JP2005214722A - 誘導型変位検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高精度測定、小型化及び測定のリアルタイム性向上を実現することが可能なアブソリュートタイプの誘導型変位検出装置を提供する。
【解決手段】センサヘッド1には、互いに波長が異なる受信巻線7,9とこれらに対応する送信巻線21,23が配置される。送信巻線21,23からなる群である送信巻線群G2が一筆書状に構成されているので、送信巻線駆動回路を共用化できる。よって、送信巻線21,23に送信信号を同時に送ることができる。
【選択図】図1
【解決手段】センサヘッド1には、互いに波長が異なる受信巻線7,9とこれらに対応する送信巻線21,23が配置される。送信巻線21,23からなる群である送信巻線群G2が一筆書状に構成されているので、送信巻線駆動回路を共用化できる。よって、送信巻線21,23に送信信号を同時に送ることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、ノギスやマイクロメータに代表される小型の測定工具、ロータリエンコーダ、リニアエンコーダおよびセンサ機器等に応用される、電磁結合(磁束結合)を利用して変位検出を行う誘導型変位検出装置に関する。
従来から直線変位や角度変位などの精密な測定に誘導型変位検出装置(以下、「エンコーダ」という場合もある)が利用されている。この検出装置にはリニア型とロータリ型がある。リニア型の誘導型変位検出装置は、磁束結合巻線を所定ピッチで配列したトラックを有するスケールと、このスケールに対して相対移動可能に対向配置されると共に磁束結合巻線と磁束結合する送信巻線及び受信巻線が配置されたセンサヘッドと、により構成される(例えば特許文献1)。
一方、ロータリ型の誘導型変位検出装置は、送信巻線及び受信巻線がステータに配置され、磁束結合巻線に対応する導電プレートがロータに配置されている(例えば特許文献2)。
また、エンコーダには、インクリメンタルタイプ(例えば特許文献1)とアブソリュートタイプ(例えば特許文献3)がある。インクリメンタルタイプは、原点を基準にして受信巻線で受信された信号をカウントすることにより、センサヘッドの位置(つまり原点からのセンサヘッドの変位量)を求める。これに対して、アブソリュートタイプは、複数の送信巻線に同時に送信信号を送り、磁束結合巻線を介して複数の受信巻線に流れた、互いに波長の異なる受信信号を同時に検出し、これらの受信信号を合成してセンサヘッドの位置を特定する。
アブソリュートタイプは、インクリメンタルタイプに比べて複雑な構造となるが、測定位置で受信される信号により測定位置を特定できるので、原点から測定位置までセンサヘッドを動かす必要がない。
特開平10-318781号公報(図4)
特開平8-313295号公報(図16)
特開平10−213408号公報(図7)
しかし、特許文献3に示すアブソリュートタイプでは、トランスデューサ(一組の送信巻線、トラック及び受信巻線)は、他のトランスデューサと独立している。このため、トランスデューサ毎に、専用の送信巻線駆動回路及び受信信号検出回路を用意しなければならず、誘導型変位検出装置の小型化の妨げとなる。
また、同じ駆動回路を各トランスデューサに配置しても、回路の抵抗やインダクタンス等を完全に同一にできないため、送信信号を同時に各送信巻線に送ることができない。したがって、トラック毎に測定位置が異なり、より高精度な測定の実現の障害になる。特に、センサヘッドを高速で動かした場合、測定位置の異なりが大きくなるため、高速で測定するタイプのエンコーダには不向きである。さらに、送信巻線が受信巻線を囲むようにされているので、受信信号にオフセットが発生し易く、これも高精度測定の妨げとなる。
本発明は、高精度測定、小型化及び測定のリアルタイム性向上を実現することが可能なアブソリュートタイプの誘導型変位検出装置を提供することを目的とする。
本発明に係る誘導型変位検出装置は、互いに対向して配置された一方及び他方の巻線保持部材と、前記一方の巻線保持部材に磁束結合巻線を複数並べて構成されたトラックの群であると共に少なくとも二つの前記トラックが互いに異なる前記磁束結合巻線の配列ピッチを有するトラック群と、前記他方の巻線保持部材に配置された複数の受信ループで構成された受信巻線の群であると共に前記少なくとも二つのトラックの配列ピッチにそれぞれ対応する波長を有する少なくとも二つの前記受信巻線を含む受信巻線群と、前記他方の巻線保持部材に配置された送信巻線の群であると共にこれらの送信巻線が一筆書状につながっている送信巻線群と、を備える、ことを特徴とする。
本発明に係る誘導型変位検出装置によれば、一筆書状の送信巻線群を備えるため、各送信巻線に送信信号を同時に流すことができる。つまり、送信巻線群を構成する複数の送信巻線を同時に駆動することが可能となる。
本発明に係る誘導型変位検出装置において、前記送信巻線群の各送信巻線は、前記受信巻線群の対応する受信巻線を囲んでいる、ようにすることができる。これによれば、誘導型変位検出装置の小型化が可能となる。
本発明に係る誘導型変位検出装置において、前記受信巻線群は、同じ波長の受信巻線間にこれらと異なる波長の受信巻線が配置された構成を有する、ようにすることができる。これによれば、ミスアライメント特性を改善できる。
本発明に係る誘導型変位検出装置において、前記送信巻線群は、複数のリニア部及び前記リニア部どうしを接続する複数の送信折返し部を含み、異なる前記トラックの前記磁束結合巻線どうしは非接続であり、前記一方の巻線保持部材はスケールであり、前記他方の巻線保持部材は前記スケールに対してリニア方向に相対移動可能なセンサヘッドである、ようにすることができる。
これは、本発明に係る誘導型変位検出装置をリニア型に適用したものである。異なるトラックの磁束結合巻線どうしは非接続なので、異なるトラックの磁束結合巻線どうしを接続する配線が存在しない。よって、受信信号の強度変動を低減できるため、高精度な測定が可能となる。
本発明に係る誘導型変位検出装置において、前記送信巻線群は、半径の異なる複数のリング部及び前記リング部どうしを接続する複数の送信折返し部を含み、異なる前記トラックの前記磁束結合巻線どうしは非接続であり、前記一方の巻線保持部材はロータであり、前記他方の巻線保持部材はステータである、ようにすることができる。
これは、本発明に係る誘導型変位検出装置をロータリ型に適用したものである。異なるトラックの磁束結合巻線どうしは非接続である。このため、上記受信信号の強度変動を低減できることに加えて、次のことも言える。トラックを構成する磁束結合巻線を無駄なく利用できるので、いわゆる余りの磁束結合巻線を無くすことができ、測定誤差を小さくすることができる。
本発明に係る誘導型変位検出装置によれば、一筆書状の送信巻線群を備えるので、送信巻線群を構成する複数の送信巻線を同時に駆動することができる。したがって、高精度測定、小型化及び測定のリアルタイム性向上を実現することが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明に係る誘導型変位検出装置(「誘導型変位検出装置」を「エンコーダ」と記載する場合もある。)について説明する。なお、図において、既に説明した図中の符号で示すものと同一のものについては、同一符号を付すことにより説明を省略する。
[第1実施形態]
第1実施形態に係る誘導型変位検出装置は、アブソリュートタイプのリニア型エンコーダである。第1実施形態は、二つの送信巻線からなる群が一筆書状に構成されている点が主な特徴である。以下、第1実施形態を詳細に説明する。
第1実施形態に係る誘導型変位検出装置は、アブソリュートタイプのリニア型エンコーダである。第1実施形態は、二つの送信巻線からなる群が一筆書状に構成されている点が主な特徴である。以下、第1実施形態を詳細に説明する。
図1は、第1実施形態に係るエンコーダの構成要素であるセンサヘッド1の平面図であり、図2はスケール3の平面図である。スケール3は、その長手方向の一部が表れている。センサヘッド1(他方の巻線保持部材の一例)やスケール3(一方の巻線保持部材の一例)は、プリント回路基板、ガラス基板、シリコン基板等により構成される。センサヘッド1は、スケール3に対して所定ギャップをもって対向するように、測定軸xに沿って移動可能に配置される。なお、センサヘッドが固定でスケールが移動する構成でもよい。すなわち、センサヘッドとスケールとは、互いにリニア方向に相対移動可能に配置されていればよい。
図1のセンサヘッド1の構成を説明する。受信巻線群G1がセンサヘッド1に配置されている。詳しく説明すると、センサヘッド1は、例えば、樹脂からなる絶縁基板5を備える。測定軸x方向に互いに平行に延びる受信巻線7,9が、絶縁基板5の表面上に形成されている。この表面はスケール3に面している。巻線7,9で受信巻線群G1が構成される。
図3は受信巻線群G1の平面図である。受信巻線9を例として受信巻線の構造を説明する。受信巻線9は、上層導体11と、これに立体交差する下層導体13とのセットUを複数備え、これらのセットUをリニア状に配置したものである。上層導体11と下層導体13との間に図示しない絶縁層が配置されている。この絶縁層に設けられたスルーホール又はビアホールに埋め込まれた埋込導体15を介して、上層導体11の端部と下層導体13の端部とが接続されている。したがって、受信巻線9は、図4に示す略ひし形の受信ループ17を複数備え、これらを測定軸xに沿ってセンサヘッド1に配置した構成を有する、と言うこともできる。また、受信巻線9は、端子T5から波状(この例ではジグザグ状であるが、sin状でもよい)に延びて受信折返し部19で折り返し、再び波状に延びて端子T6に至るように構成されている、と言うこともできる。
なお、上層導体11と下層導体13が絶縁基板5(図1)の表面上に形成されている場合で説明している。しかしながら、絶縁基板5の表面上に上層導体11を配置し、裏面上に下層導体13を配置し、絶縁基板5に設けられたスルーホールに埋め込まれた埋込導体15により、上層導体11の端部と下層導体13の端部を接続した構成でもよい。
受信巻線7は、受信巻線9と同様の構成を有している。但し、受信ループ17の寸法は、受信巻線7の方が受信巻線9より小さくされている。このため、図3に示すように、巻線7の波長λ1は、巻線9の波長λ2より小さくなっている。巻線の波長λとは、二つ分の受信ループ17の測定軸x方向に沿う寸法のことである。このように、二つの受信巻線7,9が互いに異なる波長を有するようにされている。なお、受信巻線7の幅w1と受信巻線9の幅w2とは同じであってもよいし、異なっていてもよい。
図1に示すように、センサヘッド1には送信巻線群G2が配置されている。図5は送信巻線群G2の平面図である。図1及び図5を参照して、送信巻線群G2について詳しく説明する。送信巻線群G2は、絶縁基板5の表面上に形成された送信巻線21,23の群であり、これらの送信巻線が一筆書状につながっている。
送信巻線21のリニア部25は、端子T1(一端)から受信巻線7に追着き追越すように、絶縁基板5の側部と受信巻線7との間を、測定軸x方向にリニア状に延びて、送信折返し部27と接続されている。送信折返し部27と接続されたリニア部29は、受信巻線7,9に追着き追越すように、受信巻線7と受信巻線9との間を測定軸x方向にリニア状に延びて、送信折返し部31と接続されている。リニア部29は送信巻線21,23で共用される。送信巻線23のリニア部33は送信折返し部31と接続されており、受信巻線9に追着き追越すように、受信巻線9と絶縁基板5の側面との間を測定軸x方向にリニア状に延びて端子T2(他端)に至るように構成されている。
したがって、送信巻線21は受信巻線7を囲んでおり、送信巻線23は受信巻線9を囲んでいる。つまり、送信巻線群G2の各送信巻線21,23は、受信巻線群G1の対応する受信巻線7,9を囲んでいる、
次に、図2を参照して、トラック群G3が配置されたスケール3の構成を説明する。スケール3は例えば樹脂からなる長尺状の絶縁基板35を有する。絶縁基板35のセンサヘッド1と面する表面上に、複数の磁束結合巻線37が測定軸xに沿って配列ピッチp1で並べられている。これにより、リニア状のトラック39が構成される。配列ピッチp1は、図1に示す受信巻線7の波長λ1に等しい。
次に、図2を参照して、トラック群G3が配置されたスケール3の構成を説明する。スケール3は例えば樹脂からなる長尺状の絶縁基板35を有する。絶縁基板35のセンサヘッド1と面する表面上に、複数の磁束結合巻線37が測定軸xに沿って配列ピッチp1で並べられている。これにより、リニア状のトラック39が構成される。配列ピッチp1は、図1に示す受信巻線7の波長λ1に等しい。
トラック39の隣にトラック39と平行にトラック41が配置されている。トラック41はトラック39と同様に磁束結合巻線37を並べて構成される。トラック39,41によりトラック群G3が構成される。トラック39の磁束結合巻線37とトラック41のそれとは非接続である。
トラック41の磁束結合巻線37の配列ピッチp2は、トラック39のそれの配列ピッチp1より大きく(配列ピッチp2は配列ピッチp1と大きさが異なっており)、図1に示す受信巻線9の波長λ2と等しい。したがって、二つのトラック39,41の配列ピッチp1,p2にそれぞれ対応する波長λ1,λ2を有する二つの受信巻線7,9が設けられていることになる。図2において、配列ピッチp1,p2により、磁束結合巻線37どうしの間には磁束結合巻線37一個分のスペースが設けられる(受信ループ17一個分のスペースと言うこともできる)が、このスペースは必ずしも磁束結合巻線37一個分である必要はない。
磁束結合巻線37は、閉じた線状導体43であり、線状導体43が正方形を形作るように延びている。図2において、トラック39の磁束結合巻線37の寸法は、トラック41のそれよりも小さい。
センサヘッド1をスケール3に対してアライメントした状態において、トラック39は、図1の受信巻線7及び送信巻線21と対向しており、トラック41は、受信巻線9及び送信巻線23と対向している。したがって、図6に示すように、トラック39の磁束結合巻線37は、受信巻線7及び送信巻線21に対して相対移動可能であると共にこれらの巻線7,21に対して磁束結合が可能である。一方、トラック41の磁束結合巻線37は、受信巻線9及び送信巻線23に対して相対移動可能であると共に巻線9,23に対して磁束結合が可能である。
なお、磁束結合巻線37、送信巻線21,23及び受信巻線7,9は、アルミニウム、銅、金などの電気抵抗が低い材料で構成される。
図7に示すように、第1実施形態に係る誘導型変位検出装置は、変位を測定するための演算や制御などをするIC回路45を備える。IC回路45の送信巻線駆動回路47は、送信巻線21,23を駆動する(つまり、巻線21,23に交流の送信信号を流す)機能を有する。送信巻線21,23は一筆書状なので、端子T1,T2を共用しており、したがって、一つの駆動回路を共用している。
IC回路45は、二つの受信信号検出回路49,51を備えている。検出回路49は、図示しない配線により受信巻線7の端子T3,T4と接続され、検出回路51は、図示しない配線により受信巻線9の端子T5,T6と接続されている。よって、受信巻線7,9の信号を検出する回路は別々にされている。これらの回路で検出された信号は所定の処理がなされて、IC回路45の演算制御回路53に送られる。この回路53で変位の演算が実行される。演算制御回路53は送信巻線駆動回路47を制御する機能も有する。IC回路45はセンサヘッド1に配置されていてもよいし、これとは別の部品に取り付けられていてもよい。
ここで、図1、図2及び図7を用いて、第1実施形態の動作を簡単に説明する。送信巻線駆動回路47で生成された送信信号を送信巻線21,23に流しながら、センサヘッド1を移動させる。送信巻線21を流れる送信信号により発生する磁界は、トラック39の磁束結合巻線37と結合する。これにより、磁束結合巻線37に流れる電流により発生する磁界が受信巻線7に電磁結合して、受信巻線7に波長λ1で規定される受信信号が流れ、受信信号検出回路49で検出される。同様に、送信巻線23を流れる送信信号によって、トラック41の磁束結合巻線37を介して、受信巻線9に波長λ2で規定される受信信号が流れ、受信信号検出回路51で検出される。
波長λ1,λ2の受信信号は、演算制御回路53に送られて、センサヘッド1の移動量が演算される。移動量演算の原理は次の通りである。これら二つの受信信号(正弦波信号)の位相関係は、λ1,λ2の最小公倍数Λを1波長とする周期関数となる。したがって、波長Λの範囲では、λ1,λ2の位相関係から、センサヘッド1の絶対位置を一意的に決定できる。波長Λ以上の測定については、1波長Λ移動するごとにそれを記憶し、1波長に達しない移動量については上記二つの受信信号の位相関係から算出し、これらを加算することにより、センサヘッド1の全移動量が算出される。
以上のように、第1実施形態によれば、送信巻線群が一筆書状に構成されているため、送信巻線駆動回路47を共用化できる。このため、送信巻線21,23に送信信号を同時に送ることができる。言い換えれば、送信巻線群G2を構成する複数の送信巻線21,23を同時駆動できる。したがって、トラック39,41の測定位置を同じにすることが可能となるため、より高精度な測定を実現できる。上記測定位置を同じにできることから、高速で測定するタイプのエンコーダに第1実施形態を適用しても、高精度測定が可能となる。また、送信巻線駆動回路47を共用化できることにより、エンコーダの小型化を図ることができる。さらに、送信巻線21,23を同時駆動できるため、測定のリアルタイム性を向上させることができる。
ところで、第1実施形態において、図2に示すように、トラック39の磁束結合巻線37とトラック41のそれとは接続されていない。これにより生じる効果を比較形態と比較しながら説明する。
図8は比較形態のスケール61の端部の平面図である。トラック63の磁束結合巻線65とトラック67のそれとは、対応するものどうしが一対一で、一対の配線69により接続されている。トラック63の磁束結合巻線65の配列ピッチとトラック67のそれとは異なるため、配線69の長さは、スケール61の位置により異なる。したがって、スケール61の位置により磁束結合巻線65を流れる電流の強度が異なるため、受信信号の強度を変動させる原因となる。
これに対して、第1実施形態では、図2に示すように、異なるトラック39,41の磁束結合巻線37どうしが非接続である。このため、上記配線69が存在しないため、配線69が原因となる受信信号の強度変動を無くすことができる。したがって、第1実施形態によれば、受信信号の強度変動を低減できるので、より高精度な測定を実現できる。
次に、第1実施形態に係るエンコーダを搭載したノギス73について説明する。図9はノギス73の分解斜視図である。ノギス73は本尺75を備える。スケール3が本尺75に取り付けられる。ノギス73は、本尺75に配設され、本尺75の測定軸xに沿って可動するスライダアセンブリ77を備える。
スライダアセンブリ77はベース79を含む。アセンブリ77はまた、本尺75の上に位置し、ベース79に取り付けられたセンサヘッド1を有する。従って、ベース79およびセンサヘッド1は本尺75に沿ってユニットとして移動する。測定された距離はデジタル表示装置81に表示され、これはスライダアセンブリ77のカバー83に取り付けられている。
[第2実施形態]
第2実施形態に係る誘導型変位検出装置は、アブソリュートタイプのロータリ型エンコーダである。第2実施形態も、第1実施形態と同様に、二つの送信巻線からなる群が一筆書状に構成されている点が主な特徴である。以下、第2実施形態について、第1実施形態との相違を中心に説明する。
第2実施形態に係る誘導型変位検出装置は、アブソリュートタイプのロータリ型エンコーダである。第2実施形態も、第1実施形態と同様に、二つの送信巻線からなる群が一筆書状に構成されている点が主な特徴である。以下、第2実施形態について、第1実施形態との相違を中心に説明する。
図10は、第2実施形態に係るエンコーダの構成要素であるステータ91の平面図であり、図11はロータ93の平面図である。他方の巻線保持部材の一例であるステータ91と一方の巻線保持部材の一例であるロータ93とが互いに対向するように配置されている。ロータ93は回転方向Aに回転自在に支持されている。ステータ91やロータ93はプリント回路基板等により構成される。
図10に示すステータ91は、中央に貫通穴95が形成された絶縁基板97を備える。リング状の受信巻線99が貫通穴95を囲むように絶縁基板97上に配置されている。受信巻線99の半径より大きい半径を有するリング状の受信巻線101が受信巻線99を囲むように絶縁基板97上に配置されている。受信巻線99,101で受信巻線群G1が構成される。巻線101を例として受信巻線の構造を説明する。
図12は受信巻線101の平面図である。受信巻線11は、図4に示す略ひし形の受信ループ17を複数備え、これらを貫通穴95(図10)に沿って配置した構成を有する、と言うことができる。
図13は、受信巻線101の受信折返し部103付近の平面図である。受信折返し部103は、受信巻線101の先端側105及び末端側107の両方の二箇所に形成されている。詳しくは、先端側105では、下層導体13が受信折返し部103で折り返されており、末端側107では、上層導体11が受信折返し部103で折り返されている。よって、受信巻線101は、端子T6から波状に延びて先端側105の受信折返し部103で折り返し、再び波状に延びて末端側107の受信折返し部103で折り返して端子T5に至るように構成されている、と言うこともできる。
図3に示す第1実施形態の受信折返し部19には埋込導体15が位置しており、これにより、上層導体11と下層導体13が受信折返し部19で接続されている。これに対して、図13に示す第2実施形態では、先端側105の受信折返し部103は下層導体13であり、末端側107の受信折返し部103は上層導体11である。したがって、先端側105の受信折返し部103と末端側107の受信折返し部103とは接続されていない。
受信巻線99は、受信巻線101と同様の構成を有している。但し、巻線99の波長λ3は、巻線101の波長λ4より小さくされている。ここでの波長λとは、図12に示すように、二つ分の受信ループ17の回転方向A(図11)に沿う角度のことである。
一筆書状につながった送信巻線109,111が絶縁基板97の上に配置されている。巻線109,111により送信巻線群G2が構成される。図14は送信巻線群G2の平面図である。図10及び図14を参照して、送信巻線群G2について詳しく説明する。リング部113は、貫通穴95の近傍に位置する端子T1(一端)から受信巻線99の内側をリング状に延びて、送信折返し部115と接続されている。
送信折返し部115は受信巻線99と立体交差している。送信折返し部115と接続されたリング部117は、リング部113より大きい半径で、受信巻線99と受信巻線101との間をリング状に延びて、送信折返し部119と接続されている。送信折返し部119は受信巻線101と立体交差している。リング部121は送信折返し部119と接続されており、リング部117より大きい半径で、受信巻線101の外側をリング状に延びて端子T2(他端)に至るように構成されている。
送信巻線109はリング部113,117を含む。一方、送信巻線111はリング部117,121を含む。巻線109,111はリング部117を共用している。
次に、図11を参照して、トラック群G3が配置されたロータ93の構成を説明する。ロータ93は中央に貫通穴123が形成されている円盤状の絶縁基板125を有する。複数の磁束結合巻線127が貫通穴123を囲むように、配列ピッチp3で絶縁基板125上に並べられている。これにより、リング状のトラック129が構成される。トラック129を構成する磁束結合巻線127の配列ピッチp3は、図10に示す受信巻線99の波長λ3に等しい。
トラック129を囲むように絶縁基板125上にトラック131が配置されている。トラック129,131によりトラック群G3が構成される。トラック129の磁束結合巻線127とトラック131のそれとは非接続である。トラック131の構成はトラック129の構成と同様である。但し、トラック131の磁束結合巻線127の配列ピッチp4は、配列ピッチp3と異なっており、図10に示す受信巻線101の波長λ4と等しい。
図示しない回転軸が図10のステータ91の貫通穴95に通されており、この回転軸がロータ93の貫通穴123の箇所に固定されている。これにより、ロータ93が回転方向Aに回転自在に支持される。この状態において、トラック129は、図10の受信巻線99及び送信巻線109と対向しており、トラック131は、受信巻線101及び送信巻線111と対向している。したがって、図15に示すように、トラック129の磁束結合巻線127は、受信巻線99及び送信巻線109に対して相対移動可能であると共にこれらの巻線99,109に対して磁束結合が可能である。一方、トラック131の磁束結合巻線127は、受信巻線101及び送信巻線111に対して相対移動可能であると共に巻線101,111に対して磁束結合が可能である。磁束結合巻線127は、閉じた線状導体133であり、線状導体133は略台形状を形作るように延びている。
次に、第2実施形態に係るエンコーダの動作について、マイクロメータを例にして図10、図11及び図16を参照して簡単に説明する。図16は、上記変位検出装置を搭載したマイクロメータ135の正面図である。フレーム137にステータ91が固定され、シンブル139にロータ93が固定されている。
例えば、製造現場で使用中に工作機械のクーラントやオイルがスピンドル141周辺から内部に侵入した場合、従来の静電容量式ロータリエンコーダを使用したデジタル式のマイクロメータでは誤動作を起していたが、本発明による誘導型変位検出装置を使用したデジタル式のマイクロメータであれば検出原理が電磁誘導であるため、誤動作することなく変位を検出することができる。従って、従来よりも耐環境性に優れたデジタル式のマイクロメータを提供することが可能である。
第2実施形態は、第1実施形態と同様の効果を有するほか、ロータリ型に基づき次の効果も有する。図17は比較形態に係るロータ143の平面図である。トラック145の磁束結合巻線とトラック147のそれとは、図8と同様に配線により接続されているため、配線の長さの違いに基づく受信信号の強度変動が生じる。これに加えて、外側のトラック147を構成する複数の磁束結合巻線のうち、トラック145の磁束結合巻線と接続されていない余りの磁束結合巻線149が存在する。これが測定誤差の原因となる。これに対して、第2実施形態では、異なるトラックの磁束結合巻線は非接続なので、磁束結合巻線を無駄なく利用でき、上記余りが発生することがない。よって、測定精度を向上させることができる。
なお、第1及び第2実施形態は、一つのトランスデューサ(例えば、図1及び図2の送信巻線21、受信巻線7、トラック39)の受信巻線は1相の場合である。しかしながら、本発明の一つのトランスデューサは、互いに位相をずらして配置された二つ以上の受信巻線の場合(2相以上の受信巻線)でもよい。
また、第1及び第2実施形態は、波長が異なる二つの受信巻線(磁束結合巻線の配列ピッチが異なる二つのトラック)の場合であるが、互いに波長が異なる三つ以上の受信巻線の場合にも本発明を適用することができる。この場合に該当するのが第3実施形態である。図18は、第3実施形態に係るエンコーダのセンサヘッドの平面図である。図1との相違を説明する。リニア部33がさらに送信折返し部151と接続され、送信折返し部151がリニア部153に接続されて端子T2に至る。リニア部33,153により、送信巻線155が構成されている。リニア部33,153間に受信巻線157が配置されている。受信巻線157の波長はλ5であり、λ5>λ2>λ1である。
さらに、三つ以上の受信巻線(三つ以上のトラック)が互いに波長(配列ピッチ)の異なる場合だけでなく、波長が同じ受信巻線を二つ以上含む場合でも本発明を適用することができる。例えば三つの受信巻線のうち、二つの波長がλ1で、残り一つの波長がλ2の場合である。これを第4実施形態で説明する。図19は、第4実施形態に係るエンコーダのセンサヘッドの平面図である。図18との相違は、受信巻線157の波長をλ1とし、受信巻線7の波長λ1と同じにした点である。第4実施形態によれば、同じ波長λ1の受信巻線7,157の間にこの波長と異なる波長λ2の受信巻線9が配置された構成をしている。したがって、受信巻線群G1は、X軸及びY軸について線対称となる。よって、センサヘッドがスケールにアライメントされる際にずれが生じても、その影響を小さくできる(ミスアライメント特性の改善)。
また、第1及び第2実施形態では、送信巻線群の各送信巻線が受信巻線群の対応する受信巻線を囲んでいるが、囲んでいない構成でもよい。これを図20で説明する。図20は、第5実施形態に係るエンコーダのセンサヘッドの平面図である。図1との相違は、送信折返し部31及びリニア部33を有しない点である。したがって、送信巻線群G2は送信巻線21のみで構成される。受信巻線7,9が送信巻線21で囲まれている。
1・・・センサヘッド、3・・・スケール、5・・・絶縁基板、7,9・・・受信巻線、11・・・上層導体、13・・・下層導体、15・・・埋込導体、17・・・受信ループ、19・・・受信折返し部、21,23・・・送信巻線、25・・・リニア部、27・・・送信折返し部、29・・・リニア部、31・・・送信折返し部、33・・・リニア部、35・・・絶縁基板、37・・・磁束結合巻線、39,41・・・トラック、43・・・線状導体、45・・・IC回路、47・・・送信巻線駆動回路、49,51・・・受信信号検出回路、53・・・演算制御回路、61・・・スケール、63・・・トラック、65・・・磁束結合巻線、67・・・トラック、69・・・配線、71・・・引出線、73・・・ノギス、75・・・本尺、77・・・スライダアセンブリ、79・・・ベース、81・・・デジタル表示装置、83・・・カバー、91・・・ステータ、93・・・ロータ、95・・・貫通穴、97・・・絶縁基板、99,101・・・受信巻線、103・・・受信折返し部、105・・・先端側、107・・・末端側、109,111・・・送信巻線、113・・・リング部、115・・・送信折返し部、117・・・リング部、119・・・送信折返し部、121・・・リング部、123・・・貫通穴、125・・・絶縁基板、127・・・磁束結合巻線、129,131・・・トラック、133・・・線状導体、135・・・マイクロメータ、137・・・フレーム、139・・・シンブル、141・・・スピンドル、143・・・ロータ、145,147・・・トラック、149・・・磁束結合巻線、151・・・送信折返し部、153・・・リニア部、155・・・送信巻線、157・・・受信巻線、x・・・測定軸、G1・・・受信巻線群、U・・・上層導体と下層導体のセット、T1〜T8・・・端子、λ1・・・受信巻線7の波長、λ2・・・受信巻線9の波長、G2・・・送信巻線群、G3・・・トラック群、p1・・・トラック39の磁束結合巻線の配列ピッチ、p2・・・トラック41の磁束結合巻線の配列ピッチ、A・・・ロータの回転方向、λ3・・・受信巻線99の波長、λ4・・・受信巻線101の波長、λ5・・・受信巻線157の波長、p3・・・トラック129の磁束結合巻線の配列ピッチ、p4・・・トラック131の磁束結合巻線の配列ピッチ、w1・・・受信巻線7の幅、w2・・・受信巻線9の幅
Claims (5)
- 互いに対向して配置された一方及び他方の巻線保持部材と、
前記一方の巻線保持部材に磁束結合巻線を複数並べて構成されたトラックの群であると共に少なくとも二つの前記トラックが互いに異なる前記磁束結合巻線の配列ピッチを有するトラック群と、
前記他方の巻線保持部材に配置された複数の受信ループで構成された受信巻線の群であると共に前記少なくとも二つのトラックの配列ピッチにそれぞれ対応する波長を有する少なくとも二つの前記受信巻線を含む受信巻線群と、
前記他方の巻線保持部材に配置された送信巻線の群であると共にこれらの送信巻線が一筆書状につながっている送信巻線群と、を備える、
ことを特徴とする誘導型変位検出装置。 - 前記送信巻線群の各送信巻線は、前記受信巻線群の対応する受信巻線を囲んでいる、
ことを特徴とする請求項1に記載の誘導型変位検出装置。 - 前記受信巻線群は、同じ波長の受信巻線間にこれらと異なる波長の受信巻線が配置された構成を有する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の誘導型変位検出装置。 - 前記送信巻線群は、複数のリニア部及び前記リニア部どうしを接続する複数の送信折返し部を含み、
異なる前記トラックの前記磁束結合巻線どうしは非接続であり、
前記一方の巻線保持部材はスケールであり、
前記他方の巻線保持部材は前記スケールに対してリニア方向に相対移動可能なセンサヘッドである、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の誘導型変位検出装置。 - 前記送信巻線群は、半径の異なる複数のリング部及び前記リング部どうしを接続する複数の送信折返し部を含み、
異なる前記トラックの前記磁束結合巻線どうしは非接続であり、
前記一方の巻線保持部材はロータであり、
前記他方の巻線保持部材はステータである、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の誘導型変位検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004020053A JP2005214722A (ja) | 2004-01-28 | 2004-01-28 | 誘導型変位検出装置 |
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JP2004020053A JP2005214722A (ja) | 2004-01-28 | 2004-01-28 | 誘導型変位検出装置 |
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ID=34904088
Family Applications (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007271604A (ja) * | 2006-03-07 | 2007-10-18 | Mitsutoyo Corp | 絶対位置測定装置 |
JP2014119453A (ja) * | 2012-12-13 | 2014-06-30 | Dr Johannes Heidenhain Gmbh | インダクティブ位置測定装置 |
JP2020201200A (ja) * | 2019-06-12 | 2020-12-17 | 株式会社ミツトヨ | 電磁誘導式エンコーダ |
-
2004
- 2004-01-28 JP JP2004020053A patent/JP2005214722A/ja active Pending
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JP7294902B2 (ja) | 2019-06-12 | 2023-06-20 | 株式会社ミツトヨ | 電磁誘導式エンコーダ |
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