JP6840359B2 - 導電性ダイヤモンド電極を用いたギ酸製造方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、導電性ダイヤモンド電極を用いたギ酸の製造方法及び装置に関する。
ギ酸は重要な工業原料であり、ギ酸ソーダの酸分解法、炭化水素の酸化法、ギ酸メチルの直接加水分解法などにより製造されてきた。
特許文献1は二酸化炭素の電解還元装置を記載している。特許文献1の方法では7M程度の高濃度の炭酸カリウム水溶液に二酸化炭素を飽和させて、電解還元を行っている。生成物は酢酸やギ酸と記載されている。
特許文献2は、ダイヤモンド電極を用いる電気化学的還元装置を記載している。特許文献2の方法では、高圧下で二酸化炭素をメタノール溶液に飽和させて、電解還元を行っている。
非特許文献1は鉛電極を用いて、二酸化炭素の電解還元を行っている。
特許文献3はギ酸生成装置及び方法を記載している。使用されている電極は酸化ガリウム電極である。実施例における電解時間は6934秒(約115分)であり、ギ酸の生成量は168.3μmolである。
高濃度の炭酸カリウム溶液や、高圧条件を必要とせず、環境負荷が比較的少なく、効率的で持続性のあるギ酸の製造方法が求められている。
特開2011−174139号公報(特許第5368340号公報) 特開2014−167151号公報(特許第6042749号公報) 特開2015−129343号公報
S. Kaneko, R. Iwao, K. IIba, K. Ohta and T. Mizuno, Energy, 23 (1998) No. 12, pp. 1107-1112
従来の方法として、スズ(Sn)、鉛(Pb)あるいは水銀(Hg)といった金属電極をカソード電極として構成し、二酸化炭素を含有する電解液からギ酸を生成する方法が開示されているが、電解効率が時間とともに減少していき、電極の耐久性が乏しいといった問題があった。また、電解液には、メタノールなどの有機溶媒が利用され、電解条件も加圧条件とされるなど、電解反応装置として設備が複雑になる、といった問題点があった。
本発明は、こうした従来の問題点に鑑み、二酸化炭素還元生成物としてギ酸を効率的に生成するギ酸生成方法及び該方法のための装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記の問題を解決するために、導電性ダイヤモンド電極を用いたギ酸製造方法及び装置を提供する。この方法または装置を用いて二酸化炭素の電気的還元を行うことにより、効率的にギ酸を製造することができる。
すなわち本発明は、以下を包含する:
[1] 二酸化炭素を還元することによりギ酸を製造する方法であって、
カソードに導電性ダイヤモンド電極を使用し、
カソード用の第一電解質溶液が、ルビジウムイオン、セシウムイオン又はカリウムイオンを含み、かつ、二酸化炭素を含み、
導電性ダイヤモンド電極を用いて第一電解質溶液に電圧を印加する工程を含む、方法。
[2] 第一電解質溶液が、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム又は水酸化カリウムを含み、二酸化炭素と、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム又は水酸化カリウムとを含む第一電解質溶液のpHが6〜7である、1に記載の方法。
[3] 第一電解質溶液が、ハロゲン化ルビジウム、ハロゲン化セシウム又はハロゲン化カリウムを含む、1に記載の方法。
[4] ハロゲン化ルビジウム、ハロゲン化セシウム又はハロゲン化カリウムが、それぞれ、塩化ルビジウム、塩化セシウム又は塩化カリウムであり、二酸化炭素と、塩化ルビジウム、塩化セシウム又は塩化カリウムとを含む第一電解質溶液のpHが3.8〜5である、3に記載の方法。
[5] 前記第一電解質溶液に含まれる水酸化ルビジウム濃度が20mM〜0.2M、水酸化セシウム濃度が10mM〜50mM、又は水酸化カリウム濃度が0.1M〜0.5Mである、2に記載の方法。
[6] 前記第一電解質溶液に含まれる塩化ルビジウム濃度が20mM〜0.2M、塩化セシウム濃度が10mM〜50mM、又は塩化カリウム濃度が0.1M〜0.5Mである、4に記載の方法。
[7] 前記第一電解質溶液に含まれる水酸化ルビジウム濃度が50mM〜80mMであり、導電性ダイヤモンド電極が0.1〜1.0%のホウ素ドープダイヤモンド電極であり、二酸化炭素及び水酸化ルビジウムを含む第一電解質溶液のpHが6〜7である、2に記載の方法。
[8] アノードに金属電極を使用し、アノード用の第二電解質溶液を使用し、第一電解質溶液と第二電解質溶液とが固体電解質膜により隔離されている、1〜7いずれか1項に記載の方法。
[9] 二酸化炭素を還元することによりギ酸を生成するためのギ酸生成装置であって、
二酸化炭素を含有する第一電解質溶液を収容するためのカソード槽、
第二電解質溶液を収容するためのアノード槽、
前記カソード槽と前記アノード槽との間に挟まれる固体電解質膜、
前記第一電解質溶液に接触するように前記カソード槽に設けられた導電性ダイヤモンド電極、
前記第二電解質溶液に接触するように前記アノード槽に設けられた金属電極、及び
ルビジウムイオン、セシウムイオン又はカリウムイオンを添加するための機構、
を備えた、ギ酸生成装置。
[10] カソード電極に電圧を印加するための外部電源機構を備えた、9に記載の装置。
[11] 前記ルビジウムイオン、セシウムイオン又はカリウムイオンを添加するための機構が、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム又は水酸化カリウムを添加するための機構であり、
装置が第一電解質溶液のpHを6〜7とする手段を備えているか、又は装置に用いられる第一電解質溶液がpHを6〜7とする緩衝液若しくはpH調整剤を含む、9又は10に記載の装置。
[12] 前記ルビジウムイオン、セシウムイオン又はカリウムイオンを添加するための機構が、それぞれ、ハロゲン化ルビジウム、ハロゲン化セシウム又はハロゲン化カリウムを添加するための機構である、9又は10に記載の装置。
[13] 前記ハロゲン化ルビジウム、ハロゲン化セシウム又はハロゲン化カリウムを添加するための機構が、それぞれ、塩化ルビジウム、塩化セシウム又は塩化カリウムを添加するための機構であり、装置が第一電解質溶液のpHを3.8〜5とする手段を備えているか、又は装置に用いられる第一電解質溶液がpHを3.8〜5とする緩衝液若しくはpH調整剤を含む、12に記載の装置。
[14] 前記水酸化ルビジウムを添加するための機構が水酸化ルビジウム濃度を50mM〜80mMとするものであり、導電性ダイヤモンド電極が0.1〜1.0%のホウ素ドープダイヤモンド電極であり、かつ、該装置が、二酸化炭素及び水酸化ルビジウムを含む第一電解質溶液のpHを6〜7とする手段を備えているか、又は装置に用いられる第一電解質溶液がpHを6〜7とする緩衝液若しくはpH調整剤を含むものである、11に記載の装置。
本発明によれば、穏和な条件下(常温、常圧)において、二酸化炭素水溶液を電解質として利用しギ酸を生成することができる。また本発明によれば、簡素な設備を用いてギ酸を生成することができる。また本発明によれば、ファラデー効率が低下しにくく、耐久性のある電解反応装置が提供される。
本発明の装置の概略図を示す。 各種水酸化物の濃度を変化させた場合のファラデー効率を示す。 二酸化炭素を含む電解質溶液のpHを変化させた場合のファラデー効率を示す。 48時間まで電解反応を行った場合のファラデー効率を示す。 各種塩化物を使用し電流密度を変化させた場合のファラデー効率を示す。 カソード槽の電解質溶液のpHの影響を示す。
ある実施形態において、本発明は、二酸化炭素を還元することによりギ酸を製造する方法を提供する。この方法は、カソードに導電性ダイヤモンド電極を使用し、カソード用の第一電解質溶液が、ルビジウムイオン、セシウムイオン又はカリウムイオンを含み、かつ、二酸化炭素を含み、導電性ダイヤモンド電極を用いて第一電解質溶液に電圧を印加する工程を含む。
ある実施形態において、第一電解質溶液に含まれるルビジウムイオン、セシウムイオン又はカリウムイオンは、それぞれ、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム又は水酸化カリウムでありうる。このとき、さらなる実施形態において、二酸化炭素、及び、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム又は水酸化カリウムを含む第一電解質溶液のpHは5〜8、例えば6〜7、6〜6.6、6.05〜6.4、例えば6.1〜6.35とすることができる。
ある実施形態において、第一電解質溶液に含まれるルビジウムイオン、セシウムイオン又はカリウムイオンは、それぞれ、ハロゲン化ルビジウム、例えば塩化ルビジウム、臭化ルビジウム若しくはヨウ化ルビジウム、ハロゲン化セシウム、例えば塩化セシウム、臭化セシウム若しくはヨウ化セシウム、又はハロゲン化カリウム、例えば塩化カリウム、臭化カリウム若しくはヨウ化カリウムでありうる。このとき、さらなる実施形態において、二酸化炭素、及び、ハロゲン化ルビジウム、例えば塩化ルビジウム、ハロゲン化セシウム、例えば塩化セシウム又はハロゲン化カリウム、例えば塩化カリウムを含む第一電解質溶液のpHは3.5〜5.5、3.8〜5.0、3.8〜4.5、例えば3.8〜4.2、例えば3.8〜4.0とすることができる。
ある実施形態において、前記第一電解質溶液に含まれる水酸化ルビジウム濃度は10mM〜0.5M、15mM〜0.4M、20mM〜0.3M、25mM〜0.25M、例えば25mM〜0.2Mとすることができ、水酸化セシウム濃度は10mM〜50mM、例えば15〜30mMとすることができ、水酸化カリウム濃度は0.1M〜0.7M、0.2M〜0.6M、0.25M〜0.55M、例えば0.25M〜0.5Mとすることができる。
ある実施形態において、前記第一電解質溶液に含まれる塩化ルビジウム濃度は10mM〜0.5M、15mM〜0.4M、20mM〜0.3M、25mM〜0.25M、例えば25mM〜0.2Mとすることができ、塩化セシウム濃度は10mM〜50mM、例えば15〜30mMとすることができ、塩化カリウム濃度は0.1M〜0.7M、0.2M〜0.6M、0.25M〜0.55M、例えば0.25M〜0.5Mとすることができる。
ある実施形態において、前記第一電解質溶液に含まれる水酸化ルビジウム濃度は50mM〜80mMとすることができ、導電性ダイヤモンド電極は0.1〜1.0%のホウ素ドープダイヤモンド電極とすることができ、二酸化炭素及び水酸化ルビジウムを含む第一電解質溶液のpHは6〜7とすることができる。
ある実施形態において、アノードに金属電極を使用することができる。アノード用の第二電解質溶液はカソード用の第一電解質溶液と同一又は異なる電解質を含みうる。ある実施形態において、アノード用の第二電解質溶液は、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、ハロゲン化ルビジウム、例えば塩化ルビジウム、ハロゲン化セシウム、例えば塩化セシウム、若しくはハロゲン化カリウム、例えば塩化カリウム、又は水酸化ナトリウムを含む。ある実施形態において、例えばカソード用の第一電解質溶液にハロゲン化ルビジウム、ハロゲン化セシウム、又はハロゲン化カリウムを使用する場合において、アノード用の第二電解質溶液は水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムを含みうる。別の実施形態において、アノード用の第二電解質溶液は硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸ルビジウム、硫酸セシウム等の適当な水酸化物若しくは塩を含みうる。本明細書において電解質溶液のことを単に電解溶液、電解液ということがある。
ある実施形態において、本発明は、二酸化炭素を還元することによりギ酸を製造する装置を提供する。この装置は、
二酸化炭素を含有する第一電解質溶液を収容するためのカソード槽、
第二電解質溶液を収容するためのアノード槽、
前記カソード槽と前記アノード槽との間に挟まれる固体電解質膜、
前記第一電解質溶液に接触するように前記カソード槽に設けられた導電性ダイヤモンド電極、
前記第二電解質溶液に接触するように前記アノード槽に設けられた金属電極、及び
ルビジウムイオン、セシウムイオン又はカリウムイオンを添加するための機構、
を備え得る。
ある実施形態において、本発明の装置は、カソード電極とアノード電極との間に電圧を印加するための外部電源機構を備えてなる。外部電源機構はポテンシオ・ガルバノスタット機構等でありうる。ある実施形態において、本発明の装置における、ルビジウムイオン、セシウムイオン又はカリウムイオンを添加するための機構は、それぞれ、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム又は水酸化カリウムを添加するための機構でありうる。この場合において、本発明の装置は第一電解質溶液のpHを6〜7とする手段を備えているか、又は装置に用いられる第一電解質溶液がpHを6〜7とする緩衝液若しくはpH調整剤を含みうる。ある実施形態において、本発明の装置における、ルビジウムイオン、セシウムイオン又はカリウムイオンを添加するための機構は、それぞれハロゲン化ルビジウム、例えば塩化ルビジウム、臭化ルビジウム若しくはヨウ化ルビジウム、ハロゲン化セシウム、例えば塩化セシウム、臭化セシウム若しくはヨウ化セシウム、又はハロゲン化カリウム、例えば塩化カリウム、臭化カリウム若しくはヨウ化カリウムを添加するための機構でありうる。この場合において、本発明の装置は第一電解質溶液のpHを3.8〜5とする手段を備えているか、又は装置に用いられる第一電解質溶液がpHを3.8〜5とする緩衝液若しくはpH調整剤を含んでもよい。
ある実施形態において、本発明の装置の水酸化ルビジウムを添加するための機構は水酸化ルビジウム濃度を50mM〜80mMとするものであり、導電性ダイヤモンド電極は0.1〜1.0%のホウ素ドープダイヤモンド電極であり、かつ、該装置は、二酸化炭素及び水酸化ルビジウムを含む第一電解質溶液のpHを6〜7とする手段を備えているか又は装置に用いられる第一電解質溶液がpHを6〜7とする緩衝液若しくはpH調整剤を含む。
本発明のギ酸生成方法において、第一電解質溶液は二酸化炭素を含む。二酸化炭素を含む電解質溶液の調製は、炭酸ガスの気泡を水溶液に供給するバブリング工程により行うことができる。第一電解質溶液は二酸化炭素の飽和溶液とすることができる。二酸化炭素のバブリングは、電解還元中に継続して行ってもよく、例えば電解還元を長時間行う場合は特にそうである。ある実施形態では、電解質溶液の酸素を除くために予め窒素をバブリングしてもよい。その後、二酸化炭素をバブリングしてもよい。
次いで、二酸化炭素を供給した第一電解質溶液のpHを調整することができる。第一電解質溶液のpHは、例えばpH 5〜8、6〜7、6.0〜6.6、6.05〜6.5、6.1〜6.4、例えば6.15〜6.35、例えば6.2〜6.5とすることができる。pHは適当な緩衝剤又はpH調整剤により調整しうる。pHが塩基性であれば、塩酸等の酸によりpHを調整しうる。
本発明において、第二電解質溶液は、第一電解質溶液と同一の水溶液とすることができ、例えば同一の水酸化物溶液、又は同一の塩化物溶液とすることができる。また、第二電解質溶液はpHを調整してもよく、又は調整せずともよい。
本発明において、電解還元は、定電位電解でもよく、定電圧電解でもよく、電流密度を一定としてもよい。電流は直流でありうる。
ある実施形態において、本発明のギ酸生成反応における、導電性ダイヤモンド電極の印加電位は、参照電極に対して-5.0〜-0.5Vの範囲内の所定の電位とすることができる。
ある実施形態において、本発明のギ酸生成反応における、導電性ダイヤモンド電極の電流を-50mA〜-0.1mA、-40mA〜-0.5mA、-30mA〜-1mA、-20mA〜-2mA、例えば-15mA、-10mA、-5mA又は-2mAとすることができる。
ある実施形態において、本発明のギ酸生成反応における、導電性ダイヤモンド電極の電流密度を-0.1mA/cm2〜-50mA/cm2、-0.2mA/cm2〜-40mA/cm2、-0.3mA/cm2〜-30mA/cm2、-0.4mA/cm2〜-25mA/cm2、-0.5mA/cm2〜-20mA/cm2、-1mA/cm2〜-15mA/cm2、-2mA/cm2〜-10mA/cm2、例えば-2mA/cm2、-5mA/cm2、-10mA/cm2、又は-15mA/cm2とすることができる。
本発明の方法又は装置におけるカソードには導電性ダイヤモンド電極を用いる。この導電性ダイヤモンド電極には微量の不純物をドープすることが好ましい。不純物をドープすることにより、電極として望ましい性質が得られる。不純物としては、ホウ素(B)、硫黄(S)、窒素(N)、酸素(O)、ケイ素(Si)等が挙げられる。例えば炭素源を含む原料ガスに、ホウ素を得るためにはジボラン、トリメトキシボラン、酸化ホウ素を、硫黄を得るためには酸化硫黄、硫化水素を、酸素を得るためには酸素若しくは二酸化炭素を、窒素を得るためにはアンモニア若しくは窒素を、ケイ素を得るためにはシラン等を加えることができる。特に高濃度でホウ素をドープした導電性ダイヤモンド電極は広い電位窓と、他の電極材料と比較してバックグランド電流が小さいといった有利な性質を有することから好ましい。そこで本発明では以下にホウ素ドープダイヤモンド電極について例示的に記載する。他の不純物をドープした導電性ダイヤモンド電極を用いてもよい。本明細書では、特に断らない限り、電位と電圧は同義に用い相互に置き換え可能とする。また本明細書では導電性ダイヤモンド電極を単にダイヤモンド電極と記載することがあり、ホウ素ドープダイヤモンド電極をBDD電極と記載することがある。
ある実施形態において、本発明のBDD電極の電極部は、基板表面に0.01〜8%w/wホウ素原料混入ダイヤモンドを蒸着したダイヤモンド層を有する。基板はSi基板、SiO2等のガラス基板や石英基板、Al2O3等のセラミックス基板、タングステン、モリブデン等の金属でありうる。基板表面の全部又は一部をダイヤモンド層とすることができる。別の実施形態において、BDD電極の電極部は、バルク状のダイヤモンドを有し得る。
本発明の導電性ダイヤモンド電極の電極部の大きさは特に限定されないが、1cm2以上、5cm2以上、10cm2以上、50cm2以上の面積とすることができる。ダイヤモンド層の全部又は一部をカソード溶液に接触させてギ酸生成反応に用いることができる。電極部の面積や形状は装置の構成に応じて適宜決定することができる。
ある実施形態において、本発明のBDD電極の電極部は、Si基板表面が高ホウ素原料混入(原料仕込みとして0.01〜8%w/wホウ素原料)ダイヤモンドで蒸着されたダイヤモンド層を有する。ホウ素原料混入率は例えば0.01〜5%w/w、0.02〜4%w/w、0.03〜3%w/w、0.04〜2%w/w、0.05〜1%w/w、例えば0.1〜1.0%w/w程度である。
基板へのホウ素原料混入ダイヤモンドの蒸着処理は、例えば700〜900℃で2〜12時間行うことができる。導電性ダイヤモンド薄膜は化学気相成長法(CVD)、例えばマイクロ波プラズマ化学気相成長法(MPCVD)で作製されうる。例えばシリコン単結晶(100)等の基板を成膜装置内にセットし、高純度水素ガスを担体ガスとした成膜用ガスを流す。成膜用ガスには、炭素、ホウ素が含まれている。炭素、ホウ素を含む高純度水素ガスを流している成膜装置内にマイクロ波を与えてプラズマ放電を起こさせると、成膜用ガス中の炭素源から炭素ラジカルが生成し、Si単結晶上にsp3構造を保ったまま、かつホウ素を混入しながら堆積してダイヤモンドの薄膜が形成される。
ダイヤモンド薄膜の膜厚は成膜時間の調整により制御することができる。ダイヤモンド薄膜の厚さは、例えば100nm〜1mm、1μm〜0.1mm、1μm〜100μm、2μm〜20μm等とすることができる。
基板表面へのホウ素ドープダイヤモンドの蒸着処理の条件は基板材料に応じて決定すればよい。一例としてプラズマ出力は500〜7000W、例えば3kW〜5kWとすることができ、好ましくは5kWとしうる。プラズマ出力がこの範囲であれば、合成が効率よく進行し、副生成物の少ない、品質の高い導電性ダイヤモンド薄膜が形成される。
BDD電極の製造方法としては、公知のあらゆる手法を用いることができ、CVD手法(ホットフィラメント法を用いるものを含む)の他に、真空蒸着法、イオンプレーティング法、イオン注入法等の方法を用いることもできる。
ある実施形態において、本発明のBDD電極は、水素終端化又は陰極還元されていてもよい。ある実施形態において、本発明のBDD電極は、酸素終端化又は陽極酸化されていてもよい。水素終端化の具体的な方法としては、導電性ダイヤモンド電極を水素雰囲気下でアニーリング(加熱)又は水素プラズマ処理することが挙げられる。陰極還元の具体的な方法としては、例えば、0.1M過塩素酸ナトリウム溶液中で-3Vの電位を5〜10分間印加して水素を連続発生させること、などが挙げられる。酸素終端化の具体的な方法としては、前記導電性ダイヤモンド電極を酸素雰囲気下(空気中)でアニーリング(加熱)又は酸素プラズマ処理することが挙げられる。陽極酸化の具体的な方法としては、例えば、0.1M過塩素酸ナトリウム溶液中で+3Vの電位を5〜10分間印加して酸素を連続発生させること、などが挙げられる。
上記の電極は、特開2006−98281号公報、特開2007−139725号広報、特開2011−152324号公報、又は特開2015−172401号公報等に開示されており、これらの公報の記載に従って作製することができる。
本発明の導電性ダイヤモンド電極は、熱伝導率が高く、硬度が高く、化学的に不活性であり、電位窓が広く、バックグラウンド電流が低く、電気化学的安定性に優れている。
本発明の装置の例を図1に示す。装置は、カソード電極、アノード電極、カソード槽、アノード槽、固体電解質膜、外部電源機構、及び二酸化炭素供給部を有する。図1ではカソード電極はBDD電極である。アノード電極は金属電極であり、銀、金、白金、炭素、ステンレス鋼、イリジウム、パラジウム、オスミウム、ロジウム、ルテニウム等を使用しうる。二酸化炭素供給部から二酸化炭素が供給される。固体電解質膜はカソード槽とアノード槽との間に挟まれている。固体電解質膜は、例えばナフィオン(登録商標)膜(THE CHEMOURS COMPANY FC LLC)等のスルホン酸基を持ったフッ素系ポリマー膜、スルホ系イオン交換樹脂膜、Flemion(商標)イオン交換膜、Aciplex(商標)イオン交換膜等でありうるがこれに限らない。固体電解質膜がカソード槽とアノード槽とを仕切っているため、カソード電極で生成したギ酸はアノード電極で酸化されない。カソード槽は、二酸化炭素を含有し得る第一電解質溶液を収容する。アノード槽は第二電解質溶液を収容する。BDD電極は第一電解質溶液に接触するようにカソード槽に設置される。アノード電極は第二電解質溶液に接触するようにアノード槽に設置される。図1には示されていないが、装置は、ルビジウムイオン、セシウムイオン又はカリウムイオンを添加するための機構を有しうる。ある実施形態において、ルビジウムイオン、セシウムイオン又はカリウムイオンは、装置に注入される電解質溶液に予め含まれていてもよい。この場合、本発明の装置に電解質溶液を注入する手段が、本発明の装置におけるルビジウムイオン、セシウムイオン又はカリウムイオンを添加するための機構となる。
ある実施形態において、本発明の装置は場合により、電流を一定に制御する手段(ガルバノスタット、アンペロスタットともいう)をさらに備え得る。ガルバノスタット等により、ギ酸生成反応時に電流を一定に制御することができる。ある実施形態において、本発明の装置は、さらに参照電極を有し得る。参照電極としては、銀−塩化銀電極等があげられる。この場合において、本発明の装置は、さらにポテンショスタットを有し得る。
二酸化炭素の電解還元は次の手順にて行うことができる:
(1) 作用電極をBDD電極とし、電解セルにBDD電極及び対極を設ける。また必要に応じて参照電極を設ける。
(2) 電解質溶液を反応装置内に注入する。アノード用の電解質溶液とカソード用の電解質溶液とは同一でも異なってもよい。
(3) 場合により、水溶液中の酸素を除去するために窒素をバブリングする。
(4) 水溶液中に二酸化炭素をバブリングする。
(5) 電解質溶液のpHをギ酸生成反応に適したpHに調整する。
(6) 炭酸ガスの電解還元を行う。
本発明の電解還元は常温又は室温で行うことができる。反応は低温で行ってもよい。本発明の電解還元は常圧で行うことができる。反応は高圧で行ってもよい。
ある実施形態において、本発明の装置は使用説明書を有しうる。使用説明書は、電解還元を行う反応条件(例えばpH、各成分の濃度、電流密度等)を本明細書に記載の条件とする説明を含みうる。本発明の装置は、そのような条件でギ酸生成反応を運転するよう制御するプログラム又は該プログラムを実装するソフトウェアを備え得る。プログラム又はソフトウェアは、記録媒体に格納されていてもよい。
本発明の方法又は装置により高いファラデー効率にてギ酸を生成することができる。ファラデー効率は、全反応電荷量に対する反応生成物の生成に用いられた電荷量の割合(パーセンテージ)である:
ファラデー効率(%)=100×(反応生成物の生成に用いられた電荷量)/(全反応電荷量)
本明細書においてギ酸の生成効率と言う場合、特に断らない限り、これは生成するギ酸についてのファラデー効率をいう。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明の技術的範囲は、それらの例により何ら限定されるものではない。
[実施例1]
ホウ素ドープダイヤモンド電極をCVD法により作製した。具体的には前処理としてシリコン基板Si(100)表面をダイヤモンドパウダーで核付けし、次に炭素源としてアセトン50 mLとトリメチルボラン(ホウ素濃度1%)4 mLを用いて、プラズマ出力5000Wで6時間、圧力110Torrの条件で基板上に製膜した(コーンズテクノロジー社製、モデルA×5400)。
作製したBDD電極を作用電極とし、白金メッシュ電極を対極とし、銀塩化銀(Ag/AgCl)電極を参照電極とした三極電極を構成した。作用電極の電解面積は5cm2とした。これはスケールアップが可能である。アノード槽とカソード槽とを仕切る固体電解質膜はナフィオン(登録商標)膜(アルドリッチ:カタログ番号676470-1EA)であった。
電解還元の手順は次のとおりとした:
(1) 電解質溶液として75mMの水酸化ルビジウム水溶液を電解セルに注入した(アノード槽及びカソード槽)。
(2) カソード槽の電解質溶液に窒素をバブリングした。バブリング速度は200 mL/minであった。
(3) カソード槽の電解質溶液に二酸化炭素をバブリングした。バブリング速度は500 mL/minであった。
(4) カソード槽の電解質溶液のpHを塩酸で6.2に調整した。
(5) 電解還元を-10mAにて1時間行った。
還元反応は常温及び常圧にて行った。特に断らない限り、アノード槽の電解質溶液のpH調整は行わなかった。電解還元の状況確認には、ポテンショスタットを用いた。電解生成物の測定は、ガスクロマトグラフィー(島津製作所製、GC-2014(FIDおよびTCD)装置)及び液体クロマトグラフィー(島津製作所製、Prominence HPLC装置)により行った。
その結果、75mMの水酸化ルビジウム水溶液における二酸化炭素の電解還元により75%という高いファラデー効率にてギ酸が130mg/L得られた。反応副生成物に関し、水素は、5%以下であり、一酸化炭素は0.1%であった(ファラデー効率として)。
[実施例2]
実施例1と同じ条件で、ただしアノード槽及びカソード槽の水酸化ルビジウムの濃度を変化させて25 mM、50 mM、75 mM、100 mM、200 mM、又は400 mMとした場合の結果を図2に示す(実施例)。また、図2には、水酸化ルビジウムの代わりに水酸化セシウムを10 mM、20 mM、30 mM、又は50 mMとした結果(実施例)、水酸化ルビジウムの代わりに水酸化カリウムを60 mM、75 mM、100 mM、250 mM、500 mM、及び750 mMとした結果(実施例)、水酸化ルビジウムの代わりに水酸化ナトリウムを25 mM、50 mM、100 mM、250 mM、500 mM、及び750 mMとした結果を示す(比較例)。
[比較例1]
実施例1と同じ条件で、ただしアノード槽及びカソード槽の電解質溶液を水酸化ルビジウム水溶液の代わりに、0.1 Mの塩化ナトリウムとして電解還元を行った。その結果、ギ酸は8%、水素が40%生成した。塩化ナトリウムを4Mとした場合にもギ酸の生成効率(ファラデー効率)は8%であった。
[実施例3]
pHの反応効率への影響
実施例1と同じ条件で、ただしアノード槽及びカソード槽の電解質溶液を、50 mM RbOH溶液とし、カソード槽のpHを6、6.2、又は6.6に調整した電解液によるギ酸の生成効率を測定した。結果を図3に示す。試験した条件では、ギ酸生成のファラデー効率はpH 6.2のときに66%と最も高かった。
[実施例4]
長時間電極耐久性試験
本発明の装置を用いて、電極耐久性試験を行った。実施例1と同じ条件で、ただしアノード槽の電解質溶液は0.5 M水酸化カリウムとし、電流を-10mAとし、電解還元を1〜48時間、連続で行った。その結果、ギ酸生成のファラデー効率は3時間後に79.9%であり、48時間後でも76.7%と高効率が維持された。結果を図4に示す。
[実施例5]
長期間電極耐久試験
実施例1に示した試験と同様の試験を6ヶ月にわたり継続した。具体的には1日1時間の試験を6ヶ月にわたり継続した。6ヶ月後においても、本発明の方法及び装置によるギ酸の生成効率(ファラデー効率)は71%であり、高効率を維持できた。
[比較例2]
実施例1と同じ条件で、ただし電解質溶液を、アノード槽及びカソード槽に、水酸化ルビジウム水溶液の代わりに7Mの炭酸カリウム水溶液を使用し、カソード槽の電解質溶液のpHを6.2に調整し、電解還元を行った。1日1時間の試験を6ヶ月間実施したが、ギ酸の生成効率(ファラデー効率)は、当初50%であったものが、6ヶ月後には15%程度に減少した。
[実施例6]
塩化物を用いた場合の反応効率
実施例1と同じ条件で、ただしアノード槽の電解質溶液は0.5 M水酸化カリウムとし、カソード槽の電解質溶液としてルビジウム、セシウム、又はカリウムの水酸化物に代えて、塩化ルビジウム、塩化セシウム又は塩化カリウムを、それぞれ、0.5Mにて用いた。塩化ルビジウム、塩化セシウム、又は塩化カリウム溶液を電解セルのカソード槽に注入し、二酸化炭素のバブリング後、電解質溶液のpHを、それぞれ3.8、3.9、又は4.0に調整した。また電流密度を-2、-6、又は-10 mA/cm2とした。炭酸ガスをバブリングしながら1時間電解した際のギ酸の生成効率を図5に示す。41〜89.2%のファラデー効率にてギ酸が生成した。
さらに塩化物の代わりに、ハロゲン化物として臭化物又はヨウ化物を用いて電解還元を行ったところ、臭化カリウム又はヨウ化カリウムの存在下で、電流効率約50%程度(ファラデー効率)にてギ酸が生成した。
[実施例7]
カソード槽の電解質溶液のpHの影響
カソード槽の電解質溶液のpHを変化させた場合の影響を調べた。カソード槽に0.5Mの塩化カリウム溶液を使用し、二酸化炭素の電解還元を行った。アノード槽の電解質溶液は0.1 Mの水酸化カリウム水溶液であった。他の条件は実施例1と同様であった。結果を図6に示す。
[実施例8]
高電流密度での電解試験結果
電流密度-20 mA/cm2にて電解反応を行った。カソード槽に用いる水酸化ルビジウムの濃度は75mMであり、カソード槽の電解質溶液のpHは6.2であった。また炭酸ガスを100〜200 mL/minでバブリングしながら電解反応を行った。アノード槽の電解質溶液は、2Mの水酸化カリウムとした。他の条件は実施例1と同様であった。1時間の電解反応でギ酸生成のファラデー効率は68%であり、1.172 g/Lのギ酸濃度となり、すなわち1.27 mmolのギ酸が生成した。また2時間の電解反応でギ酸生成のファラデー効率は76%であり、2.469 g/Lのギ酸濃度となり、すなわち2.68 mmolのギ酸が生成した。単位時間当たりでみた場合、これは酸化ガリウム電極を用いる公知の方法よりも10倍以上多いギ酸生成量である。
本発明のギ酸生成装置及び方法により、効率的にギ酸を生成することができる。
1 カソード電極
2 カソード槽
3 固体電解質膜
4 アノード槽
5 アノード電極
6 外部電源機構
7 二酸化炭素の気泡

Claims (10)

  1. 二酸化炭素を還元することによりギ酸を製造する方法であって、
    第一電解質溶液を収容するためのカソード槽、及び第二電解質溶液を収容するためのアノード槽を使用し、
    カソードに導電性ダイヤモンド電極を使用し、
    カソード用の第一電解質溶液が、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム又は水酸化カリウムを含み、かつ、二酸化炭素を含み、
    アノード用の第二電解質溶液を使用し、カソード用の第一電解質溶液とアノード用の第二電解質溶液とが固体電解質膜により隔離されており、
    導電性ダイヤモンド電極を用いて第一電解質溶液に電圧を印加する工程を含む、方法であって、
    二酸化炭素と、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム又は水酸化カリウムとを含む第一電解質溶液のpHが6〜7である、前記方法
  2. 二酸化炭素を還元することによりギ酸を製造する方法であって、
    第一電解質溶液を収容するためのカソード槽、及び第二電解質溶液を収容するためのアノード槽を使用し、
    カソードに導電性ダイヤモンド電極を使用し、
    カソード用の第一電解質溶液が、塩化ルビジウム、塩化セシウム又は塩化カリウムを含み、かつ、二酸化炭素を含み、
    アノード用の第二電解質溶液を使用し、カソード用の第一電解質溶液とアノード用の第二電解質溶液とが固体電解質膜により隔離されており、
    導電性ダイヤモンド電極を用いて第一電解質溶液に電圧を印加する工程を含む、方法であって、
    二酸化炭素と、塩化ルビジウム、塩化セシウム又は塩化カリウムとを含む第一電解質溶液のpHが3.8〜5である前記方法。
  3. 前記第一電解質溶液に含まれる水酸化ルビジウム濃度が20mM〜0.2M、水酸化セシウム濃度が10mM〜50mM、又は水酸化カリウム濃度が0.1M〜0.5Mである、請求項に記載の方法。
  4. 前記第一電解質溶液に含まれる塩化ルビジウム濃度が20mM〜0.2M、塩化セシウム濃度が10mM〜50mM、又は塩化カリウム濃度が0.1M〜0.5Mである、請求項に記載の方法。
  5. 前記第一電解質溶液に含まれる水酸化ルビジウム濃度が50mM〜80mMであり、導電性ダイヤモンド電極が0.1〜1.0%のホウ素ドープダイヤモンド電極であり、二酸化炭素及び水酸化ルビジウムを含む第一電解質溶液のpHが6〜7である、請求項に記載の方法。
  6. アノードに金属電極を使用する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 二酸化炭素を還元することによりギ酸を生成するためのギ酸生成装置であって、
    二酸化炭素を含有する第一電解質溶液を収容するためのカソード槽、
    第二電解質溶液を収容するためのアノード槽、
    前記カソード槽と前記アノード槽との間に挟まれる固体電解質膜、
    前記第一電解質溶液に接触するように前記カソード槽に設けられた導電性ダイヤモンド電極、
    前記第二電解質溶液に接触するように前記アノード槽に設けられた金属電極、及び
    水酸化ルビジウム、水酸化セシウム又は水酸化カリウムを添加するための機構、
    を備えた、ギ酸生成装置であって、
    装置が第一電解質溶液のpHを6〜7とする手段を備えているか、又は装置に用いられる第一電解質溶液がpHを6〜7とする緩衝液若しくはpH調整剤を含む、前記装置
  8. カソード電極に電圧を印加するための外部電源機構を備えた、請求項に記載の装置。
  9. 二酸化炭素を還元することによりギ酸を生成するためのギ酸生成装置であって、
    二酸化炭素を含有する第一電解質溶液を収容するためのカソード槽、
    第二電解質溶液を収容するためのアノード槽、
    前記カソード槽と前記アノード槽との間に挟まれる固体電解質膜、
    前記第一電解質溶液に接触するように前記カソード槽に設けられた導電性ダイヤモンド電極、
    前記第二電解質溶液に接触するように前記アノード槽に設けられた金属電極、及び
    塩化ルビジウム、塩化セシウム又は塩化カリウムを添加するための機構、
    を備えた、ギ酸生成装置であって、
    装置が第一電解質溶液のpHを3.8〜5とする手段を備えているか、又は装置に用いられる第一電解質溶液がpHを3.8〜5とする緩衝液若しくはpH調整剤を含む、前記装置。
  10. 前記水酸化ルビジウムを添加するための機構が水酸化ルビジウム濃度を50mM〜80mMとするものであり、導電性ダイヤモンド電極が0.1〜1.0%のホウ素ドープダイヤモンド電極であり、かつ、該装置が、二酸化炭素及び水酸化ルビジウムを含む第一電解質溶液のpHを6〜7とする手段を備えているか、又は装置に用いられる第一電解質溶液がpHを6〜7とする緩衝液若しくはpH調整剤を含むものである、請求項に記載の装置。
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