JP6847217B2 - 電極構造体およびこれを含むレドックスフロー電池 - Google Patents

電極構造体およびこれを含むレドックスフロー電池 Download PDF

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Description

本明細書は、2017年2月28日付の韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10−2017−0026394号の出願日の利益を主張し、その内容はすべて本明細書に組み込まれる。
本明細書は、電極構造体およびこれを含むレドックスフロー電池に関する。
電力貯蔵技術は、電力利用の効率化、電力供給システムの能力や信頼性向上、時間によって変動幅が大きい新再生エネルギーの導入拡大、移動体のエネルギー回生などエネルギー全体にわたる効率的利用のために重要な技術であり、その発展の可能性および社会的寄与に対する要求がますます増大している。
マイクログリッドのような半自律的な地域電力供給システムの需給バランスの調整および風力や太陽光発電のような新再生エネルギー発電の不均一な出力を適切に分配し、既存の電力系統との差から発生する電圧および周波数変動などの影響を制御するために二次電池に対する研究が活発に進められており、このような分野で二次電池の活用度への期待値が高まっている。
大容量電力貯蔵用に使用される二次電池に求められる特性をみると、エネルギー貯蔵密度が高くなければならず、このような特性に最も適した高容量および高効率の二次電池としてフロー電池が最も注目されている。
フロー電池は、分離膜を中心として両側にカソードおよびアノードの電極が位置するように構成される。
電極の外部にそれぞれ電池締結および電気伝導のためのプレートが備えられ、電解質を収めるカソードタンクとアノードタンク、そして電解質が入る流入口と電解質が再び出る排出口を含んで構成される。
本明細書は、電極構造体およびこれを含むレドックスフロー電池を提供しようとする。
本明細書は、気孔を有するカーボンブロックおよび前記カーボンブロックが一面または両面に収容されるフローフレームを含み、前記カーボンブロックの気孔率は5%以上70%以下であり、前記カーボンブロックの圧縮強度が20MPa以上である、電極構造体を提供する。
また、本明細書は、第1エンドプレート、第1モノポーラプレート、分離膜、第2モノポーラプレート、および第2エンドプレートを順次に含み、前記第1モノポーラプレートおよび前記第2モノポーラプレートの少なくとも1つは、前述した電極構造体である、レドックスフロー電池を提供する。
本明細書に係る電極構造体の電極は、電池セルの締結圧によってほとんど圧縮されず、製造時、気孔率を維持できるという利点がある。
本明細書に係るレドックスフロー電池は、電極に電解液を高い流量で供給できるという利点がある。
従来技術による電極構造体を用いて電池を締結する分解断面図である。 従来技術による電極構造体を用いて締結された電池の断面図である。 本明細書に係る実施態様の電極構造体の断面図である。 本明細書に係る一実施態様の電極構造体を用いて電池を締結する分解断面図である。 本明細書に係る一実施態様の電極構造体を用いて締結された電池の断面図である。 本明細書に係る他の実施態様の電極構造体が適用されたレドックスフロー電池の分解断面図である。 本明細書に係るカーボンブロックの形状を走査電子顕微鏡150倍率で観察したイメージである。
以下、本明細書について詳細に説明する。
本明細書の電極構造体は、気孔を有するカーボンブロックおよび前記カーボンブロックが一面または両面に収容されるフローフレームを含む。
前記電極構造体が、カーボンブロックおよびカーボンブロックが一面に収容されるフローフレームを含む場合、前記電極構造体は、モノポーラプレートである。このとき、前記モノポーラプレートは、カーボンブロックが備えられた一面のみ電極として役割を果たすプレートを意味する。
前記電極構造体が、カーボンブロックおよびカーボンブロックが両面に収容されるフローフレームを含む場合、前記電極構造体は、バイポーラプレートである。このとき、前記バイポーラプレートは、カーボンブロックが備えられた両面がすべて電極として役割を果たすプレートを意味する。前記バイポーラプレートの両面の電極は、互いに反対の電極であるか同一の電極であり、具体的には、一面の電極がアノードの場合、他面の電極は、カソードとして役割を果たすことができる。
前記カーボンブロックの気孔率は5%以上70%以下であり、具体的には20%以上50%以下であり、より具体的には30%以上40%以下であってもよい。
フロー電池の締結時、カーボンブロックの厚さ変化は10%以下であり、具体的には2%以下であり、より具体的にはほとんど変化しなくてよい。この場合、前記カーボンブロックが適用されたフロー電池セルを締結する時、カーボンブロックがほとんど収縮せず、締結された電池セルにおいても、製造時、カーボンブロックの気孔率を維持することができる。ここで、前記気孔率の変化は、加圧前の気孔率と加圧後の気孔率との差を意味する。
前記カーボンブロックの平均厚さは、前記カーボンブロック収容溝の深さと締結構造を考慮して選択することができ、具体的には、前記カーボンブロックの平均厚さは、前記カーボンブロック収容溝の平均深さと同一であるか、前記カーボンブロック収容溝の平均深さより薄いか、厚くてよい。例えば、収容溝の深さが2mmの場合、一般的に、カーボンブロックの厚さは2mmであるが、ガスケットの形態と厚さによって、カーボンブロックの厚さは、収容溝の深さよりも厚いか、より薄くてよい。具体的には、フローフレームの非伝導性領域の全体面にガスケットシートを適用する場合、適用されるガスケットの厚さだけカーボンブロック収容溝の深さが深くなる効果が発生するが、他の例として、前記の面ガスケット形態ではない、Oリングまたは紐Oリング状のガスケットを陰刻にパターンされた溝に入れて適用すれば、収容溝の深さの増加がない。
前記カーボンブロックは、球状のフェノール樹脂とバインダーを含む組成物をブロック状モールドに充填し、これを圧縮した後、炭化させて多孔性のカーボンブロックを製造することができる。
前記カーボンブロックは、球状のフェノール樹脂を製造して、前記球状のフェノール樹脂と液状のポリフェノールを含む組成物をブロック状モールドに充填し、これを圧縮した後、乾燥/脱脂/焼結/高純化工程を経て多孔性のカーボンブロックを製造することができる。
このとき、球状のフェノール樹脂は、高分子であり、前記フェノール樹脂は、フェノール類(フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール)とアルデヒド類(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラール)から得られる樹脂およびそれらの変性樹脂を含む熱硬化性樹脂を意味する。
液状のポリフェノールは、相対的に低分子物質であって、常温で液状であり、球状のフェノール樹脂を連結するバインダー樹脂として役割を果たすことができる。
このとき、使用された球状のフェノール樹脂粒子は、100μm〜800μmの平均直径を有する球状のポリ樹脂粒子であってもよい。
前記カーボンブロックの圧縮強度は20MPa以上であり、具体的には25MPa以上である。この場合、前記カーボンブロックが適用されたフロー電池セルを締結する時、カーボンブロックがほとんど収縮せず、締結された電池セルにおいても、製造時、カーボンブロックの気孔率を維持することができる。ここで、圧縮強度は高ければ高いほど良いので、上限値を特定しない。このとき、圧縮強度は、KS L1601:2006に明示された試験分析法で測定した値を意味する。
前記カーボンブロックの焼結密度は0.6g/cm以上であり、具体的には0.7g/cm以上である。この場合、前記カーボンブロックが適用されたフロー電池セルを締結する時、カーボンブロックがほとんど収縮せず、締結された電池セルにおいても、製造時、カーボンブロックの気孔率を維持することができる。ここで、焼結密度は高ければ高いほど良いので、上限値を特定しない。このとき、焼結密度は、KS L3409:2010に明示された試験分析法で測定した値を意味する。
前記カーボンブロックの平均気孔サイズは25μm以上200μm以下であってもよいし、具体的には70μm以上120μm以下であってもよく、より具体的には90μm以上110μm以下であってもよい。
前記カーボンブロックは、電池締結前に熱処理を追加的に行うことができる。具体的には、前記カーボンブロックは、空気を供給しながら高温で一定時間以上熱処理される。このとき、熱処理温度は500℃前後であってもよく、熱処理時間は5時間以上7時間以下であってもよい。
前記カーボンブロックの少なくとも一面に備えられた、カーボンペーパー、カーボンクロス(cloth)、および薄いカーボンフェルトの中から選択されたいずれか1つを含む界面抵抗低減層をさらに含んでもよい。具体的には、前記電極構造体は、前記カーボンブロックの一面または両面に備えられたカーボンペーパーをさらに含んでもよい。この場合、界面抵抗を低下させ、反応速度を向上させることができる。
前記界面抵抗低減層の厚さは0.01mm以上1mm以下であってもよく、0.1mm以上0.7mm以下であってもよい。この場合、界面抵抗を低下させ、反応速度を向上させることができる。
前記カーボンブロックの少なくとも一面に界面抵抗低減層を備える場合、前記カーボンブロックの平均厚さは、界面抵抗低減層の厚さを考慮して選択することができる。具体的には、前記少なくとも一面に界面抵抗低減層が備えられたカーボンブロックは、カーボンブロックと界面抵抗低減層の平均厚さの合計が、前記カーボンブロック収容溝の平均深さと同一であるか、前記カーボンブロック収容溝の平均深さより薄いか、厚くてよい。例えば、前記カーボンブロック収容溝の平均深さが2mmの場合、前記カーボンブロックの平均厚さは2mmであり、界面抵抗低減層の厚さは0.5mmであってもよい。
カーボンペーパーは、カーボンブラック、カーボン繊維、またはカーボンナノチューブなどの炭素素材をバインダー樹脂と共にコーティングした後、加熱して製造された薄紙のような材料を意味する。
ここで、カーボンクロスおよびカーボンフェルトは、カーボン繊維で製作される。カーボン繊維は、炭素含有量が重量比90%以上の繊維状の炭素材料である。強度は鋼鉄の10倍水準であり、重量は25%に過ぎない軽量素材である。前記カーボン繊維は、優れた機械的特性以外にも、高い熱伝導性および低い熱膨張係数、優れた電気伝導性および耐薬品性を有する。
カーボンクロス(カーボンシート)は、カーボン繊維で製織(woven fabric)されたものであり、カーボンフェルトは、不織布のようなカーボン繊維を熱接着または化学薬品で接着させるか、ニードルなどで絡み合わせたものであり、すなわち、カーボン繊維を製織せず(non−woven fabric)、製造されたフェルト状のものである。
図1および図2に基づいて説明すれば、本明細書のカーボンブロックの代わりにカーボンフェルト1を用いる場合、単位電池の締結前にt1の厚さを有するカーボンフェルトをh1の深さを有するカーボンフェルト収容溝4に挿入し、単位電池を締結すると、t2にカーボンフェルトの厚さが変更される。このとき、カーボンフェルトの圧縮率は{(t1−t2)×100}/t1で計算される。カーボンフェルトの圧縮率が高いほど素材間の界面の抵抗は低くなる効果が発生するが、カーボンフェルトの気孔率は減少するため、電解液の流れ性が悪くなりうる。
例えば、5mmの厚さを有するカーボンフェルトがフローフレームのフェルト収容溝に挿入され、収容溝の深さが3mmの場合、カーボンフェルトは40%の圧縮率を有するといえる。
しかし、本願明細書の電極構造体は、カーボンブロックを備えることにより、電池締結時の圧力によって厚さの変化が少ないので、界面の抵抗が低いながらもカーボンブロックの気孔率および気孔の大きさがほぼ維持されて電解液の流れ性が良いという利点がある。
図4および図5に基づいて説明すれば、単位電池の締結前にT1の厚さを有するカーボンブロックをH1の深さを有するカーボンブロック収容溝30に挿入し、単位電池を締結すると、締結後のカーボンブロックのT2は、締結前のカーボンブロックの厚さであるT1とほぼ同一である。
前記フローフレームには、一面または両面にカーボンブロックが収容できる構造、前記カーボンブロックに電解液を供給し排出できる流路、電解液が漏れないようにシーリングする部材および集電構造が形成されている。
前記フローフレームは、一面または両面にカーボンブロック収容溝を備える。前記カーボンブロック収容溝にカーボンブロックが挿入されるか、少なくとも一面にカーボンペーパーが備えられたカーボンブロックが挿入されてもよい。
前記フローフレームには、収容されたカーボンブロックと接触し、カーボンブロックと接触した反対面を集電体と接して集電できる黒鉛板が、電解液が漏れないように備えられる。
前記フローフレームは、厚さ方向に貫通したカーボンブロック収容溝を備える。
前記フローフレームがカーボンブロック収容溝を備える場合、前記電極構造体は、前記カーボンブロックの一面に備えられた黒鉛板をさらに含み、前記一面に黒鉛板が備えられたカーボンブロックが前記フローフレームのカーボンブロック収容溝に挿入される。このとき、前記フローフレームのカーボンブロック収容溝と黒鉛板との間に電解液が漏れないようにシーリングすることができる。
本明細書のレドックスフロー電池は、第1エンドプレート、第1モノポーラプレート、分離膜、第2モノポーラプレート、および第2エンドプレートを順次に含む。
前記第1モノポーラプレートおよび前記第2モノポーラプレートの少なくとも1つは、前述した電極構造体であってもよい。具体的には、前記第1モノポーラプレートおよび前記第2モノポーラプレートのいずれか1つは、前述した電極構造体であるか、前記第1モノポーラプレートおよび前記第2モノポーラプレートは、それぞれ前述した電極構造体であってもよい。
このとき、前記モノポーラプレートは、カーボンブロックが備えられた一面のみ電極として役割を果たすプレートを意味するので、前記第1モノポーラプレートおよび前記第2モノポーラプレートの少なくとも1つは、カーボンブロックが一面に収容されたフローフレームを含む電極構造体であってもよい。
前記第1モノポーラプレートおよび前記第2モノポーラプレートがそれぞれ前記電極構造体を含む場合、前記第1モノポーラプレートおよび前記第2モノポーラプレートにそれぞれ収容されたカーボンブロックの平均厚さの合計は、前記第1モノポーラプレートおよび前記第2モノポーラプレートそれぞれのカーボンブロック収容溝の平均深さと前記レドックスフロー電池の締結時のシーリング部材の加圧された厚さの合計と同一であるか、これより小さくてよい。
前記レドックスフロー電池は、前記第1モノポーラプレートと前記第2モノポーラプレートとの間に1以上のバイポーラプレートをさらに含んでもよい。前記1以上のバイポーラプレートの少なくとも1つは、前述した電極構造体であってもよい。
図6に示されるように、前記第1モノポーラプレート200と前記第2モノポーラプレート400との間に1つのバイポーラプレート600をさらに含んでもよい。
このとき、前記バイポーラプレートは、カーボンブロックが備えられた両面がすべて電極として役割を果たすプレートを意味するので、前述した電極構造体を含むバイポーラプレートは、カーボンブロックおよびカーボンブロックが両面に収容されるフローフレームを含む電極構造体であってもよい。
前記レドックスフロー電池は、前記第1モノポーラプレートと前記バイポーラプレートとの間、および前記第2モノポーラプレートと前記バイポーラプレートとの間に備えられた分離膜をさらに含んでもよい。具体的には、図6に示されるように、前記第1モノポーラプレート200と前記バイポーラプレート600との間、および前記第2モノポーラプレート400と前記バイポーラプレート600との間に備えられた分離膜300をさらに含んでもよい。
前記レドックスフロー電池が2以上のバイポーラプレートを含む場合、前記2以上のバイポーラプレートの間に備えられた分離膜をさらに含んでもよい。
前記分離膜は特に限定せず、当技術分野で一般的に使用する材料を採用することができ、例えば、ナフィオン(登録商標)であってもよい。
前記レドックスフロー電池は、前記第1モノポーラプレートと前記第2モノポーラプレートとの間に備えられたシーリング部材をさらに含んでもよい。
前記シーリング部材は、前記第1モノポーラプレートおよび前記第2モノポーラプレートをシーリングできる構造および材料であれば特に限定しないが、例えば、第1モノポーラプレートおよび第2モノポーラプレートに収容されたカーボンブロックの周りに形成された溝に挿入されたガスケットライン、または第1モノポーラプレートおよび第2モノポーラプレートに収容されたカーボンブロックを覆わないように貫通ホールが形成されたシーリングシートであってもよい。
前記レドックスフロー電池の締結時、前記カーボンブロックの気孔率の変化は10%以下であってもよいし、具体的には2%以下であってもよい。この場合、電池を締結した後にもターゲット気孔率がほぼ維持されて電解液の流れが良いという利点がある。
前記レドックスフロー電池の締結時、一般的に、電池セルに加えられるトルクは50kgf・cm以上300kgf・cm以下であってもよいし、具体的には100kgf・cm以上250kgf・cm以下であってもよい。
本明細書の電極構造体を含む燃料電池を提供する。
本明細書の電極構造体は、燃料電池において膜電極接合体(MEA)の一面または両面に備えられたそれぞれのモノポーラプレートまたはバイポーラプレートであってもよい。このとき、本明細書の電極構造体は、膜電極接合体の気体拡散層および流路が備えられたプレートを代替することができる。特に、本願発明の電極構造体は、カーボンブロック内に別途の流路を形成しなくても膜電極接合体の気体拡散層および流路が備えられたプレートを代替することができる。
以下、実施例を通じて本明細書をより詳細に説明する。しかし、以下の実施例は本明細書を例示するためのものに過ぎず、本明細書を限定するためのものではない。
[実施例]
[実施例1]
コメックスカーボン社のPC009多孔性カーボンブロック(気孔率:35.64%、厚さ:2.3mm、カーボンブロック製造時の圧力:30kgf/cm、圧縮強度:29±2MPa、焼結密度:0.76g/cm)の両面に、それぞれ0.4mmの厚さを有するJNTG社のGF040H(カーボンペーパー)を積層した。
325cmの大きさおよび2.5mmの深さを有する収容溝が一面に備えられたフローフレームに、両面にカーボンペーパーが積層された前記カーボンブロックを挿入した。
分離膜としてナフィオン(登録商標)212を備え、250kgf・cmのトルクで加圧して単電池を締結した。
[実施例2]
コメックスカーボン社のPC005多孔性カーボンブロック(気孔率:35.62%、厚さ:2.3mm、カーボンブロック製造時の圧力:50kgf/cm、圧縮強度:29±3MPa、焼結密度:0.75g/cm)の両面に、それぞれ0.4mmの厚さを有するJNTG社のGF040H(カーボンペーパー)を積層した。
5cm×5cmの大きさおよび2.5mmの深さを有する収容溝が一面に備えられたフローフレームに、両面にカーボンペーパーが積層された前記カーボンブロックを挿入した。
分離膜としてナフィオン(登録商標)212を備え、250kgf・cmのトルクで加圧して単電池を締結した。
[実施例3]
単電池の締結前に、前記実施例2の前記カーボンブロックを、空気を供給しながら高温(500℃)で6時間熱処理したものに代替したことを除き、実施例2と同様に単電池を締結した。
[比較例]
前記両面にカーボンペーパーが積層されたカーボンブロックの代わりに、厚さが4mm、気孔率が90%のカーボンフェルト(東洋紡社のXF30A)を用いたことを除き、実施例1と同様に単電池を締結した。
このとき、収容溝の深さが2.5mmであるので、前記単電池締結されたカーボンフェルトの圧縮率は約38%であった。
[実験例1]
電池性能の測定
前記実施例1および比較例で製造された単電池にそれぞれOXKEM社の商用電解液1Lを各電極に循環供給し、充放電は0.8〜1.6Vの範囲で定電流(CC)モードで進行させた。このとき、充放電速度は50mA/cmから250mA/cmに50mA/cmずつ増加させ、各ステップあたり充放電3回を進行させて、3回目の充放電サイクルの性能を下記表1に示した。
Figure 0006847217
実施例1が、界面数の増加に伴う抵抗増加によって、電圧効率がやや低いが、250mA/cmの高電流(高出力)評価条件で、比較例対比、エネルギー効率が逆転することを確認した。これは、電流密度の増加時、電解液の高流量の適用が必要であることを意味する。
[実験例2]
電解液の流量の測定
実施例1のモノポーラプレート2個および同一電池(両面にカーボンペーパーが積層された前記カーボンブロック)を両面に適用したバイポーラプレート2個を3セルでスタックして、流量増加を確認した。
反面、比較例のモノポーラプレート2個および同一電池(カーボンフェルト)を両面に適用したバイポーラプレート2個を3セルでスタックして、流量増加を確認した。
このとき、セルの差圧は0.65barであった。
SOC(state of charge)状態によって電解液の速度はやや差を示すので、下記表2の実験値は(+)極の電解液をSOC0の状態で実測した。
Figure 0006847217
多孔性カーボンブロックを適用した実施例1の電解液の流量は、比較例対比、57%増加した。
[実験例3]
実施例2および3で製造された単電池にOXKEM社の電解液50ccを負極と正極にそれぞれ適用し、流速は単位面積あたり1ml/minの速度で供給し、充放電電流密度は200mA/cmであり、0.8〜1.7Vの条件下、定電流モードで連続評価を進行させた。その結果を下記表3に示した。
Figure 0006847217
熱処理されたカーボンブロックを用いた実施例3が、実施例2より性能が大幅に向上することを確認した。これは、高温熱処理により、素材に親水性を付与し、酸素官能基が形成されて、性能が向上したと把握される。
[実験例4]
圧縮実験
実施例1〜3のカーボンブロックは、圧縮強度がそれぞれ29±2MPaおよび29±2MPaであり、それ以上の圧力を加えても形態を維持することができ、一定以上の圧力が加えられると、厚さが変化しながら圧縮されるよりは壊れることを確認した。
反面、カーボンフェルトは手で加圧する場合にも厚さが変更されやすく、厚さ3.53mm、面積が3cmのカーボンフェルト試験片を、下記表4のようにそれぞれの圧力を加える場合、厚さが減少することが分かる。
Figure 0006847217
1:カーボンフェルト
2:フローフレーム
3:黒鉛板
4:カーボンフェルト収容溝
5:分離膜
10:カーボンブロック
20:フローフレーム
30:カーボンブロック収容溝
40:黒鉛板
50:分離膜
60:カーボンペーパー
100:第1エンドプレート
110:締結突出部
120:集電体
200:第1モノポーラプレート
210:黒鉛板
220:カーボンブロック
230:シーリング部材
240:フローフレーム
300:分離膜
400:第2モノポーラプレート
410:黒鉛板
420:カーボンブロック
430:シーリング部材
440:フローフレーム
500:第2エンドプレート
510:締結ホール
520:集電体
600:バイポーラプレート
610:黒鉛板
620:カーボンブロック
640:フローフレーム

Claims (6)

  1. 気孔を有するカーボンブロック
    前記カーボンブロックが一面または両面に収容されるフローフレーム、および
    前記カーボンブロックの両面に備えられたカーボンペーパーを含み、
    前記カーボンブロックの気孔率は30%以上40%以下であり、前記カーボンブロックの圧縮強度が29MPa以上である、レドックスフロー電池用の電極構造体。
  2. 前記フローフレームは、一面または両面にカーボンブロック収容溝を備え、
    前記カーボンブロックの平均厚さは、前記カーボンブロック収容溝の平均深さより薄いか、前記カーボンブロック収容溝の平均深さより厚いものである、請求項1に記載の電極構造体。
  3. 前記フローフレームは、厚さ方向に貫通したカーボンブロック収容溝を備えたものである、請求項1に記載の電極構造体。
  4. 前記電極構造体は、前記カーボンブロックの一面に備えられた黒鉛板をさらに含み、
    前記一面に黒鉛板が備えられたカーボンブロックが前記フローフレームのカーボンブロック収容溝に挿入されるものである、請求項3に記載の電極構造体。
  5. 第1エンドプレート、第1モノポーラプレート、分離膜、第2モノポーラプレート、および第2エンドプレートを順次に含み、
    前記第1モノポーラプレートおよび前記第2モノポーラプレートの少なくとも1つは、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電極構造体である、レドックスフロー電池。
  6. 前記レドックスフロー電池は、前記第1モノポーラプレートと前記第2モノポーラプレートとの間に1以上のバイポーラプレートをさらに含み、
    前記1以上のバイポーラプレートの少なくとも1つは、前記電極構造体である、請求項5に記載のレドックスフロー電池。
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