JP6849130B2 - 積層体ならびにそれを用いた導電性基材の製造方法および電子デバイスの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、導電層を有する積層体、ならびにそれを用いた導電性基材の製造方法および電子デバイスの製造方法に関するものである。
従来、基材上に導電層や加飾層として金属層を形成する方法としては、例えば転写シートを用いる方法が知られている(特許文献1〜5参照)。
特許文献1には、基材上に保護層、金属蒸着層および接着層が積層された金属蒸着層転写シートを用いたアンテナ端子部の形成方法が提案されている。特許文献1のような金属蒸着層の場合、金属蒸着層の下地層には耐熱性が求められる。そのため、基材としてPETフィルムのような安価な汎用プラスチックフィルムを用いる場合、耐熱性が低いため、製膜プロセスや金属種、膜厚等が制限されるという問題があり、基材上に保護層等を形成することで耐熱性を確保している。一方、基材としてポリイミドフィルムやPENフィルム、ガラスフィルムのような耐熱性の高い基材を用いることもできるが、これらの基材は高価であり、剥離除去される転写シートの基材に適しているとはいえない。
特許文献2には、基材である剥離シートと、剥離シート上に設けられた絶縁体層と、絶縁体層に接して配置された金属箔とを有し、金属箔が剥離シートに対して絶縁体層との間に生じる静電気の引力によって付着されている転写用金属箔シートが提案されている。特許文献2のような金属箔の場合、基材との密着性が低いという問題があり、基材上に絶縁体層等の樹脂層を形成することで密着性を確保している。
特許文献3には、樹脂フィルムと、樹脂フィルムの表面に接着剤を介して設けられた金属箔と、金属箔上に塗着された熱硬化性接着剤とを有する熱転写用フィルムを用い、さらに凸状のヒューズ素子のパターンを有する転写用金型を用いて、絶縁基板上に熱硬化性接着剤を介して金属箔を転写用金型のヒューズ素子のパターン形状に転写する金属箔ヒューズの製造法が提案されている。この場合も、樹脂フィルムの表面に接着剤を介して金属箔を設けることで樹脂フィルムおよび金属箔の密着性を確保している。
ところで、転写シートには、箔切れ性が要求される。しかしながら、金属蒸着層や金属箔には延性があるため、転写時にバリが発生し、箔切れ性が悪いという問題がある。また、金属蒸着層では、結晶粒が大きく成長する場合があり、その場合には当然に箔切れ性が悪くなる。なお、箔切れ性を良くするために、転写シートを凹凸を有する金型に挟み、ストレスをかけて切断してから転写を行う方法も提案されているが、工程が煩雑になる。
また、一般に金属は熱伝導率が高いため、金属蒸着層や金属箔では熱が拡散しやすく、転写に要するエネルギーが大きくなる傾向があり、転写シートの形状が歪むおそれがある。
また、転写シートを被転写体に転写する際には、金属蒸着層や金属箔と被転写体とを接着させるために、例えば接着層として熱可塑性樹脂等のヒートシール剤を用いる場合、熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上に加熱する。この際、被転写体と金属蒸着層または金属箔との密着力が、基材と金属蒸着層または金属箔との密着力よりも大きくなることで、熱転写が実現する。この場合、ヒートシール剤のみで上記の密着力を調整するには限界があるため、被転写体と金属蒸着層または金属箔との密着力を、基材と金属蒸着層または金属箔との密着力よりも大きくするために、例えば金属蒸着層や金属箔の接着層との接触面を荒らす等、微細な凹凸を形成することが提案されているが、工程が煩雑になる。
特許文献4には、基材であるドナー基板上に光吸収層および金属ナノ粒子層が積層されたドナーエレメントを用い、ドナーエレメントおよび受理基板を接触して配置し、ドナーエレメント側からレーザーを照射して金属ナノ粒子層をアニールし、転写することによって、受理基板上に電気導体のパターンを形成する方法が提案されている。しかしながら、この方法では電導材料として金属ナノ粒子を用いるために、粒子間の界面での電気抵抗が問題であり、所望の導電性を達成するためには、金属ナノ粒子を高温でアニールすることが必要である。そのため、基材はレーザーアニールの高熱に耐える必要があり、基材が制限され、安価な汎用プラスチックフィルムを用いることは困難となる。また、剥離除去される基材として耐熱性の高い高価な基材を用いなければならず、コスト高になる。
一方、特許文献5には、基材上に金属超微粒子相互の焼結体層が形成された転写シートを用いて、表面に接着層が形成された被転写基板上に金属超微粒子相互の焼結体層からなる配線パターンを形成する方法が提案されている。この方法では、金属超微粒子を用いることで、比較的低温であっても焼結することができる。
しかしながら、金属超微粒子は酸化されることで導電性が低下する場合があり、被転写基板に金属超微粒子相互の焼結体層を転写する際に、導電性が低下するおそれがある。
しかしながら、金属超微粒子は酸化されることで導電性が低下する場合があり、被転写基板に金属超微粒子相互の焼結体層を転写する際に、導電性が低下するおそれがある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、箔切れ性、転写性に優れ、導電性の良好な多孔性導電層を転写可能な積層体、ならびにこれを用いた導電性基材の製造方法および電子デバイスの製造方法を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、基材と、上記基材上に形成された多孔性導電層と、上記多孔性導電層上に形成された接着層とを有することを特徴とする積層体を提供する。
本発明においては、多孔性導電層の孔の内部に、接着層由来の成分、例えば接着層に含まれる樹脂を入り込ませることができる。そのため、熱拡散を起こりにくくすることができ、熱転写に有利である。また、多孔性導電層および接着層の密着性を高めることができ、優れた転写性を得ることができる。さらに、多孔性導電層を接着層に含まれる樹脂で保護することができ、転写時の多孔性導電層の酸化を抑制し、導電性の低下を抑制することができる。
また本発明においては、多孔性導電層を有するため、脆性が付与され、良好な箔切れ性、解像性を得ることができる。また、多孔性導電層は金属粒子を低温で焼結して形成することができるため、基材に損傷を与えることが少なく、耐熱性の高い基材を用いる必要はなく、耐熱性の低い基材も使用することができる。
また、本発明の積層体を用いることにより、導電性基材を容易に作製することができる。
また本発明においては、多孔性導電層を有するため、脆性が付与され、良好な箔切れ性、解像性を得ることができる。また、多孔性導電層は金属粒子を低温で焼結して形成することができるため、基材に損傷を与えることが少なく、耐熱性の高い基材を用いる必要はなく、耐熱性の低い基材も使用することができる。
また、本発明の積層体を用いることにより、導電性基材を容易に作製することができる。
また本発明においては、上記基材が樹脂基材であることが好ましい。上述したように、本発明においては耐熱性の低い基材も使用することができ、安価な汎用プラスチックの樹脂基材を用いることができる点で非常に有用である。
また本発明においては、上記基材と上記多孔性導電層との間に保護層が形成されていてもよい。転写後は保護層により多孔性導電層を保護することができる。また、絶縁性を有する保護層とすることにより、多孔性導電層を絶縁することができる。
また本発明は、上述の積層体を準備する準備工程と、被転写基材上に上記積層体の接着層および多孔性導電層を転写する転写工程とを有することを特徴とする導電性基材の製造方法を提供する。
本発明においては、上述の積層体を用いるため、箔切れ性、解像性、転写性に優れている。また、転写後も導電性の良好な多孔性導電層を得ることができる。さらに、導電性基材を容易に作製することができる。
上記発明においては、上記転写工程では、上記被転写基材上に上記積層体の接着層および多孔性導電層のパターンを転写してもよい。被転写基材上に多孔性導電層のパターンが形成された導電性基材を得ることができる。
また本発明は、上述の積層体を準備する準備工程と、上記積層体を成形型に配置し、上記成形型内に被転写基材用溶融樹脂を射出し、固化させて、被転写基材を成形すると同時に、上記被転写基材に上記積層体を転写する成形および転写工程と、上記積層体の基材を剥離する剥離工程とを有することを特徴とする導電性基材の製造方法を提供する。
本発明においては、上述の積層体を用いるため、箔切れ性、転写性に優れている。また、転写後も導電性の良好な多孔性導電層を得ることができる。さらに、立体形状の導電性基材を容易に作製することができる。
さらに本発明は、上述の導電性基材の製造方法により、導電性基材を作製する導電性基材作製工程を有することを特徴とする電子デバイスの製造方法を提供する。
本発明においては、上述の導電性基材の製造方法により導電性基材を作製するため、導電性の良好な多孔性導電層を形成することができる。また、例えば多孔性導電層のパターンを形成する場合には、高解像度のパターンを形成することができる。
本発明の積層体は、箔切れ性、転写性に優れており、導電性の良好な多孔性導電層を転写することが可能であるという効果を奏する。
以下、本発明の積層体、導電性基材の製造方法および電子デバイスの製造方法について詳細に説明する。
A.積層体
本発明の積層体は、基材と、上記基材上に形成された多孔性導電層と、上記多孔性導電層上に形成された接着層とを有することを特徴とするものである。
本発明の積層体は、基材と、上記基材上に形成された多孔性導電層と、上記多孔性導電層上に形成された接着層とを有することを特徴とするものである。
本発明の積層体について図面を参照して説明する。
図1は本発明の積層体の一例を示す概略断面図である。図1に示すように、積層体1は、基材2と、基材2上に形成された多孔性導電層3と、多孔性導電層3上に形成された接着層4とを有している。
図1は本発明の積層体の一例を示す概略断面図である。図1に示すように、積層体1は、基材2と、基材2上に形成された多孔性導電層3と、多孔性導電層3上に形成された接着層4とを有している。
図2(a)〜(c)は本発明の積層体を用いた導電性基材の製造方法の一例を示す工程図であり、図1に示す積層体を用いた例である。まず、図2(a)に示すように、積層体1および被転写基材11を準備する。次いで、図2(b)に示すように、積層体1の接着層4と被転写基材11とが接するように配置し、積層体1側から熱圧着する。その後、図2(c)に示すように、基材2を剥離する。これにより、熱圧着された領域では接着層4および多孔性導電層3が被転写基材11に転写され、導電性基材10が得られる。
図3(a)〜(c)は本発明の積層体を用いた導電性基材の製造方法の他の例を示す工程図であり、図1に示す積層体を用いた例である。まず、図3(a)に示すように、積層体1および被転写基材11を準備する。次いで、図3(b)に示すように、積層体1の接着層4と被転写基材11とが接するように配置し、積層体1側から熱圧着する。この際、サーマルヘッドプリンタのサーマルヘッド12等により部分的に熱圧着する。その後、図3(c)に示すように、基材2側を剥離する。これにより、熱圧着された領域では接着層4および多孔性導電層3が被転写基材11に転写され、接着層4および多孔性導電層3のパターンを有する導電性基材10が得られる。
本発明においては、多孔性導電層の孔の内部に、接着層由来の成分、例えば接着層に含まれる樹脂を入り込ませることができ、見かけ上、多孔性導電層および接着層由来の成分の混合物となることで、熱拡散を起こりにくくすることができる。したがって、本発明の積層体を被転写基材に転写する際には、熱が逃げにくいため、過剰に加熱する必要がなく、熱転写に有利である。
また本発明においては、上述したように、多孔性導電層の孔の内部に接着層由来の成分を入り込ませることができるので、多孔性導電層および接着層が接触する表面積が大きくなるのみならず、アンカー効果により多孔性導電層および接着層の密着性を高めることができる。したがって、本発明の積層体を被転写基材に転写する際には、被転写基材に接着層および多孔性導電層を良好に転写することができ、優れた転写性を得ることができる。
また、後述するように、多孔性導電層では、金属粒子同士が焼結し、融着しているため、多孔性導電層の孔の内部に接着層由来の成分が入り込んでいる領域も導電性に寄与する。そのため、導電性を低下させることなく、接着層との密着性を高めることができる。
また、金属や金属酸化物等の導電性材料は、酸化されることで導電性が低下する場合があり、本発明の積層体を被転写基材に転写する際に、多孔性導電層の導電性が低下するおそれがある。これに対し、本発明においては、上述したように、多孔性導電層の孔の内部に接着層に含まれる樹脂を入り込ませることができるため、本発明の積層体を被転写基材に転写する際には、多孔性導電層を接着層に含まれる樹脂で保護することができ、多孔性導電層の酸化を抑制することができる。したがって、転写時の多孔性導電層の導電性の低下を抑制することができる。
また本発明において、多孔性導電層は多孔質であるため、脆性が付与されるので、従来の蒸着層とは異なり、転写時にバリの発生が少なく、また大きな結晶粒が含まれることもない。したがって、良好な箔切れ性を得ることができる。さらに、図3(a)〜(c)に例示するように、本発明の積層体の接着層および多孔性導電層のパターンを被転写基材に転写する場合には、解像度良く転写することができる。
ここで、金属粒子はその粒子径を小さくすると、低温で焼結することが知られている。本発明においては、このような金属粒子がナノ粒子化するとその金属粒子の融点よりも格段に低い温度で焼結する性質を利用して、金属粒子を低温で焼結して多孔性導電層を形成することができる。したがって、基材に損傷を与えることが少なく、耐熱性の高い基材を用いる必要はなく、耐熱性の低い基材も使用することができる。特に、ポリエチレンテレフタレート等の安価な汎用プラスチックの樹脂基材を用いることができる点で非常に有用である。
また本発明において、多孔性導電層は、例えば基材上に金属粒子を含有する金属粒子分散液を塗布し、焼成することで形成することができ、基材との密着性が良好な多孔性導電層を得ることができる。したがって、密着性向上のために、基材上に別の層を形成したり表面処理を施したりする必要がない。
また、本発明の積層体を被転写基材に転写することにより、被転写基材上に多孔性導電層を形成することができるため、被転写基材として、従来では多孔性導電層を形成することが困難であった基材も用いることができる。そのため、ポリエチレンテレフタレート等の安価な汎用プラスチックの樹脂基材や、紙基材等の上に多孔性導電層が形成された導電性基材を得ることができる。さらには、立体物である被転写基材への多孔性導電層の形成も可能である。
以下、本発明の積層体における各構成について説明する。
1.多孔性導電層
本発明における多孔性導電層は、基材上に形成されるものである。
本発明における多孔性導電層は、基材上に形成されるものである。
ここで、多孔性導電層とは、多数の孔を有する導電層をいい、同じ体積を持つ孔の無い導電層よりも表面積が拡大されている。
多孔性導電層を構成する導電性材料としては、例えば金属、金属酸化物を挙げることができる。多孔性導電層を構成する導電性材料は1種でもよく2種以上であってもよい。
中でも、金属が好ましい。金属の粒子は、より低温で焼結して多孔性導電層を形成することができるからである。
中でも、金属が好ましい。金属の粒子は、より低温で焼結して多孔性導電層を形成することができるからである。
金属としては、例えば金、銀、銅、ニッケル、白金、パラジウム、モリブデン、アルミニウム、アンチモン、スズ、クロム、インジウム、ガリウム、ゲルマニウム、亜鉛、チタン、鉛等が挙げられる。中でも、導電性やコスト等の観点から、銀、銅が好ましい。金属は1種であってもよく2種以上であってもよい。
金属酸化物としては、例えば酸化インジウム錫、アンチモンドープ酸化錫等が挙げられる。
金属酸化物としては、例えば酸化インジウム錫、アンチモンドープ酸化錫等が挙げられる。
多孔性導電層中の孔の形状は、少なくとも一部の孔に接着層由来の成分が入り込める形状であればよく、特に限定されない。少なくとも多孔性導電層の接着層側の面には、多数の孔が互いに連結した連通孔を有することが好ましい。
多孔性導電層の空孔率としては、導電性および密着性を両立可能な範囲に適宜調整すればよく、特に限定されない。具体的には、多孔性導電層の空孔率は5%〜50%の範囲内であることが好ましく、中でも10%〜45%の範囲であることが好ましく、特に15%〜40%の範囲内であることが好ましい。空孔率が大きすぎると、多孔性導電層と基材との密着性が低下するおそれがある。また、空孔率が小さすぎると、多孔性導電層の孔の内部に接着層由来の成分が入り込むことによる上述の効果が十分に得られない場合がある。
なお、多孔性導電層の空孔率は、多孔性導電層を構成する材料が存在していない部分を表すものであり、接着層由来の成分が混在している部分も含まれる。
なお、多孔性導電層の空孔率は、多孔性導電層を構成する材料が存在していない部分を表すものであり、接着層由来の成分が混在している部分も含まれる。
空孔率は、接着層形成前の多孔性導電層の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)像から確認することができる。具体的には、得られたSEM像から孔の面積と多孔性導電層の面積とをそれぞれ算出し、孔の面積を多孔性導電層の面積で除することにより上記断面における空孔率を求めることができる。また、空孔率は、基材を除く多孔性導電層から算出し、基材と多孔性導電層と界面の孔は、多孔性導電層の方に含める。
また、空孔率は、積層体の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)像から確認することもできる。具体的には、得られたSEM像から孔の面積と、接着層由来の成分の面積と、多孔性導電層の面積とをそれぞれ算出し、孔の面積と接着層由来の成分の面積との合計を、多孔性導電層の面積で除することにより上記断面における空孔率を求めることができる。
積層体の大きさに応じて適宜複数の断面について同様に空孔率を求め、その平均値を多孔性導電層の空孔率とする。
空孔率は、後述する多孔性導電層の形成方法において、金属粒子分散液に用いられる金属粒子の粒子径や、分散剤の種類、焼成条件等により適宜調整することができる。
また、空孔率は、積層体の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)像から確認することもできる。具体的には、得られたSEM像から孔の面積と、接着層由来の成分の面積と、多孔性導電層の面積とをそれぞれ算出し、孔の面積と接着層由来の成分の面積との合計を、多孔性導電層の面積で除することにより上記断面における空孔率を求めることができる。
積層体の大きさに応じて適宜複数の断面について同様に空孔率を求め、その平均値を多孔性導電層の空孔率とする。
空孔率は、後述する多孔性導電層の形成方法において、金属粒子分散液に用いられる金属粒子の粒子径や、分散剤の種類、焼成条件等により適宜調整することができる。
多孔性導電層3は、図1に例示するように基材2上の全面に形成されていてもよく、図4(a)に例示するように基材2上にパターン状に形成されていてもよい。図4(a)に示すように多孔性導電層3が基材2上にパターン状に形成されている場合には、積層体1を部分的に転写しなくとも、図4(b)に示すように被転写基材11上に多孔性導電層3のパターンを転写することができる。
多孔性導電層の厚みは、0.01μm〜50μm程度であり、好ましくは0.05μm〜10μmの範囲内、特に好ましくは0.1μm〜5μmの範囲内である。
多孔性導電層の形成方法としては、基材上に金属粒子を含有する金属粒子分散液を塗布し、焼成する方法が用いられる。
なお、本願明細書において、金属粒子とは、金属状態の粒子に加えて、合金状態の粒子や、金属化合物の粒子等も含まれるものである。
なお、本願明細書において、金属粒子とは、金属状態の粒子に加えて、合金状態の粒子や、金属化合物の粒子等も含まれるものである。
金属粒子としては、焼成後に導電性を生じる金属粒子の中から適宜選択して用いることができる。
金属粒子を構成する金属としては、例えば金、銀、銅、ニッケル、白金、パラジウム、モリブデン、アルミニウム、アンチモン、スズ、クロム、インジウム、ガリウム、ゲルマニウム、亜鉛、チタン、鉛等が挙げられる。中でも、導電性やコスト等の観点から、銀、銅が好ましい。金属粒子を構成する金属は1種であってもよく2種以上であってもよい。また、2種以上の金属がコアシェル構造を形成しているものや、金属状態の粒子の表面が酸化または窒化されているもの等を用いてもよい。金属粒子は、表面が酸化されていてもよく、また内部まで酸化されていてもよい。
また、金属化合物の粒子を構成する金属化合物としては、例えば金属酸化物、金属窒化物、金属水素化物、金属水酸化物、有機金属化合物等が挙げられる。これらの金属化合物は、焼成時に分解されて金属状態となるものであることが好ましい。例えば、還元して導電性を発現する金属化合物の粒子、具体的には酸化第一銅、酸化第二銅、酸化銀、窒化銅、水素化銅等の金属化合物の粒子を挙げることができる。また、金属酸化物としては、例えば酸化インジウム錫、アンチモンドープ酸化錫等も挙げられる。
金属粒子は1種単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、金属状態の粒子が好ましい。金属状態の粒子は、より低温で焼結して多孔性導電層を形成することができるからである。
金属粒子を構成する金属としては、例えば金、銀、銅、ニッケル、白金、パラジウム、モリブデン、アルミニウム、アンチモン、スズ、クロム、インジウム、ガリウム、ゲルマニウム、亜鉛、チタン、鉛等が挙げられる。中でも、導電性やコスト等の観点から、銀、銅が好ましい。金属粒子を構成する金属は1種であってもよく2種以上であってもよい。また、2種以上の金属がコアシェル構造を形成しているものや、金属状態の粒子の表面が酸化または窒化されているもの等を用いてもよい。金属粒子は、表面が酸化されていてもよく、また内部まで酸化されていてもよい。
また、金属化合物の粒子を構成する金属化合物としては、例えば金属酸化物、金属窒化物、金属水素化物、金属水酸化物、有機金属化合物等が挙げられる。これらの金属化合物は、焼成時に分解されて金属状態となるものであることが好ましい。例えば、還元して導電性を発現する金属化合物の粒子、具体的には酸化第一銅、酸化第二銅、酸化銀、窒化銅、水素化銅等の金属化合物の粒子を挙げることができる。また、金属酸化物としては、例えば酸化インジウム錫、アンチモンドープ酸化錫等も挙げられる。
金属粒子は1種単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、金属状態の粒子が好ましい。金属状態の粒子は、より低温で焼結して多孔性導電層を形成することができるからである。
金属粒子は金属ナノ粒子であることが好ましい。すなわち、多孔性導電層は、金属ナノ粒子の焼結体であることが好ましい。金属ナノ粒子を含有する金属粒子分散液を塗布し、焼成して多孔性導電層を形成する場合には、孔径や結晶粒径を箔切れ性に好適な範囲に制御することができるからである。
金属粒子の平均粒子径は、1nm〜200nmの範囲であることが好ましく、中でも2nm〜150nmの範囲内、特に2nm〜100nmの範囲内が好ましい。平均粒子径が上記範囲内であると、多孔性導電層を形成する際に用いられる金属粒子分散液の分散安定性が良好であり、多孔性導電層を形成した際の導電性が良好となり、また融点が低く維持され、十分な焼結が可能であり、高い導電性が得られる。
ここで、金属粒子の平均粒子径は、金属粒子分散液中の金属粒子の平均1次粒子径であり、透過型電子顕微鏡による観察像から測定することができる。
ここで、金属粒子の平均粒子径は、金属粒子分散液中の金属粒子の平均1次粒子径であり、透過型電子顕微鏡による観察像から測定することができる。
金属粒子の調製方法としては、例えば、メカノケミカル法等による金属粉または金属酸化物粉を粉砕して得る物理的な方法;CVD法や蒸着法、スパッタ法、熱プラズマ法、レーザー法のような化学的な乾式法;熱分解法、化学還元法、電気分解法、超音波法、レーザーアブレーション法、超臨界流体法、マイクロ波合成法等による化学的な湿式法と呼ばれる方法が挙げられる。
得られた金属粒子は、金属粒子分散液とするために、金属粒子を、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子化合物やグラフト共重合高分子化合物のような保護剤、界面活性剤、金属または金属酸化物と相互作用するようなチオール基やアミノ基、水酸基、カルボキシル基を有する化合物で被覆することが好ましい。また、金属粒子の合成法によっては、原料の熱分解物や酸化物が粒子表面を保護し、分散性に寄与する場合もある。熱分解法や化学還元法等の湿式法の場合は、還元剤等がそのまま金属粒子の保護剤として作用することがある。また、金属粒子分散液の分散安定性を高めるために、金属粒子の表面処理を行ったり、金属粒子分散液に高分子化合物、イオン性化合物、界面活性剤等からなる分散剤を添加したりしてもよい。
金属粒子分散液に用いられる分散媒としては、金属粒子を分散させるものであれば特に限定されるものではなく、例えば水、有機溶媒を用いることができる。有機溶媒としては、例えばアルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素等が挙げられる。
また、金属粒子分散液には、必要に応じて、粘度調整剤、表面張力調整剤、あるいは安定剤等を添加してもよい。
金属粒子分散液は、固形分濃度が5質量%〜95質量%の範囲内であることが好ましく、中でも10質量%〜90質量%の範囲内、特に15質量%〜85質量%の範囲内であることが好ましい。固形分濃度が上記範囲内であると、十分な導電性が得られ、また粘度が十分に低く、基材への金属粒子分散液の塗布が容易である。
基材上に金属粒子分散液を塗布する際には、基材上の全面に金属粒子分散液を塗布してもよく、基材上にパターン状に金属粒子分散液を塗布してもよい。
基材上に金属粒子分散液を塗布する方法としては、例えば、グラビア印刷、スクリーン印刷、スプレーコート、スピンコート、コンマコート、バーコート、ナイフコート、ダイコート、オフセット印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、ディスペンサ印刷等を挙げることができる。基材上にパターン状に金属粒子分散液を塗布する場合には、微細なパターニングを行うことができるという観点から、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷が好ましい。
基材上に金属粒子分散液を塗布する方法としては、例えば、グラビア印刷、スクリーン印刷、スプレーコート、スピンコート、コンマコート、バーコート、ナイフコート、ダイコート、オフセット印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、ディスペンサ印刷等を挙げることができる。基材上にパターン状に金属粒子分散液を塗布する場合には、微細なパターニングを行うことができるという観点から、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷が好ましい。
金属粒子分散液の塗布後は、通常の方法で乾燥を行ってもよい。例えば、一般的なオーブン等を用いて、80℃〜140℃程度の温度で0.1分〜20分程度加熱する乾燥方法が挙げられる。乾燥後の塗膜の厚みは、塗布量や金属粒子の平均粒子径等を調整することで制御することができるが、通常、0.01μm〜100μm程度であり、好ましくは0.1μm〜50μmの範囲内である。
金属粒子分散液の塗膜を焼成する方法としては、金属粒子を焼結できる方法であればよく、一般的な焼成方法を適用することができる。例えば、加熱処理、光処理、プラズマ処理による方法等が挙げられる。塗膜を焼成することにより、金属粒子の焼結体からなる多孔性導電層が得られる。
加熱処理としては、例えばホットプレート加熱、熱風加熱、熱板や熱ロールによるホットプレス法が挙げられる。
光処理としては、例えばレーザー処理、紫外線ランプ処理、赤外線ランプ処理、遠赤外線ランプ処理、フラッシュ光ランプ処理等が挙げられる。
プラズマ処理は、還元性を示す水素、一酸化炭素、アンモニア、アルコール等のガスを電離してプラズマ状態とし、反応性の高い活性種を生成させる処理であり、例えば、電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマ、容量結合プラズマ、誘導結合プラズマ、大気圧プラズマ、マイクロ波プラズマ、マイクロ波エネルギーの印加により発生する表面波プラズマ等が挙げられる。中でも、表面波プラズマ処理が好ましい。
なお、上記の焼成方法は、2種以上を組み合わせて用いることができる。
加熱処理としては、例えばホットプレート加熱、熱風加熱、熱板や熱ロールによるホットプレス法が挙げられる。
光処理としては、例えばレーザー処理、紫外線ランプ処理、赤外線ランプ処理、遠赤外線ランプ処理、フラッシュ光ランプ処理等が挙げられる。
プラズマ処理は、還元性を示す水素、一酸化炭素、アンモニア、アルコール等のガスを電離してプラズマ状態とし、反応性の高い活性種を生成させる処理であり、例えば、電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマ、容量結合プラズマ、誘導結合プラズマ、大気圧プラズマ、マイクロ波プラズマ、マイクロ波エネルギーの印加により発生する表面波プラズマ等が挙げられる。中でも、表面波プラズマ処理が好ましい。
なお、上記の焼成方法は、2種以上を組み合わせて用いることができる。
マイクロ波表面波プラズマは、プラズマ密度が高く、電子温度が低い特性を有し、塗膜を低温かつ短時間で焼成処理することが可能であり、緻密かつ平滑な多孔性導電層を形成することができる。表面波プラズマは、処理面に対して、面内で均一の密度のプラズマが照射される。その結果、他の焼成方式と比べて、面内で部分的に金属粒子の焼結が進行する等、不均一な膜が形成されることが少なく、また粒成長を防ぐことができるため、非常に緻密で、平滑な膜が得られる。また、面内処理室内に電極を設ける必要がないので、電極由来の不純物のコンタミネーションを防ぐことができ、また処理材料に対して異常な放電によるダメージを防ぐことができる。さらに、樹脂基材を用いる場合には、樹脂基材のダメージが少なく、またその他の層へのダメージも少ない。
また、マイクロ波表面波プラズマは、樹脂基材に対する多孔性導電層の密着性を高めるのに好適である。この理由としては、マイクロ波表面波プラズマは、基材と多孔性導電層との界面で水酸基やカルボキシル基等の極性官能基を発生させやすいためと推測される。特にポリエステル基材に対して、還元性ガス雰囲気下で発生するプラズマを用いた場合には、基材のエステル結合に、還元性ガスを有するガスのプラズマが反応し、基材の界面側に改質が起こり、極性の高い反応基が多く発生するために、多孔性導電層と基材との界面での密着性が向上するものと推察している。したがって、マイクロ波表面波プラズマは、従来のように基材表面を予めプラズマ処理等により粗化して、多孔性導電層との密着性を向上させる方法に比較しても、基材と多孔性導電層との密着性が高い点で優れている。
なお、マイクロ波表面波プラズマの条件については、例えば特開2010−86825号公報に記載の条件を適用することができる。
焼成時の雰囲気としては、多孔性導電層を構成する導電性材料の種類に応じて適宜選択される。
金属を含有する多孔性導電層を形成する場合には、不活性ガスまたは還元性ガスの雰囲気とすることが好ましく、中でも還元性ガスとすることが好ましい。還元性ガス雰囲気の場合、金属粒子表面に存在する酸化物が還元除去され、導電性の良好な多孔性導電層を形成することができる。そのため、金属を含有する多孔性導電層を形成する場合には、金属粒子として、表面が酸化されている金属粒子や、内部まで酸化されている金属粒子を用いることができる。
金属を含有する多孔性導電層を形成する場合には、不活性ガスまたは還元性ガスの雰囲気とすることが好ましく、中でも還元性ガスとすることが好ましい。還元性ガス雰囲気の場合、金属粒子表面に存在する酸化物が還元除去され、導電性の良好な多孔性導電層を形成することができる。そのため、金属を含有する多孔性導電層を形成する場合には、金属粒子として、表面が酸化されている金属粒子や、内部まで酸化されている金属粒子を用いることができる。
還元性ガスとしては、例えば、水素、一酸化炭素、アンモニア、およびこれらの混合ガス等が挙げられる。中でも、水素ガスが好ましい。金属粒子表面に付着した有機物の除去には水素ガスが好適である。
還元性ガスには、窒素、ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトン、キセノン等の不活性ガスを混合してもよい。この場合、プラズマが発生し易くなる等の効果がある。
還元性ガスには、窒素、ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトン、キセノン等の不活性ガスを混合してもよい。この場合、プラズマが発生し易くなる等の効果がある。
一方、金属酸化物を含有する多孔性導電層を形成する場合には、窒素やアルゴン等の不活性ガスと、必要に応じて酸素とを含んだ雰囲気とすればよい。
さらに、銅を含有する多孔性導電層を形成する場合には、水素プラズマや窒素プラズマによる方法が好ましい。特に水素プラズマで行うことで、3×10−6Ω・cm〜3×10−5Ω・cm程度の比抵抗が得られ、また基材との密着性が良好な多孔性導電層を形成することができるからである。
焼成温度としては、金属粒子を焼結できる温度であればよく、金属粒子の種類や粒子径、焼成方法等に応じて適宜選択される。中でも、焼成温度は、基材の耐熱温度以下であることが好ましく、銀粒子を例とすれば、100℃〜150℃の範囲内が好ましい。
焼成時間としては、金属粒子の種類、焼成方法等に応じて適宜選択される。例えば銀粒子を加熱処理により焼成する場合、焼成時間は10分〜120分の範囲内、中でも15分〜40分の範囲内であることが好ましい。また、例えば銅粒子を水素プラズマにより焼成する場合、焼成時間は1分〜10分の範囲内、中でも2分〜5分の範囲内であることが好ましい。
焼成時間としては、金属粒子の種類、焼成方法等に応じて適宜選択される。例えば銀粒子を加熱処理により焼成する場合、焼成時間は10分〜120分の範囲内、中でも15分〜40分の範囲内であることが好ましい。また、例えば銅粒子を水素プラズマにより焼成する場合、焼成時間は1分〜10分の範囲内、中でも2分〜5分の範囲内であることが好ましい。
2.接着層
本発明における接着層は、上記多孔性導電層上に形成されるものである。接着層は、本発明の積層体を被転写基材に転写する際に、多孔性導電層と被転写基材とを接着させる機能を有するものである。
本発明における接着層は、上記多孔性導電層上に形成されるものである。接着層は、本発明の積層体を被転写基材に転写する際に、多孔性導電層と被転写基材とを接着させる機能を有するものである。
接着層の材料としては、例えば熱可塑性樹脂や、光照射により粘着性または接着性が低下する感光性樹脂が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、多孔性導電層と被転写基材とを接着できるものであれば特に限定されるものではなく、積層体が転写される被転写基材の種類に応じて適宜選択される。例えば、転写箔に用いられる一般的な熱可塑性樹脂を用いることができる。また、熱可塑性樹脂は、加熱し、溶融または軟化して、粘着性または接着性を発現するものであればよく、一部が硬化する硬化性樹脂を用いてもよい。具体的には、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アミド樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、天然ゴム、カゼイン、ゼラチン、ロジン樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、スチレン樹脂、シリコーン樹脂、スチロール樹脂、ポリオレフィン、ウレタン樹脂、アイオノマー樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等の従来の接着剤として既知のものが広く使用できる。熱可塑性樹脂は1種単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
光照射により粘着性または接着性が低下する感光性樹脂としては、例えば紫外線、可視光線、赤外線等の特定波長の光の照射によって硬化し、粘着性または接着性が低下するものであり、かつ、光未照射部では多孔性導電層と被転写基材とを接着できるものを用いることができる。具体的には、多官能(メタ)アクリル樹脂に光重合開始剤を処方したもの、あるいはエポキシ樹脂に光酸発生剤または光塩基発生剤を処方した光硬化性ワニス等、既知のものが広く使用できる。また、溶剤希釈型、W/Oエマルジョン型、溶剤を含まないノンソル型を用いてもよい。このような感光性樹脂は1種単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
また、接着層には、熱可塑性樹脂または感光性樹脂以外に添加剤が含まれていてもよい。熱可塑性樹脂の場合、添加剤としては、例えば分散剤、充填剤、可塑剤、帯電防止剤等を挙げることができる。
熱可塑性樹脂を用いる場合、接着層4は、図1に例示するように基材2上の全面に形成されていてもよく、図5(a)に例示するように基材2上にパターン状に形成されていてもよい。図5(a)に示すように接着層4が基材2上にパターン状に形成されている場合には、積層体1を部分的に転写しなくとも、図5(c)に示すように被転写基材11上に多孔性導電層3のパターンを転写することができる。
また、光照射により粘着性または接着性が低下する感光性樹脂を用いる場合、接着層4は、通常、図6(a)に例示するように基材2上の全面に形成される。
図6(a)〜(d)は本発明の積層体を用いた導電性基材の製造方法の他の例を示す工程図であり、接着層4に光照射により粘着性または接着性が低下する感光性樹脂を用いた例である。まず、図6(a)に示すように、基材2上に多孔性導電層3および接着層4が順に積層された積層体1を準備し、接着層4にフォトマスク15を介して光16をパターン状に照射し、接着層4の光照射部での粘着性または接着性を低下させ、低接着部4bを形成する。次に、図6(b)〜(c)に示すように、積層体1の接着層4と被転写基材11とが接するように配置し、密着させる。その後、図6(d)に示すように、基材2側を剥離する。接着層4は、光未照射部である接着部4aと、光照射部であり粘着性または接着性が低下した低接着部4bとを有するため、接着部4aでは被転写基材11との接着性が高くなるが、低接着部4bでは被転写基材11との接着性が低くなる。そのため、基材2側を剥離する際に、低接着部4bでは基材2とともに多孔性導電層3および接着層4が剥離し、接着部4aでは被転写基材11と接着して多孔性導電層3が転写される。これにより、接着層4および多孔性導電層3のパターンを有する導電性基材10が得られる。この場合にも、積層体1を部分的に転写しなくとも、被転写基材11上に多孔性導電層3のパターンを転写することができる。
図6(a)〜(d)は本発明の積層体を用いた導電性基材の製造方法の他の例を示す工程図であり、接着層4に光照射により粘着性または接着性が低下する感光性樹脂を用いた例である。まず、図6(a)に示すように、基材2上に多孔性導電層3および接着層4が順に積層された積層体1を準備し、接着層4にフォトマスク15を介して光16をパターン状に照射し、接着層4の光照射部での粘着性または接着性を低下させ、低接着部4bを形成する。次に、図6(b)〜(c)に示すように、積層体1の接着層4と被転写基材11とが接するように配置し、密着させる。その後、図6(d)に示すように、基材2側を剥離する。接着層4は、光未照射部である接着部4aと、光照射部であり粘着性または接着性が低下した低接着部4bとを有するため、接着部4aでは被転写基材11との接着性が高くなるが、低接着部4bでは被転写基材11との接着性が低くなる。そのため、基材2側を剥離する際に、低接着部4bでは基材2とともに多孔性導電層3および接着層4が剥離し、接着部4aでは被転写基材11と接着して多孔性導電層3が転写される。これにより、接着層4および多孔性導電層3のパターンを有する導電性基材10が得られる。この場合にも、積層体1を部分的に転写しなくとも、被転写基材11上に多孔性導電層3のパターンを転写することができる。
接着層の厚みとしては、本発明の積層体を被転写基材に転写する際に箔切れが可能な厚みであれば特に限定されるものではなく、転写方法や、被転写基材の種類等によって適宜選択される。具体的には、接着層の厚みは、0.1μm〜50μmの範囲内であることが好ましく、1μm〜25μmの範囲内であることがより好ましい。接着層の厚みが薄すぎると、被転写基材との接着性が不十分になってしまう可能性がある。また、厚すぎると、本発明の積層体を転写する際に、接着層を加熱する温度が高くなりすぎてしまい、被転写基材等に損傷が生じてしまう可能性がある。また、例えば被転写基材が紙基材である場合、紙基材には種類によって転写しにくいものがあるが、その場合には転写性の観点から、接着層の厚みは上記範囲の中でも比較的厚いことが好ましい。また、例えば射出成形等の一体成形により本発明の積層体を被転写基材に転写する場合には、接着層の厚みは上記範囲の中でも比較的厚いことが好ましい。
接着層の形成方法としては、例えば多孔性導電層上に樹脂組成物を塗布し、乾燥する方法が挙げられる。樹脂組成物の塗布方法としては、一般的な塗布方法から適宜選択して適用することができる。
また、図5(b)に例示するように、接着層4上に非接着層5がパターン状に形成されていてもよい。この場合にも、積層体1を部分的に転写しなくとも、図5(c)に示すように被転写基材11上に多孔性導電層3のパターンを転写することができる。
非接着層の材料としては、例えば接着層が溶融する温度に対して溶融しない熱可塑性樹脂や、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等が挙げられる。
非接着層の厚みとしては、本発明の積層体を被転写基材に転写する際に、接着層と被転写基材とを接着させることが可能な厚みであればよく、転写方法や、被転写基材の種類等によって適宜選択される。具体的には、非接着層の厚みは、100nm〜3μmの範囲内であることが好ましい。
非接着層の形成方法としては、例えば接着層上に樹脂組成物をパターン状に塗布し、乾燥し、必要に応じて硬化する方法が挙げられる。樹脂組成物の塗布方法としては、一般的な塗布方法から適宜選択して適用することができる。
非接着層の材料としては、例えば接着層が溶融する温度に対して溶融しない熱可塑性樹脂や、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等が挙げられる。
非接着層の厚みとしては、本発明の積層体を被転写基材に転写する際に、接着層と被転写基材とを接着させることが可能な厚みであればよく、転写方法や、被転写基材の種類等によって適宜選択される。具体的には、非接着層の厚みは、100nm〜3μmの範囲内であることが好ましい。
非接着層の形成方法としては、例えば接着層上に樹脂組成物をパターン状に塗布し、乾燥し、必要に応じて硬化する方法が挙げられる。樹脂組成物の塗布方法としては、一般的な塗布方法から適宜選択して適用することができる。
3.基材
本発明に用いられる基材は、上記の多孔性導電層および接着層を支持するものである。
基材としては、上記多孔性導電層を形成可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ガラス基板、セラミックス基板等の無機基材や、金属基材、樹脂基材、紙基材等を用いることができる。
中でも、基材は樹脂基材であることが好ましい。本発明においては、金属粒子を低温で焼結して多孔性導電層を形成することができるため、基材に損傷を与えることが少なく、耐熱性の高い基材を用いる必要はなく、耐熱性の低い基材も使用することができる。特に、ポリエチレンテレフタレート等の安価な汎用プラスチックの樹脂基材を用いることができる点で非常に有用である。
本発明に用いられる基材は、上記の多孔性導電層および接着層を支持するものである。
基材としては、上記多孔性導電層を形成可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ガラス基板、セラミックス基板等の無機基材や、金属基材、樹脂基材、紙基材等を用いることができる。
中でも、基材は樹脂基材であることが好ましい。本発明においては、金属粒子を低温で焼結して多孔性導電層を形成することができるため、基材に損傷を与えることが少なく、耐熱性の高い基材を用いる必要はなく、耐熱性の低い基材も使用することができる。特に、ポリエチレンテレフタレート等の安価な汎用プラスチックの樹脂基材を用いることができる点で非常に有用である。
樹脂基材としては、一般的な樹脂基材を用いることができる。樹脂基材の好適な具体例としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ガラス−エポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリノルボルネン等のポリシクロオレフィン、液晶性高分子化合物等の樹脂フィルムが挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレート等の安価な汎用プラスチックの樹脂基材が好適である。
基材は可撓性を有していてもよく剛性を有していてもよく、本発明の積層体を被転写基材に転写する方法等に応じて適宜選択される。中でも、基材は可撓性を有することが好ましく、上述の理由から、可撓性を有する樹脂基材であることがより好ましい。
また、基材の表面には、離型層が形成されていてもよく、離型処理が施されていてもよい。基材と多孔性導電層または保護層との剥離が容易となるからである。
離型層の材料としては、例えばフッ素系離型剤、シリコーン系離型剤、ワックス系離型剤等が挙げられる。離型層の形成方法としては、例えば離型剤をディップコート、スプレーコート、ロールコート等の塗布法により塗布する方法が挙げられる。
また、離型処理としては、例えばフッ素処理、シリコーン処理等の表面処理が挙げられる。
離型層の材料としては、例えばフッ素系離型剤、シリコーン系離型剤、ワックス系離型剤等が挙げられる。離型層の形成方法としては、例えば離型剤をディップコート、スプレーコート、ロールコート等の塗布法により塗布する方法が挙げられる。
また、離型処理としては、例えばフッ素処理、シリコーン処理等の表面処理が挙げられる。
基材の厚みとしては、特に限定されるものではないが、無機基材の場合には、通常0.1mm〜10mm程度であり、好ましくは0.5mm〜5mmの範囲内である。一方、樹脂基材の場合には、基材の厚みは、通常1.0μm〜1000μm程度である。樹脂基材の厚みが上記範囲内であると、多孔性導電層を形成する際に基材の変形が抑制され、形成される多孔性導電層の形状安定性の点で好適であり、また巻き取り加工を連続して行う場合に柔軟性の点で好適である。
4.その他の構成
本発明の積層体は、上記の基材、多孔性導電層および接着層以外に、必要に応じて他の構成を有していてもよい。例えば、基材の多孔性導電層の形成面とは反対側の面に帯電防止層、耐熱保護層、耐擦層、滑性層等が設けられていてもよい。また、基材と多孔性導電層との間に保護層が形成されていてもよい。以下、保護層について説明する。
本発明の積層体は、上記の基材、多孔性導電層および接着層以外に、必要に応じて他の構成を有していてもよい。例えば、基材の多孔性導電層の形成面とは反対側の面に帯電防止層、耐熱保護層、耐擦層、滑性層等が設けられていてもよい。また、基材と多孔性導電層との間に保護層が形成されていてもよい。以下、保護層について説明する。
(保護層)
本発明においては、図7(a)に例示するように、基材2と多孔性導電層3との間に保護層6が形成されていてもよい。保護層6は、図7(b)に示すように、多孔性導電層3が積層体1から被転写基材11へと転写された後は、導電性基材10の最外層となるため、摩耗や光、薬品等から多孔性導電層3を保護することができる。また、絶縁性を有する保護層とすることにより、多孔性導電層を絶縁することができる。
本発明においては、図7(a)に例示するように、基材2と多孔性導電層3との間に保護層6が形成されていてもよい。保護層6は、図7(b)に示すように、多孔性導電層3が積層体1から被転写基材11へと転写された後は、導電性基材10の最外層となるため、摩耗や光、薬品等から多孔性導電層3を保護することができる。また、絶縁性を有する保護層とすることにより、多孔性導電層を絶縁することができる。
保護層の材料としては、多孔性導電層を保護することができ、絶縁性を有するものであればよく、例えば紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等が挙げられる。また、保護層は、フィラーをさらに含有していてもよい。
また、保護層として、保護フィルムを用いてもよい。
また、保護層として、保護フィルムを用いてもよい。
保護層の形成方法としては、例えば基材上に硬化性樹脂組成物を塗布し、乾燥する方法が挙げられる。硬化性樹脂組成物の塗布方法としては、例えばグラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビアリバースロールコーティング法等が挙げられる。
保護層として保護フィルムを用いる場合には、基材と保護フィルムとを弱粘着層を介して貼り合わせることができる。弱粘着層は、基材を剥離する際に、基材とともに弱粘着層も剥離可能なものであることが好ましい。
保護層として保護フィルムを用いる場合には、基材と保護フィルムとを弱粘着層を介して貼り合わせることができる。弱粘着層は、基材を剥離する際に、基材とともに弱粘着層も剥離可能なものであることが好ましい。
保護層の厚みは、0.5μm〜30μmの範囲内であることが好ましく、3μm〜15μmの範囲内であることがより好ましい。保護層の厚みが上記範囲内であると、優れた高硬度性、耐スクラッチ性、耐薬品性および耐汚染性等の表面物性が得られ、さらに優れた成形性および形状追従性を得ることができる。
5.用途
本発明の積層体は、後述するように導電性基材の作製に用いることができ、例えば、プリント配線基板、電磁波シールド材、アンテナ、パワー半導体、ノイズフィルタ、コンデンサ電極、各種センサー用電極(タッチセンサー、バイオセンサー、温度センサー、ガスセンサー、光センサー、圧力センサー、フローセンサー)、ディスプレイ用電極、太陽電池用電極、ICカード、RFID等の作製、および接合材、コネクタ材に利用することができる。
また、本発明の積層体は、非接触型ICカードに記録された情報の不正読み取りを防止するための電磁波シールド層、共振周波数を変調させるための導電層として使用することができる。例えば、カードの一部に多孔性導電層を付与して読み取りができない状態として輸送し、使用時に接着層ごとスクラッチして取り除くことが可能である。本発明の積層体は、多孔性導電層を有するので、接着層の粘着力を制御することで、スクラッチで容易に剥離させることが可能である。
また、本発明の積層体は、多孔性導電層の色や光沢を活かした意匠、デザイン、文字等の形成にも利用できる。
本発明の積層体は、後述するように導電性基材の作製に用いることができ、例えば、プリント配線基板、電磁波シールド材、アンテナ、パワー半導体、ノイズフィルタ、コンデンサ電極、各種センサー用電極(タッチセンサー、バイオセンサー、温度センサー、ガスセンサー、光センサー、圧力センサー、フローセンサー)、ディスプレイ用電極、太陽電池用電極、ICカード、RFID等の作製、および接合材、コネクタ材に利用することができる。
また、本発明の積層体は、非接触型ICカードに記録された情報の不正読み取りを防止するための電磁波シールド層、共振周波数を変調させるための導電層として使用することができる。例えば、カードの一部に多孔性導電層を付与して読み取りができない状態として輸送し、使用時に接着層ごとスクラッチして取り除くことが可能である。本発明の積層体は、多孔性導電層を有するので、接着層の粘着力を制御することで、スクラッチで容易に剥離させることが可能である。
また、本発明の積層体は、多孔性導電層の色や光沢を活かした意匠、デザイン、文字等の形成にも利用できる。
B.導電性基材の製造方法
本発明の導電性基材の製造方法は、2つの実施態様を有する。以下、各実施態様に分けて説明する。
本発明の導電性基材の製造方法は、2つの実施態様を有する。以下、各実施態様に分けて説明する。
1.第1実施態様
本実施態様の導電性基材の製造方法は、上述の積層体を準備する準備工程と、被転写基材上に上記積層体の接着層および多孔性導電層を転写する転写工程とを有することを特徴とする製造方法である。
本実施態様の導電性基材の製造方法は、上述の積層体を準備する準備工程と、被転写基材上に上記積層体の接着層および多孔性導電層を転写する転写工程とを有することを特徴とする製造方法である。
図2(a)〜(c)および図3(a)〜(c)は本実施態様の導電性基材の製造方法の一例を示す工程図である。なお、図2(a)〜(c)および図3(a)〜(c)については、上記「A.積層体」に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。
本実施態様においては、多孔性導電層の孔の内部に、接着層由来の成分、例えば接着層に含まれる樹脂を入り込ませることができ、見かけ上、多孔性導電層および接着層由来の成分の混合物となることで、熱拡散を起こりにくくすることができる。したがって、転写工程では、熱が逃げにくいため、過剰に加熱する必要がなく、熱転写に有利である。
また本実施態様においては、上述したように、多孔性導電層の孔の内部に接着層由来の成分を入り込ませることができ、多孔性導電層および接着層の密着性を高めることができる。したがって、転写工程では、被転写基材上に接着層および多孔性導電層を良好に転写することができ、優れた転写性を得ることができる。
また本実施態様においては、上述したように、多孔性導電層の孔の内部に接着層に含まれる樹脂を入り込ませることができるため、転写工程では、多孔性導電層を接着層に含まれる樹脂で保護することができ、多孔性導電層の酸化を抑制することができる。したがって、転写工程における多孔性導電層の導電性の低下を抑制することができる。
また本実施態様においては、積層体が多孔性導電層を有するため、箔切れ性が良好であり、被転写基材上に積層体の接着層および多孔性導電層を良好に転写することができる。さらに、図3(a)〜(c)に例示するように、積層体の接着層および多孔性導電層のパターンを被転写基材上に転写する場合には、解像度良く転写することができる。
また、被転写基材上に接着層および多孔性導電層を転写するため、被転写基材として、従来では多孔性導電層を形成することが困難であった基材も用いることができる。そのため、ポリエチレンテレフタレート等の安価な汎用プラスチックの樹脂基材や、紙基材等の被転写基材上に多孔性導電層が形成された導電性基材を得ることができる。さらには、立体物である被転写基材への多孔性導電層の形成も可能である。また、被転写基材上に接着層および多孔性導電層を転写するだけで、容易に導電性基材を作製することができる。
また本実施態様においては、金属粒子を低温で焼結して多孔性導電層を形成することができるため、積層体の基材として、耐熱性の高い基材を用いる必要はなく、耐熱性の低い基材も使用することができる。特に、ポリエチレンテレフタレート等の安価な汎用プラスチックの樹脂基材を用いることができる。したがって、製造コストを削減することができる。
以下、本実施態様の導電性基材の製造方法における各工程について説明する。
(1)準備工程
本実施態様における準備工程は、上述の積層体を準備する工程である。
なお、積層体については、上記「A.積層体」に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。
本実施態様における準備工程は、上述の積層体を準備する工程である。
なお、積層体については、上記「A.積層体」に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。
(2)転写工程
本実施態様における転写工程は、被転写基材上に上記積層体の接着層および多孔性導電層を転写する工程である。
本実施態様における転写工程は、被転写基材上に上記積層体の接着層および多孔性導電層を転写する工程である。
被転写基材としては、接着層を介して多孔性導電層を転写することができるものであれば特に限定されるものではなく、導電性基材の用途等に応じて適宜選択される。例えば、樹脂基材、紙基材、ガラス基材、金属基材等が挙げられる。
被転写基材上に積層体の接着層および多孔性導電層を転写する方法としては、被転写基材上の所定の位置に接着層を接着させることができる方法であれば特に限定されるものではなく、接着層の材料に応じて適宜選択される。
熱可塑性樹脂を用いる場合、熱転写方法としては、例えば加熱ローラーまたはホットスタンプを用いる方法、熱プレスする方法等が挙げられる。
また、熱転写方法としては、図8(a)〜(d)に例示するような成形型を用いる方法も挙げられる。図8(a)〜(d)に示す導電性基材の製造方法においては、まず、図8(a)に示すような積層体1を準備する。なお、積層体1は、図1に示す積層体1と同様である。次に、図8(a)に示すように、積層体1の接着層4と被転写基材11とが接するように積層し、積層体1および被転写基材11を、積層体1の基材2が上型23と対向し、被転写基材11が下型24と対向するように上型23および下型24を有する成形型に配置する。続いて、図8(b)に示すように、成形型を加熱しながら型締めして、積層体1および被転写基材11を成形すると同時に、被転写基材11に積層体1を熱転写する。これにより、被転写基材11と積層体1とを一体化させる。次いで、図8(c)に示すように、一体化した積層体1と被転写基材11とを成形型から取り出し、図8(d)に示すように、積層体1から基材2を剥離する。これにより、被転写基材11上に接着層4および多孔性導電層3が順に積層された導電性基材10が得られる。
また、熱転写方法としては、図8(a)〜(d)に例示するような成形型を用いる方法も挙げられる。図8(a)〜(d)に示す導電性基材の製造方法においては、まず、図8(a)に示すような積層体1を準備する。なお、積層体1は、図1に示す積層体1と同様である。次に、図8(a)に示すように、積層体1の接着層4と被転写基材11とが接するように積層し、積層体1および被転写基材11を、積層体1の基材2が上型23と対向し、被転写基材11が下型24と対向するように上型23および下型24を有する成形型に配置する。続いて、図8(b)に示すように、成形型を加熱しながら型締めして、積層体1および被転写基材11を成形すると同時に、被転写基材11に積層体1を熱転写する。これにより、被転写基材11と積層体1とを一体化させる。次いで、図8(c)に示すように、一体化した積層体1と被転写基材11とを成形型から取り出し、図8(d)に示すように、積層体1から基材2を剥離する。これにより、被転写基材11上に接着層4および多孔性導電層3が順に積層された導電性基材10が得られる。
また、熱可塑性樹脂を用いる場合において、図3(a)〜(c)に例示するように、被転写基材上に接着層および多孔性導電層のパターンを熱転写する場合には、熱転写方法としては、例えばレーザー光線またはサーマルヘッドを用いる方法が挙げられる。
また、光照射により粘着性または接着性が低下する感光性樹脂を用いる場合、例えば積層体の接着層に光をパターン状に照射し、積層体および被転写基材を密着させ、基材側を剥離する方法が挙げられる。例えば図6(a)〜(d)に示すような転写方法を適用することができる。この場合、被転写基材上に接着層および多孔性導電層のパターンを転写することができる。なお、図6(a)〜(d)に示す導電性基材の製造方法については、上記「A.積層体」に記載したので、ここでの説明は省略する。
接着層に光をパターン状に照射する方法としては、例えばフォトマスクを用いる方法、レーザー等を用いて光を描画する方法等が挙げられる。
接着層に照射する光としては、接着層の粘着性または接着性を低下させることができる光であれば特に限定されるものではなく、感光性樹脂の種類に応じて適宜選択される。例えば紫外線、可視光線、赤外線等を用いることができる。
積層体および被転写基材を密着させる方法としては、例えば圧力をかける方法、加熱しながら圧力をかける方法等が挙げられる。
接着層に光をパターン状に照射する方法としては、例えばフォトマスクを用いる方法、レーザー等を用いて光を描画する方法等が挙げられる。
接着層に照射する光としては、接着層の粘着性または接着性を低下させることができる光であれば特に限定されるものではなく、感光性樹脂の種類に応じて適宜選択される。例えば紫外線、可視光線、赤外線等を用いることができる。
積層体および被転写基材を密着させる方法としては、例えば圧力をかける方法、加熱しながら圧力をかける方法等が挙げられる。
被転写基材上に接着層および多孔性導電層を転写する際には、被転写基材上に接着層および多孔性導電層のパターンを転写してもよい。被転写基材上に多孔性導電層のパターンが形成された導電性基材を得ることができる。
熱可塑性樹脂を用いる場合において、被転写基材上に接着層および多孔性導電層のパターンを熱転写する場合には、上述のようにレーザー光線またはサーマルヘッドを用いる方法を適用してもよく、また図5(a)に例示するような接着層4が予めパターン状に形成された積層体1を用いてもよく、図5(b)に例示するような接着層4上に非接着層5がパターン状に形成された積層体1を用いてもよい。
また、被転写基材上に多孔性導電層のパターンを熱転写する場合には、上記の他にも、図4(a)に例示するような多孔性導電層3が予めパターン状に形成された積層体1を用いてもよい。
また、被転写基材上に多孔性導電層のパターンを熱転写する場合には、上記の他にも、図4(a)に例示するような多孔性導電層3が予めパターン状に形成された積層体1を用いてもよい。
また、図8(a)〜(d)に例示するような成形型を用いる方法の場合、積層体および被転写基材を成形型に配置する際には、成形型に積層体および被転写基材を真空吸引して、積層体および被転写基材が成形型の形状に沿うようにしてもよく、また積層体および被転写基材を積層させた後、加熱して、軟化した状態で成形型で挟み込んでもよい。
被転写基材上に積層体の接着層を接着させた後は、通常、積層体を基材側から物理的に引き離すことにより、被転写基材上に接着層が接着された領域では多孔性導電層から基材を剥離することができる。
また、図8(a)〜(d)に例示するような成形型を用いる方法の場合において、枚葉の積層体の場合には、積層体と被転写基材とが一体化した成形品を成形型から取り出した後に、成形品から積層体の基材を剥離する。また、長尺の積層体の場合には、積層体と被転写基材とが一体化した成形品を成形型から取り出す際に、積層体から基材が剥離する。
また、図8(a)〜(d)に例示するような成形型を用いる方法の場合において、枚葉の積層体の場合には、積層体と被転写基材とが一体化した成形品を成形型から取り出した後に、成形品から積層体の基材を剥離する。また、長尺の積層体の場合には、積層体と被転写基材とが一体化した成形品を成形型から取り出す際に、積層体から基材が剥離する。
2.第2実施態様
本実施態様の導電性基材の製造方法は、上述の積層体を準備する準備工程と、上記積層体を成形型に配置し、上記成形型内に被転写基材用溶融樹脂を射出し、固化させて、被転写基材を成形すると同時に、上記被転写基材に上記積層体を転写する成形および転写工程と、上記積層体の基材を剥離する剥離工程とを有することを特徴とする製造方法である。
本実施態様の導電性基材の製造方法は、上述の積層体を準備する準備工程と、上記積層体を成形型に配置し、上記成形型内に被転写基材用溶融樹脂を射出し、固化させて、被転写基材を成形すると同時に、上記被転写基材に上記積層体を転写する成形および転写工程と、上記積層体の基材を剥離する剥離工程とを有することを特徴とする製造方法である。
本実施態様の導電性基材の製造方法について図面を参照して説明する。
図9(a)〜(d)は本実施態様の導電性基材の製造方法の一例を示す工程図である。まず、図9(a)に示すような積層体1を準備する。なお、積層体1は、図1に示す積層体1と同様である。次に、図9(a)に示すように、積層体1を、基材2が固定型21と対向するように固定型21および可動型22を有する成形型に配置する。続いて、図9(b)に示すように、成形型を型締めし、成形型内に被転写基材用溶融樹脂11aを射出し、冷却、固化して、被転写基材を成形すると同時に、被転写基材に積層体1を転写する。これにより、樹脂成形体である被転写基材と積層体1とを積層し、一体化させる。次いで、図9(c)に示すように、一体化した積層体1と被転写基材11とを成形型から取り出し、図9(d)に示すように、積層体1から基材2を剥離する。これにより、被転写基材11上に接着層4および多孔性導電層3が順に積層された導電性基材10が得られる。
図9(a)〜(d)は本実施態様の導電性基材の製造方法の一例を示す工程図である。まず、図9(a)に示すような積層体1を準備する。なお、積層体1は、図1に示す積層体1と同様である。次に、図9(a)に示すように、積層体1を、基材2が固定型21と対向するように固定型21および可動型22を有する成形型に配置する。続いて、図9(b)に示すように、成形型を型締めし、成形型内に被転写基材用溶融樹脂11aを射出し、冷却、固化して、被転写基材を成形すると同時に、被転写基材に積層体1を転写する。これにより、樹脂成形体である被転写基材と積層体1とを積層し、一体化させる。次いで、図9(c)に示すように、一体化した積層体1と被転写基材11とを成形型から取り出し、図9(d)に示すように、積層体1から基材2を剥離する。これにより、被転写基材11上に接着層4および多孔性導電層3が順に積層された導電性基材10が得られる。
本実施態様においては、多孔性導電層の孔の内部に、接着層由来の成分、例えば接着層に含まれる樹脂を入り込ませることができ、見かけ上、多孔性導電層および接着層由来の成分の混合物となることで、熱拡散を起こりにくくすることができる。したがって、成形および転写工程では、熱が逃げにくいため、過剰に加熱する必要がなく、転写に有利である。
また本実施態様においては、上述したように、多孔性導電層の孔の内部に接着層由来の成分を入り込ませることができ、多孔性導電層および接着層の密着性を高めることができる。したがって、成形および転写工程では、被転写基材上に接着層および多孔性導電層を良好に転写することができ、優れた転写性を得ることができる。
また本実施態様においては、上述したように、多孔性導電層の孔の内部に接着層に含まれる樹脂を入り込ませることができるため、成形および転写工程では、多孔性導電層を接着層に含まれる樹脂で保護することができ、多孔性導電層の酸化を抑制することができる。したがって、成形および転写工程における多孔性導電層の導電性の低下を抑制することができる。
また本実施態様においては、樹脂成形体である被転写基材と積層体とを積層し、一体化させるため、立体物である被転写基材への多孔性導電層の形成が可能である。
また本実施態様においては、積層体が多孔性導電層を有するため、箔切れ性および解像度が良好である。そのため、例えば図5(a)、(b)に示すような積層体1を用いる場合には、箔切れ性良く、また解像度良く転写することができる。
また本実施態様においては、金属粒子を低温で焼結して多孔性導電層を形成することができるため、積層体の基材として、耐熱性の高い基材を用いる必要はなく、耐熱性の低い基材も使用することができる。特に、ポリエチレンテレフタレート等の安価な汎用プラスチックの樹脂基材を用いることができる。したがって、製造コストを削減することができる。
以下、本実施態様の導電性基材の製造方法における各工程について説明する。
(1)準備工程
本実施態様における準備工程は、上述の積層体を準備する工程である。
なお、積層体については、上記「A.積層体」に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。
本実施態様においては、接着層の材料には熱可塑性樹脂が用いられる。
本実施態様における準備工程は、上述の積層体を準備する工程である。
なお、積層体については、上記「A.積層体」に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。
本実施態様においては、接着層の材料には熱可塑性樹脂が用いられる。
(2)成形および転写工程
本実施態様における成形および転写工程は、上記積層体を成形型に配置し、上記成形型内に被転写基材用溶融樹脂を射出し、固化させて、被転写基材を成形すると同時に、上記被転写基材に上記積層体を転写する工程である。
本実施態様における成形および転写工程は、上記積層体を成形型に配置し、上記成形型内に被転写基材用溶融樹脂を射出し、固化させて、被転写基材を成形すると同時に、上記被転写基材に上記積層体を転写する工程である。
積層体を成形型に配置する際には、成形型内に被転写基材用溶融樹脂を射出したときに接着層が被転写基材用溶融樹脂と接するように、積層体を配置する。この際、成形型には、枚葉の積層体を配置してもよく、長尺の積層体の所定の領域を間欠的に挿入してもよい。
積層体を成形型に配置する際には、加熱して積層体を成形型に密着させてもよい。この際、成形型を加熱し、成形型に積層体を真空吸引して密着させてもよく、また積層体を加熱して、積層体が成形型の形状に沿うように予備成形し、成形型に積層体を密着させてもよい。
後者の場合、加熱温度は、積層体の基材のガラス転移温度以上、かつ、溶融温度または融点未満であることが好ましく、基材のガラス転移温度近傍の温度とすることがより好ましい。なお、ガラス転移温度近傍とは、ガラス転移温度±5℃の範囲をいう。
後者の場合、加熱温度は、積層体の基材のガラス転移温度以上、かつ、溶融温度または融点未満であることが好ましく、基材のガラス転移温度近傍の温度とすることがより好ましい。なお、ガラス転移温度近傍とは、ガラス転移温度±5℃の範囲をいう。
被転写基材用溶融樹脂としては、射出成形可能な熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を用いることができる。なお、熱硬化性樹脂は、2液硬化性樹脂を含む。被転写基材用溶融樹脂は1種単独で用いてもよく2種以上を用いてもよい。
被転写基材用溶融樹脂が熱可塑性樹脂の場合は、熱可塑性樹脂を加熱溶融によって流動状態で射出し、冷却して固化させる。また、被転写基材用溶融樹脂が熱硬化性樹脂の場合は、未硬化の樹脂組成物を適宜加熱して流動状態で射出し、加熱して固化させる。これにより、積層体が成形された被転写基材と一体化する。
被転写基材用溶融樹脂の加熱温度は、被転写基材用溶融樹脂の種類に応じて異なるが、例えば80℃〜280℃程度である。
被転写基材用溶融樹脂の加熱温度は、被転写基材用溶融樹脂の種類に応じて異なるが、例えば80℃〜280℃程度である。
被転写基材に積層体を転写する際には、被転写基材に接着層および多孔性導電層のパターンを転写してもよい。被転写基材上に多孔性導電層のパターンが形成された導電性基材を得ることができる。
被転写基材に接着層および多孔性導電層のパターンを転写する場合には、図5(a)に例示するような接着層4が予めパターン状に形成された積層体1を用いてもよく、図5(b)に例示するような接着層4上に非接着層5がパターン状に形成された積層体1を用いてもよい。
また、被転写基材に多孔性導電層のパターンを転写する場合には、上記の他にも、図4(a)に例示するような多孔性導電層3が予めパターン状に形成された積層体1を用いてもよい。
また、被転写基材に多孔性導電層のパターンを転写する場合には、上記の他にも、図4(a)に例示するような多孔性導電層3が予めパターン状に形成された積層体1を用いてもよい。
被転写基材用溶融樹脂を固化させた後は、積層体と成形された被転写基材とが一体化した成形品を成形型から取り出す。
(3)剥離工程
本実施態様における剥離工程は、上記積層体の基材を剥離する工程である。
枚葉の積層体の場合には、積層体と成形された被転写基材とが一体化した成形品を成形型から取り出した後に、成形品から積層体の基材を剥離する。また、長尺の積層体の場合には、積層体と成形された被転写基材とが一体化した成形品を成形型から取り出す際に、積層体から基材が剥離する。
これにより、樹脂成形体である被転写基材上に接着層および多孔性導電層が順に積層された導電性基材が得られる。
本実施態様における剥離工程は、上記積層体の基材を剥離する工程である。
枚葉の積層体の場合には、積層体と成形された被転写基材とが一体化した成形品を成形型から取り出した後に、成形品から積層体の基材を剥離する。また、長尺の積層体の場合には、積層体と成形された被転写基材とが一体化した成形品を成形型から取り出す際に、積層体から基材が剥離する。
これにより、樹脂成形体である被転写基材上に接着層および多孔性導電層が順に積層された導電性基材が得られる。
C.電子デバイスの製造方法
本発明の電子デバイスの製造方法は、上述の導電性基材の製造方法により、導電性基材を作製する導電性基材作製工程を有することを特徴とする製造方法である。
本発明の電子デバイスの製造方法は、上述の導電性基材の製造方法により、導電性基材を作製する導電性基材作製工程を有することを特徴とする製造方法である。
本発明においては、上述の導電性基材の製造方法により導電性基材を作製するため、導電性の良好な多孔性導電層を形成することができる。また、例えば多孔性導電層のパターンを形成する場合には、高解像度のパターンを形成することができる。
また本発明においては、上述の導電性基材の製造方法により導電性基材を作製するため、製造コストを削減することができる。
また本発明においては、上述の導電性基材の製造方法により導電性基材を作製するため、製造コストを削減することができる。
以下、本実施態様の電子デバイスの製造方法における工程について説明する。
1.導電性基材作製工程
本発明における導電性基材作製工程は、上述の導電性基材の製造方法により、導電性基材を作製する工程である。
なお、導電性基材の製造方法については、上記「B.導電性基材の製造方法」に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。
本発明における導電性基材作製工程は、上述の導電性基材の製造方法により、導電性基材を作製する工程である。
なお、導電性基材の製造方法については、上記「B.導電性基材の製造方法」に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。
2.電子デバイス
本発明における電子デバイスとしては、例えば、プリント配線基板、電磁波シールド材、アンテナ、パワー半導体、ノイズフィルタ、コンデンサ電極、各種センサー用電極(タッチセンサー、バイオセンサー、温度センサー、ガスセンサー、光センサー、圧力センサー、フローセンサー)、ディスプレイ用電極、太陽電池用電極、ICカード、RFID、接合材、コネクタ材等が挙げられる。
また、本発明の電子デバイスが例えば非接触型ICカードである場合、多孔性導電層は、非接触型ICカードに記録された情報の不正読み取りを防止するための電磁波シールド層、共振周波数を変調させるための導電層として使用することができる。この場合、例えばカードに一時的に多孔性導電層を付与し、後で接着層ごとスクラッチして取り除くことが可能である。本発明の電子デバイスは、多孔性導電層を有するので、接着層の粘着力を制御することで、スクラッチで容易に剥離させることが可能である。
本発明における電子デバイスとしては、例えば、プリント配線基板、電磁波シールド材、アンテナ、パワー半導体、ノイズフィルタ、コンデンサ電極、各種センサー用電極(タッチセンサー、バイオセンサー、温度センサー、ガスセンサー、光センサー、圧力センサー、フローセンサー)、ディスプレイ用電極、太陽電池用電極、ICカード、RFID、接合材、コネクタ材等が挙げられる。
また、本発明の電子デバイスが例えば非接触型ICカードである場合、多孔性導電層は、非接触型ICカードに記録された情報の不正読み取りを防止するための電磁波シールド層、共振周波数を変調させるための導電層として使用することができる。この場合、例えばカードに一時的に多孔性導電層を付与し、後で接着層ごとスクラッチして取り除くことが可能である。本発明の電子デバイスは、多孔性導電層を有するので、接着層の粘着力を制御することで、スクラッチで容易に剥離させることが可能である。
本発明の電子デバイスの製造方法は、導電性基材作製工程以外に、必要に応じて他の工程を有していてもよい。他の工程は、電子デバイスに応じて適宜選択される。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
[合成例1:銅粒子の合成]
200ml三ッ口フラスコ中に、水酸化銅 10.0g(和光純薬工業製)、デカン酸 34.5g(花王製ルナック10−98)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)18.5gを量り取った。この混合液を撹拌しながら100℃まで加熱し、その温度を20分維持した。その後、3−エトキシプロピルアミン 41.3g(広栄化学工業製)を添加し、100℃で10分加熱、撹拌した。この混合液を、氷浴を用いて10℃まで冷却した後、氷浴中でヒドラジン一水和物 10.0gをPGME 18.5g(関東化学製)に溶解させた溶液を添加し、10分撹拌した。その後、反応溶液を100℃まで加熱し、その温度を10分維持した。30℃まで冷却後、ヘキサン66gを添加した。遠心分離後、上澄み液を除去した。沈殿物をヘキサンで洗浄し、銅粒子を得た。
得られた銅粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、平均一次粒径は65nmであった。
200ml三ッ口フラスコ中に、水酸化銅 10.0g(和光純薬工業製)、デカン酸 34.5g(花王製ルナック10−98)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)18.5gを量り取った。この混合液を撹拌しながら100℃まで加熱し、その温度を20分維持した。その後、3−エトキシプロピルアミン 41.3g(広栄化学工業製)を添加し、100℃で10分加熱、撹拌した。この混合液を、氷浴を用いて10℃まで冷却した後、氷浴中でヒドラジン一水和物 10.0gをPGME 18.5g(関東化学製)に溶解させた溶液を添加し、10分撹拌した。その後、反応溶液を100℃まで加熱し、その温度を10分維持した。30℃まで冷却後、ヘキサン66gを添加した。遠心分離後、上澄み液を除去した。沈殿物をヘキサンで洗浄し、銅粒子を得た。
得られた銅粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、平均一次粒径は65nmであった。
[調製例1:銅粒子分散体1の調製]
合成例1で得られた銅粒子40質量部、高分子分散剤としてソルスパース 41000(ルーブリゾール製)4質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)56質量部を混合し、ペイントシェーカー(浅田鉄工製)にて予備分散として2mmジルコニアビーズで1時間、さらに本分散として0.1mmジルコニアビーズで2時間分散し、銅粒子分散体1を得た。
合成例1で得られた銅粒子40質量部、高分子分散剤としてソルスパース 41000(ルーブリゾール製)4質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)56質量部を混合し、ペイントシェーカー(浅田鉄工製)にて予備分散として2mmジルコニアビーズで1時間、さらに本分散として0.1mmジルコニアビーズで2時間分散し、銅粒子分散体1を得た。
[製造例1:導電フィルムAの作製]
PETフィルム(商品名 コスモシャイン A4100、東洋紡製、膜厚100μm)に銅粒子分散体1をミヤバー#4を使って塗布し、温風乾燥機で80℃、3分乾燥させ、赤銅光沢を持つフィルムを得た。その後、水素ガスを導入圧力20Paで導入しながら、マイクロ波表面波プラズマ処理装置(MSP−1500、ミクロ電子株式会社製)を用いて、マイクロ波出力450Wで240秒間焼成し、多孔性導電層を有する導電フィルム導電フィルムAを得た。
PETフィルム(商品名 コスモシャイン A4100、東洋紡製、膜厚100μm)に銅粒子分散体1をミヤバー#4を使って塗布し、温風乾燥機で80℃、3分乾燥させ、赤銅光沢を持つフィルムを得た。その後、水素ガスを導入圧力20Paで導入しながら、マイクロ波表面波プラズマ処理装置(MSP−1500、ミクロ電子株式会社製)を用いて、マイクロ波出力450Wで240秒間焼成し、多孔性導電層を有する導電フィルム導電フィルムAを得た。
[製造例2:導電フィルムBの作製]
PETフィルム(膜厚5μm)に変更したこと以外は、導電フィルムAと同様の作製方法で、マイクロ波出力450Wで120秒間焼成し、多孔性導電層を有する導電フィルムBを得た。
PETフィルム(膜厚5μm)に変更したこと以外は、導電フィルムAと同様の作製方法で、マイクロ波出力450Wで120秒間焼成し、多孔性導電層を有する導電フィルムBを得た。
[製造例3:導電フィルムCの作製]
PETフィルム(商品名 コスモシャイン A4100、東洋紡製、膜厚100μm)に銅をスパッタ法により製膜し、導電層を有する導電フィルムCを得た。
PETフィルム(商品名 コスモシャイン A4100、東洋紡製、膜厚100μm)に銅をスパッタ法により製膜し、導電層を有する導電フィルムCを得た。
[評価]
(導電層のシート抵抗値の測定)
導電層の導電性評価は、表面抵抗計(ダイアインスツルメンツ社製「ロレスタGP」、PSPタイププローブ)を用いて、4探針法によりシート抵抗値を測定することにより行った。導電フィルムA、Bの多孔性導電層のシート抵抗値は、共に0.20Ω/□、導電フィルムCの導電層のシート抵抗値は0.075Ω/□であった。
(導電層のシート抵抗値の測定)
導電層の導電性評価は、表面抵抗計(ダイアインスツルメンツ社製「ロレスタGP」、PSPタイププローブ)を用いて、4探針法によりシート抵抗値を測定することにより行った。導電フィルムA、Bの多孔性導電層のシート抵抗値は、共に0.20Ω/□、導電フィルムCの導電層のシート抵抗値は0.075Ω/□であった。
(導電層の膜厚の測定)
導電層の膜厚評価は下記の通り行った。作製した導電フィルムについて保護層として導電層上部に真空蒸着法にてカーボンを、スパッタ法にて白金を順次積層し、次いでFIB(集束イオンビーム、日立ハイテク製 FB−2100)を用いてタングステンを積層後、導電層の断面を作製した。その後、SEM(日立ハイテク製 S−4800)を用いて基板を45°傾斜させた状態にて導電層断面を観察し、SEM像より膜厚を測定した。膜厚は30k〜40kの倍率で測定したSEM像内で10箇所測長し、傾斜分を補正した後、その平均値を膜厚とした。導電フィルムA、B、C全てで導電層の膜厚は400nmであった。この結果から導電フィルムA、Bの体積抵抗値は8μΩ・cm、導電フィルムCの体積抵抗値は3μΩ・cmであることがわかった。
導電層の膜厚評価は下記の通り行った。作製した導電フィルムについて保護層として導電層上部に真空蒸着法にてカーボンを、スパッタ法にて白金を順次積層し、次いでFIB(集束イオンビーム、日立ハイテク製 FB−2100)を用いてタングステンを積層後、導電層の断面を作製した。その後、SEM(日立ハイテク製 S−4800)を用いて基板を45°傾斜させた状態にて導電層断面を観察し、SEM像より膜厚を測定した。膜厚は30k〜40kの倍率で測定したSEM像内で10箇所測長し、傾斜分を補正した後、その平均値を膜厚とした。導電フィルムA、B、C全てで導電層の膜厚は400nmであった。この結果から導電フィルムA、Bの体積抵抗値は8μΩ・cm、導電フィルムCの体積抵抗値は3μΩ・cmであることがわかった。
(導電層の空孔率の測定)
導電層の空孔率測定は下記の通り行った。上記膜厚測定において得られたSEM像における、孔の面積と導電層の面積とをそれぞれ算出し、孔の面積を導電層の面積で除することにより当該断面における空孔率を求めた。導電フィルムAの多孔性導電層の空孔率は35%、導電フィルムBの多孔性導電層の空孔率は25%であった。導電フィルムCの導電層には空孔がなかった。
導電層の空孔率測定は下記の通り行った。上記膜厚測定において得られたSEM像における、孔の面積と導電層の面積とをそれぞれ算出し、孔の面積を導電層の面積で除することにより当該断面における空孔率を求めた。導電フィルムAの多孔性導電層の空孔率は35%、導電フィルムBの多孔性導電層の空孔率は25%であった。導電フィルムCの導電層には空孔がなかった。
[実施例1]
(接着層の形成)
接着剤である大日精化製 TM−R850(LV−NT)K3にメチルイソブチルケトン(MIBK)30質量%相当を追加し、十分撹拌することで塗布液を調製した。この塗布液を導電フィルムAの多孔性導電層上にアプリケーター 10milで塗布し、温風乾燥機で90℃、1分乾燥させた。
(接着層の形成)
接着剤である大日精化製 TM−R850(LV−NT)K3にメチルイソブチルケトン(MIBK)30質量%相当を追加し、十分撹拌することで塗布液を調製した。この塗布液を導電フィルムAの多孔性導電層上にアプリケーター 10milで塗布し、温風乾燥機で90℃、1分乾燥させた。
(転写)
次に、被転写基材としてポリカーボネート(以下、PCと略す)およびポリメチルメタクリレート(以下、PMMAと略す)の積層フィルム C001(住友化学製 膜厚125μm)を用い、被転写基材のPC面に上述の導電フィルムAの接着剤塗布面を重ね、日本GBC製マルチラミネーター GL835PROを使って、温度130℃、GAP1mm以下、搬送速度0.3m/minで加熱ラミネート処理を行った。その後、PETフィルムを剥離した。
多孔性導電層は被転写基材へ100%転写し、転写後のシート抵抗値は0.22Ω/□であった。
次に、被転写基材としてポリカーボネート(以下、PCと略す)およびポリメチルメタクリレート(以下、PMMAと略す)の積層フィルム C001(住友化学製 膜厚125μm)を用い、被転写基材のPC面に上述の導電フィルムAの接着剤塗布面を重ね、日本GBC製マルチラミネーター GL835PROを使って、温度130℃、GAP1mm以下、搬送速度0.3m/minで加熱ラミネート処理を行った。その後、PETフィルムを剥離した。
多孔性導電層は被転写基材へ100%転写し、転写後のシート抵抗値は0.22Ω/□であった。
[実施例2]
接着層の形成において、接着剤として和信化学製 プラスコートPGC10を導電フィルムAの多孔性導電層上にアプリケーター 10milで塗布し、温風乾燥機で90℃、1分乾燥させたこと、および、転写において、温度を130℃としたこと以外は、実施例1と同様に接着層の形成および転写を行った。
多孔性導電層は被転写基材へ100%転写し、転写後のシート抵抗値は0.20Ω/□であった。
接着層の形成において、接着剤として和信化学製 プラスコートPGC10を導電フィルムAの多孔性導電層上にアプリケーター 10milで塗布し、温風乾燥機で90℃、1分乾燥させたこと、および、転写において、温度を130℃としたこと以外は、実施例1と同様に接着層の形成および転写を行った。
多孔性導電層は被転写基材へ100%転写し、転写後のシート抵抗値は0.20Ω/□であった。
[実施例3]
接着層の形成において、接着剤として三井化学製 ケミパールS300を導電フィルムAの多孔性導電層上にミヤバー#8で塗布し、温風乾燥機で70℃、3分乾燥させたこと、および、転写において、被転写基材として市販のコピー紙を用い、温度を100℃としたこと以外は、実施例1と同様に接着層の形成および転写を行った。
多孔性導電層は被転写基材へ100%転写し、転写後のシート抵抗値は0.20Ω/□であった。
接着層の形成において、接着剤として三井化学製 ケミパールS300を導電フィルムAの多孔性導電層上にミヤバー#8で塗布し、温風乾燥機で70℃、3分乾燥させたこと、および、転写において、被転写基材として市販のコピー紙を用い、温度を100℃としたこと以外は、実施例1と同様に接着層の形成および転写を行った。
多孔性導電層は被転写基材へ100%転写し、転写後のシート抵抗値は0.20Ω/□であった。
[実施例4]
接着層の形成において、接着剤として三井化学製 ケミパールEV210を導電フィルムAの多孔性導電層上にミヤバー#16で塗布し、温風乾燥機で90℃、3分乾燥させたこと、および、転写において、温度を150℃としたこと以外は、実施例1と同様に接着層の形成および転写を行った。
多孔性導電層は被転写基材へ100%転写し、転写後のシート抵抗値は0.20Ω/□であった。
接着層の形成において、接着剤として三井化学製 ケミパールEV210を導電フィルムAの多孔性導電層上にミヤバー#16で塗布し、温風乾燥機で90℃、3分乾燥させたこと、および、転写において、温度を150℃としたこと以外は、実施例1と同様に接着層の形成および転写を行った。
多孔性導電層は被転写基材へ100%転写し、転写後のシート抵抗値は0.20Ω/□であった。
[実施例5]
接着層の形成において、接着剤として三井化学製 ボンロンXPS−001を導電フィルムAの多孔性導電層上にミヤバー#16で塗布し、温風乾燥機で90℃、3分乾燥させたこと、および、転写において、被転写基材として光沢紙を使い、温度を130℃としたこと以外は、実施例1と同様に接着層の形成および転写を行った。
多孔性導電層は被転写基材へ100%転写し、転写後のシート抵抗値は0.21Ω/□であった。
接着層の形成において、接着剤として三井化学製 ボンロンXPS−001を導電フィルムAの多孔性導電層上にミヤバー#16で塗布し、温風乾燥機で90℃、3分乾燥させたこと、および、転写において、被転写基材として光沢紙を使い、温度を130℃としたこと以外は、実施例1と同様に接着層の形成および転写を行った。
多孔性導電層は被転写基材へ100%転写し、転写後のシート抵抗値は0.21Ω/□であった。
[実施例6]
接着層の形成において、接着剤として三井化学製 ボンロンXPS−003を導電フィルムAの多孔性導電層上にミヤバー#16で塗布し、温風乾燥機で90℃、3分乾燥させたこと、および、転写において、被転写基材として光沢紙を使い、温度を150℃としたこと以外は、実施例1と同様に接着層の形成および転写を行った。
多孔性導電層は被転写基材へ100%転写し、転写後のシート抵抗値は0.20Ω/□であった。
接着層の形成において、接着剤として三井化学製 ボンロンXPS−003を導電フィルムAの多孔性導電層上にミヤバー#16で塗布し、温風乾燥機で90℃、3分乾燥させたこと、および、転写において、被転写基材として光沢紙を使い、温度を150℃としたこと以外は、実施例1と同様に接着層の形成および転写を行った。
多孔性導電層は被転写基材へ100%転写し、転写後のシート抵抗値は0.20Ω/□であった。
[実施例7]
(接着層の形成)
接着剤としてDNPファインケミカル製 BCD#700クリヤーを導電フィルムBの多孔性導電層上にミヤバー#4で塗布し、温風乾燥機で90℃、3分乾燥させた。
(接着層の形成)
接着剤としてDNPファインケミカル製 BCD#700クリヤーを導電フィルムBの多孔性導電層上にミヤバー#4で塗布し、温風乾燥機で90℃、3分乾燥させた。
(転写)
接着層が形成された導電フィルムBを転写リボンとしてサーマルヘッドプリンタ(Zebra140Xi4)にセットし、被転写基材としてグロスコート紙を用いて印字テストを行ったところ、線幅127μm×全長10cmの配線が形成され、テスターにより導通も確認できた。
接着層が形成された導電フィルムBを転写リボンとしてサーマルヘッドプリンタ(Zebra140Xi4)にセットし、被転写基材としてグロスコート紙を用いて印字テストを行ったところ、線幅127μm×全長10cmの配線が形成され、テスターにより導通も確認できた。
[比較例1]
導電フィルムAに代わり導電フィルムCとした以外は、実施例1と同様に転写を行ったところ、全く転写できなかった。
導電フィルムAに代わり導電フィルムCとした以外は、実施例1と同様に転写を行ったところ、全く転写できなかった。
[比較例2]
導電フィルムAに代わり導電フィルムCとした以外は、実施例2と同様に転写を行ったところ、全く転写できなかった。
導電フィルムAに代わり導電フィルムCとした以外は、実施例2と同様に転写を行ったところ、全く転写できなかった。
[比較例3]
導電フィルムAに代わり導電フィルムCとした以外は、実施例3と同様に転写を行ったところ、全く転写できなかった。
導電フィルムAに代わり導電フィルムCとした以外は、実施例3と同様に転写を行ったところ、全く転写できなかった。
[比較例4]
導電フィルムAに代わり導電フィルムCとした以外は、実施例4と同様に転写を行ったところ、全く転写できなかった。
導電フィルムAに代わり導電フィルムCとした以外は、実施例4と同様に転写を行ったところ、全く転写できなかった。
[比較例5]
導電フィルムAに代わり導電フィルムCとした以外は、実施例5と同様に転写を行ったところ、全く転写できなかった。
導電フィルムAに代わり導電フィルムCとした以外は、実施例5と同様に転写を行ったところ、全く転写できなかった。
[比較例6]
導電フィルムAに代わり導電フィルムCとした以外は、実施例6と同様に転写を行ったところ、全く転写できなかった。
導電フィルムAに代わり導電フィルムCとした以外は、実施例6と同様に転写を行ったところ、全く転写できなかった。
[製造例4:導電フィルムDの作製]
ナノAgインク(三ツ星ベルト製 商品名MDot CF107)をペンタンジオールで40%希釈した後、PETフィルム(商品名 コスモシャイン A4100、東洋紡製、膜厚100μm)にミヤバー#4を使って塗布し、温風乾燥機で120℃、30分間乾燥かつ焼成して、銀光沢を持ち、多孔性導電層を有する導電フィルムDを得た。
導電フィルムDの多孔性導電層の膜厚は380nm、シート抵抗値は0.20Ω/□、空孔率は30%であった。
ナノAgインク(三ツ星ベルト製 商品名MDot CF107)をペンタンジオールで40%希釈した後、PETフィルム(商品名 コスモシャイン A4100、東洋紡製、膜厚100μm)にミヤバー#4を使って塗布し、温風乾燥機で120℃、30分間乾燥かつ焼成して、銀光沢を持ち、多孔性導電層を有する導電フィルムDを得た。
導電フィルムDの多孔性導電層の膜厚は380nm、シート抵抗値は0.20Ω/□、空孔率は30%であった。
[実施例8]
接着層の形成において、接着剤として三井化学製 ケミパールS300を導電フィルムDの多孔性導電層上にミヤバー#4で塗布し、温風乾燥機で90℃、3分乾燥させたこと、および、転写において、被転写基材としてグロスコート紙を用い、温度を130℃としたこと以外は、実施例1と同様に接着層の形成および転写を行った。
多孔性導電層は被転写基材へ100%転写し、転写後のシート抵抗値は0.20Ω/□であった。
接着層の形成において、接着剤として三井化学製 ケミパールS300を導電フィルムDの多孔性導電層上にミヤバー#4で塗布し、温風乾燥機で90℃、3分乾燥させたこと、および、転写において、被転写基材としてグロスコート紙を用い、温度を130℃としたこと以外は、実施例1と同様に接着層の形成および転写を行った。
多孔性導電層は被転写基材へ100%転写し、転写後のシート抵抗値は0.20Ω/□であった。
[実施例9]
(接着層の形成)
接着剤である大日精化製 TM−R850(LV−NT)K3にメチルイソブチルケトン(MIBK)で30%質量相当を追加希釈した塗布液を調製した。この塗布液を導電フィルムAの多孔性導電層上にアプリケーター 10milで塗布、温風乾燥機で90℃、1分乾燥させた。
(接着層の形成)
接着剤である大日精化製 TM−R850(LV−NT)K3にメチルイソブチルケトン(MIBK)で30%質量相当を追加希釈した塗布液を調製した。この塗布液を導電フィルムAの多孔性導電層上にアプリケーター 10milで塗布、温風乾燥機で90℃、1分乾燥させた。
(転写)
接着層が形成された導電フィルムAをインモールド成形機の金型にセットした後、接着剤塗布面にPCとABSからなる混合樹脂を溶融させて流しこんだ。冷却後、成形物を取り出し、PETフィルムを剥離した。
多孔性導電層はPCとABSの混合樹脂からなる樹脂層へ100%転写し、転写後のシート抵抗値は0.22Ω/□であった。
接着層が形成された導電フィルムAをインモールド成形機の金型にセットした後、接着剤塗布面にPCとABSからなる混合樹脂を溶融させて流しこんだ。冷却後、成形物を取り出し、PETフィルムを剥離した。
多孔性導電層はPCとABSの混合樹脂からなる樹脂層へ100%転写し、転写後のシート抵抗値は0.22Ω/□であった。
1 … 積層体
2 … 基材
3 … 多孔性導電層
4 … 接着層
6 … 保護層
10 … 導電性基材
11 … 被転写基材
2 … 基材
3 … 多孔性導電層
4 … 接着層
6 … 保護層
10 … 導電性基材
11 … 被転写基材
Claims (7)
- 基材と、
前記基材上に形成された多孔性導電層と、
前記多孔性導電層上に形成された接着層と
を有し、
前記多孔性導電層が、金属ナノ粒子の焼結体であり、
前記基材上の全面に前記多孔性導電層が形成されている、積層体。 - 前記基材が樹脂基材であることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
- 前記基材と前記多孔性導電層との間に保護層が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層体。
- 請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の積層体を準備する準備工程と、
被転写基材上に前記積層体の接着層および多孔性導電層を転写する転写工程と
を有することを特徴とする導電性基材の製造方法。 - 前記転写工程では、前記被転写基材上に前記積層体の接着層および多孔性導電層のパターンを転写することを特徴とする請求項4に記載の導電性基材の製造方法。
- 請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の積層体を準備する準備工程と、
前記積層体を成形型に配置し、前記成形型内に被転写基材用溶融樹脂を射出し、固化させて、被転写基材を成形すると同時に、前記被転写基材に前記積層体を転写する成形および転写工程と、
前記積層体の基材を剥離する剥離工程と
を有することを特徴とする導電性基材の製造方法。 - 請求項4から請求項6までのいずれかに記載の導電性基材の製造方法により、導電性基材を作製する導電性基材作製工程を有することを特徴とする電子デバイスの製造方法。
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