JP6042749B2 - ダイヤモンド電極を用いる電気化学的還元装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ダイヤモンド電極を用いる電気化学的還元装置、より具体的には、二酸化炭素の電気化学的に還元するためのダイヤモンド電極を備えた電気化学的還元装置に関する。
に関する。
21世紀は環境の世紀と呼ばれており、サスティナビリティな社会(持続可能な社会)の構築が重要であるとされている。いまや環境問題は世界的関心事となってきているが、地球温暖化問題もその一つである。そして、地球温暖化への寄与率が最も高い温室効果ガスは、二酸化炭素(CO)であるため、地球温暖化の対策として大気中の二酸化炭素の低減化が最も効果的であると考えられている。したがって、大気中に放出される二酸化炭素を分離回収し、還元又は固定化する技術の開発研究が進んでおり、電気化学的還元手法も将来的に実用化が見込まれる技術の一つとして考えられている。
二酸化炭素を電気化学的に還元しようとする試みは、古くから研究されており、現在も実用化に向けた応用研究が続いているのが現状である。しかしながら、一般的な電気化学法ではもちろん電力が必要なわけで、その電力を化石燃料による火力発電に頼っていては環境問題の解決には全く意味をなさないのは自明であり、一次エネルギー源として太陽電池などの再生可能エネルギーにより得た電力を用いて、二酸化炭素の電気化学的還元を行うことが想定されている。
二酸化炭素の電気化学的還元は原理的には水の電気分解と同じである。すなわち、カソード側の電解質溶液中に二酸化炭素を飽和させておき、二酸化炭素の電気化学的還元を行わせる。アノードでは、水の酸化反応が進行し、酸素が発生する。二酸化炭素の電気化学的還元法には、実用化に向けて様々な問題点が存在している。
従来、二酸化炭素の電気化学的還元のためのカソード電極には、例えば、銅、コバルトポルフィリン(非特許文献1参照)、ニッケルサイクラム錯体(非特許文献2参照)、Cu/Sn/P合金(特許文献1)などの金属電極が用いられてきた。
特開2003−213472
しかしながら、上述したような文献に開示されている金属電極は、前処理と耐久性に問題がある場合が多い。よって、二酸化炭素の還元の高い電流効率を維持するためには、電極材料の安定性が必要である。
一方、二酸化炭素の電気化学的還元において、二酸化炭素還元の高い電流効率を得るためには、電解質水溶液の二酸化炭素濃度を増加させる必要がある。
本発明はこの課題を鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、簡便にかつ効率よく二酸化炭素を還元することのできる、電気化学的還元装置を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、下記構成を有する電気化学的還元装置によって上記課題が解決することを見出し、かかる知見に基づいて更に検討を重ねることによって本発明を完成した。
すなわち、本発明の一態様に係る二酸化炭素用電気化学的還元装置は、アノード電極とホウ素をドープしたダイヤモンドカソード電極とが、二酸化炭素を含む電解液に接触するように、ステンレス製耐圧セルの中に設置されていることを特徴とする。
このような構成により、安定した電極を備え、かつ高圧に耐えうるセルを用いて、簡便かつ効率的に二酸化炭素を還元することができる。
前記電気化学的還元装置において、さらに参照電極が前記セルの中に設置されていることが好ましい。それにより、電解液の抵抗によるiR降下を除いたカソード電極に印加した電圧のみを測定することができる。
また、前記電気化学的還元装置において、前記セル内にガラスセルを備え、該ガラスセル内においてアノード室とカソード室とがイオン交換膜で仕切られていることが好ましい。そのような構成により、アノード室とカソード室とで起こる反応を分けることができ、片方の電極で発生した生成物が、もう片方の電極で反応することを避けることができる。
さらに、前記電気化学的還元装置において、前記電解液が溶媒として水及びメタノールを含むことが好ましい。溶媒に水やメタノールを用いることにより、二酸化炭素の溶解度が高いため、二酸化炭素を効率良く還元することができる。さらに、メタノールを用いることにより0℃以下で還元することも可能となる。
また、前記電気化学的還元装置が、前記ステンレス製耐圧セルまたは前記ガラスセル内の電解液に、1〜10atmの圧力をかける圧力計をさらに備えていることが好ましい。そうすることにより、電解液中の二酸化炭素溶解量を増加させることができ、より効率よく二酸化炭素の還元を行うことができる。
また、前記電気化学的還元装置において、前記電解液温度が−30〜10℃であることが好ましい。そうすることにより、電解液中の二酸化炭素溶解量を増加させることができ、より効率よく二酸化炭素の還元を行うことができる。
さらに、前記電解液に含まれる支持電解質が、塩化リチウム、塩化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、塩化セシウムから選択される少なくとも1つであることが好ましい。そうすることにより、より効率よく二酸化炭素の還元を行うことができる。
本発明によれば、安定した電極を備え、簡便かつ効率的に二酸化炭素を還元することができる電気化学的還元装置を提供することができる。
図1は、一つのセル中においてアノード反応とカソード反応が進行することを特徴とする、高圧条件下でダイヤモンド電極を組み入れた二酸化炭素を電気化学的に還元する、本発明に係る装置の一実施態様を示す。 図2は、アノード反応とカソード反応を分離し、二つのセル中においてアノード反応とカソード反応が別々に進行することを特徴とする、高圧条件下でダイヤモンド電極を組み入れた二酸化炭素を電気化学的に還元する、本発明に係る装置の一実施態様を示す。
以下、本実施形態による電気化学的還元装置について、必要に応じて図面を参照しながら説明する。
<第一の実施形態>
図1に示すように、本発明の一つの実施態様に係る二酸化炭素用電気化学的還元装置1は、アノード電極4とホウ素をドープしたダイヤモンドカソード電極3とが、二酸化炭素を含む電解液13に接触するように、ステンレス製耐圧セル2の中に設置されていることを特徴とする。
このように安定な電極であるダイヤモンド電極をカソード電極として使用し、耐圧セル内で高圧条件下にて電気化学的還元を行うことによって、簡便かつ効率的に二酸化炭素を還元することができると考えられる。
すなわち、本実施形態に係る二酸化炭素用電気化学的還元装置1は、電解液容器としてステンレス製耐圧セル2を用い、該セル内の電解液13に、アノード電極4とホウ素をドープしたダイヤモンドカソード電極3とを浸漬させた構成を有する。電気化学的還元装置1は、さらに電解液を撹拌する撹拌手段(例えば、図2に示す撹拌子)や、参照電極5を備えていてもよい。
一般的に、電解液の温度を低下させると、二酸化炭素溶解量が増加することが知られている。また、圧力を増加させても、電解液中の二酸化炭素溶解量は増加する。しかしながら、電解温度を低下させると、電気化学的還元において電流密度(反応速度)が低下する傾向にあるため、可能であれば圧力を増加させる方が望ましい。よって、本実施形態においては、高圧に耐えうるステンレス製耐圧セル2を必須構成として用いて、高圧下で二酸化炭素の電気化学的還元を行う装置を提供する。
このように電気化学的還元装置1内を高圧環境にするため、電気化学的還元装置1に高圧バルブ7、圧力計6を設置して、装置内の圧力を調整することができる。
本実施形態において、電気化学的還元装置1内の圧力は、1〜10atm程度であることが好ましい。このような範囲の圧力をかけることにより、電解液中の二酸化炭溶解量をより増加させることができると考えられる。
さらに、高圧力に耐え得るようにするため、蓋の固定は強固なボルト8で行い、密封するためにOリング9等を使用することが好ましい。
なお、前記ダイヤモンドカソード電極3で、前記電解液13中の二酸化炭素が還元されて消費されることで、電解液13中の二酸化炭素等の濃度が減少する。したがって、還元反応によって減少した二酸化炭素等は常に補充され、その濃度は常に所定範囲内に保たれることが必要である。そのため、図示はしていないが、前記セル2内の電解液13を循環する循環手段等を、電気化学的還元装置1に適宜設置してもよい。
さらに、二酸化炭素が還元されて発生したガスなどを回収する手段も設けておくことが好ましい。効率よく発生したガスを回収し、利用することができるためである。
(ステンレス製耐圧セル)
本実施形態に係る電気化学的還元装置1において、二酸化炭素の電気化学的還元はステンレス製耐圧セル2内で行われる。
本実施形態で使用するステンレス製耐圧セル2は、高圧(例えば、1〜10atm程度)に耐えることが可能な、ステンレス鋼によって構成されているものであれば特に限定はされないが、例えば、SUS316やSUS304等のステンレス鋼を使用することができる。
上述したようなステンレス製耐圧セルは、絶縁及び耐食性向上の目的のため、テフロン(登録商標)などで内側をコーティングしてもよい。
(電極)
本実施形態において、カソード電極(陽極)3として使用されるのは、ホウ素をドープしたダイヤモンド電極である。このようなダイヤモンド電極を用いることにより、電解による溶出によって電極が消耗しにくくなり、安定して電気化学的還元を行うことが可能となる。
このようなホウ素ドープダイヤモンド電極は、例えば、シリコンウエハ等の半導体材料を基材とし、このウエハ基材表面にホウ素ドープダイヤモンド薄膜を形成させることで得られる。なお、ホウ素ドープダイヤモンド電極は、ウエハを溶解させたものや、基材を用いない条件で板状に析出合成したセルフスタンド型導電性多結晶ダイヤモンドを用いることも可能である。また、Nb、W、Tiなどの金属基板上に積層したものも利用できる。
前記ホウ素ドープダイヤモンド薄膜は、ダイヤモンド薄膜の合成の際に所定量のホウ素をドープして導電性を付与したものである。なお、ドープの量は、ダイヤモンド薄膜の炭素量に対して、50〜20,000ppm程度であることが好ましい。50ppmより少ないとオゾンを効率的に発生させることができず、20,000ppmより多いとドープ効果が飽和してしまうおそれがある。
また、アノード電極(陰極)4としては、特に限定はされないが、例えば、白金、イリジウム、パラジウム、オスミウム、ロジウム、及びルテニウムからなる群から選ばれるいずれか一種であることが好ましい。
本実施形態にかかる電極は、通常は板状のものを使用するが、網目構造物を板状にしたものであっても使用できる。例えば、平板上のダイヤモンド電極に電解膜を隔てて、ワイヤー状の陰極を配置したり、平板上のダイヤモンド電極に電解膜を隔てて、メッシュ状の陰極を配置することも可能である。また、電極の数は特に限定されるものではない。
さらに、本実施形態においては、参照電極5を使用してもよい。参照電極5としては、電気化学の分野で通常使用されているものであれば特に限定なく使用することができるが、具体的には、例えば、耐圧性の標準水素電極、耐圧性の銀/塩化銀電極等が例示される。このような参照電極を用いることにより、電解液の抵抗によるiR降下を除いたカソード電極に印加した電圧のみを測定することができるという利点がある。
本実施形態においては、前記電極は、電源と電気的に接続されている(図示せず)。電源については、特に限定はなく、電気分解用に通常使用されているものであれば特に限定なく使用することができる。
本実施形態において、還元電位は、上記電極に対し、通常、−1.5〜−5.0V vs. Ag/AgCl sat. KCl程度であり、例えば、ポテンシオ・ガルバノスタッド装置等の電源装置を用いることができる。
(電解液)
本実施形態の電気化学的還元装置1に用いられる電解液13としては、二酸化炭素を大量に溶解できる電解液であることが好ましく、例えば、メタノール、エタノール等の低級アルコール溶液、あるいは、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等のアルカリ性溶液、モノメタノールアミン、メチルアミン、その他液状のアミン、またはそれら液状のアミンと電解質水溶液の混合液などが用いられる。また、電解質水溶液としては特に制限されないが、例えば、塩化カリウム水溶液、塩化ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液、塩化リチウム水溶液、水酸化リチウム水溶液、水酸化ルビジウム水溶液、水酸化セシウム水溶液、塩化セシウム水溶液などを用いることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
なかでも、より好ましくは、物理的溶解度が優れているという観点からメタノールなどの低級アルコール及び水を溶媒とし、支持電解質として、カリウム塩、リチウム塩、ナトリウム塩、セシウム塩、ルビジウム塩等を含む電解液を用いることの望ましい。これらの金属はイオン化傾向が大きく、還元されず反応に関与しないという利点があるからである。また、溶媒に水やメタノールを用いることにより、二酸化炭素の溶解度が高いため、二酸化炭素を効率良く還元することができる。さらに、メタノールを用いることにより0℃以下で還元することも可能となる。
電解液の特に好ましい具体例としては、例えば、二酸化炭素を飽和させた水酸化カリウムメタノール等を用いることができる。
本実施形態において、電解液の温度(還元温度)を低く設定することが好ましく、例えば、−30〜10℃程度の低温に保つことが望ましい。それにより、より二酸化炭素還元の効率を向上させることができる。電解液の温度は、例えば、冷却装置などを設置することによって調整が可能である。
<第二の実施形態>
本実施形態に係る電気化学的還元装置1は、図2に示すように、前記ステンレス性耐圧セル2内にさらにガラスセル12を備え、該ガラスセル12内においてアノード室とカソード室とがイオン交換膜10で仕切られていてもよい。この場合、二酸化炭素の電気化学的還元は前記ガラスセル12内で行われる。
前記ガラスセル12としては、例えば、H型ガラスセル等を用いることができる。
前記イオン交換膜10としては特に制限はないが、例えば、炭化水素系、パーフルオロカーボン系、スチレン系、アクリル系、縮合系、エンプラ系などのイオン交換膜を用いることがでる。特に好ましくは、パーフルオロカーボン系等を用いることができ、例えば、市販で入手可能な具体例を挙げれば、デュポン(株)社製の「ナフィオン117」などを用いることができる。本実施形態において、イオン交換膜10は、アノード室とカソード室とで起こる反応を分けることができ、片方の電極で発生した生成物が、もう片方の電極で反応することを避けることができるという機能を奏する。
さらに、必要に応じて、イオン交換膜10と電極との間に介在する電解質を設けてもよい。電解質としては、特に制限はないが、塩化リチウムアルコール水溶液、塩化ナトリウムアルコール水溶液、水酸化リチウムアルコール水溶液、水酸化ナトリウムアルコール水溶液、水酸化カリウムアルコール水溶液、水酸化ルビジウムアルコール水溶液、水酸化セシウムアルコール水溶液、塩化セシウムアルコール水溶液等を用いることができる。
以下に、本発明の代表的な実施例を示し、本発明を、更に具体的に説明するが、本発明が、これら実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもない。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上述した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えうることは理解されるべきである。
(実施例1)
(使用した装置)
図1に示すような装置を用いた。ステンレス製耐圧セル2(ファインケミカルジャパン株式会社社製の「(製品名)」)の内面をテフロン(登録商標)でコーティングし、カソード電極3として、発明者によりマイクロ波プラズマCVD装置を用いてb合成された、10mm×20mmの低抵抗シリコン基板上にホウ素を2000ppmドープしたボロンドープダイヤモンド電極を用い、アノード電極として白金板(30mm×10mm、0.1mm、99.8%)を用いた。ホウ素ドープダイヤモンドは、導電性エポキシ樹脂でニッケル線と接地して、その周りをアラルダイドによりコーティングし、さらに高分子樹脂で覆うことにより、電極反応がホウ素ドープダイヤモンド表面でのみ起こるようにした。電解液13としては、支持電解質(詳細は後述)を溶解したメタノール溶媒25mLをステンレスセル2に加えた。参照電極には擬似銀棒電極を用いた。
電解中の温度は冷却装置で一定とし、ポテンシオ/ガルバノスタット電源により定電位電解を行った。通電量は30〜50クーロンとした。還元生成物の分析には、ガスクロマトグラフィーと高速液体クロマトグラフィーを用いた。以下の試験においては、生成物の電流効率を計算し、電気化学的還元装置の性能を評価した。
(評価)
1.圧力
電解液13として0.3M KOH/メタノールを用いて、0℃において、ステンレス製耐圧セル2を用いて、二酸化炭素の電気化学的還元を行い、圧力の影響を調べた。その結果を表1に示す。還元電位は、−3.0V vs.擬似銀参照電極であった。還元生成物は、CO、ギ酸メチル、メタンであり、エチレンとエタンは生成しなかった。圧力を4atm以上にすると、COとギ酸の電流効率は増加し、水素の電流効率は減少した。4atmにおけるCOとギ酸の電流効率の合計は、約83%であった。
Figure 0006042749
電解液 300mM KOH/methanol
電位 −3.0V vs. 擬似銀参照電極
温度 0℃
通電量 50クーロン
2.電位
電解溶液0.3M KOH/メタノールを用いて、4atmにて、ステンレス製耐圧セル2を用いて、二酸化炭素の電気化学的還元を行い、電位の影響を調べた。その結果を表2に示す。還元温度は、0℃であった。還元生成物は、CO、ギ酸メチル、メタンであり、エチレンとエタンは生成しなかった。還元電位が−2.8〜−3.2V付近で、ギ酸メチルの電流効率が高い傾向が得られた。
Figure 0006042749
電解質300mM KOH/methanol
圧力 4atm
温度 0℃
通電量 50クーロン
3.温度
電解液13として0.3M KOH/メタノールを用いて、4atmで、ステンレス製耐圧セル2を用いて、二酸化炭素の電気化学的還元を行い、温度の影響を調べた。その結果を表3に示す。還元電位は、−3.0Vであった。還元生成物は、CO、ギ酸メチル、メタンであり、エチレンとエタンは生成しなかった。還元温度が0℃付近で、ギ酸メチルの電流効率が高い傾向が得られた。
Figure 0006042749
電解質300mM KOH/methanol
電位 −3.0V vs. 擬似銀参照電極
圧力 4atm
通電量 50クーロン
4.電解質
4atmにおいて1セルの高圧ステンレスセルを用いて、CO2の電気化学的還元を行い、支持電解質の影響を調べた。その結果を表4に示す。還元電位は、−3.0Vであった。還元生成物は、CO、ギ酸メチル、メタンであり、エチレンとエタンは生成しなかった。支持電解質にカリウム塩を用いると、ギ酸メチルの電流効率が高い傾向が得られた。
Figure 0006042749
電位 −3.0V vs. 擬似銀参照電極
温度 0℃
圧力 4atm
通電量 50クーロン
(実施例2)
図2に示す装置を用いて二酸化炭素の還元を行った。ステンレス製耐圧セル2内にH型ガラスセル12を設置し、カソード電極3を有するカソード室とアノード電極4を有するアノード室をイオン交換膜10(デュポン(株)社製のパーフルオロカーボン系のプロトン透過膜であるナフィオン117)で仕切った。支持電解質として水酸化カリウム100mMを溶解したメタノールを電解液として用いた。前記電解液15mLをカソード室とアノード室に15mLずつ加えた。カソード電極としては、実施例1と同じホウ素ドープダイヤモンド電極を用いた。アノード電極には、白金板(30mm×15mm、0.1mm、99.8%)を用いた。擬似参照電極としては、銀ロッドを用いた。ステンレス製耐圧セルにかける圧力は4atmで一定にし、電解液の温度は15℃に設定した。通電量は30クーロンまでで、定電位電解を行い、二酸化炭素の電気化学的還元を進行させた。発生した生成物は、ガスクロマトグラフィーと高速液体クロマトグラフィーで分析した。生成物の電流効率を計算し、評価した。
高圧条件下におけるダイヤモンド電極による二酸化炭素の電気化学的還元結果を表5に示す。
Figure 0006042749
上記の還元結果から、アノード室とカソード室を分離し、二つに分けたセル中においてアノード反応とカソード反応が別々に進行することを特徴とする、高圧条件下でダイヤモンド電極を用いて二酸化炭素を電気化学的に還元するステンレス耐圧セルにおいても、二酸化炭素の電気化学的還元が進行していることを確かめることができた。
1 電気化学的還元装置
2 耐圧セル
3 ダイヤモンド電極(カソード電極)
4 アノード電極
5 参照電極
6 圧力計
7 高圧バルブ
8 ボルト
9 Oリング
10 イオン交換膜
11 撹拌子

Claims (5)

  1. アノード電極と、ホウ素をドープしたダイヤモンドカソード電極とが、二酸化炭素を含む電解液に接触するように、ステンレス製耐圧セルの中に設置されており、
    さらに高圧バルブおよび圧力計を備えることによって、前記電解液に1〜5atmの圧力をかけること、及び
    前記電解液温度が−10〜10℃であることを特徴とする、二酸化炭素用電気化学的還元装置。
  2. さらに参照電極が前記セルの中に設置されている、請求項1記載の電気化学的還元装置。
  3. 前記セル内にさらにガラスセルを備え、該ガラスセル内において、前記アノード電極を有するアノード室と前記ダイヤモンドカソード電極を有するカソード室とがイオン交換膜で仕切られている、請求項1または2記載の電気化学的還元装置。
  4. 前記電解液が溶媒として水及びメタノールを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の電気化学的還元装置。
  5. 前記電解液に含まれる支持電解質が、塩化リチウム、塩化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、塩化セシウムから選択される少なくとも1つである、請求項1〜のいずれかに記載の電気化学的還元装置。
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