JP2003077742A - 変成器 - Google Patents

変成器

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JP2003077742A JP2001268828A JP2001268828A JP2003077742A JP 2003077742 A JP2003077742 A JP 2003077742A JP 2001268828 A JP2001268828 A JP 2001268828A JP 2001268828 A JP2001268828 A JP 2001268828A JP 2003077742 A JP2003077742 A JP 2003077742A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 変成器の小型化、軽量化、及び製造コストの
低減を図る。 【解決手段】 変成器は、巻線10と、巻線10の脚部
10aに設けた巻鉄心13とを備える。巻線10は導体
11,12の巻回方向と直交する方向の断面である横断
面が円形である。導体11,12の巻回方向と直交する
断面での断面積は、巻線10の横断面における窓部10
c側の外周近傍領域である内側外周領域Ar1と、巻線
10の横断面における窓部10cと反対側の外周近傍領
域である外側外周領域Ar2とのうちの少なくとも一方
の領域において、巻線の横断面における中心近傍の領域
である中心領域Ar3よりも小さい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、変圧器等の変成器
に関するものであり、特に、巻線が備える一対の脚部に
珪素鋼板等の電磁鋼板を巻き込んで巻鉄心を形成してな
る変成器の小型化、軽量化、及び製造コスト低減に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】図11は、本発明者が既に提案している
変成器を示している(特開平5−226168号公報及
び特開平8−51034号公報参照)。この変圧器は、
巻線1と、一対の巻鉄心4とを備えている。巻線1は、
導線2a,3aを複数回巻回した一次巻線2と二次巻線
3とからなる。巻線1は、間隔を隔てて互いに対向する
一対の脚部1aと、これらの脚部1aの両端を連結する
一対の連結部1bと、これら脚部1a及び連結部1bに
より囲まれた窓部1cとを備えている。巻回方向と直交
する方向の導線2a,3aの断面形状は円形である。一
方、巻鉄心4は、珪素鋼板等の電磁鋼板の帯材を巻線1
の脚部1aに巻き込むことにより形成している。なお、
図11において、5は巻線1の外周を被覆する絶縁テー
プ、6は一次巻線2と二次巻線3を絶縁する絶縁スペー
サである。
【0003】他の種々の変成器と同様に、上記図11に
示す変成器の一次巻線2及び二次巻線3において、以下
の式(1)の関係が成立する。この式(1)において、
Eは起電力(V)、kは比例定数、fは周波数(H
z)、Nは導線の巻回回数(巻数)、Aは鉄心有効断面
積(m)、Bmは磁束密度(T)である。
【0004】
【数1】
【0005】
【発明が解決しようとする課題】変成器の小型化、軽量
化を図るには、変成器を構成する部品のうちで寸法が大
きく、かつ重量も重い巻鉄心4の寸法を縮小することが
最も有効である。また、珪素鋼板等の電磁鋼板からなる
ため巻鉄心4は、変成器を構成する他の部品よりも比較
的高価であり、変成器の製造コストを低減する上でも、
巻鉄心4の寸法はできる限り小さいことが好ましい。
【0006】上記式(1)から明らかなように、同一の
起電力Eを維持しつつ、かつ磁束密度Bmを低下させる
ことなく、巻鉄心4の寸法、すなわち鉄心有効断面積A
を低減するには、巻数Nを増加させればよい。また、巻
鉄心4を大型化することなく、すなわち鉄心窓部の寸法
を拡大することなく導線2a,3aの巻数Nを増加させ
るには、導線2a,3aの巻回方向と直交する方向の断
面積を減少させる必要、すなわ導線2a,3aの径を縮
小する必要がある。一方、導線2a,3aの断面積が減
少すると電流密度が上昇するため、導線2a,3aで生
じるジュール熱に起因する温度上昇も顕著となる。その
ため、従来は、一次巻線2及び二次巻線3の両方を含む
巻線1全体での温度上昇を考慮し、この巻線1全体での
温度上昇が許容範囲となるように導線2a,3aの径を
設定し、かつ一次巻線2と二次巻線3のそれぞれについ
て導線2a,3aの径を一定としていた。
【0007】しかし、本発明者が種々の実験及び研究を
行ったところ、巻線1の脚部1aにおける巻回方向と直
交する方向の断面(横断面)において、上記導線2a,
3aで生じるジュール熱に起因する温度上昇に分布が存
在することを見出した。詳細には、図12に示すよう
に、巻線1の横断面における窓部1c側の外周近傍の領
域である内側外周領域Ar1(図11において位置P4
〜位置P5間の領域)と、巻線1の横断面における窓部
1cと反対側の外周近傍の領域である外側外周領域Ar
2(図11において位置P1〜P2の領域)とでは、巻
線1の横断面における中心近傍の領域である中心領域A
r3(図11において位置P2〜P4間の領域)と比較
して導線2a,3aに生じるジュール熱に起因する温度
上昇の度合いが比較的低い。換言すれば、内側外周領域
Ar1と内側外周領域Ar1は、中心領域Ar3よりも
巻線の冷却効果が高いことが判明した。
【0008】本発明は、かかる新たな知見に基づいて、
巻線が備える一対の脚部に巻鉄心を形成してなる変成器
の小型化、軽量化、及び製造コストの低減を図ることを
課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、間隔を隔てて
互いに対向する一対の脚部と、これら脚部の両端を連結
する一対の連結部と、これら脚部及び連結部により囲ま
れた窓部とを備え、複数の導体をそれぞれ複数回巻回し
てなる巻線と、上記一対の脚部に電磁鋼板をそれぞれ巻
き込でなる一対の巻鉄心とを備え、上記巻線は上記導体
の巻回方向と直交する方向の断面である横断面の形状が
略円形である、変成器であって、上記複数の導体のうち
少なくとも一つの上記巻回方向と直交する断面での断面
積は、上記巻線の横断面における上記窓部側の外周近傍
領域である内側外周領域と、上記巻線の横断面における
上記窓部と反対側の外周近傍領域である外側外周領域と
のうちの少なくとも一方の領域において、上記巻線の横
断面における中心近傍の領域である中心領域よりも小さ
い、変成器を提供するものである。
【0010】本発明の変成器では、導体に生じるジュー
ル熱に対する冷却効果が比較的高い領域である巻線の横
断面における内側外周領域と外側外周領域のうちの少な
くとも一方において、中心領域よりも導体の断面積を小
さく設定している。従って、導体の発熱による温度上昇
の制約を充足しつつ、かつ巻線の横断面の面積を増加さ
せることなく導体の巻数を増大させ、それによって巻鉄
心の小型化(鉄心有効断面積の低減)を図ることができ
る。巻鉄心は、変成器を構成する他の部品と比較し寸法
も大きく、かつ重量も重いので巻鉄心の小型化により変
成器全体として、小型化、軽量化を図ることができる。
また、巻鉄心は変成器を構成する他の部品と比較して比
較的高価である電磁鋼板からなるため、巻鉄心を小型化
して電磁鋼板の使用量を低減することにより、変成器の
製造コストを低減することができる。なお、「略円形」
とは、真円に限らず、楕円、長円、多角形、及び自由曲
線からなる閉曲線等の巻線の横断面の形状としては実質
的に円形の範疇に含まれる平面図形をいう。
【0011】例えば、上記導体は断面円形の導線であ
り、この導線の外側外周領域及び/又は内側外周領域に
おける径を、上記中心領域における径よりも小さく設定
する。
【0012】また、上記導体は厚みが一定である断面矩
形の帯状導体であり、この帯状導体の上記外側外周領域
及び/又は内側外周領域における幅を上記中心領域にお
ける幅よりも小さく設定する。
【0013】具体的には、上記帯状導体の外側外周領域
及び/又は内側外周領域における幅が、上記中心領域か
ら離反するに伴って連続的又は段階的に縮小する。な
お、帯状導体の厚みを、外側外周領域及び/又は内側外
周領域と中心領域とで異ならせても良い。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、図面に示す本発明の実施形
態に基づいて、本発明を詳細に説明する。
【0015】(第1実施形態)図1から図3は、本発明
の第1実施形態に係る変成器を示している。この変成器
は、一次巻線11と二次巻線12からなる1個の巻線1
0と、一対の巻鉄心13とを備えている。なお、図にお
いて、14は巻線10の外周を被覆する絶縁テープ、1
5は一次巻線11と二次巻線12とを絶縁するための絶
縁スペーサである。
【0016】巻線10は、間隔を隔てて互いに対向する
一対の脚部10aと、これら脚部10aの両端を連結す
る一対の連結部10bと、これら脚部10a及び連結部
10bにより囲まれた窓部10cとを備えている。ま
た、巻線10は後述する導線11a〜12bの巻回方向
に直交する方向の断面(横断面)が円形である。一方、
巻鉄心13は、円筒状であって巻線10が備える一対の
脚部10aに電磁鋼板をそれぞれ巻き込んでなる。すな
わち巻鉄心13の断面円形の鉄心窓に巻線10が収容さ
れている。
【0017】巻線10を構成する一次巻線11と二次巻
線12は、それぞれ銅等の導電性を有する材料からなり
断面円形の導線11a〜12bを多数回巻回して構成さ
れている。図11に示した従来の変成器では一次巻線2
及び二次巻線3の導線2a,2bは断面積が一定である
が、本実施形態では、一次巻線11及び二次巻線12の
両方で導線の径を変化させて、それによって断面積を変
化させている。図において、t1,t2,t3,t4は
一次側及び二次側の入出力用の端子を示している。
【0018】まず、一次巻線11は、一次側内導線11
aと一次側外導線11bからなる。一次側内導線11a
は一次側外導線11bよりも径が小さく、従って断面積
が小さい。一次側内導線11aと一次側外導線11bと
は、図3に概略的に示すように、一方の端部が互いに電
気的に接続されており、電気的には1本の導線を構成し
ている。一次巻線11は、これら一次側内導線11a及
び一次側外導線11bを、図示しない巻型に対して巻回
することにより形成される。この際、一次側内導線11
aから巻型に巻き付け、窓部10c側に一次側内導線1
1aを配置する。なお、図2において矢印Yは巻線10
の横断面において導線が積み上げられる方向を示してい
る。
【0019】次に、二次巻線12は、二次側内導線12
aと一次側外導線11bからなる。二次側外導線12b
は二次側内導線12aよりも径が小さく、従って断面積
が小さい。二次側内導線12aと二次側外導線12bと
は、図3に概略的に示すように、一方の端部が互いに電
気的に接続されており、電気的には1本の導線を構成し
ている。二次巻線12は、これら二次側内導線12a及
び二次側外導線12bを、巻型に巻回済みの一次巻線1
1に絶縁スペーサ15を介在させて巻回することにより
形成される。この際、一次側内導線11aから巻き付け
て、一次巻線11側に二次側内導線12aを配置する。
なお、二次巻線12の形成後、巻線10の外周に絶縁テ
ープ14が巻き付けられる。
【0020】図2に示すように、一次巻線11について
は、巻線10の横断面における窓部10c側の外周近傍
の領域である内側外周領域Ar1に径の小さい(断面積
の小さい)一次側内導線11aが配置され、巻線10の
横断面における中心近傍の領域である中心領域Ar3に
径の大きい(断面積の大きい)一次側外導線11bが配
置されている。一方、二次巻線12については、中心領
域Ar3に径の大きい(断面積の大きい)二次側内導線
12aが配置され、巻線10の横断面における窓部10
cとは反対側の外周近傍の領域である外側外周領域Ar
2には径の小さい(断面積の小さい)二次側外導線12
bが配置されている。すなわち、第1実施形態では、導
線11a〜12bに生じるジュール熱に対する冷却効果
が比較的高い領域である内側外周領域Ar1と外側外周
領域Ar2において、冷却効果の低い中心領域Ar3よ
りも導線11a〜12bの面積を小さく設定している。
従って、導線11a〜12bの発熱による温度上昇の制
約を充足しつつ、かつ巻線10の横断面の面積を増加さ
せることなく導線11a〜12bの巻数を増大させ、そ
れによって巻鉄心13の小型化(鉄心有効断面積の低
減)を図ることができる。巻鉄心13は、変成器を構成
する他の部品と比較し寸法も大きく、かつ重量も重いの
で巻鉄心13の小型化により変成器全体として、小型
化、軽量化を図ることができる。また、巻鉄心13は変
成器を構成する他の部品と比較して比較的高価である電
磁鋼板からなるため、巻鉄心13を小型化して電磁鋼板
の使用量を低減することにより、変成器の製造コストを
低減することができる。
【0021】(第2実施形態)図4は、本発明の第2実
施形態に係る変成器を示している。この第2実施形態で
は、巻線10の一次巻線11及び二次巻線12は、導線
ではなく銅等の導電性材料からなる断面矩形の帯状導体
21,22を巻回してなる。まず、これらの帯状導体2
1,22は板厚が一定であり断面形状は矩形状である。
また、帯状導体21,22は基端21a,22a側から
一定の長さL1は幅Wが一定の平行部21c,22cで
あり、この平行部21c,22cから末端21b,22
b側に向けて漸次幅Wが減少する長さL2のテーパ部2
1d,22dを備えている。平行部21c,22cでは
帯状導体21,22の断面積は一定であるが、テーパ部
21d,22dでは帯状導体21,22の断面積は先端
側に向けて漸次減少している。
【0022】一次巻線11は、図示しない巻型に対して
帯状導体21を末端21b側から巻回することにより形
成しており、窓部10c側にテーパ21dを配置してい
る。また、二次巻線12は、巻型に巻回済みの一次巻線
11に絶縁スペーサ15を介在させて帯状導体22を基
端22a側から巻回することにより形成しており、窓部
10cとは反対側にテーパ部22dを配置している。
【0023】図2に示すように、一次巻線11の帯状導
体21については、内側外周領域Ar1に幅Wが漸次縮
小して断面積が漸次減少するテーパ部21dが配置さ
れ、中心領域Ar3に幅Wが一定の平行部21cが配置
されている。一方、二次巻線12の帯状導体22につい
ては、中心領域Ar3に幅Wが一定で断面積の大きい平
行部22cが配置され、外側外周領域Ar2には幅Wが
漸次縮小して断面積が漸次減少するテーパ部22dが配
置されている。
【0024】内側外周領域Ar3では帯状導体21の幅
方向の巻鉄心13の鉄心窓の寸法が小さく、かつその減
少率が大きいが、幅Wが漸次縮小するテーパ部21dを
配置しているため、幅一定の帯状導体を巻回する場合と
比較して巻数が増大する。一方、内側外周領域Ar1
は、帯状導体21に生じるジュール熱に対する冷却効果
が高い。外側外周領域Ar2も、上記内側外周領域Ar
3と同様に、帯状導体22の幅方向の巻鉄心13の鉄心
窓の寸法が小さく、かつその減少率が大きいが、幅Wが
漸次縮小するテーパ部22dを配置しているため、幅一
定の帯状導体を巻回する場合と比較して巻数が増大す
る。一方、外側外周領域Ar2も、帯状導体22に生じ
るジュール熱に対する冷却効果が高い。このように第2
実施形態では、帯状導体21,22に生じるジュール熱
に対する冷却効果が比較的高い領域である内側外周領域
Ar1と外側外周領域Ar2において、冷却効果の低い
中心領域Ar3よりも帯状導体21,22の断面積を小
さく、かつこの断面積を漸次低減させることにより、帯
状導体21,22の発熱による温度上昇の制約を充足し
つつ、かつ巻線10の横断面の面積を増加させることな
く帯状導体21,22の巻数を増大させている。この巻
数の増大により、巻鉄心13の小型化し、変成器全体と
しても小型化、軽量化、及びコスト低減を図ることがで
きる。
【0025】なお、図4では、巻鉄心10の横断面を概
略的に示しているため、巻鉄心13の鉄心窓に隙間があ
るように見えるが、実際にはこの隙間は極めて微少であ
り、実質的に巻鉄心10の横断面は円形である。第2実
施形態のその他の構成及び作用は第1実施形態と同様で
あるので、同一の要素には同一の符号を付して説明を省
略する。
【0026】(第3実施形態)次に、図5から図7に示
す本発明の第3実施形態について説明する。この第3実
施形態では、図7に示すコイルボビン25に巻線を形成
している。このコイルボビン25は、共に樹脂製である
外枠26と、内枠27とを備えている。外枠26は巻鉄
心13に巻き込まれる一対の鉄心巻き込み部26aと、
この鉄心巻き込み部26aを連結する一対の連結部26
bとを備え、全体として矩形枠状を呈している。また、
外枠26の外周には巻線を収容するための溝26cが形
成されている。上記内枠27は、外枠26と同様に、一
対の鉄心巻き込み部27aと、一対の連結部27bとを
備えた矩形枠状であって、その外周に溝27cが形成さ
れている。外枠26に対して内枠27が一体に嵌め込ま
れる。
【0027】図5に示すように、外枠26の溝26cの
断面は矩形状であり、内枠27の溝27cの断面は正六
角形を2分割した形状である。従って、溝26c,27
cを合わせた断面形状、すなわち巻線10の断面形状
は、円形に近似した形状である。
【0028】図5に示すように、巻線10は一次巻線1
1と、二次巻線12とにより構成され、一次巻線11
は、コイルボビン25の内枠27の溝27cに径が一定
(断面積が一定)の導線28を巻回して形成されてい
る。そのため、一次巻線11については、内側領域Ar
1と中心領域Ar3とで導線28の断面積が一定であ
る。一方、二次巻線12は、コイルボビン25の外枠2
6の溝26cに帯状導体29を巻回して構成している。
この帯状導体29は上記第2実施形態における帯状導体
21,22と同様である。すなわち、帯状導体29は板
厚が一定で基端29a側の平行部29cと、末端29b
側のテーパ部29dとを備えている。帯状導体29は基
端29a側からコイルボビン25の外枠26に巻回して
おり、中心領域Ar3には平行部29cが配置され、外
側外周部Ar2にはテーパ部29dが配置されている。
なお、図においてt6,t7,t8,t9は一次側及び
二次側の入出力用の端子を示している。
【0029】外側外周領域Ar2では、帯状導体22の
幅方向の巻鉄心13の鉄心窓の寸法が小さく、かつその
減少率が大きいが、幅Wが漸次縮小するテーパ部29d
を配置しているため、幅一定の帯状導体を巻回する場合
と比較して巻数が増大する。一方、外側外周領域Ar2
は、帯状導体22に生じるジュール熱に対する冷却効果
が高い。このように第3実施形態では、帯状導体29に
生じるジュール熱に対する冷却効果が比較的高い領域で
ある外側外周領域Ar2において、冷却効果の低い中心
領域Ar3よりも帯状導体29の断面積を小さく、かつ
この断面積を漸次低減させることにより、帯状導体29
の発熱による温度上昇の制約を充足しつつ、かつ巻線1
0の横断面の面積を増加させることなく帯状導体29の
巻数を増大させている。この巻数の増大により、巻鉄心
13の小型化し、変成器全体としても小型化、軽量化、
及びコスト低減を図ることができる。第3実施形態のそ
の他の構成は第1実施形態と同様であるので、同一の要
素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0030】(第4実施形態)図8及び図9に示すよう
に、本発明の第4実施形態に係る変成器の巻線10は、
1個の一次巻線41を備え、この一次巻線41よりも窓
部10c側に2個の二次巻線42,43を備え、さらに
一次巻線41に対して窓部10cと反対側に2個の二次
巻線44,45を備えている。窓部10c側の2個の二
次巻線42,443と、窓部10cと反対側の二次巻線
44,45とは1個ずつ電気的に接続されている。従っ
て、この変成器は1個の一次巻線と2個の二次巻線を有
している。
【0031】一次巻線41は径が一定(断面積が一定)
である導線41aを巻回してなり、巻線10の横断面の
中心付近に配置されている。この一次巻線41よりも窓
部10c側には配置されている2個の二次巻線42,4
3は、それぞれ絶縁スペーサ15Aにより一次巻線41
に対して絶縁されると共に、絶縁スペーサ15Cにより
二次巻線42,43どうしが互いに絶縁されている。ま
た、これらの二次巻線42,43は、図10(B),
(C)に示すように、板厚が一定で断面が矩形状であっ
て、基端46a,47a側の長さL1の平行部46c,
47cと、末端46b,46b側の長さL2のテーパ部
46d,47dとを備える帯状導体46,47からな
る。これらの帯状導体46,47は、長手方向の一方の
辺が折れ曲がりのない直線であり、他方の辺が一方の辺
に向けて延びることによりテーパ部46d,47dが形
成されている。二次巻線42,43は、これらの帯状導
体46,47を末端46b,47b側から巻回すること
により形成され、それぞれ内側外周領域Ar1に各帯状
導体46,47のテーパ部46d,47dが配置され、
中心領域Ar3に平行部46c,47cが配置されてい
る。
【0032】一次巻線41に対して窓部10cと反対側
の二次巻線44,45も、図10(B),(C)に示す
ように、板厚が一定で断面が矩形状であって、基端48
a,9a側の長さL1の平行部48c,49cと長さL
2のテーパ部48d,49dとを備える帯状導体48,
49からなる。二次巻線44,45は、これらの帯状導
体48,49を基端48a,49a側から巻回すること
により形成され、それぞれ外側外周領域Ar2に各帯状
導体48,49のテーパ部48d,49dが配置され、
中心領域Ar3に平行部48c,49cが配置されてい
る。
【0033】図においてt11からt20は一次巻線4
1及び二次巻線42〜45の端子を示している。これら
のうち端子t11,t12,t13,t15,t18,
t20は一次側及び二次側の入出力用の端子を示してい
る。一方、端子t14,t16,t17,t19は二次
巻線42〜45の相互接続用である。
【0034】まず、窓部10c側の2個の二次巻線4
2,43のうち、一方の二次巻線42の端子t14と、
巻線10の横断面においてこの二次巻線42と横断面の
中心に対して点対称に配置されている窓部10cと反対
側の二次巻線44の端子t17とが接続されている。従
って、これらの二次巻線42,44は1本の巻線を構成
している。
【0035】また、窓部10c側の2個の二次巻線4
2,43のうち、他方の二次巻線43の端子t16と、
巻線10の横断面においてこの二次巻線43と横断面の
中心に対して点対称に配置されている窓部10cとは反
対側の二次巻線45の端子t19とが接続されている。
従って、これらの二次巻線43,45は1本の巻線を構
成している。
【0036】この第4実施形態では、窓部10c側の二
次巻線42,43においては、帯状導体46,47のテ
ーパ部46d,47dが内側外周領域Ar1に配置さ
れ、平行部46c,47cが中央領域Ar3に配置され
ている。同様に、窓部10cとは反対側の二次巻線4
4,45においては、帯状導体48,49のテーパ部4
8d,49dが外側外周領域Ar2に配置され、平行部
48c,49cが中央領域Ar3に配置されている。こ
のように第4実施形態では、帯状導体46〜49に生じ
るジュール熱に対する冷却効果が比較的高い領域である
内側領域Ar1及び外側外周領域Ar2において、冷却
効果の低い中心領域Ar3よりも帯状導体46〜49の
断面積を小さく、かつこの断面積を漸次低減させること
により、帯状導体の46〜49発熱による温度上昇の制
約を充足しつつ、かつ巻線10の横断面の面積を増加さ
せることなく帯状導体29の巻数を増大させている。こ
の巻数の増大により、巻鉄心13の小型化し、変成器全
体としても小型化、軽量化、及びコスト低減を図ること
ができる。第4実施形態のその他の構成は第1実施形態
と同様であるので、同一の要素には同一の符号を付して
説明を省略する
【0037】本発明は、上記実施形態に限定されず、種
々の変形が可能である。図10(D)〜(F)に示すよ
うに、帯状導体149,149’,149’として、幅
Wが一定である平行部149a,149a’,149
a’’と、幅Wが段階的に縮小する部149b,149
b’,149b’’とを備えるものを使用してもよい。
なお、帯状導体の厚みを、外側外周領域及び/又は内側
外周領域と中心領域とで異ならせても良い。
【0038】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の変成器では、導体に生じるジュール熱に対する冷却効
果が比較的高い領域である巻線の横断面における内側外
周領域と外側外周領域のうちの少なくとも一方におい
て、中心領域よりも導体の断面積を小さく設定してい
る。従って、導体の発熱による温度上昇の制約を充足し
つつ、かつ巻線の横断面の面積を増加させることなく導
体の巻数を増大させ、それによって巻鉄心の小型化(鉄
心有効断面積の低減)を図ることができる。巻鉄心は、
変成器を構成する他の部品と比較し寸法も大きく、かつ
重量も重いので巻鉄心の小型化により変成器全体とし
て、小型化、軽量化を図ることができる。また、巻鉄心
は変成器を構成する他の部品と比較して比較的高価であ
る電磁鋼板からなるため、巻鉄心を小型化して電磁鋼板
の使用量を低減することにより、変成器の製造コストを
低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態の変成器を示す斜視図
である。
【図2】 図1のII-II線での断面図である。
【図3】 本発明の第1実施形態の変成器の回路図であ
る。
【図4】 本発明の第2実施形態の変成器を示す断面図
である。
【図5】 本発明の第3実施形態の変成器を示す断面図
である。
【図6】 本発明の第3実施形態の変成器の回路図であ
る。
【図7】 第3実施形態の変成器が備えるコイルボビン
を示す分解斜視図である。
【図8】 本発明の第4実施形態の変成器を示す断面図
である。
【図9】 本発明の第4実施形態の変成器の回路図であ
る。
【図10】 (A)、(B)、(C)、(D)、
(E)、及び(F)は、帯状導体を示す平面図である。
【図11】 従来の変成器を示す断面図である。
【図12】 巻線の横断面における位置と導線に生じる
ジュール熱に起因する温度上昇との関係を示す線図であ
る。
【符号の説明】 【符号の説明】
10 巻線 10a 脚部 10b 連結部 10c 窓部 11 一次巻線 11a,11b 導線 12 二次巻線 12a,12b 導線 13 巻鉄心 14 絶縁テープ 15 絶縁スペーサ 21,22 帯状導体 21c,22c 平行部 21d,22d テーパ部 25 コイルボビン 26 外枠 27 内枠 28 導線 29 帯状導体 29c 平行部 29d テーパ部 41 一次巻線 41a 導線 42,43,44,45 二次巻線 46,47,48,49 帯状導体 46a,47a,48a,49a 基端 46b,47b,48b,49b 末端 46c,47c,48c,49c 平行部 46d,47d,48d,49d テーパ部 Ar1 内側外周領域 Ar2 外側外周領域 Ar3 中心領域

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 間隔を隔てて互いに対向する一対の脚部
    と、これら脚部の両端を連結する一対の連結部と、これ
    ら脚部及び連結部により囲まれた窓部とを備え、複数の
    導体をそれぞれ複数回巻回してなる巻線と、 上記一対の脚部に電磁鋼板をそれぞれ巻き込でなる一対
    の巻鉄心とを備え、 上記巻線は上記導体の巻回方向と直交する方向の断面で
    ある横断面の形状が略円形である、変成器であって、 上記複数の導体のうち少なくとも一つの上記巻回方向と
    直交する断面での断面積は、上記巻線の横断面における
    上記窓部側の外周近傍領域である内側外周領域と、上記
    巻線の横断面における上記窓部と反対側の外周近傍領域
    である外側外周領域とのうちの少なくとも一方の領域に
    おいて、上記巻線の横断面における中心近傍の領域であ
    る中心領域よりも小さい、変成器。
  2. 【請求項2】 上記導体は断面円形の導線であり、この
    導線の外側外周領域及び/又は内側外周領域における径
    が、上記中心領域における径よりも小さい、請求項1に
    記載の変成器。
  3. 【請求項3】 上記導体は厚みが一定である断面矩形の
    帯状導体であり、この帯状導体の上記外側外周領域及び
    /又は内側外周領域における幅が上記中心領域における
    幅よりも小さい、請求項1に記載の変成器。
  4. 【請求項4】 上記帯状導体の外側外周領域及び/又は
    内側外周領域における幅が、上記中心領域から離反する
    に伴って連続的又は段階的に縮小する、請求項3に記載
    の変成器。
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