JP2019215026A - ディファレンシャル装置の潤滑構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】差動歯車機構の潤滑性能を向上させることができるディファレンシャル装置の潤滑構造を提供すること。【解決手段】変速機ケースのライトケース4の内壁面3Aには、オイルを貯留するオイル貯留部30が形成されている。オイル貯留部30は、ディファレンシャルケースの回転中心軸Coの上方に位置し、内壁面3Aに対してリングギヤから離れる方向に窪んで形成されている。オイル貯留部30の下面を形成する底壁部31におけるリングギヤ側の先端部は、ディファレンシャルケースの開口部の上方に位置し、オイル貯留部30に貯留されたオイルがディファレンシャルケースの開口部を介して差動歯車機構に供給される。【選択図】図4
Description
本発明は、ディファレンシャル装置の潤滑構造に関する。
いわゆるFF(Front engine Front drive)式の自動変速機や無段変速機においては、変速機ケースに一体で形成されたデフハウジング内にディファレンシャルケースが収容されており、このディファレンシャルケースには、差動歯車機構が収納されている。
従来のこの種のディファレンシャル装置として、特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1に記載のものは、デフリングギヤの一方側と対向するハウジングに、デフリングギヤの側面と近接する第1内壁部と、デフリングギヤの外周面と近接し、デフリングギヤでかき上げられたオイルを内壁面に沿って上昇可能とする第2内壁部とを形成し、第1内壁部であってデフリングギヤの回転中心より上部に軸方向に凹んだオイル溜まり部を形成し、オイル溜まり部の直上部に、デフリングギヤでかき上げられ第2内壁部に沿って流れるオイルの流れを変更してオイル溜まり部へ落下させるガイドリブを形成している。
また、特許文献1に記載のディファレンシャル装置において、軸受の外周部を保持しているハウジングの軸受支持部に、オイルを軸受の外側面へ供給するためのオイル導入溝が形成され、オイル溜まり部の下面にオイル導入溝に向かって下方へ傾斜する傾斜面が形成されている。
特許文献1に記載のディファレンシャル装置によれば、オイル溜まり部に十分な量のオイルが溜められ、ハウジング下部に溜められるオイル量を低減できるので、デフリングギヤによる攪拌抵抗を低減できる。また、オイル溜まり部に溜められたオイルは、傾斜面に沿って下方へ流れ、最下部に位置するオイル導入通路へと取り込まれる。これにより、オイル導入通路へ入ったオイルは、軸受の外側面へ供給されて軸受を潤滑でき、ディファレンシャルケース内部に流入して差動ギヤを潤滑することができる。
しかしながら、特許文献1に記載のものにあっては、オイル導入溝からのオイルが、ピニオンギヤとピニオンシャフトの間まで届かず、潤滑不良が生じるおそれがあった。
本発明は、上記のような事情に着目してなされたものであり、差動歯車機構の潤滑性能を向上させることができるディファレンシャル装置の潤滑構造を提供することを目的とするものである。
本発明は、オイルが貯留される変速機ケースに収容され、変速機構で変速された動力が伝達されるリングギヤを有するディファレンシャルケースと、前記ディファレンシャルケースに収容される差動歯車機構と、を備え、前記ディファレンシャルケースは、その回転中心軸が車幅方向を向いて車両に搭載され、前記リングギヤが掻き上げるオイルを差動歯車機構に供給するディファレンシャル装置の潤滑構造であって、前記ディファレンシャルケースは、前記ディファレンシャルケースの内部に連通する開口部を有し、前記差動歯車機構の上方の位置であって、前記リングギヤに対向する前記変速機ケースの内壁面に、オイルを貯留するオイル貯留部が形成され、前記オイル貯留部は、前記ディファレンシャルケースの回転中心軸の上方に位置し、前記内壁面に対して前記リングギヤから離れる方向に窪んで形成されており、前記オイル貯留部の下面を形成する底壁部における前記リングギヤ側の先端部が、前記ディファレンシャルケースの前記開口部の上方に位置し、前記オイル貯留部に貯留されたオイルが前記ディファレンシャルケースの前記開口部に流れ落ちて前記開口部を通過し前記差動歯車機構に供給されることを特徴とする。
このように上記の本発明によれば、差動歯車機構の潤滑性能を向上させることができる。
本発明の一実施の形態に係るディファレンシャル装置の潤滑構造は、オイルが貯留される変速機ケースに収容され、変速機構で変速された動力が伝達されるリングギヤを有するディファレンシャルケースと、ディファレンシャルケースに収容される差動歯車機構と、を備え、ディファレンシャルケースは、その回転中心軸が車幅方向を向いて車両に搭載され、リングギヤが掻き上げるオイルを差動歯車機構に供給するディファレンシャル装置の潤滑構造であって、ディファレンシャルケースは、ディファレンシャルケースの内部に連通する開口部を有し、差動歯車機構の上方の位置であって、リングギヤに対向する変速機ケースの内壁面に、オイルを貯留するオイル貯留部が形成され、オイル貯留部は、ディファレンシャルケースの回転中心軸の上方に位置し、内壁面に対してリングギヤから離れる方向に窪んで形成されており、オイル貯留部の下面を形成する底壁部におけるリングギヤ側の先端部が、ディファレンシャルケースの開口部の上方に位置し、オイル貯留部に貯留されたオイルがディファレンシャルケースの開口部に流れ落ちて開口部を通過し差動歯車機構に供給されることを特徴とする。これにより、本発明の一実施の形態に係るディファレンシャル装置の潤滑構造は、差動歯車機構の潤滑性能を向上させることができる。
以下、本発明の一実施例に係るディファレンシャル装置の潤滑構造について、図面を用いて説明する。図1から図5は、本発明の一実施例に係るディファレンシャル装置の潤滑構造を示す図である。図1から図5において、上下前後左右方向は、車両の前進する方向を前、後退する方向を後とし、車両の幅方向(車幅方向)が左右方向、車両の高さ方向が上下方向である。
まず、構成を説明する。図1において、車両1は、車体1Aを備えており、車体1Aの前部に設置されたエンジンルーム1aには変速機2が搭載されている。変速機2は、変速機ケース3を備えており、変速機ケース3は、複数のケース部材を左右方向に垂直な合わせ面にて結合して構成されており、右側のライトケース4(図2、図3、図4参照)および、左側のレフトケース5から構成されている。ライトケース4は、その右側端縁に形成された左右方向に垂直な合わせ面にて内燃機関としてのエンジン6に接続されている。
つまり、ライトケース4は、レフトケース5とエンジン6の間に配置され、ライトケース4にはクラッチ機構20が収容されている。ライトケース4によって閉じられるレフトケース5の内部空間には変速機構2Aが収容されている。クラッチ機構20は、図示しないフライホイールを介してエンジン6の図示しないクランク軸と変速機構2Aの入力軸2a(図3参照)とを接続または切断することにより、クランク軸から入力軸2aに動力を伝達または遮断する。
変速機構2Aは、図3に仮想線で示すように、入力軸2aと、入力軸2aと平行に設けられたカウンタ軸2b、2cと、入力軸2aおよびカウンタ軸2b、2cに設けられた図示しない変速ギヤ対と、変速ギヤ対を所定の変速段に切換える図示しないシフト機構と、カウンタ軸2b、2cに設けられた図示しないファイナルドライブギヤ等を備えている。
図3において、ライトケース4には図示しない軸受を介して入力軸2aの一端部を回転自在に支持する軸受支持部4aが形成されている。ライトケース4には図示しない軸受を介してカウンタ軸2b、2cの一端部を回転自在に支持する軸受支持部4b、4cが形成されている。
本実施例の入力軸2a、カウンタ軸2b、2c、変速ギヤ対およびファイナルドライブギヤは、本発明の変速機構2Aを構成する。また、変速機構2Aには、図示しないシフトフォークおよびシフトスリーブが含まれる。
変速機構2Aは、エンジン6から入力軸2aに伝達された動力を変速ギヤ対によって変速し、カウンタ軸2bまたはカウンタ軸2cに伝達する。シフトフォークおよびシフトスリーブは、変速ギヤ対を所望の変速段(変速比)に切り替えるために、ドライバまたはアクチュエータによって操作される。
図5に示すように、ライトケース4およびレフトケース5によって囲まれた変速機ケース3の内部空間に、ディファレンシャル装置8が収容されている。詳細には、ライトケース4とレフトケース5の合わせ面の位置に、ディファレンシャル装置8がライトケース4とレフトケース5に架設保持されるように配置されている。ディファレンシャル装置8にはカウンタ軸2bおよびカウンタ軸2cに設けられたファイナルドライブギヤから動力が伝達される。変速機ケース3におけるライトケース4とレフトケース5によって囲まれた変速機ケース3の内部空間には、ディファレンシャル装置8等を潤滑するためのオイルが貯留されている。
図5に示すように、ディファレンシャル装置8は、ディファレンシャルケース10を備えている。ディファレンシャルケース10は、ライトケース4の軸受支持部4dおよびレフトケース5の軸受支持部5aにそれぞれ軸受9A、9Bを介して回転自在に支持されている。
ディファレンシャルケース10の外周部にはディファレンシャルケース10と一体で回転するようにリングギヤ11が取付けられている。リングギヤ11は、カウンタ軸2bおよびカウンタ軸2cの図示しないファイナルドライブギヤに噛み合っており、これらのギヤから動力が伝達される。このように、リングギヤ11には、変速機構2Aにより変速された動力が伝達される。リングギヤ11は、後述するピニオンシャフト13に対して左側(レフトケース5側)にオフセットした位置に配置され、ディファレンシャルケース10の左側外周部に取付けられている。また、リングギヤ11は、ライトケース4とレフトケース5の合わせ面の位置に配置されている。
ディファレンシャルケース10は、ディファレンシャルケース10と一体で回転するピニオンシャフト13と、ピニオンシャフト13の両端部に回転自在に支持された一方のピニオンギヤ14Aおよび図示しない他方のピニオンギヤ14Bと、一方のピニオンギヤ14Aおよび他方のピニオンギヤ14Bの両方に噛み合う一対のサイドギヤ15L、15Rとを有する。
ピニオンシャフト13、一方のピニオンギヤ14A、他方のピニオンギヤ14Bおよびサイドギヤ15L、15Rは、差動歯車機構12を構成している。したがって、差動歯車機構12はディファレンシャルケース10に収容される。
ディファレンシャルケース10の回転中心軸Coに沿った車幅方向の両端側にはドライブシャフト16L、16R(図1参照)の一端部が挿入されている。ドライブシャフト16L、16Rの一端部は、それぞれサイドギヤ15L、15Rにスプライン嵌合しており、サイドギヤ15L、15Rと一体的に回転する。ドライブシャフト16L、16Rは、それぞれ左右の駆動輪17L、17Rに接続されて、サイドギヤ15L、15Rの回転を左右の駆動輪17L、17Rに伝えている。
本実施例の変速機2は、いわゆるFF(Front engine Front drive)式の変速機であり、変速機ケース3内にディファレンシャルケース10が収容されている。このため、変速機2は、その内部のディファレンシャルケース10の回転軸Coが車幅方向を向くように車両1に搭載されている。
ピニオンシャフト13は、その軸線方向がディファレンシャルケース10の回転軸Coに対して直交する方向となるようにディファレンシャルケース10に取付けられている。詳細には、ピニオンシャフト13は、その両端部がディファレンシャルケース10に形成された孔に挿入されて、スプリングピンにてディファレンシャルケース10に取付けられている。
一方のピニオンギヤ14Aおよび他方のピニオンギヤ14Bは、それぞれがディファレンシャルケース10の回転時に、ディファレンシャルケース10の回転軸を中心として公転するとともに、ピニオンシャフト13の軸線を中心として自転可能となるように形成されている。
サイドギヤ15L、15Rは、それぞれがディファレンシャルケース10の回転軸Coと同軸にしてディファレンシャルケース10の内部に対向した位置に配置されている。
このように構成されるディファレンシャル装置8は、カウンタ軸2bまたはカウンタ軸2cのファイナルドライブギヤからリングギヤ11に動力が伝達されると、ディファレンシャルケース10は、車両前進時において矢印R方向(図3参照)に回転する。このとき、ライトケース4とレフトケース5の間に貯留されているオイルは、ディファレンシャルケース10の回転(リングギヤ11の回転)に引き摺られて、同方向に流れる。
車両1が平坦路を直進し、左右の駆動輪17L、17Rの回転速度が等しい場合、サイドギヤ15L、15Rは同じ回転速度で回転し、サイドギヤ15L、15Rの間に挟まれた一方のピニオンギヤ14Aおよび他方のピニオンギヤ14Bは、自転しない。よって、ドライブシャフト16L、16Rは、ディファレンシャルケース10と等速で回転するため、左右の駆動輪17L、17Rには左右に等しく駆動力が伝達される。
一方、例えば、車両1がカーブを右旋回する場合にはカーブ外側の駆動輪17Lの転がる距離がカーブ内側の駆動輪17Rよりも長いため、カーブ外側のサイドギヤ15Lは、カーブ内側のサイドギヤ15Rよりも速く回転する。
したがって、サイドギヤ15L、15Rに挟まれた一方のピニオンギヤ14Aおよび他方のピニオンギヤ14Bは、公転だけでなく自転もするようになり、サイドギヤ15L、15Rの間に回転数の差が発生する。
よって、カーブ外側のドライブシャフト16Lは、ディファレンシャルケース10の回転数にサイドギヤ15L、15Rの差回転の1/2を加えた回転数で回転し、カーブ内側のドライブシャフト16Rは、ディファレンシャルケース10の回転数からサイドギヤ15L、15Rの差回転の1/2を差し引いた回転数で回転する。
図2、図5に示すように、ディファレンシャルケース10には開口部10Aが形成されており、この開口部10Aを通してディファレンシャルケース10の内部と外部とが連通している。開口部10Aは、ディファレンシャルケース10の回転軸方向の位置において、リングギヤ11の右側でピニオンシャフト13の位置に、サイドギヤ15L、15Rが通過可能な大きさに形成されている。これにより、差動歯車機構12を構成するピニオンギヤ14A等の部品は、開口部10Aを通してディファレンシャルケース10の内部に組み込まれる。また、変速機ケース3に貯留されているオイルは、開口部10Aを通してディファレンシャルケース10の内部の差動歯車機構12に供給される。
図3、図4、図5において、差動歯車機構12の上方の位置であって、リングギヤ11に対向する変速機ケース3の内壁面3Aに、オイルを貯留するオイル貯留部30が形成される。オイル貯留部30は、ディファレンシャルケース10の回転軸Coの上方に位置し、内壁面3Aに対してリングギヤ11から離れる方向に窪んで形成されている。詳細には、オイル貯留部30は、ライトケース4の内壁面3Aにおける右側のサイドギヤ15Rの上方位置に形成され、リングギヤ11に対向するようにリングギヤ11側が開口している。図5に示すように、ディファレンシャルケース10の回転軸方向の位置に関し、オイル貯留部30の奥側の壁は、開口部10Aよりも軸受9Aに近い位置に配置されている。より詳細には、ディファレンシャルケース10の回転軸方向の位置に関し、オイル貯留部30の奥側の壁は、軸受9Aと同じ位置に配置されている。
オイル貯留部30の下面を形成する底壁部31におけるリングギヤ11側の先端部31Aは、ディファレンシャルケース10の開口部10Aの上方に位置している。そして、オイル貯留部30に貯留されたオイルは、先端部31Aからリングギヤ11側に流れ落ち、ディファレンシャルケース10の開口部10Aを通過して差動歯車機構12に供給される。詳細には、右側のサイドギヤ15Rのギヤ歯面は開口部10Aに位置しており、底壁部31のリングギヤ11側の先端部31Aは、右側のサイドギヤ15Rのギヤ歯面の上方にまで延びている。そして、先端部31Aのリングギヤ11側を流れ落ちるオイル貯留部30のオイルは、サイドギヤ15R、ピニオンギヤ14A、14B、ピニオンシャフト13、サイドギヤ15Lに降り掛かり、ギヤの歯面、サイドギヤ15R、15Lとディファレンシャルケース10の摺動箇所、及び、ピニオンギヤ14A、14Bとピニオンシャフト13の摺動に供給されて、当該部位の潤滑を行う。
ディファレンシャルケース10の回転軸Co方向から見た図3に示すように、オイル貯留部30は、車両の前後方向でディファレンシャルケース10の回転軸Coの上方の位置から後方に広がるように形成されている。そして、底壁部31は、ディファレンシャルケース10の回転軸Coの上方の位置が低くなる様に、前下がりに傾斜している。ここで、「前下がりに傾斜」とは、前方に行くほど低い位置となるように傾斜していることをいう。
図3に示すように、オイル貯留部30の上方かつ後方の位置には、変速機ケース3の内壁面3Aから左側(リングギヤ11側)に突出する突出部33が形成されている。また、突出部33は、変速機ケース3の上壁3Bの下面からも下方に突出して形成されている。つまり、図5に示すように、突出部33は、変速機ケース3の内壁面3Aと変速機ケース3の上壁3Bとの接合部の角部に、変速機ケース3の内部空間に膨出するように形成されている。突出部33は、ディファレンシャルケース10の回転軸Coの軸方向位置で、変速機ケース3の内壁面3Aからリングギヤ11の右側端付近まで突出している。図3、図4に示すように、突出部33は、車両前進時においてリングギヤ11の回転によって引き起こされる矢印R方向(図3参照)のオイルの流れにおいて、オイル貯留部30よりも上流側で上方に位置する。また、ディファレンシャルケース10の回転軸Co方向から見たリングギヤ11の径方向において、突出部33は2点鎖線にて示すリングギヤ11の外径の外方に位置し、オイル貯留部30はリングギヤ11と重なる位置(リングギヤ11の外径の内方)に配置されている。これにより、上壁3Bに沿って流れるオイルは、突出部33に突き当たることにより、その流れ方向が下方に変向される。オイルの流れの詳細については後述する。
図3において、変速機2は、駆動源から動力が入力される入力軸2aと、入力軸2aと平行に配置されるカウンタ軸2b、2cと、を含む複数の回転軸を有している。図3、図4に示すように、突出部33に対してリングギヤ11の径方向で対向する位置に、内壁面3Aからリングギヤ11側に突出する段差部35が形成されている。この為、突出部33と段差部35とで上下に挟まれた内壁面3Aの部分が、リングギヤ11の回転によって引き起こされる矢印R方向のオイルの流れに対向するように上流側に開口した溝状となり、これらの複数の回転軸の軸受にオイルを導入するオイル導入溝34を形成している。なお、オイル導入溝34の底部の面(奥壁の面)は、変速機ケース3の内壁面3Aと同一平面である。オイル導入溝34の底部の面(奥壁の面)が軸受の近傍で右側に屈曲することで、オイル導入溝34は軸受の右側の空間に連通し、オイル導入溝34は、流れ込んだオイルを軸受けや回転軸に供給する。
図3、図4において、変速機ケース3は、ディファレンシャルケース10の軸受を支持する軸受支持部37と、軸受支持部37に形成されディファレンシャルケース10の軸受にオイルを供給するオイル供給溝38と、を有している。また、オイル貯留部30の下方には、内壁面3Aがリングギヤ11から離れる方向に窪んで形成された下方空間32が設けられている。詳細には、図5に示すように、ライトケース4は、リングギヤ11から右側のディファレンシャル装置を収容するデフ収容部を有し、デフ収容部の奥側に軸受支持部37が配置されている。オイル供給溝38は、軸受支持部37の上部に形成され、ディファレンシャルケース10の上方に位置する下方空間32と軸受の右側の空間を連通しており、内壁面を流れ落ちるオイルが軸受の右側の空間に流れ込むことを可能としている。
オイル貯留部30の底壁部31の後端縁には、オイル貯留部30と下方空間32とを連通するスリット39が形成されており、スリット39を通ってオイル貯留部30から下方空間32に流下したオイルは、オイル供給溝38に流れ込み、軸受支持部37を通過して軸受9Aに供給される。詳細には、底壁部31の後端縁は内壁面3A(後述する後壁部30C)に接続されておらず、後端縁と内壁面3Aの間は分断されてスリット39となっている。スリット39は、オイル貯留部30の奥側の壁から底壁部31のリングギヤ11側の先端部31Aにまで達している。
ディファレンシャルケース10の回転軸Coの軸方向位置で、オイル貯留部30の前方の壁面を形成する前壁部30Bは、オイル貯留部30の後方の壁面を形成する後壁部30Cよりも、リングギヤ11側により近い位置まで延びている。詳細には、前壁部30Bのリングギヤ11側の端部は段差部35の後端部となっており、前壁部30Bは後壁部30Cよりもリングギヤ11側に近い位置となっている。また、後壁部30Cのリングギヤ11側の端部は、それに接続する内壁面3Aがその上流側(車両前進時のオイルの流れで上流側)の内壁面3Aよりもリングギヤ11から遠ざかる位置となっていることから、後壁部30Cは前壁部30Bよりもリングギヤ11から遠い位置となっている。なお、オイル貯留部30の上部の壁面を形成する上壁部30Dは、リングギヤ11側に対して、後壁部30Cと等しい位置まで延びている。つまり、オイル貯留部30に連続する後方と上方の内壁面3Aは、オイル導入溝34の底部の面(奥壁の面)をなす内壁面3Aと同一平面となっており、スムーズにオイル導入溝34にオイルを流すことができる。
図3に点線で示すように、変速機ケース3内における入力軸2aの前方位置(ディファレンシャルケース10とは前後方向で反対側の位置)には、オイルを捕集して一時的に貯留するキャッチタンク50が設けられており、キャッチタンク50の上部には、オイルを受け入れる開口部50Aが形成されている。また、変速機ケース3の上壁3Bの下面は、図3に示すように、キャッチタンク50の上部の開口部50Aに向けて屈曲し、上壁3Bの下面に沿うオイルの流れを開口部50Aに指向させている。
次に、作用を説明する。図3、図5において、オイルの流れを矢印で示す。車両1の前進走行時は、ディファレンシャルケース10およびリングギヤ11が、矢印Rで示す車両前進時の回転方向に回転する。ディファレンシャルケース10およびリングギヤ11が回転すると、変速機ケース3の底部に貯留されるオイルがリングギヤ11によって上方に掻き上げられる。リングギヤ11により掻き揚げられたオイルは、以下に説明するように、主に軸受9A、ディファレンシャルケース10、カウンタ軸2b、2cの軸受支持部4b、4c、キャッチタンク50および図示しないオイルガターに向けて流れ、潤滑に使用される。
(右デフサイド軸受へのオイルの流れ)
リングギヤ11により掻き揚げられたオイルの一部は、軸受9Aに向けて流れる。詳しくは、オイル貯留部30の内部空間によって軸受9A上方近くに容易に達したオイルは、底壁部31の後端からスリット39を通過してライトケース4の内壁面3Aに沿って流れ落ち、オイル供給溝38に流れ込む。これは、底壁部31の後端がライトケース4に接続されずに解放されていることによる。
リングギヤ11により掻き揚げられたオイルの一部は、軸受9Aに向けて流れる。詳しくは、オイル貯留部30の内部空間によって軸受9A上方近くに容易に達したオイルは、底壁部31の後端からスリット39を通過してライトケース4の内壁面3Aに沿って流れ落ち、オイル供給溝38に流れ込む。これは、底壁部31の後端がライトケース4に接続されずに解放されていることによる。
ここで、底壁部31に孔を加工し、この孔を通してオイルを流下させてもよいが、この場合、孔を設ける位置がライトケース4の奥側(車両右側)になることから孔の加工が難しい。本実施例では、ライトケース4を鋳型で製造する際にスリット39を形成できるため、オイルの流下通路であるスリット39を容易に形成することができる。
オイル供給溝38に流れ込んだオイルは、軸受9Aの外輪の外側を通過して、軸受9Aの右側の空間に流れ込み、一部がこの軸受9Aを通過して潤滑し、残りがディファレンシャルケース10とドライブシャフト16Rの間に流れ込み、更に、ディファレンシャルケース10とドライブシャフト16Rの間を通過してディファレンシャルケース10とサイドギヤ15Rの間に流れ込む。これらの部位に流れ込んだオイルはこれらの部位を潤滑する。
(ディファレンシャルケース内へのオイルの流れ)
リングギヤ11により掻き揚げられたオイルの一部は、ディファレンシャルケース10に向けて流れる。詳しくは、リングギヤ11の側方を連れまわるオイルは、一旦幅方向に広がるように飛散した後、飛散方向に存在する突出部33に衝突する。また、変速機ケース3の上面(内面)に沿って流れるオイルは、突出部33に衝突してその勢いを失い、下方に流れを変え、オイル貯留部30に流れ込む。
リングギヤ11により掻き揚げられたオイルの一部は、ディファレンシャルケース10に向けて流れる。詳しくは、リングギヤ11の側方を連れまわるオイルは、一旦幅方向に広がるように飛散した後、飛散方向に存在する突出部33に衝突する。また、変速機ケース3の上面(内面)に沿って流れるオイルは、突出部33に衝突してその勢いを失い、下方に流れを変え、オイル貯留部30に流れ込む。
なお、リングギヤ11に連れまわるオイルが、オイル貯留部30に直接流れ込むこともある。詳しくは、リングギヤ11に連れまわるオイルが、内壁面3Aからリングギヤ11側に突出する段差部35に衝突して、オイル貯留部30に流れ込む。これは、突出部33やオイル貯留部30の前壁部30Bが、凹凸の基準となる内壁面3Aよりもリングギヤ11側に突出していることによる。
そして、オイル貯留部30に流れ込んだオイルは、オイル貯留部30の底壁部31のリングギヤ11側の先端部31Aの端縁から流下して、その下方に配置されたディファレンシャルケース10の開口部10Aに達し、ディファレンシャルケース10の開口部10Aからディファレンシャルケース10の内部に入り込む。
これは、底壁部31がディファレンシャルケース10の開口部10Aの上方まで延びていること、および底壁部31が前方に傾斜して前壁部30Bとの角部にオイルを集め、左側の端縁に案内することに起因する。また、前壁部30Bは、軸方向から見て、車両の前後方向でディファレンシャルケース10の中心とほぼ同じ位置に設定されていることに起因する。
ディファレンシャルケース10の開口部10Aを通過してディファレンシャルケース10内に入り込んだオイルは、サイドギヤ15L、15Rとピニオンギヤ14Aの噛み合い箇所、および、ピニオンギヤ14Aとピニオンシャフト13の間を潤滑する。
(カウンタ軸の端部の軸受およびカウンタ軸内の油路へのオイルの流れ)
リングギヤ11により掻き揚げられたオイルの一部は、カウンタ軸2b、2cの端部の軸受およびカウンタ軸2b、2c内の油路に向けて流れる。詳しくは、リングギヤ11の側方を連れまわるオイルは一旦幅方向に広がる。
リングギヤ11により掻き揚げられたオイルの一部は、カウンタ軸2b、2cの端部の軸受およびカウンタ軸2b、2c内の油路に向けて流れる。詳しくは、リングギヤ11の側方を連れまわるオイルは一旦幅方向に広がる。
そして、突出部33またはオイル貯留部30の壁(段差部35)で捕捉されなかったオイルは、そのまま内壁面3Aに沿って流れ、突出部33および段差部35によって形成されたオイル導入溝34に流れ込む。このオイル導入溝34は、突出部33に沿って連続的に形成された溝部として構成されている。
オイル導入溝34に流れ込んだオイルの一部は、オイル導入溝34内を突出部33に案内されてカウンタ軸2b、2cの軸受に流れ込む。また、オイル導入溝34に流れ込んだオイルの一部は、カウンタ軸2b、2cの軸受の外輪の外側を通過して軸受の右側の空間に流れ込み、カウンタ軸2b、2cの内部の油路に流れ込む。
(キャッチタンクへのオイルの流れ)
リングギヤ11により掻き揚げられたオイルの一部は、キャッチタンク50に向けて流れる。詳しくは、リングギヤ11の回転により、リングギヤ11の外周側において変速機ケース3の内面に沿って流れるオイルは、内壁面3Aから左方向に突出する案内リブ40によって上下方向に分けられる。
リングギヤ11により掻き揚げられたオイルの一部は、キャッチタンク50に向けて流れる。詳しくは、リングギヤ11の回転により、リングギヤ11の外周側において変速機ケース3の内面に沿って流れるオイルは、内壁面3Aから左方向に突出する案内リブ40によって上下方向に分けられる。
案内リブ40は、リングギヤ11前方に配置され、内壁面3A(詳細には、突出部33)から左方向に突出している。案内リブ40の上側へと流れるオイルの内、右側を流れるオイルは、案内リブ40と変速機ケース3の上壁3Bの下面との間を流れ、カウンタ軸2b、2c等の軸類や変速機構の上方を通過し、反対側(前方側)のキャッチタンク50内に流れ込む。
これは、変速機ケース3の上壁3Bの下面が、キャッチタンク50の上部の開口部50Aに向けて屈曲していることによる。キャッチタンク50がオイルを一時的に貯留することにより、オイルの撹拌抵抗が低減され、燃費が向上する。
なお、案内リブ40の下側に流れ込むオイルは、カウンタ軸2b、2c等の軸類や変速機構(シフトフォークとシフトスリーブとの摺動箇所等)に降り掛かり、これらの部位の潤滑および冷却を行う。
(オイルガターへのオイルの流れ)
変速機ケース3の内部にはオイルガターが設けられている。オイルガターは、上方から流れ込むオイルを捕集して一時的に貯留し、そのオイルを潤滑が必要な部位に流す樋状のものであり、リングギヤ11前方からカウンタ軸2bの左側端部にまで達するように配置されている。
変速機ケース3の内部にはオイルガターが設けられている。オイルガターは、上方から流れ込むオイルを捕集して一時的に貯留し、そのオイルを潤滑が必要な部位に流す樋状のものであり、リングギヤ11前方からカウンタ軸2bの左側端部にまで達するように配置されている。
リングギヤ11により掻き揚げられたオイルの一部は、オイルガターに向けて流れる。詳しくは、案内リブ40の上側へと向かうオイルの内、左側を流れるオイルは、オイルガターに捕集され、オイルガター内を流れ、入力軸2aやカウンタ軸2b、2cの左端の軸受部に案内され、これらの軸の軸受および軸の内部の油路に流れ込む。
以上説明したように、本実施例のディファレンシャル装置8において、ディファレンシャルケース10は、ディファレンシャルケース10の内部に連通する開口部10Aを有している。差動歯車機構12の上方の位置であって、リングギヤ11の側方でリングギヤ11に対向する変速機ケース3の内壁面3Aには、オイルを貯留するオイル貯留部30が形成されている。
また、オイル貯留部30は、ディファレンシャルケース10の回転中心軸Coの上方に位置し、内壁面3Aに対してリングギヤ11から離れる方向に窪んで形成されている。オイル貯留部30の下面を形成する底壁部31におけるリングギヤ11側の先端部31Aは、ディファレンシャルケース10の開口部10Aの上方に位置し、オイル貯留部30に貯留されたオイルがディファレンシャルケース10の開口部10Aを通過して差動歯車機構12に供給される。
これにより、リングギヤ11の回転により掻き上げられたオイルをオイル貯留部30に貯留し、このオイルをディファレンシャルケース10の上方から開口部10Aに流下させることができ、開口部10Aを通過させて容易にオイルを差動歯車機構12に供給できる。このため、差動歯車機構12の耐久性および信頼性を向上させることができる。
この結果、差動歯車機構12の潤滑性能を向上させることができる。潤滑性能を向上させることができるので、差動歯車機構12の焼き付きや摩耗を抑制でき、ギヤ音の発生を抑制できる。
本実施例のディファレンシャル装置8において、底壁部31は、ディファレンシャルケース10の回転中心軸Coの上方の位置に向かって、前下がりに傾斜している。
これにより、オイル貯留部30のオイルを差動歯車機構12の回転中心軸Coの上方の位置に導くことができ、差動歯車機構12の回転中心軸Coの上方の位置からディファレンシャルケース10の開口部10Aを狙って流下させることができ、差動歯車機構12に確実にオイルを供給して潤滑性能を向上させることができる。
なお、本実施例では、底壁部31におけるオイル貯留部30の入口側(リングギヤ11側)の先端部31Aに切欠き31Bが形成されている。この切欠き31Bは、先端部31Aの前端部を含む所定範囲に形成されている。つまり、切欠き31Bは、先端部31Aの内、最も低い場所に形成されている。
これにより、切欠き31Bからオイルが優先的に流下するので、オイルの流下位置を特定して狭めることができ、さらに確実にディファレンシャルケース10の開口部10Aにオイルを流下させることができる。
本実施例のディファレンシャル装置8において、オイル貯留部30の上方かつ後方の位置に、変速機ケース3の内壁面3Aからリングギヤ11側に突出する突出部33が形成され、突出部33によりオイルの流れがオイル貯留部30側に変向される。
これにより、突出部33によりケースの内面に沿って流れるオイルの流れ方向を変え、オイルをオイル貯留部30の方向に流すことができ、差動歯車機構12に供給するオイルの量を増加させることができ、潤滑性能を向上させることができる。
本実施例のディファレンシャル装置8において、変速機ケース3内には、駆動源から動力が入力される入力軸2aと、入力軸2aと平行に配置されるカウンタ軸2b、2cと、含む複数の回転軸が設けられている。突出部33の下方位置に、内壁面3Aからリングギヤ11側に突出する段差部35が形成され、突出部33と段差部35とに挟まれた内壁面3Aが、回転軸の軸受にオイルを導入するオイル導入溝34を形成している。
これにより、突出部33と段差部35とに挟まれた内壁面3Aによりオイル導入溝34を形成し、このオイル導入溝34によりオイルを回転軸の軸受に導くことができる。また、突出部33は、オイルの流れ方向を変えることができるだけでなく、段差部35との間にオイル導入溝34を形成することができるので、簡易な構成により溝部を形成でき、効率よく回転軸の潤滑性能を向上させることができる。
本実施例のディファレンシャル装置8において、変速機ケース3は、ディファレンシャルケース10の軸受を支持する軸受支持部37と、軸受支持部37に形成されディファレンシャルケース10の軸受にオイルを導入するオイル供給溝38と、を有している。オイル貯留部30の下方に、内壁面3Aに対してリングギヤ11から離れる方向に窪んで形成された下方空間32が設けられている。また、底壁部31の後端縁に、オイル貯留部30と下方空間32とに連通するスリット39が形成され、スリット39を通ってオイル貯留部30から下方空間32に流下したオイルが、オイル供給溝38を介して軸受支持部37に供給される。
これにより、オイル貯留部30に捕集されたオイルを、ディファレンシャルケース10内の差動歯車機構12の潤滑だけでなく、ディファレンシャルケース10の軸受およびサイドギヤ15Rの潤滑にも用いることができ、オイル貯留部30に捕集されたオイルを用いることにより潤滑性能を向上させることができる。
本実施例のディファレンシャル装置8において、オイル貯留部30の前方の壁面を形成する前壁部30Bは、オイル貯留部30の後方の壁面を形成する後壁部30Cよりも、リングギヤ11側により近い位置まで延びている。
これにより、リングギヤ11に連れ回って流れるオイルを前壁部30Bによってオイル貯留部30の内部に捕集することができ、より多くのオイルをオイル貯留部30に貯留することができる。
本発明の本実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
1...車両、2...変速機、2A...変速機構、2a...入力軸、2b...カウンタ軸、2c...カウンタ軸、3...変速機ケース、3A...内壁面、4...ライトケース(変速機ケース)、8...ディファレンシャル装置、9A...軸受、10...ディファレンシャルケース、10A...開口部、11...リングギヤ、12...差動歯車機構、30...オイル貯留部、30B...前壁部、30C...後壁部、31...底壁部、31A...先端部、32...下方空間、33...突出部、34...オイル導入溝、35...段差部、37...軸受支持部、38...オイル供給溝、39...スリット、Co...回転軸
Claims (6)
- オイルが貯留される変速機ケースに収容され、変速機構で変速された動力が伝達されるリングギヤを有するディファレンシャルケースと、
前記ディファレンシャルケースに収容される差動歯車機構と、を備え、
前記ディファレンシャルケースは、その回転中心軸が車幅方向を向いて車両に搭載され、前記リングギヤが掻き上げるオイルを差動歯車機構に供給するディファレンシャル装置の潤滑構造であって、
前記ディファレンシャルケースは、前記ディファレンシャルケースの内部に連通する開口部を有し、
前記差動歯車機構の上方の位置であって、前記リングギヤに対向する前記変速機ケースの内壁面に、オイルを貯留するオイル貯留部が形成され、
前記オイル貯留部は、前記ディファレンシャルケースの回転中心軸の上方に位置し、前記内壁面に対して前記リングギヤから離れる方向に窪んで形成されており、
前記オイル貯留部の下面を形成する底壁部における前記リングギヤ側の先端部が、前記ディファレンシャルケースの前記開口部の上方に位置し、
前記オイル貯留部に貯留されたオイルが前記ディファレンシャルケースの前記開口部に流れ落ちて前記開口部を通過し前記差動歯車機構に供給されることを特徴とするディファレンシャル装置の潤滑構造。 - 前記底壁部は、前記ディファレンシャルケースの回転中心軸の上方の位置に向かって、前下がりに傾斜していることを特徴とする請求項1に記載のディファレンシャル装置の潤滑構造。
- 前記オイル貯留部の上方かつ後方の位置に、前記変速機ケースの前記内壁面から前記リングギヤ側に突出する突出部が形成され、
前記突出部によりオイルの流れが前記オイル貯留部側に変向されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のディファレンシャル装置の潤滑構造。 - 前記変速機ケース内に、駆動源から動力が入力される入力軸と、前記入力軸と平行に配置されるカウンタ軸と、含む複数の回転軸が設けられ、
前記突出部の下方位置に、前記内壁面から前記リングギヤ側に突出する段差部が形成され、
前記突出部と前記段差部とに挟まれた前記内壁面が、前記回転軸の軸受にオイルを導入するオイル導入溝を形成していることを特徴とする請求項3に記載のディファレンシャル装置の潤滑構造。 - 前記変速機ケースは、前記ディファレンシャルケースの軸受を支持する軸受支持部と、前記軸受支持部に形成され前記ディファレンシャルケースの軸受にオイルを供給するオイル供給溝と、を有し、
前記オイル貯留部の下方に、前記内壁面に対して前記リングギヤから離れる方向に窪んで形成された下方空間が設けられ、
前記底壁部の後端縁に、前記オイル貯留部と前記下方空間とに連通するスリットが形成され、
前記スリットを通って前記オイル貯留部から前記下方空間に流下したオイルが、前記オイル供給溝を介して前記軸受支持部に供給されることを特徴とする請求項4に記載のディファレンシャル装置の潤滑構造。 - 前記オイル貯留部の前方の壁面を形成する前壁部は、前記オイル貯留部の後方の壁面を形成する後壁部よりも、前記リングギヤ側により近い位置まで延びていることを特徴とする請求項5に記載のディファレンシャル装置の潤滑構造。
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JP2018111733A Pending JP2019215026A (ja) | 2018-06-12 | 2018-06-12 | ディファレンシャル装置の潤滑構造 |
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CN112483636A (zh) * | 2020-10-27 | 2021-03-12 | 中国船舶重工集团公司第七0三研究所 | 一种燃气轮机用大滑油流量中央传动壳体 |
CN112483635A (zh) * | 2020-10-27 | 2021-03-12 | 中国船舶重工集团公司第七0三研究所 | 一种燃气轮机用大滑油流量中央传动机构 |
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-
2018
- 2018-06-12 JP JP2018111733A patent/JP2019215026A/ja active Pending
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