JP2003288955A - 太陽光を利用した水素の製造方法及び太陽光を利用した水素の製造装置 - Google Patents

太陽光を利用した水素の製造方法及び太陽光を利用した水素の製造装置

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JP2003288955A
JP2003288955A JP2002089884A JP2002089884A JP2003288955A JP 2003288955 A JP2003288955 A JP 2003288955A JP 2002089884 A JP2002089884 A JP 2002089884A JP 2002089884 A JP2002089884 A JP 2002089884A JP 2003288955 A JP2003288955 A JP 2003288955A
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Nobuyuki Matsuki
伸行 松木
Youji Yamada
羊治 山田
Takashi Omori
隆 大森
Eiji Suzuki
栄二 鈴木
Hiroaki Mamezuka
廣章 豆塚
Akihisa Matsuda
彰久 松田
Michio Kondo
道雄 近藤
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Research Institute of Innovative Technology for the Earth RITE
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Research Institute of Innovative Technology for the Earth RITE
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    • C25B1/55Photoelectrolysis
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 起電力を高めた太陽電池と過電圧を小さくで
きる触媒を組み合わせた多層薄膜太陽電池触媒パネルに
よる新規な太陽光を利用した水素の製造方法と太陽光を
利用した水素の製造方法を提供する。 【解決手段】 電解溶液10を有する光透過性容器1
に、薄膜半導体太陽電池4と薄膜触媒(7,8)が同一
基板2上に積層形成された多層薄膜太陽電池触媒パネル
25を設置し、薄膜半導体太陽電池4に太陽光12が照
射されることにより起電力を発生させ、この起電力で電
解溶液10を電気分解することにより水素14を発生さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体太陽電池と触媒
を同一基板上に積層形成した多層薄膜太陽電池触媒パネ
ルによる新規な太陽光を利用した水素の製造方法及び太
陽光を利用した水素の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】人類は産業革命以来、石炭と石油燃料を
大量消費することによって二酸化炭素(CO2 )や二酸
化硫黄(SO2 )を大気中に放出してきた。ここ20〜
30年ほどの研究によって、CO2 はいわゆる温暖化ガ
スであり、地球の平均気温の上昇やそれに伴う気候変動
を引き起こす原因となることがわかってきた。また、S
2 は酸性雨の原因となり、森林枯死をはじめとする自
然破壊を引き起こしている。これらの問題を解決するた
めにCO2 やSO2 を排出しないクリーンな代替エネル
ギーが求められている。水素は、燃焼しても水(H
2 O)となるのみであり、また燃料電池に用いることに
よって電気を取り出すことも可能な無公害エネルギー源
として期待されている。
【0003】従来の水素製造方法には、以下のような方
法がある。 (1)熱分解方法 高温ガス炉などの高温エネルギーを利用して水を熱分解
して水素を製造する方法である。高温ガス源として炭素
含有燃料を用いた場合にはCO2 が排出されてしまう。
CO2 が排出されないように高温ガス源として水素を用
いたとしても、燃料によって消費される量のほうが多い
ので適当な方法とは言えない。 (2)化学改質方法 石油、LPG、石油排ガス、天然ガスなどの炭素含有燃
料を原料として水素を作ることができる。この場合も、
原料が炭素含有燃料であるので、水素の製造に際しCO
2 が排出され、好ましくない。
【0004】(3)有機物の分解による方法 例えば微生物の細菌を用いて有機物を分解して水素を得
る方法であるが、微生物を生育し維持するためのエネル
ギーを必要とし効率が悪い。 (4)光分解方法 白金を担持したTiO2 、Ta2 5 、ZrO2 や、R
uOx またはNiOXを担持したSrTiO3 の粉体を
水中に入れ、光照射を行うと水が分解し水素と酸素が発
生する現象を利用するものである。このような現象を生
じる材料は「光触媒」と呼ばれ、太陽光を用いて水から
水素を生成する手段の一つとして研究が続けられてい
る。これらの光触媒は、光学的バンドギャップは3eV
の半導体であるので、光照射によって電子と正孔が生成
し、H+ とOH- をそれぞれ還元と酸化することによっ
て水素と酸素が発生する。しかし、これら光触媒の光学
的バンドギャップが3eV以上であることから太陽光の
うち紫外領域の3〜5%しか吸収することができない。
可視光領域の光吸収を増感させることによって水分解の
高効率化を図る研究も進められているが、現在報告され
ている中で最も水素生成効率の高い光触媒NiO/In
0.9 Ni0.1 TaO4 においても、波長402nmにお
ける量子効率は0.66%程度である。
【0005】上記の水素を発生させる方法のうち、
(1)の熱分解方法と(2)化学改質方法は、従来の炭
素含有燃料や炭素含有燃料による電力源を利用するので
CO2 とSO2 の排出量減少に寄与できない。また、
(3)有機物の分解による方法と(4)の光分解方法で
は、現状では、効率の良い方法ではない。
【0006】電気分解は、電気で水を分解して水素を製
造する方法である。従来のCO2 やSO2 を排出するエ
ネルギー源に依存する電力源を利用し電解槽によって電
気分解を行う場合にはCO2 削減には寄与できない。C
2 対策として水素を利用するということから、この場
合に用いる電気としては、自然エネルギーを利用した水
力発電、太陽光発電などのクリーンなものでなければな
らない。従来の太陽電池を用いた電気分解方法は、以下
の問題があった。 (1)太陽電池装置と電気分解装置に生じるオーミック
ロスの問題。 (2)電極過電圧の発生の問題。
【0007】(1)の太陽電池装置と電気分解装置に生
じるオーミックロスの問題は、太陽電池を複数並列及び
直列に接続して電圧・電流を上昇させる発電装置と電気
分解装置とが別々になっていたことにより生じたもので
ある。そのために発電装置では、太陽電池の接続抵抗に
起因する起電力の低下(以下オーミックロスと呼ぶ)が
あり発電効率は悪く、結果として電気分解装置から得ら
れる水素量が少ないという問題があった。
【0008】オーミックロスを低減させることを目的と
した太陽電池による水の電気分解装置が、例えば、特開
2000−192275号公報に開示されている(図1
3及び図14参照)。図13と図14は、従来の水の電
気分解装置の概略図である。図13において、電気分解
に必要な電力を供給するための太陽電池41は導電性基
板42上に半導体層43を堆積した構造を有している。
この導電性基板42とほぼ同じ面積を有し且つ同電位に
電位設定した電極44を水49に沈める。水49の水位
が電極44の上に設定されている。ここで、45は隔
壁、47は酸素収容容器、48は水素収容容器である。
ここで、太陽電池は、アモルファスシリコンpin型太
陽電池(第2の太陽電池)58aとアモルファスシリコ
ンnip型太陽電池(第1の太陽電池)58bが用いら
れている。
【0009】これらの太陽電池48aと48bは、図1
4に示すように導電型の異なる複数の半導体層が積層さ
れて形成されている。例えばステンレス、鉄(Fe)、
アルミニウム(Al)、銅(Cu)等の導電性材料から
なる基板50上にp型非晶質Si層51、i型非晶質S
i層52及びn型非晶質Si層53を同様にプラズマC
VD法により順次積層して形成されるアモルファスシリ
コンpin型太陽電池(第2の太陽電池)58aが第1
の支持材54bに固定されている。一方、基板50上に
n型非晶質Si層53、i型非晶質Si層52及びp型
非晶質Si層51をプラズマCVD法により順次積層し
て形成されるアモルファスシリコンnip型太陽電池
(第1の太陽電池)58bが第2の支持材54bに固定
されている。さらに図14において、55はアモルファ
スシリコンpin型太陽電池58aとアモルファスシリ
コンnip型太陽電池58bを電気的に絶縁する絶縁体
であり、56はこれらの素子を電気的に接続する導電材
料であると開示されている。
【0010】以上のことから、特開2000−1922
75号公報においては、アモルファスシリコンpin型
太陽電池58aのN層とアモルファスシリコンnip型
太陽電池58bのP層が導電材料により接続されてい
る。またアモルファスシリコンpin型太陽電池58a
のP層が第1の支持材54bに固定され、アモルファス
シリコンnip型太陽電池58bのN層が第2の支持材
54bに固定されることから、アモルファスシリコンp
in型太陽電池(第2の太陽電池)58aとアモルファ
スシリコンnip型太陽電池(第1の太陽電池)58b
が直列接続されていることになる。これらの太陽電池に
太陽光が照射されることによって光電変換によるキャリ
アが発生し、導電性基板50に起電力が発生し、その結
果、第1の支持材54bと第2の支持材54aにはこの
起電力とほぼ同一の電位が発生する。支持材54が導電
性材料である場合には、支持材54が電極となり、水と
直接接触して電気分解を行うことができることが開示さ
れている。
【0011】また、アモルファスシリコンpin型太陽
電池とアモルファスシリコンnip型太陽電池を2個直
列接続したときの基板電位は1Vで、水と接触する電極
の電位は1Vとなることが開示され、太陽電池の起電圧
が低いという課題があった。さらに、太陽電池は、アモ
ルファスシリコンpin型太陽電池とアモルファスシリ
コンnip型太陽電池を2種類作製する必要があり、ま
た直列接続をするための工程が生じることにより、コス
トが増加するという課題がある。触媒として二酸化マン
ガンを使用することは開示されているが、太陽電池の電
極と一体に製作するという点に関しては、何も開示され
ていない。さらに、電圧整合回路ロスの発生が生じる問
題がある。太陽電池における最大出力点(電流×電圧が
最大の電流と電圧値)と水分解電極の電流−電圧特性が
一致しているときにロスを最小限に抑えつつ水素発生を
行うことができるが、市販の太陽電池パネルと水分解槽
を組み合わせた水素製造システムの場合では、太陽電池
出力電圧と水分解電圧を整合させるための付加回路が必
要となり、ロスが発生する。
【0012】前記(2)の電極による過電圧の発生につ
いて説明する。水の電気分解は、理論上1.23V以上
で進行する。現実の水の電気分解はこの理論水分解電圧
に加えて電極に用いる触媒による過電圧が必要になる。
この場合には、水分解に必要な電圧(以下、水分解電圧
と呼ぶ)は、理論水分解電圧+過電圧となる。この過電
圧と太陽電池の発電電流との積の電力が、損失電力とな
る。従ってこの過電圧を如何に低下させるかが、水分解
効率を向上させるための課題となっている。
【0013】例えば、酸素と水素の発生電極の両極にス
テンレスを電極材料として用いた場合には、電解溶液の
pHが14であっても2V以上の水分解電圧が必要とな
る。一方、今までに知られている最も低い水分解電圧
は、酸素発生側の電極に二酸化ルテニウム(RuO2
と、水素発生側の電極に白金(Pt)と、を用いた場合
の1.4V程度である。しかし、工業化を考慮するなら
ば、白金族の元素からなるRuO2 ,Ptによる触媒電
極は資源量が少なく非常に高価であるので量産には不向
きである。従って触媒としては、太陽電池の電極に容易
に付着可能で、量産可能なコストの低い材料で、かつ太
陽電池での動作が可能となる水分解電圧が2V以下の低
い値の材料であることが望まれている。このことから、
太陽電池の出力電圧として動作時に2V以上という値が
要求されている。
【0014】このように、従来の太陽電池を用いた水素
を発生する技術においては、下記の課題が解決できない
ままである。 (1)オーミックロスをともなわずに高い起電力が発生
可能な太陽電池と電極と触媒とが一体化された構造によ
り、2V以上の起電力が得られていないこと。 (2)水分解電圧を2V以下に抑えることができ、かつ
比較的低コストな材料による触媒が実現されていないこ
と。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
課題に鑑み、起電力を高めた太陽電池と過電圧を小さく
できる触媒を組み合わせた多層薄膜太陽電池触媒パネル
による太陽光を利用した水素の製造方法及び太陽光を利
用した水素の製造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明は次のような構成をとる。すなわち、請求
項1に記載の太陽光を利用した水素の製造方法は、電解
溶液を有する光透過性容器に、薄膜半導体太陽電池と薄
膜触媒が同一基板上に積層形成された多層薄膜太陽電池
触媒パネルを設置し、上記薄膜半導体太陽電池に太陽光
を照射することにより起電力を発生させ、この起電力で
上記電解溶液を電気分解することにより水素を発生させ
るものである。
【0017】請求項2に記載の太陽光を利用した水素の
製造装置は、透明電極膜を堆積した光透過性絶縁物基板
にアモルファスシリコンpin接合を複数個直列接続し
た薄膜半導体太陽電池と、この薄膜半導体太陽電池のカ
ソードに接続した水素極薄膜触媒と、上記薄膜半導体太
陽電池のアノードに接続した酸素極薄膜触媒とからなる
多層薄膜太陽電池触媒パネルと、この多層薄膜太陽電池
触媒パネルを浸漬密封する電解溶液を有する光透過性容
器と、ガス分離用隔壁,ガス分離用多孔質隔壁,イオン
交換膜の何れか一つの隔壁と、を備え、上記薄膜半導体
太陽電池に太陽光を照射することで発生させた起電力に
より、上記電解溶液を電気分解して水素を発生させる太
陽光を利用した水素の製造装置であって、上記多層薄膜
太陽電池触媒パネルが上記光透過性容器の一部を構成
し、かつ、上記隔壁が、上記水素極薄膜触媒を含む領域
と上記酸素極触媒を含む領域とに区切るように設けられ
ることを特徴とするものである。
【0018】請求項3に記載の太陽光を利用した水素の
製造装置は、導電性基板の表面にアモルファスシリコン
pin接合を複数個直列接続した薄膜半導体太陽電池と
この薄膜半導体太陽電池のアノードに接続した酸素極薄
膜触媒と上記導電性基板の裏面に設けた水素極薄膜触媒
とからなる多層薄膜太陽電池触媒パネルと、この多層薄
膜太陽電池触媒パネルを浸漬密封する電解溶液を有する
光透過性容器と、ガス分離用隔壁,ガス分離用多孔質隔
壁,イオン交換膜の何れか一つの隔壁と、を備え、上記
薄膜半導体太陽電池に太陽光を照射することで発生させ
た起電力により、上記電解溶液を電気分解して水素を発
生させる太陽光を利用した水素の製造装置であって、上
記隔壁が上記基板の左右側面と上記光透過性容器の間に
挿入され上記水素極薄膜触媒を含む領域と酸素極薄膜触
媒を含む領域を区切るように設けられることを特徴とす
るものである。
【0019】請求項4に記載の発明は、請求項2又は3
に記載の太陽光を利用した水素の製造装置において、前
記薄膜半導体太陽電池が、2V以上の起電力を有するこ
とを特徴とするものである。
【0020】請求項5に記載の発明は、請求項2又は3
に記載の太陽光を利用した水素の製造装置において、前
記水素極薄膜触媒と前記酸素極薄膜触媒のそれぞれの過
電圧の合計が0.77V以下であることを特徴とするも
のである。
【0021】請求項6に記載の発明は、請求項2,3,
5の何れかに記載の太陽光を利用した水素の製造装置に
おいて、前記薄膜触媒が、Fex NiOy (x=0.2
2〜0.23、y=1.23〜1.45)であり、Co
x Moy (x=0.7〜0.9、y=0.1〜0.3)
であることを特徴とするものである。
【0022】請求項7に記載の発明は、請求項6に記載
の太陽光を利用した水素の製造装置において、前記Fe
x NiOy (x=0.22〜0.23、y=1.23〜
1.45)の粒径が、おおよそ5nmから15nmに形
成され、望ましくは約10nmに形成されていることを
特徴とするものである。
【0023】請求項8に記載の発明は、請求項2又は3
に記載の太陽光を利用した水素の製造装置において、前
記多層薄膜太陽電池触媒パネルは、前記触媒以外の領域
が前記電解溶液による侵食を防ぐための保護膜に覆われ
ていることを特徴とするものである。
【0024】請求項9に記載の発明は、請求項2又は3
に記載の太陽光を利用した水素の製造装置において、前
記電解溶液において水素を発生することによる水の消費
分を補うように前記電解溶液が定期的または自動的に補
給され、かつ前記電解溶液が前記光透過性容器内を自動
循環されるか、または前記電解溶液を有する光透過性容
器に設けられた電解溶液対流用隔壁と放熱フィンによる
自然対流により攪拌されることを特徴とするものであ
る。
【0025】請求項1に記載の発明の作用は次のとおり
である。電解溶液を有する光透過性容器に、薄膜半導体
太陽電池と薄膜触媒が同一基板上に積層形成された多層
薄膜太陽電池触媒パネルを設置し、薄膜半導体太陽電池
に太陽光を照射することにより発生する起電力により、
電解溶液を電気分解して水素を発生させるものである。
これにより、多層薄膜太陽電池触媒パネルと電解溶液を
有する光透過性容器を容易に一体構造を提供できるため
に、オーミックロスを減少させることができ、効率の良
い水素の製造方法が得られる。
【0026】請求項2及び3に記載の発明の作用は次の
とおりである。このように構成される太陽光を利用した
水素の製造装置は、導電性基板または透明電極膜を堆積
した光透過性絶縁物基板にpin接合が複数個直列接続
され起電力を発生する薄膜半導体太陽電池により起電力
を高めることができる。薄膜半導体太陽電池上部の層ま
たは電極に接続した薄膜触媒と、上記導電性基板または
透明電極膜を堆積した光透過性基板に設けた薄膜触媒と
からなる多層薄膜太陽電池触媒パネルが、電解溶液を有
する光透過性容器の一部となっているか、または光透過
性容器の内部に収容されているので、太陽電池と薄膜触
媒が一体となり、電解溶液に浸漬密封される一体構造を
提供できる。さらに、電解溶液中に隔壁を備え、電解溶
液が隔壁により水素極となる薄膜触媒を含む領域と酸素
極となる薄膜触媒を含む領域とを区切るように設けら
れ、太陽電池からの起電力で電解溶液を電気分解し水素
を発生させることができる。これにより、薄膜半導体太
陽電池と触媒が一体に構成されることから、電極間の余
分な接続や配線が不要となり、低い電圧で効率よく水素
を発生させることができる、太陽光を利用した水素の製
造装置を提供できる。
【0027】請求項4に記載の発明によれば、薄膜半導
体太陽電池が、例えば非晶質Siのpin接合を3個直
列接続した薄膜太陽電池により構成できる。これによ
り、薄膜半導体太陽電池の起電力を2.0V以上の動作
時電圧とすることができる。
【0028】請求項5に記載の発明によれば、水素極薄
膜触媒と酸素極薄膜触媒のそれぞれの過電圧の合計が、
0.77V以下で電解溶液の分解を行う機能を提供し得
る。
【0029】請求項6に記載の発明によれば、酸素極と
なる薄膜触媒が、Fex NiOy (x=0.22〜0.
23、y=1.23〜1.45)であり、水素極となる
薄膜触媒が、Cox Moy (x=0.7〜0.9、y=
0.1〜0.3)で作製することにより、水分解電圧を
2V以下の1.76Vとすることができる。
【0030】請求項7に記載の太陽光を利用した水素の
製造装置によれば、Fex NiOy(x=0.22〜
0.23、y=1.23〜1.45)の粒径が、おおよ
そ5から15nmに形成することにより、水分解電圧を
2V以下とすることができる。
【0031】請求項8に記載の発明によれば、多層薄膜
太陽電池触媒パネルの薄膜触媒以外の領域が保護膜に覆
われた構造となっているので、薄膜半導体太陽電池等の
部分は電解溶液に侵食されず、長期間の使用が可能にな
る。
【0032】請求項9記載の太陽光を利用した水素の製
造装置によれば、水素を発生することによる水の消費分
を補うように電解溶液が定期的または自動的に補給され
る。さらに電解溶液が光透過性容器内を自動循環また
は、電解溶液を有する光透過性容器に設けられた電解溶
液対流用隔壁と放熱フィンによる自然対流により攪拌す
ることが可能となる。これにより、機械的駆動装置の使
用を少なくできることにより、保守点検に要するコスト
を大幅に低減することが可能となる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面により詳細に説明する。図1と図2は、本発明の第1
の実施の形態である太陽光を利用した水素の製造装置の
構成を示す図である。図1において、太陽光を利用した
水素の製造装置30は、薄膜半導体太陽電池4と触媒
(7及び8)を組み合わせた多層薄膜太陽電池触媒パネ
ル25(図において1点鎖線で囲んだ領域)と、電解溶
液10を収容する光透過性容器1から構成される。この
多層薄膜太陽電池触媒パネル25の基板2は、二酸化錫
(SnO2 )などの透明電極3をCVD法またはスパッ
タ法などで表面に堆積させた光透過性がある絶縁物のガ
ラスである。多層薄膜太陽電池触媒パネル25は、基板
2の透明電極3上に、薄膜半導体太陽電池4と、触媒と
なる水素極薄膜触媒7及び酸素極薄膜触媒8と、を一体
で積層形成することによって構成される。薄膜半導体太
陽電池4は、透明電極膜3上に非晶質Si(アモルファ
スシリコン)接合層をプラズマCVD法にてpin構造
を繰り返して堆積することにより、例えばpin接合を
3個直列接続に形成したものである。これにより、pi
n接合が1個の場合の太陽電池の起電力が0.7〜0.
9V程度であるのに対して、この構造の薄膜半導体太陽
電池4により、約3倍の 2〜2.6V以上の起電力を得
ることができる。
【0034】透明電極膜3に接する領域がp層で、この
p層が薄膜半導体太陽電池4のアノード5である。薄膜
半導体太陽電池4の最上層のn層がカソード6である。
さらに、薄膜半導体太陽電池4のカソードのAg電極1
7上には、水の電気分解のための水素極(−極)薄膜触
媒7が設けられている。また、薄膜半導体太陽電池4の
アノード5に接続している透明電極膜3上には酸素極
(+極)薄膜触媒8が設けられている。なお、カソード
6に直接水素極薄膜触媒7を接続しても良いが、オーミ
ックロスを減少させるためには、Ag電極17などによ
るオーミック接合を設けることが好ましい。ここで使用
する水素極薄膜触媒7としてはCox Moy (x=0.
7〜0.9、y=0.1〜0.3)、酸素極薄膜触媒8
としてはFex NiOy (x=0.22〜0.23、y
=1.23〜1.45)が過電圧を低下できるので好適
である。この他に触媒としては、CoAl、NiOx
どの酸化物、窒化物、炭化物、単体金属、多元金属合
金、単体半導体、多元半導体合金などが使用できる。
【0035】図1において、基板2はガラスであり、光
透過性容器1の一部となるように構成されている。太陽
光12は、図示するように光透過性容器1の前面から基
板2のガラスを介して薄膜半導体太陽電池4へ照射され
る。これにより、基板2が電解溶液10を封入する光透
過性容器1の一部を兼ねているので、従来の太陽電池と
電解槽を別々に設置するものよりも製造コストを低下さ
せることができる。隔壁9は、ガス分離用隔壁、ガス分
離用多孔質隔壁、イオン交換膜の何れかによるものであ
る。この隔壁9は、電解溶液10を水素極薄膜触媒7を
含む領域と酸素極薄膜触媒8を含む領域とを区切るよう
に設けられている。
【0036】図2は、図1の光透過性容器の太陽光が照
射される反対側の面である背面図である。図において1
5は電解溶液面を示し、電解溶液中の○印は、模式的に
発生する水素13と酸素14を表している。なお、11
は電解溶液供給口であり、水の電気分解により発生した
水素13及び酸素14は、図示していないが、それぞれ
回収容器などに接続されるものである。他の構成部分
は、図1と同じ構成であるので、説明は省略する。ここ
で、電解溶液10は水かまたは水分解電圧を低下させか
つ電解電流密度を高めるために、酸、アルカリ、塩など
の電解質を添加した電解水溶液を用いることができる。
従って、これらの電解物質は、水素イオンよりも電離度
が大きい金属のK(カリウム)やNa(ナトリウム)な
どを含むことが必要である。
【0037】図3は本発明の第2の実施の態様を示す構
成図である。図において、基板2は、ステンレスなどの
導電性を有する材料を用いている点が図1の構成と異な
る。他の構成部分の記号は、図1と同じ構成であるの
で、説明は省略する。薄膜半導体太陽電池4は導電性基
板2の表面にプラズマCVD法により順次堆積され、そ
の最上層は、薄膜半導体太陽電池のアノード5となるp
層である。薄膜半導体太陽電池のアノードには、ZnO
膜16を堆積している。ZnO膜16上には、酸素薄膜
触媒8を堆積している。なお薄膜半導体太陽電池4の面
内で酸素薄膜触媒8を設けていない領域は、薄膜半導体
太陽電池4の受光面となる領域である。また基板2の表
面は、薄膜半導体太陽電池4のカソード5となるn層が
最初に堆積されているので、基板2の裏面には、水素薄
膜触媒7を堆積している。また、薄膜半導体太陽電池4
の上部がカソード6である場合にはカソード6に水素極
薄膜触媒7を形成する。この場合には基板2側がアノー
ドとなるので、基板2の裏面に酸素薄膜触媒8を形成す
る。さらに、隔壁9は、基板2の左右側面側と光透過性
容器1との間に挿入し、電解溶液10を水素極薄膜触媒
7を含む領域と酸素極薄膜触媒8を含む領域とを画成す
るように設けられている。
【0038】本発明の太陽光を利用した水素の製造装置
30は以上のように構成されており、この太陽光を利用
した水素の製造方法及び太陽光を利用した水素の製造装
置によれば以下のように動作する。太陽光を利用した水
素の製造装置30は、薄膜半導体太陽電池4と、薄膜半
導体太陽電池のカソード6に接続される水素極薄膜触媒
7と、薄膜半導体太陽電池のアノード5に接続される酸
素極薄膜触媒8と、からなる多層薄膜太陽電池触媒パネ
ル25が、電解溶液10を有する光透過性容器1に浸漬
密封されることにより、一体化されている。薄膜半導体
太陽電池4に太陽光12が照射されると、起電力が発生
する。この起電力は、薄膜半導体太陽電池4のアノード
5から酸素極薄膜触媒8と、薄膜半導体太陽電池4のカ
ソード6に接続した水素極薄膜触媒7との間に印加され
る。薄膜半導体太陽電池4がpin接合が3個直列接続
されている場合には、一個の接合で0.7〜0.9Vの
起電力が生じるのに対して、約3倍の2〜2.6Vの起
電力が印加される。
【0039】この起電力により、水素極薄膜触媒7と酸
素極薄膜触媒8において電解溶液10が例えばKOHで
あるときには、以下の反応により水が電気分解される。
水素極薄膜触媒7においては、2H+ +2e- →H2
の反応により水素13が発生する。また酸素極薄膜触媒
8においては、2OH- −2e- →H2 O+1/2O2
↑の反応により酸素14が発生する。このときに、カリ
ウムイオン(K+ )は、水素イオン(H+ )よりもイオ
ン化傾向が大きいので電解溶液10の中で電離したまま
で、電子は水素イオンとしか反応しない。このためにカ
リウムイオンは消費されない。
【0040】なお、隔壁9は水の電気分解で発生した水
素13と酸素14が交互に拡散し混合するのを防止する
ために設けている。特に隔壁9としてイオン交換膜を用
いた場合には、気体の水素13と気体の酸素14は通さ
ずにイオンのみを通すので、水の電気分解が行える。こ
こで用いるイオン交換膜9は、フッ素系イオン交換樹脂
(商品名:ナフィオン膜)などが好適である。これによ
り、太陽光を利用した水素の製造装置30は、薄膜半導
体太陽電池4と触媒(7,8)とからなる多層薄膜太陽
電池触媒パネル25と、電解溶液10を収容する光透過
性容器1と、から一体に構成され、太陽光による起電力
としてオーミックロスを低減化できることにより、2V
以上が得られる。さらに、低コストな薄膜触媒材料を用
いることにより、薄膜半導体太陽電池4で得られる2V
の電圧で、十分に電気分解を行うことが可能となる。
【0041】図4は、図1で説明した多層薄膜太陽電池
触媒パネル25の斜視図である。この多層薄膜太陽電池
触媒パネル25は、以下のような方法で一体に形成でき
る。ガラスの基板2(厚み1.3mm)上には、透明電
極膜3としてSnO2 膜を堆積する。ここで用いた基板
の大きさは15mm×15mmである。次に、透明電極
膜3の上に全面もしくは、一部に薄膜半導体太陽電池4
をプラズマCVD法などにより堆積する。この厚みは、
1〜2μm程度である。薄膜半導体太陽電池4を基板2
の全面に成長した場合には、所定の薄膜半導体太陽電池
4となる領域をマスクした後で透明電極膜3までエッチ
ングすることにより不要な薄膜半導体太陽電池4を除去
する。
【0042】薄膜半導体太陽電池4の最上層がn層のカ
ソード6である場合には、カソード6よりも面積を小さ
くした水素極薄膜触媒7をスパッタ法により0.3μm
から1μm程度形成する。周知のマスクによるエッチン
グや、リフトオフ法により所定の面積とすることができ
る。次に、薄膜半導体太陽電池4の右側の透明電極膜3
上に所定の面積で、酸素極薄膜触媒8をスパッタ法など
により0.3μmから1μm程度堆積させる。
【0043】さらに、電解溶液10が強アルカリ性であ
る場合には、薄膜半導体太陽電池4の材料である非晶質
Siが侵食されるのを防ぐために、電解溶液10と接触
する触媒(7,8)以外の領域を強アルカリの電解溶液
10に腐食されないで、かつ透明絶縁体であるSiO2
などの酸化膜、Si3 4 などの窒化膜、エポキシ系樹
脂、シリコーン系樹脂などの保護膜18で覆うことが好
ましい。これにより、本発明に用いる多層薄膜太陽電池
触媒パネル25は、薄膜半導体太陽電池4と薄膜触媒
(7,8)が一体に形成され、電解溶液10の中で薄膜
半導体太陽電池4を長時間安定に動作させることが可能
となる。
【0044】図5は、図4のA−A’方向の概略断面図
である。薄膜半導体太陽電池4は、非晶質Si層(a−
Si:H)のpin構造を3段繰り返して順次、SiH
4 によるプラズマCVD法により堆積した。ZnO薄膜
16(厚みは42nm)は、Ag電極17(厚みは13
4nm)を成膜後に真空中で熱処理(200℃、2時
間)する際に、Agが非晶質Si層に拡散し接合特性が
劣化するのを防止するために挿入している。Ag電極1
7は、電極と同時に太陽光12の反射面を兼ねており、
pin接合に十分に光照射が行われるようにしている。
薄膜半導体太陽電池14において、p型の不純物添加用
ガスとしては、B2 6 、n型の不純物添加用ガスとし
ては、PH3 を用いた。プラズマを発生させる高周波電
力は、10Wから40W程度である。
【0045】図5中のp1 1 1 の添え字「1」は1
段目の層で、添え字「2」と「3」は、それぞれ2段
目、3段目のpin接合を示している。各層の厚みは以
下のような寸法である。 p1 =p2 =p3 =15nm i1 =35nm、i2 =90nm、i3 =500nm n1 =n2 =15nm、n3 =30nm p層の不純物密度は800ppmで、n層の不純物密度
は90ppm程度である。i層は不純物添加をしていな
い層である。さらに、薄膜半導体太陽電池4の出力特性
を向上させるため、p層にはCH4を同時に混合して、
炭素(C)を導入し非晶質Siカーバイド(a−Si
C:H)としている。また、p層からi層の成膜は、p
層の組成が徐々に変化する傾斜組成となるようにバッフ
ァ層(p/iバッファー層)を設けていることが好まし
い。
【0046】図6は、薄膜半導体太陽電池4の堆積条件
を示す表である。基板温度は、p層、p/iバッファ層
の堆積時には200℃、i層とn層の堆積時には180
℃である。成膜圧力は、p層、p/iバッファ層の堆積
時には0.5Torr、i層の堆積時には1Torr、
n層の堆積時には0.22Torrである。SiH4
量はi層が20sccmで、p層とn層は、10scc
mである。また、CH4 流量は、p層形成時には20s
ccmで、p/iバッファ層の堆積時には20sccm
から徐々に減少させ、最終時には停止(0sccm)し
ている。また、p層の不純物ガスであるB2 6 の流量
は、20sccmで、n層の不純物ガスであるPH3
流量は、100sccmである。なお、sccm(st
andard cubic cm per minut
e)は、cm3 /分で、0℃において、1013hPa
に換算した場合の流量を表す単位である。
【0047】ところで、触媒(7,8)は過電圧ができ
るだけ小さい材料を用いる必要がある。酸素極薄膜触媒
8のFex NiOy は反応性スパッタにより作製した
が、x=0.2としたときには、酸素の組成によって触
媒の過電圧が変化する。図7は、Fex NiOy 触媒の
過電圧と酸素の組成との関係を示す図である。図におい
て横軸は酸素の組成のモル%であり、縦軸は電流密度が
2mA/cm2のときの過電圧(mV)である。過電圧
=[酸素発生に必要な電位]−[水素標準電極に対する
理論酸素発生電位]である。ここで、理論酸素発生電位
O2は、EO2=1.23−0.059×溶液pHより決
まる。pH=14のKOH溶液を用いて測定を行ったの
で、水素標準電極に対する理論酸素発生電位、EO2
0.826Vである。この膜の組成のx,yは、Fex
NiOy を走査型電子顕微鏡に取り付けたエネルギー分
散型のX線分析装置により測定したものである。過電圧
は低いほうがよく、酸素のモル%が50〜55%付近が
良いことがわかる。このときのyは1.23から1.4
5である。これにより、過電圧はyが約1.3付近で最
小となり、約305mVである。
【0048】またFex NiOy 触媒膜は、粒構造をし
ており、X線回折によりその粒径と過電圧の関係を調べ
た。図8は、Fex NiOy 触媒膜の粒径と過電圧の関
係を示すものである。図において、横軸はX線回折によ
り測定した粒径であり、縦軸は図7で説明した過電圧で
ある。図の<>内の数字は、結晶方向である。粒径がお
およそ5nmから15nmが過電圧が低下する範囲であ
る。これにより、粒径が10nm付近のときに最も水分
解電圧を下げることができる。
【0049】図9に、本発明の薄膜半導体太陽電池4と
触媒(7,8)を組合わせた多層薄膜太陽電池触媒パネ
ル25の電気特性である電流密度と電圧(以下I−Vカ
ーブと呼ぶ)を示す。図において、横軸が太陽電池及び
触媒の電圧(V)で、縦軸がそれぞれの電流密度(mA
/cm2 )である。なお、薄膜半導体太陽電池4と、触
媒(7,8)の組成や構造は図3〜図6で説明したもの
である。また、図中の○(白丸)は触媒のI−Vカーブ
で、●(黒丸)は太陽電池のI−Vカーブである。光照
射は、太陽光シミュレータ(100mW/cm2 )を用
いた。使用した電解溶液10は、pH=14のKOH溶
液である。太陽電池と触媒のI−Vカーブの交点が、動
作時の電流密度と電圧を示す。従って水分解電圧は1.
76Vで、水分解電流密度として2.26mA/cm2
が得られた。
【0050】図10に、図9の本発明の薄膜半導体太陽
電池4と触媒(7,8)を組合わせた多層薄膜太陽電池
触媒パネル25による水の電気分解時の諸特性を示す。
図において、薄膜半導体太陽電池4の面積が0.25c
2 のときに、薄膜半導体太陽電池4の変換効率が4.
0%で、このときの水素生成効率としては2.8%を得
た。また、生成水素量は、10.8μモル/hであり、
生成酸素量は、3.7μモル/hであった。このときの
入射光照射エネルギーに対する水素生成効率ηH2は、次
式により算出した。 ηH2=1.23×I×F/Pin ここで、Iは水分解電流値、FはF=[実際に計測した
水素生成量]/[電流値から推定した水素生成量]、P
inは照射光照射エネルギーである。
【0051】この得られた生成水素量から、薄膜半導体
太陽電池4の面積を1m2 とした場合には、1時間当り
約10リットル(10l/h)の水素13が得られるこ
とになる。薄膜半導体太陽電池4自体の効率は、現在ま
でに本発明者らの実験で6%が得られており、他の研究
機関における最高値は13%である。従って、実用化レ
ベルとしては10%までは十分に向上できると予測され
るので、この場合には1時間当り約25リットルの水素
13が得られることが計算される。これにより、本発明
の太陽光を利用した水素の製造方法によれば、従来に比
べて非常に高い水素生成効率が得られる。
【0052】本発明の太陽光を利用した水素の製造装置
30においては、水素13を発生することにより、水が
消費される分を補給する共に、触媒(7,8)の表面に
発生する水素13と酸素14による気泡付着によって水
分解効率が低下するのを防ぐために電解溶液10の循環
が必要となる。薄膜半導体太陽電池4の面積が1m2
水素の製造装置において、毎時10lから25lの水素
13を製造すると、0.45〜1.1モルの水を消費す
るから、少なくとも毎時9cm3 〜22.5cm3 の水
の補給が必要となる。従って、水素13の発生量に応じ
た水の消費分を補うように、電解溶液10もしくは水を
光透過性容器1内に自動的に補給する機構を設けておく
ことが好ましい。光透過性容器1の密閉性を高くして電
解溶液10の補給を定期的に行なってもよい。さらに、
水素13と酸素14による気泡付着による水分解効率が
低下するのを防ぐために、電解溶液10を光透過性容器
1内で自動循環させるのに必要な装置を付加すればよ
い。
【0053】電解溶液10を自動循環させるために、ポ
ンプなどの機械的駆動装置や常時エネルギーが必要とな
るが、極力そのエネルギーを低減化することが好まし
い。図11は、図1に示した本発明の太陽光を利用した
水素の製造装置30において電解溶液10の自然対流を
積極的に行うようにした実施例である。図11におい
て、対流用の隔壁21と、背面に放熱フィン22を設け
ている。放熱フィン22は、ヒートパイプでも良い。他
の構成部分は、図1と同じ構成であるので、説明は省略
する。電解溶液10は、隔壁9により水素極薄膜触媒7
と、酸素極薄膜触媒8を区切るように設けられている
が、各区分けされた領域をさらに仕切るように対流用の
隔壁21を設けている。
【0054】図12は、図11のB−B’断面図であ
る。図12において、対流用の隔壁21の上部と下部
は、電解溶液10が循環できるように隙間を設けてい
る。光透過性容器1の左側からの太陽光12の照射によ
り図面左側の電解溶液10の領域は温度が上昇し易く、
一方、光透過性容器1の背面には放熱フィン22が設け
られているので、電解溶液10の背面付近の温度は低下
することにより、電解溶液10に自然対流が発生する。
図12には、電解溶液10に発生する自然対流23を矢
印のついた実線で模式的に示している。これにより、攪
拌装置を使用しないで電解溶液10の中に自然対流23
を発生させることができ、気泡付着による水分解効率が
低下するのを防止することができる。本発明は上記実施
例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発
明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明
の範囲内に含まれることはいうまでもない。
【0055】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、電
解溶液を有する光透過性容器に、薄膜半導体太陽電池と
薄膜触媒が同一基板上に積層形成された多層薄膜太陽電
池触媒パネルを設置し、薄膜半導体太陽電池に太陽光を
照射することにより発生する起電力により、電解溶液を
電気分解することにより水素を発生させる方法を提供で
きる。さらに、多層薄膜太陽電池触媒パネルを、電解溶
液を有する光透過性容器に浸漬密封した一体構造とする
ことにより、電極間の余分な接続や配線が不要となりオ
ーミックロスを減少させることができ、効率の良い水素
製造装置が得られる。この際、多層薄膜太陽電池触媒パ
ネルの薄膜触媒以外の領域が保護膜に覆われた構造とす
ることにより、触媒以外の領域は電解溶液に侵食されな
いので、長期間の使用が可能になる。また、上記水素製
造装置は、水素を発生することによる水の消費分を補う
ように電解溶液が定期的または自動的に補給される。さ
らに電解溶液が光透過性容器内を自動循環または、電解
溶液を有する光透過性容器に設けられた電解溶液対流用
隔壁と放熱フィンによる自然対流により攪拌することが
可能となる。これにより、上記水素製造装置において
は、機械的駆動装置の使用を少なくでき、このため、保
守点検に要するコストを大幅に低減することが可能とな
る。このように、本発明によれば、起電力を高めた太陽
電池と過電圧を小さくできる触媒を組み合わせた多層薄
膜太陽電池触媒パネルにより、効率の良い水素製造を行
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態を説明する太陽光を利
用した水素製造装置の構成を示す図である。
【図2】図1の背面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態を示す構成図であ
る。
【図4】多層薄膜太陽電池触媒パネルの斜視図である。
【図5】図4のA−A’断面図である。
【図6】薄膜半導体太陽電池の堆積条件を示す表であ
る。
【図7】Fex NiOy 触媒の過電圧と酸素の組成との
関係を示す図である。
【図8】Fex NiOy 触媒膜の粒径と過電圧の関係を
示す図である。
【図9】本発明に係る太陽光を利用した水素製造装置の
太陽電池と、触媒部のI−V特性を示す図である。
【図10】本発明に係る太陽光を利用した水素製造装置
の諸特性を示す表である。
【図11】本発明に係る太陽光を利用した水素製造装置
の電解溶液の対流を利用した自然循環に関する実施例の
構成図である。
【図12】図11のB−B’断面図である。
【図13】従来の水の電気分解装置の概略構図である。
【図14】従来の水の電気分解装置に用いる太陽電池の
断面図である。
【符号の説明】
1 光透過性容器 2 基板 3 透明電極膜 4 薄膜半導体太陽電池 5 薄膜半導体太陽電池のアノード 6 薄膜半導体太陽電池のカソード 7 水素極薄膜触媒 8 酸素極薄膜触媒 9 隔壁 10 電解溶液 11 電解溶液供給口 12 太陽光 13 水素 14 酸素 15 電解溶液面 16 ZnO薄膜 17 Ag電極 18 保護膜 21 電解溶液対流用隔壁 22 放熱フィン 23 自然対流 25 多層薄膜太陽電池触媒パネル 30 太陽光を利用した水素製造装置
フロントページの続き (72)発明者 山田 羊治 京都府相楽郡木津町木津川台9−2 財団 法人地球環境産業技術研究機構内 (72)発明者 大森 隆 京都府相楽郡木津町木津川台9−2 財団 法人地球環境産業技術研究機構内 (72)発明者 鈴木 栄二 京都府相楽郡木津町木津川台9−2 財団 法人地球環境産業技術研究機構内 (72)発明者 豆塚 廣章 京都府相楽郡木津町木津川台9−2 財団 法人地球環境産業技術研究機構内 (72)発明者 松田 彰久 茨城県つくば市東1−1−1 独立行政法 人産業技術総合研究所つくばセンター内 (72)発明者 近藤 道雄 茨城県つくば市東1−1−1 独立行政法 人産業技術総合研究所つくばセンター内 Fターム(参考) 5F051 AA05 BA05 CA15 DA04 DA15 FA03 FA06 GA02 GA03 JA09 5H032 AA07 AS06 AS16 BB06 CC01 CC06 EE01 EE02 EE07 HH08

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解溶液を有する光透過性容器に、薄膜
    半導体太陽電池と薄膜触媒が同一基板上に積層形成され
    た多層薄膜太陽電池触媒パネルを設置し、上記薄膜半導
    体太陽電池に太陽光を照射することにより起電力を発生
    させ、この起電力で上記電解溶液を電気分解することに
    より水素を発生させることを特徴とする、太陽光を利用
    した水素の製造方法。
  2. 【請求項2】 透明電極膜を堆積した光透過性絶縁物基
    板にアモルファスシリコンpin接合が複数個直列接続
    される薄膜半導体太陽電池と、該薄膜半導体太陽電池の
    カソードに接続される水素極薄膜触媒と、上記薄膜半導
    体太陽電池のアノードに接続される酸素極薄膜触媒と、
    からなる多層薄膜太陽電池触媒パネルと、 この多層薄膜太陽電池触媒パネルを浸漬密封する電解溶
    液を有する光透過性容器と、 ガス分離用隔壁、ガス分離用多孔質隔壁、イオン交換膜
    の何れか一つの隔壁と、を備え、 上記薄膜半導体太陽電池に太陽光を照射することで発生
    させた起電力により、上記電解溶液を電気分解して水素
    を発生させる太陽光を利用した水素の製造装置であっ
    て、 上記多層薄膜太陽電池触媒パネルが上記光透過性容器の
    一部を構成し、かつ、上記隔壁が、上記水素極薄膜触媒
    を含む領域と上記酸素極触媒を含む領域とに区切るよう
    に設けられることを特徴とする、太陽光を利用した水素
    の製造装置。
  3. 【請求項3】 導電性基板の表面にアモルファスシリコ
    ンpin接合が複数個直列接続される薄膜半導体太陽電
    池と、該薄膜半導体太陽電池のアノードに接続される酸
    素極薄膜触媒と、上記導電性基板の裏面に設けられる水
    素極薄膜触媒と、からなる多層薄膜太陽電池触媒パネル
    と、 この多層薄膜太陽電池触媒パネルを浸漬密封する電解溶
    液を有する光透過性容器と、 ガス分離用隔壁、ガス分離用多孔質隔壁、イオン交換膜
    の何れか一つの隔壁と、を備え、 上記薄膜半導体太陽電池に太陽光を照射することで発生
    させた起電力により、上記電解溶液を電気分解して水素
    を発生させる太陽光を利用した水素の製造装置であっ
    て、 上記隔壁が上記基板の左右側面と上記光透過性容器の間
    に挿入され上記水素極薄膜触媒を含む領域と酸素極薄膜
    触媒とを含む領域を区切るように設けられることを特徴
    とする、太陽光を利用した水素の製造装置。
  4. 【請求項4】 前記薄膜半導体太陽電池が、2V以上の
    起電力を有することを特徴とする、請求項2又は3に記
    載の太陽光を利用した水素の製造装置。
  5. 【請求項5】 前記水素極薄膜触媒と前記酸素極薄膜触
    媒のそれぞれの過電圧の合計が0.77V以下であるこ
    とを特徴とする、請求項2又は3に記載の太陽光を利用
    した水素の製造装置。
  6. 【請求項6】 前記薄膜触媒が、Fex NiOy (x=
    0.22〜0.23、y=1.23〜1.45)であ
    り、Cox Moy (x=0.7〜0.9、y=0.1〜
    0.3)であることを特徴とする、請求項2,3,5の
    何れかに記載の太陽光を利用した水素の製造装置。
  7. 【請求項7】 前記Fex NiOy (x=0.22〜
    0.23、y=1.23〜1.45)の粒径が、おおよ
    そ5nmから15nmに形成され、望ましくは約10n
    mに形成されていることを特徴とする、請求項6に記載
    の太陽光を利用した水素の製造装置。
  8. 【請求項8】 前記多層薄膜太陽電池触媒パネルは、前
    記触媒以外の領域が前記電解溶液による侵食を防ぐため
    の保護膜に覆われていることを特徴とする、請求項2又
    は3に記載の太陽光を利用した水素の製造装置。
  9. 【請求項9】 前記電解溶液において水素を発生するこ
    とによる水の消費分を補うように前記電解溶液が定期的
    または自動的に補給され、かつ前記電解溶液が前記光透
    過性容器内を自動循環されるか、または前記電解溶液を
    有する光透過性容器に設けられた電解溶液対流用隔壁と
    放熱フィンによる自然対流により攪拌されることを特徴
    とする、請求項2又は3に記載の太陽光を利用した水素
    の製造装置。
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