JP6849194B2 - ナノセルロースおよびその誘導体を調製するための環境に優しいプロセス - Google Patents

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    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites

Description

本開示は、ナノセルロースおよびその誘導体の環境保護的な調製に関する。本発明は、さらに、セルロース誘導体の調製に関する。
セルロースは、惑星地球上で最も豊富な再生可能且つ持続可能な材料である。その相対的な豊富さに加えて、セルロースは、安価、非毒性、生物分解可能、再生可能、再利用可能であり、環境に優しく、持続可能であり、優れた機械的材料特性(高強度および高弾性)、および低い密度を有する。森林ナノテクノロジーの出現、並びに、持続可能性への関心の高まりおよび石油由来の材料に対するより大きな制約に起因して、新たなセルロースナノ材料を設計すべく、新たな製造方法および費用効率の高い解決策を開発することへの大きな要求がある。
セルロースは、研究プロジェクトおよびパイロット規模の活動において林産業界で広く利用されている。そして現在では、商業化されたナノセルロースへ向けた強い動きがある。木から誘導されたナノセルロースには、セルロースナノフィブリル(CNF)とセルロースナノクリスタル(CNC)という、基本的に2つの種類がある。CNFは、長くて柔軟なスパゲティのような構造であり、幅は100nmより小さく、長さは数ミクロンであり、完全な結晶領域およびアモルファス領域の両者を有する。CNCは、短く、棒状で剛性のある「米のような」構造を有し、長さは100nmから数ミクロンであり、セルロース鎖中のアモルファス部分は、処理の間に消化され、従って、非常に高い結晶性を有する。CNFおよびCNCの潜在的用途は、紙および板紙の機能性コーティングおよびバリアコーティング、紙および板紙の強度添加剤、フィルム、乳剤、泡、光学デバイス、接着剤、複合材料、セメント、パッケージング、オイルおよびガス(穿孔)、不織、織物、および環境に優しい化学物質を含む[1−3]。
ナノセルロースを生成すべくセルロースバイオマスを裂くために、いくつかの方法が使用されてきた。これらは、従来の機械的方法、並びに、化学物質および酵素法、リン酸法、臭化水素酸法、およびマレイン酸法を含む。
従来のセルロースの硫酸加水分解は、セルロースのアモルファス構造を選択的に消化するために64%のHSO、45−60℃、120−150分を使用し、これにより結晶性の部分を残すことがよく知られており、その結果、これがセルロースナノクリスタル(CNC)と呼ばれる。このプロセスのフィブリル化効率は、セルロース鎖に硫酸エステル基を形成することによって促進される。しかしながら、この加水分解プロセスは非常に費用がかかり、且つ時間がかかることは注目に値する。何故ならば、加水分解は、分散、遠心分離、透析、超音波処理、およびイオン交換を必然的に伴う精製段階を必要とするからである。
ナノセルロースの従来の処理方法は、高圧ホモジナイザー、マイクロフルイダイザー、グラインダー、および精製機のような機器を使用した機械的手法を含むだけであった。しかしながら、最近、研究者たちは、ナノセルロースを処理するために、機械的手法と組み合わされた化学的前処理または酵素前処理を含ませている。化学的または酵素的に補助されたこれらのフィブリル化技術は、ナノセルロースの全エネルギー消費量を大幅に削減する。適切な高い化学物質投与量または酵素投与量と、より長い機械的処理時間は、フィブリル化効率を改善することがよく知られている。
産業的観点から言うと、ナノセルロースの理想的なプロセスは、費用対効果が高いものであるべき、すなわち、高強度および高剛性、高アスペクト比、軽量、再生可能および生物分解可能というような、その材料特性をそれほど妥協すること無く、より小さなエネルギーを必要とすべきものである。機械的処理による手法だけを使用しようとする場合、ナノセルロースを生成するために、極めて多量のエネルギーが必要である。この研究の別の動機は、TEMPO法[2]によるエネルギー削減の手法を模倣することである。ナノセルロースの処理に関する主な欠点のうちの1つは、このプロセスにおけるそのエネルギー必要量が非常に高いことである。機械的せん断と組み合わされた化学的前処理の方策を導入することにより、相当量のエネルギーが削減され得るだろう。最も熟達した方法の1つは、まさに最小限のエネルギー量で良好に個別化されたナノフィブリルを生成する、TEMPO触媒酸化方法である。
現在、TEMPO化学系(NaBr/NaClO/TEMPO)の有毒な性質に関してより関心が持たれている。何故ならば、これは、ナノセルロースを処理する間のこの有害な化学物質の使用による、塩素化学の存在およびNaBrの毒性に起因した環境への悪影響を有するからである。その結果、環境に優しいナノセルロースの調製方法が必要である。
さらに、ギ酸加水分解およびTEMPO触媒酸化プロセスの両者から作られる典型的なナノセルロースは水分および水に対して非常に影響を受けやすいので、水に対するそれらの感度が改善されるように、表面機能化[3]、すなわち、誘導体化によってこのナノ材料を疎水化することが重要な要求であり、最重要となっている。
本発明の目的は、より環境に優しい、ナノセルロースおよびその誘導体を調製するプロセスを提供することである。この目的は、以下の段階を含むプロセスによって実現される。
i.セルロース系材料を提供する段階、
ii.このセルロース系材料をギ酸と混合する段階、
iii.この反応混合物を80−110℃、好ましくは90℃まで加熱する段階、
iv.(i)この反応混合物を機械的に撹拌すること、および/または(ii)超音波処理により、この反応混合物を機械的に処理する段階、
v.この反応混合物を溶媒で希釈する段階、および任意でこの反応混合物をpH6−8まで中和する段階、および任意で、希釈する段階または中和の前に遠心分離またはろ過によってギ酸を分離および回収する段階、
vi.この反応混合物を遠心分離、ろ過、透析、および/または洗浄する段階、
vii.高せん断均質化する段階、および任意で、この高せん断均質化する段階において生成されたナノセルロースを凍結乾燥する段階、並びに、
viii.任意で、ナノセルロースを1または複数のシランと、好ましくは有機触媒が存在する中で反応させる段階であって、シランは次式
Figure 0006849194
のシランであり、式中、R1、R2、およびR3はアルキル、アルケニル、またはアルキニルから選択され、R4はアリール基もしくは直線型、分岐型または環状のアルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基から選択され、これらのアルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基は、置換されていない、もしくはSH、ハロゲン、OH、アミン、触媒、アミノ酸誘導体、抗体およびそれらのフラグメント、ポリマ、天然物、ビオチン、キニン、キニジン、またはそれらの誘導体で置換されている、反応させる段階、
ix.任意で、前の段階で生成されたシラン誘導体化されたナノセルロースを
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(DMPA)、および
チオール化合物、オレフィン化合物、またはアルキニル化合物
と反応させる段階であって、
この反応は、UV光または熱が存在する中で実行される、反応させる段階。
本発明のさらなる目的は、上記のプロセスに従って調製されたナノセルロースを誘導体化することである。この目的は、ナノセルロースを、好ましくは有機触媒が存在する中で、1または複数のシランと反応させることにより実現される。このシランは次式
Figure 0006849194
のシランであり、式中、R1、R2、およびR3はアルキル、アルケニル、またはアルキニルから選択され、R4はアリール基もしくは直線型、分岐型または環状のアルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基から選択され、これらのアルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基は、置換されていない、もしくはSH、ハロゲン、OH、アミン、触媒、アミノ酸誘導体、抗体およびそれらのフラグメント、ポリマ、天然物、ビオチン、キニン、キニジン、またはそれらの誘導体で置換されている。さらに、生じるシラン誘導体化されたナノセルロースは、
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(DMPA)、および
チオール化合物、オレフィン化合物、またはアルキニル化合物
と反応されてよく、
この反応は、UV光または熱が存在する中で実行され、
チオール化合物は、好ましくは式R−SHの化合物から選択され、式中、Rは、
アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロ環で置換されたアルキル、CH−ヘテロ環、ヘテロ環、キニジン誘導体、キニン誘導体、ピリジル誘導体、タキソール誘導体、カプサイシン誘導体、ポリペプチド、抗体、アミノ酸誘導体、ペプチド、糖、多糖類、およびビオチン誘導体、並びに、
脂肪族ポリエステル、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ラクチド)、ポリ(カルボキシレート)、PEG ポリ(エチレングリコール)、ポリ(アンヒドリド)、ポリアミド、およびこれらのポリマ間のコポリマ
から選択され、
オレフィン化合物は、好ましくは、式R−CH=CHまたはR−CH=CH−Rの化合物から選択され、式中、Rは、
アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロ環で置換されたアルキル、CH−ヘテロ環、ヘテロ環、キニジン誘導体、キニン誘導体、ピリジル誘導体、タキソール誘導体、カプサイシン誘導体、プロリン誘導体、アミノ酸誘導体、ペプチド、糖、多糖類、ビオチン誘導体、並びに、
脂肪族ポリエステル、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ラクチド)、ポリ(カルボキシレート)、PEG ポリ(エチレングリコール)、ポリ(アンヒドリド)、ポリアミド、およびこれらのポリマ間のコポリマ
から選択され、
アルキン化合物は、好ましくは、式R−C≡CHまたはR−C≡C−Rの化合物から選択され、式中、Rは、
アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロ環で置換されたアルキル、CH−ヘテロ環、ヘテロ環、キニジン誘導体、キニン誘導体、ピリジル誘導体、タキソール誘導体、カプサイシン誘導体、プロリン誘導体、アミノ酸誘導体、ペプチド、糖、多糖類、ビオチン誘導体、並びに、
脂肪族ポリエステル、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ラクチド)、ポリ(カルボキシレート)、PEG ポリ(エチレングリコール)、ポリ(アンヒドリド)、ポリアミド、およびこれらのポリマ間のコポリマ
から選択される。
本発明のさらなる目的は、セルロース系材料を誘導体化することである。この目的は、次の段階により実現される。
i.セルロース系材料を1または複数のシランと、好ましくは有機触媒が存在する中で反応させる段階であって、シランは次式
Figure 0006849194
のシランであり、式中、R1、R2、およびR3はアルキル、アルケニル、またはアルキニルから選択され、R4は、直線型、分岐型または環状のアルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基から選択され、このアルキル基はSHまたはアミンによって置換されている、反応させる段階。並びに、
ii.前の段階で生成されたシラン誘導体化されたセルロース系材料を、
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(DMPA)、および
チオール化合物、オレフィン化合物、またはアルキン化合物
と反応させる段階であって、
この反応は、UV光または熱が存在する中で実行され、
チオール化合物は、好ましくは式R−SHの化合物から選択され、式中、Rは、
アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロ環で置換されたアルキル、CH−ヘテロ環、ヘテロ環、キニジン誘導体、キニン誘導体、ピリジル誘導体、タキソール誘導体、カプサイシン誘導体、ポリペプチド、抗体、アミノ酸誘導体、ペプチド、糖、多糖類、およびビオチン誘導体、並びに、
脂肪族ポリエステル、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ラクチド)、ポリ(カルボキシレート)、PEG ポリ(エチレングリコール)、ポリ(アンヒドリド)、ポリアミド、およびこれらのポリマ間のコポリマ
から選択され、
オレフィン化合物は、好ましくは、式R−CH=CHまたはR−CH=CH−Rの化合物から選択され、式中、Rは、
アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロ環で置換されたアルキル、CH−ヘテロ環、ヘテロ環、キニジン誘導体、キニン誘導体、ピリジル誘導体、タキソール誘導体、カプサイシン誘導体、プロリン誘導体、アミノ酸誘導体、ペプチド、糖、多糖類、ビオチン誘導体、並びに、
脂肪族ポリエステル、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ラクチド)、ポリ(カルボキシレート)、PEG ポリ(エチレングリコール)、ポリ(アンヒドリド)、ポリアミド、およびこれらのポリマ間のコポリマ
から選択され、
アルキン化合物は、好ましくは、式R−C≡CHまたはR−C≡C−Rの化合物から選択され、式中、Rは、
アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロ環で置換されたアルキル、CH−ヘテロ環、ヘテロ環、キニジン誘導体、キニン誘導体、ピリジル誘導体、タキソール誘導体、カプサイシン誘導体、プロリン誘導体、アミノ酸誘導体、ペプチド、糖、多糖類、ビオチン誘導体、並びに、
脂肪族ポリエステル、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ラクチド)、ポリ(カルボキシレート)、PEG ポリ(エチレングリコール)、ポリ(アンヒドリド)、ポリアミド、およびこれらのポリマ間のコポリマ
から選択される、反応させる段階。
セルロースを改質するための手順である。 酸触媒シリル化のための手順である。 オレフィン化合物とのチオール−エン「クリック」反応のための手順である。 チオール化合物とのチオール−エン「クリック」反応のための手順である。 チオール化合物とのチオール−エン「クリック」反応のための手順である。 3−フェニルプロピオンアルコールへのアリルトリメトキシシリル化の酸触媒スクリーニングである。 3−フェニルプロピオンアルコールへの酸触媒(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシリル化である。
本発明は、ナノセルロースおよびその誘導体を調製するためのプロセスに関する。
ナノセルロースは、次の段階を含むプロセスによって調製される。
i.セルロース系材料を提供する段階、
ii.このセルロース系材料をギ酸と混合する段階、
iii.この反応混合物を80−110℃、好ましくは90℃まで加熱する段階、
iv.(i)この反応混合物を機械的に撹拌すること、および/または(ii)超音波処理により、この反応混合物を機械的に処理する段階、
v.この反応混合物を溶媒で希釈する段階、および任意でこの反応混合物をpH6−8まで中和する段階、および任意で、希釈する段階または中和の前に遠心分離またはろ過によってギ酸を分離および回収する段階、
vi.この反応混合物を遠心分離、ろ過、透析、および/または洗浄する段階、
vii.高せん断均質化する段階、および任意で、この高せん断均質化する段階において生成されたナノセルロースを凍結乾燥する段階。
ギ酸は濃ギ酸であってよい。機械的処理は、好ましくは反応混合物を機械的に撹拌することによるものである。機械的撹拌は、1500−4800rpm、好ましくは2400rpmで実行されてよい。さらに、機械的撹拌は、1−48時間、好ましくは24−48時間、より好ましくは24時間にわたって実行される。機械的処理は、また、0.5−2時間、好ましくは1時間にわたる超音波処理によって実現されてもよい。具体例において、機械的処理は、機械的に撹拌することおよび超音波処理の両者によって実現される。
反応混合物を希釈するための溶媒は、好ましくは水であり、この反応混合物は、また、NaOH水溶液のような塩基水溶液によって、pH6−8、好ましくはpH7へと中和されてもよい。
遠心分離は、1000−12000rpm、好ましくは6000rpmで実行される。この遠心分離は、少なくとも1分、好ましくは5−60分、より好ましくは30分にわたって実行される。さらに、遠心分離および上澄みのデカンテーションが、少なくとも1回、好ましくは少なくとも3回繰り返されてよい。
高せん断均質化は、15000−30000rpm、好ましくは15000rpmで実行される。高せん断均質化は、90−180分、好ましくは90分にわたって実行される。高せん断均質化する段階において生成される、生じたナノセルロースは凍結乾燥されてよい。
ナノセルロースは、バイオマス、バクテリア、動物、紙、藻、リグノセルロース、織物、および/または再利用された材料から誘導されたセルロースから選択されるセルロース系材料から調製されてよい。木または綿のような植物からのバイオマスが好ましい。
本発明は、さらに、ナノセルロース材料を誘導体化するプロセスに関する。この誘導体化は、上記の段階i−viiから調製されたナノセルロースに対して実行され、以下の段階を含む。
viii.ナノセルロースを1または複数のシランと、好ましくは有機触媒が存在する中で反応させる段階。シランは次式
Figure 0006849194
のシランであり、式中、R1、R2、およびR3はアルキル、アルケニル、またはアルキニルから選択され、R4はアリール基もしくは直線型、分岐型または環状のアルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基から選択され、これらのアリール基、アルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基は、置換されていない、もしくはSH、ハロゲン、OH、アミン、触媒、アミノ酸誘導体、抗体およびそれらのフラグメント、ポリマ、天然物、ビオチン、キニン、キニジン、またはそれらの誘導体で置換されている。
シランはまた、式
Figure 0006849194
のシランであってもよく、式中、R1、R2、およびR3はアルキルから選択され、R4は直線型、分岐型または環状のアルキル基またはアルケニル基から選択され、これらのアルキル基またはアルケニル基は置換されていない、もしくは、SHまたはNHで置換されている。段階viiiにおける誘導体化反応で使用され得るシランの具体例は、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、トリエトキシビニルシラン、およびヘキサデシルトリメトキシシランである。
段階viiiにおける反応は、有機酸のような有機触媒が存在する中で実行されてよい。本発明において使用され得る有機酸の例は、例えば、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、p−トルエンスルホン酸、およびベンゼンスルホン酸である。本発明の具体例においては、(S)−酒石酸が、1−30mol%および5−10mol%のような濃度で使用され得る。
段階viiiにおける反応は、少なくとも0.5時間、好ましくは1−14時間にわたって実行されてよい。この反応は、昇温状態、好ましくは60−90℃にて実行される。
段階viiiにおいて生成されたシラン誘導体化されたナノセルロースは、さらなる誘導体化段階(段階ix)を経てよい。この段階において、シラン誘導体化されたナノセルロースは、
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(DMPA)、および
チオール化合物、オレフィン化合物、またはアルキン化合物
と反応される。
この反応は、UV光または熱が存在する中で実行される。
チオール化合物は、好ましくは式R−SHの化合物から選択され、式中、Rは、
アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロ環で置換されたアルキル、CH−ヘテロ環、ヘテロ環、キニジン誘導体、キニン誘導体、ピリジル誘導体、タキソール誘導体、カプサイシン誘導体、ポリペプチド、抗体、アミノ酸誘導体、ペプチド、糖、多糖類、およびビオチン誘導体、並びに、
脂肪族ポリエステル、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ラクチド)、ポリ(カルボキシレート)、PEG ポリ(エチレングリコール)、ポリ(アンヒドリド)、ポリアミド、およびこれらのポリマ間のコポリマ
から選択され、
オレフィン化合物は、好ましくは、式R−CH=CHまたはR−CH=CH−Rの化合物から選択され、式中、Rは、
アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロ環で置換されたアルキル、CH−ヘテロ環、ヘテロ環、キニジン誘導体、キニン誘導体、ピリジル誘導体、タキソール誘導体、カプサイシン誘導体、プロリン誘導体、アミノ酸誘導体、ペプチド、糖、多糖類、ビオチン誘導体、並びに、
脂肪族ポリエステル、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ラクチド)、ポリ(カルボキシレート)、PEG ポリ(エチレングリコール)、ポリ(アンヒドリド)、ポリアミド、およびこれらのポリマ間のコポリマ
から選択され、
アルキン化合物は、好ましくは、式R−C≡CHまたはR−C≡C−Rの化合物から選択され、式中、Rは、
アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロ環で置換されたアルキル、CH−ヘテロ環、ヘテロ環、キニジン誘導体、キニン誘導体、ピリジル誘導体、タキソール誘導体、カプサイシン誘導体、プロリン誘導体、アミノ酸誘導体、ペプチド、糖、多糖類、ビオチン誘導体、並びに、
脂肪族ポリエステル、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ラクチド)、ポリ(カルボキシレート)、PEG ポリ(エチレングリコール)、ポリ(アンヒドリド)、ポリアミド、およびこれらのポリマ間のコポリマ
から選択される。
段階ixにおいて使用されるべきチオール化合物は、式R−CH−SHの化合物から選択されてよく、式中、Rは以下の群
Figure 0006849194
のうちの1つから選択される。
段階ixにおいて使用されるべきオレフィン化合物は、式R−CH=CHの化合物から選択され、式中、Rは以下の群
Figure 0006849194
のうちの1つから選択されるか、または、このオレフィンは
Figure 0006849194
である。
本発明は、さらに、バイオマス、バクテリア、動物、紙、藻、リグノセルロース、織物、および/または再利用された材料から誘導されたナノセルロースまたはセルロースから選択されるセルロース系材料を誘導体化することに関する。この誘導体化反応は、以下の段階を含む。
i.セルロース系材料を1または複数のシランと、好ましくは有機触媒が存在する中で反応させる段階であって、シランは次式
Figure 0006849194
のシランであり、式中、R1、R2、およびR3はアルキル、アルケニル、またはアルキニルから選択され、R4は、直線型、分岐型または環状のアルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基から選択され、このアルキル基はSHまたはアミンによって置換されている、反応させる段階。並びに、
ii.前の段階で生成されたシラン誘導体化されたセルロース系材料を、
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(DMPA)、および
チオール化合物、オレフィン化合物、またはアルキン化合物
と反応させる段階であって、
この反応は、UV光または熱が存在する中で実行され、
チオール化合物は、好ましくは式R−SHの化合物から選択され、式中、Rは、
アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロ環で置換されたアルキル、CH−ヘテロ環、ヘテロ環、キニジン誘導体、キニン誘導体、ピリジル誘導体、タキソール誘導体、カプサイシン誘導体、ポリペプチド、抗体、アミノ酸誘導体、ペプチド、糖、多糖類、およびビオチン誘導体、並びに、
脂肪族ポリエステル、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ラクチド)、ポリ(カルボキシレート)、PEG ポリ(エチレングリコール)、ポリ(アンヒドリド)、ポリアミド、およびこれらのポリマ間のコポリマ
から選択され、
オレフィン化合物は、好ましくは、式R−CH=CHまたはR−CH=CH−Rの化合物から選択され、式中、Rは、
アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロ環で置換されたアルキル、CH−ヘテロ環、ヘテロ環、キニジン誘導体、キニン誘導体、ピリジル誘導体、タキソール誘導体、カプサイシン誘導体、プロリン誘導体、アミノ酸誘導体、ペプチド、糖、多糖類、ビオチン誘導体、並びに、
脂肪族ポリエステル、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ラクチド)、ポリ(カルボキシレート)、PEG ポリ(エチレングリコール)、ポリ(アンヒドリド)、ポリアミド、およびこれらのポリマ間のコポリマ
から選択され、
アルキン化合物は、好ましくは、式R−C≡CHまたはR−C≡C−Rの化合物から選択され、式中、Rは、
アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロ環で置換されたアルキル、CH−ヘテロ環、ヘテロ環、キニジン誘導体、キニン誘導体、ピリジル誘導体、タキソール誘導体、カプサイシン誘導体、プロリン誘導体、アミノ酸誘導体、ペプチド、糖、多糖類、ビオチン誘導体、並びに、
脂肪族ポリエステル、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ラクチド)、ポリ(カルボキシレート)、PEG ポリ(エチレングリコール)、ポリ(アンヒドリド)、ポリアミド、およびこれらのポリマ間のコポリマ
から選択される、反応させる段階。
段階iの誘導体化反応において使用され得るシランの具体例は、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、およびトリエトキシビニルシランである。
段階iiにおいて使用されるべきチオール化合物は、式R−CH−SHの化合物から選択されてよく、式中、Rは以下の群
Figure 0006849194
のうちの1つから選択される。
段階iiにおいて使用されるべきオレフィン化合物は、式R−CH=CHの化合物から選択され、式中、Rは以下の群
Figure 0006849194
のうちの1つから選択されるか、または、このオレフィンは
Figure 0006849194
である。
セルロース系材料の誘導体化反応、並びに、ナノセルロースの調製の具体例が、本発明の以下の具体例に開示される。
一般的実験条件
cm−1をνmaxの単位とする赤外(IR)スペクトルがThermo Fisher Nicolet 6700 FT−IR分光計に記録された。バンドは、ブロード(br)、強い(s)、中程度(m)、または弱い(w)と特徴付けられている。
H NMRスペクトルがBruker Avance(500MHzまたは400MHz)分光計に記録された。化学シフトは、不完全な重水素取り込みから生じる溶媒共鳴を内部標準(CDCl:δ 7.26ppm)としてテトラメチルシランからのppmを単位として報告されている。データは次のように報告されている。化学シフト、多重度(s=一重線、d=二重線、q=四重線、br=ブロード、m=多重線)、および、カップリング定数(Hz)、積分値。13C NMRスペクトルが、完全なプロトンデカップリングを伴うBruker Avance(125.8MHzまたは100MHz)分光計に記録された。化学シフトは、溶媒共鳴を内部標準(CDCl:δ 77.16ppm)としてテトラメチルシランからのppmを単位として報告されている。
GC分析が、Heをキャリアガスをとして、GC Varian 3300x、キラル、BETA−DEX 325カラム(30m、0.25mm×0.25μM)で実行された。高分解能質量分析法が、Agilent 6520 Accurate−Mass Q−TOF LC/MS(ポジティブモード)で実行された。全ての反応は無水条件下で実行され、ガラス製品はオーブンにて160℃で乾燥され、窒素雰囲気下で実行された。
化学薬品および溶媒は、商用の供給業者から購入したpuriss p.A.であったか、または、標準的な技術によって精製されたかのいずれかであった。市販の試薬が、さらに何ら精製することなく、購入したままの状態で使用された。
例1−25におけるセルロース源としてMUNKTELLろ紙が使用された。この紙から切り出された紙片が、40℃にて一晩乾燥された。例1−25はまた、例26において生成されたナノセルロースによってセルロースを交換することにより繰り返された。
酒石酸はデシケータ中にて五酸化リン上で乾燥された。
アルミニウムシートシリカゲルプレート(Fluka 60 F254)が薄層クロマトグラフィ(TLC)に使用された。化合物はUV光(254nm)の照射によって、または、リンモリブデン酸(25g)、Ce(SO・HO(10g)、濃HSO(60mL)、およびHO(940mL)の溶液による処理と続く加熱によって視覚化された。生成物の精製は、シリカゲル(Fluka 60、粒子サイズ0.040−0.063mm)を使用したフラッシュカラムクロマトグラフィによって実行された。
例1:(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシラン)によりセルロースを改質するための手順
ろ紙(500mg)を含むフラスコに対して、トルエン(7mL)が添加され、続いてトルエン(3mL)中の(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシラン(1.59g、8.1mmol、2.9当量)の溶液が添加された。反応は70℃まで加熱され、24時間にわたって撹拌された。その後、この紙はジクロロメタン(50mL)で洗浄され、ジクロロメタンを使用したソックスレーにより抽出された。次いで、この紙は真空下で一晩乾燥された。図1の項目1を参照のこと。
例2:(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシランによりセルロースを酸触媒改質するための手順
ろ紙(500mg)および(S)−酒石酸(10wt%、50mg)を含むフラスコに対して、トルエン(7mL)が添加され、続いてトルエン(3mL)中の(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシラン(1.59g、8.1mmol、2.9当量)の溶液が添加された。反応は70℃まで加熱され、6時間にわたって撹拌された。その後、この紙はジクロロメタン(50mL)で洗浄され、ジクロロメタンを使用したソックスレーにより抽出された。次いで、この紙は真空下で一晩乾燥された。図1の項目3を参照のこと。
例3:アリルトリメトキシシランによりセルロースを改質するための手順
ろ紙(500mg)を含むフラスコに対して、トルエン(7mL)が添加され、続いてトルエン(3mL)中のアリルトリメトキシシラン(1.31g、8.1mmol、2.9当量)の溶液が添加された。反応は70℃まで加熱され、24時間にわたって撹拌された。その後、この紙はジクロロメタン(50mL)で洗浄され、ジクロロメタンを使用したソックスレーにより抽出された。次いで、この紙は真空下で一晩乾燥された。図1の項目5を参照のこと。
例4:アリルトリメトキシシランによりセルロースを酸触媒改質するための手順
ろ紙(500mg)および(S)−酒石酸(10wt%、50mg)を含むフラスコに対して、トルエン(7mL)が添加され、続いてトルエン(3mL)中のアリルトリメトキシシラン(1.31g、8.1mmol、2.9当量)の溶液が添加された。反応は70℃まで加熱され、6時間にわたって撹拌された。その後、この紙はジクロロメタン(50mL)で洗浄され、ジクロロメタンを使用したソックスレーにより抽出された。次いで、この紙は真空下で一晩乾燥された。図1の項目6を参照のこと。
例5:トリエトキシビニルシランによりセルロースを改質するための手順
ろ紙(500mg)を含むフラスコに対して、トルエン(7mL)が添加され、続いてトルエン(3mL)中のトリエトキシビニルシラン(1.54g、8.1mmol、2.9当量)の溶液が添加された。反応は70℃まで加熱され、24時間にわたって撹拌された。その後、この紙はジクロロメタン(50mL)で洗浄され、ジクロロメタンを使用したソックスレーにより抽出された。次いで、この紙は真空下で一晩乾燥された。図1の項目8を参照のこと。
例6:トリエトキシビニルシランによりセルロースを酸触媒改質するための手順
ろ紙(500mg)および(S)−酒石酸(10wt%、50mg)を含むフラスコに対して、トルエン(7mL)が添加され、続いてトルエン(3mL)中のトリエトキシビニルシラン(1.54g、8.1mmol、2.9当量)の溶液が添加された。反応は70℃まで加熱され、6時間にわたって撹拌された。その後、この紙はジクロロメタン(50mL)で洗浄され、ジクロロメタンを使用したソックスレーにより抽出された。次いで、この紙は真空下で一晩乾燥された。図1の項目9を参照のこと。
例7:アビセルおよび綿を酸触媒シリル化するための手順
Figure 0006849194
アビセルまたは綿(500mg)および(S)−酒石酸(10wt%、50mg)を含むフラスコに対して、トルエン(7mL)が添加され、続いてトルエン(3mL)中のシランaまたはb(8.1mmol、2.9当量)の溶液が添加された。反応は70℃まで加熱され、6時間にわたって撹拌された。その後、この材料はジクロロメタン(50mL)で洗浄され、ジクロロメタンを使用したソックスレーにより抽出された。次いで、この紙は真空下で一晩乾燥された。
上記の酸触媒シリル化は、(S)−酒石酸(10wt%)を(S)−酒石酸(5wt%)と交換することにより、綿織物に対してもまた行われた。さらに、温度は1、2、3、6、および14時間の間で変えられた。さらに、反応は70℃または90℃のいずれかまで加熱された。さらに、式a、b、c、およびdの化合物がシリル化試薬として使用された。具体的な実験条件、並びに生じたシリル化された綿織物の撥水性が図2に示されている。
例8:ε−カプロラクトンのポリカプロラクトン−エン開環重合の合成手順
トルエン(5mL)中のε−カプロラクトン(1.14g、10.0mmol、1.0当量)を含むオーブン乾燥されたバイアル(24mL)に対して、ヘキサ−5−エン−1−オール(38.1mg、0.38mmol、3.8mol%)およびトリアザビシクロデセン(26.4mg、0.19mmol、1.9mol%)が添加され、反応は70℃まで加熱され、30分にわたって撹拌された。その後、この反応混合物は室温まで冷やされ、冷メタノールの溶液へ移され、ろ過された。白色生成物が真空下で乾燥され、白色固体のポリカプロラクトン−エン(1.3g)を生じた。
例9:ε−カプロラクトンのポリカプロラクトン−チオール開環重合の合成手順
トルエン(5mL)中のε−カプロラクトン(1.14g、10.0mmol、1.0当量)を含むオーブン乾燥されたバイアル(24mL)に対して、6−メルカプトヘキサン−1−オール(51.0mg、0.38mmol、3.8mol%)およびトリアザビシクロデセン(26.4mg、0.19mmol、1.9mol%)が添加され、反応は70℃まで加熱され、30分にわたって撹拌された。その後、この反応混合物は室温まで冷やされ、冷メタノールの溶液へ移され、ろ過された。白色生成物が真空下で乾燥され、白色固体のポリカプロラクトン−チオール(1.2g)を生じた。
例10:(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシラン改質されたセルロースと1−ヘキサデセンとの間のチオール−エン「クリック」反応の手順
改質されたセルロース(およそ30mg)および1−ヘキサデセン(448.9mg、2.0mmol)の混合物に対して、DMPA(1wt%、4.5mg)が添加された。次いで、この反応はUVランプ(UV−B電球、TL20W/12、20W)によって1時間にわたり照射された。その後、このろ紙はジクロロメタンにより(ソックスレー)抽出された。次いで、この紙は真空下で一晩乾燥された。図3の項目1を参照のこと。
例11:(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシラン改質されたセルロースとスチレンとの間のチオール−エン「クリック」反応の手順
改質されたセルロース(およそ30mg)およびスチレン(208.3mg、2.0mmol)の混合物に対して、DMPA(1wt%、4.5mg)が添加された。次いで、この反応はUVランプ(UV−B電球、TL20W/12、20W)によって1時間にわたり照射された。その後、このろ紙はジクロロメタンにより(ソックスレー)抽出された。次いで、この紙は真空下で一晩乾燥された。図3の項目4を参照のこと。
例12:(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシラン改質されたセルロースと3−ビニルピリジンとの間のチオール−エン「クリック」反応の手順
改質されたセルロース(およそ30mg)および3−ビニルピリジン(238.3mg、2mmol)の混合物に対して、DMPA(1wt%、2.3mg)が添加された。次いで、この反応はUVランプ(UV−B電球、TL20W/12、20W)によって1時間にわたり照射された。その後、このろ紙はジクロロメタンにより(ソックスレー)抽出された。次いで、この紙は真空下で一晩乾燥された。図3の項目5を参照のこと。
例13:(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシラン改質されたセルロースと4−ビニルベンゼン−1,2−ジオールとの間のチオール−エン「クリック」反応の手順
最少量のDMF中の改質されたセルロース(およそ30mg)および4−ビニルベンゼン−1,2−ジオール(23mg、0.17mmol)の混合物に対して、DMPA(1wt%、4.5mg)が添加された。次いで、この反応はUVランプ(UV−B電球、TL20W/12、20W)によって1時間にわたり照射された。その後、このろ紙はジクロロメタンにより(ソックスレー)抽出された。次いで、この紙は真空下で一晩乾燥された。図3の項目6を参照のこと。
例14:(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシラン改質されたセルロースとシトロネラルとの間のチオール−エン「クリック」反応の手順
改質されたセルロース(およそ30mg)およびシトロネラル(308.5mg、2.0mmol)の混合物に対して、DMPA(1wt%、4.5mg)が添加された。次いで、この反応はUVランプ(UV−B電球、TL20W/12、20W)によって1時間にわたり照射された。その後、このろ紙はジクロロメタンにより(ソックスレー)抽出された。次いで、この紙は真空下で一晩乾燥された。図3の項目7を参照のこと。
例15:(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシラン改質されたセルロースと(R)−α−ピネンとの間のチオール−エン「クリック」反応の手順
改質されたセルロース(およそ30mg)および(R)−α−ピネン(272.5mg、2.0mmol)の混合物に対して、DMPA(1wt%、4.5mg)が添加された。次いで、この反応はUVランプ(UV−B電球、TL20W/12、20W)によって1時間にわたり照射された。その後、このろ紙はジクロロメタンにより(ソックスレー)抽出された。次いで、この紙は真空下で一晩乾燥された。図3の項目8を参照のこと。
例16:(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシラン改質されたセルロースとポリカプロラクトン−エンとの間のチオール−エン「クリック」反応の手順
最少量のDMF中の改質されたセルロース(およそ30mg)およびポリカプロラクトン−エン(60mg)の混合物に対して、DMPA(1wt%、4.5mg)が添加された。次いで、この反応はUVランプ(UV−B電球、TL20W/12、20W)によって1時間にわたり照射された。その後、このろ紙はジクロロメタンにより(ソックスレー)抽出された。次いで、この紙は真空下で一晩乾燥された。図3の項目2および3を参照のこと。
例17:(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシラン改質されたセルロースとキニンまたはキニジンとの間のチオール−エン「クリック」反応の手順
最少量のDMF中の改質されたセルロース(およそ30mg)およびキニンまたはキニジン(120mg)の混合物に対して、DMPA(1wt%、4.5mg)が添加された。次いで、この反応はUVランプ(UV−B電球、TL20W/12、20W)によって1時間にわたり照射された。その後、このろ紙はジクロロメタンにより(ソックスレー)抽出された。次いで、この紙は真空下で一晩乾燥された。図3の項目9および10を参照のこと。
例18:(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシラン改質されたセルロースとビオチンとの間のチオール−エン「クリック」反応の手順
最少量のDMF中の改質されたセルロース(およそ30mg)およびビオチン(60mg、1.0当量)の混合物に対して、DMPA(1wt%、6.0mg)が添加された。次いで、この反応はUVランプ(UV−B電球、TL20W/12、20W)によって1時間にわたり照射された。その後、このろ紙はジクロロメタンにより(ソックスレー)抽出された。次いで、この紙は真空下で一晩乾燥された。図3の項目11を参照のこと。
例19:(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシラン改質されたアビセルおよび綿とキニジンとの間のチオール−エン「クリック」反応の手順
最少量のDMF中の改質されたアビセルまたは綿(およそ100mg)およびキニジン(300mg)の混合物に対して、DMPA(1wt%、10mg)が添加された。次いで、この反応はUVランプ(UV−B電球、TL20W/12、20W)によって1時間にわたり照射された。その後、この材料はジクロロメタンにより(ソックスレー)抽出された。次いで、この材料は真空下で一晩乾燥された。
例20:(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシラン改質されたアビセルおよび綿とヘキサデセンとの間のチオール−エン「クリック」反応の手順
改質されたアビセルまたは綿(およそ100mg)およびヘキサデセン(1.7mL、6mmol)の混合物に対して、DMPA(1wt%、10mg)が添加された。次いで、この反応はUVランプ(UV−B電球、TL20W/12、20W)によって1時間にわたり照射された。その後、この材料はジクロロメタンにより(ソックスレー)抽出された。次いで、この材料は真空下で一晩乾燥された。
Figure 0006849194
例21:アリルトリメトキシシランまたはトリエトキシビニルシラン改質されたセルロースとポリカプロラクトン−チオールとの間のチオール−エン「クリック」反応の手順
最少量のDMF中の改質されたセルロース(およそ30mg)およびポリカプロラクトン−チオール(60mg)の混合物に対して、DMPA(1wt%、4.5mg)が添加された。次いで、この反応はUVランプ(UV−B電球、TL20W/12、20W)によって1時間にわたり照射された。その後、このろ紙はジクロロメタンにより(ソックスレー)抽出された。次いで、この紙は真空下で一晩乾燥された。アリルトリメトキシシラン改質されたセルロースとポリカプロラクトン−チオールとの間の「クリック」反応については、図4の項目1および2を参照のこと。トリエトキシビニルシラン改質されたセルロースとポリカプロラクトン−チオールとの間の「クリック」反応については、図5の項目1および2を参照のこと。
例22:アリルトリメトキシシランまたはトリエトキシビニルシラン改質されたセルロースと1−オクタンチオールとの間のチオール−エン「クリック」反応の手順
改質されたセルロース(およそ30mg)およびオクタンチオール(292.6mg、2.0mmol)の混合物に対して、DMPA(1wt%、4.5mg)が添加された。次いで、この反応はUVランプ(UV−B電球、TL20W/12、20W)によって1時間にわたり照射された。その後、このろ紙はジクロロメタンにより(ソックスレー)抽出された。次いで、この紙は真空下で一晩乾燥された。アリルトリメトキシシラン改質されたセルロースと1−オクタンチオールとの間の「クリック」反応については、図4の項目3を参照のこと。トリエトキシビニルシラン改質されたセルロースと1−オクタンチオールとの間の「クリック」反応については、図5の項目3および4を参照のこと。
例23:アリルトリメトキシシラン改質されたセルロースとビオチンとの間のチオール−エン「クリック」反応の手順
最少量のDMF中の改質されたセルロース(およそ30mg)およびビオチン(60mg、1.0当量)の混合物に対して、DMPA(1wt%、6.0mg)が添加された。次いで、この反応はUVランプ(UV−B電球、TL20W/12、20W)によって1時間にわたり照射された。その後、このろ紙はジクロロメタンにより(ソックスレー)抽出された。次いで、この紙は真空下で一晩乾燥された。アリルトリメトキシシラン改質されたセルロースとビオチンとの間の「クリック」反応については、図4の項目4を参照のこと。
例24:3−フェニルプロピオンアルコールへのアリルトリメトキシシリル化の酸触媒スクリーニングの基本手順
トルエン(1.0mL)中に3−フェニルプロピオンアルコール(68.1mg、0.5mmol、1.0当量)を含むオーブン乾燥されたバイアル(8mL)に対して、アリルトリメトキシシラン(162.3mg、1.0mmol、2.0当量)および酸(0.05mmol、10mol%)が添加された。反応は70℃まで加熱され、ガスクロマトグラフィ分析によってモニターされた。リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、および酸無しによる変換(%)については図6を参照のこと。
アリルジメトキシ(3−フェニルプロポキシ)シラン
Figure 0006849194
無色の油。H NMR(500MHz、CDCl):δ 7.35−7.27(m,2H)、7.25−7.17(m,3H)、5.93−5.81(m,1H)、5.10−5.01(m,1H)、5.01−4.94(m,1H)、3.87−3.79(m,2H)、3.61(s,6H)、2.76−2.70(m,2H)、1.98−1.87(m,2H)、1.76−1.68(m,2H)。13C NMR(125MHz、CDCl):δ 142.0、132.4、128.6、128.4、125.9、115.1、62.4、50.8、34.1、32.1、17.5。C1422SiNaに対して計算されたHRMS(ESI)[M+Na]:289.1230、実測値289.1235。
例25:3−フェニルプロピオンアルコールへの酸触媒(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシリル化の基本手順
トルエン(1.0mL)中に3−フェニルプロピオンアルコール(68.1mg、0.5mmol、1.0当量)を含むオーブン乾燥されたバイアル(8mL)に対して、(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシラン(196.3mg、1.0mmol、2.0当量)および(S)−酒石酸(7.5mg、0.05mmol、10mol%)が添加された。反応は70℃まで加熱され、ガスクロマトグラフィ分析によってモニターされた。酒石酸による変換(%)については図7を参照のこと。
3−(ジメトキシ(3−フェニルプロポキシ)−プロパン−1−チオール
Figure 0006849194
無色の油。H NMR(500MHz、CDCl):δ 7.33−7.26(m,2H)、7.24−7.17(m,3H)、3.83−3.76(m,2H)、3.58(m,6H)、2.75−2.67(m,2H)、2.56(q,J=14.9,7.4Hz,2H)、1.97−1.85(m,2H)、1.79−1.70(m,2H)、1.38−1.31(m,1H)、0.81−0.73(m,2H)。13C NMR(125MHz、CDCl):δ 142.0、128.6、128.5、125.9、62.2、50.7、34.2、32.1、27.7、27.7、8.7。C1424SSiNaに対して計算されたHRMS(ESI)[M+Na]:323.1108、実測値323.1118。
例26:ナノセルロースを調製するためのプロセス
亜硫酸塩の塊(333.33g、含水量15%、50gの乾燥サンプル)が濃ギ酸(1L)に溶解され、さらに混合物は90℃まで加熱され、IKA RW 20デジタルを使用して2,400rpmで24時間にわたって機械的に撹拌された。続いて、反応は室温まで冷やされ、さらに、BANDELIN SONOREX DIGITECを使用して1時間にわたり超音波処理された。次いで、反応混合物は水(4L)によって希釈され、次いで、NaOH(aq.1M)によってpH=7へと中和された。その後、反応混合物は、EBA 21 Hettich ZENTRIFUGENによって6,000rpmで10分にわたって遠心分離され、デカンテーションで水が除去された。この不均一系混合物はさらに水で希釈され、遠心分離された。この手順を3回繰り返した。この材料は、さらに、IKA T 25 ULTRA TURRAX High Speedによって15,000rpmで90分にわたって均質化された。
例27−52:ナノセルロースの誘導体化
生じたナノセルロースは、対応するナノセルロースの誘導体を調製すべく、例1−25と同じ反応条件を経ている。すなわち、セルロース、アビセル、または綿がナノセルロースと交換されている。さらに、ナノセルロース(並びに、セルロースおよび綿織物)が、以下の例において示されるように、アミノアルコキシシランによって誘導体化されてよい。
例53:(3−アミノプロピル)トリメトキシシランによるシリル化
Figure 0006849194
シリル化された材料の調製は、材料(1.0g)に対して乾燥トルエン(20mL)を添加することから始まり、トルエン(10mL)中の3−アミノプロピルトリメトキシシラン(2.7mL)の溶液の添加がこれに続いた。混合物は窒素下で10分にわたって撹拌され、次いで、24時間にわたって還流された。混合物は室温まで冷めることが許され、ろ過によって固体が収集され、あらゆる未反応の前駆体を除去すべく、トルエン、エタノール、アセトン、およびジクロロメタンによって数回洗浄された。この材料はさらに真空下で乾燥され、アミノ官能化された材料を提供した。
[項目1]
ナノセルロースおよびその誘導体を調製するためのプロセスであって、
i.セルロース系材料を提供する段階と、
ii.上記セルロース系材料をギ酸と混合する段階と、
iii.上記反応混合物を80−110℃、好ましくは90℃まで加熱する段階と、
iv.(i)上記反応混合物を機械的に撹拌すること、および/または(ii)超音波処理により、上記反応混合物を機械的に処理する段階と、
v.上記反応混合物を溶媒で希釈する段階、および任意で上記反応混合物をpH6−8まで中和する段階、および任意で、希釈する段階または中和の前に遠心分離またはろ過によって上記ギ酸を分離および回収する段階と、
vi.上記反応混合物を遠心分離、ろ過、透析、および/または洗浄する段階と、
vii.高せん断均質化する段階、および任意で、上記高せん断均質化する段階において生成された上記ナノセルロースを凍結乾燥する段階と、
viii.任意で、ナノセルロースを1または複数のシランと、好ましくは有機触媒が存在する中で反応させる段階であって、上記シランは、式
Figure 0006849194
のシランであり、式中、R1、R2、およびR3はアルキル、アルケニル、またはアルキニルから選択され、R4はアリール基もしくは直線型、分岐型または環状のアルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基から選択され、上記アリール基、アルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基は、置換されていない、もしくはSH、ハロゲン、OH、アミン、触媒、アミノ酸誘導体、抗体およびそれらのフラグメント、ポリマ、天然物、ビオチン、キニン、キニジン、またはそれらの誘導体で置換されている、反応させる段階と、
ix.任意で、前の段階で生成された上記シラン誘導体化されたナノセルロースを、
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(DMPA)、および
チオール化合物、オレフィン化合物、またはアルキン化合物
と反応させる段階であって、
上記反応は、UV光または熱が存在する中で実行され、
上記チオール化合物は、好ましくは式R−SHの化合物から選択され、式中、Rは、
アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロ環で置換されたアルキル、CH −ヘテロ環、ヘテロ環、キニジン誘導体、キニン誘導体、ピリジル誘導体、タキソール誘導体、カプサイシン誘導体、ポリペプチド、抗体、アミノ酸誘導体、ペプチド、糖、多糖類、およびビオチン誘導体、並びに、
脂肪族ポリエステル、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ラクチド)、ポリ(カルボキシレート)、PEG ポリ(エチレングリコール)、ポリ(アンヒドリド)、ポリアミド、およびこれらのポリマ間のコポリマ
から選択され、
上記オレフィン化合物は、好ましくは、式R−CH=CH またはR−CH=CH−Rの化合物から選択され、式中、Rは、
アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロ環で置換されたアルキル、CH −ヘテロ環、ヘテロ環、キニジン誘導体、キニン誘導体、ピリジル誘導体、タキソール誘導体、カプサイシン誘導体、プロリン誘導体、アミノ酸誘導体、ペプチド、糖、多糖類、ビオチン誘導体、並びに、
脂肪族ポリエステル、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ラクチド)、ポリ(カルボキシレート)、PEG ポリ(エチレングリコール)、ポリ(アンヒドリド)、ポリアミド、およびこれらのポリマ間のコポリマ
から選択され、
上記アルキン化合物は、好ましくは式R−C≡CHまたはR−C≡C−Rの化合物から選択され、式中、Rは、
アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロ環で置換されたアルキル、CH −ヘテロ環、ヘテロ環、キニジン誘導体、キニン誘導体、ピリジル誘導体、タキソール誘導体、カプサイシン誘導体、プロリン誘導体、アミノ酸誘導体、ペプチド、糖、多糖類、ビオチン誘導体、並びに、
脂肪族ポリエステル、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ラクチド)、ポリ(カルボキシレート)、PEG ポリ(エチレングリコール)、ポリ(アンヒドリド)、ポリアミド、およびこれらのポリマ間のコポリマから選択される、反応させる段階と
を備えるプロセス。
[項目2]
viii.ナノセルロースを1または複数のシランと、好ましくは有機触媒が存在する中で反応させる段階であって、上記シランは、式
Figure 0006849194
のシランであり、式中、R1、R2、およびR3はアルキル、アルケニル、またはアルキニルから選択され、R4はアリール基もしくは直線型、分岐型または環状のアルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基から選択され、上記アリール基、アルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基は、置換されていない、もしくはSH、ハロゲン、OH、アミン、触媒、アミノ酸誘導体、抗体およびそれらのフラグメント、ポリマ、天然物、ビオチン、キニン、キニジン、またはそれらの誘導体で置換されている、反応させる段階と、
ix.任意で、前の段階で生成された上記シラン誘導体化されたナノセルロースを、
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(DMPA)、および
チオール化合物、オレフィン化合物、またはアルキン化合物
と反応させる段階であって、
上記反応は、UV光または熱が存在する中で実行され、
上記チオール化合物は、好ましくは式R−SHの化合物から選択され、式中、Rは、
アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロ環で置換されたアルキル、CH −ヘテロ環、ヘテロ環、キニジン誘導体、キニン誘導体、ピリジル誘導体、タキソール誘導体、カプサイシン誘導体、ポリペプチド、抗体、アミノ酸誘導体、ペプチド、糖、多糖類、およびビオチン誘導体、並びに、
脂肪族ポリエステル、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ラクチド)、ポリ(カルボキシレート)、PEG ポリ(エチレングリコール)、ポリ(アンヒドリド)、ポリアミド、およびこれらのポリマ間のコポリマ
から選択され、
上記オレフィン化合物は、好ましくは、式R−CH=CH またはR−CH=CH−Rの化合物から選択され、式中、Rは、
アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロ環で置換されたアルキル、CH −ヘテロ環、ヘテロ環、キニジン誘導体、キニン誘導体、ピリジル誘導体、タキソール誘導体、カプサイシン誘導体、プロリン誘導体、アミノ酸誘導体、ペプチド、糖、多糖類、ビオチン誘導体、並びに、
脂肪族ポリエステル、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ラクチド)、ポリ(カルボキシレート)、PEG ポリ(エチレングリコール)、ポリ(アンヒドリド)、ポリアミド、およびこれらのポリマ間のコポリマ
から選択され、
上記アルキン化合物は、好ましくは式R−C≡CHまたはR−C≡C−Rの化合物から選択され、式中、Rは、
アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロ環で置換されたアルキル、CH −ヘテロ環、ヘテロ環、キニジン誘導体、キニン誘導体、ピリジル誘導体、タキソール誘導体、カプサイシン誘導体、プロリン誘導体、アミノ酸誘導体、ペプチド、糖、多糖類、ビオチン誘導体、並びに、
脂肪族ポリエステル、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ラクチド)、ポリ(カルボキシレート)、PEG ポリ(エチレングリコール)、ポリ(アンヒドリド)、ポリアミド、およびこれらのポリマ間のコポリマから選択される、反応させる段階と
をさらに備える、先の項目に記載のプロセス。
[項目3]
上記シランは、式
Figure 0006849194
のシランであり、式中、R1、R2、およびR3はアルキルから選択され、R4は直線型、分岐型または環状のアルキル基またはアルケニル基から選択され、上記アルキル基またはアルケニル基は、置換されていない、もしくはSHまたはNH で置換されている、先の項目に記載のプロセス。
[項目4]
上記シランは、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、トリエトキシビニルシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、および(3−アミノプロピル)トリメトキシシランから選択される、先の項目2から3のいずれか1項に記載のプロセス。
[項目5]
上記反応は有機触媒が存在する中で実行され、上記有機触媒は好ましくは有機酸であり、好ましくは酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、p−トルエンスルホン酸、およびベンゼンスルホン酸から選択される、先の項目2から項目4のいずれか1項に記載のプロセス。
[項目6]
上記有機触媒は酒石酸であり、好ましくは(S)−酒石酸であり、より好ましくは1−30mol%の(S)−酒石酸であり、最も好ましくは5−10mol%の(S)−酒石酸である、先の項目2から項目5のいずれか1項に記載のプロセス。
[項目7]
段階viiiにおける上記反応は、少なくとも0.5時間、好ましくは1−14時間にわたって実行され、上記反応は昇温条件、好ましくは60−90℃で実行される、先の項目2から項目6のいずれか1項に記載のプロセス。
[項目8]
ix.前の段階で生成された上記シラン誘導体化されたナノセルロースを、
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(DMPA)、および
チオール化合物、オレフィン化合物、またはアルキン化合物
と反応させる段階であって、
上記反応は、UV光または熱、好ましくはUV光が存在する中で実行され、
上記チオール化合物は、好ましくは式R−SHの化合物から選択され、式中、Rは、
アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロ環で置換されたアルキル、CH −ヘテロ環、ヘテロ環、キニジン誘導体、キニン誘導体、ピリジル誘導体、タキソール誘導体、カプサイシン誘導体、ポリペプチド、抗体、アミノ酸誘導体、ペプチド、糖、多糖類、およびビオチン誘導体、並びに、
脂肪族ポリエステル、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ラクチド)、ポリ(カルボキシレート)、PEG ポリ(エチレングリコール)、ポリ(アンヒドリド)、ポリアミド、およびこれらのポリマ間のコポリマ
から選択され、
上記オレフィン化合物は、好ましくは、式R−CH=CH またはR−CH=CH−Rの化合物から選択され、式中、Rは、
アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロ環で置換されたアルキル、CH −ヘテロ環、ヘテロ環、キニジン誘導体、キニン誘導体、ピリジル誘導体、タキソール誘導体、カプサイシン誘導体、プロリン誘導体、アミノ酸誘導体、ペプチド、糖、多糖類、ビオチン誘導体、並びに、
脂肪族ポリエステル、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ラクチド)、ポリ(カルボキシレート)、PEG ポリ(エチレングリコール)、ポリ(アンヒドリド)、ポリアミド、およびこれらのポリマ間のコポリマ
から選択され、
上記アルキン化合物は、好ましくは式R−C≡CHまたはR−C≡C−Rの化合物から選択され、式中、Rは、
アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロ環で置換されたアルキル、CH −ヘテロ環、ヘテロ環、キニジン誘導体、キニン誘導体、ピリジル誘導体、タキソール誘導体、カプサイシン誘導体、プロリン誘導体、アミノ酸誘導体、ペプチド、糖、多糖類、ビオチン誘導体、並びに、
脂肪族ポリエステル、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ラクチド)、ポリ(カルボキシレート)、PEG ポリ(エチレングリコール)、ポリ(アンヒドリド)、ポリアミド、およびこれらのポリマ間のコポリマから選択される、反応させる段階
をさらに備える、先の項目2から項目7のいずれか1項に記載のプロセス。
[項目9]
ix.前の段階で生成された上記シラン誘導体化されたナノセルロースを、
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(DMPA)、および
チオール化合物またはオレフィン化合物
と反応させる段階であって、
上記反応は、UV光または熱、好ましくはUV光が存在する中で実行され、
上記チオール化合物は、式R−CH −SHの化合物である式R−SHの化合物から選択され、式中、Rは以下の群
Figure 0006849194
のうちの1つから選択され、
上記オレフィン化合物は、式R−CH=CH の化合物から選択され、式中、Rは以下の群
Figure 0006849194
のうちの1つから選択されるか、または、上記オレフィンは、式
Figure 0006849194
の化合物である、反応させる段階を備える、先の項目2から項目8のいずれか1項に記載のプロセス。
[項目10]
ix.前の段階で生成された上記シラン誘導体化されたナノセルロースを、
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(DMPA)、および
チオール化合物
と反応させる段階であって、
上記反応は、UV光または熱、好ましくはUV光が存在する中で実行され、
上記チオール化合物は、式R−CH −SHの化合物である式R−SHの化合物から選択され、式中、Rは以下の群
Figure 0006849194
のうちの1つから選択される、反応させる段階を備える、先の項目2から項目9のいずれか1項に記載のプロセス。
[項目11]
ix.前の段階で生成された上記シラン誘導体化されたナノセルロースを、
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(DMPA)、および
オレフィン化合物
と反応させる段階であって、
上記反応は、UV光または熱、好ましくはUV光が存在する中で実行され、
上記オレフィン化合物は、式R−CH=CH の化合物から選択され、式中、Rは以下の群
Figure 0006849194
のうちの1つから選択されるか、または、上記オレフィンは、式
Figure 0006849194
の化合物である、反応させる段階を備える、項目2から項目9のいずれか1項に記載のプロセス。
[項目12]
上記反応はUV光の中で実行される、先の項目2から項目11のいずれか1項に記載のプロセス。
[項目13]
上記セルロース系材料は、段階iiにおいて濃ギ酸と混合される、先の項目のいずれか1項に記載のプロセス。
[項目14]
段階ivにおいて上記反応混合物を機械的に処理する上記段階は、上記反応混合物を機械的に撹拌することによるものであり、好ましくは、上記機械的に撹拌することは、1500−4800rpm、好ましくは2400rpmで実行され、上記機械的に撹拌することは、1−48時間、好ましくは24−48時間、より好ましくは24時間にわたって実行される、先の項目のいずれか1項に記載のプロセス。
[項目15]
段階ivにおいて上記反応混合物を機械的に処理する上記段階は、好ましくは0.5−2時間、より好ましくは1時間にわたる超音波処理によるものである、先の項目のいずれか1項に記載のプロセス。
[項目16]
段階ivにおいて上記反応混合物を機械的に処理する上記段階は、好ましくは少なくとも0.5時間、より好ましくは0.5−2時間にわたる上記反応混合物を機械的に撹拌すること並びに超音波処理することによるものであり、上記機械的に撹拌することは、少なくとも1時間、好ましくは24−48時間にわたって1500−4800rpmで実行される、先の項目のいずれか1項に記載のプロセス。
[項目17]
段階vにおいて、上記反応混合物は水で希釈される、先の項目のいずれか1項に記載のプロセス。
[項目18]
上記反応混合物は、段階vにおいて、pH6−8、好ましくはpH7に中和され、より好ましくは、上記中和はNaOH水溶液により実行される、先の項目のいずれか1項に記載のプロセス。
[項目19]
上記反応混合物は、段階vにおいて、水で希釈され、pH7に中和される、先の項目のいずれか1項に記載のプロセス。
[項目20]
段階viにおいて遠心分離が実行され、遠心分離は1000−12000rpm、好ましくは6,000rpmで実行され、遠心分離は少なくとも1分、好ましくは5−60分、より好ましくは30分にわたって実行される、先の項目のいずれか1項に記載のプロセス。
[項目21]
遠心分離および上記上澄みのデカンテーションが少なくとも1回、好ましくは少なくとも3回繰り返される、先の項目に記載のプロセス。
[項目22]
段階viiにおける上記高せん断均質化は、15000−30000rpm、好ましくは15000rpmで実行され、高せん断均質化は、少なくとも10分、好ましくは90−180分、より好ましくは90分にわたって実行される、先の項目のいずれか1項に記載のプロセス。
[項目23]
上記高せん断均質化する段階において生成される上記ナノセルロースは、段階viiにおいて凍結乾燥される、先の項目のいずれか1項に記載のプロセス。
[項目24]
上記セルロース系材料は、バイオマス、バクテリア、動物、藻、リグノセルロース、紙、織物、および/または再利用された材料から誘導されたセルロースから選択される、先の項目のいずれか1項に記載のプロセス。
[項目25]
上記バイオマスは、植物、好ましくは木または綿から選択される、先の項目のいずれか1項に記載のプロセス。
[項目26]
項目1から項目26に記載のプロセスにより得られるナノセルロースおよびその誘導体。
[項目27]
セルロース系材料を誘導体化するプロセスであって、
i.セルロース系材料を1または複数のシランと、好ましくは有機触媒が存在する中で反応させる段階であって、上記シランは、式
Figure 0006849194
のシランであり、式中、R1、R2、およびR3はアルキル、アルケニル、またはアルキニルから選択され、R4は直線型、分岐型または環状のアルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基から選択され、上記アルキル基はSHで置換されている、反応させる段階と、
ii.前の段階で生成された上記シラン誘導体化されたセルロース系材料を、
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(DMPA)、および
チオール化合物、オレフィン化合物、またはアルキン化合物
と反応させる段階であって、
上記反応は、UV光または熱が存在する中で実行され、
上記チオール化合物は、好ましくは式R−SHの化合物から選択され、式中、Rは、
アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロ環で置換されたアルキル、CH −ヘテロ環、ヘテロ環、キニジン誘導体、キニン誘導体、ピリジル誘導体、タキソール誘導体、カプサイシン誘導体、ポリペプチド、抗体、アミノ酸誘導体、ペプチド、糖、多糖類、およびビオチン誘導体、並びに、
脂肪族ポリエステル、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ラクチド)、ポリ(カルボキシレート)、PEG ポリ(エチレングリコール)、ポリ(アンヒドリド)、ポリアミド、およびこれらのポリマ間のコポリマ
から選択され、
上記オレフィン化合物は、好ましくは、式CH=CH またはR−CH=CH−Rの化合物から選択され、式中、Rは、
アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロ環で置換されたアルキル、CH −ヘテロ環、ヘテロ環、キニジン誘導体、キニン誘導体、ピリジル誘導体、タキソール誘導体、カプサイシン誘導体、プロリン誘導体、アミノ酸誘導体、ペプチド、糖、多糖類、ビオチン誘導体、並びに、
脂肪族ポリエステル、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ラクチド)、ポリ(カルボキシレート)、PEG ポリ(エチレングリコール)、ポリ(アンヒドリド)、ポリアミド、およびこれらのポリマ間のコポリマ
から選択され、
上記アルキン化合物は、好ましくは式R−C≡CHまたはR−C≡C−Rの化合物から選択され、式中、Rは、
アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロ環で置換されたアルキル、CH −ヘテロ環、ヘテロ環、キニジン誘導体、キニン誘導体、ピリジル誘導体、タキソール誘導体、カプサイシン誘導体、プロリン誘導体、アミノ酸誘導体、ペプチド、糖、多糖類、ビオチン誘導体、並びに、
脂肪族ポリエステル、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ラクチド)、ポリ(カルボキシレート)、PEG ポリ(エチレングリコール)、ポリ(アンヒドリド)、ポリアミド、およびこれらのポリマ間のコポリマから選択される、反応させる段階と
を備えるプロセス。
[項目28]
段階iにおける上記シランは、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、およびトリエトキシビニルシランから選択される、先の項目に記載のプロセス。
[項目29]
段階iにおける上記反応は有機触媒が存在する中で実行され、上記有機触媒は好ましくは有機酸であり、好ましくは酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、およびp−トルエンスルホン酸から選択される、項目27または項目28に記載のプロセス。
[項目30]
上記有機触媒は酒石酸であり、好ましくは(S)−酒石酸であり、より好ましくは5%−10%の(S)−酒石酸である、先の項目27から項目29のいずれか1項に記載のプロセス。
[項目31]
上記反応は、少なくとも1時間、好ましくは2−14時間にわたって実行され、上記反応は、昇温条件、好ましくは70−90℃で実行される、先の項目27から項目30のいずれか1項に記載のプロセス。
[項目32]
ii.前の段階で生成された上記シラン誘導体化されたナノセルロースを、
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(DMPA)、および
チオール化合物またはオレフィン化合物
と反応させる段階であって、
上記反応は、UV光または熱、好ましくはUV光が存在する中で実行され、
上記チオール化合物は、式R−CH −SHの化合物である式R−SHの化合物から選択され、式中、Rは以下の群
Figure 0006849194
のうちの1つから選択され、
上記オレフィン化合物は、式R−CH=CH の化合物から選択され、式中、Rは以下の群
Figure 0006849194
のうちの1つから選択されるか、または、上記オレフィンは、式
Figure 0006849194
の化合物である、反応させる段階を備える、先の項目27から項目31のいずれか1項に記載のプロセス。
[項目33]
ii.前の段階で生成された上記シラン誘導体化されたナノセルロースを、
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(DMPA)、および
チオール化合物
と反応させる段階であって、
上記反応は、UV光または熱、好ましくはUV光が存在する中で実行され、
上記チオール化合物は、式R−CH −SHの化合物である式R−SHの化合物から選択され、式中、Rは以下の群
Figure 0006849194
のうちの1つから選択される、反応させる段階を備える、項目27から項目32のいずれかに記載のプロセス。
[項目34]
x.前の段階で生成された上記シラン誘導体化されたナノセルロースを、
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(DMPA)、および
オレフィン化合物
と反応させる段階であって、
上記反応は、UV光または熱、好ましくはUV光が存在する中で実行され、
上記オレフィン化合物は、式R−CH=CH の化合物から選択され、式中、Rは以下の群
Figure 0006849194
のうちの1つから選択されるか、または、上記オレフィンは、式
Figure 0006849194
の化合物である、反応させる段階を備える、先の項目27から項目32のいずれか1項に記載のプロセス。
[項目35]
上記セルロース系材料は、バイオマス、バクテリア、動物、紙、藻、リグノセルロース、織物、および/または再利用された材料から誘導されたナノセルロースまたはセルロースから選択される、先の項目27から項目34のいずれか1項に記載のプロセス。
[項目36]
上記バイオマスは、植物、好ましくは木または綿から選択される、先の項目27から項目35のいずれか1項に記載のプロセス。
[項目37]
項目27から項目36により得られるセルロースおよびその誘導体。
参考文献
1. Osong, H. S et al. (2015) Processing of wood-based microfibrillated cellulose and nanofibrillated cellulose, and applications relating to papermaking: a review. Cellulose, 2015, DOI 10.1007/s10570-015-0798-5
2. Isogai, A. et al. (2011) TEMPO-oxidized cellulose nanofibers. Nanoscale, 2011, 3, 71
3. Nair et al. (2014) High performance green barriers based on nanocellulose. Sustainable Chemical Processes 2014, 2 23.

Claims (12)

  1. セルロース系材料を誘導体化するプロセスであって、
    viii.セルロース系材料を1または複数のシランと応させてシラン誘導体化されたナノセルロースを生成する段階であって、前記1または複数のシランは、式
    Figure 0006849194
    のシランであり、式中、R1、R2、およびR3はアルキル、アルケニル、またはアルキニルから選択され、R4は直線型、分岐型または環状のアルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基から選択され、前記アルキル基はSHまたはNH で置換されており、
    段階viiiにおける前記反応は有機触媒が存在する中で実行され、前記有機触媒は酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、およびp−トルエンスルホン酸から選択される有機酸である、反応させる段階と、
    ix.段階viiiで生成されたシラン誘導体化されたセルロース系材料を、
    2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(DMPA)、および
    チオール化合物、またはオレフィン化合物
    と反応させる段階であって、
    前記反応は、UV光または熱が存在する中で実行され、
    前記チオール化合物は、式R−CH −SHの化合物から選択され、式中、Rは以下の群
    Figure 0006849194
    のうちの1つから選択され(nは1である)、

    前記オレフィン化合物は、式R'−CH=CH の化合物から選択され、式中、R'は以下の群
    Figure 0006849194
    のうちの1つから選択されるか(nは1である)、または、前記オレフィン化合物は、式
    Figure 0006849194
    の化合物である、
    反応させる段階と
    を備えるプロセス。
  2. 前記1または複数のシランは、式
    Figure 0006849194
    のシランであり、式中、R1、R2、およびR3はアルキルから選択され、R4は直線型、分岐型または環状のアルキル基またはアルケニル基から選択され、前記アルキル基またはアルケニル基はSHまたはNHで置換されている、請求項1に記載のプロセス。
  3. 段階viiiにおける前記1または複数のシランは、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、トリエトキシビニルシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、および(3−アミノプロピル)トリメトキシシランから選択される、請求項2に記載のプロセス。
  4. 前記有機触媒は(S)−酒石酸、または5mоl%−10mоl%の(S)−酒石酸である、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のプロセス。
  5. 段階viiiにおける前記反応は、少なくとも0.5時間わたって実行され、前記反応60−90℃で実行される、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のプロセス。
  6. 前記反応はUV光の中で実行される、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のプロセス。
  7. 前記セルロース系材料は、ナノセルロースおよびその誘導体を調製するためのプロセスに従って調製され、ナノセルロースおよびその誘導体を調製するための前記プロセスは、
    i.セルロース系材料を提供する段階と、
    ii.前記セルロース系材料をギ酸と混合する段階と、
    iii.反応混合物を80−110℃まで加熱する段階と、
    iv.(i)前記反応混合物を機械的に撹拌すること、または(ii)超音波処理の少なくとも一方により、前記反応混合物を機械的に処理する段階と、
    v.前記反応混合物を溶媒で希釈する段階、および任意で前記反応混合物をpH6−8まで中和する段階、および任意で、希釈する段階または中和する段階の前に遠心分離またはろ過によって前記ギ酸を分離および回収する段階と、
    vi.前記反応混合物に遠心分離、ろ過、透析、または洗浄の少なくとも一つを行う段階と、
    vii.高せん断均質化する段階、および任意で、前記高せん断均質化する段階において生成された前記ナノセルロースを凍結乾燥する段階と
    を備える、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のプロセス。
  8. 段階ivにおいて前記反応混合物を機械的に処理する前記段階は、1500−4800rpm前記反応混合物を機械的に撹拌することによるものであり、前記機械的に撹拌することは、1−48時間わたって実行される、請求項に記載のプロセス。
  9. 段階ivにおいて前記反応混合物を機械的に処理する前記段階は0.5−2時間わたる超音波処理によるものである、請求項または請求項に記載のプロセス。
  10. 段階ivにおいて前記反応混合物を機械的に処理する前記段階は少なくとも0.5時間わたる前記反応混合物を機械的に撹拌すること並びに超音波処理することによるものであり、前記機械的に撹拌することは、少なくとも1時間わたって1500−4800rpmで実行される、請求項から請求項のいずれか1項に記載のプロセス。
  11. 前記セルロース系材料は、バイオマス、バクテリア、動物、藻、リグノセルロース、紙、織物、または再利用された材料のうちの少なくとも1つから誘導されたセルロースから選択される、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のプロセス。
  12. 前記バイオマスは木または綿から選択される、請求項11に記載のプロセス。
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