JP2013189694A - 銅を利用した環境修復方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 比較的簡便で耐久性のある銅担持ホウ素ドープダイヤモンド電極を用いた、二酸化炭素から炭化水素類を製造する手法を提供する。また、豊富に存在する鉄鉱物の一種であるゲーサイトに銅を担持した、銅担持ゲーサイトにより、環境汚染水を浄化するシステムを提供する。
【解決手段】 二酸化炭素を飽和させたアルコール溶液に銅担持ホウ素ドープダイヤモンド電極を用いて電気化学的に、炭化水素類を製造する方法。また、銅担持ゲーサイトと過酸化水素を組み合わせ、環境汚染水を浄化する方法。
【選択図】図1
【解決手段】 二酸化炭素を飽和させたアルコール溶液に銅担持ホウ素ドープダイヤモンド電極を用いて電気化学的に、炭化水素類を製造する方法。また、銅担持ゲーサイトと過酸化水素を組み合わせ、環境汚染水を浄化する方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、比較的安価で毒性の低い銅及び銅酸化物触媒を利用した環境修復方法に係り、特に、大気と水質の環境改善及び環境浄化を充分に期待できる、炭酸ガスの有効な還元・変換方法並びにゲーサイトを用いた水質浄化方法における、銅及び銅酸化物触媒を利用した促進効果に関するものである。
近年、地球環境問題の一つとして地球温暖化が挙げられる。これは温室効果ガスである二酸化炭素の大気中濃度の増加に由来するとされている。
科学技術の発展に伴い化石燃料の消費が急増し、高エネルギー需要社会の形成に伴って二酸化炭素やフロン等温室効果ガスの急激な排出量の増加がもたらされた。その結果、地球規模での気温上昇が懸念され、地球温暖化が人類をはじめとする生物圏全体に深刻な影響をもたらすことが指摘されている。
従来、電気化学的手法によって得られる二酸化炭素還元生成物はせいぜい2電子還元生成物であるギ酸、シュウ酸、一酸化炭素のみであり、付加価値の高い生成物を得ることができなかった。ところが、高純度な銅をカソード電極に用いると、8電子還元生成物のメタン、更に12電子還元生成物のエチレンが生成することが発見された。
しかしながら、銅電極には二点の問題点がある。一点目は、銅電極は相当な量のエネルギーが、水の電気分解による水素発生のエネルギーに消費される点である。二点目は、高純度の銅が必要であり、前処理と耐久性に問題がある。したがって、二酸化炭素からの有用物質の製造の実用化には、電極コストのさらなる低廉化と改良が必要である。
一方、近年、新たな水環境汚染物質として医薬品や身体ケア用品(Pharmaceuticals and Personal Care Products)が注目されている。これらの日用品由来医薬品は、国内外の環境中で検出され、今後問題となる可能性がある。したがって、水質環境を浄化するために、それらの分解・無害化技術の開発が早急な課題とされている。
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景に為されたものであって、その解決課題とするところは、二酸化炭素の電気化学的還元のための有効な還元電極を提供することにある。また、安価で簡便な水質環境の浄化技術を提供することにある。
そして、本発明者が還元電極について鋭意検討を重ねた結果、比較的安価で二酸化炭素からの炭化水素類生成方法に有効であることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、支持電解質を溶解した、二酸化炭素を飽和させたアルコール溶液において、銅を担持したホウ素ドープダイヤモンド電極を用いて、電気的に二酸化炭素を還元し、炭化水素類を製造する方法をその要旨とするものである。
なお、かかる本発明に従う炭化水素類製造方法の望ましい態様の一つによれば、前記溶液溶媒として二酸化炭素を飽和させた100mM濃度の水酸化ナトリウム/メタノールを利用することとなる。
また、このような本発明に従う方法の他の望ましい態様の一つによれば、前記水溶液溶媒温度を−10℃で行うこととなる。
さらに、本発明者がゲーサイトの環境浄化作用について鋭意検討を重ねた結果、比較的安価で水質浄化に有効であることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、銅を担持したゲーサイトを用いて、水溶液中に存在する汚染物質を除去分解する作用を利用し、環境汚染水を浄化する方法をその要旨とするものである。
このように、本発明に従う炭化水素類製造方法にあっては、比較的簡単で耐久性のある銅担持ホウ素ドープダイヤモンド電極を作製し、二酸化炭素を飽和させた100mM濃度の水酸化ナトリウム/アルコール溶液から電気エネルギーを利用して、電極コストも低廉で、低コストで炭化水素類製造を実施することができるようになっている。
また、本発明に従う銅担持ゲーサイトによる水質浄化方法にあっては、銅担持ゲーサイトと過酸化水素を汚染水中に添加し、低廉で簡便に汚染水中の汚染物質を分解無害化するようになっている。
ところで、かかる本発明に従う炭化水素類製造方法において、二酸化炭素を飽和させた100mM濃度の水酸化ナトリウム/アルコール溶液を溶媒とし、銅担持ホウ素ドープダイヤモンド電極を用いて、電気的に炭化水素類を製造することになるが、特に望ましい形態には、メタノールなどの低級アルコールが好適に用いられるのである。
そして、本発明に従う炭化水素類製造方法で利用する溶媒の温度は−10℃において、炭化水素類の生成を実施することとなる。
以下に、本発明の代表的な実施例を示し、本発明を、更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべきである。
試験例1
99.5%メタノール水溶液に、100mM濃度になるように水酸化カリウムを添加した溶媒を調製した。この溶媒70mLずつ入れたH型セルを高温槽内に設置した。溶媒の温度は−10℃に設定した。カソード室にカソード電極として、銅担持ホウ素ドープダイヤモンド電極を用いて、アノードにはアノード電極として白金電極を用いた。このH型セルにポテンシオスタットを用いて10Cまで定電位電解を行い、二酸化炭素の電気化学的還元を進行させた。発生した生成物は、ガスクロマトグラフィーと高速液体クロマトグラフィーで分析した。生成物の電流効率を計算し、評価した。
99.5%メタノール水溶液に、100mM濃度になるように水酸化カリウムを添加した溶媒を調製した。この溶媒70mLずつ入れたH型セルを高温槽内に設置した。溶媒の温度は−10℃に設定した。カソード室にカソード電極として、銅担持ホウ素ドープダイヤモンド電極を用いて、アノードにはアノード電極として白金電極を用いた。このH型セルにポテンシオスタットを用いて10Cまで定電位電解を行い、二酸化炭素の電気化学的還元を進行させた。発生した生成物は、ガスクロマトグラフィーと高速液体クロマトグラフィーで分析した。生成物の電流効率を計算し、評価した。
電極は、本発明による銅担持ホウ素ドープダイヤモンド電極を電解還元が起きるカソード電極として用い、白金板(3×2cm)をアノード電極として用いた。
本発明による銅担持ホウ素ドープダイヤモンド電極は、光還元析出法により作製した。銅担持ホウ素ドープダイヤモンド電極の作製方法は、ホウ素ドープダイヤモンドを10%メタノール含有塩化銅水溶液に浸漬し、キセノンランプで光照射し、銅をホウ素ドープダイヤモンド表面上に還元担持することにより作製した。
銅担持ホウ素ドープダイヤモンド電極を用いて、メタン電流効率と電位を調べた。メタンの生成電流効率は、−2.8Vで50.7%の電流効率が得られた。
上記の実験を比較すると、炭化水素類を工業的に大量生産する場合に酸化銅含有金属粉末圧縮電極を用いると、簡単で断然有利であると言える。
試験例2
金属担持ゲーサイトの作製方法は以下の通りである。初めに、各種金属イオン水溶液100 mLにゲーサイト 1 gを懸濁し、攪拌しながら、40 mMの水素化ホウ素ナトリウム(100 mL)を滴下し、ゲーサイト表面に金属イオンを還元担持した。次に、懸濁溶液をろ過して得られた固体を暗所で室温にて24時間放置し、乾燥した後、メノウ乳鉢で粉砕して金属担持ゲーサイトを得た。
金属担持ゲーサイトの作製方法は以下の通りである。初めに、各種金属イオン水溶液100 mLにゲーサイト 1 gを懸濁し、攪拌しながら、40 mMの水素化ホウ素ナトリウム(100 mL)を滴下し、ゲーサイト表面に金属イオンを還元担持した。次に、懸濁溶液をろ過して得られた固体を暗所で室温にて24時間放置し、乾燥した後、メノウ乳鉢で粉砕して金属担持ゲーサイトを得た。
汚染水の浄化実験は、サリチル酸を先に飽和吸着させてから、分解除去を行った。まず、ガラス製反応容器(50
mL)に100 ppmのサリチル酸水溶液30 mLと金属担持ゲーサイト50 mgを入れ、ロータリーシェイカーにて100 rpmで30分間攪拌した。続いて、 過酸化水素を添加して擬フェントン反応を進行させてサリチル酸を分解除去した。サリチル酸の分解率はHPLC、全有機炭素はTOC測定装置、反応中間体同定はGC-MS、試料の表面物理特性はBET測定装置を用いて評価した。
mL)に100 ppmのサリチル酸水溶液30 mLと金属担持ゲーサイト50 mgを入れ、ロータリーシェイカーにて100 rpmで30分間攪拌した。続いて、 過酸化水素を添加して擬フェントン反応を進行させてサリチル酸を分解除去した。サリチル酸の分解率はHPLC、全有機炭素はTOC測定装置、反応中間体同定はGC-MS、試料の表面物理特性はBET測定装置を用いて評価した。
まず、金属を担持しない条件で、分解処理の諸条件であるpH(2〜6)、過酸化水素濃度(0〜200 mM)、ゲーサイト量(0〜150 mg)、処理時間(0〜24 h)を検討した。サリチル酸水溶液のpHは3.2であり、このpHでは最適条件で24
h処理しても、除去率は55.8%であった。
h処理しても、除去率は55.8%であった。
しかしながら、ゲーサイトにCu、Ni、Pdを担持して金属担持ゲーサイトを作製し、応用したところ、Cuを担持させた場合4 hでほぼ100%の分解除去率を示した。そこで次に、Cu担持ゲーサイトについて最適条件の検討を行った。その結果、pH3.2、Cu担持ゲーサイト量30 mg、ゲーサイト1 g当たりのCu含有量8 wt%、過酸化水素濃度100 mM、反応時間60分において、ほぼ完全にサリチル酸を分解除去することができた。48 hのTOCを測定したところ、約70%除去することができた。GC-MSより3種類の反応中間体を検出した。以上のことより、Cu担持ゲーサイトを用いた本法は、サリチル酸を分解・除去する方法として有効であった。
図1に銅担持ゲーサイトを用いたサリチル酸の分解除去に対する処理時間の影響を示す。
Claims (2)
- ホウ素ドープダイヤモンド電極に銅を担持した、銅担持ダイヤモンド電極により、メタノール溶媒中の二酸化酸素を電気化学的に還元するシステム。
- 鉄鉱物の一種であるゲーサイトに銅を担持した、銅担持ゲーサイトにより、環境に負荷をかける汚染水を浄化するシステム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012058435A JP2013189694A (ja) | 2012-03-15 | 2012-03-15 | 銅を利用した環境修復方法 |
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JP2012058435A JP2013189694A (ja) | 2012-03-15 | 2012-03-15 | 銅を利用した環境修復方法 |
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JP2013189694A true JP2013189694A (ja) | 2013-09-26 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018141220A (ja) * | 2017-02-28 | 2018-09-13 | 学校法人慶應義塾 | 導電性ダイヤモンド電極を用いたギ酸製造方法及び装置 |
JP2018184655A (ja) * | 2017-04-27 | 2018-11-22 | 学校法人慶應義塾 | 排ガスを電解還元して有価物を回収する装置及び方法 |
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2012
- 2012-03-15 JP JP2012058435A patent/JP2013189694A/ja active Pending
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