JP6843185B2 - 電動二輪車の動力組立部材の給油システム - Google Patents

Description

本発明は、電動二輪車の技術分野に関し、より詳しくは、電動二輪車の動力組立部材の給油システム（A lubrication system of a power assembly of an electric scooter）に関する。

従来の電動二輪車は主にモーターを動力源とし、伝動装置によって車輪に伝動させて車両を走行させている。前記モーター及び伝動装置のギアセットは高速回転状態となるため、適切な潤滑油を使用して潤滑性及び冷却効果を提供する必要がある。

中国特許出願公開第１０５３９３０２６号 中国実用新案出願公開第２０１５２６６６４号 中国実用新案出願公開第２０３６１４７１５号 日本特許出願公開第１０−３１８３５７号

前記モーター及び前記減速ギアセットは共に独立した部材または装置であるため、各々独立した潤滑油流路により潤滑性及び冷却効果を提供する必要がある。このため、潤滑油の流路が大きくなり、潤滑性及び冷却効果が理想的にはならなかった。また、潤滑油が流動することで気泡が生じてしまい、すぐに気泡を除去しなければ流動した潤滑油が気泡と混じり合って潤滑油の流動性が低下し、部材に対する冷却効果も低下した。

そこで、本発明者は上記の欠点が改善可能と考え、鋭意検討を重ねた結果、合理的かつ効果的に課題を改善する本発明の提案に到った。

かかる従来の実情に鑑みて、本発明は、電動二輪車の動力組立部材の給油システムを提供することを目的とする。つまり、潤滑油の流路が短く、即時気泡を除去できる効果を有する。

また、本発明の他の目的は、電動二輪車の動力組立部材の給油システムを提供する。つまり、互いに噛合しトルクを伝達する２つのギアがその噛合位置で潤滑性及び冷却効果を直接提供し、トルクの伝達をよりスムーズにする。

上記課題を解決する本発明は、ケース内に従動ギアシャフトダクトに対応するケースダクトが形成され、前記従動ギアシャフトダクトは従動ギアシャフトの軸方向内部に形成される。また、ベアリングシートダクトは前記ケース内に形成されると共に従動ギアベアリングシート及び駆動ギアベアリングシートに連結され、前記ベアリングシートダクトは前記従動ギアシャフトダクトに連通されることを特徴とする。

よって、前記潤滑油は前記ケースダクトから前記従動ギアシャフトダクトに向けて流れ、前記従動ギアシャフトダクトから前記従動ギアベアリングシートに流出し、且つ前記ベアリングシートダクトを通過させて前記駆動ギアベアリングシートに向けて流れる。これにより、潤滑油の流路の短縮、及び潤滑性及び冷却効果の向上を達成させる。

本発明によれば、従来の潤滑油の流路は長すぎるため冷却効果が優れず、すぐに気泡を除去できないという欠点を解決させる。

本発明の一実施形態に係る動力組立部材を示す分解図である。 本発明の一実施形態に係る動力組立部材を示す組立の外観斜視図である。 本発明の従動ギアを示す外観斜視図である。 本発明の従動ギア及びギアシャフトの構成を示す概略図である。 本発明のベアリングシートダクトがベースに位置される外観斜視図である。 本発明のベアリングシートダクトがベースに位置される分解外視図である。 本発明のベアリングシートダクトの段状フランジ構成を示す外観斜視図である。 本発明のベアリングシートダクトの段状フランジが蓋のジェットボアに対応する外観斜視図である。 本発明の従動ギア及びギアシャフトが軸に結合されると共にベアリングシートに装設される構成を示す概略図である。 本発明のギアシャフト及び従動ギアに対応される噛合位置の構成を示す概略図である。 本発明の潤滑剤が各ダクトを流れる経路を示すブロック図である。 本発明のケースダクトがフィルターキットと接続する構成を示す概略図である。 本発明の上蓋ダクト、ケースダクトユニット及び従動ギアシャフトダクトの接続状態を示す概略図である。 本発明の潤滑剤が各ダクトを流れる他の流れ経路を示すブロック図である。

以下、本開示の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本開示は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。

以下、図１〜１４を参照しながら、本発明をさらに詳しく説明する。まず、図１及び図２を参照すると、ケース１０のベース１２の一側に接合台１４が配設される。また、前記ケース１０内部には従動ギア１６及び電動モーター１８が配置される。より具体的には、前記電動モーター１８の出力軸は駆動ギアシャフト２０であり、前記駆動ギアシャフト２０の一端には駆動ギア２２が配設され、且つ前記駆動ギア２２は前記ベース１２に回転可能に装設される。前記従動ギア１６の軸方向には従動ギアシャフト２４を有する。前記従動ギア１６は前記ベース１２に回転可能に装設されると共に前記駆動ギア２２に噛合される。

前記ケース１０内部にはダクトに潤滑油を流動させるための潤滑油流路システムを有する。前記潤滑油流路システムは前記ケース１０内部に形成されるケースダクト３０を備える。ちなみに、前記ケースダクト３０は適切な穿孔工具を使用して前記接合台１４の側壁面から内部に向けて所定の長さ及び方向に通路が穿設されることで構成され、或いは異なる方向に互いに連接される２つの通路が穿設されることで構成される。図面には異なる方向の２つの通路が連接されることで形成される前記ケースダクト３０を示す。穿設される前記通路は前記接合台１４の厚さ内部に隠されると共に一端が前記従動ギア１６に向けられる。即ち、前記ケースダクト３０が前記ケース１０内部に形成されると共に一端が前記従動ギア１６に向けられる。

本実施形態では従動ギアシャフトダクト４０を備える（図３及び図４参照）。前記従動ギアシャフトダクト４０は軸方向部４２と、第１ボア４４と、第２ボア４６と、を含む。前記軸方向部４２は前記従動ギアシャフト２４の軸方向内部に形成される。前記第１ボア４４は前記従動ギアシャフト２４の径方向に形成されると共に前記軸方向部４２の一端に連通され、前記第２ボア４６は前記従動ギアシャフト２４の径方向に形成されると共に前記軸方向部４２の他端に連通される。即ち、前記第１ボア４４が前記従動ギアシャフト２４の上方箇所に位置され、前記第２ボア４６が前記従動ギアシャフト２４の下方箇所に位置される。

なお、図５に示されるように、前記ベース１２は従動ギアベアリングシート５０及び駆動ギアベアリングシート５２を有する。２つの前記ベアリングシートには凹穴構造が形成されると共に底部を各々有する。ベアリングシートダクト６０は前記ベース１２の底部に形成される。ちなみに、前記ベアリングシートダクト６０は前記従動ギアベアリングシート５０及び前記駆動ギアベアリングシート５２に位置され、且つ前記従動ギアベアリングシート５０及び前記駆動ギアベアリングシート５２に連結される。

前記ベアリングシートダクト６０はスロット部６２及び蓋６４を備える（図６参照）。前記スロット部６２は前記ベース１２の底部に形成され、前記蓋６４は前記スロット部６２の開放方向に装設される。これにより、前記ベアリングシートダクト６０が前記ケース内部に位置され、且つ両端は前記従動ギアベアリングシート５０及び前記駆動ギアベアリングシート５２に連通される開口部構造とする。

図７及び図８に示されるように、前記スロット部６２の所定の位置には段状フランジ６６を有し、前記蓋６４は貫通するジェットボア６８を有する。前記蓋６４は前記スロット部６２に装設され、前記ジェットボア６８は前記段状フランジ６６に対応する位置またはずれた位置に位置を合わせる。

図５に戻って、本実施形態では、従動ギアベアリングシート壁面ダクト７０を更に備える。前記従動ギアベアリングシート壁面ダクト７０の一部分は前記従動ギアベアリングシート５０の底部に形成され、他の部分は前記従動ギアベアリングシート５０の側壁面に形成される。これにより、前記従動ギアベアリングシート壁面ダクト７０の一端が前記ベアリングシートダクト６０の一端に連結される。また、第１案内ダクト部７２は前記従動ギアベアリングシート５０の側壁面に形成される。前記第１案内ダクト部７２の一端は前記従動ギアベアリングシート５０の端部を露出させるための開口部とする。

次は、第２案内ダクト部７４は前記駆動ギアベアリングシート５２の側壁面に形成される。前記第２案内ダクト部７４の一端は前記駆動ギアベアリングシート５２の端部を露出させるための開口部とする。

なお、気泡除去部８０はベース１２に位置されると共に前記駆動ギアベアリングシート５２に隣接する。前記気泡除去部８０は前記駆動ギアベアリングシート５２から突出し、且つ前記気泡除去部８０内には複数のリブ８２を有する。

図９を参照すれば、前記従動ギアシャフト２４には前記従動ギアベアリングシート５０に装設される従動ギアベアリング５４が結合される。前記駆動ギアシャフト２０には前記駆動ギアベアリングシート５２に装設される駆動ギアベアリング５６が結合される。

前記ジェットボア６８は前記駆動ギア２２と前記従動ギア１６との噛合位置に対応する（図１０参照）。

図１１に示されるように、前記各ダクトの構成及び位置に基づいて、本発明では潤滑油（エンジンオイル）が前記ケースダクト３０を経て前記従動ギアシャフトダクト４０に向けて流れる。前記潤滑油は前記従動ギアシャフトダクト４０から流出した後に前記従動ギアベアリングシート５０に注入されてから前記ベアリングシートダクト６０に流入する。潤滑油は前記ベアリングシートダクト６０を通過させて前記駆動ギアベアリングシート５２内に注入される。前記電動モーター及び前記従動ギアの実際の配置方向に基づいて、前記気泡除去部８０がケースの下方に位置され、よって、潤滑油が前記気泡除去部８０に向けて流れ、且つ前記第２案内ダクト部７４を経て前記気泡除去部８０に進入する。前記気泡除去部８０が複数の前記リブ（図示省略）を有するため、潤滑油が流動することで生じる気泡が即時除去される。その後、適切なオイルポンプによって潤滑油が前記ケースダクト３０に送り込まれる。

さらに、図７、図８、図１０及び図１１に示されるように、潤滑油は前記ベアリングシートダクト６０を通過中に前記段状フランジ６６にぶつかり、部分的な潤滑油が前記ジェットボア６８から噴出し、且つ前記潤滑油が前記駆動ギア２２と前記従動ギア１６との噛合位置で作用する。噴出した潤滑油は前記第１案内ダクト部７２から前記従動ギアベアリングシート５０に戻される。

本実施形態はフィルターキット９０を備える。前記フィルターキット９０は軸方向にパイプ９４が配設されるフィルター９２を備える（図１２参照）。前記パイプ９４は前記ケースダクト３０内に挿入される。これにより、前記ケースダクト３０に進入した潤滑油の清浄度が高く保たれる。

図１３によると、上蓋用スロット１００は前記ケース１０に形成され、且つ上蓋１０２は前記上蓋用スロット１００内に装設される。また、前記上蓋用スロット１００の壁面には第３案内ダクト部１０４を有し、前記上蓋１０２内部には上蓋ダクト１０６を有する。前記上蓋ダクト１０６の一端は前記ケースダクト３０に位置を合わせ、前記上蓋ダクト１０６の他端は前記上蓋用スロット１００内部に向けられる。前記第３案内ダクト部１０４は前記従動ギアシャフト２４の前記第１ボア４４に対応する。即ち、潤滑油が前記ケースダクト３０から前記上蓋ダクト１０６に進入する。潤滑油は前記上蓋ダクト１０６から送出された後、前記第１ボア４４から前記軸方向部４２に進入する。

図１４に示されるように、潤滑油は前記ケースダクト３０を経て前記上蓋ダクト１０６に流れて送出された後に前記従動ギアシャフトダクト４０に向けて流れる。前記潤滑油は前記従動ギアシャフトダクト４０から流出した後に前記従動ギアベアリングシート５０に注入されると共に前記ベアリングシートダクト６０に流入する。潤滑油は前記ベアリングシートダクト６０を通過させて前記駆動ギアベアリングシート５２内に注入され、且つ前記第２案内ダクト部７４を経て前記気泡除去部８０に進入する。前記気泡除去部８０が複数の前記リブ（図示省略）を有することによって、潤滑油の流動によって生じた気泡が即時除去される。その後、前記潤滑油がポンプにより前記ケースダクト３０に送り込まれる。

以上の説明のように、前記電動モーター１８及び前記従動ギア１６が同じケース１０内に統合されると共に隣接し合うことによって、前記潤滑油流路システムの経路が短縮して潤滑性及び冷却効果が高まる。また、本実施形態では潤滑油が前記駆動ギア２２と前記従動ギア１６との噛合箇所に向けて案内されて噴射されるため、２つのギア間の摩擦が軽減するのみならず、２つの前記ギアの相対運動によって生じる熱量も低下する。

前記気泡除去部８０及び前記リブ８２は潤滑油の流動によって生じる気泡を即時除去させ、これにより前記潤滑油が循環中にも好ましい流動性を保つ。また、潤滑油は前記駆動ギアベアリングシート５２及び前記従動ギアベアリングシート５０に向けて流れるため、前記従動ギアベアリング５４及び前記駆動ギアベアリング５６が好ましい潤滑効果及び低減効果を獲得する。

上述の実施形態は本発明の技術思想及び特徴を説明するためのものにすぎず、当該技術分野を熟知する者に本発明の内容を理解させると共にこれをもって実施させることを目的とし、本発明の特許請求の範囲を限定するものではない。従って、本発明の精神を逸脱せずに行う各種の同様の効果をもつ改良又は変更は、後述の請求項に含まれるものとする。

１０ ケース
２０ ベース
１４ 接合台
１６ 従動ギア
１８ 電動モーター
２０ 駆動ギアシャフト
２２ 駆動ギア
２４ 従動ギアシャフト
３０ ケースダクト
４０ 従動ギアシャフトダクト
４２ 軸方向部
４４ 第１ボア
４６ 第２ボア
５０ 従動ギアベアリングシート
５２ 駆動ギアベアリングシート
５４ 従動ギアベアリング
５６ 駆動ギアベアリング
６０ ベアリングシートダクト
６２ スロット部
６４ 蓋
６６ 段状フランジ
６８ ジェットボア
７０ 従動ギアベアリングシート壁面ダクト
７２ 第１案内ダクト部
７４ 第２案内ダクト部
８０ 気泡除去部
８２ リブ
９０ フィルターキット
９２ フィルター
９４ パイプ
１００ 上蓋用スロット
１０２ 上蓋
１０４ 第３案内ダクト部
１０６ 上蓋ダクト

Claims (10)

1. ケース内部に形成されてダクトに潤滑油を流動させ、前記ケース内部には従動ギアベアリングシート及び駆動ギアベアリングシートを有し、従動ギアには従動ギアシャフトが結合され、且つ前記従動ギアシャフトには前記従動ギアベアリングシートに装設される従動ギアベアリングが結合され、駆動ギアには駆動ギアシャフトが結合され、且つ前記駆動ギアシャフトには前記駆動ギアベアリングシートに装設される駆動ギアベアリングが結合され、前記駆動ギアは前記従動ギアに噛合される電動二輪車の動力組立部材の給油システムであって、
   前記ケース内部に形成されるケースダクトと、
   軸方向部と、第１ボアと、第２ボアと、を含み、前記軸方向部は前記従動ギアシャフトの軸方向内部に形成され、前記第１ボアは前記従動ギアシャフトの径方向に形成されると共に前記軸方向部の一端に連通され、前記第２ボアは前記従動ギアシャフトの径方向に形成されると共に前記軸方向部の他端に連通される従動ギアシャフトダクトと、
   前記従動ギアベアリングシートと前記駆動ギアベアリングシートとの間に形成され、且つ前記従動ギアベアリングシート及び前記駆動ギアベアリングシートに連結されるベアリングシートダクトと、を備え、
   前記潤滑油は前記ケースダクトから前記従動ギアに向けて流れ、前記潤滑油は前記従動ギアシャフトダクトの前記第１ボアから前記軸方向部に進入し、前記第２ボアを経て前記従動ギアベアリングシートに流出し、
   前記潤滑油は前記従動ギアベアリングシートから前記ベアリングシートダクトを経て前記駆動ギアベアリングシートに流入することを特徴とする電動二輪車の動力組立部材の給油システム。
2. 一部分が前記従動ギアベアリングシートの底部に形成され、他の部分が前記従動ギアベアリングシートの側壁面に形成される従動ギアベアリングシート壁面ダクトを更に備え、前記従動ギアベアリングシート壁面ダクトの一端は前記ベアリングシートダクトの一端に連結されることを特徴とする請求項１に記載の電動二輪車の動力組立部材の給油システム。
3. 前記従動ギアベアリングシートの側壁面に形成される第１案内ダクト部を更に備え、前記第１案内ダクト部の一端は前記従動ギアベアリングシートの端部を露出させるための開口部とすることを特徴とする請求項１に記載の電動二輪車の動力組立部材の給油システム。
4. 前記ベアリングシートダクトはスロット部及び蓋を備え、前記スロット部は前記ケース内部に形成され、前記蓋は前記スロット部の開放方向に装設されることを特徴とする請求項１に記載の電動二輪車の動力組立部材の給油システム。
5. 前記スロット部は段状フランジを有し、前記蓋はジェットボアを有し、前記ジェットボアは前記段状フランジに対応し、前記ジェットボアは前記駆動ギアと前記従動ギアとの噛合位置に対応することを特徴とする請求項４に記載の電動二輪車の動力組立部材の給油システム。
6. 前記駆動ギアベアリングシートの側壁面に形成される第２案内ダクト部を更に備え、前記第２案内ダクト部の一端は前記駆動ギアベアリングシートの端部を露出させるための開口部とすることを特徴とする請求項１に記載の電動二輪車の動力組立部材の給油システム。
7. 前記ケース内部の前記駆動ギアベアリングシートに隣接する箇所に位置される気泡除去部を更に備え、前記気泡除去部は前記駆動ギアベアリングシートから突出することを特徴とする請求項１に記載の電動二輪車の動力組立部材の給油システム。
   
   
8. 前記気泡除去部に分布される複数のリブを更に備えることを特徴とする請求項７に記載の電動二輪車の動力組立部材の給油システム。
9. 前記ケースに装設されると共に前記ケースダクトに向けられるフィルターキットを更に備え、前記フィルターキットはフィルター及び前記フィルターの軸方向に配設されるパイプを含み、前記パイプは前記ケースダクト内に挿入されることを特徴とする請求項１に記載の電動二輪車の動力組立部材の給油システム。
10. 上蓋、及び前記ケースに形成される上蓋用スロットを更に備え、前記上蓋は前記上蓋用スロットに装設され、前記上蓋用スロットの壁面には第３案内ダクト部を有し、前記上蓋内部には上蓋ダクトを有し、前記上蓋ダクトの一端は前記ケースダクトに位置を合わせ、前記上蓋ダクトの他端は前記上蓋用スロット内部に向けられ、前記第３案内ダクト部は前記従動ギアシャフトダクトに対応することを特徴とする請求項１に記載の電動二輪車の動力組立部材の給油システム。