JP2007268695A - 切削工具およびホルダ - Google Patents

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Abstract


【課題】 切り屑が被削材内部空間で詰まることを防ぐ切削工具を提供する。
【解決手段】 ホルダ21の軸線方向一端面74から流体を噴射させる。これによって被削材30の内周部底面84寄りに留まっている切り屑を、被削材30から強制的に排出させることができ、被削材30の内部空間に切り屑が詰まることを防ぐことができる。切り屑の詰りを防ぐことで、切り屑がチップ20に接触することを防いで、チップ20が欠損したり、ホルダ21が破損したりすることを防ぐことができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内径加工用の切削工具およびその切削工具の一部を構成するホルダに関する。
従来技術の内径加工用の溝入れ用工具として、チップとホルダとの間に形成される流路に切削液を通過させて、切削液をホルダの軸線方向一端部からホルダ半径方向に切刃に噴射する技術がある(たとえば特許文献1参照)。また他の従来技術として、L字状のチップをホルダに装着して構成される内径加工用の切削工具がある。
図14は、上述する2つの従来技術を適用した切削工具1を示す平面図である。また図15は、図14のS15−S15切断面線から切削工具1を切断して示す断面図である。切削工具1は、L字状チップをホルダに装着して構成される切削工具であって、特許文献1に開示される技術を適用したものである。
この切削工具1は、チップ4の載置面5にホルダ半径方向Yに延びる凹溝6が形成され、凹溝6をチップ4で覆った状態で、凹溝6に切削液が供給される。切削液は、載置面5とチップ4との間を通過して、ホルダ半径方向Yに進んで被削材の溝部の底面に衝突する。これによって被削材の溝が深い場合でも、被削材の溝部に切削液を供給しやすくすることができる。特許文献1に開示される従来技術では、ホルダ2には、ホルダ軸線L2と同軸に延びる切削液供給孔8が貫設される。前記凹溝6は、ホルダ半径方向Yに延びて、切削液供給孔8に連通する。
特開平7−237006号公報
内径の溝入れ加工を行うべき被削材は、一方に開放して他方が塞がれる有底筒状、いわゆる止まり穴が形成される場合がある。このような場合、切削工具1によって削られた切り屑は、切削工具1と被削材内周部との間から排出される。したがって、被削材内周部の内径が小さくなればなるほど、被削材と工具間とのスペースが狭くなり、切り屑が排出されにくくなる。
被削材内周部の内径が小さい有底筒状の被削材では、従来技術の切削工具を用いて、切削液によって、被削材の溝部から切り屑を排出させたとしても、被削材の溝部から排出された切り屑が被削材の内部空間に留まりやすい。したがって被削材内部空間で切り屑が詰まることを充分に防ぐことができない。切り屑が被削材の内部空間で詰まってしまうと、チップが欠損したり、ホルダが損傷したりするという問題がある。
したがって本発明の目的は、切り屑が被削材内部空間で詰まることを防ぐ切削工具および切削工具の一部を構成するホルダを提供することである。
本発明は、切刃が形成されるチップと、
略円柱状に形成され、チップを着脱可能なホルダであって、
ホルダ軸線方向一端部に形成されて、チップの切刃をホルダ半径方向外方に突出させた状態でチップを装着する装着部と、
該装着部を除く残余の部分に形成され、軸線方向他端面から前記装着部まで貫通する流体管路を形成する管路形成部とを有するホルダとを含み、
チップをホルダに装着した状態で、チップとホルダの装着部との間に、ホルダ軸線方向に延びてホルダ軸線方向一端面からホルダ外方に開放するとともに、流体管路に連通する隙間空間を形成することを特徴とする切削工具である。
本発明に従えば、切削工具は、軸線方向一端部から被削材の内部空間に進入することで、被削材の内周部をチップに形成される切刃によって切削することができる。本発明では、軸線方向他端面に形成される流体管路の開口から流体がホルダ内に供給されることで、流体は、流体管路および隙間空間を順次移動して、ホルダ軸線方向一端面に位置する隙間空間の開口から、ホルダ軸線方向一方に噴射される。
被削材が有底筒状に形成されている場合、ホルダの軸線方向一端面から噴射される流体は、軸線方向一方に進んで被削材の内周部底面に衝突して、次に被削材の内周部底面から軸線方向他方に跳ね返って、工具と被削材の内周部内周面との間を通過して、被削材外方へ移動する。このように流体が移動することで、被削材の内周部底面寄りに留まっていた切り屑は、流体とともに移動して被削材外方に排出される。ホルダの軸線方向一端面から流体を噴射することで、被削材の内周部底面と、ホルダの軸線方向一端部との間に留まっている切り屑をより確実に、被削材外方に排出させることができる。
また本発明では、流体管路は、ホルダの軸線方向一端部以外の位置に形成される。また隙間空間は、チップと装着部との間に形成される。したがって流体をホルダ軸線方向一端面まで導くための流路に関して、ホルダ内部を貫通する貫通孔として形成する場合に比べて、ホルダ軸線方向一端部の剛性を高めることともに、流体をホルダ軸線方向一端面まで導くための管路をホルダに容易に形成することができる。
また本発明は、チップをホルダに装着した状態で、
チップの底面とチップの一側面とを含むチップの角部分と、ホルダの装着部のうちで、チップの角部分に対向する対向部分との間に前記隙間空間を形成することを特徴とする。
チップ装着状態において、チップの底面とチップの一側面とを、ホルダの装着部に当接させて拘束するために、チップの角部分とホルダの対向部分とは隙間をあけて形成される。本発明に従えば、チップの角部分とホルダの対向部分との間の隙間を、流体を流すための流路として用いることで、隙間空間を形成する作業を別途必要とすることなく、隙間空間を容易に形成することができる。またホルダの肉厚減少を抑えて、ホルダの強度低下を防ぐことができる。
また本発明は、ホルダは、
前記流体管路から分岐してホルダ半径方向に延びて、装着部寄りでホルダ外方に開放する分岐路が形成される分岐路形成部をさらに含むことを特徴とする。
本発明に従えば、流体管路を通過する流体の一部は、分岐路に流れ込む。分岐路を通過した流体は、分岐路の開口から、ホルダ半径方向に噴射される。このように流体を、分岐路の開口からホルダ半径方向にも噴射することで、流体の一部が切刃および被削材の溝部にも衝突する。流体が切刃に衝突することで、噴射される流体が切刃の熱を奪う。これによって切刃の温度上昇を抑えることができる。また流体が被削材の溝部に衝突することで、噴射される流体によって、切り屑を被削材の溝部から排出させることができる。
また本発明は、チップ装着状態で、分岐路の開口は、ホルダ周方向に関してチップの切刃と略同位置に配置され、ホルダ軸線方向に関してチップの切刃よりも軸線方向他端側に位置し、
分岐路は、流体管路との連通領域から軸線方向一端部に向かってホルダ軸線方向に進むにつれてホルダ半径方向外方に進む方向に傾斜することを特徴とする。
本発明に従えば、分岐路は、流体管路から軸線方向一端部に向かってホルダ軸線方向に進むにつれて、ホルダ半径方向外方に進む方向に傾斜するので、分岐路の開口から噴射された流体は、分岐路の開口から、ホルダ軸線方向一端部に向かってホルダ軸線方向に進むとともに、チップの半径方向外方に進む。これによって分岐路の開口から噴射された流体をより確実に切刃および被削材の溝部に衝突させることができる。さらに切刃および被削材の溝部から吹き飛ばされた切り屑は、切削工具と被削材の内周部底面との間に移動することになるが、隙間空間の開口から噴射された流体によって、切削工具と被削材の内周部底面との間に留まることが防がれて、切り屑を円滑に被削材の外方に排出することができる。
また本発明は、チップは、略L字状に形成され、
略四角形板状に形成されるチップ本体部と、チップ本体部の第1側面から突出する第1チップ突出部と、チップ本体部の第1側面に隣接する第2側面から突出する第2チップ突出部とを含んで、予め定める仮想直線に関して180度回転対称となる形状に形成され、各チップ突出部は、互いに略直交する方向に延びて、チップ本体部の第1側面と第2側面とが交差する側面交差稜線部分から離反してそれぞれ配置され、各チップ突出部の一端部分には切刃が形成され、
ホルダの装着部は、
一方のチップ突出部をホルダの外周面から突出させるとともに、他方のチップ突出部をホルダ内に配置する状態で、チップを装着することを特徴とする。
本発明に従えば、L字状チップは、仮想直線に関して、180度回転対称となる形状に形成されるので、被削材の切削によって一方の切刃が消耗した場合には、180度回転させてホルダに装着しなおすことで、他方の切刃を切削に寄与させることができる。またチップの厚み方向に延びる軸線に対して180度回転対称となる場合に比べて、切削に寄与する一方のチップ突出部分に沿って延びる方向の寸法を小さくすることができ、小内径加工に好適に用いることができる。また上述した構成によって切り屑の詰りを防ぐことができるので、これによっても小内径加工に好適に用いることができる。
また本発明は、ホルダの装着部は、
チップ装着状態で、他方のチップ突出部に間隔をあけて対向する離間部分を有し、離間部分と他方のチップ突出部との間に、ホルダ半径方向に延びて、ホルダ外方に開放するとともに流体管路に連なる切刃離間空間を形成することを特徴とする。
本発明に従えば、流体管路から切刃離間空間に移動した流体が、切刃離間空間の開口からホルダ外方に噴射されることによって、他方のチップ突出部に切り屑が付着することを防ぐことができる。また他方のチップ突出部に付着した切り屑を、切刃離間空間の開口から噴射される流体によって吹き飛ばすことができる。
また本発明は、前記切削工具に用いられるホルダである。
本発明に従えば、チップが装着されることで、装着部とチップとによって流体が通過可能な隙間空間を形成することができる。流体管路の開口から流体がホルダ内に供給されることで、流体は、流体管路および隙間空間を順次移動して、ホルダ軸線方向一端面に位置する隙間空間の開口から、ホルダ軸線方向一方に噴射される。このようなホルダを用いることで、ホルダの軸線方向一端面から流体を噴射することができ、切削時に、被削材の内周部底面と、ホルダ軸線方向一端部との間に留まっている切り屑をより確実に、被削材外方に排出させることができる。
また本発明は、切削工具の一部を構成し、略円柱状に形成され、チップを着脱可能なホルダであって、
ホルダ軸線方向一端部に形成されて、チップに形成される切刃をホルダ半径方向外方に突出させた状態でチップを装着する装着部と、
該装着部を除く残余の位置に形成され、軸線方向他端面から前記装着部まで貫通する流体管路を形成する管路形成部とを有し、
装着部には、チップ装着状態で、チップの底面に当接する着座面と、ホルダ軸線方向に延びてチップの一側面に当接する一当接面と、着座面と一当接面との間に配置されて、着座面と一当接面とにそれぞれ連なる溝面とを有し、
溝面は、着座面および一当接面に対して窪んで形成され、管路形成部の内周面からホルダ軸線方向一端面までホルダ軸線方向に延びることを特徴とするホルダである。
本発明に従えば、チップが装着されると、チップの底面がホルダの着座面に当接し、チップの一側面がホルダの一当接面に当接する。ホルダの溝面は、着座面および一当接面から退避するので、溝面とチップの角部分との間には、隙間が形成される。溝面は、ホルダ軸線方向一端面から管路形成部の内周面まで延びるので、流体管路を流れる流体は、ホルダの溝面と、チップの底面と、チップの一側面との間を通過して、ホルダ軸線方向一端面から噴射される。
このようなホルダを用いることで、ホルダの軸線方向一端面から流体を噴射することができ、切削時に、被削材の内周部底面と、ホルダ軸線方向一端部との間に留まっている切り屑をより確実に、被削材の外方に排出させることができる。またホルダの溝面が、ホルダの着座面および一当接面から退避することで、チップの角部分の形状にばらつきがある場合であっても、チップをホルダの装着部に当接させることが可能である。またホルダ内部に流路を別途形成する場合に比べて、ホルダ軸線方向一端部の強度を向上することができる。
請求項1記載の本発明によれば、ホルダの軸線方向一端面から流体を噴射させることができる。これによって被削材の内周部底面寄りに留まっている切り屑を、被削材から強制的に排出させることができ、被削材の内部空間に切り屑が詰まることを防ぐことができる。切り屑の詰りを防ぐことで、切り屑がチップに接触することを防いで、チップが欠損したり、ホルダが破損したりすることを防ぐことができる。また切り屑が被削材の内周面を傷つけることを防ぐことができ、切り屑に起因する内周面の凹凸を少なくして、加工後の被削材の品質を向上することができる。
またホルダの内部を貫通する流路をホルダに形成する場合に比べて、ホルダの軸線方向一端部の剛性を高めることができるので、ホルダのたわみおよび振動を抑えて、加工精度を向上することができる。またホルダの内部を貫通する流路に比べて、ホルダ軸線に垂直な直径が比較的小さい空間を形成することができ、勢いよく流体を噴出させることができる。
請求項2記載の本発明によれば、チップの角部分とホルダの対向部分とによって隙間空間を形成する。またチップの側面とホルダの当接面との当接を確保するために、チップの角部分とホルダの対向部分とは隙間をあけて形成される。この場合、チップの角部分とホルダの対向部分との隙間が、既に形成されていることになるので、隙間空間を形成するために特別な作業を別途必要とすることなく、流体を軸線方向一端面から噴射可能な切削工具を容易に実現することができる。
請求項3記載の本発明によれば、隙間空間の開口とは別の、分岐路の開口からも、流体を噴射させることで、流体を切刃に衝突させることができる。この流体によって、切刃の発熱を抑えることができ、発熱による切刃の摩耗の進行を抑えることができる。また被削材の溝部に存在する切り屑を排出させることができ、被削材の溝部が切刃によって傷ついたり、詰まったりすることを防ぐことができる。また被削材の溝部から排出された切り屑は、隙間空間の開口から噴射される流体によって、被削材の外方に排出される。これによって切り屑は、切り屑の被削材内部空間での詰りをより確実に防ぐことができる。
請求項4記載の本発明によれば、分岐路の開口から噴射された流体は、ホルダ軸線方向一端部に向かって進むとともに、ホルダの半径方向外方に進む。これによって分岐路の開口から噴射された流体をより確実に、切刃および被削材の溝部に衝突させることができる。
請求項5記載の本発明によれば、L字状チップがホルダに装着されることで、1つのチップで2つの切刃を有することになり、利便性を向上することができる。また一方の切刃が形成される突出部を突出させた場合には、他方の切刃が形成される突出部がホルダ軸線方向に延びるので、切削工具全体のホルダ半径方向の寸法を小さくすることができる。これによって小内径加工に好適に用いることができる。また上述した構成によって切り屑の詰りを防ぐことができるので、より好適に小内径加工を行うことができる。
請求項6記載の本発明によれば、流体が、切刃離間空間の開口から外方に噴射されることによって、他方のチップ突出部に切り屑が付着することを防ぐことができる。これによってチップを仮想直線周りに180度回転させて、他方のチップ突出部の切刃を切削に寄与するように装着した場合に、他方のチップ突出部に付着した切り屑を取り除く作業を簡略化することができ、チップの切刃取替え作業を容易に行うことができる。
請求項7記載の本発明によれば、ホルダは、チップが装着されることで、装着部とチップとによって流体が通過可能な隙間空間を形成することができる。これによって被削材の内周部底面寄りに留まっている切り屑を被削材外方に強制的に排出させることができ、切り屑が被削材の内部空間に詰まることを防ぐことができる。
請求項8記載の本発明によれば、ホルダの軸線方向一端面から流体を噴射することができ、切削時に、被削材の内周部底面と、ホルダ軸線方向一端部との間に留まっている切り屑をより確実に、被削材外方に排出させることができる。また溝面が、着座面および一当接面から退避することで、チップの角部の形状にばらつきがある場合であっても、チップをホルダの装着部に当接させることが可能であるとともに、流体を噴出させることができる。またホルダ内部に流路を別途形成する場合に比べて、ホルダ軸線方向一端部の強度を向上することができる。
図1は、本発明の実施第1形態である切削工具22を示す平面図であり、図2は、切削工具22を示す側面図である。本発明の実施形態の切削工具22は、L字状チップ20がホルダ21に装着されることで実現される。したがって切削工具22は、L字状チップ20と、ホルダ21とを含んで構成される。切削工具22は、被削材の内形加工に用いられ、本実施形態では、小内径加工可能な溝入れ加工用工具であって、たとえば本実施形態の切削工具22によって形成される被削材の内径は、約7mm以上12mm以下である。
ホルダ21は、略円柱状に形成される。ホルダ21の軸線方向一方X1側の端部となる一端部68は、L字状チップ20を着脱可能に装着する装着部23が形成される。装着部23に装着されるL字状チップ20は、その切刃26が、ホルダ21の外周面24からホルダ21の半径方向外方Y1に突出する。またホルダ21の軸線方向他方X2側の端部となる他端部69には、切削装置の工具保持部に保持される被保持部が形成される。
図3は、L字状チップ20を拡大して示す平面図であり、図4は、L字状チップ20を示す側面図である。L字状チップ20は、厚み方向一方A1から見た外形形状が、略L字状に形成される。L字状チップ20は、チップ本体部40と、第1チップ突出部41と、第2チップ突出部42とを含む。2つのチップ突出部41,42は、チップ本体40にそれぞれ連なり、チップ本体40の厚み方向Aに垂直な方向であって、互いに略直角方向に突出する。
チップ本体部40の外形形状は、略四角形板状に形成され、本実施形態では略正方形板状に形成される。チップ本体部40は、厚み方向Aに貫通する円柱状の貫通孔43が形成される。チップ本体部40の厚み方向両方A1,A2の表面は、貫通孔43の軸線L43に垂直な平面に研磨される。貫通孔43は、L字状チップ20を厚み方向一方A1から見て、チップ本体部40の略中心位置に配置される。以下、貫通孔43の軸線L43を基準軸線L43という。
チップ本体部40は、基準軸線L43まわりの周縁部分として、第1側面部分44と、第2側面部分45と、第3側面部分46と、第4側面部分47とを有する。第1〜第4側面部分44〜47は、チップ本体部40の厚み方向一方A1から見た場合における外形形状の各縁辺をそれぞれ構成する。各チップ突出部41,42は、第1側面52と第2側面53とが交差する側面交差稜線部分56から離反してそれぞれ配置される。
第1側面部分44は、一端部に第2側面部分45が隣接し、他端部に第4側面部分47が隣接する。第2側面部分45および第4側面部分47は、第1側面部分44に対して略垂直に延びる。第1側面部分44と第3側面部分46とは、間隔をあけて略平行に延びる。また第3側面部分46は、一端部に第2側面部分45が隣接し、他端部に第4側面部分47が隣接する。第2側面部分45および第4側面部分47は、第3側面部分46に対して略垂直に延びる。第2側面部分45および第4側面部分47は、一端部が第1側面部分45に隣接し、他端部が第3側面部分46に隣接する。
第1側面部分44の一部分には、第1チップ突出部41が連なる。第1側面部分44は、第1チップ突出部41が連なる一体領域48と、一体領域48以外の残余領域49とを有する。一体領域48は、第1側面部分44のうちで第4側面部分47寄りに配置される。残余領域49は、第1側面部分44のうちで第2側面部分45寄りに配置される。残余領域49には、チップ本体部40の外周側面の一部となる第1側面52が形成される。第1チップ突出部41は、第1側面52から突出し、第1側面52から略垂直な方向に突出する。
第2側面部分45の一部分には、第2チップ突出部42が連なる。第2側面部分45は、第2チップ突出部42が連なる一体領域50と、一体領域50以外の残余領域51とを有する。一体領域50は、第2側面部分45のうちで第3側面部分46寄りに配置される。残余領域51は、第2側面部分45のうちで第1側面部分44寄りに配置される。残余領域51には、チップ本体部40の外周側面の一部となる第2側面53が形成される。第2チップ突出部42は、第2側面53から突出し、第2側面53から略垂直な方向に突出する。
第3側面部分46は、各チップ突出部41,42が連なることなく形成される。第3側面部分46は、第1チップ突出部41に対して貫通孔43を挟んで反対側に位置する第3側面54が形成される。第3側面54は、チップ本体部40の外周側面の一部となり、第3側面部分46の全域にわたって延びる。
第4側面部分47は、各チップ突出部41,42が連なることなく形成される。第4側面部分47は、第2チップ突出部42に対して貫通孔43を挟んで反対側に位置する第4側面55が形成される。第4側面55は、チップ本体部40の外周側面の一部となり、第4側面部分47の全域にわたって延びる。
本実施形態では、第3側面54は、第2チップ突出部42の一側面に連なり、第2チップ突出部42の一側面と面一に形成される。また第4側面55は、第1チップ突出部41の一側面に連なり、第1チップ突出部41の一側面と面一に形成される。本実施形態では、基準軸線L43に垂直な断面形状における、第4側面55に連なる第1チップ突出部41の一側面と、第4側面55とを合わせた長辺側寸法は、約5mm〜9mmとなる。同様に、基準軸線L43に垂直な断面形状における、第3側面54に連なる第2チップ突出部42の一側面と、第3側面54とを合わせた長辺側寸法は、約5mm〜9mmとなる。
またL字状チップ20は、予め定める仮想直線L20に関して、180度回転対称となる形状に形成される。本実施形態では、L字状チップ20は、チップ本体部40の第1側面52と第2側面53との成す角度を2等分する仮想直線L20に関して、180度回転対称、言い換えると2回回転対称となる形状に形成される。この仮想直線L20は、前記基準軸線L43のうちでチップ本体部40の厚み方向中央位置を通過して延びる。
少なくともL字状チップ20は、仮想直線L20に関して、第1側面52の一部と第2側面53の一部とが180度回転対称となるとともに、第3側面54の一部と第4側面55の一部とが180度回転対称となるとともに、第1チップ突出部41と第2チップ突出部42とが180度回転対称に形成される。180度回転対称となる各側面52〜55の一部は、L字状チップ20がホルダ21に装着された場合に、ホルダ21に当接してホルダ21に対するL字状チップ20の変位を阻止するための拘束領域となる。
ここで仮想直線L20は、チップ本体40の厚み方向A中間位置で基準軸線L43に垂直な平面上を延びて、第1側面52と第2側面53との間と、第1側面52と第2側面53との間と、基準軸線L43とを通過する。本実施形態では、上述したように、仮想直線L20は、第1側面52と第2側面53との成す角度を2等分する直線であり、かつ第3側面54と第4側面54との成す角度を2等分する直線であり、基準軸線L34と交差する。
各チップ突出部41,42は、チップ本体部40に対して反対側の端部である先端部に切刃26が形成される。本実施形態では、各チップ突出部41,42は、略四角板状に形成されて、それぞれチップ本体部40の対応する側面部分44,45に連なる。第1チップ突出部41の先端部に形成される切刃26は、第1側面52に略平行に延びる。第2チップ突出部42の先端部に形成される切刃26は、第2側面53に略平行に延びる。したがって各突出部41,42は、基準軸線L43に垂直な平面状で、互いに略直交する方向に延びる。
第1チップ突出部41に形成される切刃26は、チップ突出部41,42の先端部の厚み方向一方A1表面に形成されるすくい面57と、第1チップ突出部41の先端部端面となる逃げ面58との交差稜線に形成される。また第2チップ突出部42に形成される切刃26は、第2チップ突出部42の先端部の厚み方向他方A2表面に形成されるすくい面57と、第2チップ突出部42の先端部端面となる逃げ面58との交差稜線に形成される。
各チップ突出部41,42のすくい面57は、すくい角が付与される。具体的には、すくい面57は、チップ本体部40に向かって対応する切刃26から離反するにつれて、切刃26から厚み方向Aに離反する。また各チップ突出部41,42は、切り屑を分断させるためのチップブレーカとなるブレーカ部分59が形成される。ブレーカ部分59は、すくい面57よりもチップ本体部40寄りに形成され、すくい面57から厚み方向Aに突出する。本実施形態では、ブレーカ部分59は、すくい面57から厚み方向Aに突出して、切刃26と平行に延びる傾斜面によって実現される。
図1および図2に示すように、上述したL字状チップ20がホルダ21の装着部23に装着される。具体的には、L字状チップ20が装着部23に固定された状態で、第1チップ突出部41は、ホルダ21の外周面24から突出し、その切刃26がホルダ21の軸線L21に平行に延びる。第2チップ突出部42は、ホルダ21の軸線L21と略平行に延びて、ホルダ内に収容されて配置され、第1チップ突出部41に対して、ホルダ他端部寄りに配置される。これによってホルダ21の直径が小さくても、切削に寄与しない第2チップ突出部42が、被削材30の内周部に干渉することを防ぐことができる。本実施形態では、第2チップ突出部42は、ホルダ21の軸線L21の軸線上に配置される。
L字状チップ20は、固定部材によってホルダ21の装着部23に固定される。本実施形態では、固定部材は、ナット状のねじ部材25によって実現される。ホルダ21の装着部23には、L字状チップ20の大部分が収容されるチップ収容空間が形成される。チップ収容空間は、装着部23に形成される着座面27と、長辺当接面28と、短辺当接面29と、退避面34とによって規定される。
着座面27は、ホルダ外周部24から窪んで、ホルダ軸線方向一端面からホルダ21の軸線方向に沿って延びて平坦に形成される。長辺当接面28は、着座面27のホルダ半径方向内方Y2側縁辺から垂直に立設して配置され、ホルダ21の軸線方向に大略的に延びる。短辺当接面29は、着座面27のホルダ軸線方向他端部側縁辺から垂直に立設して配置され、ホルダ21の軸線に垂直な方向に大略的に延びる。退避面34は、略U字状に湾曲して延びて、一端部が長辺当接面28に連なり、他端部が短辺当接面29に連なる。L字状チップ20が装着されたときに、着座面27、長辺当接面28および短辺当接面29は、L字状チップ20のチップ本体部40に当接する。長辺当接面28は、ホルダ軸線方向Xに延びてチップ20の一側面に当接する一当接面となる。ここでチップ20の一側面は、チップ本体40の第3側面54および第4側面55のいずれかとなる。
具体的には、L字状チップ20がホルダ21に装着された状態で、ホルダ21の着座面27には、第1チップ突出部41の切刃26に対して厚み方向Aに反対側となるチップ本体部40の底面が当接する。またホルダ21の長辺当接面28には、チップ本体部40の第3側面54が当接する。またホルダ21の短辺当接面29には、チップ本体部40の第2側面53が当接する。またL字状チップ20がホルダ21に装着された状態で、退避面34は、第2チップ突出部42の側面から離間して配置される。着座面27についても、第2チップ突出部42に対向する領域については、第2チップ突出部42から離間して配置される。
着座面27が形成される着座面形成部分には、着座面27に垂直な方向に窪むねじ孔が形成される。ねじ孔は、内ねじが形成される。ねじ部材25のヘッドをチップ20に当接させるとともに、ねじ部材25の先端部をチップ本体部40の貫通孔43を貫通させて、着座面形成部分のねじ孔に螺着する。そしてねじ部材25を回動して、ねじ部材25をホルダ21に対して螺合させることで、チップ20がホルダ21に設定される装着位置に位置決めされる。
厳密には、ホルダ21の着座面27とチップ本体部40の底面とが当接し、ホルダ21の長辺当接面28とチップ本体部40の第3側面54とが当接し、ホルダ21の短辺当接面29とチップ本体40の第1側面53とが当接した状態で、L字状チップ20の貫通孔43は、ホルダ21に形成されるねじ孔よりも、ホルダ21の各当接面28,29から離れる方向に僅かに偏心している。この状態で、ねじ部材25を、L字状チップ20の貫通孔43を通過させて、ねじ孔に螺進させることによって、L字状チップ20の底面のほぼ全面がホルダ21の着座面27に押圧されるとともに、L字状チップ20の第3側面54および第1側面53とが、ホルダ21の装着部23に形成される各当接面28,29にそれぞれ押圧され、L字状チップ20をホルダ21の装着部23に締結して装着することができる。また装着部23は、第2チップ突出部42から離間することで、第2チップ突出部42が装着部23に接触することを防ぐことができる。
図1には、第1チップ突出部41がホルダ21から部分的に突出し、第2チップ突出部42がホルダ21に収容されるとしたが、2つのうち一方のチップ突出部がホルダ21から部分的に突出し、2つのうち他方のチップ突出部がホルダ21に収容されてもよい。したがって、図1に示す状態から、前記仮想直線L40まわりに180度回転させて、第2チップ突出部42を、ホルダ21の外周面24から突出させて、第1チップ突出部41をホルダ内に収容して装着してもよい。
この場合、L字状チップ20がホルダ21に装着された状態で、ホルダ21の着座面27には、第2チップ突出部42の切刃26に対して厚み方向Aに反対側となるチップ本体部40の底面が当接する。またホルダ21の長辺当接面28には、チップ本体部40の第4側面55が当接する。またホルダ21の短辺当接面29には、チップ本体部40の第1側面52が当接する。またL字状チップ20がホルダ21に装着された状態で、退避面34は、第1チップ突出部41の側面から離間して配置される。着座面27についても、第1チップ突出部41に対向する領域については、第1チップ突出部41から離間して配置される。
したがってチップ本体40の第3側面54および第4側面55は、ホルダ21の長辺側当接面28に押圧される長辺側拘束面54,55となる。またチップ本体40の第1側面52および第2側面53は、ホルダ21の短辺側当接面29に押圧される短辺側拘束面52,53となる。
このようにL字状のチップ20は、仮想直線L40に関して、180度回転対称となる形状に形成されるので、被削材30の切削によって一方の切刃が消耗した場合には、180度回転させてホルダ21に装着しなおすことで、他方の切刃を切削に寄与させることができる。またチップ20の厚み方向Aに延びる軸線に対して180度回転対称となる場合に比べて、切削に寄与する一方のチップ突出部分に沿って延びる方向の寸法を小さくすることができ、小内径加工に好適に用いることができる。
ホルダ21は、たとえば切削液または圧縮空気などの流体がホルダ21内部を通過可能に形成される。本実施形態では、切削時に切削液を被削材に噴射可能に形成される。ホルダ21は、流体圧源からホルダ軸線方向一端部68まで切削液を導くための流体管路71を形成する管路形成部70を有する。管路形成部70は、略筒状に形成されて、その内部空間に流体管路71を形成する。
流体管路71は、ホルダ21の外周面24またはホルダ軸線方向他端面72からホルダ外方に開放する開口が形成される。本実施形態では、流体管路71は、軸線方向他端面から前記装着部23まで貫通し、ホルダ軸線方向他端面72からホルダ外方に開放する開口73が形成される。流体管路71は、その開口73からホルダ内部を挿通して、ホルダ軸線方向Xに延びて、ホルダ軸線方向一端部68の手前まで延びる。管路形成部70は、ホルダ軸線方向一端部68を除く残余の部分、言い換えると装着部23を除く部分に形成される。本実施形態では、管路形成部70は、ホルダ軸線方向他端部69から、ホルダ軸線方向一端部68の手前まで形成される。
本実施形態では、管路形成部70は、流体管路71のうちで、内径が大きい第1領域71aと、流体管路71のうちで、第1領域71aに比べて内径が小さい第2領域71bとを形成する。第1領域71aは、第2領域71bに比べて、ホルダ軸線方向他端部69寄りに配置され、流体管路71の開口73を含む。第2領域71bは、第1領域71aのホルダ軸線方向一方X1に連通して、ホルダ軸線方向一方X1に延びる。第1領域71aは、ホルダ軸線L21と略同一に延びる。第2領域71bのホルダ軸線方向他方X2端71cは、第1領域71aに連通する。第2領域71bは、第2領域71bのホルダ軸線方向他方X2端71cからホルダ軸線方向一方X1に進むにつれて、ホルダ半径方向外方Y1に向かって傾斜する方向に延びる。流体管路71の第2領域71bの直径D1は、流体管路71の第1領域71aの直径D3よりも小さく形成される(D1<D3)。
図5は、第1実施形態のチップ20とホルダ21との当接部分を拡大して示す断面図である。切削工具22は、チップ20をホルダ21に装着した状態で、チップ20とホルダ21の装着部23との間に、ホルダ軸線方向Xに延びてホルダ軸線方向一端面74からホルダ外方に開放するとともに、流体管路71に連通する隙間空間75を形成する。本実施形態では、隙間空間75は、ホルダ軸線方向一方X1に進むにつれて、切刃26からホルダ半径方向Yに遠ざかる方向に少し傾斜する。
図5に示すように、隙間空間75は、長辺当接面28と、着座面27と、チップ20のうちで長辺当接面28および着座面27に対向する角部分76との間に形成される。ここで、チップ20の角部分76は、チップ20がホルダ21に装着された状態で、着座面27に当接する厚み方向表面と、長辺当接面28に当接する側面とを含んで構成される部分である。たとえば図1および図2に示すように、第1チップ突出部41が切削に寄与する場合、チップ20の角部76は、チップ本体40の第3側面54と厚み方向他方A2の面とを含んで構成される部分である。
本実施形態では、長辺当接面28と着座面27とは、円弧面77を介して連なる。ホルダ軸線L21に垂直な断面形状において、円弧面77は、予め定める曲率半径を有する円弧状に形成される。円弧面77は、一端部が長辺当接面28に連なり、他端部が着座面27に連なる。円弧面77は、長辺当接面28および着座面27とともに、ホルダ軸線方向一端面74から装着部23のうちでホルダ軸線方向他方X2部分まで、ホルダ軸線方向Xに延びる。
またチップ20の角部分76は、面取り加工が施される。具体的には、角部分76の先端が、長辺当接面28、着座面27および円弧面77に当接しないように、面取りされる。本実施形態では、チップ20の角部分76の先端には、45°の面取り面82が形成される。このようにチップ装着状態において、チップ20の角部分76は、円弧面77から離間して形成される。この場合、隙間空間75は、長辺当接面28と、着座面27と、円弧面77と、チップ20の角部分76との間の空間となる。またホルダ21の装着部23のうち、長辺当接面28と、着座面27と、円弧面77とは、チップ20の角部分76に対向する対向部分となる。
図6は、チップ20を取外した状態で、図1の切断面線S6−S6から見て示す断面図である。流通管路71は、前記隙間空間75に連通する。具体的には、前記隙間空間75のうちホルダ軸線方向他方X2端と、流通管路71の第2領域71bのホルダ軸線方向一方X1端71dとが連通する。流通管路71は、退避面34のうちで、円弧面77に対向する領域からホルダ軸線方向一方X1に開放する。流通管路71を通過して、退避面34からホルダ軸線方向一方に流れ出た切削液は、流通管路71の開口に近接する隙間空間75に流入し、隙間空間75を通過して、ホルダ軸線方向一端面74からホルダ外に噴射される。
図7は、図1の切断面線S7−S7から見て示す断面図である。本実施形態では、流体管路71から分岐してホルダ半径方向Yに延びて、装着部23寄りでホルダ外方に開放する分岐路79が形成される分岐路形成部78をさらに含む。
チップ装着状態で、分岐路79の開口80は、ホルダ21の軸線方向L21まわりとなるホルダ周方向に関して、チップ20の切刃26と略同位置に配置され、ホルダ軸線方向Xに関してチップ20の切刃26よりも軸線方向他端側に位置する。また分岐路79は、流体管路71との連通領域81からホルダ軸線方向一方X1に進むにつれてホルダ半径方向外方Y1に進む方向に傾斜する。
本実施形態では、流体管路71の第1領域71aから、分岐路79と、流体管路71の第2領域71bとに2股に分岐する。流体管路71の第2領域71bの直径D1よりも、分岐路79の直径D2のほうが大きく形成される(D1<D2)。また分岐路79の直径D2よりも、流体管路71の第1領域71aの直径D3のほうが大きく形成される(D2<D3)。また分岐路79の軸線L79を延長する延長線が、切刃26を通過するように設定される。言い換えると、分岐路79は、切刃26と流体管路71との連通領域とを結ぶ仮想直線L79に沿って延びて形成される。
またホルダ21の装着部23は、チップ装着状態で、第2チップ突出部42に間隔をあけて対向する離間部分82を有する。離間部分82と第2チップ突出部42との間には、ホルダ半径方向Yに延びて、ホルダ外方に開放するとともに流体管路71に連なる切刃離間空間83を形成する。具体的には、離間部分82は、装着部23のうちで退避面34を形成する部分である。切刃離間空間83は、第2チップ突出部42の側面と、ホルダ21の退避面34との間の空間となる。切刃離間空間83は、退避面34を抜け出て隙間空間75に移動する流体の一部が洩れ出る。このように切刃離間空間83に洩れ出た流体は、第2チップ突出部42と退避面34との間を移動して、ホルダ外に噴射される。
図8は、切削工具22を用いた加工状態を示す断面図である。図8に示すように、切削装置は、切削工具22を着脱自在に保持する工具保持部と、被削材30を着脱可能に保持する被削材保持部と、被削材30を保持する被削材保持部を予め定める回転軸線L30まわりに回転させる被削材回転手段31と、切削工具22を保持する工具保持部を被削材30に対して、被削材保持部の回転軸線方向、被削材保持部の回転軸線L30に垂直な方向に直線移動する工具駆動手段32とを有する。被削材30は、回転軸線L30に同軸の開口33が形成される。被削材30の開口33は、一方に開放して形成され、切削工具22のホルダ軸線方向一端部68が進入可能な直径を有する。切削装置は、たとえば旋盤によって実現されてもよい。
本実施形態では、切削装置は、切削液を切刃26に向かって供給する流体供給手段34をさらに有する。流体供給手段34は、流体管路71の開口から切削液を供給する。本実施形態では、ホルダ21のホルダ軸線方向他端部69に形成される流体管路71の開口から、切削液を流体管路71に供給する。
被削材30を回転軸線L30まわりに回転させた状態で、被削材30の開口に切削工具22を進入させ、切刃26を被削材30の内周面85に接触させる。これによって切刃26が、被削材30の内周部を削り、被削材30の内周部に溝入れ加工を施すことができる。また流体供給手段34によって、切削液を流体管路71に供給する。これによって切削液は、流体管路71および隙間空間75を順次移動して、隙間空間75の開口から、ホルダ軸線方向一方X1に噴射される。
被削材30が有底筒状に形成されている場合、ホルダ21の軸線方向一端面74から噴射される切削液は、ホルダ軸線方向一方X1に進んで被削材30の内周部底面84に衝突して、次に被削材30の内周部底面84からホルダ軸線方向他方X2に跳ね返って、切削工具22と被削材30の内周部内周面85との間を通過して、被削材外方86へ移動する。このように切削液が図8の矢符Aに示すように、移動することで、被削材30の内周部底面84寄りに留まっていた切り屑は、切削液とともに移動して被削材外方86に強制的に排出される。したがってホルダ21の軸線方向一端面74から切削液を噴射することで、被削材30の内周部底面84と、ホルダ軸線方向一端部68との間に留まっている切り屑をより確実に、被削材外方86に排出させることができる。
また本実施形態では、流体管路71を通過する切削液の一部は、分岐路79に流れ込む。分岐路79を通過した切削液は、分岐路79の開口80から噴射される。分岐路79は、流体管路71からホルダ軸線方向X1に進むにつれて、ホルダ半径方向外方Y1に進む方向に傾斜するので、分岐路79の開口80から噴射された切削液は、図8の矢符Bに示すように、分岐路79の開口80から、ホルダ軸線方向一端部68に向かってホルダ軸線方向一方X1に進むとともに、ホルダ半径方向外方Y1に進む。
これによって分岐路79の開口80から噴射された切削液をより確実に切刃26および被削材30の溝部35に衝突させることができる。切削液が切刃26に衝突することで、衝突した切削液が切刃26の熱を奪う。これによって切刃26の温度上昇を抑えることができる。また切削液が被削材30の溝部35に衝突することで、切り屑を被削材30の溝部35から排出させることができる。
切刃26および被削材30の溝部35から吹き飛ばされた切り屑は、切削工具22と被削材30の内周部底面84との間に移動することになる。本実施形態では、隙間空間75の開口から噴射された切削液によって、切削工具22と被削材30の内周部底面84との間に、切り屑が留まることが防がれるので、分岐路79によって切り屑をホルダ軸線方向一方X1に吹き飛ばしたとしても、隙間空間75の開口から噴射する切削液によって切り屑を円滑に被削材の外方86に排出することができる。
また本実施形態では、流体管路71から切刃離間空間83に移動した切削液が、切刃離間空間83の開口からホルダ外方に噴射されることによって、第2チップ突出部42に切り屑が付着することを防ぐことができる。また第2チップ突出部42に付着した切り屑を、切刃離間空間83の開口から噴射される切削液によって吹き飛ばすことができる。
本実施形態では、隙間空間75のホルダ軸線L21に垂直な断面形状における面積は、噴射される切削液が切り屑を吹き飛ばし可能となる大きさに形成される。これによって切削液を勢いよく被削材30の内周部底面84に吹き付けることができ、被削材30の内周部底面84に位置する切り屑を移動させることができる。また本実施の形態では、隙間空間75を小さくすることができるので、ホルダ21およびチップ20の強度低下を抑えるとともに、ホルダ軸線方向一端面74から充分な量の切削液を噴射させることができる。
以上のように本実施形態によれば、ホルダ21の軸線方向一端面74から切削液を噴射することで、被削材30の内周部底面84寄りに留まっていた切り屑を、切削液とともに移動させて被削材外方86に排出させることができる。これによって被削材30の内部空間に切り屑が詰まることを防ぐことができる。切り屑の詰りを防ぐことで、切り屑がチップ20に接触することを防いで、チップ20が欠損したり、ホルダ21が破損したりすることを防ぐことができる。また切り屑が被削材30の内周面85を傷つけることを防ぐことができ、切り屑に起因する内周面85の凹凸を少なくして、加工後の被削材の品質を向上することができる。
また本実施形態では、チップ20とホルダ21との隙間空間75を切削液が通過する流路として用いることで、ホルダ21の内部を貫通する流路を形成する場合に比べて、ホルダ軸線L21に垂直な直径が比較的小さい空間を容易に形成することができる。これによってホルダ軸線方向一端面74から、勢いよく切削液を噴出させることができ、切り屑の詰りをより確実に防ぐことができる。
また本実施形態では、隙間空間75は、チップ20とホルダ21の装着部23との間に形成される。また流体管路71は、ホルダ軸線方向一端部68を除く残余の部分に形成される。したがって切削液をホルダ軸線方向一端面74まで導くための流路に関して、ホルダ内部を貫通する貫通孔を形成する場合に比べて、ホルダ21の軸線方向一端部68の剛性を高めるとともに容易に形成することができる。
本実施形態のように、L字状のチップ20をホルダ21に装着する切削工具22は、切削に寄与する一方のチップ突出部分41に対して、他方のチップ突出部分42が、ホルダ軸線方向Xに延びてホルダ21に収容されるので、他方のチップ突出部分42が被削材の内周面85に干渉することが防がれて、被削材30の内周径が小さい場合にも起用可能となる。被削材30の内周径が小さい場合には、被削材内で切り屑が詰まるおそれがあるが、上述したように切削液を噴射させることで、被削材の詰りを防ぐことができる。
また被削材30の内周径が小さい場合には、ホルダ直径も小さくなる。本実施形態では、ホルダ軸線方向一端部68に切削液を通過させるための貫通孔を別途形成する必要がないので、被削材30の内径に合わせてホルダ直径が小さく形成される切削工具について、ホルダ剛性の低下を抑える効果を顕著とすることができ、ホルダ21のたわみおよび振動を抑えて、加工精度を向上することができる。たとえば本実施形態のホルダ21は、シャンク直径が8〜10mmであって、小径に形成される。したがってホルダ21は、貫通孔を流路とする場合と、隙間空間75を流路とする場合とで、剛性の違いが大きい。
また本実施形態では、切削液をホルダ軸線方向一端面74まで導くための管路をホルダに容易に形成することができる。具体的には、チップ20の側面とホルダ21の長辺当接面28との当接を確保するために、チップ20の角部分76とホルダ21の対向部分27,28,55とは隙間をあけて形成される。この隙間について、切削液を導く流路として用いる。
この場合、チップ20の角部分76とホルダ21の対向部分27,28,55との隙間が、既に形成されていることになるので、隙間空間75を形成するために特別な作業を別途必要とすることなく、切削液を軸線方向一端面74から噴射可能な切削工具22を容易に実現することができる。また本実施形態では、チップ20を面取りするだけで、隙間空間75を形成することができ、ホルダ21を切削する必要がないのでホルダ21の剛性低下を防ぐことができるとともに、容易に隙間空間75を形成することができる。またホルダ21には、円弧面77が形成されることで、切削時にチップ20から与えられる力が応力集中することを防ぐことができ、ホルダ21の寿命を延ばすことができる。
また本実施形態では、隙間空間75の開口とは別の、分岐路79の開口80からも、切削液を噴射させることで、切削液を切刃26に衝突させることができる。分岐路79の開口80から噴射された切削液は、ホルダ軸線方向一端部68に向かって進むとともに、ホルダ21の半径方向外方Y1に進む。これによって分岐路79の開口80から噴射された切削液をより確実に、切刃26および被削材30の溝部35に衝突させることができる。
この切削液によって、切刃26の発熱を抑えることができ、発熱による切刃26の摩耗の進行を抑えることができる。また被削材30の溝部35に存在する切り屑を排出させることができ、被削材30の加工面が切り屑によって傷ついたり、切り屑が詰まったりすることを防ぐことができる。また被削材30の溝部35から排出された切り屑は、隙間空間75の開口から噴射される切削液によって、被削材30の外方86に排出される。これによって切り屑は、被削材30の溝部35での詰りを防ぐとともに、切り屑の被削材内部空間での詰りをより確実に防ぐことができる。
また本実施形態では、隙間空間75は、ホルダ軸線方向一方X1に進むにつれて、切刃26からホルダ半径方向Yに遠ざかる方向に少し傾斜する。また分岐路79は、ホルダ軸線方向一方X1に進むにつれて、切刃26からホルダ半径方向Yに遠ざかる方向に傾斜する。分岐路79と隙間空間75とは、ホルダ半径方向Yに関して互いに離反する方向に延びる。これによって図8に示すように、分岐路79の開口から噴射された切削液が、隙間空間75の開口から噴射された切削液の流れを阻害することを防ぐことができ、切り屑が溜まることを防いでより確実に被削材の外方86に排出させることができる。また隙間空間75から噴射される切削液は、切り屑を排出するうえでは、直線状に進むことが好ましい。
本実施形態では、流通管路71の開口が、円弧面77に対向することで、流通管路71から出た切削液が、切刃隙間空間83に洩れる量を少なくして、多くの切削液をホルダ軸線方向一端面74から噴射させることができる。またホルダ軸線方向一端面74から切削液を噴射させることで、切削液が減衰することを防いで、勢いよく被削材の内周部底面84に切削液を吹き付けることができる。
さらに本実施形態では、流体管路71の第2領域71bの直径D1は、流体管路71の第1領域71aの直径D3よりも小さく形成される(D1<D3)。これによって流体管路71が形成される部分のうちで、ホルダ軸線方向他方側X2に比べて、ホルダ軸線方向一方X1側の強度低下をさらに抑えることができ、ホルダ21のたわみおよび振動を抑えて、加工精度を向上することができる。また本実施形態では、ホルダ21の直径が略同一としているが、切削にあたって、ホルダ21を被削材30に進入させる進入量が決定している場合、ホルダ21が被削材30内に進入する部分のホルダ直径を小さくして、被削材30に進入しない部分のホルダ直径を大きくしてもよい。この場合、ホルダ直径が大きい部分について、流体管路71の第1領域71aが形成され、ホルダ直径が小さい部分について、流体管路71の第2領域71bが形成されてもよい。
また本実施形態では、分岐路79の軸線L79に垂直な断面形状における面積A2は、噴射される切削液が切刃26および被削材30の内周部溝部35に到達可能となる大きさに形成される。本実施形態では、流体管路71の第2領域71bの直径D1よりも、分岐路79の直径D2の方を大きく形成させている(D1<D2)ので、この場合は、隙間空間75から噴射される切削液よりも、分岐路79から噴射される切削液を増やすことができる。これによって、流体供給手段34から供給される切削液のうちで、切刃26と被削材30の溝部35とに切削液を多く供給することができ、切刃26の発熱を抑える効果と、被削材30の溝部35の切り屑を排出する効果とを高めることができる。
また本実施形態では、流体管路71から切刃離間空間83に移動した切削液が、切刃離間空間83の開口からホルダ外方に噴射されることによって、他方のチップ突出部42に切り屑が付着することを防ぐことができる。また他方のチップ突出部42に付着した切り屑を、切刃離間空間83の開口から噴射される切削液によって吹き飛ばすことができる。これによってチップ20を仮想直線L40まわりに180度回転させて、他方のチップ突出部42の切刃26を切削に寄与するように装着した場合に、他方のチップ突出部42に付着した切り屑を取り除く作業を簡略化することができ、チップ20の切刃取替え作業、いわゆるコーナーチェンジを容易に行うことができる。
図9は、本発明の第2実施形態である切削工具122を示す側面図であり、図10は、第2実施形態のチップ20とホルダ21との当接部分を拡大して示す断面図である。本発明の第2実施形態の切削工具122は、第1実施形態の切削工具22と類似した構成となり、対応する構成については、同様の参照符号を付するとともに、同様の名称を用いる。第2実施形態の切削工具122は、第1実施形態の切削工具22に比べて、隙間空間75の形状が異なる以外は、第1実施形態の切削工具22と同様である。
第2実施形態では、ホルダ21は、装着部23と、管路形成部70とを有する。装着部23には、チップ装着状態で、着座面27と、長辺当接面28と、溝面100とを有する。着座面27は、チップ20の底面に当接する。長辺当接面28は、ホルダ軸線方向に延びてチップ20の一側面に当接する一当接面となる。溝面100は、着座面27および長辺当接面28に対して窪んで形成され、管路形成部70の内周面からホルダ軸線方向一端面74までホルダ軸線方向Xに延びる。本実施形態では、チップ20は、面取りされておらず、底面と側面とが交差する。
本実施形態では、隙間空間75は、溝面100と、溝面100に対向する角部分76との間に形成される。ここで、チップ20の角部分76は、チップ20がホルダ21に装着された状態で、着座面27に当接する厚み方向表面と、長辺当接面28に当接する側面とを含んで構成されるうちの角部分である。
本実施形態では、長辺当接面28と着座面27とは、溝面100を介して連なる。ホルダ軸線L21に垂直な断面形状において、溝面100は、予め定める曲率半径を有する円弧状に形成される。溝面100は、一端部が長辺当接面28に連なり、他端部が着座面27に連なる。溝面100は、着座面27および長辺当接面28とともに、ホルダ軸線方向一端面74から装着部23のホルダ軸線方向他方X2部分まで、ホルダ軸線方向Xに延びる。溝面100は、長辺当接面28および着座面27から陥没して、ホルダ軸線方向に延びる溝を形成する。
このように溝面100と、チップ20の角部分76とによって隙間空間75が形成される場合であっても、第1実施例と同様の効果を得ることができる。また第2実施形態では、チップ20に面取りを施していないチップを装着した場合であっても、切削液をホルダ軸線方向一端面74から噴射させることができる。またチップ20は、第1実施形態と同様に面取りされていてもよい。この場合には、隙間空間75の断面形状を大きくすることができ、流路抵抗を減らして、粘性が切削液の高い場合であっても、ホルダ軸線方向一端面74から切削液を充分に噴射させることができる。
図11は、本発明の第3実施形態のチップ20とホルダ21との当接部分を拡大して示す断面図である。本発明の第3実施形態の切削工具222は、第1実施形態の切削工具22と類似した構成となり、対応する構成については、同様の参照符号を付するとともに、同様の名称を用いる。第3実施形態の切削工具222は、第1実施形態の切削工具22に比べて、隙間空間75の形状が異なる以外は、第1実施形態の切削工具22と同様である。
図11に示すように、ホルダ21の長辺当接面28は、着座面27に隣接して形成され、着座面27から垂直に立設する。またチップ20が面取りされる。これによってチップ20の角部分と、ホルダ21との間に隙間空間75を形成することができる。このような場合であっても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。このように本発明では、チップ20とホルダ21との間に、ホルダ軸線方向に延びる隙間空間75が形成されればよい。また好ましくは、チップ20の角部分76と、角部分76に対向する対向部分との間に隙間空間75が形成されればよい。
図12は、本発明の第4実施形態である切削工具322を示す平面図である。図13は、図12の切断面線S13a−S13b−S13cから見た切削工具322を示す断面図である。本発明の第4実施形態の切削工具322は、第1実施形態の切削工具22と類似した構成となり、対応する構成については、同様の参照符号を付するとともに、同様の名称を用いる。第4実施形態の切削工具322は、第1実施形態の切削工具22に比べて、分岐管路71の形状が異なる以外は、第1実施形態の切削工具22と同様である。
分岐路71は、隙間空間75から分岐して切刃26先端部まで延びる。分岐路71は、ホルダ先端側の着座面28から窪む凹溝によって実現される。凹溝とチップ20の底面とによって、分岐路71が形成される。この場合、分岐路71は、隙間空間75から分岐してホルダ軸線方向一方X1に進むにつれて、ホルダ半径方向外方Y1に進むように傾斜して延びることが好ましい。また分岐路71から噴射される切削液は、ホルダ軸線L21に垂直な平面に沿って、ホルダ半径方向外方Y1に進むことが好ましい。これによって切削工具22が、被削材30の内周部に深溝を形成する場合に、分岐路71から噴射される切削液によって切り屑を、深溝部から排出させることができる。また第4実施形態であっても、ホルダ軸線方向一端面74から切削液を噴射することによって、切り屑が被削材の内部空間に留まることを防ぐことができる。したがって第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
以上のような本発明の各実施形態は、発明の一例示に過ぎず発明の範囲内で構成を変更することができる。たとえば本実施形態では、L字状のチップ20がホルダ21に装着される場合を示したが、L字状以外のチップ20がホルダ21に装着される内周部加工用の切削工具についても、本発明に含まれる。またチップ20は、仮想線L40に対して、180度回転対称に形成されたが、回転対称に形成されなくてもよい、また3回以上の回転対称に形成されてもよい。
また分岐路79が形成されることが好ましいが、分岐路79が形成されない場合も本発明に含まれる。またチップ20の角部分76が面取りされる場合、45°以外の面取り、たとえば円弧状の面取りが施されてもよい。また本実施形態では、切削液を管路に流すとしたが、切り屑を排出させるためには、切削液などの液体のほか、圧縮空気などの気体を流体供給手段34によって、ホルダ21に供給してもよい。この場合、圧縮空気をホルダ軸線方向一端面74から噴射させることで、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また本実施形態では、流体管路71は、ホルダ21の軸線方向他端面72に開口が形成されるとしたが、ホルダ21のうちで、ホルダ軸線方向一端部68を除く残余の部分に形成されていればよい。たとえばホルダ軸線方向X中間部において、ホルダ21の外周面24に開口が形成されてもよい。
本発明の実施第1形態である切削工具22を示す平面図である。 切削工具22を示す側面図である。 L字状チップ20を拡大して示す平面図である。 L字状チップ20を示す側面図である。 第1実施形態のチップ20とホルダ21との当接部分を拡大して示す断面図である。 チップ20を取外した状態で、図1の切断面線S6−S6から見て示す断面図である。 図1の切断面線S7−S7から見て示す断面図である。 切削工具22を用いた加工状態を示す断面図である。 本発明の第2実施形態である切削工具122を示す側面図である。 第2実施形態のチップ20とホルダ21との当接部分を拡大して示す断面図である。 本発明の第3実施形態のチップ20とホルダ21との当接部分を拡大して示す断面図である。 本発明の第4実施形態である切削工具322を示す平面図である。 図12の切断面線S13a−S13b−S13cから見た切削工具22を示す断面図である。 2つの従来技術を適用した切削工具1を示す平面図である。 図14のS15−S15切断面線から切削工具1を切断して示す断面図である。
符号の説明
20 チップ
21 ホルダ
22 切削工具
23 装着部
26 切刃
40 チップ本体部
70 管路形成部
71 流体管路
78 分岐路形成部
79 分岐路
75 隙間空間
76 チップの角部分
83 切刃離間空間

Claims (8)

  1. 切刃が形成されるチップと、
    略円柱状に形成され、チップを着脱可能なホルダであって、
    ホルダ軸線方向一端部に形成されて、チップの切刃をホルダ半径方向外方に突出させた状態でチップを装着する装着部と、
    該装着部を除く残余の部分に形成され、軸線方向他端面から前記装着部まで貫通する流体管路を形成する管路形成部とを有するホルダとを含み、
    チップをホルダに装着した状態で、チップとホルダの装着部との間に、ホルダ軸線方向に延びてホルダ軸線方向一端面からホルダ外方に開放するとともに、流体管路に連通する隙間空間を形成することを特徴とする切削工具。
  2. チップをホルダに装着した状態で、
    チップの底面とチップの一側面とを含むチップの角部分と、ホルダの装着部のうちで、チップの角部分に対向する対向部分との間に前記隙間空間を形成することを特徴とする請求項1記載の切削工具。
  3. ホルダは、
    前記流体管路から分岐してホルダ半径方向に延びて、装着部寄りでホルダ外方に開放する分岐路が形成される分岐路形成部をさらに含むことを特徴とする請求項1または2記載の切削工具。
  4. チップ装着状態で、分岐路の開口は、ホルダ周方向に関してチップの切刃と略同位置に配置され、ホルダ軸線方向に関してチップの切刃よりも軸線方向他端側に位置し、
    分岐路は、流体管路との連通領域から軸線方向一端部に向かってホルダ軸線方向に進むにつれてホルダ半径方向外方に進む方向に傾斜することを特徴とする請求項3記載の切削工具。
  5. チップは、略L字状に形成され、
    略四角形板状に形成されるチップ本体部と、チップ本体部の第1側面から突出する第1チップ突出部と、チップ本体部の第1側面に隣接する第2側面から突出する第2チップ突出部とを含んで、予め定める仮想直線に関して180度回転対称となる形状に形成され、各チップ突出部は、互いに略直交する方向に延びて、チップ本体部の第1側面と第2側面とが交差する側面交差稜線部分から離反してそれぞれ配置され、各チップ突出部の一端部分には切刃が形成され、
    ホルダの装着部は、
    一方のチップ突出部をホルダの外周面から突出させるとともに、他方のチップ突出部をホルダ内に配置する状態で、チップを装着することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の切削工具。
  6. ホルダの装着部は、
    チップ装着状態で、他方のチップ突出部に間隔をあけて対向する離間部分を有し、離間部分と他方のチップ突出部との間に、ホルダ半径方向に延びて、ホルダ外方に開放するとともに流体管路に連なる切刃離間空間を形成することを特徴とする請求項5記載の切削工具。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の切削工具に用いられるホルダ。
  8. 切削工具の一部を構成し、略円柱状に形成され、チップを着脱可能なホルダであって、
    ホルダ軸線方向一端部に形成されて、チップに形成される切刃をホルダ半径方向外方に突出させた状態でチップを装着する装着部と、
    該装着部を除く残余の位置に形成され、軸線方向他端面から前記装着部まで貫通する流体管路を形成する管路形成部とを有し、
    装着部には、チップ装着状態で、チップの底面に当接する着座面と、ホルダ軸線方向に延びてチップの一側面に当接する一当接面と、着座面と一当接面との間に配置されて、着座面と一当接面とにそれぞれ連なる溝面とを有し、
    溝面は、着座面および一当接面に対して窪んで形成され、管路形成部の内周面からホルダ軸線方向一端面までホルダ軸線方向に延びることを特徴とするホルダ。
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