JP6847517B2 - 誘導検出型ロータリエンコーダ - Google Patents

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Description

本発明は、ロータとステータとに設けられた配線の間で生じる磁束結合を利用して回転角を測定する誘導検出型ロータリエンコーダに関する。
誘導検出型ロータリエンコーダは、送信巻線及び受信巻線が設けられたステータと、磁束結合体が設けられたロータとを備える。この誘導検出型ロータリエンコーダにおいて、送信巻線には周期的に電流方向が変化する送信電流が流される。磁束結合体は、送信巻線に流される送信電流によって発生した磁界に基づく誘導電流を発生させる。受信巻線は、磁束結合体を流れる誘導電流によって発生した磁界に基づく誘導電圧を検出する。
例えば、特許文献1に開示される誘導検出型ロータリエンコーダにおいては、ステータに、複数の送信巻線及び複数の受信巻線が絶縁層を介して積層されている。また、ロータには、複数の磁束結合体が絶縁層を介して積層されている。
特許文献1に記載の誘導検出型ロータリエンコーダでは、複数の送信巻線、複数の受信巻線及び複数の磁束結合体を積層構造にすることで、誘導検出型ロータリエンコーダの小型化を達成している。
特開2013−152163号公報
図14は、誘導検出型ロータリエンコーダの第1磁束結合体41aの構成を例示する平面図であり、図15は、第2磁束結合体41bの構成を例示する平面図である。図14に表したように、第1磁束結合体41aは、ロータ15の1周(360度)の内に10周期となるピッチλ1(1周期あたり36度)をもってロータ15の回転方向に周期的に変化する連続した歯車状の形状を有する。また、図15に表したように、第2磁束結合体41bは、ロータ15の1周(360度)の内に9周期となる一定ピッチλ2(1周期あたり40度)でロータ15の回転方向に配置された複数の孤立した矩形ループのような島状パターンが断続的に形成されている。第1磁束結合体41aは、当該第1磁束結合体41aに対向してステータに設けられる第1受信巻線とともに第1トラックを形成する。第2磁束結合体41bは、当該第1磁束結合体41bに対向してステータに設けられる第2受信巻線とともに第2トラックを形成する。
図16は、第1磁束結合体41a、及び第2磁束結合体41bを直線に展開して位相関係を示す模式図である。なお、第2磁束結合体41bは、島状パターン41b−1〜41b−9で構成されているものとして説明する。図17(a)及び(b)は、第1送信巻線31aに流れる送信電流に伴い、第1磁束結合体41a、及び第2磁束結合体41bに生じる誘導電流を説明するための図である。図17(a)及び(b)に表した例では、第1トラックを測定するときに第1送信巻線31aの第1内周側巻線部311a及び第1外周側巻線部312aに時計回りの電流Id1が流れる。この電流Id1によって、第1、第2磁束結合体41a、41bの外周側及び内周側の電流経路においては、それぞれ反時計回りに誘導電流Id21及びId22が流れる。この場合、ループ状ではない第1磁束結合体41aの電流経路では誘導電流Id21及びId22の打ち消し合いは発生しない。一方、ループ状の第2磁束結合体41bでは誘導電流Id21及びId22の打ち消し合いが発生する。この打ち消し合いが不十分であると、第1トラックを測定するときに、第1送信巻線31aに流れる電流によって生じた磁界に基づく磁束結合により第2磁束結合体41bの島状パターン41b−1〜41b−9に流れる電流がクロストーク成分として第1受信巻線に作用し、第1トラックの検出精度悪化の要因となる。このため、第2磁束結合体41bにおいて誘導電流が完全に打ち消されることが望ましい。
しかしながら、以下で説明するように、第2磁束結合体41bの島状パターン41b−1〜41b−9は、第1磁束結合体41aの歯車状のパターンとの測長(回転)方向における位置関係が異なっているため、島状パターン41b−1〜41b−9の各々に流れる誘導電流の方向と大きさにばらつきがある。
図17(a)に示したように、第1送信巻線31aの外周側に流れる電流Id1によって、第2磁束結合体41bの島状パターン41b−4に発生する誘導電流Id21は、島状パターン41b−4が第1磁束結合体41aと重なっていない部分(B部)で発生する。すなわち、B部では、第1送信巻線31aの外周側の近傍に第1磁束結合体41aの歯車状のパターンが存在しないため、第1送信巻線31aの外周側に流れる電流Id1は、第1磁束結合体41aに誘導電流を発生させず、第2磁束結合体41bの島状パターン41b−4に誘導電流Id21を発生させる。
第1送信巻線31aの内周側に流れる電流Id1によって、第2磁束結合体41bの島状パターン41b−4に発生する誘導電流Id22は、島状パターン41b−4が第1磁束結合体41aと重なっていない部分(A部)で発生する。すなわち、A部では、第1送信巻線31aの内周側の近傍に第1磁束結合体41aの歯車状のパターンが存在しないため、第1送信巻線31aの内周側に流れる電流Id1は、第1磁束結合体41aに誘導電流を発生させず、第2磁束結合体41bの島状パターン41b−4に誘導電流Id22を発生させる。
一方、第1磁束結合体41aと重なっている部分(X部)では、第1送信巻線31aの外周側又は内周側に流れる電流Id1は、第1磁束結合体41aの歯車状のパターンに流れる合成誘導電流Idを発生させることにほぼ全てのエネルギーを費やすため、第2磁束結合体41bのX部においては第1送信巻線31aの外周側及び内周側に流れる電流Id1によって誘導される電流量はほぼ0となる。
図17(a)に示したように、B部の長さはA部の長さの約3倍であるため、Id21=3×Id22となり、島状パターン41b−4に流れる合成電流In4は、In4=Id21−Id22=Id21−0.33×Id21=0.67×Id21となる。Id21>Id22であることから、合成電流In4は反時計方向に流れる。
図17(b)は、島状パターン41b−9の周辺において、第1送信巻線31aを流れる電流Id1によって第1、第2磁束結合体41a、41bに生じる誘導電流を概略的に示している。島状パターン41b−9においても、島状パターン41b−4と同様に、第1送信巻線31aに流れる電流に伴う誘導電流Id21及びId22は、第1磁束結合体41aと重なっていない部分(C部及びD部)で発生し、第1磁束結合体41aと重なっている部分ではほぼ0となる。
図17(b)に示したように、C部の長さはD部の長さの約4倍であるため、Id22=4×Id21となり、島状パターン41b−9に流れる合成電流In9は、In9=Id22−Id21=Id21−0.25×Id22=0.75×Id22となる。Id22>Id21であることから、合成電流In9は時計方向に流れる。
以上では図17(a)及び(b)を参照しつつ、島状パターン41b−4及び島状パターン41b−9を例に説明したが、図16に示したように、第2磁束結合体41bの島状パターン41b−1〜41b−9は、第1磁束結合体41aの歯車状のパターンとの測長(回転)方向における位置関係がそれぞれ異なっているため、島状パターン41b−1〜41b−9の各々に流れる誘導電流の方向と大きさにばらつきが生じ、このばらつきが第1トラックのクロストーク成分となり、検出精度に悪影響を及ぼす。
本発明の目的は、磁束結合体において誘導電流の打ち消しが行われる際のクロストークの発生を抑制して精度の高い位置検出を行うことができる誘導検出型ロータリエンコーダを提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の誘導検出型ロータリエンコーダは、ステータと、ステータと対向し、回転軸を中心に回転可能に設けられたロータと、ステータに設けられ、回転軸を中心に互いに同じ回転方向に電流を流す第1内周側巻線部及び第1外周側巻線部を有する第1送信巻線と、ステータに設けられ、回転軸を中心として環状に形成された第1受信巻線と、ステータに設けられ、回転軸に沿った方向に第1受信巻線と重なるように環状に形成され、第1受信巻線との間に第1絶縁層を介して形成された第2受信巻線と、ロータに回転軸を中心として環状に形成され、第1受信巻線と磁束結合する第1磁束結合体と、ロータに回転軸に沿った方向に第1磁束結合体と重なるように環状に形成され、第1磁束結合体との間に第2絶縁層を介して形成され、第1受信巻線と磁束結合する第2磁束結合体と、を備える。第1磁束結合体は、第1ピッチをもってロータの回転方向に周期的に変化する歯車状の連続なパターンで形成され、第2磁束結合体は、第1ピッチと異なる第2ピッチをもってロータの回転方向に周期的に変化する島状の孤立したパターンで形成される。回転軸を中心とするロータの1周に含まれる第1ピッチの周期の数をC1、回転軸を中心とするロータの1周に含まれる第2ピッチの周期数をC2とすると、C1とC2は1以外の公約数を持たない整数(すなわち、互いに素)であり、且つ、2n−0.5<C1/C2<2n+0.5(ただし、nは1以上の整数)の関係を満たす。
このような構成によれば、第2磁束結合体の外周側と内周側とにおける第1送信巻線に流れる電流による誘導電流の差が抑制され、島状パターンに生じるクロストーク成分を抑制することができる。したがって、クロストーク成分が第1受信巻線に影響することを抑制することができ、第1磁束結合体及び第1受信巻線を利用した位置検出精度が悪化することを抑制することができる。
本発明の誘導検出型ロータリエンコーダにおいて、C1とC2は、2n−0.3<C1/C2<2n+0.3の関係を満たすと特によい。このようにすれば、第2磁束結合体の外周側と内周側とにおける第1送信巻線に流れる電流による誘導電流の差をより効果的に抑制することができる。
本発明の誘導検出型ロータリエンコーダにおいて、ロータの回転方向における第2磁束結合体の個々の島状パターンの幅は、第1ピッチと等しいことを特徴とするとよい。このようにすれば、第2磁束結合体の外周側で誘導電流が発生する部分の長さと内周側で誘導電流が発生する部分の長さが等しくなり、内周側と外周側とで誘導電流が打ち消し合う。その結果、島状パターンに生じるクロストーク成分をほぼゼロにすることができ、第1磁束結合体及び第1受信巻線を利用した位置検出精度が悪化することを抑制することができる。
デジタル式マイクロメータを例示する正面図である。 第1実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダの構成を例示する断面図である。 ステータ及びロータの構成を例示する模式的断面図である。 第1送信巻線及び第1受信巻線を例示する平面図である。 第1受信巻線の一つの受信巻線部を例示する平面図である。 第2送信巻線及び第2受信巻線を例示する平面図である。 第2受信巻線の一つの受信巻線部を例示する平面図である。 第1磁束結合体を例示する平面図である。 第2磁束結合体を例示する平面図である。 第1実施形態の誘導検出型ロータリエンコーダにおける第1磁束結合体、及び第2磁束結合体を直線に展開して位相関係を示す模式図である。 第1送信巻線に流れる送信電流に伴い、第1磁束結合体、及び第2磁束結合体に生じる誘導電流を説明するための図である。 第2実施形態における第2磁束結合体41bを例示する平面図である。 第3実施形態に係る送信巻線31cを示す概略図である。 従来の誘導検出型ロータリエンコーダにおける第1磁束結合体の構成を例示する平面図である。 従来の誘導検出型ロータリエンコーダにおける第2磁束結合体の構成を例示する平面図である。 従来の誘導検出型ロータリエンコーダにおける第1磁束結合体、及び第2磁束結合体を直線に展開して位相関係を示す模式図である。 図17(a)及び(b)は、第1送信巻線31aに流れる送信電流に伴い、第1磁束結合体41a、及び第2磁束結合体41bに生じる誘導電流を説明するための図である。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、同一の部材には同一の符号を付し、一度説明した部材については適宜その説明を省略する。
図1は、第1実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダを適用したデジタル式マイクロメータを例示する正面図である。図1に表したように、デジタル式マイクロメータ1は、フレーム3と、シンブル5と、スピンドル7と、表示部9と、を備える。フレーム3は、シンブル5及びスピンドル7を支持する本体部3aと、本体部3aから間隔を開けて設けられるアンビル部3bとを有する。シンブル5は、フレーム3の本体部3aに回転可能に取り付けられる。測定子であるスピンドル7は、フレーム3の本体部3aで回転可能に支持される。
スピンドル7の一端7a側はフレーム3の本体部3aからアンビル部3bに向けて突出している。アンビル部3bには、スピンドル7の一端7aと対向するようにアンビル3cが取り付けられる。スピンドル7の他端側はフレーム3の本体部3aに入り込む。スピンドル7の他端側には送りねじ(図1には示されない)が設けられる。この送りねじがシンブル5内に設けられたナット(図1には示されない)に嵌め込まれている。
フレーム3の本体部3aの外装面には表示部9が設けられる。表示部9は、例えばセグメント方式で数値等を表示する液晶表示パネルである。このような構成において、シンブル5を正方向に回転させると、スピンドル7は、スピンドル7の軸(回転軸AX)に沿ってアンビル3c側へ移動する。これにより、スピンドル7とアンビル3cとの間隔が狭くなる。一方、シンブル5を逆方向に回転させるとスピンドル7は回転軸AXに沿ってアンビル3cとは反対側へ移動する。これにより、スピンドル7とアンビル3cとの間隔が広くなる。
対象物の大きさを測定する場合には、アンビル3cとスピンドル7の一端7aとの間に対象物を配置し、シンブル5を正方向に回転させてアンビル3cとスピンドル7の一端7aとの間で対象物を挟むようにする。この際のアンビル3cとスピンドル7の一端7aとの間隔が測定結果として表示部9に表示される。
次に、本実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダの構成について説明する。
図2は、本実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダの構成を例示する断面図である。
図2に表したように、誘導検出型ロータリエンコーダ11は、フレーム3の本体部3aに設けられる。
誘導検出型ロータリエンコーダ11は、ステータ13と、ロータ15とを備える。ステータ13はステータブッシュ21を介してフレーム3の本体部3aに固定される。ロータ15は、ステータ13と対向し、回転軸AXを中心に回転可能に設けられる。ロータ15は、円筒状のロータブッシュ19の端面に固定される。ロータブッシュ19及びステータブッシュ21にはスピンドル7が挿入される。
スピンドル7の表面には、シンブル5の内部に配置されたナットに嵌め込まれる送りねじ23が形成される。また、スピンドル7の表面には、スピンドル7の長手方向(スピンドル7の進退方向)にキー溝25が設けられる。キー溝25には、ロータブッシュ19に固定されたピン27の先端部が嵌まっている。これにより、スピンドル7が回転すると、その回転力がピン27を介してロータブッシュ19に伝わり、ロータ15が回転する。すなわち、スピンドル7の回転に連動してロータ15が回転することになる。ピン27はキー溝25に固定されていないので、ロータ15をスピンドル7とともに移動させずにロータ15を回転させることができる。一方、ステータブッシュ21はスピンドル7を回転させても回転しない。つまり、ステータ13はスピンドル7を回転させても固定されたままである。
次に、ステータ13及びロータ15の構成について説明する。
図3は、ステータ13及びロータ15の構成を例示する模式的断面図である。
図3に表したように、ステータ13は、積層された絶縁層33A、33B、33C及び33Dを有する。絶縁層33A、33B、33C及び33Dは、ロータ15から離れる方向にこの順で積層される。絶縁層33A、33B、33C及び33Dには、スピンドル7を通すための貫通孔34が設けられる。
ロータ15は、積層された絶縁層42A及び42Bを有する。絶縁層42A及び42Bは、ステータ13から離れる方向にこの順で積層される。絶縁層42A及び42Bには、スピンドル7を通すための貫通孔43が設けられる。
ステータ13には、第1受信巻線32a及び第2受信巻線32bが設けられる。第1受信巻線32aは、回転軸AXを中心として環状に形成される。第1受信巻線32aの一部(第1層配線)は絶縁層33Aのロータ15側に形成され、他部(第2層配線)は絶縁層33Aと絶縁層33Bとの間に形成される。これらは絶縁層33Aを貫通するスルーホール又はビアを介して接続される。
第2受信巻線32bは、回転軸AXに沿った方向において第1受信巻線32aと重なる環状の領域に形成される。第2受信巻線32bは、絶縁層33Bを介して第1受信巻線32aと積層される。第2受信巻線32bの一部(第3層配線)は絶縁層33Bと絶縁層33Cとの間に形成され、他部(第4層配線)は絶縁層33Cと絶縁層33Dとの間に形成される。これらは絶縁層33Cを貫通するスルーホール又はビアを介して接続される。
さらに、ステータ13には、第1送信巻線31aと、第2送信巻線31bとが設けられる。第1送信巻線31aは、ステータ13の内周側に設けられる第1内周側巻線部311aと、ステータ13の外周側に設けられる第1外周側巻線部312aとを有する。第1内周側巻線部311a及び第1外周側巻線部312aは回転軸AXを中心として環状に設けられ、回転軸AXを中心に互いに同じ回転方向に電流を流すよう構成される。第1送信巻線31aに流される電流の方向は周期的に変化する。この電流により発生する磁界をロータ15に形成された第1磁束結合体41aに与える。
第2送信巻線31bは、ステータ13の内周側に設けられる第2内周側巻線部311bと、ステータ13の外周側に設けられる第2外周側巻線部312bとを有する。第2内周側巻線部311b及び第2外周側巻線部312bは回転軸AXを中心として環状に設けられ、回転軸AXを中心に互いに異なる回転方向に電流を流すよう構成される。第2送信巻線31bに流される電流の方向は周期的に変化する。この電流により発生する磁界をロータ15に形成された第2磁束結合体41bに与える。
ロータ15には、第1磁束結合体41aと、第2磁束結合体41bとが設けられる。第1磁束結合体41aは、回転軸AXを中心として環状に形成される。第1磁束結合体41aは、絶縁層42Aのステータ13側に設けられる。第1磁束結合体41aは、当該第1磁束結合体41aに対向してステータに設けられる第1受信巻線32aとともに第1トラックを形成する。
第2磁束結合体41bは、回転軸AXに沿った方向において第1磁束結合体41aと環状の領域に形成される。第2磁束結合体41bは、絶縁層42Aと絶縁層42Bとの間に形成される。すなわち、第2磁束結合体41bは、絶縁層42Aを介して第1磁束結合体41aと積層される。第2磁束結合体41bは、当該第1磁束結合体41bに対向してステータに設けられる第2受信巻線32bとともに第2トラックを形成する。
本実施形態では、回転軸AXに沿った方向において、第1受信巻線32aが第2受信巻線32bと第1磁束結合体41aとの間に設けられ、第1磁束結合体41aが第1受信巻線32aと第2磁束結合体41bとの間に設けられる。これにより、第1受信巻線32aは、第1磁束結合体41aと対向する。また、第2受信巻線32bと第2磁束結合体41bとの間には、第1受信巻線32a及び第1磁束結合体41aが配置される。この配置によって、第1受信巻線32aで受信する信号強度を高くすることができる。第1受信巻線32aの受信信号が測定精度に影響を与える場合、この配置は好ましい。
次に、第1送信巻線31a、第2送信巻線31b、第1受信巻線32a、第2受信巻線32b、第1磁束結合体41a及び第2磁束結合体41bの平面的形状について説明する。
図4は、第1送信巻線及び第1受信巻線を例示する平面図である。
図4に表したように、第1送信巻線31aは、スピンドル7の回転軸AXに対して同軸的に形成された第1内周側巻線部311a及び第1外周側巻線部312aを有する。第1内周側巻線部311a及び第1外周側巻線部312aは、絶縁層33Aのロータ15側に設けられる。第1内周側巻線部311a及び第1外周側巻線部312aは、それぞれ略円形の電流経路を持つ。第1内周側巻線部311a及び第1外周側巻線部312aの電流経路を流れる電流の向きは、互いに同じ方向になるように構成される(図4の矢印参照)。
第1受信巻線32aは、第1送信巻線31aの第1内周側巻線部311aと第1外周側巻線部312aとの間に位置するように環状に形成される。第1受信巻線32aは、回転方向に位相を異ならせた3つの受信巻線部321a〜323aにて構成される。受信巻線部321a〜323aにおける互いに交差する部分は、絶縁層33Aを介して上下に配列され、相互にスルーホール又はビアを介して接続される。これにより、各々絶縁分離されて配置される。
図5は、第1受信巻線の一つの受信巻線部を例示する平面図である。
図5に表したように、受信巻線部321aは、ロータ15の回転方向にピッチλ1をもって周期的に変化するループ状(菱型状)の形状を有する。受信巻線部321aにおいて、菱型状のパターン対PA1は16個設けられる。なお、受信巻線部322a、323aも受信巻線部321aと同様の形状を有する。
図6は、第2送信巻線及び第2受信巻線を例示する平面図である。
図6に表したように、第2送信巻線31bは、スピンドル7の回転軸AXに対して同軸的に形成された第2内周側巻線部311b及び第2外周側巻線部312bを有する。第2内周側巻線部311b及び第2外周側巻線部312bは、絶縁層33Cのロータ15側に設けられる。
第2内周側巻線部311b及び第2外周側巻線部312bは、それぞれ略円形の電流経路を持つ。第2内周側巻線部311b及び第2外周側巻線部312bの電流経路を流れる電流の向きは、互いに異なる方向になるように構成される(図6の矢印参照)。
第2受信巻線32bは、第1受信巻線32aと同様な形状を有し、回転方向に位相を異ならせた3つの受信巻線部321b〜323bにて構成される。しかし、第2受信巻線32bの回転方向のピッチは、第1受信巻線32aの回転方向のピッチと相違する。
図7は、第2受信巻線の一つの受信巻線部を例示する平面図である。
図7に表したように、受信巻線部321bは、ロータ15の回転方向にピッチλ1とは異なるピッチλ2をもって周期的に変化するループ状(菱型状)の形状を有する。受信巻線部321bにおいて、菱型状のパターン対PA2は9個設けられる。なお、受信巻線部322b、323bも受信巻線部321bと同様の形状を有する。
図8は、第1磁束結合体を例示する平面図である。
図8に表したように、第1磁束結合体41aは、スピンドル7に対して同軸的に形成され、第1受信巻線32aと空隙を介して重なるように形成される。第1磁束結合体41aは、第1受信巻線32aと同じピッチλ1をもってロータ15の回転方向に周期的に変化する連続した歯車状の形状を有する。
第1磁束結合体41aは、スピンドル7に近づく方向に窪む凹部411aと、スピンドル7から離れる方向に突出する凸部412aとを交互に構成する。ピッチλ1における、凸部412aが形成されている部分の比率(デューティ比)は50%とされる。図8に表した例では、凹部411aと凸部412aとのパターン対PA3は16個設けられる。したがって、本実施形態におけるピッチλ1は22.5度となり、凹部411aと凸部412aは、それぞれピッチλ1において11.25度を占めるように形成される。
図9は、第2磁束結合体を例示する平面図である。
図9に表したように、第2磁束結合体41bは、スピンドル7に対して同軸的に形成され、ロータ15の回転方向に一定ピッチλ2で配置された複数の孤立した矩形ループのような島状パターンが断続的に形成されている。ピッチλ2における、島状パターンが形成されている部分の比率(デューティ比)は50%とされる。図9に表した例では、第2磁束結合体41bは9個設けられる。したがって、本実施形態におけるピッチλ2は40度となり、島状パターンはその50%の20度を占めるように形成される。
上記のように構成される誘導検出型ロータリエンコーダ11において、第1トラックを形成する第1磁束結合体41a及び第1受信巻線32aはピッチλ1で周期的に変化するよう形成され、第2トラックを形成する第2磁束結合体41b及び第2受信巻線32bはピッチλ2で周期的に変化するよう形成されている。ここで、回転軸AXを中心とするロータ15の1周(360度)に含まれるピッチλ1の周期の数をC1(本実施形態ではC1=16)、回転軸AXを中心とするロータ15の1周(360度)のに含まれるピッチλ2の周期数をC2(本実施形態ではC2=9)として、周期数C1と周期数C2は、1以外の公約数を持たない整数(すなわち、互いに素)であり、且つ、次の式(1)の関係を満たし、
2n−0.5<C1/C2<2n+0.5 ・・・(1)
ただし、nは1以上の整数である。
より好ましくは式(2)の関係を満たす。
2n−0.3<C1/C2<2n+0.3 ・・・(2)
周期数C1と周期数C2の関係を定性的に説明すれば、周期数C1と周期数C2は、1以外の公約数を持たない整数(すなわち、互いに素)であり、且つ、C1はC2の約2n倍となる。ピッチλ1とピッチλ2の関係においては、ピッチλ2はピッチλ1の約2n倍となる。
本実施形態の例では、C1=16、C2=9であり、C1/C2≒1.78となって、n=1のとき上記式(1)及び(2)の関係を満たす。
続いて、以上のように構成される誘導検出型ロータリエンコーダ11の動作について説明する。
誘導検出型ロータリエンコーダ11においては、第1送信巻線31aに流す送信電流の方向を周期的に変化させ、この送信電流により発生する磁界をロータ15に形成された第1磁束結合体41aに与える。第1磁束結合体41aには、磁束結合による誘導電流が流れる。第1受信巻線32aは、第1磁束結合体41aに流れる誘導電流によって発生した磁界に基づく誘導電圧を検出する。
また、誘導検出型ロータリエンコーダ11においては、第2送信巻線31bに流す送信電流の方向を周期的に変化させ、この送信電流により発生する磁界をロータ15に形成された第2磁束結合体41bに与える。第2磁束結合体41bには、磁束結合による誘導電流が流れる。第2受信巻線32bは、第2磁束結合体41bに流れる誘導電流によって発生した磁界に基づく誘導電圧を検出する。
以下、第1送信巻線31aに流す送信電流に伴う誘導電流について詳述する。
図10は、本実施形態の第1磁束結合体41a、及び第2磁束結合体41bを直線に展開して位相関係を示す模式図である。なお、第2磁束結合体41bは、島状パターン41b−1〜41b−9で構成されているものとして説明する。周期数C1と周期数C2が1以外の公約数を持たない整数であることにより、1回転する間に同じ位相関係となる角度が存在しない。したがって、第1トラック及び第2トラックで検出される誘導電圧に基づいて、ロータ15のステータ13に対する位置(角度)を一意に特定することが可能となる。
図11は、第1送信巻線31aに流れる送信電流に伴い、第1磁束結合体41a、及び第2磁束結合体41bに生じる誘導電流を説明するための図である。図11に表した例では、第1トラックを測定するときに第1送信巻線31aの第1内周側巻線部311a及び第1外周側巻線部312aに時計回りの電流Id1が流れる。この電流Id1によって、第1、第2磁束結合体41a、41bの外周側及び内周側の電流経路においては、それぞれ反時計回りに誘導電流Id21及びId22が流れる。この場合、ループ状ではない第1磁束結合体41aの電流経路では誘導電流Id21及びId22の打ち消し合いは発生しない。一方、ループ状の第2磁束結合体41bでは誘導電流Id21及びId22の打ち消し合いが発生する。
図10に示されるように、第2磁束結合体41bの島状パターン41b−1〜41b−9は、第1磁束結合体41aの歯車状のパターンとの測長(回転)方向における位置関係が異なっている。このため、従来の誘導検出型ロータリエンコーダと同様、島状パターン41b−1〜41b−9の各々に流れる誘導電流の方向と大きさにばらつきがある。しかし、第1磁束結合体41aと第2磁束結合体41bは、その周期数C1と周期数C2が上述の式(1)の関係を満たし、ピッチλ2がピッチλ1の約2倍(具体的には約1.78倍)となっていることにより、以下で説明するように、従来例と比較してクロストーク成分を抑制することができる。
図11は、島状パターン41b−4の周辺において、第1送信巻線31aを流れる電流Id1によって第1、第2磁束結合体41a、41bに生じる誘導電流を概略的に示している。
第1送信巻線31aの外周側に流れる電流Id1によって、第2磁束結合体41bの島状パターン41b−4に発生する誘導電流Id21は、島状パターン41b−4が第1磁束結合体41aと重なっていない部分(B部)で発生する。すなわち、B部では、第1送信巻線31aの外周側の近傍に第1磁束結合体41aの歯車状のパターンが存在しないため、第1送信巻線31aの外周側に流れる電流Id1は、第1磁束結合体41aに誘導電流を発生させず、第2磁束結合体41bの島状パターン41b−4に誘導電流Id21を発生させる。
第1送信巻線31aの内周側に流れる電流Id1によって、第2磁束結合体41bの島状パターン41b−4に発生する誘導電流Id22は、島状パターン41b−4が第1磁束結合体41aと重なっていない部分(A部及びC部)で発生する。すなわち、A部及びC部では、第1送信巻線31aの内周側の近傍に第1磁束結合体41aの歯車状のパターンが存在しないため、第1送信巻線31aの内周側に流れる電流Id1は、第1磁束結合体41aに誘導電流を発生させず、第2磁束結合体41bの島状パターン41b−4に誘導電流Id22を発生させる。
一方、第1磁束結合体41aと重なっている部分(A部〜C部以外の部分)では、第1送信巻線31aの外周側及び内周側に流れる電流Id1によって誘導される電流量はほぼ0となる。
図11に示したように、B部の長さはA部とC部の長さの合計の約1.28倍であるため、Id21=1.28×Id22となり、島状パターン41b−4に流れる合成電流In4は、In4=Id21−Id22=Id21−0.78×Id21=0.22×Id21となる。Id21>Id22であることから、合成電流In4は反時計方向に流れる。本実施形態の島状パターン41b−4では、ピッチλ2がピッチλ1の約2倍(具体的には約1.78倍)となすることにより、外周側で誘導電流が発生する部分(B部)の長さと内周側で誘導電流が発生する部分(A部とC部)の長さとの差を、従来(図17(a)を参照)と比べ小さくすることができる。その結果、第1送信巻線31aに流れる電流に伴って島状パターン41b−4に生じるクロストーク成分を抑制することができる。
島状パターン41b−4以外の島状パターンでも同様に、ピッチλ2がピッチλ1の約2倍(具体的には約1.78倍)となっていることにより、外周側で誘導電流が発生する部分(B部)の長さと内周側で誘導電流が発生する部分(A部とC部)の長さとの差が、従来と比べ小さくなる。その結果、第2磁束結合体41bの外周側と内周側とにおける第1送信巻線31aに流れる電流による誘導電流の差が抑制され、各島状パターン41b−1〜41b−9に生じるクロストーク成分を抑制することができる。したがって、第1トラックの検出精度が悪化することを抑制することができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態の誘導検出型ロータリエンコーダ11aは、第2磁束結合体41bのパターンが第1実施形態の誘導検出型ロータリエンコーダ11と異なっている。他の構成については誘導検出型ロータリエンコーダ11と同様である。なお、以下の説明では、誘導検出型ロータリエンコーダ11との共通部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図12は、本実施形態における第2磁束結合体41bを例示する平面図である。本実施形態において、第2磁束結合体41bは、第1実施形態と同様に360度の回転につき9周期となる一定ピッチλ2(40度)でロータ15の回転方向に配置された複数の孤立した矩形ループのような島状パターンに形成されている。第1実施形態では、島状パターンを、ピッチλ2の50%を占めるように形成したが、本実施形態では、図12に示したように、ロータ15の回転方向における島状パターンの幅をピッチλ1の整数倍(図12の例では1倍)となるように形成する。本実施形態の第1トラックは第1実施形態と同様であり、ピッチλ1は22.5度なので、第2磁束結合体41bの島状パターンは、ピッチλ2のうち22.5度を占めるように形成される。このような構成により、本実施形態では、クロストーク成分をさらに効果的に抑制することができる。
第2磁束結合体41bを構成する島状パターン41b−1〜41b−9のうち、島状パターン41b−4の周辺において、第1送信巻線31aを流れる電流Id1によって第1、第2磁束結合体41a、41bに生じる誘導電流は、図11に示した第1実施形態と同様の原理にて生じるが、下記のとおり、島状パターン41b−4に生じるクロストーク成分は完全に打ち消されることとなる。
すなわち、第1送信巻線31aの外周側に流れる電流Id1によって、第2磁束結合体41bの島状パターン41b−4に発生する誘導電流Id21は、島状パターン41b−4が第1磁束結合体41aと重なっていない部分(B部)で発生する。すなわち、B部では、第1送信巻線31aの外周側の近傍に第1磁束結合体41aの歯車状のパターンが存在しないため、第1送信巻線31aの外周側に流れる電流Id1は、第1磁束結合体41aに誘導電流を発生させず、第2磁束結合体41bの島状パターン41b−4に誘導電流Id21を発生させる。
第1送信巻線31aの内周側に流れる電流Id1によって、第2磁束結合体41bの島状パターン41b−4に発生する誘導電流Id22は、島状パターン41b−4が第1磁束結合体41aと重なっていない部分(A部及びC部)で発生する。すなわち、A部及びC部では、第1送信巻線31aの内周側の近傍に第1磁束結合体41aの歯車状のパターンが存在しないため、第1送信巻線31aの内周側に流れる電流Id1は、第1磁束結合体41aに誘導電流を発生させず、第2磁束結合体41bの島状パターン41b−4に誘導電流Id22を発生させる。
一方、第1磁束結合体41aと重なっている部分(A部〜C部以外の部分)では、第1送信巻線31aの外周側に流れる電流Id1によって誘導される電流量はほぼ0となる。
島状パターン41b−4の幅がピッチλ1と等しいため、B部の長さはA部とC部の長さの合計と等しく、Id21=Id22となる。その結果、島状パターン41b−4に流れる合成電流In4は、In4=Id21−Id22=0となり、クロストーク成分は完全に打ち消される。
島状パターン41b−4以外の島状パターンでも同様に、島状パターンの幅がピッチλ1と等しいことにより、外周側で誘導電流が発生する部分の長さと内周側で誘導電流が発生する部分の長さが等しくなり、内周側と外周側とで誘導電流が打ち消し合う。その結果、各島状パターン41b−1〜41b−9に生じるクロストーク成分をほぼゼロにすることができ、第1トラックの検出精度が悪化することを抑制することができる。
第2実施形態の第2磁束結合体41bは、デューティ比が50%ではないため、第2トラックで検出される誘導電圧の波形にひずみが生じ、第2トラック単体としての狭範囲精度はデューティ比50%の場合と比較して若干悪化する可能性がある。しかし、第2トラックでの検出結果は、第1トラックでの検出結果と照らして両者の位相関係からロータ15の絶対位置を特定するためのものであり、第2トラックの自体の検出精度は重要でない。このため、上記の構成により第1トラックの検出精度が向上することにより、誘導検出型ロータリエンコーダ12の総合的な位置検出精度が向上する。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態に係る誘導検出型ロータリエンコーダ11bについて説明する。第3実施形態は、第1実施形態又は第2実施形態の第1、第2送信巻線31a、31bを一つの送信巻線31cに置き換え、電流の流す向きを切り替えるようにしたものである。送信巻線31cは、電流方向が周期的に変化する送信電流を流し、これにより発生する磁界を第1、第2磁束結合体41a、41bに与える。送信巻線31cの内周側及び外周側の電流経路は、より高い信号強度を得るため絶縁層33Aのロータ15側の表面だけに設けるとよい。この他、第3実施形態は、第1実施形態又は第2実施形態と同様の構成を有する。よって、以下、図13を参照して第3実施形態に係る送信巻線31c及びその周辺回路のみを説明する。
本実施形態のロータリエンコーダ11bは、図13(a)に示すように、送信巻線31cの内周側の電流経路に流れる電流の向きを反転させるためのスイッチS1、S2を有する。このスイッチS1、S2の切り替えにより、送信巻線31cは、図13(b)に示す状態A、図13(c)に示す状態Bに設定可能とされる。図13(b)に示す状態Aにおいては、送信巻線31cの外周側の経路に流れる電流の向きが送信巻線31cの内周側の経路に流れる電流の向きと同じとなる(矢印参照)。図13(c)に示す状態Bにおいては、送信巻線31cの外周側の経路に流れる電流の向きが送信巻線31cの内周側の経路に流れる電流の向きと逆となる(矢印参照)。
以上により、第3実施形態は、第1実施形態又は第2実施形態と同様の効果を奏する。また、第3実施形態は、1つの送信巻線31cしか有さないため、2つの送信巻線31a、31bを有する第1実施形態及び第2実施形態と比較して、巻線周りの構成を簡略化することができる。
以上説明したように、実施形態によれば、磁束結合体において誘導電流の打ち消しが行われる際のクロストークの発生を抑制して精度の高い位置検出を行うことができる誘導検出型ロータリエンコーダを提供することが可能になる。
〔実施形態の変形〕
なお、上記に本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。例えば、上記各実施形態では、周期数C1と周期数C2を、C1=16、C2=9とした場合を例に説明したが、周期数C1と周期数C2は、1以外の公約数を持たない整数(すなわち、互いに素)であり、式(1)(より好ましくは式(2))の関係を満たせば、いかなる値の組み合わせとしてもよい。
また、第2実施形態では、ロータ15の回転方向における島状パターンの幅がピッチλ1と等しい(つまりλ1の1倍である)場合を例に説明したが、ロータ15の回転方向における島状パターンの幅はピッチλ1の整数倍であれば、2倍以上であってもよい。また、前述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、各実施形態の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含有される。
以上のように、本発明は、デジタルマイクロメータのほか、デジタルインジケータなど回転量を検出して測定値を求める各種測定器に好適に利用できる。
1…デジタル式マイクロメータ
3…フレーム
5…シンブル
7…スピンドル
9…表示部
11,12…誘導検出型ロータリエンコーダ
13…ステータ
15…ロータ
31a…第1送信巻線
31b…第2送信巻線
32a…第1受信巻線
32b…第2受信巻線
33A,33B,33C,33D…絶縁層
41a…第1磁束結合体
41b…第2磁束結合体
42A,42B…絶縁層
311a…第1内周側巻線部
311b…第2内周側巻線部
312a…第1外周側巻線部
312b…第2外周側巻線部

Claims (2)

  1. ステータと、
    前記ステータと対向し、回転軸を中心に回転可能に設けられたロータと、
    前記ステータに設けられ、前記回転軸を中心に互いに同じ回転方向に電流を流す第1内周側巻線部及び第1外周側巻線部を有する第1送信巻線と、
    前記ステータに設けられ、前記回転軸を中心として環状に形成された第1受信巻線と、
    前記ステータに設けられ、前記回転軸に沿った方向に前記第1受信巻線と重なるように環状に形成され、前記第1受信巻線との間に第1絶縁層を介して形成された第2受信巻線と、
    前記ロータに前記回転軸を中心として環状に形成され、前記第1受信巻線と磁束結合する第1磁束結合体と、
    前記ロータに前記回転軸に沿った方向に第1磁束結合体と重なるように環状に形成され、前記第1磁束結合体との間に第2絶縁層を介して形成され、前記第1受信巻線と磁束結合する第2磁束結合体と、
    を備え、
    前記第1磁束結合体は、第1ピッチをもって前記ロータの回転方向に周期的に変化する歯車状の連続なパターンで形成され、
    前記第2磁束結合体は、前記第1ピッチと異なる第2ピッチをもって前記ロータの回転方向に周期的に変化する島状の孤立したパターンで形成され、
    前記ロータの回転方向における前記第2磁束結合体の個々の島状パターンの幅は、前記第1ピッチと等しく、
    前記回転軸を中心とするロータの1周に含まれる前記第1ピッチの周期の数をC1、前記回転軸を中心とする前記ロータの1周に含まれる前記第2ピッチの周期数をC2として、C1とC2は1以外の公約数を持たない整数(すなわち、互いに素)であり、且つ、2n−0.5<C1/C2<2n+0.5(ただし、nは1以上の整数)の関係を満たすことを特徴とする誘導検出型ロータリエンコーダ。
  2. C1とC2は、2n−0.3<C1/C2<2n+0.3の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の誘導検出型ロータリエンコーダ。
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