JP2021162136A - 変速機の潤滑構造 - Google Patents

変速機の潤滑構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2021162136A
JP2021162136A JP2020067282A JP2020067282A JP2021162136A JP 2021162136 A JP2021162136 A JP 2021162136A JP 2020067282 A JP2020067282 A JP 2020067282A JP 2020067282 A JP2020067282 A JP 2020067282A JP 2021162136 A JP2021162136 A JP 2021162136A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gear
oil
transmission
gear train
guide member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020067282A
Other languages
English (en)
Inventor
武尊 田川
Takeru Tagawa
智之 北原
Tomoyuki Kitahara
智之 山田
Tomoyuki Yamada
紘一 佐藤
Koichi Sato
有生 児玉
Ario Kodama
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2020067282A priority Critical patent/JP2021162136A/ja
Publication of JP2021162136A publication Critical patent/JP2021162136A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】ギヤ噛合部に供給するオイル供給量を確保しつつオイルの貯留レベルを低減させて燃費性能の向上を図る。【解決手段】変速機の潤滑構造は、第1ギヤ列によって掻き揚げられたオイルを回収するオイル回収部と、オイル回収部に回収されたオイルを第2ギヤ列G0のギヤ噛合部65に案内するオイル案内部材80とを備える。オイル案内部材80は、ギヤ噛合部65に案内するオイルの流速を促進させる流速促進部84を有する。流速促進部84は、第2ギヤ列G0の第1ギヤ38におけるギヤ噛合部65の回転方向上流側の外周面に沿って延びる底面部81を有する。【選択図】図9

Description

本発明は、変速機の潤滑構造に関する。
車両に搭載される変速機として、エンジンなどの駆動源にクラッチを介して接続された入力軸と、入力軸と同一軸線上に配置されて駆動輪に連結された出力軸と、入力軸及び出力軸と平行に配置されたカウンタ軸とを備えたフロントエンジン・リアドライブ車用の縦置き式の手動変速機が知られている。前記手動変速機は、入力軸又は出力軸とカウンタ軸との間にギヤ比の異なる複数のギヤ列を設けて選択的に動力伝達状態とすることで複数の前進用変速段と1つの後進用変速段とを達成するようになっている。
例えば特許文献1には、フロントエンジン・リアドライブ車用の縦置き式の手動変速機が開示されている。前記特許文献1に記載の手動変速機は、入力軸の回転を減速用ギヤ列により一定の減速比で減速してカウンタ軸に伝達し、カウンタ軸に伝達された回転を出力軸とカウンタ軸との間に設けられた変速段用ギヤ列により出力軸に伝達するインプットリダクションタイプとして構成されている。
前記特許文献1に記載の手動変速機は、潤滑性能を向上させるために、変速機ケースの車幅方向一方側の内面に、変速段用ギヤ列から車体前側に配置される減速用ギヤ列に亘って軸方向に延びるリブを車体前側に向かうにつれて下方に傾斜するように設けて、登坂時に変速段用ギヤ列のギヤによって掻き揚げられたオイルをリブによって車体前側に誘導して減速用ギヤ列に供給するようになっている。
特開2019−44897号公報
フロントエンジン・リアドライブ車用の縦置き式の手動変速機として、入力軸の回転を入力軸とカウンタ軸との間に設けられた変速段用ギヤ列により減速してカウンタ軸に伝達し、カウンタ軸に伝達された回転を減速用ギヤ列により一定の減速比で減速して出力軸に伝達するアウトプットリダクションタイプの手動変速機も知られている。アウトプットリダクションタイプの手動変速機は、インプットリダクションタイプの手動変速機に比して、変速操作時のシフト操作力や変速機の径方向コンパクト化に優れている。
このような手動変速機では、変速段用ギヤ列及び減速用ギヤ列のギヤ列はそれぞれ、入力軸又は出力軸に設けられた第1ギヤとカウンタ軸に設けられて第1ギヤに噛み合う第2ギヤとによって構成され、変速機ケースの底部に貯留されたオイルを第2ギヤによって掻き揚げてギヤ列のギヤ噛合部に供給して潤滑することが行なわれている。
前記手動変速機が搭載された車両では、燃費性能を向上させるため、外径が比較的大きい第2ギヤを有する第1ギヤ列によってオイルを掻き揚げて回収し、外径が比較的小さい第2ギヤを有する第2ギヤ列のギヤ噛合部に供給して、オイルの貯留レベルを低減させることが考えられる。
アウトプットリダクションタイプの手動変速機では、1速段用ギヤ列や2速段用ギヤ列などの第2ギヤの外径が比較的大きい第1ギヤ列によって掻き揚げられたオイルを、減速用ギヤ列などの第2ギヤの外径が比較的小さい第2ギヤ列のギヤ噛合部に供給することで、オイルの貯留レベルを低減させることが考えられる。
しかしながら、第1ギヤ列によって掻き揚げられたオイルを第2ギヤ列のギヤ噛合部に供給するときに、第2ギヤ列のギヤの回転による風圧の影響を受けてオイルがギヤ噛合部から離れる方向に移動されてギヤ噛合部に十分なオイルを供給することができないおそれがある。
そこで、本発明は、第1ギヤ列によって掻き揚げられたオイルを第2ギヤ列のギヤ噛合部に供給する変速機において、ギヤ噛合部に供給するオイル供給量を確保しつつオイルの貯留レベルを低減させて燃費性能の向上を図ることができる変速機の潤滑構造を提供することを課題とする。
本発明は、同一軸線上に配置された入力軸及び出力軸と、前記入力軸及び前記出力軸より低位置で前記入力軸及び前記出力軸と平行に配置されたカウンタ軸と、前記入力軸又は前記出力軸に設けられた第1ギヤと前記カウンタ軸に設けられて前記第1ギヤに噛み合う第2ギヤとでそれぞれなる第1ギヤ列及び第2ギヤ列とを備える変速機の潤滑構造であって、変速機ケースの底部に設けられたオイル貯留部から前記第1ギヤ列によって掻き揚げられたオイルを回収するオイル回収部と、前記オイル回収部に回収されたオイルを前記第2ギヤ列のギヤ噛合部に案内するオイル案内部材とを備え、前記オイル案内部材は、前記ギヤ噛合部に案内するオイルの流速を促進させる流速促進部を有し、前記流速促進部は、前記第2ギヤ列の第1ギヤにおける前記ギヤ噛合部の回転方向上流側の外周面に沿って延びる底面部を有している、変速機の潤滑構造を提供する。
本発明によれば、第1ギヤ列によって掻き揚げられたオイルがオイル案内部材によって第2ギヤ列のギヤ噛合部に案内されて供給されるので、第2ギヤ列を第1ギヤ列より第2ギヤの外径を小さく形成すると共に第1ギヤ列の第2ギヤの歯部がオイル液面下に位置するようにオイル貯留部にオイルを貯留することで、第2ギヤ列のギヤ噛合部にオイルを供給しつつオイルの貯留レベルを低減させることができる。
オイル案内部材の流速促進部は、第2ギヤ列の第1ギヤにおけるギヤ噛合部の回転方向上流側の外周面に沿って延びる底面部を有するので、第2ギヤ列の第1ギヤの回転による風圧によって流速促進部の底面部に沿ってギヤ噛合部側に下側に向かうオイルの流速を増加させ、ギヤ噛合部に供給するオイルの供給量を確保することができる。ギヤ噛合部側に向かうオイルの流速を増加させることで、オイルがオイル案内部材から離れてギヤ噛合部側に移動するときに、第2ギヤ列の第1ギヤの回転による風を受けてギヤ噛合部から離れる方向に移動することを抑制できるので、ギヤ噛合部に供給するオイル供給量が低減することを抑制してギヤ噛合部に供給するオイル供給量を確保することができる。
したがって、第1ギヤ列によって掻き揚げられたオイルを第2ギヤ列のギヤ噛合部に供給する変速機において、ギヤ噛合部に供給するオイル供給量を確保しつつオイルの貯留レベルを低減させて燃費性能の向上を図ることができる。
前記流速促進部は、底面部の軸方向両側に第2ギヤ列の第1ギヤ側に延びる両側の側面部を有することが好ましい。
本構成により、流速促進部に両側の側面部が備えられるので、流速促進部の底面部に沿ってギヤ噛合部側に向かうオイルが第2ギヤ列の第1ギヤの回転による風圧によって底面部の軸方向両側に流出することを抑制することができ、ギヤ噛合部に供給するオイル供給量が低減することを抑制することができる。
前記オイル回収部は、第2ギヤ列の第1ギヤより軸方向一方側に設けられ、前記オイル案内部材は、流速促進部の軸方向一方側の側面部における反底面部側に軸方向他方側に延びてオイルの流出を防止する流出防止部を有することが好ましい。
本構成により、オイル案内部材は、オイル回収部が設けられた流速促進部の軸方向一方側の側面部に軸方向他方側に延びる流出防止部が設けられるので、オイル案内部材に軸方向一方側からオイルが導入される場合に、流速促進部の底面部に沿ってギヤ噛合部側に向かうオイルが底面部の軸方向一方側に流出することを抑制することができ、ギヤ噛合部に供給するオイル供給量が低減することを抑制することができる。
前記オイル案内部材は、流速促進部の下部にギヤ噛合部にオイルを導出するオイル導出部を有し、前記流出防止部は、オイル導出部に向かうにつれて先細り状に形成されることが好ましい。
本構成により、流出防止部は、オイル導出部に向かうにつれて先細り状に形成されるので、流速促進部の底面部に沿ってギヤ噛合部側に向かうオイルがオイル導出部に向かうにつれて、第2ギヤ列の第1ギヤの回転による風圧によってオイルの流速が増加されることが流出防止部によって阻害されることを抑制することができる。
前記オイル回収部は、第2ギヤ列の第1ギヤより軸方向一方側に設けられ、前記オイル案内部材は、流速促進部の上部にオイル導入部を有し、オイル導入部は、第2ギヤ列の第1ギヤより軸方向一方側に延びていることが好ましい。
本構成により、オイル案内部材のオイル導入部は、第2ギヤ列の第1ギヤより軸方向一方側に延びているので、オイル導入部が第2ギヤ列の第1ギヤと軸方向にオーバーラップする位置に設けられる場合に比して、第2ギヤ列の第1ギヤの回転による風の影響を抑制してオイル回収部からオイルを導入させることができる。
前記変速機は、入力軸の回転を入力軸とカウンタ軸との間に設けられた変速段用ギヤ列により減速してカウンタ軸に伝達し、カウンタ軸に伝達された回転を減速用ギヤ列により一定の減速比で減速して出力軸に伝達するアウトプットリダクションタイプの変速機であり、前記第1ギヤ列は、変速段用ギヤ列であり、前記第2ギヤ列は、前記減速用ギヤ列であり得る。
本構成により、変速段用ギヤ列によって掻き揚げられたオイルを減速用ギヤ列のギヤ噛合部に供給するアウトプットリダクションタイプの変速機において、ギヤ噛合部に供給するオイル供給量を確保しつつオイルの貯留レベルを低減させて燃費性能の向上を図ることができる。第1ギヤ列を第2ギヤの外径が比較的大きく形成された1速段及び2速段用ギヤ列などの変速段用ギヤ列とすることで、オイルの貯留レベルを有効に低減させることができ、前記効果を有効に得ることができる。
前記オイル回収部は、減速用ギヤ列の第1ギヤより反駆動源側に配置されて出力軸を変速機ケースに支持する軸受の反駆動源側に設けられ、前記変速機ケースに、軸受の駆動源側と反駆動源側とを連通させる連通穴が設けられ、連通穴は、オイル回収部からオイル案内部材にオイルが導入されるように形成され得る。
本構成により、オイル回収部は、減速用ギヤ列の第1ギヤより反駆動源側に配置される軸受の反駆動源側に設けられ、変速機ケースに設けられた連通穴は、オイル回収部からオイル案内部材にオイルが導入されるように形成されるので、オイル回収部が減速用ギヤ列の第1ギヤより反駆動源側に配置される軸受の反駆動源側に設けられる場合においても、オイル回収部からオイル案内部材にオイルを導入させることができる。
本発明に係る変速機の潤滑構造によれば、第1ギヤ列によって掻き揚げられたオイルを第2ギヤ列のギヤ噛合部に供給する変速機において、ギヤ噛合部に供給するオイル供給量を確保しつつオイルの貯留レベルを低減させて燃費性能の向上を図ることができる。
本発明の実施形態に係る潤滑構造を備えた変速機の断面図である。 図1のY2−Y2線に沿った変速機の断面図である。 減速用ギヤ列近傍の変速機の断面斜視図である。 減速用ギヤ列近傍の変速機の別の断面斜視図である。 オイル供給部材を取り除いた図3に示す変速機の断面斜視図である。 オイル案内部材近傍の変速機の断面斜視図である。 オイル案内部材の斜視図である。 オイル案内部材の正面図、上面図及び側面図である。 ギヤ噛合部へのオイルの供給を説明するための説明図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る潤滑構造を備えた変速機の断面図である。図1に示すように、本発明の実施形態に係る変速機1は、フロントエンジン・リアドライブ車用の縦置き式の手動変速機であり、前進6速、後退1速を達成可能に構成されている。以下の説明では、変速機1の前後、左右、上下方向は、変速機1が搭載された車両の前後、左右、上下方向にそれぞれ対応するものとする。
変速機1は、変速機ケース2と、変速機ケース2内に収容された変速機構10とを備えている。変速機ケース2は、エンジンなどの駆動源の後面に連結されてクラッチを収容するクラッチハウジング3と、クラッチハウジング3の後面に連結されて変速機構10などを収容するギヤケース4とを備えている。ギヤケース4の内側後部よりに、ギヤケース4とは別体に形成されて前後方向に直交する方向に延びるベアリングハウジング60が固定されている。
変速機構10は、メインシャフト11と、メインシャフト11より低位置でメインシャフト11と平行に配置されたカウンタ軸14とを備えている。メインシャフト11及びカウンタ軸14は、前後方向に延びて変速機ケース2に回転自在に支持されている。メインシャフト11は、駆動源にクラッチを介して断接可能に接続された入力軸12と、入力軸12の後側において同一軸線上に配置された出力軸13とを備えている。出力軸13の後部は、プロペラシャフト(不図示)に連結される連結部材27にスプライン嵌合されて連結されている。
入力軸12は、前部がクラッチハウジング3に対して第1軸受21を介して回転自在に支持されている。出力軸13は、前部がベアリングハウジング60に対して第2軸受22を介して回転自在に支持され、軸方向中央部がギヤケース4に対して第3軸受23を介して回転自在に支持されている。入力軸12の後部は、出力軸13の前端部に穿設された嵌合孔に、例えばニードルベアリングを介して回転自在に支持されている。本実施形態では、第3軸受23は、グリス又は潤滑油が封入されたシール付き軸受として構成されている。
カウンタ軸14は、前部がクラッチハウジング3に対して第4軸受24を介して回転自在に支持され、後部がギヤケース4の軸受支持壁70に対して第5軸受25を介して回転自在支持され、前部及び後部の間の後側よりに位置する軸方向中央部がベアリングハウジング60に対して第6軸受26を介して回転自在に支持されている。
入力軸12には、駆動源側である前側から順に、後退速段用ドライブギヤ37及び1速段〜5速段用ドライブギヤ31〜35を含む、複数の入力ギヤ30が設けられている。カウンタ軸14には、前側から順に、後退速段用ドリブンギヤ47、1速段〜5速段用ドリブンギヤ41〜45及び減速用ドライブギヤ48を含む、複数の変速ギヤ40が設けられている。出力軸13には、減速用ドリブンギヤ38が設けられている。本実施形態では、入力ギヤ30及び減速用ドリブンギヤ38は、入力軸12又は出力軸13に設けられた第1ギヤとして機能し、変速ギヤ40は、カウンタ軸14に設けられて第1ギヤに噛み合う第2ギヤとして機能する。
減速用ドライブギヤ48及び減速用ドリブンギヤ38はそれぞれ、軸方向に対して所定の捩れ角を有する歯部を備えたヘリカルギヤとされている。1速段〜5速段用ドライブギヤ31〜35及び1速段〜5速段用ドリブンギヤ41〜45、並びに後退速段用ドライブギヤ37及び後退速段用ドリブンギヤ47もそれぞれ軸方向に対して所定の捩れ角を有する歯部を備えたヘリカルギヤとされている。
減速用ドライブギヤ48及び減速用ドリブンギヤ38の前後方向の寸法である幅は、1速段〜5速段用ドライブギヤ31〜35及び1速段〜5速段用ドリブンギヤ41〜45、並びに後退速段用ドライブギヤ37及び後退速段用ドリブンギヤ47の幅より大きく形成されている。
入力軸12とカウンタ軸14との間には、1速段〜5速段用ドライブギヤ31〜35と1速段〜5速段用ドリブンギヤ41〜45とによって、常時噛み合い式の変速段用ギヤ列G1〜G5が構成されている。出力軸13とカウンタ軸14との間には、減速用ドリブンギヤ38と減速用ドライブギヤ48とによって、常時噛み合い式の減速用ギヤ列G0が構成されている。
具体的に、入力軸12とカウンタ軸14との間に、1速段用ギヤ列G1、2速段用ギヤ列G2、3速段用ギヤ列G3、4速段用ギヤ列G4、及び5速段用ギヤ列G5が、前側から順に設けられている。6速段は、駆動源からの回転がそのままの回転数で入力軸12から出力軸13に伝達される直結段として構成されている。
1速段、2速段用ギヤ列G1,G2はそれぞれ、入力軸12の外周部に一体的に形成された1速段、2速段用ドライブギヤ31,32と、カウンタ軸14の外周部に遊嵌された1速段、2速段用ドリブンギヤ41,42とにより構成されている。3速段、4速段、5速段用ギヤ列G3,G4,G5は、入力軸12の外周部に遊嵌された3速段、4速段、5速段用ドライブギヤ33,34,35と、カウンタ軸14の外周部にスプライン嵌合された3速段、4速段、5速段用ドリブンギヤ43,44,45とにより構成されている。減速用ギヤ列G0は、カウンタ軸14の外周部にスプライン嵌合された減速用ドライブギヤ48と、出力軸13の外周部にスプライン嵌合された減速用ドリブンギヤ38とにより構成されている。
1速段〜5速段用ドライブギヤ31〜35は、変速段が小さくなるにつれて外径が小さく形成され、1速段〜5速段用ドリブンギヤ41〜45は、変速段が小さくなるにつれて外径が大きく形成されている。減速用ドライブギヤ48は、5速段用ドリブンギヤ45より外径が小さく形成され、減速用ドリブンギヤ38は、5速段用ドライブギヤ35より外径が大きく形成されている。
減速用ドライブギヤ48は、減速用ドリブンギヤ38よりも外径が小さく、したがって、カウンタ軸14に伝達された回転は、減速用ギヤ列G0により所定の変速比で減速されて出力軸13に伝達される。
入力軸12の外周部に一体的に形成された後退速段用ドライブギヤ37とカウンタ軸14の外周部に遊嵌された後退速段用ドリブンギヤ47とは、互いに噛み合うことなく、変速機ケース2内にメインシャフト11及びカウンタ軸14と平行に配設されたリバース軸に遊嵌合された後退速段用アイドルギヤ(不図示)に常時噛み合っている。後退速段用ドライブギヤ37と後退速段用ドリブンギヤ47と後退速段用アイドルギヤとによって、後退速段用ギヤ列GRが構成されている。
また、入力軸12及びカウンタ軸14には、入力軸12及びカウンタ軸14に遊嵌されたドライブギヤ又はドリブンギヤをそれぞれの軸に動力伝達可能に連結する同期装置16〜19が設けられている。具体的には、入力軸12には、3速段、4速段用ドライブギヤ33,34の軸方向間に3−4速段用同期装置17が設けられ、5速段用ドライブギヤ35と出力軸13との軸方向間に5−6速段用同期装置18が設けられている。
カウンタ軸14には、カウンタ軸14に遊嵌された後退速段用ドリブンギヤ47の前側に隣接して後退速段用同期装置19が設けられ、1速段、2速段用ドリブンギヤ41,42の軸方向間に1−2速段用同期装置16が設けられている。
すなわち、直結段である6速段を除いて、入力軸12に駆動源から入力された駆動トルクが、同期装置16〜19のいずれか1つにより動力伝達可能とされた1速段〜5速段用ギヤ列G1〜G5又は後退速段用ギヤ列GRのいずれか1つを介して所定の変速比で減速されてカウンタ軸14に伝達され、最終的にカウンタ軸14から減速用ギヤ列G0を介して減速されて出力軸13に伝達されるようになっている。
変速機1は、入力軸12の回転を入力軸12とカウンタ軸14との間に設けられた変速段用ギヤ列G1〜G5,GRにより減速してカウンタ軸14に伝達し、カウンタ軸14に伝達された回転を減速用ギヤ列G0により一定の減速比で減速して出力軸13に伝達するアウトプットリダクションタイプとして構成されている。
図1に示すように、変速機ケース2の内側に空間Sが形成されている。空間Sは、ベアリングハウジング60を含んでベアリングハウジング60の前側に画定される第1空間S1と、第1空間S1の後方において前後方向に直交する段落ち面4aを介して上下方向及び左右方向に一段縮小された第2空間S2とを含んでいる。
空間Sはまた、第2空間S2の後方に、第3軸受23が圧入されて前後方向に直交する方向に延びるギヤケース4の軸受支持壁70と、ギヤケース4の周壁部4b及び連結部材27間に配設されたシール部材28とによって軸方向に画定される第3空間S3を含んでいる。第3空間S3は、出力軸13の周囲に略円筒状に形成されている。
変速機ケース2の底部には、変速機ケース2の内側にオイル貯留部7が設けられている。図1では、オイル貯留部7に貯留されたオイルを二点鎖線でハッチングを付して示している。オイル貯留部7には、変速機1の要潤滑部を潤滑するためのオイルが貯留されている。
変速機1では、オイルの貯留レベルLは、5速段用ドリブンギヤ45及び減速用ドリブンギヤ48の下端部より下方に位置し、5速段用ドリブンギヤ45及び減速用ドライブギヤ48を除く複数の変速ギヤ40の下端部より上方に位置している。すなわち、1速段〜4速段用ドリブンギヤ41〜44及び後退速段用ドリブンギヤ47は、下部においてオイル貯留部7に浸かっているが、5速段用ドリブンギヤ45及び減速用ドリブンギヤ48は、オイル貯留部7に浸かっていない。
3速段〜5速段用ドリブンギヤ43〜45の下方には、オイルセパレータ51が設けられている。オイルセパレータ51は、3速段〜5速段用ドリブンギヤ43〜45の略下半分を下方から間隔を空けて覆うように上方に開口した半円状の断面を有し、3速段用ドリブンギヤ43の下方からベアリングハウジング60の前端面まで後方へ延びている。オイルセパレータ51によれば、3速段〜5速段用ドリブンギヤ43〜45により攪拌されるオイル量が低減され、変速ギヤ40による攪拌抵抗の低減が図られている。
図2は、図1のY2−Y2線に沿った変速機の断面図である。図1及び図2に示すように、1速段、2速段用ドリブンギヤ41,42の径方向外側には、オイルバッフル53が設けられている。オイルバッフル53は、1速段、2速段用ドリブンギヤ41,42を径方向外側から覆うように形成され、回転する1速段及び2速段用ドリブンギヤ41,42の歯部によりオイル貯留部7から掻き揚げられたオイルを上方へ案内するように構成されている。
具体的には、図2において、2速段用ドライブギヤ32は時計回り(回転方向R1)で回転し、これに噛み合う2速段用ドリブンギヤ42は反対方向の反時計回り(回転方向R2)で回転する。2速段用ドリブンギヤ42は、軸芯から左側の領域(前方から見た図2において右側)において歯部が下方から上方へ移動する。オイルバッフル53は、2速段用ドリブンギヤ42の左側を左方から間隔を空けて覆うように構成されている。オイルバッフル53は、下部が2速段用ドリブンギヤ42の外周面に沿った円弧状に形成され、上部が上方へ延びて上端部において上方に開口している。
入力軸12の上方には、軸方向に延びるオイルパス55が設けられている。オイルパス55は、上方に位置する第1通路56と、第1通路56の左端部から左斜め下方へ延びる縦壁部57を介して一段下がった位置において第1通路56よりも左側に位置する第2通路58とを有している。
図1に示すように、第1通路56は、2速段用ドライブギヤ32の上方からベアリングハウジング60の前端面まで前後方向に延びている。図2に示すように、第1通路56は、断面L字状に形成されている。第1通路56は、変速段用ギヤ列の変速ギヤ40、特に1速段及び2速段用ドリブンギヤ41,42により掻き揚げられてオイルバッフル53により上方に案内されたオイルを受け止めて入力軸12の軸方向に沿って後方へ案内するように構成されている。第1通路56には、上下方向に貫通するオイル孔56aが複数穿設されており、複数のオイル孔56aを介して、入力軸12の潤滑が必要な部位(例えば同期装置等)にオイルが供給されるようになっている。
図2に示すように、第2通路58は、上方が開いた樋状(断面U字状)に構成されている。第2通路58は、第1通路56から縦壁部57を介して案内されたオイル又は変速段用ギヤ列の変速ギヤ40によって掻き揚げられたオイルが直接に案内されるようになっている。図1において二点鎖線で示すように、第2通路58は、入力軸12の左側部を軸方向に沿って後方へ延び、ベアリングハウジング60及び第3軸受23の左側部を通って第3空間S3まで延びている。
図3は、減速用ギヤ列近傍の変速機の断面斜視図、図4は、減速用ギヤ列近傍の変速機の別の断面斜視図である。図5は、オイル供給部材を取り除いた図3に示す変速機の断面斜視図、図6は、オイル案内部材近傍の変速機の断面斜視図である。図6では、減速用ギヤ列を取り除いたオイル案内部材近傍の変速機を示している。
図3から図6に示すように、第2通路58は、ベアリングハウジング60、減速用ドリブンギヤ38及び第3軸受23の左側部を通って第3軸受23の後側に延びて出力軸13の周囲に形成された第3空間S3まで延びている。変速機ケース2には、第3軸受23の前側の第2空間S2と第3軸受23の後側の第3空間S3とを連通させる連通穴71が設けられている。第2通路58は、連通穴71を通じて第3空間S3まで延びている。
第2通路58は、変速段用ギヤ列の変速ギヤ40によって掻き揚げられて直接又は間接に案内されたオイルを後方へ案内して第3空間S3に回収するように構成されている。本実施形態では、第3空間S3は、変速段用ギヤ列によって掻き揚げられたオイルを回収するオイル回収部S3として機能する。
図1に示すように、出力軸13には、前側から後側に軸方向に延びる軸内油路13aと、軸内油路13aから径方向に延びて出力軸13の外周面に開口する油路13bとが設けられている。入力軸12には、出力軸13の軸内油路13aに連通して後側から前側に軸方向に延びる軸内油路12aと、軸内油路12aから径方向に延びて入力軸12の外周面に開口する油路12bとが設けられている。
第3空間S3に回収されたオイルは、出力軸13の油路13bを通じて出力軸13の軸内油路13aに導入され、入力軸12の軸内油路12a及び油路12bを通じて入力軸12と3速段、4速段、5速段用ドライブギヤ33,34,35との嵌合面に供給されるようになっている。
変速機1では、第3空間S3に回収されたオイルはまた、連通穴71を通じて減速用ギヤ列G0のギヤ噛合部65に案内して供給するようになっている。変速機1は、第3空間S3に回収されたオイルを減速用ギヤ列G0のギヤ噛合部65に案内するオイル案内部材80を備えている。
図3に示すように、連通穴71は、第3軸受23の左側部に設けられ、第3軸受23を支持する変速機ケース2の内面の一部が径方向外側に窪んで形成されている。連通穴71は、図5及び図6に示すように、出力軸13の軸芯と上下方向に略同位置で略水平方向に延びる底面部72と、底面部72の上方において略水平方向に延びる上面部73と、底面部72の径方向外側から上面部73の径方向外側に上下方向に延びる外側面部74と、底面部72の径方向内側から上面部73の径方向内側に上下方向に延びる内側面部75とを備えている。連通穴71の底面部72、上面部73及び内側面部75は変速機ケース2によって構成され、連通穴71の内側面部75は第3軸受23によって構成されている。
連通穴71の底面部72は、第3空間S3に連通するように第3軸受23の後側に延びると共に、第2空間S2に連通するように第3軸受23の前側に延びている。図5に示すように、底面部72の後部72aは、第3軸受23より後側において第3空間S3から変速機ケース2まで径方向外側に延び、底面部72の前部72bは、第3軸受23より前側において減速用ドリブンギヤ38の左側から変速機ケース2まで径方向外側に延びている。底面部72の軸方向の中央部72cは、第3軸受23から変速機ケース2まで径方向外側に延びている。
連通穴71の底面部72は、中央部72cの径方向外側から前部72bが前側に延びるように形成され、減速用ギヤ列G0の減速用ドリブンギヤ38に所定の間隔をあけて配置されている。連通穴71の底面部72には、前部72b及び中央部72cに沿ってオイル案内部材80が配置されている。連通穴71の底面部72は、図4に示すように、第3空間S3からオイル案内部材80側に向けて下方に傾斜するように形成されている。
図7は、オイル案内部材の斜視図である。図8は、オイル案内部材の正面図、上面図及び側面図であり、図8(a)、図8(b)及び図8(c)はそれぞれ、オイル案内部材の正面図、上面図及び側面図を示している。図7及び図8に示すように、オイル案内部材80は、減速用ドリブンギヤ38におけるギヤ噛合部65の回転方向上流側の外周面に沿って前記外周面に所定の間隔をあけて周方向に略円弧状に延びる底面部81と、底面部81の軸方向両側から減速用ドリブンギヤ38側に延びる両側の側面部82,83、具体的には前側面部82及び後側面部83とを備えている。
オイル案内部材80は、底面部81と両側の側面部82、83とによって断面略U字状に形成され、減速用ドリブンギヤ38の外周面における左側から下側に沿って上側から下側に延びるように形成されている。減速用ドリブンギヤ38は、図5に示すように、回転方向R1で示す方向に回転し、軸芯から左側の領域では、歯部38aが上側から下側へ移動して回転する。オイル案内部材80の底面部81と両側の側面部82、83とは、第3空間S3から連通穴71を通じて導入されてギヤ噛合部65に案内するオイルの流速を減速用ドリブンギヤ38の回転による風圧によって促進させる流速促進部84を構成する。
流速促進部84の上部は上方に開口され、流速促進部84の上部にオイルを導入するオイル導入部85が設けられている。オイル導入部85は、オイル案内部材80の底面部81及び後側面部83が減速用ドリブンギヤ38より後側に延びて形成され、減速用ドリブンギヤ38より後側に延びている。
図5に示すように、オイル導入部85は、連通穴71の底面部72の前部72b及び中央部72cに沿って当接されて配置されている。連通穴71の底面部72の中央部72cの前側にはオイル導入部85の形状に沿って後側に窪む凹部72dが形成され、凹部72d内にオイル導入部85が配置されている。オイル導入部85は、出力軸13の軸芯と上下方向に略同位置で連通穴71の底面部72より下方に配置されている。
オイル案内部材80には、第3空間S3に回収されたオイルが連通穴71を通じて前側に移動されてオイル導入部85、特に減速用ドリブンギヤ38より後側に配置されるオイル導入部85から導入されるようになっている。連通穴71は、第3空間S3からオイル案内部材80にオイルが導入されるように形成されている。
流速促進部84の下部は下方に開口され、流速促進部84の下部にギヤ噛合部65にオイルを導出するオイル導出部86が設けられている。オイル導出部86は、ギヤ噛合部65と上下方向に略同位置に配置され、減速用ドリブンギヤ38及び減速用ドライブギヤ48におけるギヤ噛合部65の回転方向上流側の外周面にオイルを導出してギヤ噛合部65にオイルを導出するようになっている。
減速用ドリブンギヤ38の歯部38aは、歯部38aの駆動源側が回転方向前側に位置して歯部38aの反駆動源側が回転方向後側に位置する所定の捩れ角を有するように形成されている。減速用ドライブギヤ48の歯部は、前記歯部の駆動源側が回転方向前側に位置して前記歯部の反駆動源側が回転方向後側に位置する所定の捩れ角を有するように形成されている。
変速機1では、オイル導出部86は、減速用ドリブンギヤ38及び減速用ドライブギヤ48の外周面の駆動源側である前側にオイルを導出するように設けられている。オイル案内部材80の底面部81は、減速用ドリブンギヤ38及び減速用ドライブギヤ48の駆動源側にオイルを導出するようにオイル導入部85からオイル導出部86に向けて下側に向かうにつれて前側に先細り状に形成されている。
オイル案内部材80は、後側面部83における反底面部側に前側に延びる上面部87を備えている。上面部87は、底面部81の反駆動源側を覆うように形成されている。上面部87は、少なくともオイル案内部材80における減速用ドリブンギヤ38より反駆動源側を覆うように形成されている。上面部87は、第3空間S3から導入されたオイルの流出を防止する流出防止部として機能する。オイル案内部材80の上面部87は、図8(b)に示すように、オイル導入部85からオイル導出部86に向かうにつれて先細り状に形成されている。
オイル案内部材80は、前側面部82より前側に略円柱状に軸方向に延びる2つの前側取付部91と、後側面部83より後側に略円柱状に軸方向に延びる後側取付部92とを備えている。図4に示すように、ベアリングハウジング60には、前側取付部91の形状に応じて軸方向に円筒状に延びる2つの取付穴61が形成され、変速機ケース2には、後側取付部92の形状に応じて軸方向に円筒状に窪む取付凹部2bが形成されている。
オイル案内部材80は、2つの前側取付部91がベアリングハウジング60の2つの取付穴61にそれぞれ差し込まれ、後側取付部92が変速機ケース2の取付凹部2bに差し込まれることで、変速機ケース2に取り付けられている。
次に、変速機1の内側におけるオイルの流れについて説明する。
先ず、図1及び図2において矢印F1〜F3で示すように、オイル貯留部7に貯留されたオイルは、変速段用ギヤ列G1〜G4、具体的にはカウンタ軸14に設けられた変速段用ギヤ列G1〜G4の変速ギヤ40によって回転方向R2への回転に伴って上方へ掻き揚げ得られる。特に、1速段,2速段用ドリブンギヤ41,42の歯部により掻き揚げられたオイルは、オイルバッフル53により案内されて効率的に上方へ掻き揚げられる。
次に、図2において矢印F4,F5で示すように、掻き揚げられたオイルはオイルパス55で受け止められる。図1及び図2において矢印F6で示すように、オイルパス55において上方に位置する第1通路56上を後方へ案内されるオイルは、複数のオイル孔56aを介して、下方の入力軸12上の入力ギヤ30に供給される。入力ギヤ30に供給されたオイルは、下方のカウンタ軸14上の各部を潤滑しつつ又は直接にオイル貯留部7に至る。
また、図2において矢印F7で示すように、オイルパス55において下方に位置する第2通路58上を後方へ案内されるオイルは、第3空間S3に供給されて回収される。第3空間S3に回収されたオイルは、第3空間S3に貯留されるとともに、油路13bを介して出力軸13内に導入され、入力軸12上の嵌合面などを潤滑しつつオイル貯留部7に至る。
図5及び図6において矢印F8で示すように、第3空間S3に回収されたオイルはまた、連通穴71の底面部72に沿って第2空間S2に案内され、底面部72に沿って配置されたオイル導入部85からオイル案内部材80に導入される。オイル導入部85は、減速用ギヤ列G0の後側に底面部72に沿って設けられるので、第2空間S2に案内されるオイルが効果的に導入される。
図9は、ギヤ噛合部へのオイルの供給を説明するための説明図である。オイル導入部85からオイル案内部材80に導入されたオイルは、図9において矢印F9で示すように、底面部81に沿って下方へ流れる。オイル案内部材80の底面部81に沿って流れるオイルは、減速用ドリブンギヤ38の回転方向R1で示す方向の回転によってオイルの流速が加速されて下方へ流れる。
オイル案内部材80の底面部81に沿って下方へ流れるオイルは、図9において矢印F10で示すように、オイル導出部86から減速用ギヤ列G0のギヤ噛合部65側に導出され、ギヤ噛合部65の回転方向上流側の減速用ドライブギヤ48及び減速用ドリブンギヤ38の歯部に供給される。オイル導出部86から減速用ギヤ列G0のギヤ噛合部側に導出されたオイルは、減速用ギヤ列G0のギヤ噛合部65を潤滑する。
第3空間S3から連通穴71を通じて第2空間S2に案内されたオイルは、オイル案内部材80を通じて減速用ギヤ列G0のギヤ噛合部65を潤滑しつつ又は直接にオイル貯留部7に至る。
本実施形態では、オイル案内部材80の底面部81は、図6に示すように、上部が変速機ケース2の内面に沿って内側に突出するように形成されているが、オイル案内部材80の底面部81を、上部から下部に亘って減速用ドリブンギヤ38におけるギヤ噛合部65の回転方向上流側の外周面に沿って略円弧状に形成することも可能である。オイル案内部材80の底面部81は、減速用ドリブンギヤ38の外周面との間隔がギヤ噛合部側に向かうにつれて小さくなるように曲線状に形成することも可能である。
本実施形態ではまた、変速段用ギヤ列からなる第1ギヤ列によって掻き揚げられたオイルが、オイルパス55によって第3空間S3からなるオイル回収部S3に回収され、オイル回収部S3に回収されたオイルが、オイル案内部材80に導入されるようになっているが、変速段用ギヤ列からなる第1ギヤ列によって掻き揚げられたオイルが、オイルパス55によって回収され、オイル回収部としてのオイルパス55に回収されたオイルが、オイルパス55からオイル案内部材80に直接導入されるようにすることも可能である。
変速機1では、第1ギヤ列としてオイル貯留部7に浸かっている1速段〜4速段用ギヤ列G1〜G4によって掻き揚げられたオイルが、第2ギヤ列としての減速段用ギヤ列G0に案内されているが、1速段〜5速段用ギヤ列G1〜G5、好ましくは1速段〜2速段用ギヤ列G1〜G2によって掻き揚げられたオイルを減速用ギヤ列G0に案内するようにしてもよい。
このように、本実施形態に係る変速機の潤滑構造は、入力軸12又は出力軸13に設けられた第1ギヤとカウンタ軸14に設けられて第1ギヤに噛み合う第2ギヤとでそれぞれなる第1ギヤ列G1〜G4及び第2ギヤ列G0と、第1ギヤ列G1〜G4によって掻き揚げられたオイルを回収するオイル回収部S3と、オイル回収部S3に回収されたオイルを第2ギヤ列G0のギヤ噛合部65に案内するオイル案内部材80とを備える。オイル案内部材80は、ギヤ噛合部65に案内するオイルの流速を促進させる流速促進部84を有する。流速促進部84は、第2ギヤ列G0の第1ギヤ38におけるギヤ噛合部65の回転方向上流側の外周面に沿って延びる底面部81を有する。
これにより、第1ギヤ列G1〜G4によって掻き揚げられたオイルがオイル案内部材80によって第2ギヤ列G0のギヤ噛合部65に案内されて供給されるので、第2ギヤ列G0を第1ギヤ列G1〜G4より第2ギヤの外径を小さく形成すると共に第1ギヤ列G1〜G4の第2ギヤの歯部がオイル液面下に位置するようにオイル貯留部7にオイルを貯留することで、第2ギヤ列G0のギヤ噛合部65にオイルを供給しつつオイルの貯留レベルLを低減させることができる。
オイル案内部材80の流速促進部84は、第2ギヤ列G0の第1ギヤ38におけるギヤ噛合部65の回転方向上流側の外周面に沿って延びる底面部81を有するので、第2ギヤ列G0の第1ギヤ38の回転による風圧によって流速促進部84の底面部81に沿ってギヤ噛合部側に下側に向かうオイルの流速を増加させ、ギヤ噛合部65に供給するオイルの供給量を確保することができる。ギヤ噛合部側に向かうオイルの流速を増加させることで、オイルがオイル案内部材80から離れてギヤ噛合部側に移動するときに、第2ギヤ列G0の第1ギヤ38の回転による風を受けてギヤ噛合部65から離れる方向に移動することを抑制できるので、ギヤ噛合部65に供給するオイル供給量が低減することを抑制してギヤ噛合部65に供給するオイル供給量を確保することができる。
したがって、第1ギヤ列G1〜G4によって掻き揚げられたオイルを第2ギヤ列G0のギヤ噛合部65に供給する変速機1において、ギヤ噛合部65に供給するオイル供給量を確保しつつオイルの貯留レベルLを低減させて燃費性能の向上を図ることができる。
また、流速促進部84は、底面部81の軸方向両側に第2ギヤ列G0の第1ギヤ側に延びる両側の側面部82,83を有する。
これにより、流速促進部84に両側の側面部82,83が備えられるので、流速促進部84の底面部81に沿ってギヤ噛合部側に向かうオイルが第2ギヤ列G0の第1ギヤ38の回転による風圧によって底面部81の軸方向両側に流出することを抑制することができ、ギヤ噛合部65に供給するオイル供給量が低減することを抑制することができる。
また、オイル回収部S3は、第2ギヤ列G0の第1ギヤ38より軸方向一方側に設けられ、オイル案内部材80は、流速促進部84の軸方向一方側の側面部82における反底面部側に軸方向他方側に延びてオイルの流出を防止する流出防止部87を有する。
これにより、オイル案内部材80は、オイル回収部S3が設けられた流速促進部84の軸方向一方側の側面部82に軸方向他方側に延びる流出防止部87が設けられるので、オイル案内部材80に軸方向一方側からオイルが導入される場合に、流速促進部84の底面部81に沿ってギヤ噛合部側に向かうオイルが底面部81の軸方向一方側に流出することを抑制することができ、ギヤ噛合部65に供給するオイル供給量が低減することを抑制することができる。
また、オイル案内部材80は、流速促進部84の下部にギヤ噛合部65にオイルを導出するオイル導出部86を有し、流出防止部87は、オイル導出部86に向かうにつれて先細り状に形成される。
これにより、流出防止部87は、オイル導出部86に向かうにつれて先細り状に形成されるので、流速促進部84の底面部81に沿ってギヤ噛合部側に向かうオイルがオイル導出部86に向かうにつれて、第2ギヤ列G0の第1ギヤ38の回転による風圧によってオイルの流速が増加されることが流出防止部87によって阻害されることを抑制することができる。
また、オイル回収部S3は、第2ギヤ列G0の第1ギヤ38より軸方向一方側に設けられ、オイル案内部材80は、流速促進部84の上部にオイル導入部85を有し、オイル導入部85は、第2ギヤ列G0の第1ギヤ38より軸方向一方側に延びている。
これにより、オイル案内部材80のオイル導入部85は、第2ギヤ列G0の第1ギヤ38より軸方向一方側に延びているので、オイル導入部85が第2ギヤ列G0の第1ギヤ38と軸方向にオーバーラップする位置に設けられる場合に比して、第2ギヤ列G0の第1ギヤ38の回転による風の影響を抑制してオイル回収部S3からオイルを導入させることができる。
また、変速機1は、入力軸12の回転を入力軸12とカウンタ軸14との間に設けられた変速段用ギヤ列GR,G1〜G5により減速してカウンタ軸14に伝達し、カウンタ軸14に伝達された回転を減速用ギヤ列G0により一定の減速比で減速して出力軸13に伝達するアウトプットリダクションタイプの変速機1であり、第1ギヤ列は、変速段用ギヤ列G1〜G4であり、第2ギヤ列は、減速用ギヤ列G0である。
これにより、変速段用ギヤ列G1〜G4によって掻き揚げられたオイルを減速用ギヤ列G0のギヤ噛合部65に供給するアウトプットリダクションタイプの変速機1において、ギヤ噛合部65に供給するオイル供給量を確保しつつオイルの貯留レベルLを低減させて燃費性能の向上を図ることができる。第1ギヤ列G1〜G4を第2ギヤの外径が比較的大きく形成された1速段及び2速段用ギヤ列G1,G2などの変速段用ギヤ列G1,G2とすることで、オイルの貯留レベルLを有効に低減させることができ、前記効果を有効に得ることができる。
また、オイル回収部S3は、減速用ギヤ列G0の第1ギヤ38より反駆動源側に配置されて出力軸13を変速機ケース2に支持する軸受23の反駆動源側に設けられ、変速機ケース2に、軸受23の駆動源側と反駆動源側とを連通させる連通穴71が設けられ、連通穴71は、オイル回収部S3からオイル案内部材80にオイルが導入されるように形成される。
これにより、オイル回収部S3は、減速用ギヤ列G0の第1ギヤ38より反駆動源側に配置される軸受23の反駆動源側に設けられ、変速機ケース2に設けられた連通穴71は、オイル回収部S3からオイル案内部材80にオイルが導入されるように形成されるので、オイル回収部S3が減速用ギヤ列G0の第1ギヤ38より反駆動源側に配置される軸受23の反駆動源側に設けられる場合においても、オイル回収部S3からオイル案内部材80にオイルを導入させることができる。
本発明は、例示された実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能である。
以上のように、本発明によれば、ギヤ噛合部に供給するオイル供給量を確保しつつオイルの貯留レベルを低減させて燃費性能の向上を図ることが可能であるから、縦置き式の手動変速機などの変速機ないしこれを搭載する車両の製造技術分野において好適に利用される可能性がある。
1 変速機
2 変速機ケース
7 オイル貯留部
12 入力軸
13 出力軸
14 カウンタ軸
38 減速用ドリブンギヤ
48 減速用ドライブギヤ
65 ギヤ噛合部
71 連通穴
80 オイル案内部材
81 底面部
82,83 側面部
84 流速促進部
85 オイル導入部
86 オイル導出部
87 流出防止部
G0 減速用ギヤ列
G1,G2,G3,G4,G5,GR 変速段用ギヤ列
S3 オイル回収部

Claims (7)

  1. 同一軸線上に配置された入力軸及び出力軸と、前記入力軸及び前記出力軸より低位置で前記入力軸及び前記出力軸と平行に配置されたカウンタ軸と、前記入力軸又は前記出力軸に設けられた第1ギヤと前記カウンタ軸に設けられて前記第1ギヤに噛み合う第2ギヤとでそれぞれなる第1ギヤ列及び第2ギヤ列とを備える変速機の潤滑構造であって、
    前記第1ギヤ列によって掻き揚げられたオイルを回収するオイル回収部と、
    前記オイル回収部に回収されたオイルを前記第2ギヤ列のギヤ噛合部に案内するオイル案内部材とを備え、
    前記オイル案内部材は、前記第2ギヤ列の第1ギヤにおける前記ギヤ噛合部の回転方向上流側の外周面に沿って延びる底面部を備えて前記ギヤ噛合部に案内するオイルの流速を促進させる流速促進部を有している、
    ことを特徴とする変速機の潤滑構造。
  2. 前記流速促進部は、前記底面部の軸方向両側に前記第2ギヤ列の第1ギヤ側に延びる両側の側面部を有している、
    ことを特徴とする請求項1に記載の変速機の潤滑構造。
  3. 前記オイル回収部は、前記第2ギヤ列の第1ギヤより軸方向一方側に設けられ、
    前記オイル案内部材は、前記流速促進部の軸方向一方側の側面部における反底面部側に軸方向他方側に延びてオイルの流出を防止する流出防止部を有している、
    ことを特徴とする請求項2に記載の変速機の潤滑構造。
  4. 前記オイル案内部材は、前記流速促進部の下部に前記ギヤ噛合部にオイルを導出するオイル導出部を有し、
    前記流出防止部は、前記オイル導出部に向かうにつれて先細り状に形成されている、
    ことを特徴とする請求項3に記載の変速機の潤滑構造。
  5. 前記オイル回収部は、前記第2ギヤ列の第1ギヤより軸方向一方側に設けられ、
    前記オイル案内部材は、前記流速促進部の上部にオイルを導入するオイル導入部を有し、
    前記オイル導入部は、前記第2ギヤ列の第1ギヤより軸方向一方側に延びている、
    ことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の変速機の潤滑構造。
  6. 前記変速機は、前記入力軸の回転を前記入力軸と前記カウンタ軸との間に設けられた変速段用ギヤ列により減速して前記カウンタ軸に伝達し、前記カウンタ軸に伝達された回転を減速用ギヤ列により一定の減速比で減速して前記出力軸に伝達するアウトプットリダクションタイプの変速機であり、
    前記第1ギヤ列は、前記変速段用ギヤ列であり、
    前記第2ギヤ列は、前記減速用ギヤ列である、
    ことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の変速機の潤滑構造。
  7. 前記オイル回収部は、前記減速用ギヤ列の第1ギヤより反駆動源側に配置されて前記出力軸を変速機ケースに支持する軸受の反駆動源側に設けられ、
    前記変速機ケースに、前記軸受の駆動源側と前記軸受の反駆動源側とを連通させる連通穴が設けられ、
    前記連通穴は、前記オイル回収部から前記オイル案内部材にオイルが導入されるように形成されている、
    ことを特徴とする請求項6に記載の変速機の潤滑構造。
JP2020067282A 2020-04-03 2020-04-03 変速機の潤滑構造 Pending JP2021162136A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020067282A JP2021162136A (ja) 2020-04-03 2020-04-03 変速機の潤滑構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020067282A JP2021162136A (ja) 2020-04-03 2020-04-03 変速機の潤滑構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021162136A true JP2021162136A (ja) 2021-10-11

Family

ID=78004625

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020067282A Pending JP2021162136A (ja) 2020-04-03 2020-04-03 変速機の潤滑構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021162136A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115435067A (zh) * 2022-11-07 2022-12-06 中国重汽集团济南动力有限公司 一种电驱桥减速器轴承油池润滑装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115435067A (zh) * 2022-11-07 2022-12-06 中国重汽集团济南动力有限公司 一种电驱桥减速器轴承油池润滑装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2014155934A1 (ja) 変速機の潤滑構造
WO2014155933A1 (ja) 変速機の潤滑構造
CN102483145B (zh) 变速器
JP3646498B2 (ja) トランスミッションの潤滑装置
US20120096968A1 (en) Transmission
JP5802379B2 (ja) 車両用変速機の整流板
JP2011007210A (ja) 変速機
JP6390786B2 (ja) デファレンシャル装置
JP6332360B2 (ja) 動力伝達装置の潤滑構造
JP6365827B2 (ja) 変速機の潤滑構造
JP2021162136A (ja) 変速機の潤滑構造
JP5304237B2 (ja) 遊星歯車機構の潤滑構造
JP2011064211A (ja) 変速機
JP7234601B2 (ja) 変速機の潤滑構造
WO2014033940A1 (ja) オイルガータおよびこれを備える変速機
JP6502986B2 (ja) 動力伝達装置の潤滑構造
JP6361632B2 (ja) 変速機の潤滑構造
JP3209662U (ja) 潤滑構造およびこれを備える変速機
JP2016118261A (ja) 変速機の潤滑構造
JP2017180505A (ja) 変速機の潤滑構造
JP7268525B2 (ja) 変速機の潤滑構造
JP2006144993A (ja) リバースアイドラ軸の潤滑構造
WO2020250694A1 (ja) 動力伝達装置および動力伝達装置の製造方法
JP7004081B2 (ja) ハイブリッド車両
JP2020085146A (ja) 変速機のケース構造