JP5368340B2 - 二酸化炭素の電解還元装置 - Google Patents

二酸化炭素の電解還元装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5368340B2
JP5368340B2 JP2010039477A JP2010039477A JP5368340B2 JP 5368340 B2 JP5368340 B2 JP 5368340B2 JP 2010039477 A JP2010039477 A JP 2010039477A JP 2010039477 A JP2010039477 A JP 2010039477A JP 5368340 B2 JP5368340 B2 JP 5368340B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon dioxide
electrolytic
cathode
conductive diamond
reduction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010039477A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011174139A (ja
Inventor
武史 橘
嘉宏 横田
剛彰 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2010039477A priority Critical patent/JP5368340B2/ja
Publication of JP2011174139A publication Critical patent/JP2011174139A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5368340B2 publication Critical patent/JP5368340B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Electrodes For Compound Or Non-Metal Manufacture (AREA)
  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Description

本発明は、二酸化炭素の電解還元装置に関する技術分野に属するものであり、特には、二酸化炭素を高い電力効率で電解還元するための電解還元装置に関する技術分野に属するものである。
化石燃料の消費拡大に伴う地球環境への影響が懸念されており、先進国においては特に排出量抑制が急務の課題として顕在化している。特に、温暖化問題の解決に向け、二酸化炭素の大気中への放出を抑制するため、発電所や製鉄工場等の大規模二酸化炭素発生源において排出される二酸化炭素を効率的に回収し、利用する技術が必要になる。現行では、大規模植林、地中貯留、海洋隔離など大量の二酸化炭素の排出削減につながるアプローチが主に検討されている。
一方、化成品等の有用物質に変換固定化して利用する技術として、高分子合成や電解還元、光化学還元等の技術も検討されている。これらの化学的変換プロセスには、電気エネルギーが必要であるが、太陽光や風力などクリーンな電力を利用すれば、他方式に比べて格段に環境負荷の小さいプロセスで、二酸化炭素排出量を抑えることができる。
二酸化炭素の電解還元技術は、二酸化炭素を含有する溶液を電解して二酸化炭素を陰極で電解還元するものである〔特開昭62−280385号公報(特許文献1)、特に従来の技術の欄および発明が解決しようとする問題点の欄参照〕。この技術においては電流効率の向上が望まれる。
特開昭62−280385号公報
二酸化炭素の電解還元での課題は電流効率である。白金系貴金属やグラッシーカーボンなど通常の陰極材料を用いる電解装置では、水素還元反応が優先的に起こり、二酸化炭素の還元効率はゼロに近い。無理に二酸化炭素を還元しようとして、大きな電解電力を投入し、結果として二酸化炭素還元に要する電力を生み出すために必要な発電によって二酸化炭素を排出するのでは、本末転倒である。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、高い電流効率で二酸化炭素を電解還元することができる二酸化炭素の電解還元装置を提供しようとするものである。
本発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。本発明によれば上記目的を達成することができる。
このようにして完成され上記目的を達成することができた本発明は、二酸化炭素の電解還元装置に係わり、請求項1及び請求項2に記載の二酸化炭素の電解還元装置(第1及び第2発明に係る二酸化炭素の電解還元装置)であり、それは次のような構成としたものである。
即ち、請求項1記載の二酸化炭素の電解還元装置は、陰極と、陽極と、前記陰極と前記陽極間に電圧を印加する電源とを備え、二酸化炭素を含有する溶液を電解して二酸化炭素を前記陰極で電解還元する電解槽を有する二酸化炭素の電解還元装置であって、前記電解槽の陰極の少なくとも表面の一部が導電性ダイヤモンドからなり、かつ、前記電解槽の陽極の少なくとも表面の一部が導電性ダイヤモンドからなることを特徴とする二酸化炭素の電解還元装置である〔第1発明〕。
請求項2に記載の二酸化炭素の電解還元装置は、前記電解槽の陰極の導電性ダイヤモンド表面に紫外線を照射する紫外線照射手段を有する請求項1記載の二酸化炭素の電解還元装置である〔第発明〕。
本発明に係る二酸化炭素の電解還元装置によれば、高い電流効率で二酸化炭素を電解還元することができる。
参考例の実施形態に係る二酸化炭素の電解還元装置の電解槽を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る二酸化炭素の電解還元装置の電解槽を示す模式図である。 参考例、本発明の実施例及び実施例(UV照射あり)に係る電流密度とファラデー効率との関係を示す図である。
一般的に水溶液の電解における陰極反応は、水が原料になる電解反応になるが、水に対して反応性の高い電極触媒を使用すると、他の共存物質の還元が容易には進行しないことが多い。通常の酸化触媒としては、酸化鉛、酸化スズ、白金、白金族金属酸化物などがある。
二酸化炭素の電解還元に際し、これらの電極物質を使用すると、溶液の分解が優先して二酸化炭素還元は実質的に進行しない。
これに対して、導電性ダイヤモンドは二酸化炭素を高効率で電解還元するために有用な陰極である。
ダイヤモンドは優れた熱伝導性、機械的強度、化学的安定性を兼ね備えるが、その結晶格子を成す炭素原子を濃度 0.1at%程度のホウ素で置換すると比抵抗がおよそ10-3ohm-cmの導電性ダイヤモンドとなる。本発明に係る二酸化炭素の電解還元装置では、導電性ダイヤモンドのドーパント濃度は0.01〜0.1 at%であり、比抵抗が、10-4〜10-3ohm-cmとするのが好ましい。
導電性ダイヤモンド電極は水素過電圧が高いので、これを陰極として二酸化炭素を電解すると、陰極表面で二酸化炭素が高効率で還元される。しかし、導電性ダイヤモンド以外
の電極を陰極に使用すると、水素還元反応が優先的に起こり、二酸化炭素の還元効率はゼロに近い。なお、導電性ダイヤモンド電極は、電極表面全体が導電性ダイヤモンドからなることが望ましいが、電極表面全体が導電性ダイヤモンドからなる必要は必ずしもなく、電極表面の一部が導電性ダイヤモンドからなるものでもよい。電極表面の一部が導電性ダイヤモンドからなる場合、この導電性ダイヤモンドの表面で二酸化炭素が高効率で還元される。
そこで、参考例に係る二酸化炭素の電解還元装置は、前述のような構成、即ち、二酸化炭素を含有する溶液を電解して二酸化炭素を陰極で電解還元する電解槽を有する二酸化炭素の電解還元装置であって、前記電解槽の陰極の少なくとも表面の一部が導電性ダイヤモンドからなることを特徴とするものとした。この二酸化炭素の電解還元装置によれば、電解槽の陰極の少なくとも表面の一部が導電性ダイヤモンドからなるので、この導電性ダイヤモンドの表面で二酸化炭素を高効率で還元することができ、よって、高い電流効率で二酸化炭素を電解還元することができる。
参考例において、二酸化炭素は電解槽の電解液中に直接吹き込んで溶解させるか、電解槽外の電解液中に二酸化炭素ガスを吹き込んで溶解させて液相とし、この電解液を電解槽に供給し、電解液中の二酸化炭素を陰極表面に接触させて還元する。前者の場合、二酸化炭素は陰極の近傍に吹き込むことが望ましい。後者の場合、二酸化炭素を飽和するよう溶解させることが望ましく、二酸化炭素溶解時に電解液を冷却して飽和溶解度を上昇させることが好ましい。また、圧力を高くして二酸化炭素飽和溶解度を高めることも望ましい。二酸化炭素含有電解溶液は導電性を有することが必要で、炭酸カリウムや硫酸ナトリウムのような電解質を添加してもよい。
二酸化炭素は水酸イオンと反応して下記式(1) 、(2) に示すように酢酸イオンやギ酸を生成する。
CO2 +H+e- → COOH- ------- (1)
CO2 +H2 O → HCHO+O2 ------- (2)
参考例に係る二酸化炭素の電解還元装置は、前述のように、陰極の少なくとも表面の一部が導電性ダイヤモンドからなる。即ち、陰極として、少なくとも表面の一部が導電性ダイヤモンドからなる電極(以下、参考例及び後記本発明に係る導電性ダイヤモンド電極ともいう)を用いている。この電極表面の一部が導電性ダイヤモンドからなる場合、この導電性ダイヤモンド以外の部分であって電解槽の電解液中に触れる個所には、電気絶縁被膜を被覆することが望ましい。この個所に電気絶縁被膜がないと、この個所で二酸化炭素の電解還元以外の還元反応が起る場合があり、この場合にはその還元反応にも電解電流が費やされて二酸化炭素の電解還元の電流効率が低下するからである。
参考例及び後記本発明に係る導電性ダイヤモンド電極は、例えば、熱フィラメントCVD (化学蒸着)法やマイクロ波プラズマCVD 法、プラズマアークジェット法等によって、電極基体表面をダイヤモンド層で被覆することにより製造される。
通常の導電性ダイヤモンド電極作製は、4〜14 kPaの圧力下で、メタン等の炭化水素を1〜5%に水素希釈した原料ガスに、ホウ素の原料となるジボランやトリメチルボロン等の添加ガスをB/C 比で100 〜30,000 ppm程度加えた混合ガスを、プラズマCVD 法や熱フィラメントCVD 法で分解して基材表面に蒸着する。
導電性ダイヤモンドの成膜時は基体温度の表面が、プラズマや熱フィラメントのエネルギーによって900 〜1150Kに保持される。このような高温還元雰囲気に耐える必要があるので、電極基材は、チタンやモリブデン、タンタル、ニオブ、タングステン、低抵抗シリ
コンなどが主に使われる。これらの中でもチタンと低抵抗シリコンは、ダイヤモンドとの密着性に優れるため、導電性ダイヤモンド電極基材に多用される。基体表面は機械的強度を得ると共に導電性ダイヤモンドとの密着性を確保するには、特開2008-231523 号公報に開示された技術が有用である。電極形状は、板状、メッシュ状、棒状、多孔性板等が使用できる。
製造コストだけでなく、基材への応力低減の観点から、導電性ダイヤモンド層の厚さは好ましくは1〜10μmであり、2〜4μmが最適である。2μm未満では連続膜を得るために特別な基材前処理を要し、1μm未満では連続膜を形成するのが難しい。一方、4μm以上ではダイヤモンド膜応力による基材の反りや変形を抑制することが難しく、10μmを超えると基材が破損しやすい。
なお、成膜条件に依存するが、蒸着速度は毎時0.2 〜3μm程度である。ダイヤモンド成膜は電子顕微鏡観察で容易に確認できる。電極を数千倍の倍率で観察すると、粒径0.1 〜1μm程度の多結晶ダイヤモンド結晶の集合体がダイヤモンド膜を成し、導電性ダイヤモンド膜特有のコントラストを示すことがわかる。
また、一般的ではないが、高温高圧条件で製造される粉末ダイヤモンを基体に担持した電極も使用できる。
一方の陽極は酸性電解液に対する耐性のあるニッケル、ニッケル合金、黒鉛、白金、導電性ダイヤモンドなどが使用できる。電圧を低減するために、表面に触媒活性の優れた成分(白金族金属やその酸化物)を被覆することが好ましい。電極形状に制約は少ないが、イオン交換膜に密着する形態が好ましい。
本発明では、陽極室に純水や水素含有ガスを供給しながら電解を行い、陰極室側での酸素発生を抑制してセル電圧と消費電力を低減することもできる。特に導電性ダイヤモンド電極を陽極に使用すると効果が大きい〔第発明〕。なお、この導電性ダイヤモンド電極は、少なくとも表面の一部が導電性ダイヤモンドからなるものでよく、電極表面全体が導電性ダイヤモンドからなる必要は必ずしもなく、電極表面の一部が導電性ダイヤモンドからなるものでもよい。
陰極の導電性ダイヤモンド電極の導電性ダイヤモンド表面に紫外線(λ:184-256nm)を照射すると、陰極が紫外線励起され、なだれ現象のように電解電流が誘発され、電解効率がより向上する。従って、電解槽の陰極の導電性ダイヤモンド表面に紫外線を照射する紫外線照射手段を有することが望ましい〔第発明〕。この紫外線照射手段としては例えば低圧水銀ランプを用いることができる。
電解槽材料としては、電解液に対する耐久性の観点から、ガラスライニング材料、カーボン、PTFE樹脂、ステンレス鋼などが適切である。
二酸化炭素ガスを高圧に維持することが好ましい。また、後述する電解液貯留槽および各電解室も同様に高圧に維持することが好ましい。この場合、最適な圧力範囲は0.1 〜3MPa である。
電解の条件としては特に制約はないが、電解液の温度としては15〜50℃が好ましく、20〜30℃がより好ましい。また、見かけ上の陰極での電流密度は0.3 〜1.0A/cm2程度が好ましい。
効率よく二酸化炭素を電解還元するには、二酸化炭素を含有する溶液は、陰極よりも下部側から電解槽内に導入され、二酸化炭素を含有する溶液が陰極表面と接触しながら流れ上がるような構成が好ましい。
本発明の実施形態例について以下説明する。
電解還元の対象となる二酸化炭素飽和水溶液は、貯留槽において、電解質である炭酸カリウムを溶解して貯留される。この水溶液は、炭酸カリウム水溶液中に二酸化炭素ガスを圧縮封入やバブリングして、二酸化炭素が電解液中で飽和した状態に維持される。二酸化炭素飽和水溶液貯留槽は、冷却槽中に浸漬されて貯留槽内の電解液を適温(290K)に冷却し、電解液中に溶解する二酸化炭素の飽和量を増加させている。
図1に、参考例の実施形態に係る二酸化炭素の電解還元装置の電解槽を示す。この電解槽は、本発明に係る導電性ダイヤモンド電極を陰極1とし、白金板からなる電極を陽極2として収容する無隔膜型電解槽3である。この電解槽3の下部導入口4から通水ポンプにより二酸化炭素ガス溶解電解液を電解槽内へ導入する。電解槽内に導入された二酸化炭素溶解電解液が陰極1に接触して還元され、酢酸イオンやギ酸が生成する。電解還元後の電解液は迅速に上部排出口8から電解槽外へ排出回収される。上記電解槽は、隔壁がないため、後述の隔膜型電解槽の場合に比較すると、還元効率は低いが、装置として簡便であり、保守コストを抑えることができる。
図2に、本発明の実施形態に係る二酸化炭素の電解還元装置の電解槽を示す。この電解槽は、本発明に係る導電性ダイヤモンド電極を陰極1とし、同様の導電性ダイヤモンド電極を陽極2としており、イオン交換膜5を隔壁として陽極室6と陰極室7に区画されている。この電解槽は隔膜型電解槽である。この電解槽3の下部導入口4から通水ポンプにより二酸化炭素ガス溶解電解液を電解槽内へ導入する。電解槽内に導入された二酸化炭素溶解電解液が陰極1に接触して還元され、酢酸イオンやギ酸が生成する。電解還元後の電解液は迅速に上部排出口8から電解槽外へ排出回収される。なお、図2において、9は低圧水銀ランプを示すものである。この低圧水銀ランプ9は、陰極の導電性ダイヤモンド表面に紫外線を照射する場合に、その紫外線照射手段として用いられる。
参考例及び本発明の実施例を以下説明する。なお、本発明は該実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
参考例
図1に示す電解槽と基本的構成が同様の電解槽を有する二酸化炭素の電解還元装置を下記のようにして作製した。線径0.1 mmのメッシュ状チタン基材の表面に、メタンを炭素源とするマイクロ波プラズマCVD 法により、厚み:2〜3μm、ホウ素ドープ量:1at%の導電性ダイヤモンド層を形成した。これを陰極1として、メッシュ状白金からなる陽極2との極間距離が8mmとなるように電解槽3にセットし、二酸化炭素の電解還元装置を作製した。なお、この電解還元装置は電解槽の他に電解液貯留槽等を有している。
上記二酸化炭素の電解還元装置を用いて二酸化炭素の電解還元を下記のようにして行った。電解液貯留槽を冷却しながら、この貯留槽内の炭酸カリウム水溶液(濃度:7M)中に、二酸化炭素ガスを吹き込んで飽和させた。
この水溶液(二酸化炭素飽和水)を電解槽3に定量供給しながら、両電極間(陽極2と陰極1との間)に定電流を流して電解を行い、二酸化炭素の電解還元の電流効率を測定した。このとき、電流密度をパラメータとして変化させた。即ち、陰極での電流密度を0.10A/cm2 、0.30A/cm2 、0.50A/cm2 、1.0A/cm2、1.5A/cm2と変え、その点を除いて電解条件は同一として電解を行い、それぞれの場合の二酸化炭素電解還元の電流効率を測定した。そして、電流密度と二酸化炭素の電解還元の電流効率(ファラデー効率)との関係を求めた。
この結果を図3に示す。この結果は▲印でプロットされている。0.10〜1.5A/cm2のいずれの電流密度の場合も二酸化炭素の電解還元の電流効率は高く、最高の電流効率は電流密度0.50A/cm2 の場合の74%であった。このように幅広い電解条件において高効率で二酸化炭素の電解還元をし得た。
なお、二酸化炭素の電解還元の電流効率(ファラデー効率)は、1mlの試料溶液をイオンクロマトグラフィーで分析し、酢酸やギ酸イオンなど溶液由来の生成物濃度を測定し、この生成物濃度から二酸化炭素の電解還元量(X)を算出し、この値を用いて下記式 (3)により求めた。
二酸化炭素の電解還元の電流効率(ファラデー効率)=100×X/A ---- (3)
但し、上記式 (3)において、Xは、上記生成物濃度から算出された二酸化炭素の電解還元量を示すものであり、Aは、陰極での還元反応として二酸化炭素の還元のみが起る(電解電流の全てが二酸化炭素の電解還元に用いられる)とした場合の還元電解電流量を示すものである。なお、電解電流=陰極の表面積×陰極での電流密度の関係があり、陰極の表面積は電解液に接触している部分の表面積である。
〔実施例〕
図2に示す隔膜型電解槽と基本的構成同様の隔膜型電解槽を有する二酸化炭素の電解還元装置を下記のようにして作製した。ホウ素をドープした導電性ダイヤモンド膜でチタン基体を被覆した電極を作製した。この中の一つを陰極1、他の一つを陽極2に使用し、隔膜としてイオン交換膜(デュポン社製、ナフィオン117 )を使用して、二酸化炭素の電解還元装置を作製した。なお、この電解還元装置は電解槽の他に電解液貯留槽等を有している。
上記二酸化炭素の電解還元装置を用いて二酸化炭素の電解還元を下記のようにして行った。参考例の場合と同様の水溶液(二酸化炭素飽和水)を同様の方法により電解槽3に定量供給しながら、同様の条件で電解を行い、二酸化炭素の電解還元の電流効率を測定した。そして、電流密度と二酸化炭素の電解還元の電流効率(ファラデー効率)との関係を求めた。
この結果を図3に示す。この結果は■印でプロットされている。0.10〜1.5A/cm2のいずれの電流密度の場合も二酸化炭素の電解還元の電流効率は高く、また、参考例の場合よりも高い。この中、最高の電流効率は電流密度1.0A/cm2の場合の92%であった。
〔実施例(UV照射あり)〕
陰極表面、即ち、導電性ダイヤモンド膜表面に対して、低圧水銀ランプ9により、ランプ出力4mW/cm2の紫外線(UV)を照射しながら、電解を行い、二酸化炭素の電解還元の電流効率を測定し、電流密度と二酸化炭素の電解還元の電流効率(ファラデー効率)との関係を求めた。なお、紫外線照射をした点を除き、電解還元装置および電解条件は上記実施例の場合と同様である。
この結果を図3に示す。この結果は●印でプロットされている。0.10〜1.5A/cm2のいずれの電流密度の場合も二酸化炭素電解還元の電流効率は高く、また、上記実施例(紫外線照射なし)の場合よりも高い。最高の電流効率は電流密度1.0A/cm2の場合の135 %であった。
本発明に係る二酸化炭素の電解還元装置は、高い電流効率で二酸化炭素を電解還元することができるので、大気中への二酸化炭素排出削減のための二酸化炭素の還元技術として好適に用いることができて有用である。
1--陰極、2--陽極、3--電解槽、4--下部導入口、5--イオン交換膜、6--陽極室、7--陰極室、8--上部排出口、9--低圧水銀ランプ。

Claims (2)

  1. 陰極と、陽極と、前記陰極と前記陽極間に電圧を印加する電源とを備え、二酸化炭素を含有する溶液を電解して二酸化炭素を前記陰極で電解還元する電解槽を有する二酸化炭素の電解還元装置であって、前記電解槽の陰極の少なくとも表面の一部が導電性ダイヤモンドからなり、かつ、前記電解槽の陽極の少なくとも表面の一部が導電性ダイヤモンドからなることを特徴とする二酸化炭素の電解還元装置。
  2. 前記電解槽の陰極の導電性ダイヤモンド表面に紫外線を照射する紫外線照射手段を有する請求項1記載の二酸化炭素の電解還元装置。
JP2010039477A 2010-02-25 2010-02-25 二酸化炭素の電解還元装置 Expired - Fee Related JP5368340B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010039477A JP5368340B2 (ja) 2010-02-25 2010-02-25 二酸化炭素の電解還元装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010039477A JP5368340B2 (ja) 2010-02-25 2010-02-25 二酸化炭素の電解還元装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011174139A JP2011174139A (ja) 2011-09-08
JP5368340B2 true JP5368340B2 (ja) 2013-12-18

Family

ID=44687251

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010039477A Expired - Fee Related JP5368340B2 (ja) 2010-02-25 2010-02-25 二酸化炭素の電解還元装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5368340B2 (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6030916B2 (ja) * 2012-10-19 2016-11-24 公益財団法人神奈川科学技術アカデミー ホルムアルデヒドの製造方法
JP6042749B2 (ja) * 2013-02-28 2016-12-14 株式会社神戸製鋼所 ダイヤモンド電極を用いる電気化学的還元装置
JP6202886B2 (ja) * 2013-05-31 2017-09-27 株式会社東芝 光化学反応装置および薄膜
JP6343611B2 (ja) 2013-07-30 2018-06-13 Jxtgエネルギー株式会社 電気化学還元装置および、芳香族化合物の水素化体の製造方法
JP6774165B2 (ja) * 2014-04-11 2020-10-21 株式会社豊田中央研究所 光化学反応デバイス、それに用いられる酸化反応用電極及び還元反応用電極
JP6647587B2 (ja) * 2015-11-30 2020-02-14 学校法人東京理科大学 二酸化炭素還元装置および還元方法
JP6713121B2 (ja) * 2016-07-29 2020-06-24 学校法人東京理科大学 二酸化炭素還元装置および還元方法
JP6840359B2 (ja) * 2017-02-28 2021-03-10 学校法人慶應義塾 導電性ダイヤモンド電極を用いたギ酸製造方法及び装置
JP6879549B2 (ja) * 2017-04-27 2021-06-02 学校法人慶應義塾 排ガスを電解還元して有価物を回収する装置及び方法
JP6951894B2 (ja) * 2017-07-24 2021-10-20 古河電気工業株式会社 ホウ素ドープダイヤモンド電極およびこれを用いた二酸化炭素電解還元装置
JP7176073B2 (ja) * 2018-09-19 2022-11-21 株式会社東芝 電気化学反応装置
JP6951310B2 (ja) 2018-09-19 2021-10-20 株式会社東芝 電気化学反応装置
KR102682551B1 (ko) * 2019-08-29 2024-07-05 성균관대학교산학협력단 이산화탄소의 연속 환원 장치 및 환원 방법

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4116726B2 (ja) * 1999-02-04 2008-07-09 ペルメレック電極株式会社 電気化学的処理方法及び装置
JP2001089887A (ja) * 1999-09-22 2001-04-03 Iwasaki Electric Co Ltd ダイヤモンド薄膜を用いた電解反応用電極及びそれを用いた二酸化炭素の還元方法
JP4811844B2 (ja) * 2003-11-11 2011-11-09 ペルメレック電極株式会社 過炭酸の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011174139A (ja) 2011-09-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5368340B2 (ja) 二酸化炭素の電解還元装置
Zhang et al. Efficient CO2 electroreduction on facet-selective copper films with high conversion rate
Lv et al. A highly porous copper electrocatalyst for carbon dioxide reduction
Zhao et al. Elucidating the sources of activity and stability of FeP electrocatalyst for hydrogen evolution reactions in acidic and alkaline media
Han et al. Enhancement of methyl orange degradation and power generation in a photoelectrocatalytic microbial fuel cell
Pophali et al. Simultaneous hydrogen generation and COD reduction in a photoanode-based microbial electrolysis cell
Guo et al. Electrochemical CO2 reduction using electrons generated from photoelectrocatalytic phenol oxidation
Xu et al. Mg/seawater batteries driven self-powered direct seawater electrolysis systems for hydrogen production
Wang et al. A novel silver oxides oxygen evolving catalyst for water splitting
Lai et al. Self-organized TiO2 nanotube arrays with uniform platinum nanoparticles for highly efficient water splitting
Lang et al. A review on hydrogen production: methods, materials and nanotechnology
Doan et al. Influence of IrO2/TiO2 coated titanium porous transport layer on the performance of PEM water electrolysis
RU2718872C2 (ru) Система обработки воды с использованием устройства для электролиза водного раствора щелочи и щелочного топливного элемента
JP6042749B2 (ja) ダイヤモンド電極を用いる電気化学的還元装置
JP6438205B2 (ja) 水電解セル
Ji et al. A nickel-based dendritic electrode matrix with high surface efficiency mass transfer for highly efficient overall water splitting
WO2013018366A1 (ja) NbON膜およびNbON膜の製造方法、並びに、水素生成デバイスおよびそれを備えたエネルギーシステム
Li et al. Selective electroreduction of CO2 to formate over the co-electrodeposited Cu/Sn bimetallic catalyst
CN113136597B (zh) 一种铜锡复合材料及其制备方法和应用
Horri et al. A highly efficient hydrogen generation electrolysis system using alkaline zinc hydroxide solution
JP2003288955A (ja) 太陽光を利用した水素の製造方法及び太陽光を利用した水素の製造装置
Faisal et al. Application of thermal spray coatings in electrolysers for hydrogen production: advances, challenges, and opportunities
Santos et al. Cathodic hydrogen production by simultaneous oxidation of methyl red and 2, 4-dichlorophenoxyacetate in aqueous solutions using PbO 2, Sb-doped SnO 2 and Si/BDD anodes. Part 2: hydrogen production
Bai et al. On factors of ions in seawater for CO2 reduction
Matsuo et al. Fabrication of ZnO/CuO nanoforests and their applicability to microbial photoelectrochemical cells

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120828

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130614

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130625

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130821

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130910

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130912

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5368340

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees