121のみである。この流体拡散部121については、第4の実施形態において説明したものと同じである。
流体拡散部121は、円柱部材の一端部を円錐の形態に加工(例えば、スピニング)することで形成される。流体拡散部121は、流入口108を経て流入側部材141に流入される流体を管の中心部から外側へ、すなわち半径方向に拡散させる。図14によれば、流体拡散部121の軸方向の長さa1は、第1の渦巻発生部a2の長さよりも短いことが理解される。また、流体拡散部121の断面積が最大である部分の半径は、第1の渦巻発生部122の半径(軸の中心から羽根の先端までの距離)より小さいのが好ましい。
内部構造体520のバブル発生部124によって発生したマイクロバブルによって、研削箇所Gの周囲の洗浄効果が向上される。また、流体供給管500の流出口109から吐き出される流体は、誘導部325によって増幅されたコアンダ効果によって、刃物や被加工物の表面によく張り付くようになる。これは流体による冷却効果を増加させる。また、第1の渦巻発生部122(反時計回り)と、バブル発生部124(反時計回り)と、第2の渦巻発生部127(時計回り)とを経由して流体が流出口109から吐出されるため、最終的に無旋回の流体なっており、各種の工作機械の冷却や洗浄にも適しているし、その他のアプリケーションに流体供給管500を採用する場合も、送出流体は好適なものとなっている。
なお、本実施形態の場合も、第1の渦巻発生部122と、バブル発生部124とを、第2実施形態と同様に時計回りの旋回を生じさせるようにし、第2の渦巻発生部127の反時計回りの回転特性によって、旋回性を打ち消して、無旋回の流体とすることができる。
この場合も、第2の渦巻発生部127の軸方向の長さa5は、第1の渦巻発生部122の軸方向の長さa2と必ずしも同一でなくてよく、要は、第1の渦巻発生部122と、バブル発生部124で生じた反時計回り(或いは時計回り)の旋回特性を、第2の渦巻発生部127にて消し去ることができる長さ、或いは更には、翼の個数や形状であればよい。
以上、本発明を、複数の実施形態を利用して説明したが、本発明はこのような実施形態に限定されることではない。本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、上記説明及び関連図面から本発明の多くの変形及び他の実施形態を導出することができる。本明細書では、複数の特定用語が使われているが、これらは一般的な意味として単に説明の目的のために使われただけであり、発明を制限する目的で使われたものではない。添付の特許請求の範囲及びその均等物により定義される一般的な発明の概念及び思想を逸脱しない範囲で多様な変形が可能である。
1 研削装置
2 研削刃(砥石)
3 テーブル
4 研削部
5 流体供給部
6 ノズル
108 流入口
109 流出口
P、100、200、300、400、500 流体供給管
120、220、320、420、520 内部構造体
121 流体拡散部
122、222 第1の渦巻発生部
124、224 バブル発生部
127、227 第2の渦巻発生部
125、325 誘導部
140 管本体
141 流入側部材
144 流出側部材

Claims (26)

  1. 流体供給管であって、
    内部構造体と、
    内部構造体を収納するための管本体と、
    を含み、
    管本体は、流入口と流出口とを含み、
    内部構造体は、第1から第3の部分を有し、
    第1の部分は、第1の回転方向に旋回する複数の螺旋状に形成された翼を含み、
    第2の部分は、第1の部分より下流側に位置し、外周面に複数の突出部を有し、
    第3の部分は、第2の部分より下流側に位置し、第1の回転方向とは逆の第2の回転方向に旋回する、複数の螺旋状に形成された翼を含むことを特徴とする、
    流体供給管。
  2. 内部構造体は、第1の部分より上流側に、流体を管の中心から半径の方向に拡散させる流体拡散部を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の流体供給管。
  3. 内部構造体の流体拡散部は、円錐形に形成されている内部構造体の一端部であることを特徴とする請求項2に記載の流体供給管。
  4. 内部構造体の流体拡散部は、ドーム形に形成されている内部構造体の一端部であることを特徴とする請求項2に記載の流体供給管。
  5. 内部構造体の第1の部分は、断面が円形である軸部分と、第1の回転方向に旋回する螺旋状に形成されている複数の翼とを含むことを特徴とする請求項1に記載の流体供給管。
  6. 内部構造体の第1の部分は、三つの翼を含み、
    翼の各々は、その先端が軸部分の円周方向に互いに120°ずつずらしていることを特徴とする請求項5に記載の流体供給管。
  7. 内部構造体の第2の部分は、
    その外周面に多数の菱形の突出部が、第1の回転方向に旋回して成る位置に形成された軸であることを特徴とする請求項1に記載の流体供給管。
  8. 多数の菱形の突出部は網状に形成されていることを特徴とする請求項7に記載の流体供給管。
  9. 内部構造体の第3の部分は、断面が円形である軸部分と、第2の回転方向に旋回する螺旋状に形成されている複数の翼とを含むことを特徴とする請求項1に記載の流体供給管。
  10. 内部構造体の第3の部分は、三つの翼を含み、
    翼の各々は、その先端が軸部分の円周方向に互いに120°ずつずらしていることを特徴とする請求項9に記載の流体供給管。
  11. 内部構造体は、第3の部分より下流側に、流体を管の中心に向かって誘導する誘導部を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の流体供給管。
  12. 内部構造体の誘導部は、ドーム形に形成されている内部構造体の一端部であることを特徴とする請求項11に記載の流体供給管。
  13. 内部構造体の誘導部は、円錐形に形成されている内部構造体の一端部であることを特徴とする請求項11に記載の流体供給管。
  14. 内部構造体の第1から第3の部分は、断面が円形の共通の軸体上に一体化して形成されており、
    第1の部分の軸方向における第1の部分の長さと、第1の部分の軸方向における第3の部分の長さとは等しく、第1の部分の軸方向における第2の部分の長さよりは短いことを特徴とする請求項1に記載の流体供給管。
  15. 内部構造体の流体拡散部及び第1から第3の部分は、断面が円形の共通の軸体上に一体化して形成されており、
    第1の部分の軸方向における流体拡散部の長さは、第1の部分の軸方向における第1の部分の長さより短く、更に、第1の部分の軸方向における第1の部分の長さと、第1の部分の軸方向における第3の部分の長さとは等しく、第1の部分の軸方向における第2の部分の長さよりは短いことを特徴とする請求項2に記載の流体供給管。
  16. 管本体の流入口には、テーパー部があり、管本体に内部構造体が収納された際、流体拡散部は、管本体のテーパー部に対応する位置にあることを特徴とする請求項2に記載の流体供給管。
  17. 管本体は、流入側部材と流出側部材とからなり、
    流入側部材と流出側部材とは、ねじ結合することを特徴とする請求項1に記載の流体供給管。
  18. 請求項1から17のいずれかの流体供給管に、冷却液を流入し、所定の流動特性を与えてから工具や被加工物に吐出させて、冷却するようにした工作機械。
  19. 請求項1から17のいずれかの流体供給管に、水や湯を流入し、所定の流動特性を与えてから吐出させるようにして洗浄効果を高めるようにしたシャワーノズル。
  20. 請求項1から17のいずれかの流体供給管に、複数の異なる特性の流体を流入し、所定の流動特性を与えて、この複数の流体を混合したのち吐出させるようにした流体混合装置。
  21. 請求項1から17のいずれかの流体供給管に、水を流入し、溶存酸素を増加させてから吐出させる水耕栽培装置。
  22. 流体供給管の管本体に収納される内部構造体であって、
    第1から第3の部分を有し、
    第1の部分は、第1の回転方向に旋回する複数の螺旋状に形成された翼を含み、
    第2の部分は、第1の部分より下流側に位置し、外周面に複数の突出部を有し、
    第3の部分は、第2の部分より下流側に位置し、第1の回転方向とは逆の第2の回転方向に旋回する、複数の螺旋状に形成された翼を含むことを特徴とする、
    内部構造体。
  23. 第1の部分より上流側に、流体を管の中心から半径の方向に拡散させる流体拡散部を更に含むことを特徴とする請求項22に記載の内部構造体。
  24. 第3の部分より下流側に、流体を管の中心に向かって誘導する誘導部を更に含むことを特徴とする請求項22に記載の内部構造体。
  25. 第1から第3の部分は、断面が円形の共通の軸体上に一体化して形成されており、
    第1の部分の軸方向における第1の部分の長さと、第1の部分の軸方向における第3の部分の長さとは等しく、第1の部分の軸方向における第2の部分の長さよりは短いことを特徴とする請求項22に記載の内部構造体。
  26. 内部構造体の流体拡散部及び第1から第3の部分は、断面が円形の共通の軸体上に一体化して形成されており、
    第1の部分の軸方向における流体拡散部の長さは、第1の部分の軸方向における第1の部分の長さより短く、更に、第1の部分の軸方向における第1の部分の長さと、第1の部分の軸方向における第3の部分の長さとは等しく、第1の部分の軸方向における第2の部分の長さよりは短いことを特徴とする請求項23に記載の内部構造体。
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