JP6841635B2 - 磁心の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、磁心の製造方法に関する。
磁心は、トランスやモータなど電気−磁気変換を利用する製品に広く用いられており、鉄損によるエネルギーロスが少ないことが期待される。鉄損が低いなどの優れた軟磁気特性を有する磁心の材料として、例えば、極薄けい素鋼板,6.5%けい素鋼板,アモルファス合金などがある。
磁心は、例えば、アモルファス状態の合金が所定の形状に成形された成形体を焼鈍熱処理することで製造される。この成形体として、アモルファス状態の合金の薄帯を重ねてブロック状に成形したものを用いる場合、例えば、成形体に切断加工する際の歪を除去する焼鈍熱処理の温度管理が難しく、磁心材料を所望の磁気特性を得ることが難しいことがある。そこで、上記の成形体として、軟磁性の脆性材料で形成された薄帯(以下、薄帯という)を巻回した巻磁心を用いる手法がある。巻磁心は、例えば、薄帯にテンション(引張応力)を掛けながら、型枠の外周面で薄帯を巻き取ることで形成される。
特許第3424767号
薄帯を磁心の材料として用いる場合、型枠の外周面で巻き取る際のテンションによって薄帯が脆性破壊し、薄帯の破断等によって材料の無駄が増加することがある。そこで、薄帯の脆性破壊を低減するようにテンションを弱めると、径方向に重なる薄帯間の隙間が増加して占積率が低下し、スペースの無駄が多くなってしまう。
本発明は、上述の事情に鑑みなされたものであり、磁心材料として脆性材料を適用しつつ、薄帯の脆性破壊の発生を抑制し、かつ占積率の低下を抑制することが可能な磁心の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の態様によれば、磁心の製造方法が提供される。磁心の製造方法は、外型枠の内周面側に対して薄帯を繰り出すことによ、薄帯を外型枠の内周面に沿わせて巻回し、外型枠の内側に薄帯の巻磁心を形成することを含んでよい。磁心の製造方法は、巻磁心の内側に内型枠を配置することを含んでよい。磁心の製造方法は、内型枠に対して巻磁心の内周面を回転させることで、巻磁心の内周面と外周面とを相対的に回転させ、巻磁心を締め込むことを含んでよい。磁心の製造方法は、内型枠に対して巻磁心を締め込んだ後に、巻磁心と内型枠とを押し合わせることを含んでよい。磁心の製造方法は巻磁心と内型枠とを押し合わせた後に、巻磁心の内側に内型枠が配置された状態で巻磁心を熱処理し、巻磁心の歪を取ることをんでよい。
磁心を形成することは、薄帯が巻き取られたロール状の元材料を外型枠の内側に配置することを含んでよい。巻磁心を形成することは、ロール状の元材料を回転させて薄帯をロール状の元材料から繰り出すことで、薄帯を外型枠の内周面に沿わせて巻回することを含んでよ。外型枠の周方向に垂直な幅方向から見た外型枠の内周面の形状は、円形状、楕円状、又は長円状であってよい。巻磁心と内型枠とを押し合わせることにより、巻磁心を矩形枠状に成形してよい。外型枠は、巻磁心の外周の長さを制限し、かつ変形可能な材質で形成されてよい。外型枠の内側に巻磁心を形成するにあたり、巻磁心の外周面を外型枠で支持した状態で、巻磁心を矩形枠状に近づけるように外型枠とともに変形させよい。内型枠は、複数のパーツに分割可能であり、巻磁心の内側で複数のパーツが組み立てられることで巻磁心の内側に配置されてよ。複数のパーツは、互いに対向して巻磁心の内側に配置される一対の第1側板を含んでよい。複数のパーツは、一対の第1側板の間に挿入され、一対の第1側板と係合する第2側板をんでよい。第1側板と第2側板との係合部は、巻磁心の周方向に垂直な幅方向に対して傾斜してよ。熱処理よりも前に、巻磁心の内側に透磁性を有する補強材を取り付けることを含んでよい。補強材は、巻磁心とともに熱処理されて磁心の一部を構成してよい。補強材は、ライナープレートであってよい。薄帯の厚みは、10μm以上100μm以下であってよい。
本発明の磁心の製造方法は、磁心となる脆性材料の薄帯に引張応力をかけながら型枠の外側に薄帯を巻き付ける場合と比較して、薄帯を外型枠の内周面側に対して繰り出すので、薄帯に圧縮応力が働き、薄帯の脆性破壊の発生が抑制される。また、この圧縮応力は、薄帯を外型枠の内周面側に押し付けるので、薄帯が外型枠の内周面側に密接して隙間が減少し、薄帯の圧縮応力が緩和される。このように、本発明によれば薄帯の脆性破壊の発生を抑制し、かつ薄帯を巻回した巻磁心の占積率の低下を抑制することができる。
また、ロール状の元材料を外型枠の内側に配置し、ロール状の元材料を回転させて薄帯をロール状の元材料から繰り出す場合、ロール状の元材料の幅方向において、ロール状の元材料上から外型枠の内周面上へ繰り出される薄帯の変形量を減らすことができ、薄帯の脆性破壊の発生を抑制することができる。また、外型枠の内周面の形状が円形状、楕円状、又は長円状である場合、外型枠の周方向において薄帯に働く応力を均一化することができ、薄帯の脆性破壊の発生を抑制することができる。
また、熱処理よりも前に、巻磁心を矩形枠状に成形することを含む場合、巻磁心を形成する際に磁心の一般的な形状である矩形枠状にする必要がない。したがって、薄帯を矩形枠状に巻回する場合と比較して、外型枠の内周面に沿って湾曲する薄帯の曲率半径を大きくすることができ、薄帯の脆性破壊の発生を抑制することができる。また、巻磁心を成形するので、成形する際の力が巻磁心に分散して働くことになり、薄帯の脆性破壊の発生を抑制することができる。
また、巻磁心の外周面を外型枠で支持した状態で、巻磁心を外型枠とともに変形させる場合、巻磁心の外周面が外型枠で支持されるので巻磁心において薄帯が緩むことが抑制され、脆性材料の薄帯が巻回された巻磁心の占積率の低下が抑制される。また、巻磁心を外型枠とともに変形させるので、簡便に巻磁心を変形させることができる。
また、巻磁心の内側に内型枠を配置し、巻磁心と内型枠とを押し合わせる場合、巻磁心と内型枠とを押し合わせることで、径方向に重なる薄帯間の隙間を減らすことができ、脆性材料の薄帯が巻回された巻磁心の占積率の低下が抑制される。また、巻磁心の内側で複数のパーツが組み立てられることで巻磁心の内側に配置される場合、一体的な内型枠を巻磁心の内側に押し込む場合と比較して、巻磁心の損傷を抑制することができ、かつ巻磁心と内型枠とを密接させることができる。また、複数のパーツの第1側板と第2側板との係合部が巻磁心の周方向に垂直な幅方向に対して傾斜している場合、一対の第1側板の間に第2側板を簡便に挿脱することができる。
また、熱処理よりも前に、巻磁心の内周面と外周面とを相対的に回転させ、巻磁心を締め込む場合、径方向に重なる薄帯間の隙間を減らすことができ、脆性材料の薄帯が巻回された巻磁心の占積率の低下が抑制される。また、締め込む際の力が巻磁心に分散して働くことになり、薄帯の脆性破壊の発生を抑制することができる。
また、熱処理よりも前に、巻磁心の内側に透磁性を有する補強材を取り付け、補強材は、巻磁心とともに熱処理されて磁心の一部を構成する場合、巻磁心に補強材が取り付けられているので熱処理を行う際の巻磁心を扱いやすくなり、また熱処理中あるいは熱処理後の巻磁心の変形を抑制することができる。また、補強材を磁心の一部として利用するので、磁心から補強材を取り外す必要がなく、磁心から補強材を取り外す際の損傷を回避することができる。
磁心の例を示す図である。 実施形態に係る磁心の製造方法を示すフローチャートである。 外型枠およびロール状の薄帯を示す図である。 薄帯の巻磁心を形成する処理を示す図である。 巻磁心を変形させる処理を示す図である。 巻磁心を締め込む処理を示す図である。 内型枠を示す図である。 巻磁心と内型枠とを押し合わせる処理、熱処理後の磁心を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、実施形態について説明する。以下の各図において、XYZ座標系を用いて図中の方向を説明する。X方向、Y方向、及びZ方向のそれぞれに関して、矢印の向きを+側(例、+X側)と称し、その反対側を−側(例、−X側)と称する。まず、実施形態に係る磁心の製造方法の説明に先立ち、トランスおよび磁心の例について説明する。
図1は、磁心に巻線を巻回した例を示す図である。図1(A)には、磁心2に巻線3、巻線4を巻回した状態を示した。図1に示す磁心2は、鉄心と称されることがあり、実施形態に係る製造方法で製造される。磁心2は、矩形枠状の部材である。以下の説明において、周方向に垂直な方向(Z方向)を幅方向と称し、幅方向から平面視した形状(XY平面上の形状)を平面形状と称す。磁心2は、平面形状が矩形の角を丸めた矩形状である。磁心2は、軟磁性部5および補強材6を備える。
軟磁性部5は、例えば、アモルファス合金を成形した後に熱処理したもので構成される。軟磁性部5は、平面形状が矩形枠状であり、アモルファス合金の薄帯を巻回した巻磁心を熱処理することで形成される。
軟磁性部5となる薄帯の厚みは、任意に選択され、例えば10μm以上100μm以下である。
補強材6は、軟磁性部5の内側に接しており、幅方向から平面視した形状が矩形状である。補強材6は、ライナープレートなどであり、軟磁性部5の形成過程あるいは形成後において軟磁性部5の変形を抑制する。補強材6は、例えばけい素鋼板などのように、一般に磁心材料として利用可能なレベルの透磁率(透磁性)を有する。磁心2に対する巻線3、巻線4の取り付け方法は、任意に設定される。例えば、磁心2は、周方向の所定の位置で切断され、予め巻かれた巻線が磁心の切断部を通して挿入されるものでもよい。
次に、図1(B)に示した磁心2の構成に基づき、磁心の製造方法について説明する。図2は、実施形態に係る磁心の製造方法を示すフローチャートである。磁心を製造するには、ステップS1において、薄帯を巻回した巻磁心を形成する。ステップS1の処理は、例えば、ステップS2の処理およびステップS3の処理を含む。以下、図3、図4を参照して、ステップS1の各処理について説明する。
図3は、巻磁心の形成に用いる外型枠およびロール状の薄帯を示す図である。図3(A)は、幅方向から平面視した図であり、図3(B)は、幅方向に対する側方から平面視した図である。図4は、薄帯の巻磁心を形成する処理を示す図である。外型枠11は、筒状の部材であり、平面形状が概ね円環状である。外型枠11は、例えば、紙などを筒状に丸めて両端を粘着テープで止めたものであり、伸縮が小さく、かつ変形が容易である。ロール状の元材料12は、心材13の外周面に薄帯14を巻回したものである。薄帯14は、熱処理によって巻磁心となる材料である。薄帯14は、アモルファス合金などの軟磁性の脆性材料で形成されている。上述の外型枠11を作業テーブルなどの上に配置し、外型枠11の内側にロール状の元材料12を配置する(図2のステップS2)。
図4は、薄帯の巻磁心を形成する処理を示す図である。図4(A)に示すように、ロール状の元材料12を回転させると、薄帯14は、ロール状の元材料12から外型枠11の内周面11a側に対して繰り出される(図2のステップS3)。繰り出された薄帯14には、その長さ方向に圧縮応力がかかる。一般的に脆性材料は、引張強度よりも圧縮強度の方が強いため、薄帯14にテンションをかけてロール状の元材料12から引き出す場合と比べて、薄帯14の脆性破壊の発生が抑制される。
図4(B)に示すように、薄帯14は、ロール状の元材料12からさらに繰り出されることで外型枠11の内周面11aに接触し、内周面11aに沿って湾曲する。外型枠11の内周面11aの曲率半径は、薄帯14の機械特性(脆性)を加味して設定され、薄帯14が内周面11aに沿って湾曲する際に脆性破壊が発生しない値に設定される。また、外型枠11の内周面11aに巻かれた部分の薄帯14に働く応力は、平面視した内周面11aの形状が真円に近いほど(偏平率が1に近いほど)、外型枠11の周方向で均一になる。そのため、外型枠11の内周面11aの形状が、円形状、楕円状、又は長円状であると、薄帯14の脆性破壊の発生を抑制することができる。外型枠11の内周面11aの形状は、その他の形状でもよく、例えば角を丸めた多角形(例、矩形状)でもよい。この場合、薄帯14の脆性を加味して角の曲率半径を設定することで、薄帯14の脆性破壊の発生を抑制することができる。
薄帯14は、内周面11aに沿って巻回され、前の回転で巻かれた部分に次の回転で巻かれた部分が順に重なり、巻磁心15が形成される。薄帯14は、繰り出される際にかかる圧縮応力によって、外型枠11の内周面11a側に向かって押しつけられ、平面視した内周面11aの径方向に重なる薄帯14の隙間が減少する。図4(C)に示すように、ロール状の元材料12の薄帯14を巻き終わった際に、巻回数または巻厚が不足する場合には次のロール状の元材料12を外型枠11の内側に配置して、図4(A)と同様に薄帯14を繰り出して所定の巻回数または巻厚となるまで薄帯14を巻回する。
次に、図2のステップS4において、巻磁心を矩形枠状に成形する。ステップS4の処理は、例えば図2のステップS5からステップS9の処理を含む。以下、図5から図8を参照して、ステップS4の各処理について説明する。
図5は、巻磁心を変形させる処理を示す図である。図4で説明したように所定の巻回数または巻厚まで薄帯14を巻回することによって、図5(A)に示すような巻磁心15が外型枠11の内側に形成される。このような巻磁心15に対して、図5(B)に示すように巻磁心15の外側から押圧することによって、巻磁心15を矩形枠状に近づけるように、例えば楕円状に変形させる(図2のステップS5)。
ここでは、外型枠11は、伸縮しないことで巻磁心15の外周の長さを制限し、かつ変形可能な材質で形成されており、巻磁心15の外周面15aを外型枠11で支持した状態で、巻磁心15を外型枠11とともに変形させる。そして、図5(C)に示すように、変形させた巻磁心15の内側に補強材6を挿入する(図2のステップS6)。なお、図5(C)では、巻磁心15と補強材6とが密接しているが、巻磁心15と補強材6との間に隙間があってもよい。
図6は、巻磁心を締め込む処理を示す図である。内型枠16を巻磁心15の内側に配置(図6(A)参照)し、内型枠16を支持として巻磁心15を締め込む。図7は、巻磁心の成形に用いる内型枠を示す図であり、図7(A)は斜視図、図7(B)は上面図、図7(C)は側面図である。
図7に示すように、内型枠16は、一対の第1側板17、18、及び一対の第2側板19、20を備える。内型枠16は、例えば金属製であり、後の熱処理(図2のステップS10)の熱に耐えるものが選択される。一対の第1側板17、18は、互いに対向して巻磁心の内側に配置される。第1側板17、18は、平面視した磁心の内周面において短辺およびその角の部分の形状を定めることに使われる。第1側板18は、第1側板17および巻磁心のいずれよりも幅方向(Z方向)に長く、巻磁心の内側に配置した際に幅方向において巻磁心から張り出す。第1側板18には、ボルトを通すことが可能な貫通孔18cが設けられる。貫通孔18cは、第1側板18を巻磁心の内側に配置した際に、幅方向において巻磁心から張り出す部分(Z方向の両端部)に設けられる。
第2側板19、20は、製造される磁心を平面視した内周面において長辺に平行な部分である。第2側板19、20は、それぞれ、第1側板17と第1側板18との間に挿入され、第1側板17と第1側板18との間のギャップを定める。第2側板19は、第1側板17および第1側板18のそれぞれと係合する。同様に、第2側板20は、第1側板17および第1側板18のそれぞれと係合する。第1側板17には、第2側板19の−X側の端部19aと係合する溝部17a、及び第2側板20の−X側の端部20aと係合する溝部17bが設けられる。また、第1側板18には、第2側板19の+X側の端部19bと係合する溝部18a、及び第2側板20の+X側の端部20bと係合する溝部18bが設けられる。
図7(C)に示すように、−X側の端部20aは、テーパ状であり、幅方向(Z方向)と非平行である。端部20aは、幅方向の一方(+Z側)から他方(−Z側)に向かうにつれて+X側の端部20bに近づくように、幅方向に対して傾斜している。溝部17bは、端部20aにならうように、幅方向に対して傾斜している。このように、第1側板17と第2側板20との係合部(端部20aおよび溝部17b)は、幅方向に対して傾斜している。また、図7(B)に示した端部19aおよび溝部17aは、端部20aおよび溝部17bと同様に、幅方向に対して傾斜している。第1側板17、18と第2側板19、20とが係合することで、内型枠16が組み立てられる。
内型枠16は、複数のパーツ(第1側板17、18、第2側板19、20)が巻磁心15の内側で組み立てられることで、図6(A)に示すように巻磁心15の内側に配置される。次に、図6(B)に示すように、巻磁心15の外側に、例えばゴム帯などの無端ベルト状の弾性体21を取り付ける。例えば、外型枠11として紙を巻いてテープで止めたものを用いる場合、粘着テープを外すことで外型枠11の内径を縮めることを可能にしておき、伸長させた弾性体21を巻磁心15に取り付ける。弾性体21は、その弾性反発力によって巻磁心15の外径を縮めるように、巻磁心15を押圧する。
次に、図6(C)に示すように、内型枠16に対して、巻磁心15の内周側を回転させることで、巻磁心15の内周側と外周側とを相対的に回転させ、巻磁心15を締め込む(図2のステップS8)。これにより、巻磁心15において薄帯が重なる部分間の隙間が減少し、巻磁心15の占積率の低下が抑制される。また、巻磁心15の状態で締め込むことによって、締め込む際の力が巻磁心15に分散して加わり、薄帯の脆性破壊の発生が抑制される。なお、内型枠16は、後に図8で説明するが巻磁心15を矩形枠状に成形する際に巻磁心15の内周面の形状を定める部材であるが、内型枠16を取り付けた状態で巻磁心15を締め込む場合、内型枠16を、力を加えるハンドルなどの治具として利用することができる。そのため、締め込み用の治具を別途用意する必要がなく、巻磁心15にしっかりと力を加えることができる。
図8は、巻磁心と内型枠とを押し合わせる処理、熱処理後の磁心を示す図である。図8(A)に示すように、内型枠16の第1側板18と接する巻磁心15の側部25aの外側に押さえ板26を設ける。ここでは、図7(B)に示した外型枠11および弾性体21を取り外した状態で、押さえ板26を設ける。そして、第1側板18と押さえ板26とを、ボルトおよびナットなどの固定具27によって固定し、固定具27を締め付けることで、巻磁心15の側部25aと内型枠16の第1側板18とを押し合わせる。これにより、巻磁心15の側部25aにおいて薄帯が重なる部分間の隙間が減少し、巻磁心15の占積率の低下が抑制される。
また、巻磁心15の側部25b、25cのそれぞれの外側に、巻磁心15を挟み込むように押さえ板28、29を設ける。ここでは、図7(B)に示した外型枠11および弾性体21を取り外した状態で、押さえ板28、29を設ける。そして、押さえ板28、29をクランプ装置30、31(例、しゃこ万)で挟み込み、押さえ板28、29を介してクランプ装置30、31で巻磁心15を締め付けることで、巻磁心15の側部25b、25cを押さえ板28、29にならった形状に成形する。巻磁心15の側部25b、25cは圧縮応力を受けて薄帯が重なる部分間の隙間が減少し、巻磁心15の占積率の低下が抑制される。このようにして、巻磁心15が矩形枠状に成形される(図2のステップS9)。
次に、巻磁心15に内型枠16、固定具27、押さえ板26、28、29、及びクランプ装置30、31が取り付けられた状態で、巻磁心15に熱処理を施し、巻磁心15の曲げ部の歪を取る(図2のステップS10)。内型枠16、固定具27、押さえ板26、28、29、及びクランプ装置30、31などの治具は、熱処理の温度に耐えるものが選択される。熱処理における温度履歴(温度および時間)は、アモルファス合金の薄帯の種類、巻磁心の表面積及び質量などに応じて設定される。上記の薄帯は、ステップS10の熱処理によって、薄帯からなる巻磁心15が形成される。
熱処理が終了した後、内型枠16、固定具27、押さえ板26、28、29、及びクランプ装置30、31を取り外すことによって、図8(B)に示すような磁心2が得られる。内型枠16は、複数のパーツ(第1側板17、18、第2側板19、20)に分割可能であり、巻磁心15の内側で分割されて、熱処理された巻磁心15(磁心2)から取り外される。例えば、内型枠16は、第2側板19、20を抜き取る(係合を外す)ことで第1側板17、18がフリーになり、第1側板17、18を抜き取ることで、巻磁心15(磁心2)から取り外される。
ところで、固定具27、押さえ板26、28、29、及びクランプ装置30、31などの治具を取り外す際に、磁心2は熱処理によって機械的な強度が低下している場合がある。しかしながら、磁心2には補強材6が取り付けられているので、磁心2の変形が抑制され、磁心2あるいは治具を扱やすい(作業性が高い)。
なお、本発明の技術範囲は、上述の実施形態などで説明した態様に限定されるものではない。上述の実施形態などで説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上述の実施形態などで説明した要件は、適宜組み合わせることができる。また、法令で許容される限りにおいて、上述の実施形態などで引用した全ての文献の開示を援用して本文の記載の一部とする。
なお、上述の実施形態では、巻磁心15を形成する際に図4に示したように、外型枠11の内側に配置したロール状の元材料12から薄帯14を繰り出しているが、外型枠11の外側に配置したロール状の元材料12から薄帯14を繰り出してもよい。この場合、巻磁心15が緩まないレベルで外型枠11を回転させながら、外型枠11の内側で薄帯14を巻回してもよい。また、ロール状の元材料12から薄帯14を繰り出す手法の他に、例えば、薄帯14がロール状の元材料12から別ロールに巻替することで製造される場合、薄帯14の製造装置から直接的に、あるいは搬送ローラなどを介して薄帯14を繰り出して、薄帯14を巻回してもよい。
なお、上述の実施形態では、巻磁心15を形成する際に、平面視した外型枠11の内周面の形状は、円形状(真円状)であるが、楕円状でもよいし、長円状でもよく、角を丸めた多角形(矩形状)でもよい。巻磁心15を形成する際に、平面視した外型枠11の内周面11aの曲率半径は、薄帯14の機械特性(脆性)に基づいて、外型枠11の内周面11aに薄帯14を沿わせた際に薄帯14に脆性破壊が発生しない値に設定される。
なお、実施形態で説明した巻磁心15の形成方法は、磁心2の製造方法のみならず、磁心2となる薄帯14をロール状に巻回する方法(例、ロール状の元材料12の製造方法)として広く応用することができる。また、上述の実施形態において、薄帯14は、例えば、磁心材料となるアモルファス合金の薄帯であるが、その他の材質でもよく、上述の実施形態は、薄帯を用いる磁心の製造方法に広く適用することができる。
なお、上述の実施形態では、巻磁心15を矩形枠状に成形しているが、製造される磁心2の形状に応じて、巻磁心15を成形しなくてもよいし、巻磁心15を矩形枠状以外の形状に成形してもよい。例えば、円筒状あるいは環状の磁心を製造する場合、円筒状あるいは環状の巻磁心を形成した後、成形を行わないで巻磁心を熱処理してもよい。
なお、上述の実施形態において、外型枠11は、変形可能な材質であるが、実質的に変形しない材質でもよい。例えば、図5(A)の巻磁心15から外型枠11を外して、図5(B)と同様に巻磁心15を変形させてもよい。また、外型枠11は、紙製のものに限定されず、例えばプラスチック製、金属製などでもよい。また、外型枠11は、例えば爪、フックなどの係合部を備え、係合部を留めることによって枠状になり、係合部を外すことで板状に戻すことが可能なものでもよい。また、内型枠16は、例えば一体成形されて複数のパーツに分離不能なものでもよい。この場合、内型枠16は、巻磁心15の内側に挿入されることで巻磁心15に取り付けられてもよい。また、内型枠16は、巻磁心15の内側から抜き取ることで、巻磁心15から取り外されてもよい。
なお、上述の実施形態において、巻磁心15と内型枠16とを押し合わせること、巻磁心15を締め込むことを行うが、これらの処理の一方または双方を行わなくてもよい。例えば、巻磁心15を形成する際に、占積率が所定のレベルになるように、薄帯14を外型枠11に十分に押し付け、形成された巻磁心15に対して隙間を低減する処理を簡略化あるいは省略してもよい。
2・・・磁心
6・・・補強材
11・・・外型枠
11a・・・内周面
12・・・ロール状の元材料
14・・・薄帯
15・・・巻磁心
15a・・・外周面
16・・・内型枠
17、18・・・第1側板
19、20・・・第2側板

Claims (10)

  1. 外型枠の内周面側に対して薄帯を繰り出すことによ、前記薄帯を前記外型枠の内周面に沿わせて巻回し、前記外型枠の内側に前記薄帯の巻磁心を形成することと、
    前記巻磁心の内側に内型枠を配置することと
    記内型枠に対して前記巻磁心の内周面を回転させることで、前記巻磁心の内周面と外周面とを相対的に回転させ、前記巻磁心を締め込むことと、
    前記内型枠に対して前記巻磁心を締め込んだ後に、前記巻磁心と前記内型枠とを押し合わせることと、
    前記巻磁心と前記内型枠とを押し合わせた後に、前記巻磁心の内側に前記内型枠が配置された状態で前記巻磁心を熱処理し、前記巻磁心の歪を取ることと、を含む磁心の製造方法。
  2. 前記巻磁心を形成することは、
    前記薄帯が巻き取られたロール状の元材料を前記外型枠の内側に配置することと、
    前記ロール状の元材料を回転させて前記薄帯を前記ロール状の元材料から繰り出すことで、前記薄帯を前記外型枠の内周面に沿わせて巻回することと、を含む請求項1に記載の磁心の製造方法。
  3. 前記外型枠の周方向に垂直な幅方向から見た前記外型枠の内周面の形状は、円形状、楕円状、又は長円状である、請求項1又は請求項2に記載の磁心の製造方法。
  4. 前記巻磁心と前記内型枠とを押し合わせることにより、前記巻磁心を矩形枠状に成形する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の磁心の製造方法。
  5. 前記外型枠は、前記巻磁心の外周の長さを制限し、かつ変形可能な材質で形成され、
    前記外型枠の内側に前記巻磁心を形成するにあたり、前記巻磁心の前記外周面を前記外型枠で支持した状態で、前記巻磁心を前記矩形枠状に近づけるように前記外型枠とともに変形させる、請求項4に記載の磁心の製造方法。
  6. 前記内型枠は、複数のパーツに分割可能であり、前記巻磁心の内側で前記複数のパーツが組み立てられることで前記巻磁心の内側に配置される、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の磁心の製造方法。
  7. 前記複数のパーツは、
    互いに対向して前記巻磁心の内側に配置される一対の第1側板と、
    前記一対の第1側板の間に挿入され、前記一対の第1側板と係合する第2側板と、を含み、
    前記第1側板と前記第2側板との係合部は、前記巻磁心の周方向に垂直な幅方向に対して傾斜る、請求項6に記載の磁心の製造方法。
  8. 前記熱処理よりも前に、前記巻磁心の内側に透磁性を有する補強材を取り付けることを含み、
    前記補強材は、前記巻磁心とともに熱処理されて磁心の一部を構成する、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の磁心の製造方法。
  9. 前記補強材は、ライナープレートである、請求項8に記載の磁心の製造方法。
  10. 前記薄帯の厚みは、10μm以上100μm以下である、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の磁心の製造方法。
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