JP2004008683A - 洗濯乾燥機 - Google Patents
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Abstract
【課題】脱水時における回転槽と水槽とのギャップを確保しつつ、乾燥時に回転槽と水槽とのギャップに向かう温風の量を少なく抑える。
【解決手段】回転槽12の前端板12aに開口部12bを設けると共に前記開口部12bの内周面に壁部材61を設けた。壁部材61は、開口部12bに設けられた溝部13に挿入された帯状部31と、帯状部31から水槽4の開口部4a付近まで延びる舌状部32とから構成されている。舌状部32は乾燥行程時に回転槽12が低速度で回転されるときは起立し、脱水行程時に回転槽12が高速度で回転されると遠心力によって倒れる。
【選択図】 図1
【解決手段】回転槽12の前端板12aに開口部12bを設けると共に前記開口部12bの内周面に壁部材61を設けた。壁部材61は、開口部12bに設けられた溝部13に挿入された帯状部31と、帯状部31から水槽4の開口部4a付近まで延びる舌状部32とから構成されている。舌状部32は乾燥行程時に回転槽12が低速度で回転されるときは起立し、脱水行程時に回転槽12が高速度で回転されると遠心力によって倒れる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗濯物の出入口付近から水槽内に温風を供給することにより洗濯物を乾燥する洗濯乾燥機に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
ドラム式洗濯乾燥機は、前面に洗濯物投入口を有する外箱の内部に水槽が収容され、前記水槽の内部に回転槽が回転可能に配設されている。水槽及び回転槽の前面のうち前記投入口と対向する部位には、それぞれ開口部が設けられており、そのうち前記水槽の開口部は、ベローを介して前記投入口に連結されている。
【0003】
前記ドラム式洗濯乾燥機は、温風発生装置、除湿器からなる乾燥装置を備えており、乾燥行程時には回転槽内に温風が流通するように構成されている。一般に、温風の供給口は水槽の開口部付近、例えばベローに設けられ、排出口は水槽の後面に設けられている。従って、温風供給装置から供給口を通して水槽内に供給された温風は、回転槽の開口部を通って回転槽内に流入した後、回転槽の周壁部や後壁部に設けられた通気孔を通して回転槽と水槽との間のギャップに入り込み、その後、排出口から排出される。
【0004】
ところで、回転槽と水槽との間のギャップは、脱水時に高速回転される回転槽と水槽との干渉を防止するために約15mmの長さ寸法に設定されている。このため、回転槽内に収容されている洗濯物の量が多く、回転槽内に温風が流通する空間が少ない場合には、供給口から供給された温風の多くが回転槽と水槽とのギャップへ向かってしまう。従って、回転槽内を流通する温風量が低下し、乾燥効率が低下するという問題があった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、脱水時における回転槽と水槽とのギャップを確保しつつ、乾燥時に回転槽と水槽とのギャップに向かう温風の量を少なく抑えることができる洗濯乾燥機を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の洗濯乾燥機は、水槽内に回転可能に配設された円筒状の回転槽と、前記回転槽の軸方向両端部のうちの一方に設けられた開口部と、乾燥行程時には前記回転槽を低速度で回転駆動し、脱水行程時には前記回転槽を高速度で回転駆動する回転駆動手段と、前記水槽のうち前記開口部の近傍に設けられた温風供給口を通して前記水槽内に温風を供給することにより前記回転槽内の洗濯物を乾燥する乾燥手段と、前記回転槽の一方の端部に設けられ前記水槽のうち前記回転槽の一方の端面と対向する面に向かって延びる壁部材を備え、前記壁部材を、前記回転槽が低速度で回転駆動されるときはその先端部が前記水槽に近接し、前記回転槽が高速度で回転駆動されたときは遠心力によって前記水槽から離間する方向に弾性変形するように構成したことを特徴とする。
【0007】
上記構成によれば、回転槽が低速度で回転される乾燥行程では、壁部材の先端部は前記水槽に近接しており、回転槽と水槽との間のギャップを一部或いは全部塞いだ状態となる。このため、温風供給口を通して水槽内に供給された温風の多くは、回転槽と水槽との間のギャップに進入することなく開口部を通して回転槽内に流入する。従って、水槽内に供給された温風の多くが洗濯物の乾燥に寄与することになり、乾燥効率が向上する。これに対して、回転槽が高速度で回転される脱水行程時には、壁部材は遠心力によって弾性変形して水槽から離間する。このため、壁部材を設けた場合であっても回転槽と水槽とのギャップを確保することができる。
【0008】
この場合、壁部材の基部付近に薄肉部を設けたり(請求項2の発明)、壁部材の先端部を、その他の部分よりも大きい遠心力が加わるように構成したりすると良い(請求項3の発明)。例えば壁部材の先端部に錘部を設けることにより、壁部材の先端部に大きい遠心力が加わるように構成することができる(請求項4の発明)。
【0009】
上記構成によれば、遠心力が加わったときに前記壁部材が弾性変形し易くなる。そして、薄肉部の厚み寸法や錘部の質量を調整することにより、乾燥行程時の回転槽の回転速度に合わせて壁部材が弾性変形するタイミングを調整することができる。
【0010】
また、回転槽の一方の端部にバランスリングが設けられている場合は、前記バランスリングに壁部材を設けると良い(請求項5の発明)。上記構成によれば、乾燥行程時、前記壁部材はバランスリングと水槽との間のギャップを塞ぐことになる。
【0011】
この場合、前記バランスリングと前記回転槽との間に壁部材を挟持させることも良い構成である(請求項6の発明)。上記構成によれば、壁部材を簡単な構成で確実に支持することができる。
【0012】
また、バランスリングに、遠心力によって弾性変形した壁部材を収納する凹部を設けることも良い構成である(請求項7の発明)。上記構成によれば、脱水行程時に弾性変形した壁部材によって水槽とバランスリングとの間のギャップが小さくなることを抑えることができる。
【0013】
更に、壁部材は、開口部の外周部に円環状に配置すると良い(請求項8の発明)。上記構成によれば、壁部材により回転槽と水槽との間のギャップを全周に亘って塞ぐことができ、温風供給口を通して水槽内に供給された温風が水槽と回転槽との間のギャップに進入することを略確実に防止できる。
【0014】
更にまた、壁部材は、回転槽の一方の端部のうち回転中心との距離が異なる複数部位に設けることも良い構成である(請求項9の発明)。上記構成によれば、回転槽と水槽との間のギャップが複数層の壁部材によって塞がれることになり、乾燥行程時に温風が前記ギャップを流通することを極力防止できる。
【0015】
本発明の請求項10の洗濯乾燥機は、水槽のうち回転槽の一方の端部と対向する面に設けられ、前記回転槽の回転中心との距離が前記壁部材と異なるように配置された板状部材を備えることを特徴とする。
【0016】
上記構成によれば、回転槽側に設けられた壁部材と、水槽側に設けられた板状部材とからラビリンスシール構造が形成される。従って、水槽内に供給された温風が水槽と回転槽との間のギャップに流入することをより一層防止できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のいくつかの実施例について図面を参照しながら説明する。図1ないし図8は、本発明をドラム式洗濯乾燥機に適用した第1〜第6の実施例を示しており、まず、図1ないし図3に示す第1の実施例について説明する。
【0018】
図1は、ドラム式洗濯機の全体構成を示すものであり、矩形箱状の外箱1は、その前面部に洗濯物(図示せず)を出し入れするための投入口1aと、前記投入口1aを開閉する扉2を有している。前記外箱1の後面部には、点検口1b及び前記点検口1bを閉塞する着脱可能な蓋3が設けられている。
【0019】
前記外箱1の内部には、前面に開口部4aを有する円筒状の水槽4が後下がりに傾斜した状態で配設されている。前記水槽4は、その下部において一対の弾性支持機構5(図1では一方のみ示す)により弾性支持されている。また、水槽4の上部と外箱1の上部との間には前記水槽4を補助的に弾性支持する引っ張りばね6が取付けられている。
【0020】
前記水槽4の開口部4aは、ベロー7によって前記投入口1aに水密に連結されている。また、前記水槽4の底部には、溝部8が形成されている。前記溝部8内には図示しない加熱要素が配設されている。更に、前記水槽4の底部の後部には排水口9が設けられている。前記排水口9には、排水ポンプ10を介して排水ホース11が接続されている。
【0021】
前記水槽4の内部には、洗濯槽、脱水槽、乾燥槽として機能する円筒状の回転槽12が回転可能に配設されている。回転槽12は、水槽4と同様に、後がりに傾斜するように構成されている。前記回転槽12の前端板12a(一方の端部に相当)の中央部には筒状の開口部12bが設けられている。回転槽12の開口部12bは、水槽4の開口部4aと対向している。
【0022】
前記開口部12bの内周面の前部には、溝部13が全周に亘って設けられている。前記溝部13は前面が開口しており、その内部には壁部材14が介装されている。前記壁部材14の構成については後述する。
【0023】
また、回転槽12の前端板12aの前面には、バランスリング15が固定されている。バランスリング15は、その内周面が前記開口部12bの外周面に沿うように構成されていると共にその外周面が回転槽12の周壁部12cの外周面と略同じ位置となるように構成されている。
【0024】
本実施例では、前記バランスリング15の前面と水槽4の前面との間には15mm以上のギャップが設けられている。また、前記回転槽12の周壁部12c及び後端板12dと水槽4との間には15mm以上のギャップが設けられている。これにより、高速回転時に回転槽12が振れ回ったときに回転槽12及びバランスリング15と水槽4とが干渉することが防止される。
【0025】
前記回転槽12の周壁部12c及び後端板12dには通水孔及び通気孔として機能する多数の孔部16が設けられている。また、図示しないが、前記回転槽12の周壁部12cの内面には、複数のバッフルが設けられている。
【0026】
前記水槽4の後部中央には、モータ17(駆動手段に相当)の回転軸18を支持する軸受ハウジング19が設けられている。前記回転軸18の前端部は、前記水槽4の後面を貫通して前記回転槽12の後端板12dの中央部に固定されている。前記モータ17は、例えば直流ブラシレスモータからなり、前記回転槽12を直接的に回転駆動する。
【0027】
前記モータ17のステータ20は、前記軸受ハウジング19の外周部に固定されている。前記モータ17のロータ21は、前記回転軸18の後端部に固定され、前記ステータ20を後方から覆うように構成されている。
【0028】
前記水槽4の後部のうち前記モータ17の右側部(図1において左側部)には、ダクト状の除湿器22が設けられている。前記水槽4の後面の下部には排気口23が設けられており、前記除湿器22の下端部は前記排気口23に連結されている。
【0029】
外箱1内の上部には、加熱装置24及び送風装置25が、前後に並んで配置されている。前記除湿器22の上端部は、ダクト26を介して前記送風装置25に接続されている。前記送風装置25は、ダクト27を介して加熱装置24に接続されている。加熱装置24は送風ダクト28に接続されている。前記送風ダクト28の先端部は、前記ベロー7の前部の上部に設けられた温風供給口7aに接続されている。前記除湿器22、加熱装置24、送風装置25、ダクト26〜28から乾燥手段としての乾燥装置29が構成される。
【0030】
また、前記外箱1内の上部の前部には、制御ユニット30が配設されている。前記制御ユニット30には、マイクロコンピュータを中心にRAMやROMなどを備えた制御回路が収容されており、洗い行程から乾燥行程までの洗濯乾燥運転全般を制御するようになっている。
【0031】
次に、図2及び図3を参照しながら壁部材14の構成について説明する。図2は、水槽4及び回転槽12の開口部4a及び12b周辺部分のうちの上部を拡大して示す図である。尚、図2では、回転槽12の回転中心軸が水平方向に延びる状態で水槽4及び回転槽12は示されているが、実際は水槽4及び回転槽12は後下がりに傾斜配置されている。
【0032】
壁部材14は、弾性体(例えばEPDM(Ethylene Propylene Diene Monomer))からなり、前記溝部13内に挿入支持された環状の帯状部31と、前記帯状部31の幅方向一端部(図2中左端部)に設けられた多数の舌状部32とから構成されている。前記舌状部32は、回転槽12の前端板12aに対して略垂直方向に延びており、その先端部は水槽4の開口部4a付近まで延びている。
【0033】
前記舌状部32の先端部の外周面には舌状部32の幅一杯に延びる錘部としての凸部33が設けられている。前記凸部33により舌状部32の先端部はその他の部分よりも厚肉になっている。また、前記舌状部32の基部の外周面には舌状部32の幅一杯に延びる凹部34(薄肉部に相当)が設けられている。前記凹部34により舌状部32の基部は、その他の部分よりも薄肉となっている。
【0034】
前記回転槽12が回転駆動されると、前記舌状部32に遠心力が加わる。遠心力の大きさは、舌状部32の質量、回転槽12の回転中心からの距離、回転槽12の回転速度の二乗に比例する。従って、舌状部32のうち凸部33が設けられている先端部は、その他の部分よりも大きい遠心力が加わる。また、回転槽12の回転速度が大きくなると、それに伴い舌状部32に加わる遠心力が大きくなる。
【0035】
本実施例では、回転槽12の回転速度が100(rpm)以下の場合は、舌状部32は自身の剛性により起立し、回転槽12の回転速度が100(rpm)を超えると、遠心力によって舌状部32が弾性変形するように構成している。このとき、舌状部32の基部に凹部34を設けたため、舌状部32は凹部34を中心に矢印A方向に折曲変形する。
【0036】
舌状部3が倒れる量(角度)は回転槽12の回転速度が大きくなることに応じて大きくなり、回転速度が例えば500(rpm)以上のとき、舌状部32は倒れてバランスリング15に当接する。
【0037】
次に、上記構成の作用について説明する。上記ドラム式洗濯機では、標準的な運転コースが開始されると、洗い行程、すすぎ行程、脱水行程、乾燥行程が順次実行される。洗い行程及びすすぎ行程では、回転槽12内に洗濯物が収容され且つ水槽4内に洗濯水が貯留された状態でモータ17により回転槽12が正逆方向に低速回転される(例えば約50[rpm])。これに伴い、回転槽12内に収容された洗濯物は、水槽4内の洗濯水と共にバッフルにより持ち上げられた後、落下するという撹拌動作が繰り返され、以って洗浄され、濯がれる。このとき、舌状部32に加わる遠心力は小さいため、舌状部32は起立状態にある。
【0038】
脱水行程では、モータ17により回転槽12が一方向に高速回転される(例えば約900[rpm])。このため、回転槽12内の洗濯物は回転槽12の内面に付着した状態で回転され、以って遠心脱水される。
【0039】
このとき、壁部材14の舌状部32は遠心力によって矢印A方向に倒れ、バランスリング15に当接する。従って、高速回転する回転槽12が振れ回っても舌状部32と水槽4とが干渉することがない。
【0040】
乾燥行程では、モータ17により回転槽12が正逆方向に低速回転される(例えば約50[rpm])と共に、送風装置25及び加熱装置24が通電される。また、除湿器22内に上部から水が注入される。これにより、送風装置25から加熱装置24に向かって送風され温風化された空気は送風ダクト30を通して温風供給口7aからベロー7及び水槽4内に供給される。
【0041】
このとき、舌状部32に加わる遠心力は小さいため、舌状部32は起立状態にある。従って、水槽4の開口部4aの周縁部と回転槽12の開口部12bの周縁部との間は、舌状部32によって塞がれた状態にある。このため、水槽4の開口部4aを通って水槽4内に流入した温風のほとんどは、水槽4とバランスリング15との間のギャップに向かうことなく開口部12bを通って回転槽12内に流入する。
【0042】
回転槽12内に流入した温風は、洗濯物の水分を奪った後、除湿器60内に流入する。そして、上部から注入される水により冷却及び凝縮されることにより除湿された後、送風装置25及び加熱装置24を通過して回転槽12内に戻される。このような空気の循環により回転槽12内の洗濯物は乾燥される。
【0043】
このような本実施例によれば、次のような効果を得ることができる。即ち、回転槽12の開口部12bの内周部に、水槽4の開口部4aの周縁部に向かって延びる壁部材14を設けた。前記壁部材14の舌状部32は、洗い、すすぎ、乾燥行程時に回転槽12が低速で回転駆動されるときは起立状態にあり、水槽4とバランスリング15との間のギャップを塞ぐ。また、前記舌状部32は、脱水行程時に回転槽12が高速で回転駆動されるときは遠心力によって倒さ、バランスリング15の前面に当接する。
【0044】
このため、乾燥行程時に水槽4の開口部4aを通して水槽4内に流入する温風が水槽4とバランスリング15との間のギャップに流入することが妨げられる。従って、回転槽12内に収容されている洗濯物量が多く温風が流通する空間が少ない場合でも、供給された温風のほとんどが回転槽12内を流通するため、洗濯物を効率よく乾燥することができる。
【0045】
また、前記舌状部32は、脱水行程時には遠心力によって倒される。従って、高速回転する回転槽12が振れ回っても舌状部32が水槽4に当たることがない。このため、壁部材14(舌状部32)を設けても、バランスリング15と水槽4との間のギャップを確保することができる。
【0046】
更に、前記舌状部32の先端部に凸部33を設けた。従って、舌状部32の先端部はその他の部分よりも厚肉となり、単位長さあたりの質量が大きくなる。また、前記舌状部32の基部に凹部33を設けてその他の部分よりも肉薄にした。以上の構成により、遠心力が加わったときに舌状部32を倒れ易くすることができる。
【0047】
本実施例では、壁部材14を回転槽12の開口部12bの内周面に全周に亘って設けた。このため、水槽4とバランスリング15との間のギャップのうち水槽4の開口部4aに連なる部分の略全体を舌状部32で塞ぐことができる。従って、温風供給口7aを通して水槽4内に供給された温風が、水槽4とバランスリング15とのギャップに流入することを略確実に防止でき、乾燥効率の一層の向上を図ることができる。
【0048】
図4は本発明の第2の実施例を示すものであり、第1の実施例と異なるところを説明する。尚、第1の実施例と同一部分には同一符号を付している。即ち、この第2の実施例では、壁部材14の帯状部31を断面L字状に構成し、回転槽12の前端板12a及び開口部12bとバランスリング15との間に壁部材14の帯状部31を挟持している。
【0049】
このような構成によれば、壁部材14を簡単な構成で確実に回転槽12の前端板12aに支持することができる。尚、上記した以外の構成は第1の実施例と同じであるため、第2の実施例においても第1の実施例と同様の作用、効果が得られる。
【0050】
図5は本発明の第3の実施例を示すものであり、第1の実施例と異なるところを説明する。尚、第1の実施例と同一部分には同一符号を付している。即ち、この第3の実施例では、バランスリング15の内周面の前部に溝部41を設け、前記溝部41内に壁部材14の帯状部材31を挿入支持させている。
このような構成の第3の実施例においても、第1の実施例と同一の作用、効果が得られる。
【0051】
図6は本発明の第4の実施例を示すものであり、第3の実施例と異なるところを説明する。尚、第3の実施例と同一部分には同一符号を付している。即ち、この第4の実施例では、バランスリング15の前面の内周側部分には、遠心力を受けて倒された舌状部32を収納する凹部51が設けられている。
【0052】
前記凹部51は、遠心力によって倒れた舌状部32が収納されたとき(図6に二点鎖線で示す状態)、前記舌状部32の前面とバランスリング15の前面とが面一となるように構成されている。
【0053】
上記第1ないし第3の構成では、舌状部32が倒れると、前記舌状部32の厚み寸法だけ水槽4と回転槽12との距離が近づく。このため、水槽4の前面部とバランスリング15との間のギャップを,舌状部32の厚み寸法分だけ大きく設定する必要がある。これに対して、本実施例では、バランスリング15の凹部51に舌状部32を収納するように構成したので、舌状部32を設けたことにより水槽4の前面部とバランスリング15の前面との間のギャップを大きくする必要がない。
【0054】
図7は本発明の第5の実施例を示すものであり、第3の実施例と異なるところを説明する。尚、第3の実施例と同一部分には同一符号を付している。即ち、第5の実施例では、壁部材14に加えて壁部材61をバランスリング15の前面に設けている。
【0055】
前記バランスリング15の前面には回転槽12の回転中心を中心とする円環状の溝部62が設けられている。前記壁部材61は、幅狭な円環状の帯状部63、前記帯状部63の幅方向一端面に設けられた多数の舌状部64を備えて構成されている。壁部材61は、前記帯状部63を前記溝部62内に挿入することによりバランスリング15の前面に支持されている。
【0056】
前記舌状部64の先端部の外周面には幅一杯に延びる凸部65(錘部に相当)が設けられ、基部の外周面には幅一杯に延びる凹部66(薄肉部に相当)が設けられている。前記舌状部64は、前記舌状部32と同様、脱水行程時に回転槽12が高速回転されると遠心力を受けて凹部66で折曲変形する。これに対して、洗い、すすぎ、乾燥行程時では起立状態にある。
【0057】
このため、乾燥行程時に温風供給口7aを通って水槽4内に流入した温風が水槽4とバランスリング15との間のギャップに流入することを舌状部32及び64により二重に防止することができる。従って、回転槽12内を流通する温風の量をより一層増やすことができ、洗濯物の乾燥効率の一層の向上を図ることができる。
【0058】
図8は本発明の第6の実施例を示すものであり、第5の実施例と異なるところを説明する。尚、第5の実施例と同一部分には同一符号を付している。即ち、第5の実施例では、水槽4の前面部の内面であって壁部材14と壁部材61との間に位置する部分に板状部材71を設けている。前記板状部材71は、回転槽12の回転中心を中心とする円環状をなしており、その先端部は水槽4の前面部とバランスリング15との間の幅方向中央付近まで延びている。
【0059】
前記板状部材71と壁部材14,61とから水槽4とバランスリング15との間のギャップには所謂ラビリンスシール構造が形成され、流路抵抗が大きくなる。このため、乾燥行程時に前記ギャップ内の温風流通量を一層低減することができ、洗濯物の乾燥効率をより一層向上することができる。
【0060】
次に、本発明を縦型の洗濯乾燥機に適用した第7の実施例を図9を参照しながら説明する。図9において、洗濯機本体81は、矩形箱状の外箱82と、外箱82の上部に配設された中空状のトップカバー83とから構成されている。前記外箱82内には水槽84が弾性支持機構85を介して設けられている。前記水槽84内には回転槽86が回転可能に設けられ、前記回転槽86内の底部には攪拌体87が回転可能に設けられている。回転槽86の周壁部には、通水孔及び通気孔として機能する多数の孔部86aが設けられている。そして、水槽84の下部には回転槽86及び攪拌体87を回転駆動する駆動機構88(駆動手段に相当)が設けられている。
【0061】
前記回転槽86の上端部には、バランスリング89が取付けられている。前記バランスリング89の内周部は回転槽86の開口部89aとして機能する。また、前記バランスリング89の上面のうち外周寄りの部分には壁部材90が立設されている。前記壁部材90は、前記バランスリング89の上面に設けられた円環状の溝部91に挿入支持されている。
【0062】
前記壁部材90は、上記第1ないし第6の実施例で示した壁部材14,61と同様の構成を有している。即ち、壁部材90は、溝部91内に挿入された帯状部92、前記帯状部92の上端部に設けられた舌状部93から構成されている。前記舌状部93の基部の外周面には凹部94(薄肉部に相当)が設けられており、先端部の外周面には凸部95(錘部に相当)が設けられている。
【0063】
一方、水槽84の底部には排水口96が設けられている。前記排水口96には、排水弁97を介して排水ホース98が連結されている。前記排水口96には、送風ダクト99が接続されている。前記送風ダクト99は除湿器として機能するようになっており、その上部には注水口(図示せず)が設けられている。
【0064】
前記送風ダクト99は、外箱82の後面に沿って上方に延びており、その上端部はU字状に折曲されている。前記トップカバー83はその後部上面に上方に突出する凸部100を有しており、前記送風ダクト99のU字状部99aは前記凸部100内に収容されている。図示しないが、前記送風ダクト99は複数のねじボス部を有しており、外箱82の後面及び凸部100の内面にねじ止めされている。
【0065】
前記水槽84の上部には内蓋94aを有する水槽カバー101が設けられており、前記水槽カバー101の後部には蛇腹状の連結ダクト102を介してU字状部99aの端部が接続されている。前記U字状部99aの内部には、温風発生装置103を構成するヒータ103a及びファン103bやリントフィルタ(図示せず)が配設されている。前記送風ダクト99、連結ダクト102、温風発生装置103等から乾燥手段としての乾燥装置104が構成される。また、連結ダクト102の下端部は温風供給口として機能する。
【0066】
図示しないが、前記洗濯機本体81の内部には制御回路を備えた制御ユニットが配設されており、洗い行程から乾燥行程までの洗濯乾燥運転の全般を制御するようになっている。
【0067】
上記洗濯乾燥機では、標準的な運転コースが開始されると、洗い行程、すすぎ行程、脱水行程、乾燥行程が順次実行される。このとき、前記制御回路は、洗い、すすぎ、乾燥行程では回転槽86が低速度で回転するように駆動機構88を制御し、脱水行程では回転槽86が高速度で回転するように駆動機構88を制御する。そして、回転槽86が低速度で回転駆動されるときは、前記壁部材90の舌状部93は起立状態で回転槽86と一体的に回転し、高速度で回転駆動されるときは、前記壁部材90の舌状部93は凹部95にて外周側に折曲変形する。
【0068】
従って、乾燥行程時には、起立状態にある舌状部93により水槽84の上面とバランスリング89との間は塞がれる。このため、連結ダクト102を通して水槽84内に供給された温風のほとんどは、水槽84と回転槽86との間のギャップに向かうことなく回転槽86内に流入する。
【0069】
回転槽86内に流入した温風は、洗濯物の水分を奪った後、排水口96を通って送風ダクト99に流入し、除湿される。そして、温風発生装置103を通過して温風化された後、水槽84内に戻されるという動作が繰り返され、回転槽86内の洗濯物が乾燥される。
【0070】
従って、このような構成の本実施例においても、第1の実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0071】
尚、本発明は上記し且つ図面に示した実施例に限定されるものではなく、たとえは次のような変形、拡張が可能である。
【0072】
壁部材は、バランスリングと水槽との間のギャップの一部を塞ぐようにバランスリングの前面或いは上面に設けても良い。具体的には、例えば壁部材を間隔を存して円環状に配置した場合でも、温風供給口を通して水槽内に供給された温風が水槽と回転槽との間のギャップに進入する量を減らすことができる。
【0073】
壁部材の先端部に壁部材よりも単位体積あたりの質量が大きい別部材を固定したり埋め込んだりすることにより錘部を構成しても良い。また、壁部材は、回転槽が静止状態にあるときは回転槽側から水槽側に向かって外周に傾斜するように構成しても良い。このような構成によっても、壁部材の先端部に対して、その他の部分よりも大きい遠心力が加わるように構成することができる。
【0074】
本発明は、回転槽の一方の端部にバランスリングが設けられていない洗濯乾燥機にも適用できる。この場合は、前記回転槽の一方の端部に壁部材を設ければよい。
【0075】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明の洗濯乾燥機は、回転槽の軸方向両端部のうち開口部が設けられた一方の端部に壁部材を設け、乾燥行程時に回転槽が低速度で回転駆動されるときは前記水槽のうち前記回転槽の一方の端面と対向する面に向かって延びるように構成したので、水槽内に供給された温風のほとんどを水槽と回転槽との間のギャップに進入することなく回転槽内に流入させることができる。このため、乾燥効率の向上を図ることができる。また、前記壁部材は、脱水行程時に前記回転槽が高速度で回転駆動されるときは遠心力によって前記回転槽の一方の端部に近づく方向に弾性変形するので、水槽と回転槽との間のギャップを確保することができ、高速度で回転する回転槽が振れまわることによって水槽と干渉することを極力防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すものであり、ドラム式洗濯乾燥機の全体構成を示す縦断側面図
【図2】壁部材周辺部分を拡大して示す縦断側面図
【図3】壁部材周辺部分を拡大して示す平面図
【図4】本発明の第2の実施例を示す図2相当図
【図5】本発明の第3の実施例を示す図2相当図
【図6】本発明の第4の実施例を示す図2相当図
【図7】本発明の第5の実施例を示す図2相当図
【図8】本発明の第6の実施例を示す図2相当図
【図9】本発明の第7の実施例を示すものであり、縦型洗濯乾燥機の全体構成を示す縦断側面図
【符号の説明】
図中、4,84は水槽、7aは温風供給口、12,86は回転槽、12aは開口部、14,61,90は壁部材、15,89はバランスリング、17はモータ(駆動手段)、29,104は乾燥装置(乾燥手段)、33,65,94は凸部(錘部)、34,66,95は凹部(薄肉部)、51は凹部、71は板状部材を示す。
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗濯物の出入口付近から水槽内に温風を供給することにより洗濯物を乾燥する洗濯乾燥機に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
ドラム式洗濯乾燥機は、前面に洗濯物投入口を有する外箱の内部に水槽が収容され、前記水槽の内部に回転槽が回転可能に配設されている。水槽及び回転槽の前面のうち前記投入口と対向する部位には、それぞれ開口部が設けられており、そのうち前記水槽の開口部は、ベローを介して前記投入口に連結されている。
【0003】
前記ドラム式洗濯乾燥機は、温風発生装置、除湿器からなる乾燥装置を備えており、乾燥行程時には回転槽内に温風が流通するように構成されている。一般に、温風の供給口は水槽の開口部付近、例えばベローに設けられ、排出口は水槽の後面に設けられている。従って、温風供給装置から供給口を通して水槽内に供給された温風は、回転槽の開口部を通って回転槽内に流入した後、回転槽の周壁部や後壁部に設けられた通気孔を通して回転槽と水槽との間のギャップに入り込み、その後、排出口から排出される。
【0004】
ところで、回転槽と水槽との間のギャップは、脱水時に高速回転される回転槽と水槽との干渉を防止するために約15mmの長さ寸法に設定されている。このため、回転槽内に収容されている洗濯物の量が多く、回転槽内に温風が流通する空間が少ない場合には、供給口から供給された温風の多くが回転槽と水槽とのギャップへ向かってしまう。従って、回転槽内を流通する温風量が低下し、乾燥効率が低下するという問題があった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、脱水時における回転槽と水槽とのギャップを確保しつつ、乾燥時に回転槽と水槽とのギャップに向かう温風の量を少なく抑えることができる洗濯乾燥機を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の洗濯乾燥機は、水槽内に回転可能に配設された円筒状の回転槽と、前記回転槽の軸方向両端部のうちの一方に設けられた開口部と、乾燥行程時には前記回転槽を低速度で回転駆動し、脱水行程時には前記回転槽を高速度で回転駆動する回転駆動手段と、前記水槽のうち前記開口部の近傍に設けられた温風供給口を通して前記水槽内に温風を供給することにより前記回転槽内の洗濯物を乾燥する乾燥手段と、前記回転槽の一方の端部に設けられ前記水槽のうち前記回転槽の一方の端面と対向する面に向かって延びる壁部材を備え、前記壁部材を、前記回転槽が低速度で回転駆動されるときはその先端部が前記水槽に近接し、前記回転槽が高速度で回転駆動されたときは遠心力によって前記水槽から離間する方向に弾性変形するように構成したことを特徴とする。
【0007】
上記構成によれば、回転槽が低速度で回転される乾燥行程では、壁部材の先端部は前記水槽に近接しており、回転槽と水槽との間のギャップを一部或いは全部塞いだ状態となる。このため、温風供給口を通して水槽内に供給された温風の多くは、回転槽と水槽との間のギャップに進入することなく開口部を通して回転槽内に流入する。従って、水槽内に供給された温風の多くが洗濯物の乾燥に寄与することになり、乾燥効率が向上する。これに対して、回転槽が高速度で回転される脱水行程時には、壁部材は遠心力によって弾性変形して水槽から離間する。このため、壁部材を設けた場合であっても回転槽と水槽とのギャップを確保することができる。
【0008】
この場合、壁部材の基部付近に薄肉部を設けたり(請求項2の発明)、壁部材の先端部を、その他の部分よりも大きい遠心力が加わるように構成したりすると良い(請求項3の発明)。例えば壁部材の先端部に錘部を設けることにより、壁部材の先端部に大きい遠心力が加わるように構成することができる(請求項4の発明)。
【0009】
上記構成によれば、遠心力が加わったときに前記壁部材が弾性変形し易くなる。そして、薄肉部の厚み寸法や錘部の質量を調整することにより、乾燥行程時の回転槽の回転速度に合わせて壁部材が弾性変形するタイミングを調整することができる。
【0010】
また、回転槽の一方の端部にバランスリングが設けられている場合は、前記バランスリングに壁部材を設けると良い(請求項5の発明)。上記構成によれば、乾燥行程時、前記壁部材はバランスリングと水槽との間のギャップを塞ぐことになる。
【0011】
この場合、前記バランスリングと前記回転槽との間に壁部材を挟持させることも良い構成である(請求項6の発明)。上記構成によれば、壁部材を簡単な構成で確実に支持することができる。
【0012】
また、バランスリングに、遠心力によって弾性変形した壁部材を収納する凹部を設けることも良い構成である(請求項7の発明)。上記構成によれば、脱水行程時に弾性変形した壁部材によって水槽とバランスリングとの間のギャップが小さくなることを抑えることができる。
【0013】
更に、壁部材は、開口部の外周部に円環状に配置すると良い(請求項8の発明)。上記構成によれば、壁部材により回転槽と水槽との間のギャップを全周に亘って塞ぐことができ、温風供給口を通して水槽内に供給された温風が水槽と回転槽との間のギャップに進入することを略確実に防止できる。
【0014】
更にまた、壁部材は、回転槽の一方の端部のうち回転中心との距離が異なる複数部位に設けることも良い構成である(請求項9の発明)。上記構成によれば、回転槽と水槽との間のギャップが複数層の壁部材によって塞がれることになり、乾燥行程時に温風が前記ギャップを流通することを極力防止できる。
【0015】
本発明の請求項10の洗濯乾燥機は、水槽のうち回転槽の一方の端部と対向する面に設けられ、前記回転槽の回転中心との距離が前記壁部材と異なるように配置された板状部材を備えることを特徴とする。
【0016】
上記構成によれば、回転槽側に設けられた壁部材と、水槽側に設けられた板状部材とからラビリンスシール構造が形成される。従って、水槽内に供給された温風が水槽と回転槽との間のギャップに流入することをより一層防止できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のいくつかの実施例について図面を参照しながら説明する。図1ないし図8は、本発明をドラム式洗濯乾燥機に適用した第1〜第6の実施例を示しており、まず、図1ないし図3に示す第1の実施例について説明する。
【0018】
図1は、ドラム式洗濯機の全体構成を示すものであり、矩形箱状の外箱1は、その前面部に洗濯物(図示せず)を出し入れするための投入口1aと、前記投入口1aを開閉する扉2を有している。前記外箱1の後面部には、点検口1b及び前記点検口1bを閉塞する着脱可能な蓋3が設けられている。
【0019】
前記外箱1の内部には、前面に開口部4aを有する円筒状の水槽4が後下がりに傾斜した状態で配設されている。前記水槽4は、その下部において一対の弾性支持機構5(図1では一方のみ示す)により弾性支持されている。また、水槽4の上部と外箱1の上部との間には前記水槽4を補助的に弾性支持する引っ張りばね6が取付けられている。
【0020】
前記水槽4の開口部4aは、ベロー7によって前記投入口1aに水密に連結されている。また、前記水槽4の底部には、溝部8が形成されている。前記溝部8内には図示しない加熱要素が配設されている。更に、前記水槽4の底部の後部には排水口9が設けられている。前記排水口9には、排水ポンプ10を介して排水ホース11が接続されている。
【0021】
前記水槽4の内部には、洗濯槽、脱水槽、乾燥槽として機能する円筒状の回転槽12が回転可能に配設されている。回転槽12は、水槽4と同様に、後がりに傾斜するように構成されている。前記回転槽12の前端板12a(一方の端部に相当)の中央部には筒状の開口部12bが設けられている。回転槽12の開口部12bは、水槽4の開口部4aと対向している。
【0022】
前記開口部12bの内周面の前部には、溝部13が全周に亘って設けられている。前記溝部13は前面が開口しており、その内部には壁部材14が介装されている。前記壁部材14の構成については後述する。
【0023】
また、回転槽12の前端板12aの前面には、バランスリング15が固定されている。バランスリング15は、その内周面が前記開口部12bの外周面に沿うように構成されていると共にその外周面が回転槽12の周壁部12cの外周面と略同じ位置となるように構成されている。
【0024】
本実施例では、前記バランスリング15の前面と水槽4の前面との間には15mm以上のギャップが設けられている。また、前記回転槽12の周壁部12c及び後端板12dと水槽4との間には15mm以上のギャップが設けられている。これにより、高速回転時に回転槽12が振れ回ったときに回転槽12及びバランスリング15と水槽4とが干渉することが防止される。
【0025】
前記回転槽12の周壁部12c及び後端板12dには通水孔及び通気孔として機能する多数の孔部16が設けられている。また、図示しないが、前記回転槽12の周壁部12cの内面には、複数のバッフルが設けられている。
【0026】
前記水槽4の後部中央には、モータ17(駆動手段に相当)の回転軸18を支持する軸受ハウジング19が設けられている。前記回転軸18の前端部は、前記水槽4の後面を貫通して前記回転槽12の後端板12dの中央部に固定されている。前記モータ17は、例えば直流ブラシレスモータからなり、前記回転槽12を直接的に回転駆動する。
【0027】
前記モータ17のステータ20は、前記軸受ハウジング19の外周部に固定されている。前記モータ17のロータ21は、前記回転軸18の後端部に固定され、前記ステータ20を後方から覆うように構成されている。
【0028】
前記水槽4の後部のうち前記モータ17の右側部(図1において左側部)には、ダクト状の除湿器22が設けられている。前記水槽4の後面の下部には排気口23が設けられており、前記除湿器22の下端部は前記排気口23に連結されている。
【0029】
外箱1内の上部には、加熱装置24及び送風装置25が、前後に並んで配置されている。前記除湿器22の上端部は、ダクト26を介して前記送風装置25に接続されている。前記送風装置25は、ダクト27を介して加熱装置24に接続されている。加熱装置24は送風ダクト28に接続されている。前記送風ダクト28の先端部は、前記ベロー7の前部の上部に設けられた温風供給口7aに接続されている。前記除湿器22、加熱装置24、送風装置25、ダクト26〜28から乾燥手段としての乾燥装置29が構成される。
【0030】
また、前記外箱1内の上部の前部には、制御ユニット30が配設されている。前記制御ユニット30には、マイクロコンピュータを中心にRAMやROMなどを備えた制御回路が収容されており、洗い行程から乾燥行程までの洗濯乾燥運転全般を制御するようになっている。
【0031】
次に、図2及び図3を参照しながら壁部材14の構成について説明する。図2は、水槽4及び回転槽12の開口部4a及び12b周辺部分のうちの上部を拡大して示す図である。尚、図2では、回転槽12の回転中心軸が水平方向に延びる状態で水槽4及び回転槽12は示されているが、実際は水槽4及び回転槽12は後下がりに傾斜配置されている。
【0032】
壁部材14は、弾性体(例えばEPDM(Ethylene Propylene Diene Monomer))からなり、前記溝部13内に挿入支持された環状の帯状部31と、前記帯状部31の幅方向一端部(図2中左端部)に設けられた多数の舌状部32とから構成されている。前記舌状部32は、回転槽12の前端板12aに対して略垂直方向に延びており、その先端部は水槽4の開口部4a付近まで延びている。
【0033】
前記舌状部32の先端部の外周面には舌状部32の幅一杯に延びる錘部としての凸部33が設けられている。前記凸部33により舌状部32の先端部はその他の部分よりも厚肉になっている。また、前記舌状部32の基部の外周面には舌状部32の幅一杯に延びる凹部34(薄肉部に相当)が設けられている。前記凹部34により舌状部32の基部は、その他の部分よりも薄肉となっている。
【0034】
前記回転槽12が回転駆動されると、前記舌状部32に遠心力が加わる。遠心力の大きさは、舌状部32の質量、回転槽12の回転中心からの距離、回転槽12の回転速度の二乗に比例する。従って、舌状部32のうち凸部33が設けられている先端部は、その他の部分よりも大きい遠心力が加わる。また、回転槽12の回転速度が大きくなると、それに伴い舌状部32に加わる遠心力が大きくなる。
【0035】
本実施例では、回転槽12の回転速度が100(rpm)以下の場合は、舌状部32は自身の剛性により起立し、回転槽12の回転速度が100(rpm)を超えると、遠心力によって舌状部32が弾性変形するように構成している。このとき、舌状部32の基部に凹部34を設けたため、舌状部32は凹部34を中心に矢印A方向に折曲変形する。
【0036】
舌状部3が倒れる量(角度)は回転槽12の回転速度が大きくなることに応じて大きくなり、回転速度が例えば500(rpm)以上のとき、舌状部32は倒れてバランスリング15に当接する。
【0037】
次に、上記構成の作用について説明する。上記ドラム式洗濯機では、標準的な運転コースが開始されると、洗い行程、すすぎ行程、脱水行程、乾燥行程が順次実行される。洗い行程及びすすぎ行程では、回転槽12内に洗濯物が収容され且つ水槽4内に洗濯水が貯留された状態でモータ17により回転槽12が正逆方向に低速回転される(例えば約50[rpm])。これに伴い、回転槽12内に収容された洗濯物は、水槽4内の洗濯水と共にバッフルにより持ち上げられた後、落下するという撹拌動作が繰り返され、以って洗浄され、濯がれる。このとき、舌状部32に加わる遠心力は小さいため、舌状部32は起立状態にある。
【0038】
脱水行程では、モータ17により回転槽12が一方向に高速回転される(例えば約900[rpm])。このため、回転槽12内の洗濯物は回転槽12の内面に付着した状態で回転され、以って遠心脱水される。
【0039】
このとき、壁部材14の舌状部32は遠心力によって矢印A方向に倒れ、バランスリング15に当接する。従って、高速回転する回転槽12が振れ回っても舌状部32と水槽4とが干渉することがない。
【0040】
乾燥行程では、モータ17により回転槽12が正逆方向に低速回転される(例えば約50[rpm])と共に、送風装置25及び加熱装置24が通電される。また、除湿器22内に上部から水が注入される。これにより、送風装置25から加熱装置24に向かって送風され温風化された空気は送風ダクト30を通して温風供給口7aからベロー7及び水槽4内に供給される。
【0041】
このとき、舌状部32に加わる遠心力は小さいため、舌状部32は起立状態にある。従って、水槽4の開口部4aの周縁部と回転槽12の開口部12bの周縁部との間は、舌状部32によって塞がれた状態にある。このため、水槽4の開口部4aを通って水槽4内に流入した温風のほとんどは、水槽4とバランスリング15との間のギャップに向かうことなく開口部12bを通って回転槽12内に流入する。
【0042】
回転槽12内に流入した温風は、洗濯物の水分を奪った後、除湿器60内に流入する。そして、上部から注入される水により冷却及び凝縮されることにより除湿された後、送風装置25及び加熱装置24を通過して回転槽12内に戻される。このような空気の循環により回転槽12内の洗濯物は乾燥される。
【0043】
このような本実施例によれば、次のような効果を得ることができる。即ち、回転槽12の開口部12bの内周部に、水槽4の開口部4aの周縁部に向かって延びる壁部材14を設けた。前記壁部材14の舌状部32は、洗い、すすぎ、乾燥行程時に回転槽12が低速で回転駆動されるときは起立状態にあり、水槽4とバランスリング15との間のギャップを塞ぐ。また、前記舌状部32は、脱水行程時に回転槽12が高速で回転駆動されるときは遠心力によって倒さ、バランスリング15の前面に当接する。
【0044】
このため、乾燥行程時に水槽4の開口部4aを通して水槽4内に流入する温風が水槽4とバランスリング15との間のギャップに流入することが妨げられる。従って、回転槽12内に収容されている洗濯物量が多く温風が流通する空間が少ない場合でも、供給された温風のほとんどが回転槽12内を流通するため、洗濯物を効率よく乾燥することができる。
【0045】
また、前記舌状部32は、脱水行程時には遠心力によって倒される。従って、高速回転する回転槽12が振れ回っても舌状部32が水槽4に当たることがない。このため、壁部材14(舌状部32)を設けても、バランスリング15と水槽4との間のギャップを確保することができる。
【0046】
更に、前記舌状部32の先端部に凸部33を設けた。従って、舌状部32の先端部はその他の部分よりも厚肉となり、単位長さあたりの質量が大きくなる。また、前記舌状部32の基部に凹部33を設けてその他の部分よりも肉薄にした。以上の構成により、遠心力が加わったときに舌状部32を倒れ易くすることができる。
【0047】
本実施例では、壁部材14を回転槽12の開口部12bの内周面に全周に亘って設けた。このため、水槽4とバランスリング15との間のギャップのうち水槽4の開口部4aに連なる部分の略全体を舌状部32で塞ぐことができる。従って、温風供給口7aを通して水槽4内に供給された温風が、水槽4とバランスリング15とのギャップに流入することを略確実に防止でき、乾燥効率の一層の向上を図ることができる。
【0048】
図4は本発明の第2の実施例を示すものであり、第1の実施例と異なるところを説明する。尚、第1の実施例と同一部分には同一符号を付している。即ち、この第2の実施例では、壁部材14の帯状部31を断面L字状に構成し、回転槽12の前端板12a及び開口部12bとバランスリング15との間に壁部材14の帯状部31を挟持している。
【0049】
このような構成によれば、壁部材14を簡単な構成で確実に回転槽12の前端板12aに支持することができる。尚、上記した以外の構成は第1の実施例と同じであるため、第2の実施例においても第1の実施例と同様の作用、効果が得られる。
【0050】
図5は本発明の第3の実施例を示すものであり、第1の実施例と異なるところを説明する。尚、第1の実施例と同一部分には同一符号を付している。即ち、この第3の実施例では、バランスリング15の内周面の前部に溝部41を設け、前記溝部41内に壁部材14の帯状部材31を挿入支持させている。
このような構成の第3の実施例においても、第1の実施例と同一の作用、効果が得られる。
【0051】
図6は本発明の第4の実施例を示すものであり、第3の実施例と異なるところを説明する。尚、第3の実施例と同一部分には同一符号を付している。即ち、この第4の実施例では、バランスリング15の前面の内周側部分には、遠心力を受けて倒された舌状部32を収納する凹部51が設けられている。
【0052】
前記凹部51は、遠心力によって倒れた舌状部32が収納されたとき(図6に二点鎖線で示す状態)、前記舌状部32の前面とバランスリング15の前面とが面一となるように構成されている。
【0053】
上記第1ないし第3の構成では、舌状部32が倒れると、前記舌状部32の厚み寸法だけ水槽4と回転槽12との距離が近づく。このため、水槽4の前面部とバランスリング15との間のギャップを,舌状部32の厚み寸法分だけ大きく設定する必要がある。これに対して、本実施例では、バランスリング15の凹部51に舌状部32を収納するように構成したので、舌状部32を設けたことにより水槽4の前面部とバランスリング15の前面との間のギャップを大きくする必要がない。
【0054】
図7は本発明の第5の実施例を示すものであり、第3の実施例と異なるところを説明する。尚、第3の実施例と同一部分には同一符号を付している。即ち、第5の実施例では、壁部材14に加えて壁部材61をバランスリング15の前面に設けている。
【0055】
前記バランスリング15の前面には回転槽12の回転中心を中心とする円環状の溝部62が設けられている。前記壁部材61は、幅狭な円環状の帯状部63、前記帯状部63の幅方向一端面に設けられた多数の舌状部64を備えて構成されている。壁部材61は、前記帯状部63を前記溝部62内に挿入することによりバランスリング15の前面に支持されている。
【0056】
前記舌状部64の先端部の外周面には幅一杯に延びる凸部65(錘部に相当)が設けられ、基部の外周面には幅一杯に延びる凹部66(薄肉部に相当)が設けられている。前記舌状部64は、前記舌状部32と同様、脱水行程時に回転槽12が高速回転されると遠心力を受けて凹部66で折曲変形する。これに対して、洗い、すすぎ、乾燥行程時では起立状態にある。
【0057】
このため、乾燥行程時に温風供給口7aを通って水槽4内に流入した温風が水槽4とバランスリング15との間のギャップに流入することを舌状部32及び64により二重に防止することができる。従って、回転槽12内を流通する温風の量をより一層増やすことができ、洗濯物の乾燥効率の一層の向上を図ることができる。
【0058】
図8は本発明の第6の実施例を示すものであり、第5の実施例と異なるところを説明する。尚、第5の実施例と同一部分には同一符号を付している。即ち、第5の実施例では、水槽4の前面部の内面であって壁部材14と壁部材61との間に位置する部分に板状部材71を設けている。前記板状部材71は、回転槽12の回転中心を中心とする円環状をなしており、その先端部は水槽4の前面部とバランスリング15との間の幅方向中央付近まで延びている。
【0059】
前記板状部材71と壁部材14,61とから水槽4とバランスリング15との間のギャップには所謂ラビリンスシール構造が形成され、流路抵抗が大きくなる。このため、乾燥行程時に前記ギャップ内の温風流通量を一層低減することができ、洗濯物の乾燥効率をより一層向上することができる。
【0060】
次に、本発明を縦型の洗濯乾燥機に適用した第7の実施例を図9を参照しながら説明する。図9において、洗濯機本体81は、矩形箱状の外箱82と、外箱82の上部に配設された中空状のトップカバー83とから構成されている。前記外箱82内には水槽84が弾性支持機構85を介して設けられている。前記水槽84内には回転槽86が回転可能に設けられ、前記回転槽86内の底部には攪拌体87が回転可能に設けられている。回転槽86の周壁部には、通水孔及び通気孔として機能する多数の孔部86aが設けられている。そして、水槽84の下部には回転槽86及び攪拌体87を回転駆動する駆動機構88(駆動手段に相当)が設けられている。
【0061】
前記回転槽86の上端部には、バランスリング89が取付けられている。前記バランスリング89の内周部は回転槽86の開口部89aとして機能する。また、前記バランスリング89の上面のうち外周寄りの部分には壁部材90が立設されている。前記壁部材90は、前記バランスリング89の上面に設けられた円環状の溝部91に挿入支持されている。
【0062】
前記壁部材90は、上記第1ないし第6の実施例で示した壁部材14,61と同様の構成を有している。即ち、壁部材90は、溝部91内に挿入された帯状部92、前記帯状部92の上端部に設けられた舌状部93から構成されている。前記舌状部93の基部の外周面には凹部94(薄肉部に相当)が設けられており、先端部の外周面には凸部95(錘部に相当)が設けられている。
【0063】
一方、水槽84の底部には排水口96が設けられている。前記排水口96には、排水弁97を介して排水ホース98が連結されている。前記排水口96には、送風ダクト99が接続されている。前記送風ダクト99は除湿器として機能するようになっており、その上部には注水口(図示せず)が設けられている。
【0064】
前記送風ダクト99は、外箱82の後面に沿って上方に延びており、その上端部はU字状に折曲されている。前記トップカバー83はその後部上面に上方に突出する凸部100を有しており、前記送風ダクト99のU字状部99aは前記凸部100内に収容されている。図示しないが、前記送風ダクト99は複数のねじボス部を有しており、外箱82の後面及び凸部100の内面にねじ止めされている。
【0065】
前記水槽84の上部には内蓋94aを有する水槽カバー101が設けられており、前記水槽カバー101の後部には蛇腹状の連結ダクト102を介してU字状部99aの端部が接続されている。前記U字状部99aの内部には、温風発生装置103を構成するヒータ103a及びファン103bやリントフィルタ(図示せず)が配設されている。前記送風ダクト99、連結ダクト102、温風発生装置103等から乾燥手段としての乾燥装置104が構成される。また、連結ダクト102の下端部は温風供給口として機能する。
【0066】
図示しないが、前記洗濯機本体81の内部には制御回路を備えた制御ユニットが配設されており、洗い行程から乾燥行程までの洗濯乾燥運転の全般を制御するようになっている。
【0067】
上記洗濯乾燥機では、標準的な運転コースが開始されると、洗い行程、すすぎ行程、脱水行程、乾燥行程が順次実行される。このとき、前記制御回路は、洗い、すすぎ、乾燥行程では回転槽86が低速度で回転するように駆動機構88を制御し、脱水行程では回転槽86が高速度で回転するように駆動機構88を制御する。そして、回転槽86が低速度で回転駆動されるときは、前記壁部材90の舌状部93は起立状態で回転槽86と一体的に回転し、高速度で回転駆動されるときは、前記壁部材90の舌状部93は凹部95にて外周側に折曲変形する。
【0068】
従って、乾燥行程時には、起立状態にある舌状部93により水槽84の上面とバランスリング89との間は塞がれる。このため、連結ダクト102を通して水槽84内に供給された温風のほとんどは、水槽84と回転槽86との間のギャップに向かうことなく回転槽86内に流入する。
【0069】
回転槽86内に流入した温風は、洗濯物の水分を奪った後、排水口96を通って送風ダクト99に流入し、除湿される。そして、温風発生装置103を通過して温風化された後、水槽84内に戻されるという動作が繰り返され、回転槽86内の洗濯物が乾燥される。
【0070】
従って、このような構成の本実施例においても、第1の実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0071】
尚、本発明は上記し且つ図面に示した実施例に限定されるものではなく、たとえは次のような変形、拡張が可能である。
【0072】
壁部材は、バランスリングと水槽との間のギャップの一部を塞ぐようにバランスリングの前面或いは上面に設けても良い。具体的には、例えば壁部材を間隔を存して円環状に配置した場合でも、温風供給口を通して水槽内に供給された温風が水槽と回転槽との間のギャップに進入する量を減らすことができる。
【0073】
壁部材の先端部に壁部材よりも単位体積あたりの質量が大きい別部材を固定したり埋め込んだりすることにより錘部を構成しても良い。また、壁部材は、回転槽が静止状態にあるときは回転槽側から水槽側に向かって外周に傾斜するように構成しても良い。このような構成によっても、壁部材の先端部に対して、その他の部分よりも大きい遠心力が加わるように構成することができる。
【0074】
本発明は、回転槽の一方の端部にバランスリングが設けられていない洗濯乾燥機にも適用できる。この場合は、前記回転槽の一方の端部に壁部材を設ければよい。
【0075】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明の洗濯乾燥機は、回転槽の軸方向両端部のうち開口部が設けられた一方の端部に壁部材を設け、乾燥行程時に回転槽が低速度で回転駆動されるときは前記水槽のうち前記回転槽の一方の端面と対向する面に向かって延びるように構成したので、水槽内に供給された温風のほとんどを水槽と回転槽との間のギャップに進入することなく回転槽内に流入させることができる。このため、乾燥効率の向上を図ることができる。また、前記壁部材は、脱水行程時に前記回転槽が高速度で回転駆動されるときは遠心力によって前記回転槽の一方の端部に近づく方向に弾性変形するので、水槽と回転槽との間のギャップを確保することができ、高速度で回転する回転槽が振れまわることによって水槽と干渉することを極力防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すものであり、ドラム式洗濯乾燥機の全体構成を示す縦断側面図
【図2】壁部材周辺部分を拡大して示す縦断側面図
【図3】壁部材周辺部分を拡大して示す平面図
【図4】本発明の第2の実施例を示す図2相当図
【図5】本発明の第3の実施例を示す図2相当図
【図6】本発明の第4の実施例を示す図2相当図
【図7】本発明の第5の実施例を示す図2相当図
【図8】本発明の第6の実施例を示す図2相当図
【図9】本発明の第7の実施例を示すものであり、縦型洗濯乾燥機の全体構成を示す縦断側面図
【符号の説明】
図中、4,84は水槽、7aは温風供給口、12,86は回転槽、12aは開口部、14,61,90は壁部材、15,89はバランスリング、17はモータ(駆動手段)、29,104は乾燥装置(乾燥手段)、33,65,94は凸部(錘部)、34,66,95は凹部(薄肉部)、51は凹部、71は板状部材を示す。
Claims (10)
- 水槽と、
前記水槽内に回転可能に配設された円筒状の回転槽と、
前記回転槽の軸方向両端部のうちの一方に設けられた開口部と、
乾燥行程時には前記回転槽を低速度で回転駆動し、脱水行程時には前記回転槽を高速度で回転駆動する回転駆動手段と、
前記水槽のうち前記開口部の近傍に設けられた温風供給口を通して前記水槽内に温風を供給することにより前記回転槽内の洗濯物を乾燥する乾燥手段とを備える洗濯乾燥機において、
前記回転槽の一方の端部に設けられ前記水槽のうち前記回転槽の一方の端部と対向する面に向かって延びる壁部材を備え、
前記壁部材は、前記回転槽が低速度で回転駆動されるときはその先端部が前記水槽に近接し、前記回転槽が高速度で回転駆動されたときは遠心力によって前記水槽から離間する方向に弾性変形するように構成されていることを特徴とする洗濯乾燥機。 - 壁部材の基部付近には薄肉部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の洗濯乾燥機。
- 壁部材の先端部は、その他の部分よりも大きい遠心力が加わるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の洗濯乾燥機。
- 壁部材の先端部には、錘部が設けられていることを特徴とする請求項3記載の洗濯乾燥機。
- 回転槽の一方の端部に設けられたバランスリングを備え、
壁部材は前記バランスリングに設けられていることを特徴とする請求項1記載の洗濯乾燥機。 - 回転槽の一方の端部に設けられたバランスリングを備え、
壁部材は、前記バランスリングと前記回転槽との間に挟持されていることを特徴とする請求項1記載の洗濯乾燥機。 - バランスリングには、遠心力によって弾性変形した壁部材を収納する凹部が設けられていることを特徴とする請求項5または6記載の洗濯乾燥機。
- 壁部材は、開口部の外周部に円環状に配置されていることを特徴とする請求項1記載の洗濯乾燥機。
- 壁部材は、回転槽の一方の端部のうち回転中心との距離が異なる複数部位に設けられていることを特徴とする請求項1記載の洗濯乾燥機。
- 水槽のうち回転槽の一方の端部と対向する面に設けられ、前記回転槽の回転中心との距離が前記壁部材と異なるように配置された板状部材を備えることを特徴とする請求項1記載の洗濯乾燥機。
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010528735A (ja) * | 2007-06-07 | 2010-08-26 | アクティエボラゲット エレクトロラックス | 洗濯機と乾燥器 |
DE112005002904B4 (de) * | 2004-11-30 | 2011-06-22 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Waschtrockner |
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CN104018318A (zh) * | 2013-02-28 | 2014-09-03 | 海尔集团技术研发中心 | 干洗机 |
US11795601B2 (en) | 2020-11-10 | 2023-10-24 | Whirlpool Corporation | Maximizing the dry rate of clothes tumbling combination washer/dryer with a seal |
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-
2002
- 2002-06-11 JP JP2002169940A patent/JP2004008683A/ja not_active Abandoned
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