JP6620930B2 - 変性セルロース繊維の製造方法、樹脂組成物の製造方法、およびゴム組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
(1)セルロース繊維に、アミノ基を有するシランカップリング剤(A)と、アミノ基と反応可能な官能基を有する疎水化剤(B)と、を反応させることによって得られ、
セルロース繊維100質量部に対し、前記シランカップリング剤(A)を3〜80質量部使用し、
前記シランカップリング剤(A)の全アミノ基に対し、前記疎水化剤(B)を10〜200モル%使用することを特徴とする、変性セルロース繊維の製造方法、
(2)セルロース繊維に、更に硫黄原子を有するシランカップリング剤(C)を反応させることによって得られ、
セルロース繊維100質量部に対し、前記シランカップリング剤(C)を1〜25質量部使用することを特徴とする、前記(1)に記載の変性セルロース繊維の製造方法、
(3)前記疎水化剤(B)が、アシルケテン等価体である、前記(1)(2)に記載の変性セルロース繊維の製造方法、
(4)前記(1)〜(3)に記載の製造方法で得られた変性セルロース繊維を20〜75質量%、
数平均分子量が320〜60000であり、かつガラス転移点が100℃以下である解繊助剤(D)を25〜80質量%の割合で用いて微細化することを特徴とする、樹脂組成物の製造方法、
(5)混練することにより変性セルロース繊維を微細化する工程を有する、前記(4)に記載の樹脂組成物の製造方法、
(6)前記(4)または(5)に記載の製造方法で得られた樹脂組成物を含有し、ゴム100質量部に対して変性セルロース繊維中から変性部分を除いたセルロース繊維分を0.01〜30質量部の割合で含有する、ゴム組成物の製造方法。
(方法1)
セルロース繊維に、アミノ基を有するシランカップリング剤(A)を反応させた後、疎水化剤(B)を反応させる
(方法2)
アミノ基を有するシランカップリング剤(A)と疎水化剤(B)とを反応させた後、セルロース繊維を反応させる
(方法3)
セルロース繊維に、アミノ基を有するシランカップリング剤(A)及び硫黄原子を有するシランカップリング剤(C)を反応させた後、疎水化剤(B)を反応させる
(方法4)
アミノ基を有するシランカップリング剤(A)と疎水化剤(B)とを反応させた後、セルロース繊維及び硫黄原子を有するシランカップリング剤(C)を反応させる
まず、本発明の製造方法の(方法1)について、順を追って具体的に説明する。セルロース繊維とアミノ基を有するシランカップリング剤(A)を混合し、反応させる際の反応温度は、シランカップリング剤とセルロース表面の水酸基との縮合反応を選択的に進める観点から、10℃〜90℃の範囲が好ましく、25℃〜80℃の範囲がより好ましい。
続いて、アミノ基が導入されたセルロース繊維と疎水化剤(B)との反応を行う。この工程を行うことにより、ゴムとの親和性に優れた疎水化された変性セルロースを得ることができる。まず最初に脱水工程を行い、水及び有機溶媒に分散したアミノ基導入セルロースを減圧下加熱する。脱水工程を行うことは、疎水化剤(B)と水の副反応を防止する観点から好ましい。脱水工程時の加熱温度は、急激な水の脱離による変性セルロース同士の凝集を防ぐ観点から、30℃〜80℃が好ましく、40℃〜70℃がより好ましい。
次に、予めアミノ基を有するシランカップリング剤(A)とアミノ基と反応可能な官能基を有する疎水化剤(B)とを反応し、その後セルロース繊維と反応させる、本発明の製造方法の(方法2)について、順を追って具体的に説明する。アミノ基を有するシランカップリング剤(A)と疎水化剤(B)との反応は、それぞれを混合後加熱してもよいし、前述の有機溶媒中で行っても構わない。
次いで、アミノ基を有するシランカップリング剤(A)と疎水化剤(B)との反応物に、セルロース繊維を反応させる。まず水及び後述の有機溶媒に分散させたセルロース繊維を調製する。水若しくは有機溶媒単独だけでも変性セルロース繊維を製造することは可能だが、シランカップリング剤中のアルコキシ基の加水分解を進行させる必要、及び疎水基を持つシランカップリング剤は水単独ではセルロース繊維と相溶することが困難なために、水と有機溶媒との併用が好ましい。
セルロース繊維に混合する水の比率は、セルロース繊維(絶対乾燥基準)に対して質量基準で0.01〜20倍が好ましく、より好ましくは0.1〜10倍、0.5〜5倍がさらに好ましい。セルロース繊維に混合する有機溶媒の比率は、セルロース繊維(絶対乾燥基準)に対して質量基準で0.1〜10倍が好ましく、1〜5倍がより好ましい。
セルロース繊維に硫黄原子を有するシランカップリング剤(C)を反応させることで、セルロース繊維にゴムとの架橋点を導入することができる。硫黄原子を有するシランカップリング剤(C)とアミノ基を有するシランカップリング剤は、添加順序や添加方法は特に限定されず、各々を同時に添加しても構わないし、硫黄原子を有するシランカップリング剤(C)を先に添加し反応を進めた後に、アミノ基を有するシランカップリング剤(A)を添加し反応しても良いし、逆の順序で反応しても良い。
本発明の樹脂組成物の製造においては、前記変性セルロース繊維の製造方法で得られた変性セルロース繊維と解繊助剤(D)とを混練する。混練時、変性セルロース繊維は解繊助剤(D)中に分散しながら微細化が進行する。製造に使用する混練機は、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、二軸押出機、及びオープンロールなどが挙げられる。
本発明のゴム組成物の製造方法においては、前記の樹脂組成物とゴムを混練する。混練時、樹脂組成物がゴムに溶解し、樹脂組成物内で微細化された変性セルロースがゴム中に分散することで、硬度に優れたゴム組成物が得られる。製造に使用する混練機は、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、二軸押出機、及びオープンロールなどが挙げられる。
以下、固形分の測定には赤外線水分計((株)ケット科学研究所製:「FD−620」)を用いた。また、変性セルロース繊維の評価方法は次の通りである。
[変性セルロース繊維(A−1)の製造]
容器へ水を含んだ針葉樹晒クラフトセルロース(以下、NBKPと記載する)500.0質量部(固形分100.0質量部)とジエチレングリコールジメチルエーテル400.0質量部を仕込み、3−アミノプロピルトリエトキシシラン3.0質量部を投入し、80℃で3時間反応した。反応後減圧脱水により水分を留去し、アルキルケテンダイマー(KEMIRA社製 製品名:C1895 ステアリン酸誘導体)26.2質量部(アミノ基に対するアルキルケテンダイマーの仕込み量:100モル%)を投入した後、80℃で4時間反応した。最後に減圧蒸留により溶媒を留去し、変性セルロースA−1を得た。
[変性セルロース繊維(A−2)〜(A−5)の製造]
3−アミノプロピルエトキシシラン、アルキルケテンダイマーの仕込み量を表1の通りに変えた他は、実施例1に準じて、変性セルロース繊維A−2〜A−5を得た。
[変性セルロース繊維(A−6)の製造]
容器へ水を含んだNBKP500.0質量部(固形分100.0質量部)とジエチレングリコールジメチルエーテル400.0質量部を仕込み、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン1.1質量部を仕込み、80℃で3時間反応した。その後、3−アミノプロピルトリエトキシシラン23.7質量部を投入し、80℃で3時間反応した。反応後減圧脱水により水分を留去し、アルキルケテンダイマー(C1895)65.6質量部(アミノ基に対するアルキルケテンダイマーの仕込み量:100モル%)を投入した後、80℃で4時間反応した。最後に減圧蒸留により溶媒を留去し、変性セルロースA−6を得た。
[変性セルロース繊維(A−7)〜(A−11)の製造]
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシランの仕込み量を表1の通りに変えた他は、実施例6に準じて、変性セルロース繊維A−7〜A−11を得た。
[変性セルロース繊維(A−12)の製造]
3−メルカプトプロピルトリメトキシシランをビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドに変更し、仕込み量を表1の通りに変えた他は、実施例6に準じて、変性セルロース繊維A−12を得た。
[変性セルロース繊維(A−13)の製造]
容器にジエチレングリコールジメチルエーテル200.0質量部、3−アミノプロピルエトキシシラン23.7質量部及びアルキルケテンダイマー(C1895)65.6質量部(アミノ基に対するアルキルケテンダイマーの仕込み量:100モル%)を仕込み80℃で3時間反応し、反応物を得た。更に、水を含んだNBKP500.0質量部(固形分100.0質量部)、ジエチレングリコールジメチルエーテル400.0質量部、及び3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン10.1質量部を仕込み、80℃で3時間反応した。次いで減圧脱水により水分を留去し、最後に減圧蒸留により溶媒を留去し、変性セルロースA−13を得た。
[変性セルロース繊維(RA−1)の製造]
容器へ水を含んだNBKP500.0質量部(固形分100.0質量部)とジエチレングリコールジメチルエーテル400.0質量部を仕込み、3−アミノプロピルトリエトキシシラン2.4質量部を投入し、80℃で3時間反応した。反応後減圧脱水により水分を留去し、アルキルケテンダイマー(C1895) 6.6質量部(アミノ基に対するアルキルケテンダイマーの仕込み量:100モル%)を投入した後、80℃で4時間反応した。最後に減圧蒸留により溶媒を留去し、変性セルロースRA−1を得た。
[変性セルロース繊維(RA2)〜(RA−3)の製造]
3−アミノプロピルトリエトキシシラン、アルキルケテンダイマーの仕込み量を表1の通りに変えた他は、比較例1に準じて、変性セルロース繊維RA−2〜RA−3を得た。
[変性セルロース繊維(RA−4)の製造]
容器へ水を含んだNBKP500.0質量部(固形分100.0質量部)とジエチレングリコールジメチルエーテル400.0質量部を仕込み、3−アミノプロピルトリエトキシシラン23.7質量部を投入し、80℃で3時間反応した。反応後減圧脱水により水分を留去し、アルキルケテンダイマー(C1895) 144.4質量部(アミノ基に対するアルキルケテンダイマーの仕込み量:220モル%)を投入した後、直ちに減圧蒸留により溶媒を留去し、変性セルロースRA−4を得た。
[変性セルロース繊維(SA−1)の製造]
3−アミノプロピルトリエトキシシランをオクテニルトリメトキシシランに変更し、仕込み量を表1の通りに変えた他は、実施例1に準じて、変性セルロース繊維SA−1を得た。
KBE−903:信越化学工業(株)製 3−アミノプロピルトリエトキシシラン
KBM−803:信越化学工業(株)製 3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン
KBE−846:信越化学工業(株)製 ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド
KBM−1083:信越化学工業(株)製 オクテニルトリメトシキシラン
AKD:KEMIRA社製 C1895 ステアリン酸誘導体
(解繊性の評価)
樹脂組成物(もしくは樹脂組成物を添加したゴム)0.2gとテトラヒドロフラン(もしくはトルエン)100gをフラスコに入れ、超音波を掛けて可溶部を溶かして変性セルロース繊維を分散させ、変性セルロース繊維スラリーを得た。その後スラリーをサンプリングし、CCDカメラ((株)キーエンス製 VHX−600)を用いて倍率1000倍で繊維の分散状態を観察した。
幅5μm以上の繊維が100本中0本である場合を◎、
幅5μm以上の繊維が100本中1本又は2本存在する場合を○、
幅5μm以上の繊維が100本中3本以上存在し、かつ、幅10μm以上の繊維が100本中1本又は0本存在する場合を△、
幅10μm以上の繊維が100本中2本以上存在する場合を×とする。
[樹脂組成物(M−1)の製造]
変性セルロース繊維A−1 60質量部と解繊助剤(D)であるYSレジンPX1000(ヤスハラケミカル(株)製、テルペン樹脂、数平均分子量800、ガラス転移点50℃)40質量部をラボプラストミル(東洋精機(株)製)へ投入し、ブレード回転数30rpm、混練時間60分、混練温度100℃で溶融混練して樹脂組成物M−1を得た。
[樹脂組成物(M−2)〜(M−13)の製造]
変性セルロース繊維の種類を表2のように変えた他は、応用実施例1−aに準じて、樹脂組成物(M−2)〜(M−13)を得た。
変性セルロース繊維と解繊助剤(D)の量を表2のように変えた他は、応用実施例8−aに準じて、樹脂組成物(M−14)、(M−15)を得た。
[樹脂組成物(M−16)〜(M−19)の製造]
解繊助剤(D)の種類を表2のように変えた他は、応用実施例8−aに準じて、樹脂組成物(M−16)〜(M−19)を得た。
[樹脂組成物(RM−1)〜(RM−4)の製造]
変性セルロース繊維の種類を表2の通りに変えた他は、応用実施例3−aに準じて、樹脂組成物RM−1〜RM−4を得た。
[樹脂組成物(SM−1)の製造]
変性セルロース繊維の種類を表2のように変えた他は、応用実施例3−aに準じて、樹脂組成物(SM−1)を得た。
[樹脂組成物(SM−2)、(SM−3)の製造]
変性セルロース繊維と解繊助剤(D)の量を表2の通りに変えた他は、応用実施例8−aに準じて、樹脂組成物SM−2、SM−3を得た。
[樹脂組成物(SM−4)〜(SM−6)の製造]
解繊助剤(D)の種類を表2のように変えた他は、応用実施例8−aに準じて、樹脂組成物SM−4〜SM−6を得た。
Tg:ガラス転移点
PX1000:YSレジンPX1000、ヤスハラケミカル(株)製、テルペン樹脂、数平均分子量800、ガラス転移点50℃
Q1105:クイントン1105、日本ゼオン(株)製、DCPD系石油樹脂、数平均分子量340、ガラス転移点40℃
LIR−50:クラレ(株)製、液状ポリイソプレンゴム、数平均分子量54000、ガラス転移点−63℃
U115:YSポリスターU115、ヤスハラケミカル(株)製、テルペン樹脂、数平均分子量670、ガラス転移点57℃
R100:クイントンR100、日本ゼオン(株)製、脂肪族系石油樹脂、数平均分子量1100、ガラス転移点45℃
ロジン:ガムロジン 数平均分子量300、ガラス転移点50℃
BR1220:Nipol BR1220 日本ゼオン(株)製、ブタジエンゴム 数平均分子量150000、ガラス転移点−95℃
170S:日石ネオポリマー170S、JX日鉱日石エネルギー(株)製、芳香族系石油樹脂、数平均分子量990、ガラス転移点105℃
実施例1、3、5の変性セルロース繊維A−1、A−3、A−5を用いた応用実施例1−a、3−a、5−aの樹脂組成物M−1、M−3、M−5と、比較例1、2の変性セルロース繊維RA−1、RA−2を用いた応用比較例1−a、2−aの樹脂組成物RM−1、RM−2とから、セルロース繊維100質量部に対するアミノ基を有するシランカップリング剤(A)の使用量が、本発明で規定する範囲内であると、良好な解繊性を示すことが分かる。
(ゴムへの分散性)
得られたゴム組成物を100℃でプレスし、厚さ0.1mmのゴムフィルムを作成した。その後、プレスフィルムをクロスニコルの状態とした偏光版で挟み、CCDカメラ((株)キーエンス製 VHX−600)を用いて倍率100倍でゴム中での繊維の分散状態を観察した。
短軸長100μm以上の繊維凝集物が無い場合を◎、
短軸長100μm以上の繊維凝集物が1〜3個存在する場合を○、
短軸長100μm以上の繊維凝集物が4〜10個存在する場合を△、
短軸長200μm以上の繊維凝集物が1個以上、かつ、短軸長100μm以上の繊維凝集物が1個以上存在する場合を×とする。
[ゴム組成物(G−1)の製造]
天然ゴム(TSR−20)とブタジエンゴム(Nipol BR1220 日本ゼオン(株)製)の質量比が75:25になるよう混合して作成したゴムと、樹脂組成物M−1を、ゴム100質量部に対してセルロース繊維分が5phrになるようにラボプラストミル(東洋精機(株)製)へ投入し、ブレード回転数50rpm、混練時間20分、混練温度60℃で混練してゴム組成物G−1を得た。
[ゴム組成物(G−2)〜(G−22)の製造]
樹脂組成物とゴムの種類及び量を表3の通りに変えた他は、応用実施例1−bに準じてゴム組成物G−2〜G−22を得た。
[ゴム組成物(RG−1)〜(RG−4)の製造]
樹脂組成物とゴムの種類及び量を表3の通りに変えた他は、応用実施例1−bに準じてゴム組成物RG−1〜RG−4を得た。
[ゴム組成物(SG−1〜SG−6)の製造]
樹脂組成物とゴムの種類及び量を表3の通りに変えた他は、応用実施例1−bに準じてゴム組成物SG−1〜SG−6を得た。
[変性セルロース繊維(SA−2)の製造]
容器内にミクロフィブリル化セルロース繊維セリッシュKY−100G(ダイセル化学工業(株))22gをエタノール1000mLに浸し、ホモジナイザーに分散させた。その後、3−アミノプロピルトリエトキシシラン5gを水/エタノール混合溶媒20gに希釈し混合ミクロフィブリル分散液に混合した。2時間後脱溶媒し、変性ミクロフィブリルセルロース繊維SA−2を得た。
[ゴム組成物(SG−7)の製造]
天然ゴム(TSR−20)とブタジエンゴム(Nipol BR1220 日本ゼオン(株)製)の質量比が75:25になるよう混合して作成したゴムと、変性セルロースRA−6を、ゴム100質量部に対してセルロース繊維分が5phrになるようにラボプラストミル(東洋精機(株)製)へ投入し、ブレード回転数50rpm、混練時間20分、混練温度60℃で混練してゴム組成物SG−7を得た。
[変性セルロース繊維(SA−3)の製造]
容器内にNBKP250g(固形分50.0質量部)と3−アミノプロピルトリエトキシシラン5質量部を混合し、23℃24時間反応させた。得られた変性セルロースの固形分を30質量%に調整し、二軸押出機にて400rpm、0℃の条件にて処理することで、変性ミクロフィブリル化セルロース繊維SA−3を得た。
[ゴム組成物(SG−8)の製造]
変性セルロース繊維の種類及び量を表3の通りに変えた他は、応用参考例7−bに準じてゴム組成物SG−8を得た。
[変性セルロース繊維(SA−4)の製造]
ミクロフィブリル化セルロース繊維(ダイセル化学工業(株)、セリッシュKY−100G)固形分100質量部をエタノール2500質量部へ分散させ、10質量部のビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(信越化学工業製、KBE−846)を添加し、80℃で4時間反応させた。エタノールを留去し、変性ミクロフィブリルセルロース繊維SA−4を得た。
[ゴム組成物(SG−9)の製造]
変性セルロース繊維の種類及び量を表3の通りに変えた他は、応用参考例7−bに準じてゴム組成物SG−9を得た。
EPDM:エチレンプロピレンゴムEP−24、JSR(株)製
セルロース繊維:変性セルロース繊維から変性部分を除いたセルロース繊維分
応用実施例1−b〜22−bと応用比較例1−b〜4−bとから、本発明の樹脂組成物をゴム組成物に用いると、ゴムに対して、セルロース繊維の分散性が良好であることが分かる。
(標準サンプルの作製)
天然ゴム(TSR−20)とブタジエンゴム(Nipol BR1220 日本ゼオン(株)製)の質量比が75:25になるよう混合して作成したゴムに、老化防止剤1質量部、ステアリン酸2質量部、酸化亜鉛4質量部を追加投入して混練した。次いで、加硫促進剤1質量部及び硫黄2質量部を添加、混練した後、170℃でプレス加熱することで、加硫ゴム組成物の標準サンプルを得た。
先の応用実施例で得られた各ゴム組成物(G−8、RG−1〜RG−4、SG−1)に、老化防止剤1質量部、ステアリン酸2質量部、酸化亜鉛4質量部を追加投入して混練した。次いで、加硫促進剤1質量部及び硫黄2質量部を添加、混練した後、170℃でプレス加熱することで加硫ゴム組成物を得た。得られた加硫ゴム組成物は、JIS K6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準じて、50%伸び、100%伸び、及び200%伸びでの引張強さを測定し、下記の計算式から引張指数を算出した。その結果を表5に示す。引張指数が高いほど、標準サンプルより引張強さが向上しており、力学特性に優れている。
引張指数=(加硫ゴム組成物の各伸びにおける引張強さ)÷(標準サンプルの各伸びにおける引張強さ)×100
Claims (5)
- セルロース繊維に、アミノ基を有するシランカップリング剤(A)と、アミノ基と反応可能な官能基を有する疎水化剤(B)と、を反応させることによって得られ、
前記疎水化剤(B)が、アシルケテン等価体であり、
セルロース繊維100質量部に対し、前記シランカップリング剤(A)を3〜80質量部使用し、
前記シランカップリング剤(A)の全アミノ基に対し、前記疎水化剤(B)を10〜200モル%使用することを特徴とする、変性セルロース繊維の製造方法。 - セルロース繊維に、更に硫黄原子を有するシランカップリング剤(C)を反応させることによって得られ、
セルロース繊維100質量部に対し、前記シランカップリング剤(C)を1〜25質量部使用することを特徴とする、請求項1に記載の変性セルロース繊維の製造方法。 - 請求項1または2に記載の製造方法で得られた変性セルロース繊維を20〜75質量%、
数平均分子量が320〜60000であり、かつガラス転移点が100℃以下である解繊助剤(D)を25〜80質量%の割合で用いて微細化することを特徴とする、樹脂組成物の製造方法。 - 混練することにより変性セルロース繊維を微細化する工程を有する、請求項3に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 請求項3または4に記載の製造方法で得られた樹脂組成物を含有し、ゴム100質量部に対して変性セルロース繊維中から変性部分を除いたセルロース繊維分を0.01〜30質量部の割合で含有する、ゴム組成物の製造方法。
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