以下、複数の実施形態による洗濯機について図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
<第1実施形態>
第1実施形態について図1から図4を参照して説明する。図1、図2に示す洗濯機1は、乾燥機能を備えたドラム式の洗濯乾燥機である。洗濯機1において外郭を形成する筐体2は、矩形の箱状をなしていて、前面2a(図1では左側)が前下がりにやや傾斜している。筐体2の前面2aには、衣類たる洗濯物の出入口3が形成されているとともに、当該洗濯物出入口3を開閉するための扉4が回動可能に設けられている。
図1に示すように、筐体2の内部には水槽5が配設されている。水槽5は、その背面側(図1では右側)となる後面部5bが閉塞された略有底円筒状をなし、軸線方向が前後方向を向く横軸形である。水槽5は、左右一対のサスペンション6を介して前上がりの傾斜状態に配設されている。水槽5の前面開口部5aは、洗濯物出入口3と対向し、後述するベローズ20により当該出入口3と当該開口部5aとの間を水密且つ気密に接続している。
水槽5内には、回転槽としてのドラム7が横軸周りに回転可能に収容されている。ドラム7も、水槽5と同様、後面部が閉塞された略有底円筒状をなし、軸線方向が前後方向を向く横軸形で、前上がりの傾斜状態に配設されている。ドラム7の周壁部には、通水及び通風が可能な孔8が多数形成され、ドラム7の後面部にも同様の孔(図示略)が形成されている。ドラム7の周壁部の内面には、ドラム7の回転に伴い洗濯物を持ち上げて撹拌するための複数のバッフル9が等間隔で設けられている。ドラム7の前面開口部7aは、水槽5の前面開口部5aとともに洗濯物出入口3に連通している。ドラム7内には、洗濯物出入口3を通して洗濯物が出し入れ可能に収容される。
水槽5の後面部5bには、ドラム7を回転させる駆動装置として洗濯機モータ10が設けられている。洗濯機モータ10は、例えばアウターロータ形のDCブラシレスモータからなり、回転軸10aを介してドラム7をダイレクトに回転駆動する。洗濯機モータ10は、正転と反転が可能で、後述の制御装置23による速度制御が可能である。ドラム7は、洗濯時には洗濯槽として、脱水時には脱水槽として、そして乾燥時には乾燥槽として機能する。
筐体2内の上部には、給水弁11(図3参照)を有する給水装置が設けられている。図示は省略するが、給水装置は、ホースにより外部の水道の蛇口に接続されていて、給水弁11を介して水道水を水槽5内に供給する。また、図示は省略するが、水槽5の底部の後部には排水口が設けられている。この排水口には、排水弁12(図3参照)を有する排水路が接続されていて、排水弁12を開放させることに伴い、水槽5内の水は、排水路を通して機外へ排出される。
図1に示すように、水槽5の後面部5bには、その上部寄りの位置に溢水口14が設けられている。溢水口14は、水槽5の所定高さの位置にあって、例えば洗濯機モータ10外縁部の上側に位置して形成されている。また、水槽5の後面部5bには、その背面側に沿う溢水路15が設けられている。溢水路15は、その上端部が溢水口14に接続され、下端部は下方に延びて前記排水路に接続されている。したがって、水槽5内の水位が溢水口14を越えると、その水は溢水口14から溢水路15を通り、排水路を通して機外へ排出される。
水槽5は、前面開口部5aから洗濯時の洗濯水等が漏れないよう、扉4で塞ぐ構造となっている。ここで、扉4や洗濯物出入口3周辺の構成について説明しておく。
図1、図2に示すように、扉4は、その周縁をなす環状ベース部材4cに対して、前面部位となる前面窓部材4aと後面部位となる後面窓部材4bとを組付けてなる。扉4の環状ベース部材4cは、例えば合成樹脂材料からなり、洗濯物出入口3の段落ち部3bに収まる円環状をなしている。環状ベース部材4cの前端部に嵌め込まれた前面窓部材4aは、例えば透明性を有する合成樹脂材料から略平坦(緩やかな曲面状)に形成されている。環状ベース部材4cの後端部に嵌め込まれた後面窓部材4bは、例えば透明性を有するガラス材料からなり、後方へ膨出した浅底な円筒容器状をなす。これにより、扉4は、前面窓部材4aと後面窓部材4bとの間に空間を形成するとともに、後面窓部材4bにおける後方へ膨出した部分がドラム7の前面開口部7aに臨み、洗濯物の押込み部材として機能する。
一方、洗濯物出入口3は、洗濯物の投入可能な開口を有する枠部材3wにより形成されている。枠部材3wは、筐体2の前面2aと面一になる外周部3aと、その内側が扉4の外周形状(環状ベース部材4c)に合わせて後方へ段落ちした段落ち部3bとを一体に有し、全体として段付き円環状をなす。洗濯物出入口3の枠部材3wと、後述の水槽カバー5dとの間は、柔軟性を有するベローズ20で連ねられている。詳しい図示は省略するが、ベローズ20は、洗濯物出入口3を閉じた扉4の裏面側に弾接するリップを有し、扉4で封止される水密構成をなすとともに、柔軟性により水槽5側の振動が枠部材3w或いは前面2a側に極力伝達されないようになっている。
さて、水槽5には、乾燥時に当該水槽5内に外気を取り込むための吸気風路21と、水槽5内の空気を排気するための排気風路22とが配設されている。こうした水槽5の風路21,22に係る構成について、図1、図2を参照しながら詳述する。
先ず水槽5は、その前後方向の中間部で結合された水槽カバーと水槽本体とで構成されて、前述した略有底円筒状をなしている。即ち、水槽5は、例えば合成樹脂材料からなる、前部側の水槽カバーと、後部側の水槽本体とで形成されているが、図1では便宜上、それら二部材を一体的に表した模式図としている。それゆえ厳密には、水槽5の周壁部5cは、その中間部における水槽カバーの円筒部及び水槽本体の円筒部の嵌合部分が外周面側へ若干突出する段付き状をなしており、内周面側が面一に連ねられている。
前記水槽カバーは、円筒部と、その前端にて径方向内側へ張り出す張出し部とを一体に有し、図1の符号5dは、当該水槽カバーの張出し部に付している。この水槽カバーの張出し部5dの中央が、前記の開口部5aとされている。また、前記水槽本体は、円筒部と、その後端の後面部5bとを一体に有する。このように、水槽カバーの張出し部5dは、水槽5の張出し部5dであり、水槽本体の後面部5bは、水槽5の後面部5bである。
水槽5の張出し部5dの上部には、右寄りの部位を板厚方向(前後方向)に貫通する槽側吸気口21cが形成されている。吸気風路21は、その一端側を槽側吸気口21cとして前方へ向かい、途中部21bから上方へ向かうように屈曲した筒状をなす。こうして、吸気風路21は、その一端部が水槽5の槽側吸気口21cと一体に連なるようにして開口し、他端部21aが筐体2の天井側に向けて開口している。
槽側吸気口21cは、水槽5の張出し部5dの右上部において、当該吸気口21cの全部がドラム7の前面開口部7aよりも前方に位置し(図1参照)、その吸気風路21は、図2の正面視にて水槽5周壁部5cの接線方向に沿う上方へ延びている。また、吸気風路21は、その一端部21c及び途中部21bが何れも溢水口14よりも高い位置に配設されており、槽側吸気口21c或いは吸気風路21を通じた、水槽5外への水の飛散を防止している(ドラム7の回転方向F参照)。なお、前記周壁部5cの「接線方向」とは、ドラム7周壁部の右端の点における下向きの回転接線方向とは逆向きの方向を称するものとする。
図1、図2に示すように、水槽5の周壁部5cの後端側には、当該周壁部5c上側の右寄りの部位を貫通する槽側排気口22cが形成されている。排気風路22は、その一端側を槽側排気口22cとし、前記接線方向たる上方へ向かうように延設された筒状をなす。こうして、排気風路22の一端部は、水槽5の槽側排気口22cと一体に連なるようにして開口し、他端部22aは筐体2の天井側に向けて開口している。これにより、排気風路22は、吸気風路21と同様、その全部22a〜22cが溢水口14よりも高い位置に配設されており、槽側排気口22c或いは排気風路22を通じた、水槽5外への水の飛散を防止している。
上記した風路21,22に係る構成により、乾燥工程では、洗濯機モータ10によりドラム7を高速度で所定方向に回転させることに伴い、当該回転によって生じる風の流れ(図1の矢印参照)を利用して、筐体2内の空気を外気として吸気風路21から水槽5内に取り込み、その取り込んだ空気を、当該ドラム7を通して排気風路22から水槽5外へ出して、当該ドラム7内の洗濯物を乾燥させる、言わば風乾燥が可能になっている。
なお、図2の正面視における風路21,22の位置関係から明らかなように、吸気口21cと排気口22cは、水槽5上端よりも右側の部位(つまり上端より若干下側の部位)で開口しているが、図1の側面図では説明の便宜上、水槽5の略上端の位置に吸気口21cと排気口22cを表している。また、詳しくは後述するように、上記風路21,22は、何れも少なくとも一端部21c,22c又は途中部21b,22bが溢水口14よりも高い位置に配設されていればよく、槽側吸気口21cは、少なくともその一部がドラム7の前面開口部7aよりも前方に位置していればよい。
図3は、上記洗濯機1の電気的構成を概略的に示すブロック図である。前記制御装置23は、筐体2内の下部に設けられ(図1参照)、操作部24を有する操作パネルは、筐体2前面2aの上部に設けられるものとする。
制御装置23は、マイクロコンピュータを主体に構成されていて、ドラム7内の洗濯物の洗濯〜乾燥を行う洗濯行程〜乾燥行程を含む洗濯機1の動作全般を制御する。制御装置23には、ユーザによる選択・設定操作を受け付ける操作部24、洗濯機モータ10に流れる電流を検知する電流センサ25等が接続され、それらの信号が入力される。制御装置23は、ROM、RAM等の記憶部が設けられていて、運転制御プログラム等を記憶している。そして、制御装置23は、上記した各種の入力信号に基づき、運転制御プログラムに従って洗濯機モータ10、排水弁11、給水弁12等を制御する。
次に、上記構成の作用について説明する。先ず使用者は、ドラム7内に洗濯物を投入した後、扉4を閉じて操作部24を操作し、運転開始を指示すると、制御装置23は、設定された運転のコースに応じた洗濯運転、乾燥運転、或いはその両運転を行う洗濯乾燥運転を実行する。そのうち、洗濯乾燥運転が指示された場合には、洗い、すすぎ、脱水等を含む洗濯行程、並びに、乾燥行程が自動で実行される。
ここで、図4は、洗濯乾燥運転の各行程と、乾燥行程での洗濯機モータ10の回転制御を示す説明図である。
同図に示すように、洗濯行程は、洗濯物を洗剤洗いする洗い行程S1と、洗剤洗いされた洗濯物をすすぎ洗いするすすぎ行程S2と、濡れた洗濯物を脱水する脱水行程S3とを含む。制御装置23は、洗い行程S1やすすぎ行程S2で、給水弁11を開放させて水槽5内に給水し、その後にドラム7を低速度で正逆両方向に交互に回転させる処理を実行し、脱水行程S3で、排水弁12にて水槽5内の水を排出させた後、ドラム7を高速度で一方向に回転させる処理を実行する。なお、洗い行程S1の開始に際し、制御装置23により、洗濯機モータ10のベクトル制御を行い、ドラム7内の洗濯物重量を検知する。即ち、前記給水前に予め、洗濯機モータ10によりドラム7を例えば170rpmまで急速回転させ、その急速回転の際に洗濯機モータ10に流れる電流値を電流センサ25により検知し、この検知した電流値(トルク成分に対応するq軸電流値)に基づき当該洗濯物の重量が検出される。
上記脱水行程S3を終えると、制御装置23は、ドラム7を高速で正方向(図2の回転方向F参照)に回転させることにより、風乾燥による乾燥工程を実行する。より具体的には、図4に示すように、ドラム7を高速度で正方向に所定時間(例えば行程S3と同じ定常回転速度で30分間)回転させるように洗濯機モータ10を駆動する風乾燥と、当該正方向への回転の停止後に、ドラム7を比較的低速度で短時間毎に正方向及び逆方向に交互に回転させるように洗濯機モータ10を駆動して、ドラム7内面に張り付いた洗濯物をほぐすほぐし動作とを繰り返す。
風乾燥では、ドラム7の高速回転に伴い、洗濯物の水分がドラム7における多数の孔8から遠心力で振り切られるとともに、ドラム7内の空気も多数の孔8から排出されて当該ドラム7内が負圧になり、吸気風路21とその吸気口21cを通じて、水槽5の前面側から大量の外気が吸引される。このとき当該風路21や吸気口21cを通じて吸引される外気は、筐体2内の空気であり、ドラム7の前面開口部7a側から導かれることとなる。従って、係る外気は、筐体2内のモータ10等から出る排熱を利用するものとして、ドラム7内の洗濯物に対し前後にわたって接触する送風作用(図1の矢印方向参照)により効果的に洗濯物から湿気を奪う。これにより、湿気を含んだ空気は前記の孔8からドラム7外面と水槽5内面との間に排出されて、後方の排気口22cとその排気風路22を通じて、水槽5外へ出る。
上記乾燥工程は、乾燥時間設定手段としての制御装置23及び電流センサ25(センサ類)により、前記洗濯物重量に応じて求めた時間分(回数分)の風乾燥とほぐし動作とが繰り返し実行されることで、洗濯物が略乾燥状態となる。また、ほぐし動作は、ドラム7内の洗濯物のアンバランスを解消するだけでなく、風乾燥時に洗濯物に偏りなく外気を接触させるために当該偏りを是正することから、前記の送風作用と相俟って、所期の乾燥効果が得られることとなる。
以上説明したように、本実施形態の洗濯機1は、水槽5内に外気を取り込むための吸気口21cと、水槽5内の空気を排気するための排気口22cと、を備え、洗濯機モータ10によりドラム7を回転させることに伴い、そのドラム7の回転によって生じる風の流れにより、吸気口21cから取り込んだ空気を当該ドラム7を通して排気口22cから水槽5外へ出して、当該ドラム7内の洗濯物を乾燥させるように構成した。これによれば、熱源となる装置(ヒートポンプ装置等)や送風装置を省いた構成としても、ドラム7内の洗濯物を略乾燥状態にすることができる。従って、乾燥工程での熱による洗濯物の傷みを防止することができるとともに省電力化を図ることができ、安価で簡単な構成の洗濯機1を提供することができる。
前記吸気口21cは水槽5に形成された槽側吸気口21cであって、少なくとも当該槽側吸気口21cの一部がドラム7の前面開口部7aよりも前方に位置する。これによれば、槽側吸気口21cを通じて、ドラム7の前面開口部7a側より、外気を効率よく吸入することができるとともに、ドラム7の回転により生じる風の流れを利用して当該ドラム7の前方から後方にわたって効果的な送風作用を得ることができる。
前記吸気口21cは、筐体2内の空気を外気として水槽5内に取り込む槽側吸気口21cであり、筐体2内の空気を水槽5内に取り込む吸気風路21に連なる構成とした。これによれば、ヒータ等の熱源となる装置を用いない常温での風乾燥といえども、筐体2内の洗濯機モータ10等から出る排熱を利用した効果的な乾燥作用を得ることができる。
水槽5の所定高さの位置に溢水口14が設けられ、吸気口21c及び排気口22cは、何れも溢水口14よりも高い位置に形成されている。これによれば、洗い行程S1やすすぎ行程S2で、洗濯物を撹拌しても、吸気口21cや排気口22cから水槽5外に水が溢れ出ることを防止できる。
以下の実施形態で説明するように、上記した風路21,22の形状や吸気口21c及び排気口22cの位置等を適宜変更することができる。こうした他の実施形態においても、吸気風路21及び排気風路22は、何れも少なくとも一端部21c,22c又は途中部21b,22bが溢水口14よりも高い位置となるように配設される。
これによれば、洗い行程S1やすすぎ行程S2で、洗濯物を撹拌しても、吸気口21cや排気口22cの一端部21c,22c又は途中部21b,22bまで水位が上昇しないため、水槽5外に水が溢れ出ることを防止できる。また、仮に、吸気風路21や排気風路22の水槽5側の一端部を溢水口14の位置より低い位置に形成したとしも、吸気風路21や排気風路22の途中部まで水位が上昇しない構成とすることができ、水槽5外に水が溢れ出ることを防止できる。なお、風路21,22そのものを省略する場合には、吸気口や排気口22cを溢水口14よりも高い位置に形成すればよい。
<第2実施形態>
第2実施形態について図5を参照して説明する。本第2実施形態の吸気風路31及び排気風路32は、第1実施形態の吸気風路21及び排気風路22と以下の点で相違する。即ち、吸気風路31は、その一端側が槽側吸気口21cに連なり、水槽5の前方から後方へ折返す「U」字状をなして後方へ延設され、他端部31aが下側に向けて開口している。この吸気風路31の途中部31bには、送風ファン33を備えた送風装置が配設されている。
詳しい図示は省略するが、送風装置は、吸気風路31内に収容された送風ファン33と、当該ファン33を駆動するファンモータとを備える。ファンモータは、制御装置23に接続され、ドラム7の回転によって水槽5内へ吸気する方向と同じ方向に送風するように送風ファン33を駆動する。つまり、送風ファン33は、送風作用を高めるべく、乾燥工程において図5の矢印方向へ送風するようにファンモータで駆動される。
一方、排気風路32は、前記風路22と、当該風路22上端に連通接続された蛇腹部(途中部)32aと、蛇腹部32aの上端に連通接続され、筐体2後部で上面側が開放された上面開口部32bとで構成されている。こうして、排気風路32は、その構成部材22,32aが後方上部に延びて、水槽5からの排気を筐体2上面の開口部32b(つまり筐体2の外部)へ導くように延設されている。なお、吸気風路31の途中部31bにも蛇腹部34が設けられており、それら風路31,32の蛇腹部32a,34によって、水槽5側から筐体2側への振動の伝達を抑制している。
そして、制御装置23は、乾燥工程において、前述したドラム7の回転駆動だけでなく、前記ファンモータにより送風ファン33を回転駆動させる。この場合、ドラム7の回転に伴う送風作用と送風ファン33による送風作用が相俟って、吸気風路31を通して水槽5内へ、より大きな送風量が得られ、水槽5内の空気は排気風路32を通して筐体2外へ排気される。また、制御装置23は、乾燥工程において、ほぐし動作中も続けて送風する送風制御を行うことで、乾燥性能を一層高める。
以上のように本第2実施形態の洗濯機1は、吸気風路31内に、ドラム7の回転によって水槽5内へ吸気する方向に送風する送風ファン33を備える。これによれば、ヒータ等の熱源となる装置を用いずに、乾燥性能を、より大きな送風量を得ることで、一層高めることができる。
また、排気風路32は、水槽5内の空気を筐体2外へ排気するように延設されている。これによれば、乾燥工程において、ドラム7内の洗濯物から湿気を奪った空気は、排気風路32を通して筐体2外へ排気される。このため、当該湿気を含んだ空気を吸気風路31から吸気することなく、前記モータ10等の排熱を利用した乾燥を行うことできる。
<第3実施形態>
第3実施形態について図6及び図7を参照して説明する。本第3実施形態では、第1実施形態の槽側吸気口21cと吸気風路21に代えて、扉側吸気口35a,35cとその吸気風路35が設けられている。
即ち、図6、図7に示すように、扉4には、前面窓部材4aと後面窓部材4bとに、横長な矩形状の吸気口35aと吸気口35cとが扉側吸気口として形成されている。また、扉4の中空部には、前面窓部材4aの吸気口35aと、後面窓部材4bの吸気口35cとを連ねる横長な角筒状をなす吸気風路35の部材が嵌め込まれるようにして設けられている。これにより、扉4には、その厚み方向となる水槽5の軸線方向(略前後方向)に貫通する吸気風路35が形成されている。
扉4において、各窓部材4a,4b及び吸気風路35は、例えば透明性を有する合成樹脂材料で成形されている。吸気風路35は、図7の正面視において、扉4の上寄りの位置で、左右の周縁側まで横方向に拡がる形状をなしており、水槽5内部と筐体2外部とを連通させている。また、吸気風路35は、少なくとも吸気口35c側が溢水口14よりも高い位置に形成されており、吸気口35a,35cの双方(一方でもよい)に、縦の格子状をなす格子枠材(化粧枠)36が取付けられている(図7にのみ図示)。
上記した吸気風路35に係る構成により、乾燥工程では、ドラム7を高速度で所定方向に回転させることに伴い、当該回転によって生じる風の流れ(図6の矢印参照)を利用し、吸気口35a,35cを有する吸気風路35を通じて、筐体2外の空気を外気として水槽5内に取り込み、その取り込んだ空気を、当該ドラム7を通して排気風路22から水槽5外へ出して、当該ドラム7内の洗濯物を乾燥させることができる。
以上のように本第3実施形態では扉4に吸気口35a,35cを形成したので、その扉側吸気口35a,35cを通じて、ドラム7の前面開口部7a側より、筐体2外の空気を効率よく吸入することができる。吸気口35a,35cは、ドラム7の前面開口部7aに近い正面の位置にあり、筐体2外の空気を取り入れるための風路35長さや配設スペースを扉4を利用して極力小さくすることができる。また、扉4を利用して比較的幅広な(つまり開口面積が大きい)吸気口35a,35c乃至吸気風路35を形成することができる。更に、吸気口35cを溢水口14よりも高い位置に形成したので、水槽5外に水が溢れ出ることを防止できる等、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、吸気口35cを筐体2の前面の扉4に設けたため、扉4を閉じた運転状態では、吸気口35cが塞がれることなく、当該ドラム7内の洗濯物を乾燥させることができる。
<第4実施形態>
第4実施形態について図8を参照して説明する。本第4実施形態では、吸気風路35内に送風ファン37とヒータ38を備える点で、第3実施形態と相違する。即ち、吸気風路35の途中部35bには、送風ファン37が収容されていて、その送風ファン37を駆動する図示しないファンモータと当該ファン37で送風装置が構成されている。ファンモータは、制御装置23に接続され、ドラム7の回転によって水槽5内へ吸気する方向つまり前記軸線方向に水槽5側へ向けて送風するように送風ファン37を駆動する。
ヒータ38は温風生成用のものであり、吸気風路35内において送風ファン37よりも空気の流れの下流側に配置され、制御装置23による通断電制御が行われる。なお、扉4の窓部材4bや吸気風路35は例えば透明性を有するガラス材料から構成してもよい。
そして、制御装置23は、乾燥工程においてドラム7を回転駆動させるとともに、前記ファンモータにより送風ファン37を回転駆動させる。また、この場合、送風ファン37の回転駆動に併せて、ヒータ38が通電発熱される。これにより、図8の矢印で示すように、筐体2外の空気を外気として吸気風路35を通じて水槽5内に取り込む際に、当該吸気風路35の途中で空気がヒータ38により温風化される。ドラム7内に供給された温風は、洗濯物と接触して当該洗濯物を温めるとともに、当該洗濯物から湿気を奪う。湿気を含んだ空気は、排気風路22から水槽5外へ排出される。なお、制御装置23は、乾燥工程において、ほぐし動作中も続けて送風ファン37を駆動させるとともにヒータ38を発熱させる制御を行うことにより、乾燥時間の短縮を図ることができる。
以上のように本第4実施形態の洗濯機1は、吸気風路35内に、送風ファン37による送風を加熱することで温風化するヒータ38を備える。これによれば、乾燥時間の短縮を図ることができるとともに、ヒートポンプ等の熱源を利用した装置に比して簡単且つ安価な構成とすることができる。また、吸気風路35乃至吸気口35a,35cを通じて、ドラム7の前面開口部7a側より、筐体2外の空気を効率よく吸入することができる等、第3実施形態と同様の効果を奏する。
<第5実施形態>
第5実施形態について図9を参照して説明する。本第5実施形態の吸気風路40は扉4に設けられており、第3実施形態の吸気風路35と以下の点で相違する。即ち、扉4には、環状ベース部材4c上端と後面窓部材4b上部とに、上側吸気口40aと後側吸気口40cとが扉側吸気口として設けられている。これにより、扉4の上部には、一端部を上側吸気口40a、他端部を後側吸気口40cをとして、「し」の字状に外気を通す吸気風路40が形成されている。
この場合、吸気風路40の底壁部40dは、溢水口14よりも高い位置にあり、前記軸線方向に延びて扉4の内部空間を上下に仕切り、当該扉4上部(途中部40b)を吸気風路40としている。後側吸気口40はドラム7の前面開口部7aに臨み、上側吸気口40aは、洗濯物出入口3における枠部材3wの外周部3aに臨む位置にある。また、枠部材3wの外周部3aには、扉4の上側吸気口40aと対向する位置に切欠部40eが設けられている。
これにより、洗濯物出入口3を扉4で閉じた状態で、扉4の上側吸気口40aと枠部材3wの切欠部40eとが合わさって、水槽5の外部と内部を、それら切欠部40e、上側吸気口40a、及び後側吸気口40を有する吸気風路40で連通接続している。従って、乾燥工程において、ドラム7を高速度で所定方向に回転させることに伴い、当該回転によって生じる風の流れ(図9の矢印参照)を利用して、吸気風路40を通じて筐体2外の空気を外気として水槽5内に取り込み、その取り込んだ空気を、当該ドラム7を通して排気風路22から水槽5外へ出して、当該ドラム7内の洗濯物を乾燥させることができる。なお、吸気風路40には、図9に示すように切欠部40eの周縁にリブ41を立設し、又、風路抵抗を小さくするように底壁部40dに傾斜部42を設けている。また、後側吸気口40に、第3実施形態の格子枠材36と同様の格子枠材43を取り付けるようにしてもよい。
以上のように本第5実施形態では扉4に吸気口40a,40cを形成したので、それら吸気口40a,40c,40eを含む吸気風路40を通じて、ドラム7の前面開口部7a側より空気を効率よく吸入することができる。また、本第5実施形態でも、吸気口40cを扉4に設けることにより、扉4を閉じた運転状態で吸気口40cが塞がれることなく、当該ドラム7内の洗濯物を乾燥させることができ、又、風路の配設スペース乃至筐体2全体の小型化を図ることができる等、前述した第3、4実施形態と同様の効果を奏する。
<第6実施形態>
次に、第6実施形態について、図10〜図12を参照して述べる。図10は、この第6実施形態に係る洗濯乾燥機51の全体構成を示しており、この洗濯乾燥機51が上記第1実施形態の洗濯乾燥機1と異なるところは、水槽52及びドラム53の構成、駆動装置を構成する洗濯機モータ10の周辺の構成などにある。即ち、前記水槽52には、図11にも示すように、背面の上部に位置して、乾燥風を吸込むための吸気口54が設けられている。
この場合、吸気口54は、洗濯機モータ10の周囲部である、図11で上部右寄り部(正面から見て左寄り部)に位置して、該洗濯機モータ10の外周に沿うように、やや湾曲した形態で横長に設けられている。この吸気口54は、溢水口14よりも上方に位置している。また、図10に示すように、水槽52には、上面前部右端側に位置して、乾燥風を排出するための排気口55が設けられている。図11、図12にも示すように、排気口55には、排気風路となる例えばゴム製の蛇腹状の排気ダクト56が接続され、筐体2の上面に、外部に排気する空気排出口57が設けられている。尚、排気ダクト56部分にリント捕獲用のフィルタを設けるようにしても良い。
そして、水槽52の背面側には、図10、図11に示すように、前記洗濯機モータ10の背面側を覆うカバー58が取付けられている。このカバー58は、前面が開口した薄型円筒状をなすと共に、図11で上部右側に位置して外周側に膨らむような膨出部58aを一体に有した形態をなしている。このカバー58は、前面開口端部を前記水槽52の背面に当接させるように取付けられ、膨出部58aが前記吸気口54を覆うように位置される。従って、吸気口54はカバー58内に連通している。また、カバー58の後面部には、前記洗濯機モータ10の中央部に対応して円形に開口する空気取入口58bが形成されていると共に、空気の通過は許容しながら該空気取入口58bを塞ぐように、集塵用のフィルタ59が配置されている。
更に、図12に示すように、前記ドラム53の背面部には、中心部に前記洗濯機モータ10の回転軸10aが連結されるハブ部53bが設けられ、そのハブ部53bから外周に向けて6本のスポーク部53aが角度60度間隔で設けられており、スポーク部53a間の隙間部分は、多数の通気孔を有した網目状に構成されている。本実施形態では、スポーク部53aうち、円周方向に1個置きの3箇所の内面側に、ドラム53内の空気を撹拌する(外周側に流す)ための撹拌翼60が取付けられている。尚、図10に示すように、ドラム53の外周壁部には多数の孔8が形成され、内周壁にはバッフル9が設けられている。
上記構成においては、乾燥行程において、洗濯機モータ10によりドラム53が正面から見て時計回り方向に比較的高速で回転駆動され、これに伴い、ドラム53自体がファンとしての役割を果たし、図10に矢印で示すように空気の流れが生ずる。即ち、筐体2と水槽52の背面側との間の空気が、カバー58の空気取入口58bからフィルタ59を通してカバー58内に吸込まれ、洗濯機モータ10の周囲を通って、吸気口54から水槽52内(ドラム53の背面側)に吸込まれる。
吸込まれた空気は、水槽52とドラム53との間(ドラム53の外周側)を流れ、一部は排気口55から排出されるものの、残りの空気は、前面側からドラム53内に入る。ドラム53内の空気は、ドラム53の中心部(軸部近傍)を前から後方に流れ、ドラム53内の後部で外周側に流れる。そして、ドラム53の内周壁に貼付いた衣類の表面側を前方に流れる風と、衣類を通って孔8から外周側に出る風とが生じ、更に回転方向に流れる風も生じ、衣類の乾燥が進む。乾燥に供された空気は、排気口55から排気ダクト56を通って筐体2上面の空気排出口57から機外に排出される。
このとき、洗濯機モータ10は駆動により発熱し、その周囲部の空気を暖めようになるため、洗濯機モータ10周囲を通ることで暖められた空気を、水槽52背面の吸気口54から、衣類の乾燥に供することができる。ちなみに、本発明者の試験によれば、例えば外気よりも約10度程度温度が高い空気を水槽内に供給することが可能となった。また、ドラム53の背面部に撹拌翼60を設けたことにより、空気撹拌の効果がより高くなり、ドラム53内の空気の流れをより大きくして乾燥効率を向上させることができる。
このような第6実施形態によれば、上記した第1実施形態等と同様に、熱源となる装置等を省いた構成としても、ドラム53内の衣類のいわゆる風乾燥を行うことができ、省電力化を図ることができると共に、安価で簡単な構成で済ませることができる等の効果が得られる。そして、本実施形態では、それに加えて、次のような作用・効果を得ることができる。
即ち、本実施形態では、吸気口54を、水槽52の背面に設けるようにした。これにより、吸気口54が水槽52の背面というユーザにとって見える位置には存在しないので、外観を良好とすることができる。また、吸気口を筐体2の前面等に設けた場合と異なり、開口部が目に見えるところにないので、安全性が高い。吸気口54が衣類などによって意図せずに塞がれるといった虞がなく、吸気のための開口を常に確保することができる。
そして、本実施形態では、吸気口54は、洗濯機モータ10の周囲部に位置している。これにより、洗濯機モータ10の発熱によって暖められた周囲部の空気を吸気口54から吸い込んで、ドラム53内の衣類の乾燥に供することができ、この結果、乾燥効果をより高めることができる。特に本実施形態では、洗濯機モータ10の背面側を覆うカバー58を設け、吸気口54をカバー58内に連通させている。これにより、カバー58内において、洗濯機モータ10により暖められた高温の空気を外部に逃がさずに溜め、より高温の空気を、吸気口54を通して乾燥に供することができるようになる。カバー58により、洗濯機モータ10に埃などが付着することを防止することができる。
このとき、カバー58には、洗濯機モータ10の中心部に対応して空気取入口58bが設けられているので、空気取入口58bから取り入れた空気を洗濯機モータ10の周囲を確実に通して加熱することができ、取り入れた空気を暖めるのに効果的となる。しかも、空気取入口58bにフィルタ59を設ける構成としたので、洗濯機モータ10部分、つまりカバー58内、更に水槽52やドラム53内に埃などが侵入することを抑制することができる。ドラム53の背面部内壁に撹拌翼60を設けたことにより、乾燥風の生成機能をより高め、乾燥効率をより向上させることができる。
<第7、第8実施形態>
図13は、第7実施形態に係る洗濯乾燥機61を示している。この第7実施形態の洗濯乾燥機61は、上記第6実施形態の洗濯乾燥機51とは次の点で異なっている。即ち、この洗濯乾燥機61においても、水槽52の背面上部に、溢水口14よりも上方に位置して、乾燥風を水槽52内に吸込むための吸気口54が設けられている。また、カバー58をなくしている。そして、筐体2の上面後端部に空気取入口62が形成されていると共に、吸気口54と前記空気取入口62との間を接続するように、ダクト63が設けられている。このダクト63は、例えばゴム製の蛇腹状に構成され、可撓性を有している。
この構成によれば、筐体52の上面に形成された空気取入口62から、ダクト63を通して外気を水槽52内に確実に取込んで、ドラム53内に送風することが可能となる。また、吸気口54を、水槽52の背面に配置するので、外観を良好とすることができ、安全性が高く、さらには、吸気のための開口や空気の通路を良好に確保することができる。ダクト63は可撓性を有しているので、水槽52の振動に追従することができることは勿論である。吸気口54及び空気取入口62は、溢水口14よりも上方に位置しているので、空気取入口62からの水漏れなどを未然に防止することができる。
図14は、第8実施形態に係る洗濯乾燥機65を示しており、上記第7実施形態の洗濯乾燥機61と異なるところは、次の構成にある。即ち、この第8実施形態では、筐体2の背面の上端部寄り部位に、溢水口14よりも上方に位置して空気取入口66が形成されている、これと共に、吸気口54と空気取入口66との間を接続する、可撓性を有するダクト67が設けられている。この構成においても、上記第7実施形態と同等の作用・効果を得ることができる。
<第9、第10、第11実施形態>
図15は、第9実施形態に係る洗濯乾燥機71の構成を示すもので、ドラム53内を前面側から見た様子を示している。ドラム53の背面部の6本のスポーク部53aうち、円周方向に1個置きの3箇所のスポーク部53a部分の内面側には、ドラム53内の空気を撹拌する(外周側に流す)ための撹拌翼72が取付けられている。このとき、各撹拌翼72は、外周に行くほどドラム53の回転方向(正面から見て時計回り方向)に進むような、半径方向に対して傾斜角度を有した形態(ややカーブした形態)とされている。
この第9実施形態でも、上記第6実施形態と同様に、ドラム53の背面部内面に、角度をつけて撹拌翼72を設けたことにより、乾燥行程におけるドラム53内の空気撹拌の効果、特にドラム53の回転方向前方(この場合、正面から見て時計回り方向)へ送風効果を高めることができ、乾燥効率をより向上させることができる。
図16は、第10実施形態に係る洗濯乾燥機75を示すもので、ドラム76の背面側から見た様子を示している。このドラム76の背面部には、ハブ部76bが設けられていると共に、角度60度間隔で6本のスポーク部76aが設けられている。ここでは、各スポーク部76aは、外周に行くほどドラム76の回転方向(背面から見て反時計回り方向)に傾くような、半径方向に対して傾斜角度を有して直線的に延びる形態とされている。
この第10実施形態の構成によれば、乾燥行程におけるドラム76の回転に伴い、各スポーク部76aが、ドラム76の外側(水槽52との間の隙間)からドラム76内側に向けて風を引き込むように送風作用を呈し、通気孔を通して空気が積極的にドラム76内に取り込まれるようになる。従って、ドラム76内の空気の流れがより促進され、乾燥効率をより向上させることができる。
図17は、第11実施形態に係る洗濯乾燥機81を示すもので、水槽52を背面側から見た様子を示している。水槽52の背面には、吸気口54が洗濯機モータ10の周囲部上部に位置して、やや湾曲した形態で横長に設けられている。そして、本実施形態では、水槽52の背面に、前記吸気口54を開閉する開閉蓋82及びその開閉蓋82を開閉駆動する駆動機構83が設けられている。
このとき、前記開閉蓋82は、前記吸気口54の背面側を覆う横長湾曲状の板状をなし、その図で左上辺部において、左右方向にほぼ水平に延びる軸Pに沿って回動可能に支持されている。これにて、開閉蓋82は、吸気口54の背面側を塞ぐ閉塞位置と、そこから軸Pを中心に下側が背面側上方に回動して吸気口54を開放させる(吸気可能にさせる)開放位置と間で開閉される。詳しく図示はしないが、前記駆動機構83は、ボックス内に駆動源としてのモータやギヤ機構を備えており、前記開閉蓋82を閉塞位置と開放位置との間で開閉駆動する。駆動機構83のモータは、前記制御装置23により制御される。
この構成においては、洗濯運転時には、開閉蓋82が閉塞位置にあって吸気口54が閉塞されている。これにより、洗濯運転時の、吸気口54からの水槽52外部への水漏れ、吸気口54を通した外部からの水槽52内への埃等の侵入を防止することができる。また、乾燥行程においては、開閉蓋82が開放位置に移動されて吸気口54が開放され、上記したような風乾燥を進めることができる。この場合、洗濯機モータ10の周辺の暖められた空気を吸気口54から吸込んで、ドラム53内の衣類の乾燥に供することができ、効率的な乾燥を行うことができる。
<その他の実施形態>
水槽5及びドラム7は、軸線方向が前上がりに傾斜したものを例示したが、軸線方向が水平状態のものにも適用できる。また、本発明は、上記した各実施形態或いは変形例を組み合わせる等、適宜変更して実施し得るものである。例えば、図9の洗濯機1において、排気風路22に代えて、水槽5内の空気を筐体2外へ排気する排気風路32を設けるようにしてもよい。また、図5の吸気風路31の途中部31bに、温風生成用のヒータを設けるようにしてもよい。
上記第6実施形態では、洗濯機モータ10及び吸気口54を覆うカバー58を設けるようにしたが、カバーを省略し、吸気口を水槽の背面で露呈するように構成することもできる。このとき、吸気口が洗濯機モータの周囲部に位置していれば、洗濯機モータにより暖められた空気を水槽内部に供給することができる。また、上記各実施形態では、洗濯機モータ10を、水槽の背面に設けてドラムを直接的に回転駆動する構成としたが、洗濯機モータを筐体内の底部等に設け、ベルト伝達機構等によりドラムを回転駆動する構成としても良い。この場合も、洗濯機モータの周囲の空気が吸気口から吸い込まれるような、風の流れを得る構成とすれば、やはり比較的暖かい空気を乾燥に供することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。