JP7442885B1 - トランス及びトランスの製造方法 - Google Patents

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雄一 今里
和宏 笠谷
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Abstract

【課題】本発明は、小型化或いは同じサイズであれば特性を高めることができ、製造コストを低減できるトランス及びトランスの製造方法を提供する。【解決手段】本発明に係るトランス10は、対向する直線部22を有するように銅線21を環状に巻回してなるコイル20と、電気絶縁性を有し、前記コイルの前記直線部に巻き付けられる絶縁シート30と、方向性電磁鋼板41から構成され、前記絶縁シートの上から巻き付けられるコア40と、を具える。前記絶縁シートは、外周側に位置する巻付け終端33又は前記直線部に巻き付けたときに外周側に位置する部分に引っ掛け片31が形成され、前記コアは、前記方向性電磁鋼板の内周側に位置する巻付け始端43に開口窓42が開設され、前記引っ掛け片は、前記開口窓に係合している。【選択図】図2

Description

本発明は、コイルに絶縁材を介して方向性電磁鋼板をロール状に巻回してなるトランス及びトランスの製造方法に関するものである。
変圧や変流を行なうトランスとして、角丸楕円形状に巻回されたコイルに、方向性電磁鋼板からなるコアを円筒状に巻き付けたトランスが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
コイルとコアは、電気的に絶縁する必要があるから、絶縁材として電気絶縁性の樹脂製ボビンにコイルを巻回し、コアを樹脂製ボビンの外周に巻き付けるようにしている。
コアを樹脂製ボビンに巻き付けるには、コアの巻付け始端を樹脂製ボビンに係合させる必要がある。そこで、コアの巻付け始端には、方向性電磁鋼板を内向きに直角に折り曲げた爪片を形成し、樹脂製ボビンには、爪片が嵌まる凹みを設けている。そして、コアを樹脂製ボビンに巻き付けるときに、爪片を凹みに引っ掛けるようにしている。
特開平8-51034号公報
樹脂製ボビンは樹脂の成形品であるため、強度及び絶縁耐熱性を具備するには、厚さ0.8mm~1.5mmとする必要がある。すなわち、径方向では樹脂製ボビンの厚さは1.6mm~3.0mmになる。樹脂製ボビンの厚肉化は、トランスの大型化に直結する。トランスのサイズが規定されている場合、樹脂製ボビンの厚さ分だけ、使用するコイルの銅線径を細くせざるを得ず、温度上昇による損失の増大や、電圧変動特性の増大を招く。
また、樹脂製ボビンの製造には金型などの製造設備を含めた大きなコストが掛かる。さらに、樹脂製ボビンは、サイズや形状の変更に柔軟に対応することができない。
加えて、コアは、方向性電磁鋼板の先端を曲げて爪片を形成しているが、この爪片の曲げ工程は、コアを切断、或いは、コアの先端を先細り台形形状に切断するプレス工程の後に別工程として実施する必要があるから、コア製造の工程数増を招く。
本発明の目的は、小型化或いは同じサイズであれば特性を高めることができ、製造コストを低減できるトランス及びトランスの製造方法を提供することである。
本発明に係るトランスは、
対向する直線部を有するように銅線を環状に巻回してなるコイルと、
電気絶縁性を有し、前記コイルの前記直線部に巻き付けられる絶縁シートと、
方向性電磁鋼板から構成され、前記絶縁シートの上から巻き付けられる円筒状のコアと、
を具える。
前記絶縁シートは、外周側に位置する巻付け終端又は前記直線部に巻き付けたときに外周側に位置する部分に引っ掛け片が形成され、
前記コアは、前記方向性電磁鋼板の内周側に位置する巻付け始端に開口窓が開設され、
前記引っ掛け片は、前記開口窓に係合している。
前記引っ掛け片は、前記絶縁シートの巻付け終端から飛び出す方向に凸形状に形成することができる。
前記絶縁シートと前記コアの巻付け方向は逆向きとすることができる。
前記引っ掛け片は、前記絶縁シートを前記直線部に巻き付けたときに外周側に位置する部分に形成され、前記巻付け終端側、又は、前記巻付け始端に向けて凸形状の切り欠きとすることができる。
前記引っ掛け片は、前記絶縁シートの前記巻付け終端側に向けて凸形状の切り欠きであり、
前記絶縁シートと前記コアの巻付け方向は逆向きとすることができる。
前記引っ掛け片は、前記絶縁シートの前記巻付け始端側に向けて凸形状の切り欠きであり、
前記絶縁シートと前記コアの巻付け方向は同じ向きとすることができる。
また、本発明のトランスの製造方法は、
対向する直線部を有するように銅線を環状に巻回してコイルを作製するコイル作製ステップ、
電気絶縁性を有する帯状の絶縁シートの巻付け終端又は前記直線部に巻き付けたときに外周側に位置する部分に引っ掛け片を作製する絶縁シート作製ステップ、
帯状の方向性電磁鋼板の巻付け始端に開口窓をプレス加工で打ち抜きの後、前記方向性電磁鋼板を前記巻付け始端が内周側に位置するように円筒状に巻回し、焼鈍熱処理して仮巻きコアを得る仮巻きコア作製ステップ、
前記コイルの前記直線部に、前記絶縁シートを前記引っ掛け片が外周に位置するように巻き付けて固定する絶縁シート巻付けステップ、
前記仮巻きコアの巻き中心に回転可能なローラーを嵌め、前記仮巻きコアを前記絶縁シートが巻回された前記直線部の近傍に並べて配置する仮巻きコア配置ステップ、
前記ローラーを回転させて、前記方向性電磁鋼板の巻付け終端を送り出し、前記仮巻きコアと前記絶縁シートを囲む大輪とする第1送出ステップ、
前記方向性電磁鋼板の前記巻付け終端を前記大輪の周面に仮止めする巻付け終端仮止ステップ、
前記ローラーを回転させて、前記仮巻きコアを回転させながら前記方向性電磁鋼板を送り出し、前記方向性電磁鋼板の前記巻付け始端が、前記大輪に含まれるまで前記方向性電磁鋼板を送り出す第2送出ステップ、
前記方向性電磁鋼板の前記開口窓を前記絶縁シートの前記引っ掛け片に引っ掛ける引掛ステップ、
前記ローラーを前記大輪から引き抜く引抜ステップ、
前記引抜ステップにより、前記方向性電磁鋼板が、復元力により縮径して前記直線部に巻回された前記絶縁シートの周りに巻き付いて前記コアを得る巻付けステップ、及び、
前記方向性電磁鋼板の巻付け終端を前記コアの周面に固定する巻付け終端固定ステップ、
を含んでいる。
前記引っ掛け片は、前記コアの巻付け方向とは逆向きに凸形状となるように形成することができる。
前記仮巻きコア作製ステップは、前記方向性電磁鋼板の巻付け始端に前記開口窓をプレス加工で打ち抜きすると同時に、前記巻付け始端を先細りの台形形状に切断するステップとすることができる。
本発明のトランス及びトランスの製造方法によれば、樹脂製ボビンに代えて絶縁シートを採用しているから、絶縁部分の薄型化を図ることができ、コアの直径を小さくして軽量化を図ることができる。逆に、同じサイズのトランスであれば使用するコイルの銅線径を太くすることができ、温度上昇による損失を抑え、電圧変動特性も低減できる。
絶縁シートは、既製品を購入し、所望の大きさに切断することで得ることができるから、樹脂製ボビンに比べて設計変更に柔軟に対応できる。また、樹脂製ボビンのように金型設備なども不要であり、製造コストを大幅に低減できる。
コアの開口窓は、たとえば、コア先端を台形形状にプレス加工で打ち抜きする際に、同時に形成することができ、工程数の増加を抑制できる。
図1は、本発明の一実施形態に係るトランスの(a)正面図、(b)底面図、(c)背面図である。 図2は、図1の線A-Aに沿う断面図である。 図3は、コイルの(a)正面図、(b)底面図、(c)背面図である。 図4は、直線部に絶縁シートを巻き付けたコイルの(a)正面図、(b)底面図、(c)背面図である。 図5は、絶縁シートが巻き付けられたコイルの直線部の斜視図である。 図6は、図4(c)の線B-Bに沿う断面図である。 図7は、絶縁シートの平面図である。 図8は、長尺の絶縁シート帯から絶縁シートを作製する工程を示す平面図である。 図9は、方向性電磁鋼板を巻回してなる仮巻きコアの側面図である。 図10は、巻回前の方向性電磁鋼板の平面図である。 図11は、長尺の方向性電磁鋼板帯から方向性電磁鋼板を作製する工程を示す平面図である。 図12は、仮巻きコアを絶縁シートが巻き付けられたコイルの直線部に巻き付ける過程を示す説明図である。 図13は、ローラー手段の側面図である。 図14は、コアの開口窓を絶縁シートの引っ掛け片に引っ掛ける手順を示す図である。 図15は、絶縁シートの引っ掛け片の異なる実施形態を示す平面図である。 図16は、コアの開口窓を図15(a)の絶縁シートの引っ掛け片に引っ掛ける手順を示す図である。 図17は、コアの開口窓を図15(b)の絶縁シートの引っ掛け片に引っ掛ける手順を示す図である。 図18は、(a)発明例と、(b)絶縁材に樹脂製ボビンを使用した比較例のトランスのコア部分を含む断面図である。 図19は、交流波形のオフセット電圧を示すグラフである。 図20は、騒音測定に用いたマイクロフォンの配置を示す(a)正面図、(b)底面図である。 図21は、絶縁シートを円形に近い状態に巻いたトランスのコア部分を含む断面図である。 図22は、コイルを断面略円形に巻いたトランスのコア部分を含む断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係るトランス10について図面を参照しながら説明を行なう。
<トランス10の全体概略>
図1は、本発明の一実施形態に係るトランス10の(a)正面図、(b)底面図、(c)背面図を示している。また、図2は、図1の線A-Aに沿う断面図である。本発明のトランス10は、環状に巻回されたコイル20の外周に、絶縁シート30を介して方向性電磁鋼板41を巻回した円筒状のコア40を配備して構成される。
<コイル20>
トランス10を構成するコイル20は、たとえば、1次側コイルと2次側コイルの一部を共有した単巻を例示でき、絶縁被膜の形成されたエナメル銅線などの銅線21を巻回して構成される(コイル20の作製ステップ)。1次側コイルと2次側コイルが別コイルの場合、1次側コイルと2次側コイルとの間に絶縁を行なって巻回する。コイル20は、図3に示すように、対向する直線部22,22を有する略角丸四角形に巻回することができる。直線部22、22は、絶縁シート30とコア40が巻き付けられる部分となる。図示のコイル20は、直線部22、22どうしを円弧状の曲線部23で接続した構成であるが、曲線部23の円弧形状や曲率はこれに限定されるものではなく、曲線部23に直線状の部分が含まれていても構わない。
コイル20は、たとえば、図2に示すように、コイル20は、断面が略六角形になるように巻回することができる。なお、コイル20の断面は略六角形以外に略八角形等の略多角形や略円形(図21及び図22参照)、略楕円形などであってもよい。
コイル20は、巻回された銅線21には、図3に示すように、1又は複数箇所をテープ25などの固定手段で留め、銅線21の解けを防いで、形状を維持できるようにしている。
<絶縁シート30>
コイル20には、図4乃至図6に示すように、直線部22、22に絶縁シート30が巻き付けられる。絶縁シート30は、図7に示すような電気絶縁性の材料から構成される薄いシート体である。たとえば、絶縁シート30は、芳香族ポリアミド系樹脂からなるアラミド繊維を編み込んだアラミド紙(デュボン社製:ノーメックス(登録商標))や、ポリエステルフィルムを例示できる。
絶縁シート30は、厚さ0.1mm~0.5mmのものを採用することが好適であり、0.2mm~0.4mmのものを採用することが望ましい。
絶縁シート30は、直線部22に巻き付け可能な幅であって、少なくともコア40を構成する方向性電磁鋼板41よりも幅広に形成する。コイル20とコア40との沿面距離を確保するために、絶縁シート30の幅は、方向性電磁鋼板41の幅よりも少なくとも5mm(片側2.5mmm)以上長くすることが望ましい。また、絶縁シート30の長さは、絶縁効果を具備するために、直線部22の外周に少なくとも1周以上巻き付く長さ、すなわち、直線部22の外周長さ以上の長さとする必要がある。図6の実施形態では、絶縁シート30は、略六角形のコイル20の1周+1辺分の長さである。絶縁シート30は、コイル20の1.2~2周程度巻き付けられる長さとすることが望ましい。なお、絶縁シート30の巻き付け方は図6に示すように、略六角形の形状のコイル20の周面に緊密に巻いた略六角形の形状に限定されるものではなく、後述する図21に示すように、略六角形のコイル20の周面に円形に近い状態となるように巻き付けてもよい。
絶縁シート30は、図4乃至図7に示すように、巻付け時に外周となる巻付け終端33の近傍にコア40と係合する引っ掛け片31が形成されている。引っ掛け片31は、絶縁シート30の一部を凸形状に形成したものである。引っ掛け片31は、図7に示すように、絶縁シート30の巻付け終端33から飛び出す方向に凸形状の形態、また、後述する図15に示すように絶縁シート30に切り欠き34a,34bを形成した形態とすることができる。
引っ掛け片31は、たとえば、平面視、略矩形形状や、先端が先細りした略台形形状(図5、図7参照)、略円弧形、略三角形とすることができる。引っ掛け片31は先端を先細りした形状とすることで、方向性電磁鋼板41の開口窓42と係合し易くすることができ、また、強度を具備できる。
引っ掛け片31は、方向性電磁鋼板41の開口窓42と係合したときに、所定の強度を具備できるように、幅が5mm~30mm程度、長さが5~20mm程度に収まる大きさとすることが好適であり、幅10mm~20mm、長さ7mm~15mmがより好ましい。
上記構成の引っ掛け片31を有する絶縁シート30は、図8に示すような長尺の絶縁シート帯30aを切断して形成することができる(絶縁シート30の作製ステップ)。たとえば、絶縁シート帯30aは、ロール状に巻回されたものから引き出して、図8中符号Cで示す領域をトムソン金型で切断することにより絶縁シート30を作製できる。これにより、1工程で、幅方向中央に引っ掛け片31が形成されると共に、絶縁シート30を所定長さで切断することができる。なお、絶縁シート30の巻付け始端32には、図7、図8に示すように、続く絶縁シート30の引っ掛け片31の切取れ跡35が残る。
<絶縁シート30の巻付けステップ>
作製された絶縁シート30は、図4乃至図6に示すように、コイル20の直線部22に巻き付けられる。絶縁シート30は、引っ掛け片31が外周に位置するようにコイル20に巻き付け、解けないようにテープ37などの固定手段により留めればよい。テープ37は、引っ掛け片31を避けるように貼り付ける。これにより、引っ掛け片31は、絶縁シート30の剛性により、図6に示すように、外側に向けて張り出した状態を採る。なお、引っ掛け片31をより外側に張り出させるためには、テープ37は、図4、図5に示すように引っ掛け片31の両外を抑えるように貼り付けることが望ましい。テープ37を引っ掛け片31の両外に貼ることで、引っ掛け片31に剛性を具備させることができ、引っ掛け片31が次に説明する方向性電磁鋼板41の開口窓42に嵌まったときに、引っ掛け片31がコア40に引っ張られても、絶縁シート30が弛んで引っ掛け片31が追従してしまうことを防止できる。
<仮巻きコア45>
直線部22に巻き付けられた絶縁シート30の上には、コア40が形成される。コア40は、図1に示すように方向性電磁鋼板41を絶縁シート30の周りに巻き付けて構成される。
このコア40は、方向性電磁鋼板41を図9に示すように円筒状に巻回し、焼鈍熱処理した仮巻きコア45を絶縁シート30の周りに巻付け直したものである。方向性電磁鋼板41自体は、図10に示すように、巻き付けたときに内側となる巻付け始端43に開口窓42が貫通開設されている。この開口窓42は、絶縁シート30の引っ掛け片31と係合可能な孔である。開口窓42は、少なくとも引っ掛け片31が嵌まる幅を有し、望ましくは、引っ掛け片31の幅よりも1mm~5mm大きく形成する。
方向性電磁鋼板41は、図10に示すように、巻付け始端43と巻付け終端44を先細りする略台形状にテーパー加工したテーパー部43a,44aとすることが好適である。これにより、強度を具備し、巻付け時の歪みを防ぐことができる。
方向性電磁鋼板41は、図11に示すように、長尺の方向性電磁鋼板帯40aを切断して形成することができる。工程削減を行なうために、図11中符号Dで示す領域に、プレス加工を行なって、先行する方向性電磁鋼板41のテーパー部44aと、続く方向性電磁鋼板41aのテーパー部43aと開口窓42を1度のプレス工程により打ち抜いて形成することが望ましい。
なお、方向性電磁鋼板41に開口窓42を形成することで、特性低下が懸念されるが、方向性電磁鋼板41の先端の一部のみの打ち抜きであるから、特性に影響はない。
然して、切断され、開口窓42が形成された方向性電磁鋼板41は、図9に示すように巻付け始端43(開口窓42が形成されている)が内周、巻付け終端44が外周となるように巻回され、焼鈍工程にて熱処理が行なわれて、仮巻きコア45が作製される(仮巻きコア45の作製ステップ)。仮巻きコア45の内径、即ち、巻き中心45aの直径は、コイル20の直線部22に巻き付けられた絶縁シート30の外径、または最大外径に一致させる。なお、後工程で、仮巻きコア45を絶縁シート30の外周に巻き付けた後に、コア40の弛みを取るために巻付け方向に締付けを行なう。このとき、コア40が仮巻きコア45と同じ外径となるまで締付けできたことが確認できるように、仮巻きコア45には、熱処理後に図9に符号46で示すように、後工程での締め付け目安に活用すべく径方向に焼鈍熱処理中に耐えうる手段にて適宜に直線を記しておくことが望ましい。また、焼鈍熱処理中にコア40が弛んだり解けたりしないようにするために、方向性電磁鋼板41を巻回した後、鉄系や黄銅系の針金など熱処理温度に耐える材料を用いて仮巻きコア45の外周に巻き付けたり、固定機能を有する板材や治具等で挟み込むなどして、ほどけないよう固定し形状を維持することが望ましい。
<仮巻きコア45の巻付け:トランス10の製造>
仮巻きコア45は、コイル20の直線部22に巻き付けられた絶縁シート30の外周に巻き付けられてコア40となる。仮巻きコア45の巻付けは、以下の巻付け装置50を用いて行なうことができる。
巻付け装置50は、図12(a)に示すように、コイル20を保持するコイル固定手段51と、仮巻きコア45を保持して引き出すローラー手段53から構成することができる。なお、説明を判り易くするために、図12では、方向性電磁鋼板41は開口窓42が見えるように断面にて図示している。
コイル固定手段51は、たとえば、クランプやクリップを例示でき、コイル20の直線部22が略垂直となるように保持する。コイル20は、絶縁シート30が巻回されない図1や図3における直線部22以外の部分、たとえば曲線部23を保持することが望ましい。
仮巻きコア45は、内ローラー54と外ローラー55からなるローラー手段53にセットする。図13にローラー手段53の側面図を示す。内ローラー54と外ローラー55は、外周にゴム材(たとえばNBR:ニトリルブタジエンラバー)やポリウレタン樹脂材などの滑り止め手段54a,55aが外周に装着されたり処理されたりした略円筒体又は略円柱体である。図示では、内ローラー54を外ローラー55よりも小径としているが、これらは同径、又は、内ローラーの方が大径となる構成であってもよい。内ローラー54と外ローラー55は、互いに接近する方向に付勢されている。そして、内ローラー54又は外ローラー55の一方は、モーター等の駆動手段(図示せず)により、仮巻きコア45の送り出し方向、すなわち、図12(a)中矢印R方向に回転駆動可能となっている。なお、内ローラー54又は外ローラー55の他方は、仮巻きコア45の送り出しにより従動回転する構成であればよい。本実施形態では、内ローラー54は、下記の引抜ステップにて方向性電磁鋼板41の大輪48から内ローラー54を引き抜くために、上下動可能な構成としている。
コイル20と仮巻きコア45は、まず、図12(a)に示すように、コイル固定手段51に、直線部22に絶縁シート30が巻き付けられたコイル20をセットする。また、仮巻きコア45は、巻き中心45aを内ローラー54に挿し込み、内ローラー54と外ローラー55で挟んで、コイル20の直線部22に仮巻きコア45が並ぶように配置させる(コア40の配置ステップ)。コイル20は、これからコア40を巻き付ける直線部22をコイル20側に配置する。仮巻きコア45は、図12(a)に示すように、絶縁シート30の巻き方向と、仮巻きコア45の巻き方向が逆向きになるように配置する。すなわち、絶縁シート30が時計周りに巻き付けられている場合、仮巻きコア45は、方向性電磁鋼板41の巻き方向(内周から外周に向けて)が反時計回りとなるように配置する。
この状態から、内ローラー54又は外ローラー55を図12(b)の矢印R方向に回転させることで、仮巻きコア45を矢印E方向に回転させながら、仮巻きコア45の巻付け終端33を外向きに引き出し、当該巻付け終端33を直線部22,22間に通して、仮巻きコア45の外周面に沿うよう引き戻す。これにより、送り出された方向性電磁鋼板41は、仮巻きコア45と絶縁シート30を囲む大輪48を形成する(第1送出ステップ)。この時に仮巻きコア45の状態から、概真円を保ったまま大輪48に直径を拡大形成することで、焼鈍熱処理後の機械的歪による応力を少なくして、トランスの鉄損を主体とした磁気特性の劣化を抑制できる。
仮巻きコア45から引き出された巻付け終端44は図12(b)に示すように、内ローラー54と外ローラー55間を通し、通過した巻付け終端44を仮巻きコア45の周面にテープ47などの固定手段により仮止めする(仮巻きコア45の巻付け終端44の仮止めステップ)。
この状態から、図12(c)に示すように、さらに内ローラー54又は外ローラー55を回転させて、仮巻きコア45から方向性電磁鋼板41を送り出す(第2送出ステップ)。
そして、すべての仮巻きコア45の方向性電磁鋼板41が、図12(d)に示すように、すべて大輪48に含まれるまで内ローラー54又は外ローラー55を回転させる。
次に、大輪48の方向性電磁鋼板41の巻付け始端43に形成された開口窓42を、絶縁シート30の引っ掛け片31に引っ掛ける。具体的には、図12(d)では、巻付け始端43はローラー54,55側に位置しているが、この状態から図12(e)に示すように大輪48を回転させる。方向性電磁鋼板41は、大輪48よりも小径の仮巻きコア45の形状に戻ろうとする復元力があるから、巻付け始端43は、内向きに丸まって、図12(e)及び拡大図14(a)に示すように、絶縁シート30に当接する。絶縁シート30には、引っ掛け片31が形成されているから、そのまま大輪48をさらに回転させることで、巻付け始端43は図14(a)の矢印F方向に移動し、図12(e)及び図14(b)に示すように、開口窓42に引っ掛け片31が嵌まる(引掛ステップ)。
引っ掛け片31が開口窓42に嵌まった状態で、テープ47を剥がし、内ローラー54を引き抜くと(たとえば、内ローラー54を下方に移動させる)、方向性電磁鋼板41は、図12(f)に示すように、焼鈍熱処理後であっても残留する応力の復元力により縮径し、絶縁シート30の上に巻き付く(巻付けステップ)。巻き付いた方向性電磁鋼板41は、図9に示した仮巻きコア45と同じ外径となるまで締付けを行なう。このとき、図9に示す仮巻きコア45に付された直線46が揃っていなければ、適宜に線46が揃うまで、手作業による巻き付け補助や、相当する手段にて締付けを行なえばよい。尚、その際に締付け過ぎて直線が揃わないと、新たな応力による機械的歪が生じ磁気特性の劣化を招くので回避すべきである。
そして、締付けた状態で、図1(a)、(c)に示すようにスポット溶接49等により方向性電磁鋼板41の巻付け終端44をコア40の周面に固定する(巻付け終端固定ステップ)。その後、コイル固定手段51を操作して、コイル20の保持を開放する。
続いて、他方の直線部22に巻き付けられた絶縁シート30の周りにも、同様の要領で仮巻きコア45を巻き付け、巻付け終端44を固定することで、図1に示すようなトランス10が製造できる。この後、形態や形式を問わずトランスは樹脂ワニス含浸にて防湿処理を施して仕上げることが一般的であり、発明例トランスも例外には当たらない。
上記製造方法によれば、方向性電磁鋼板41は、仮巻きコア45の状態から、概真円を保ったまま大輪48に直径が拡大され、概真円を保ったまま直線部22に巻き付けられてコア40となる。従って、方向性電磁鋼板41には焼鈍熱処理後の機械的歪による応力が少ないため、トランスの鉄損を主体とした磁気特性の劣化を抑制できる。
本発明のトランス10は、樹脂製ボビンに代えて、絶縁シート30をコイル20とコア40の絶縁材として使用している。絶縁シート30は、樹脂製ボビンに比べて薄いから、絶縁部分の薄型化を図ることができ、トランス10の小型化を図ることができる。また、樹脂製ボビンを使用したトランスと同じサイズでトランス10を作製する場合、使用するコイルの銅線径を太くすることができ、温度上昇による損失を抑えて、電圧変動特性も安定し良化できる。
絶縁シート30は、既製品を購入し、所望の大きさに容易に切断することができるから、樹脂製ボビンに比べて設計変更に柔軟に対応できる。さらに、樹脂製ボビン製造に用いる射出成型用の金型や成形設備なども不要であるから、製造コストを大幅に低減できる。
方向性電磁鋼板41に形成される係合用の開口窓42は、たとえば、方向性電磁鋼板41の先端を切断する際に、汎用のプレス工法を用いて略台形形状に打ち抜いて同時に加工形成することができるから、新たな工程数が増加することはない。
<引っ掛け片31の異なる実施形態>
図15は、絶縁シート30の引っ掛け片31a,31bの異なる実施形態である。上記実施形態では、図7に示すように、絶縁シート30の巻付け終端33の端縁から凸形状の引っ掛け片31を形成している。図15では、絶縁シート30をコイル20の直線部22に巻き付けたときに外周側に位置する部分、すなわち、巻付け終端33から直線部22の周長さ分までの位置に切り欠き34a,34bにより引っ掛け片31a,31bを形成している。
図15(a)は、巻付け終端33側に向けて引っ掛け片31aが突出する切り欠き34aを形成した絶縁シート30を示している。また、図15(b)は、図15(a)とは逆向き、すなわち、巻付け始端32側に向けて引っ掛け片31bが突出する切り欠き34bを形成した絶縁シート30を示している。何れの引っ掛け片31a,31bも先端が尖った略三角形状であるが、略台形形状、略矩形形状、略円弧形状等であってもよい。
図15(a)に示す絶縁シート30の引っ掛け片31aの突出方向は、図4乃至図7に示す絶縁シート30の引っ掛け片31の突出方向と同じ向きである。従って、仮巻きコア45は、内周から外周に向かう方向性電磁鋼板41の巻き方向が、絶縁シート30の巻き方向は逆向きとなるように配置し、上記した図14と同様の要領で、引っ掛け片31aを開口窓42に係合させることができる。具体的には、図12(e)に示すように、方向性電磁鋼板41の巻付け始端32が絶縁シート30の周面に当接した状態で、大輪48を僅かに回転させて、図16(a)及び(b)に示すように、突出した引っ掛け片31aに開口窓42を係合すればよい。その後の手順は、上記実施形態と同様である。
図15(b)の引っ掛け片31bの突出方向は、上記実施形態とは逆である。従って、開口窓42を引っ掛け片31bに係合させるために、絶縁シート30の巻き方向と、仮巻きコア45の巻き方向を同じ向きとなるように配置する。図17(a)を参照すると、絶縁シート30は、図16(a)とは逆向きの巻付け方向となっていることがわかる。然して、上記した図12(e)に示すように、方向性電磁鋼板41の巻付け始端32が絶縁シート30の周面に当接した状態で、大輪48を僅かに回転させて、図17(a)及び(b)に示すように、突出した引っ掛け片31bに開口窓42を係合すればよい。その後の手順は、上記実施形態と同様である。
図18(a)に示す本発明により作製された絶縁シート30を絶縁材として使用した発明例のトランス10と、図18(b)に示す樹脂製ボビン72を絶縁材として使用した比較例のトランス70を作製した。作製したトランス10,70は、定格容量2kVAの単相単巻トランスである。
発明例のコイル20は、直径2.3mmの銅線21を巻き数100回で出力タップを設けて200回巻回して形成している。絶縁シート30は、図7に示す引っ掛け片31を有する厚さ0.25mmのものであり、図18(a)に示すように、絶縁シート30を1周+1辺分巻き付けている。コア40は、厚さ0.23mmの方向性電磁鋼板41を内径Φ40にて60回巻き付けてなる仮巻きコア45を図12、図14の要領で絶縁シート30の上に巻き付けたものである。
一方、比較例は、巻き線の形状を維持するため0.8~1.5mmの樹脂製ボビン72を使用し、内側に発明例よりも細い直径2.1mmの銅線を発明例と同じ巻き数で巻回してコイル71を巻回している。また、樹脂製ボビン72の外周には、発明例のコア40と同じコアを巻き付けている。樹脂製ボビン72と方向性電磁鋼板75は、図18(b)に示すように、方向性電磁鋼板75の巻付け始端に内向きに屈曲形成された爪片76と、樹脂製ボビン72の周面に形成された爪片76の嵌まる凹み73により係合している。なお、比較例のトランス70については、仮巻きコアを図12と同様の要領で樹脂製ボビン72に巻き付ける場合、方向性電磁鋼板75に爪片76があるから、図13の内ローラー54には、内ローラー54の長さ方向中央に爪片76を逃げる凹みを設けておく必要がある。
発明例はアラミドシートやポリエステル樹脂成型シートなど薄くて絶縁性の高い絶縁シート30を使用できることで、発明例と比較例のトランス10,70で同じ大きさのコア40、74とした場合、比較例のコイル71の線径2.1mmに対して発明例のコイル20は同線径2.3mmで巻き線が可能となり、線径が大きくなった分、直流抵抗値が小さくなり、電流値の2乗×抵抗値で算出される銅損を15%小さくできる。これにより、銅損が少なくなったことで温度上昇の低減や電圧変動率を改善することができる。
たとえば、比較例の特性を発明例と同一にするために、コイル71を発明例と同一線径のΦ2.3mmと巻き数200ターンでトランス70を作成した場合、コイル71が大きくなるため、本発明の内径Φ40mmに比較して内径Φ44mmにて60ターン巻いたコア74が必要となり、コア74の外形が72mmとなり発明例より図18の寸法dが4mm大きくなる。また、コア74の方向性電磁鋼板の使用量が増えることで重量が約7.4%アップする。このように発明例と同一線径巻き数で比較例のトランス70を設計すると、比較例は、製品形状が大きくなり、重くなる。
上記説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或いは範囲を限縮するように解すべきではない。また、本発明の各部構成は、上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
たとえば、引っ掛け片31は、別のシート状部材から形成し、絶縁シート30に貼着等する構成とすることができる。また、引っ掛け片31は、図7、図15に示す引っ掛け片31を外側に折り返した形態であってもよい。
近年の太陽光発電用パワーコンディショナーにおいてバッテリー等の蓄電装置を用いて家庭用商用電源に変換するシステムが普及しつつあり、たとえば日本の場合、交流200Vを100Vに変換する機能としてトランスが用いられている。このとき、図19に示すように直流から交流変換時に発生する0~0.3V程度のオフセット電圧が発生し磁束のアンバランスが生じて、トランスから発生する騒音が大きくなる現象が確認されている。トランスの入力電圧は商用電源電圧が一定であり、最大磁束密度は変わらず、また、方向性電磁鋼板固有の磁歪振動強さは変わらないものの、電圧の+側が増加し、-側が減じるために磁束密度のアンバランスにより方向性電磁鋼板が機械的に振動しやすくなり、機械的な振動による騒音が大きくなることが分かっている。
本発明のトランス10は、磁路構成としてコア40に突合せ部がないので、方向性電磁鋼板41の磁歪振動による騒音発生を少なくできる構造であり、加えて、絶縁シート30の引っ掛け構造により方向性電磁鋼板41を締め上げる構造になっている。このため、方向性電磁鋼板41の巻き付け積層隙間を最小限に抑制できることから、方向性電磁鋼板41の機械的振動が抑制され、騒音が低減できることが確認できた。表1に測定結果を示す。図20に測定に用いたマイクロフォン80の配置を示す。
Figure 0007442885000002
なお、方向性電磁鋼板41を締め上げる際は、コイル20に取り付ける前の状態まで締め上げるのが良く、締め上げすぎると機械的歪が生じ磁気特性の劣化による損失が上がる。
<絶縁シート30の巻き付け方>
上記した図6では、絶縁シート30は、略六角形のコイル20に対して、緊密に巻き付けることで、略六角形の筒形状としている。図21では、絶縁シート30は、略六角形のコイル20の周面に断面が円形に近い形状、具体的には辺が円弧状の六角形となるように巻き付けている。
<コイル20の形状の異なる実施形態>
図22は、コイル20を略円形に巻いたトランス10のコア40を含む断面図である。図示では、コイル20は、略円形に巻いている。これにより、略六角形の場合に比べて、コイル20の占積率を高めることができる。また、絶縁シート30は、コイル20に略円形に巻かれている。
上記した図21及び図22のように、コイル20と絶縁シート30の隙間及び絶縁シート30とコア40の隙間を小さくすることで、コア40の内側が抑えられ、機械的振動による騒音が抑えられる。
10 トランス
20 コイル
22 直線部
30 絶縁シート
31 引っ掛け片
40 コア
41 方向性電磁鋼板
42 開口窓

Claims (9)

  1. 対向する直線部を有するように銅線を環状に巻回してなるコイルと、
    電気絶縁性を有し、前記コイルの前記直線部に巻き付けられる絶縁シートと、
    方向性電磁鋼板から構成され、前記絶縁シートの上から巻き付けられる円筒状のコアと、
    を具えるトランスであって、
    前記絶縁シートは、外周側に位置する巻付け終端又は前記直線部に巻き付けたときに外周側に位置する部分に引っ掛け片が形成され、
    前記コアは、前記方向性電磁鋼板の内周側に位置する巻付け始端に開口窓が開設され、
    前記引っ掛け片は、前記開口窓に係合している、
    トランス。
  2. 前記引っ掛け片は、前記絶縁シートの巻付け終端から飛び出す方向に凸形状に形成される、
    請求項に記載のトランス。
  3. 前記絶縁シートと前記コアの巻付け方向は逆向きである、
    請求項に記載のトランス。
  4. 前記引っ掛け片は、前記絶縁シートを前記直線部に巻き付けたときに外周側に位置する部分に形成され、前記巻付け終端側、又は、前記巻付け始端に向けて凸形状の切り欠きである、
    請求項に記載のトランス。
  5. 前記引っ掛け片は、前記絶縁シートの前記巻付け終端側に向けて凸形状の切り欠きであり、
    前記絶縁シートと前記コアの巻付け方向は逆向きである、
    請求項に記載のトランス。
  6. 前記引っ掛け片は、前記絶縁シートの前記巻付け始端側に向けて凸形状の切り欠きであり、
    前記絶縁シートと前記コアの巻付け方向は同じ向きである、
    請求項に記載のトランス。
  7. 対向する直線部を有するように銅線を環状に巻回してコイルを作製するコイル作製ステップ、
    電気絶縁性を有する帯状の絶縁シートの巻付け終端又は前記直線部に巻き付けたときに外周側に位置する部分に引っ掛け片を作製する絶縁シート作製ステップ、
    帯状の方向性電磁鋼板の巻付け始端に開口窓をプレス加工で打ち抜きの後、前記方向性電磁鋼板を前記巻付け始端が内周側に位置するように円筒状に巻回し、焼鈍熱処理して仮巻きコアを得る仮巻きコア作製ステップ、
    前記コイルの前記直線部に、前記絶縁シートを前記引っ掛け片が外周に位置するように巻き付けて固定する絶縁シート巻付けステップ、
    前記仮巻きコアの巻き中心に回転可能なローラーを嵌め、前記仮巻きコアを前記絶縁シートが巻回された前記直線部の近傍に並べて配置する仮巻きコア配置ステップ、
    前記ローラーを回転させて、前記方向性電磁鋼板の巻付け終端を送り出し、前記仮巻きコアと前記絶縁シートを囲む大輪とする第1送出ステップ、
    前記方向性電磁鋼板の前記巻付け終端を前記大輪の周面に仮止めする巻付け終端仮止ステップ、
    前記ローラーを回転させて、前記仮巻きコアを回転させながら前記方向性電磁鋼板を送り出し、前記方向性電磁鋼板の前記巻付け始端が、前記大輪に含まれるまで前記方向性電磁鋼板を送り出す第2送出ステップ、
    前記方向性電磁鋼板の前記開口窓を前記絶縁シートの前記引っ掛け片に引っ掛ける引掛ステップ、
    前記ローラーを前記大輪から引き抜く引抜ステップ、
    前記引抜ステップにより、前記方向性電磁鋼板が、復元力により縮径して前記直線部に巻回された前記絶縁シートの周りに巻き付いて前記コアを得る巻付けステップ、及び、
    前記方向性電磁鋼板の巻付け終端を前記コアの周面に固定する巻付け終端固定ステップ、
    を含んでいるトランスの製造方法。
  8. 前記引っ掛け片は、前記コアの巻付け方向とは逆向きに凸形状となるように形成されている、
    請求項に記載のトランスの製造方法。
  9. 前記仮巻きコア作製ステップは、前記方向性電磁鋼板の巻付け始端に前記開口窓をプレス加工で打ち抜きすると同時に、前記巻付け始端を先細りの台形形状に切断する、
    請求項に記載のトランスの製造方法。
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