JP2019215025A - ディファレンシャル装置の潤滑構造 - Google Patents

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友幸 東山
Tomoyuki Higashiyama
友幸 東山
俊博 森
Toshihiro Mori
俊博 森
秀明 権田
Hideaki Gonda
秀明 権田
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Abstract

【課題】新規の部品を追加することなく潤滑性能を容易に向上でき、変速機ケースが大型化することを防止できるディファレンシャル装置の潤滑構造を提供すること。【解決手段】ディファレンシャル装置8において、リングギヤ11に対向するライトケース4の壁面4Bに第1のオイル貯留部21および第2のオイル貯留部22が形成されている。第1のオイル貯留部21は、デフケースの回転中心軸の下方に位置し、ライトケース4の壁面4Bに対してリングギヤ11から離れる方向に窪んで形成されており、第2のオイル貯留部22は、第1のオイル貯留部21と同じ高さ位置で第1のオイル貯留部21に隣接し、ライトケース4の壁面4Bに対してリングギヤ11から離れる方向に窪んで形成されている。【選択図】図4

Description

本発明は、ディファレンシャル装置の潤滑構造に関する。
自動車等の車両に搭載されるディファレンシャル装置は、変速機の出力ギヤと噛合うリングギヤを有するディファレンシャルケースを備えており、ディファレンシャルケースに差動歯車機構が収容されている。ディファレンシャル装置は、リングギヤに伝達した駆動力を差動歯車機構を用いて左右の駆動輪に差動回転可能に伝達する。
これにより、出力ギヤとリングギヤの噛み合い部や差動歯車機構の噛み合い部を潤滑する必要がある。
従来のこの種のディファレンシャル装置の潤滑構造としては、特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1に記載されるディファレンシャル装置は、オイルクーラから送られた潤滑油をデフケースの下方から上方に導く送油管を有する。
送油管の下流端には油路用噴射口が形成されており、油路用噴射口から噴射された潤滑油がトランスミッションケースに形成された油路を通してデフケースの内部の差動歯車機構に供給される。
特開2014−25544号公報
このような従来のディファレンシャル装置にあっては、差動歯車機構に潤滑油を供給するための専用の送油管が必要となり、ディファレンシャル装置を潤滑するための部品点数が増加する。
これに加えて、デフケースの周辺に送油管を設置する必要があり、変速機ケースが大型化するおそれがある。
本発明は、上記のような事情に着目してなされたものであり、新規の部品を追加することなく潤滑性能を容易に向上でき、変速機ケースが大型化することを防止できるディファレンシャル装置の潤滑構造を提供することを目的とするものである。
本発明は、オイルが貯留される変速機ケースに収容され、変速機構の出力部に噛み合うリングギヤを有するディファレンシャルケースと、前記ディファレンシャルケースに収容される差動歯車機構とを含んで構成されるディファレンシャル装置の潤滑構造であって、前記リングギヤに対向する前記変速機ケースの壁面に第1のオイル貯留部および第2のオイル貯留部が形成されており、前記第1のオイル貯留部は、前記ディファレンシャルケースの回転中心軸の下方に位置し、前記壁面に対してリングギヤから離れる方向に窪んで形成されており、前記第2のオイル貯留部は、前記第1のオイル貯留部と同じ高さ位置で前記第1のオイル貯留部に隣接し、前記壁面に対して前記リングギヤから離れる方向に窪んで形成されていることを特徴とする。
このように上記の本発明によれば、新規の部品を追加することなくディファレンシャル装置の潤滑性能を容易に向上でき、変速機ケースが大型化することを防止できる。
図1は、本発明の一実施例に係るディファレンシャル装置を備えた変速機の上面図である。 図2は、本発明の一実施例に係るディファレンシャル装置を備えた変速機において、レフトケースを取り外した状態の変速機の上面図である。 図3は、本発明の一本実施例に係るディファレンシャル装置のライトケースの左側面図である。 図4は、図3のIV−IV方向矢視断面図である。 図5は、図3のV−V方向矢視断面図である。 図6は、図3のVI−VI方向矢視断面図である。
本発明の一実施の形態に係るディファレンシャル装置の潤滑構造は、オイルが貯留される変速機ケースに収容され、変速機構の出力部に噛み合うリングギヤを有するディファレンシャルケースと、ディファレンシャルケースに収容される差動歯車機構とを含んで構成されるディファレンシャル装置の潤滑構造であって、リングギヤに対向する変速機ケースの壁面に第1のオイル貯留部および第2のオイル貯留部が形成されており、第1のオイル貯留部は、ディファレンシャルケースの回転中心軸の下方に位置し、壁面に対してリングギヤから離れる方向に窪んで形成されており、第2のオイル貯留部は、第1のオイル貯留部と同じ高さ位置で第1のオイル貯留部に隣接し、壁面に対してリングギヤから離れる方向に窪んで形成されている。
これにより、新規の部品を追加することなく潤滑性能を容易に向上でき、変速機ケースが大型化することを防止できる。
以下、本発明の一本実施例に係るディファレンシャル装置の潤滑構造について、図面を用いて説明する。
図1から図6は、本発明の一本実施例に係るディファレンシャル装置の潤滑構造を示す図である。図1から図6において、上下前後左右方向は、車両の進行する方向を前、後退する方向を後とした場合に、車両の幅方向が左右方向、車両の高さ方向が上下方向である。
まず、構成を説明する。
図1において、車両1は、車体1Aを備えており、車体1Aの前部に設置されたエンジンルーム1aには変速機2が搭載されている。変速機2は、変速機ケース3を備えており、変速機ケース3は、ライトケース4(図2、図3参照)およびレフトケース5から構成されている。ライトケース4は、内燃機関としてのエンジン6に接続されている。
ライトケース4にはクラッチ機構20が収容されている。レフトケース5には変速機構2Aが収容されている。クラッチ機構20は、図示しないフライホイールを介してエンジン6の図示しないクランク軸と変速機構2Aの入力軸2a(図2、図3参照)とを接続または切断することにより、クランク軸から入力軸2aに動力を伝達または遮断する。
変速機構2Aは、図3に仮想線で示すように、入力軸2aと、入力軸2aと平行に設けられたカウンタ軸2b、2cと、入力軸2aおよびカウンタ軸2b、2cに設けられた図示しない変速ギヤ対と、変速ギヤ対を所定の変速段に切換える図示しないシフト機構と、カウンタ軸2b、2cに設けられたファイナルドライブギヤ2d(カウンタ軸2bに設けられたファイナルドライブギヤ2dを図2に示す)等を備えている。
図3において、ライトケース4には図示しない軸受を介して入力軸2aの一端部を回転自在に支持する軸受支部部4aが形成されている。ライトケース4には図示しない軸受を介してカウンタ軸2b、2cの一端部を回転自在に支持する軸受支持部4b、4cが形成されている。
本実施例の入力軸2a、カウンタ軸2b、2c、変速ギヤ対およびファイナルドライブギヤ2dは、本発明の変速機構を構成し、ファイナルドライブギヤ2dは、本発明の出力部を構成する。変速機構2Aは、エンジン6から入力軸2aに伝達された動力を変速ギヤ対によって変速し、カウンタ軸2bまたはカウンタ軸2cに伝達する。
図2において、ライトケース4およびレフトケース5にはディファレンシャル装置8が収容されている。ディファレンシャル装置8にはカウンタ軸2bに設けられたファイナルドライブギヤ2dおよびカウンタ軸2cに設けられたファイナルドライブギヤから動力が伝達される。ライトケース4とレフトケース5の間には、ディファレンシャル装置8を潤滑するためのオイルが貯留されている。
図2において、ディファレンシャル装置8は、ディファレンシャルケース(以下、単にデフケースという)10を備えている。図5に示すように、デフケース10は、ライトケース4の軸受支持部4dおよびレフトケース5の軸受支持部5aにそれぞれ軸受9A、9Bを介して回転自在に支持されている。
デフケース10の外周部にはデフケース10と一体で回転するようにリングギヤ11が取付けられており、リングギヤ11は、カウンタ軸2bのファイナルドライブギヤ2dおよびカウンタ軸2cの図示しないファイナルドライブギヤに噛み合っている。
デフケース10は、デフケース10と一体で回転するピニオンシャフト13と、ピニオンシャフト13の前後端に回転自在に支持された一方のピニオンギヤ14Aおよび図示しない他方のピニオンギヤと、一方のピニオンギヤ14Aおよび他方のピニオンギヤのそれぞれに噛み合う一対のサイドギヤ15L、15Rとを有する。ピニオンシャフト13、一方のピニオンギヤ14A、他方のピニオンギヤおよびサイドギヤ15L、15Rは、差動歯車機構12を構成している。
デフケース10の回転軸線に沿った車幅方向の両端側にはドライブシャフト16L、16R(図1参照)の一端部が挿入されている。ドライブシャフト16L、16Rの一端部は、それぞれサイドギヤ15L、15Rに嵌合しており、ドライブシャフト16L、16Rは、それぞれ左右の駆動輪17L、17Rに接続されている。
ピニオンシャフト13は、その軸線方向がデフケース10の回転軸線に対して直交する方向に向けてデフケース10に取付けられている。
一方のピニオンギヤ14Aおよび他方のピニオンギヤは、それぞれがデフケース10の回転時に、デフケース10の回転軸線を中心として公転するとともに、ピニオンシャフト13の軸線を中心として自転するように形成されている。
サイドギヤ15L、15Rは、それぞれがデフケース10の回転軸線と同軸にしてデフケース10の内部に対向した位置に配置されている。
このように構成されるディファレンシャル装置8は、カウンタ軸2bのファイナルドライブギヤ2dまたはカウンタ軸2cのファイナルドライブギヤからリングギヤ11に動力が伝達されると、デフケース10は、車両前進時において矢印R方向(図3参照)に回転する。このとき、ライトケース4とレフトケース5の間に貯留されているオイルは、矢印O方向に流れる。
車両1が平坦路を直進する場合には、左右の駆動輪17L、17Rの転がる距離が等しいので、サイドギヤ15L、15Rは、同じ回転速度で回転し、サイドギヤ15L、15Rの間に挟まれた一方のピニオンギヤ14Aおよび他方のピニオンギヤは、自転しない。よって、ドライブシャフト16L、16Rは、デフケース10と等速で回転するため、左右の駆動輪17L、17Rには左右に等しく駆動力が伝達される。
一方、例えば、車両1がカーブを右旋回する場合にはカーブ外側の駆動輪17Lの転がる距離がカーブ内側の駆動輪17Rよりも長いため、カーブ外側のサイドギヤ15Lは、カーブ内側のサイドギヤ15Rよりも速く回転する。
したがって、サイドギヤ15L、15Rに挟まれた一方のピニオンギヤ14Aおよび他方のピニオンギヤは、公転だけでなく自転もするようになり、サイドギヤ15L、15Rの間に回転数の差を発生させる。
よって、カーブ外側のドライブシャフト16Lは、デフケース10の回転数にサイドギヤ15Lの回転数を加えた回転数で回転し、カーブ内側のドライブシャフト16Rは、デフケース10の回転数からサイドギヤ15Rの回転数を差し引いた回転数で回転するため、左右の駆動輪17L、17Rには左右に配分された駆動力が伝達される。
図2において、デフケース10には開口部10Aが形成されており、開口部10Aを通してデフケース10の内部と外部とが連通している。これにより、一方のピニオンギヤ14Aおよび他方のピニオンギヤとサイドギヤ15L、15Rとは、開口部10Aを通して目視可能である。
図4において、リングギヤ11に対向するライトケース4の壁面4Bには第1のオイル貯留部21および第2のオイル貯留部22が形成されている。本実施例の壁面4Bは、本発明の変速機ケースの側面を構成する。
図3において、第1のオイル貯留部21は、デフケース10の回転中心軸Coの下方に位置している。図4に示すように、第1のオイル貯留部21は、ライトケース4の壁面4Bに対してリングギヤ11から離れる方向に窪んで形成されている。リングギヤ11から離れる方向とは、リングギヤ11に対してデフケース10の回転中心軸Coの方向に離れる方向である。
図3において、第2のオイル貯留部22は、第1のオイル貯留部21と同じ高さ位置に形成されており、デフケース10の回転中心軸Coと直交する前後方向に隣接して形成されている。また、第1のオイル貯留部21と第2のオイル貯留部22は、リングギヤ11の回転時にオイルが流れる方向Oに隣接している。
図4に示すように、第2のオイル貯留部22は、ライトケース4の壁面4Bに対してリングギヤ11から離れる方向に窪んで形成されている。第1のオイル貯留部21は、第2のオイル貯留部22よりもリングギヤ11から離れる方向に窪んでいる。
第1のオイル貯留部21は、第2のオイル貯留部22に連続する始端21aと、始端21aを起点として第1のオイル貯留部21よりもリングギヤ11から離れる方向に窪み部21Aと、始端21aに対して窪み部21Aを挟んで反対側に位置する終端21bとを有する。換言すれば、始端21aは、オイルが流れる方向Oにおいて、第1のオイル貯留部21の前端であり、終端21bは、第1のオイル貯留部21の後端である。
終端21bは、始端21aよりもリングギヤ11に近い側に形成されており、始端21aと終端21bとは、デフケース10の回転中心軸Coの方向に段差Lを有する。
図3、図4において、窪み部21Aは、半円弧形状に形成されており、上下方向の中心軸C1を有して上下方向に延びる半円筒状の空間を有する。
壁面4Bにおいて窪み部21Aの上下方向の中心軸C1は、デフケース10の回転中心軸Coと交差して前後方向に延びる線と直交する仮想平面Sに対して第2のオイル貯留部22側にずれるように形成されている。
第1のオイル貯留部21は、リングギヤ11の回転方向Rに沿った上部21eの幅が下部21fの幅よりも大きい半円弧形状に形成されている。これにより、第1のオイル貯留部21は、下部21fから上部21eに向かってリングギヤ11から離れる方向に傾斜している(図5参照)。すなわち、第1のオイル貯留部21は、下部21fの円弧よりも上部21eの円弧の方が大きい。
図6において、窪み部21Aは、上下方向の中心軸C1に対して始端21a側に位置する第1の湾曲面21cと、上下方向の中心軸C1に対して終端21b側に位置する第2の湾曲面21dとを有し、第2の湾曲面21dの曲率は、第1の湾曲面21cの曲率より大きく形成されている。
第1のオイル貯留部21の底部に位置するライトケース4の底壁4gにはオイルドレイン孔23が形成されており(図3、図6参照)、オイルドレイン孔23は、図示しないプラグによって閉止されている。オイルドレイン孔23からプラグを取り外したときには、変速機ケース3に貯留されているオイルがオイルドレイン孔23から排出される。
次に、作用を説明する。
なお、図3、図4、図5、図6において、オイルの流れをオイルO、O1、O2、O3で示す。
車両1の前進走行時に、リングギヤ11が図3中、反時計回転方向Rに回転すると、変速機ケース3の底部に貯留されるオイルがリングギヤ11によって上方に掻き上げられる。
これにより、リングギヤ11とカウンタ軸2bのファイナルドライブギヤ2dとの噛み合い部が潤滑されるとともに、リングギヤ11とカウンタ軸2cのファイナルドライブギヤとの噛み合い部が潤滑される。
リングギヤ11によって掻き上げられたオイルは、ライトケース4の傾斜壁4t(図3参照)に沿って案内された後、変速機構2Aを構成する変速ギヤ対の噛み合い部等に供給されることにより、変速ギヤ対の噛み合い部等が潤滑される。
一方、変速機ケース3の底部に貯留されるオイルは、リングギヤ11の回転に伴って後方に向かう流れOが生じるとともに、リングギヤ11によって掻き上げられることにより、油面が低下する。
本実施例のディファレンシャル装置8において、リングギヤ11に対向するライトケース4の壁面4Bには第1のオイル貯留部21および第2のオイル貯留部22が形成されている。
第1のオイル貯留部21は、デフケース10の回転中心軸Coの下方に位置し、ライトケース4の壁面4Bに対してリングギヤ11から離れる方向に窪んで形成されている。第2のオイル貯留部22は、第1のオイル貯留部21と同じ高さ位置で第1のオイル貯留部21に隣接し、ライトケース4の壁面4Bに対してリングギヤ11から離れる方向に窪んで形成されている。
第2のオイル貯留部22は、第1のオイル貯留部21に対してオイルの流れる方向Oの上流側に設けられているので、後方に流れるオイルは、第2のオイル貯留部22に貯留される。
これにより、オイルの流速は、第2のオイル貯留部22によって低下する。第2のオイル貯留部22に貯留されたオイルは、リングギヤ11の回転に伴って第1のオイル貯留部21に送られて第1のオイル貯留部21に貯留される。
このように第1のオイル貯留部21に送られるオイルは、第2のオイル貯留部22によって流速が低下されるので、第1のオイル貯留部21にオイルを効率よく貯留することができる。
第1のオイル貯留部21に貯留されるオイルは、増加すると上方向に油面が上昇するため、リングギヤ11の回転に伴ってデフケース10の開口部10Aを通して差動歯車機構12に供給される。これにより、差動歯車機構12を含んだディファレンシャル装置8を容易に潤滑することができる。
また、オイルを第1のオイル貯留部21に貯留することにより、変速機ケース3の底部に貯留されるオイルの油面が低下しても、第1のオイル貯留部21にオイルを集めることによって第1のオイル貯留部21の内部でオイルの油面を高くできる。
このため、第1のオイル貯留部21に溜まったオイルによってディファレンシャル装置8を確実に潤滑できる。
このように本実施例のディファレンシャル装置8の潤滑構造は、従来のように新規の部品を追加することなくディファレンシャル装置8の潤滑性能を容易に向上できる。また、デフケース10の周辺に従来のような送油管を設置する必要がないので、ディファレンシャル装置8をライトケース4やレフトケース5に近づけて設置でき、変速機ケース3が大型化することを防止できる
さらに、本実施例のディファレンシャル装置8の潤滑構造は、前進走行時に変速機ケース3の底部の油面が低下しても、第1のオイル貯留部21に貯留されるオイルによってディファレンシャル装置8に的確にオイルを供給することができる。これにより、ディファレンシャル装置8の潤滑のためにオイルの貯留量を増やして油面を上昇させる必要がなく、オイルの貯留量を減らし、オイルの油面を低くできるので、ディファレンシャル装置8の攪拌抵抗を小さくできる。
また、本実施例のディファレンシャル装置8の潤滑構造によれば、第1のオイル貯留部21は、第2のオイル貯留部22よりもリングギヤ11から離れる方向に窪んでいる。
第1のオイル貯留部21は、第2のオイル貯留部22に連続する始端21aと、始端21aを起点として第2のオイル貯留部22よりもリングギヤ11から離れる方向に窪み部21Aと、始端21aに対して窪み部21Aを挟んで反対側に位置する終端21bとを有する。
これに加えて、終端21bは、始端21aよりもリングギヤ11に近い側に形成されており、始端21aと終端21bとは、デフケース10の回転中心軸Coの方向に段差Lを有する(図4参照)。
このため、図4に示すように、リングギヤ11の回転に伴って第2のオイル貯留部22から第1のオイル貯留部21に流れるオイルの流れO1を終端21bに衝突させてオイルの流れO2を発生させることにより、オイルを窪み部21Aに戻すことができ、窪み部21Aにより多くのオイルを貯留できる。この結果、ディファレンシャル装置8をより効果的に潤滑できる。
これに加えて、第2のオイル貯留部22から第1のオイル貯留部21に流れるオイルO1を終端21bに衝突させて上方に指向するオイルの流れO3を発生させることができる。このため、ディファレンシャル装置8をより効果的に潤滑できる。
また、本実施例のディファレンシャル装置8の潤滑構造によれば、窪み部21Aは、半円弧形状に形成されており、上下方向の中心軸C1を有して上下方向に延びる半円筒状の空間を有する。これに加えて、窪み部21Aは、上下方向の中心軸C1がデフケース10の回転中心軸Coを上下方向に横切る仮想平面Sに対して第2のオイル貯留部22側にずれるように壁面4Bに形成されている。
これにより、第1のオイル貯留部21の高さを、第1のオイル貯留部21の上下方向の中心軸C1と仮想平面Sとが同一の場合の第1のオイル貯留部の高さ21hに対して、高さHだけ上方に延ばすことができ、第1のオイル貯留部21の上下方向の長さを長くできる。
このため、第1のオイル貯留部21により多くのオイルを集め、かつ、第1のオイル貯留部21の内部でオイルの油面をより高くできる。したがって、第1のオイル貯留部21のオイル貯留量を十分に確保してディファレンシャル装置8に供給することができ、ディファレンシャル装置8の潤滑性能をより効果的に向上できる。
また、本実施例のディファレンシャル装置8の潤滑構造によれば、第1のオイル貯留部21は、リングギヤ11の回転方向Rに沿った上部21eの幅が下部21fの幅よりも大きい半円弧形状に形成されている。
これにより、デフケース10の回転中心軸Coに近い第1のオイル貯留部21の上部21eの円弧を下部21fの円弧よりも大きくできる。このため、リングギヤ11の回転によって第1のオイル貯留部21を上昇するオイルを、ディファレンシャル装置8の広い範囲にわたって供給することができる。この結果、ディファレンシャル装置8の潤滑性能をより効果的に向上できる。
また、本実施例のディファレンシャル装置8の潤滑構造によれば、窪み部21Aは、上下方向の中心軸C1に対して始端21a側に位置する第1の湾曲面21cと、上下方向の中心軸C1に対して終端21b側に位置する第2の湾曲面21dとを有し、第2の湾曲面21dの曲率は、第1の湾曲面21cの曲率より大きく形成されている。
これにより、リングギヤ11の回転に伴って第2のオイル貯留部22から第1のオイル貯留部21に流れるオイルを、緩やかな第1の湾曲面21cに沿って窪み部21Aに流して窪み部21Aに貯留できる。
また、窪み部21Aに貯留されたオイルは、第1の湾曲面21cよりも曲率の大きい第2の湾曲面21dによって窪み部21Aから排出され難くできる。これにより、窪み部21Aにより多くのオイルを安定して貯留することができ、ディファレンシャル装置8の潤滑性能をより効果的に向上できる。
本発明の本実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
2A...変速機構、2d...ファイナルドライブギヤ(出力部)、3...変速機ケース、4...ライトケース(変速機ケース)、4B...壁面(変速機ケースの壁面)、8...ディファレンシャル装置、10...ディファレンシャルケース、11...リングギヤ、12...差動歯車機構、21...第1のオイル貯留部、21A...窪み部、21a...始端、21b...終端、21c...第1の湾曲面、21d...第2の湾曲面、21e...上部(リングギヤの回転方向に沿った第1のオイル貯留部の上部)、21f...下部(幅リングギヤの回転方向に沿った第1のオイル貯留部の下部)、Co...回転中心軸、C1...上下方向の中心軸、S...仮想平面(前記ディファレンシャルケースの前記回転中心軸をと交差して前後方向に延びる線と直交する仮想平面)

Claims (5)

  1. オイルが貯留される変速機ケースに収容され、変速機構の出力部に噛み合うリングギヤを有するディファレンシャルケースと、前記ディファレンシャルケースに収容される差動歯車機構とを含んで構成されるディファレンシャル装置の潤滑構造であって、
    前記リングギヤに対向する前記変速機ケースの壁面に第1のオイル貯留部および第2のオイル貯留部が形成されており、
    前記第1のオイル貯留部は、前記ディファレンシャルケースの回転中心軸の下方に位置し、前記壁面に対してリングギヤから離れる方向に窪んで形成されており、
    前記第2のオイル貯留部は、前記第1のオイル貯留部と同じ高さ位置で前記第1のオイル貯留部に隣接し、前記壁面に対して前記リングギヤから離れる方向に窪んで形成されていることを特徴とするディファレンシャル装置の潤滑構造。
  2. 前記第1のオイル貯留部は、前記第2のオイル貯留部よりも前記リングギヤから離れる方向に窪んでおり、
    前記第1のオイル貯留部は、前記第2のオイル貯留部に連続する始端と、前記始端を起点として前記第2のオイル貯留部よりも前記リングギヤから離れる方向に窪む窪み部と、前記始端に対して前記窪み部を挟んで反対側に位置する終端とを有し、
    前記終端は、前記始端よりも前記リングギヤ側に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のディファレンシャル装置の潤滑構造。
  3. 前記窪み部は、上下方向の中心軸を有して上下方向に延びる半円弧形状に形成されており、
    前記窪み部は、前記上下方向の中心軸が前記ディファレンシャルケースの前記回転中心軸と交差して前後方向に延びる線と直交する仮想平面に対して前記第2のオイル貯留部側にずれるように前記壁面に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のディファレンシャル装置の潤滑構造。
  4. 前記第1のオイル貯留部は、前記リングギヤの回転方向に沿った上部の幅が前記リングギヤの回転方向に沿った下部の幅よりも大きい半円弧形状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載のディファレンシャル装置の潤滑構造。
  5. 前記窪み部は、前記上下方向の中心軸に対して始端側に位置する第1の湾曲面と、前記上下方向の中心軸に対して終端側に位置する第2の湾曲面とを有し、前記第2の湾曲面の曲率は、前記第1の湾曲面の曲率より大きく形成されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のディファレンシャル装置の潤滑構造。
JP2018111732A 2018-06-12 2018-06-12 ディファレンシャル装置の潤滑構造 Pending JP2019215025A (ja)

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