JP6840286B2 - 積層体、太陽電池用保護シート、及び太陽電池モジュール - Google Patents

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Description

本開示は、積層体、太陽電池用保護シート、及び太陽電池モジュールに関する。
近年、反射防止層を有するフィルムは、種々の用途で用いられている。
例えば、特表2017−500384号公報には、1)有機化合物A;エマルジョン安定剤C;及びpH2〜6の水性媒体をC/A質量比0.1〜2にて混合し、その結果、エマルジョンに対して、粒径30〜300nmの乳化液滴1〜50質量%が形成されることによって、水中油型エマルジョンを調製する工程であって、上記粒径が、DLSによって測定されるZ平均流体力学的径である工程と、2)工程1)で得られたエマルジョンに、少なくとも1種類の無機酸化物前駆物質を添加することによって、上記乳化液滴に無機酸化物シェル層を提供し、その結果、コア/シェル質量比0.2〜25を有する有機−無機コア・シェルナノ粒子が形成される工程であって、上記コアが、化合物Aとエマルジョン安定剤Cの合計であり、かつシェルが、無機酸化物前駆物質に等しい金属酸化物である工程と、を含む、反射防止コーティング組成物を製造するプロセスであって、化合物Aが、最大で5kg/m3の水溶性を有する無極性有機化合物であり、かつ上記エマルジョン安定剤Cが、カチオン電荷を有する少なくとも1種類のモノマー単位及び中性又は非イオン性であり、かつ全体的な正のゼータ電位を有する少なくとも1種類のモノマー単位を含むカチオン性付加共重合体である、プロセスを用いて得られる、反射防止コーティングされた透明基材が記載されている。
また、特開2009−103808号公報には、透明フィルムと透明フィルム上に形成される反射防止層からなる反射防止フィルムであり、該反射防止フィルムの反射防止層側表面の平均波長(Sλa)が50〜300μmであり、中心面平均粗さ(SRa)が式(1):0.1+0.00065×Sλa<SRa<0.003×Sλaで表される凹凸を有し、凹凸が転写により形成されたことを特徴とする反射防止フィルムが記載されている。
更に、特開2008−262187号公報には、透明基材フィルム上に、中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層がこの順に透明基材フィルム側から積層されており、上記中屈折率層が、(A)波長550nmにおける屈折率が1.60〜1.64、厚さ55.0nm〜65.0nmを有する中屈折率層であり、上記高屈折率層が、(B)波長550nmにおける屈折率が1.70〜1.74、厚さ105.0nm〜115.0nmを有する高屈折率層であり、上記低屈折率層が、(C)波長550nmにおける屈折率が1.32〜1.37、厚さ85.0nm〜95.0nmを有する低屈折率層である反射防止フィルムが記載されている。
シロキサン樹脂中に空隙を含み、空隙率が30%〜75%である反射防止層は、空隙の占める割合、即ち、空隙率が高いことで、光透過性が高く、優れた反射防止能を有する。
しかしながら、上記の反射防止層は、空隙率が大きく、収縮率も大きいため、また、反射防止層中にシラノール基が残存した状態となるため、湿熱によって硬化収縮が進むと空隙部に掛かる応力が大きくなり、空隙部の歪みに起因する割れが生じ易い。反射防止層中に割れが生じると、目的とする反射防止能、即ち、高い光透過性が得られず、問題となることがある。
そこで、本発明の一実施形態が解決しようとする課題は、上記事情に鑑みてなされたものであり、光透過性が高く且つ湿熱耐性に優れた積層体を提供することである。
本発明の他の一実施形態が解決しようとする課題は、光透過性が高く且つ湿熱耐性に優れた太陽電池用保護シート及びその太陽電池用保護シートを備えた太陽電池モジュールを提供することである。
上記課題を解決するための手段には、以下の形態が含まれる。
<1> 基材と、基材上に設けられた、膜厚が0.5μm〜50μmのハードコート層と、ハードコート層上に設けられた、シロキサン樹脂中に空隙を含み、空隙率が30%〜75%であり、且つ、膜厚が80nm〜200nmの反射防止層と、を有し、反射防止層側からのISO14577−1準拠の押し込み硬さが0.5GPa〜30GPaである、積層体。
<2> 空隙の径が25nm〜80nmである<1>に記載の積層体。
<3> 基材が樹脂基材である、<1>又は<2>に記載の積層体。
<4> 反射防止層側からのISO14577−1準拠の押し込み硬さが5GPa〜25GPaである、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の積層体。
<5> 反射防止層中の空隙率が35%〜65%である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の積層体。
<6> ハードコート層と反射防止層とが隣接する、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の積層体。
<7> 基材の一方の面に設けられた、ハードコート層及び反射防止層を含む全層の総膜厚が0.6μm〜50μmである、<1>〜<6>のいずれか1に記載の層体。
<8> ハードコート層が無機フィラーを含む、<1>〜<7>のいずれか1つに記載の積層体。
<9> 無機フィラーが紫外線吸収能を有する無機フィラーを含む、<8>に記載の積層体。
<10> ハードコート層が硬化剤として金属錯体を含む、<1>〜<9>のいずれか1つに記載の積層体。
<11> ハードコート層がシロキサン樹脂を含む、<1>〜<10>のいずれか1つに記載の積層体。
<12> シロキサン樹脂が、テトラアルコキシシランと2官能又は3官能のアルコキシシランとの加水分解縮合物である、<11>に記載の積層体。
<13> 加水分解縮合物が、テトラアルコキシシランに由来する構成単位と2官能又は3官能のアルコキシシランに由来する構成単位との総量に対して、2官能又は3官能のアルコキシシランに由来する構成単位を50質量%以上含む、<12>に記載の積層体。
<14> <1>〜<13>のいずれか1つに記載の積層体を有する、太陽電池用保護シート。
<15> <14>に記載の太陽電池用保護シートを備える、太陽電池モジュール。
本発明の一実施形態によれば、光透過性が高く且つ湿熱耐性に優れた積層体を提供することができる。
本発明の他の一実施形態によれば、光透過性が高く且つ湿熱耐性に優れた太陽電池用保護シート及びその太陽電池用保護シートを備えた太陽電池モジュールを提供することができる。
以下において、本開示の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本開示の代表的な実施形態に基づいてなされることがあるが、本開示はそのような実施形態に限定されるものではない。
なお、本明細書において、数値範囲を示す「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
また、本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
また、本明細書中の「工程」の用語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても、その工程の所期の目的が達成されれば本用語に含まれる。
更に、本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
また、本開示における重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、特に断りのない限り、TSKgel GMHxL、TSKgel G4000HxL、TSKgel G2000HxL(何れも東ソー(株)製の商品名)のカラムを使用したゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析装置により、溶剤THF(テトラヒドロフラン)、示差屈折計により検出し、標準物質としてポリスチレンを用いて換算した分子量である。
<積層体>
本開示に係る積層体は、基材と、基材上に設けられた、膜厚が0.5μm〜50μmのハードコート層と、ハードコート層上に設けられた、シロキサン樹脂中に空隙を含み、空隙率が30%〜75%であり、且つ、膜厚が80nm〜200nmの反射防止層と、を有し、反射防止層側からのISO14577−1準拠の押し込み硬さが0.5GPa〜30GPaである。
ここで、シロキサン樹脂中に空隙を含むとは、シロキサン樹脂を含んで構成されるマトリックス中に空隙が存在することを意味する。即ち、本開示における反射防止層は、シロキサン樹脂を含んで構成されるマトリックス中に空隙が存在する層である。
以下、本開示において、「ISO14577−1準拠の押し込み硬さ」を単に「押し込み硬さ」ともいう。
既述のように、シロキサン樹脂中に空隙を含み、空隙率が30%〜75%である反射防止層は、空隙率が高く、優れた反射防止能を有する一方、湿熱によって硬化収縮が進むと空隙部に掛かる応力が大きくなり、空隙部の歪みに起因する割れが生じ易い。
そこで、本発明者らは、上記の反射防止層と基材との間にハードコート層を設けた積層体とし、且つ、積層体の反射防止層側からの押し込み硬さを0.5GPa〜30GPaとすることで、湿熱耐性が良好となることを見出した。
反射防止層側からの押し込み硬さを0.5GPa以上にすることにより、湿熱により硬化収縮が進む際に、反射防止層にかかる応力中心がハードコート層側になるため、反射防止層における空隙部の歪みに起因する割れが抑制されるものと推測される。また、反射防止層側からの押し込み硬さを30GPa以下にすることにより、湿熱により硬化収縮が進む際、ハードコート層と反射防止層との熱収縮率の差が小さくなり、ハードコート層と反射防止層との界面に生じる応力を抑制することができる。そのため、湿熱後に衝撃がかかった際に、応力に起因する反射防止層の割れを抑制することができるものと推測される。
更に、ハードコート層の膜厚を0.5μm以上とすることで、積層体の強度を高めることができ、湿熱耐性も高めることができる。また、ハードコート層の膜厚を50μm以下とすることで、湿熱による硬化収縮によってハードコート層が割れることを抑制することができる。
特表2017−500384号公報、特開2009−103808号公報、及び特開2008−262187号公報のそれぞれに記載の反射防止層を有するフィルムは、いずれも、反射防止層側からの押し込み硬さについては言及されておらず、反射防止層の割れについても何ら検討されていない。
本開示に係る積層体において、反射防止層側からのISO14577−1準拠の押し込み硬さは、0.5GPa〜30GPaであり、5GPa〜25GPaであることが好ましい。
押し込み硬さが0.5GPa以上であることで湿熱による反射防止層の割れを抑制することができる。また、30GPa以下であることでハードコート層と反射防止層との熱収縮率の差に起因する反射防止層の割れを抑制することができる。
ここで、反射防止層側からの押し込み硬さの測定は、ISO14577−1に準拠したナノインデンテーション法により行い、本開示においては、ダイナミック超微小硬度計(DUH−201S、島津製作所社製)を用いて測定する。
測定の条件は、以下の通りである。
・圧子の種類:Vickers
・試験モード:負荷−除荷試験
・試験力:40mN
・負荷速度:1.3239mN/sec
・保持時間:5sec
以下、本開示に係る積層体を構成する、基材、ハードコート層、反射防止層、及びその他の層について、説明する。
〔基材〕
本開示に用いられる基材は、積層体の用途に応じて決定されればよく、特に制限はない。基材として具体的には、例えば、後述する材質の基材又は複合基材、配線等を有する基板、太陽電池モジュール等が挙げられる。
また、基材として、仮支持体を使用してもよい。
基材の材質としては、例えば、ガラス、樹脂、金属、セラミックス等をいずれも好適に用いることができるが、樹脂が好適である。
即ち、基材としては、耐衝撃性に優れる観点から、樹脂基材が好ましい。
樹脂基材に含まれる樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアクリル樹脂、セルロース、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、又はフッ素系ポリマー等が挙げられる。中でも、コスト、機械強度、透過率、及び、透明性の観点から、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、又は、セルロースが好ましい。
ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、シクロオレフィン等が挙げられる。
アクリル樹脂としては、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。
セルロースとしては、トリアセチルセルロース等が挙げられる。
基材に樹脂基材を用いる場合、樹脂基材の厚さは、取扱い性の観点、また、後述する屈折率の好ましい範囲から、決定されればよく、1μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましく、45μm以上が更に好ましい。樹脂基材の厚さの上限としては、500μm以下が好ましく、450μm以下がより好ましく、500μm以下が更に好ましい。
−屈折率−
基材の屈折率は、1.40〜1.75が好ましく、1.45〜1.68がより好ましく、1.47〜1.55が更に好ましい。
本開示における屈折率は、波長550nmにおける屈折率を表す。
〔ハードコート層〕
本開示におけるハードコート層は、ISO14577−1準拠の押し込み硬さが0.5GPa〜30GPaの範囲内である。
ハードコート層が、上記の押し込み硬さを有することで、積層体としても、反射防止層側からのISO14577−1準拠の押し込み硬さが0.5GPa〜30GPaを達成し得る。
つまり、上述の条件により本開示に係る積層体における反射防止層側からの押し込み硬さが測定できるが、その押し込み硬さは、反射防止層の影響が少なく、ハードコート層の押し込み硬さが支配的となり測定される。
ここで、ハードコート層の押し込み硬さは、既述の反射防止層側からの押し込み硬さの測定方法と同様の方法により測定することができる。
ハードコート層は、上記の押し込み硬さを有していれば特に制限はなく、有機層であってもよいし、無機層であってもよい。
透明性の向上及び押し込み硬さの調整が容易な観点から、ハードコート層は、有機層であることが好ましく、特に、シロキサン樹脂及び架橋アクリル樹脂からなる群より選択される1種を含む有機層であることが好ましく、シロキサン樹脂を含む有機層であることがより好ましい。
以下、ハードコート層に好適なシロキサン樹脂及び架橋アクリル樹脂について説明する。
(シロキサン樹脂)
ハードコート層に含まれうるシロキサン樹脂は、分子鎖中に(ポリ)シロキサン構造を有するポリマーであって、既述のハードコート層の押し込み硬さが達成しうるものであれば特に制限はない。
シロキサン樹脂として具体的には、1官能〜4官能のアルコキシシランの加水分解縮合物であることが好ましい。
特に、シロキサン樹脂の架橋度合いをより調整しやすく、ハードコート層の押し込み硬さを調整しやすい観点から、シロキサン樹脂は、3官能以下のアルコキシシランと4官能のアルコキシシランとの加水分解縮合物を含むことが好ましい。
ハードコート層に含まれうるシロキサン樹脂は、4官能のアルコキシシランと、この4官能のアルコキシシランの質量に対して0.1倍〜12倍の質量の3官能以下のアルコキシシランと、の加水分解縮合物を含むことがより好ましく、4官能のアルコキシシランと、4官能のアルコキシシランの質量に対して0.3倍〜10倍の質量の3官能以下のアルコキシシランと、の加水分解縮合物を含むことが更に好ましい。
この態様において、4官能のアルコキシシラン及び3官能以下のアルコキシシランは、それぞれ、1種のみであっても2種以上であってもよい。
4官能のアルコキシシランが2種以上である場合には、「4官能のアルコキシシランの量」は、2種以上の4官能のアルコキシシランの合計量を意味する。
3官能以下のアルコキシシランが2種以上である場合には、「3官能以下のアルコキシシランの量」は、2種以上の3官能以下のアルコキシシランの合計量を意味する。
本明細書において、4官能のアルコキシシランとは、一分子中において、ケイ素原子に直接結合するアルコキシ基の数が4個であるアルコキシシランを意味する。
本明細書において、3官能以下のアルコキシシランとは、一分子中において、ケイ素原子に直接結合するアルコキシ基の数が1個以上3個以下であるアルコキシシランを意味する。
−4官能のアルコキシシラン−
4官能のアルコキシシランとしては特に制限はないが、下記一般式(a)で表されるアルコキシシランが好ましい。
一般式(a) : Si(ORS1
一般式(a)において、4つのRS1は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基を表す。
4つのRS1は、それぞれ独立に、炭素数1〜4(より好ましくは1〜3、特に好ましくは1又は2)のアルキル基が好ましい。
4官能アルコキシシランの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシラン、メトキシトリエトキシシラン、エトキシトリメトキシシラン、メトキシトリプロポキシシラン、エトキシトリプロポキシシラン、プロポキシトリメトキシシラン、プロポキシトリエトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン等が挙げられる。
中でも、テトラメトキシシラン又はテトラエトキシシランが好ましい。
−3官能以下のアルコキシシラン−
3官能以下のアルコキシシランとしては特に制限はないが、下記一般式(b)で表されるアルコキシシランが好ましい。
一般式(b) : RS3 4−nSi(ORS2
一般式(b)において、nは、1〜3の整数を表す。
S2は、炭素数1〜6のアルキル基を表す。
nが2又は3である場合、複数のRS2は、同一であっても異なっていてもよい。
S3は、炭素数1〜15の有機基を表す。
4−nが2又は3である場合、複数のRS3は、同一であっても異なっていてもよい。
一般式(b)中のRS2の好ましい態様は、一般式(a)中のRS1の好ましい態様と同様である。
一般式(b)中のnは、2又は3であることが好ましく、3であることが特に好ましい。
一般式(b)中のRS3は、炭素数1〜15の有機基を表す。
S3の炭素数が1〜15であることにより、ハードコート層の押し込み硬さが向上する。
S3で表される有機基は、酸素、窒素、硫黄などのヘテロ原子を有してもよい。
S3で表される有機基としては、置換又は無置換の炭化水素基が好ましく、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、又は、置換若しくは無置換のアリール基がより好ましい。
S3で表される有機基は、エポキシ基を含むことが好ましい。
S3で表される有機基は、エポキシ基を含む置換基によって置換された炭化水素基であることがより好ましく、エポキシ基を含む置換基によって置換されたアルキル基であることが更に好ましい。
エポキシ基を含む置換基としては、エポキシ基、グリシジル基、グリシドキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基等が挙げられる。
S3で表される有機基は、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アミド基、ウレタン基、ウレア基、エステル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、(メタ)アクリロイル基などを含んでいてもよい。
S3で表される有機基は、アミノ基を含まないことが好ましい。
その理由は、RS3で表される有機基がアミノ基を含む場合において、4官能のアルコキシシランと3官能以下のアルコキシシランとを混合して加水分解すると、生成するシラノール同士で脱水縮合が促進され、反応液が不安定となる場合があるためである。
3官能以下のアルコキシシランは、上述の通り、エポキシ基を含むことが好ましい。
エポキシ基を含む3官能以下のアルコキシシランの具体例としては、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
エポキシ基を含む3官能以下のアルコキシシランの市販品としては、KBE−403(信越化学工業(株)製)等が挙げられる。
エポキシ基を含まない3官能以下のアルコキシシランの具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
エポキシ基を含まない3官能以下のアルコキシシランの市販品としては、KBE−13、KBE−22(信越化学工業(株)製)等が挙げられる。
ハードコート層に用いられるシロキサン樹脂は、ハードコート層自体の割れを抑制する観点から、テトラアルコキシシランと2官能又は3官能のアルコキシシランとの加水分解縮合物である、ことが好ましい。
特に、テトラアルコキシシランと2官能又は3官能のアルコキシシランとの加水分解縮合物が、テトラアルコキシシランに由来する構成単位と2官能又は3官能のアルコキシシランに由来する構成単位との総量に対して、2官能又は3官能のアルコキシシランに由来する構成単位を50質量%以上含む、ことが好ましい。2官能又は3官能のアルコキシシランに由来する構成単位を100質量%含んでもよい。
2官能又は3官能のアルコキシシランに由来する構成単位の含有量は、固体29Si−NMR(Dipolar Decoupling法)での測定を行い、各アルコキシシランに帰属されるSi原子を示すピークの積分比によって算出することができる。
なお、上記固体29Si−NMRの測定サンプルには、ハードコート層を削り取り、そこから10mgを使用する。
ハードコート層に含まれうるシロキサン樹脂の含有量は、ハードコート層の固形分量に対し、20質量%〜90質量%が好ましく、30質量%〜85質量%がより好ましく、35質量%〜70質量%が特に好ましい。
(架橋アクリル樹脂)
ハードコート層に含まれうる架橋アクリル樹脂は、架橋されたアクリル樹脂を意味し、例えば、2官能以上の(メタ)アクリロイル基を有するモノマー、オリゴマー等の重合性化合物を重合及び架橋してなる(メタ)アクリル樹脂(即ち、2官能以上の(メタ)アクリロイル基を有する重合性化合物に由来する構造単位を含む架橋(メタ)アクリル樹脂)が挙げられる。
架橋アクリル樹脂としては、既述のハードコート層の押し込み硬さが達成しうるものであれば特に制限はない。
架橋アクリル樹脂として具体的には、ハードコート層の押し込み硬さを高めやすい観点、透明性を確保し易い観点等から、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(DPGDA)、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(TPGDA)、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPTA)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(DPHA)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(TMMT)、ネオペンチルグリコールジアクリレート(NPGDA)等の重合性化合物に由来する構造単位を含む架橋(メタ)アクリル樹脂が好ましい。
中でも、特に、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(DPHA)に由来する構造単位を含む架橋(メタ)アクリル樹脂が好ましい。
ハードコート層に含まれうる架橋アクリル樹脂の含有量は、ハードコート層の固形分量に対し、50質量%〜80質量%が好ましく、50質量%〜75質量%がより好ましく、55質量%〜75質量%が特に好ましい。
(その他の樹脂)
ハードコート層に含まれうる樹脂としては、既述のハードコート層の押し込み硬さが達成しうるものであれば、既述のシロキサン樹脂及び架橋アクリル樹脂に限定されず、例えば、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、フッ素樹脂等を用いることができる。
また、既述のシロキサン樹脂及び架橋アクリル樹脂と、上記の各種樹脂とを併用してもよい。
(無機フィラー)
本開示におけるハードコート層は、押し込み硬さの調整のため、無機フィラーを含むことが好ましい。
無機フィラーとしては、ハードコート層の押し込み硬さをより向上させる観点から、金属酸化物フィラー及び無機窒化物フィラーよりなる群から選択される少なくとも1種の無機フィラーが好ましい。
金属酸化物フィラーとしては、シリカフィラー、アルミナフィラー、ジルコニアフィラー、チタニアフィラー等が挙げられ、光透過性に優れる観点、及び、押し込み硬さの制御が容易である観点から、アルミナフィラーが好ましい。
無機窒化物フィラーとしては、窒化ホウ素フィラー等が挙げられる。
アルミナフィラーとしては、アルミニウムの両性酸化物である酸化アルミニウム、結晶水を含むアルミナ水和物(水酸化アルミニウム)等がある。
酸化アルミニウムは、結晶構造によりα−アルミナ、γ−アルミナ、δアルミナ、θアルミナなどがある。
アルミナ水和物としては、結晶構造によりジブサイト、バイヤライト、ベーマイト、ダイアスポア、擬ベーマイト、非晶質状態のものがある。
アルミナフィラーは特に限定されないが、具体的には、アルミナゾルAS−200などのアルミナゾルシリーズ(日産化学工業(株)製)、アルミゾル−10C、アルミゾル−F1000、アルミゾル−F3000などのアルミゾルシリーズ(川研ファインケミカル(株)製)、ハイジライトH−43などのハイジライトシリーズ、アルミナAS10などのアルミナASシリーズ(昭和電工(株)製)等が挙げられる。
アルミナフィラーがコロイド状の場合はハードコート層の形成に直接用いてもよく、アルミナフィラーが粉末状の場合は、超音波分散機等を用いて水などの溶媒に分散させることでハードコート層の形成に用いることができる。
無機フィラーの形状としては、球状、棒状、多面体状、平板状、鱗片状等の粒子形状、数珠形状、針形状、繊維形状等が挙げられる。
無機フィラーが粒子形状(即ち、無機粒子)である場合の数平均一次粒径は、透明性の確保の観点から、300nm以下であることが好ましく、200nm以下であることがより好ましく、100nm以下が特に好ましい。一方、無機粒子の数平均一次粒径は、押し込み硬さの向上の観点から、1nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましい。
無機フィラーが、数珠形状、針形状、又は繊維形状の場合、アスペクト比は4以上であることが好ましく、9以上であることがより好ましく、100以上が更に好ましく、500以上が特に好ましい。アスペクト比が高い粒子(特に繊維形状の無機フィラー)を用いることにより、ハードコート層の硬度と柔軟性とを両立することができる。
なお、アスペクト比とは、数珠形状の場合、二次粒子径(即ち、一次粒子の結合長)を一次粒子径で除算した値を意味し、針形状及び繊維形状の場合、長径を短径で除算した値を意味する。
無機フィラーが、針形状、繊維形状の場合、短径は10nm以下が好ましい。
無機粒子の数平均一次粒径は、ハードコート層の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察し、実面積1mmに相当する範囲に含まれる粒子を100個選び出し、各々の粒子の粒径を測定し、測定値(各々の粒子の粒径)を単純平均することによって求められた値を指す。
−紫外線吸収能を有する無機フィラー−
無機フィラーの中には、紫外線吸収能を有するものがある。
無機フィラーの一部又は全部として、紫外線吸収能を有する無機フィラーを含むことが好ましい。無機フィラーが紫外線吸収能を有する無機フィラーを含むことで、ハードコート層に紫外線吸収能を付与することができる。
紫外線吸収能を有する無機フィラーとしては、酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等が挙げられ、中でも、酸化セリウムが好ましい。
紫外線吸収能を有する無機フィラーとしては、平均一次粒子径としては、1nm〜50nmが好ましく、2nm〜20nmがより好ましい。また、紫外線吸収能を有する無機フィラーの平均二次粒子径は、5nm〜150nmが好ましく、10nm〜100nmがより好ましい。
紫外線吸収能を有する無機フィラーとしては、例えば、ニードラール(登録商標)B−10等の酸化セリウムゾル等が挙げられる。
無機フィラーの含有量は、ハードコート層の固形分量に対し、5質量%〜65質量%であることが好ましく、10質量%〜60質量%であることがより好ましく、15質量%〜55質量%であることが特に好ましい。
(金属錯体)
本開示におけるハードコート層は、シロキサン樹脂の硬化剤として金属錯体を含むことが好ましい。
金属錯体としては、アルミニウム、マグネシウム、マンガン、チタン、銅、コバルト、亜鉛、ハフニウム、及びジルコニウムよりなる群から選択される少なくとも1種の金属元素を含む金属錯体が好ましい。
金属錯体は、金属アルコキシドにキレート化剤を反応させることにより容易に得ることができる。
キレート化剤の例としては、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、ジベンゾイルメタンなどのβ−ジケトン;アセト酢酸エチル、ベンゾイル酢酸エチルなどのβ−ケト酸エステル;などを用いることができる。
金属錯体の例としては、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)等のアルミニウムキレート錯体;
エチルアセトアセテートマグネシウムモノイソプロピレート、マグネシウムビス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートマグネシウムモノイソプロピレート、マグネシウムビス(アセチルアセトネート)等のマグネシウムキレート錯体;
ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトナート、ジルコニウムアセチルアセトナートビス(エチルアセトアセテート)等のジルコニウムキレート錯体;
マンガンアセチルアセトナート等のマンガンキレート錯体;
コバルトアセチルアセトナート等のコバルトキレート錯体;
銅アセチルアセトナート等の銅キレート錯体;
チタンアセチルアセトナート、チタンオキシアセチルアセトナート等のチタンキレート錯体;等が挙げられる。
これらのうち、金属錯体として好ましくは、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、マグネシウムビス(アセチルアセトネート)、マグネシウムビス(エチルアセトアセテート)、又はジルコニウムテトラアセチルアセトナートである。また、保存安定性、入手容易さを考慮すると、金属錯体としては、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、又はアルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)が特に好ましい。
上記の金属錯体の中でも、アルミニウムキレート錯体が好ましい。
金属錯体は、市販品を用いてもよく、金属錯体の溶液の市販品としては、アルミキレートA(W)、アルミキレートD、アルミキレートM(川研ファインケミカル(株)製)等が挙げられる。
金属錯体の含有量は、シロキサン樹脂の全量に対して3質量%〜50質量%が好ましく、5質量%〜40質量%がより好ましく、10質量%〜40質量%が更に好ましい。
金属錯体を上記下限値以上用いることにより、シラノールの脱水縮合の反応速度を適切な速度とすることができ、厚さの均一性に優れたハードコート層とすることができる。
(その他の硬化剤)
本開示におけるハードコート層は、樹脂の種類に応じて、金属錯体以外の硬化剤を用いてもよい。
例えば、架橋アクリル樹脂の場合、硬化剤としては、光重合開始剤、熱重合開始剤等を用いることが好ましい。
また、ウレタン樹脂の場合、硬化剤としては、オキサゾリン系架橋剤等の架橋剤を用いることが好ましい。
−膜厚−
ハードコート層の膜厚は、0.5μm〜50μmであり、1μm〜30μmが好ましく、2μm〜12μmがより好ましい。
ハードコート層の膜厚が0.5μm以上であると、反射防止層における空隙部の割れを抑制でき、湿熱耐性が高まる。
ハードコート層の膜厚が50μm以下であると、ハードコート層自体が割れやすくなることを抑制できる。
ここで、ハードコート層の膜厚は、ハードコート層を、ハードコート層表面と垂直な方向に平行に切断し、切断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、その範囲での最小膜厚を計測する。10枚のSEM画像から各々の最小膜厚を計測し、得られた10個の計測値(膜厚)を平均することにより求められる。積層体の場合は、積層体ごと基材表面と直交する方向に切断し、上記観察を行えばよい。
−屈折率−
ハードコート層の屈折率は、1.40〜1.70が好ましく、1.45〜1.60がより好ましい。
ハードコート層の屈折率は、基材の屈折率に対して差異が0.2以内であることが好ましく、基材の屈折率に対して差異が0.1以内であることがより好ましい。
〔反射防止層〕
本開示における反射防止層は、シロキサン樹脂中に空隙を含み、空隙率が30%〜75%である。反射防止層における空隙の径は、25nm〜80nmであることが好ましい。
シロキサン樹脂中に含まれる空隙は、閉鎖空隙であることが好ましい。
−空隙率−
反射防止層における空隙率は、30%〜75%であり、35%〜65%がより好ましい。
空隙率が30%以上であることで優れた光透過性が得られ、空隙率が75%以下であることで湿熱耐性を向上させることができる。
−空隙の径(空隙径)−
反射防止層における空隙の径(以下、「空隙径」ともいう)は、反射防止層の、強度、光透過性、及びヘーズの観点から、25nm以上であることが好ましく、30nm以上であることがより好ましい。空隙径の上限は、反射防止層の湿熱耐性を高める観点から、80nm以下であることが好ましく、70nm以下であることがより好ましい。空隙径が80nm以下であることで、湿熱により硬化収縮が進む際に、空隙部の歪みに起因する割れが生じることを抑制できる。
また、反射防止層における空隙径の変動係数は、反射防止層の光透過性及びヘーズの観点から、100%以下であることが好ましく、90%以下であることがより好ましく、60%以下であることが特に好ましい。
反射防止層の空隙径、空隙率、及び空隙径の変動係数の測定方法は、以下の通りである。
反射防止層が設けられた積層体を基材表面と直交する方向に切断し、切断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することにより、空隙径、空隙径の変動係数、空隙率を測定する。
切断面のSEM画像(倍率50000倍)において、任意に選択した200個の空隙に対して、それぞれ円相当径を算出し、その平均値を空隙径とする。
また、空隙率は、切断面のSEM画像(倍率50000倍)について、画像処理ソフト(ImageJ)を用いて、空隙部分とマトリックス部分(即ち、シロキサン樹脂を含む空隙以外の部分)とを画像処理(二値化)を行い分離し、空隙部分の割合を算出して空隙率とする。
なお、空隙の径に異方性がない場合、空隙率はシロキサン樹脂中における空隙の体積分率として求められる。
また、反射防止層の空隙径の変動係数は、上記測定において測定した空隙径の分布における標準偏差を、空隙径で除算することにより算出する。
本開示における反射防止層の膜厚は、光透過性及びヘーズの観点から、80nm〜200nmであり、100nm〜150nmであることが好ましい。
また、反射防止層の膜厚は、既述のハードコート層の膜厚の測定方法と同様の方法により測定することができる。
−屈折率−
反射防止層の屈折率は、1.15〜1.40が好ましく、1.18〜1.38がより好ましく、1.20〜1.35が更に好ましい。
(反射防止層の形成)
上述の空隙を有する反射防止層は、その形成方法に制限はないが、中空粒子又はコアシェル粒子を用いて、シロキサン樹脂を含んで構成されるマトリックス中に空隙を形成する方法を用いることが好ましい。中空粒子を含む組成物を塗布して反射防止層を形成する方法としては、例えば、特開2009−103808号公報の〔0026〕〜〔0040〕に記載の方法、又は、特開2008−262187号公報の〔0129〕〜〔0158〕に記載の方法を適用できる。コアシェル粒子を含む組成物を塗布して反射防止層を形成する方法としては、例えば、特表2017−500384号公報の〔0018〕〜〔0087〕に記載の多孔質層を形成する方法、又は、特開2016−1199号公報の〔0018〕〜〔0069〕に記載のシリカ系多孔質膜を形成する方法を適用できる。後述する有機溶剤をコア材として含んだ反射防止層形成用塗布液を用いる方法を適用してもよい。特に、空隙の径及び空隙率の調整が容易である観点から、コアシェル粒子を用いて反射防止層を形成する方法が好ましい。
以下に、コアシェル粒子を用いた反射防止層の形成方法について好ましい一態様を説明するが、本開示における反射防止層は、この形成方法にて形成されたものに限定されない。
コアシェル粒子を用いた反射防止層の形成方法には、コアシェル粒子及びシロキサン化合物を含む塗布液(以下、「反射防止層形成用塗布液」ともいう)が用いられる。
−コアシェル粒子−
反射防止層形成用塗布液は、例えば、コアシェル粒子を含む。
コアシェル粒子としては、空隙の形成し易さの観点から、有機溶剤をコア材として含むことが好ましく、特に、有機溶剤の20質量%以上が、沸点90℃以上350℃以下の非極性溶剤であることが好ましい。
なお、本開示における「沸点」は、1気圧(101,325Pa)における沸点である。また、本開示における「非極性溶剤」とは、水への溶解度が20℃において0.1質量%以下であり、比誘電率の値が10以下である溶剤をいう。
沸点90℃以上350℃以下の非極性溶剤としては、炭化水素化合物、フッ化炭化水素化合物、シリコーン化合物等が挙げられるが、反射防止層の光透過性及びヘーズの観点から、炭化水素化合物であることが好ましい。
上記炭化水素化合物としては、脂肪族炭化水素化合物であっても、芳香族炭化水素化合物であってもよいが、反射防止層の光透過性及びヘーズの観点から、脂肪族炭化水素化合物であることが好ましく、アルカンであることがより好ましい。
上記炭化水素化合物は、直鎖であっても、分岐を有していても、環構造を有していても、不飽和結合を有していてもよいが、反射防止層の光透過性及びヘーズの観点から、直鎖状の炭化水素化合物、又は、分岐を有する炭化水素化合物であることが好ましく、直鎖状の炭化水素化合物であることがより好ましい。
また、上記炭化水素化合物は、不飽和結合を有さない化合物であることが好ましい。
更に、上記炭化水素化合物は、反射防止層の光透過性及びヘーズの観点から、炭素原子及び水素原子のみからなる化合物であることが好ましい。
上記炭化水素化合物の炭素数は、反射防止層の光透過性及びヘーズの観点から、7以上であることが好ましく、8以上20以下であることがより好ましく、10以上19以下であることが更に好ましく、12以上17以下であることが特に好ましい。
上記非極性溶剤の沸点としては、反射防止層の光透過性及びヘーズの観点から、100℃以上340℃以下であることが好ましく、120℃以上320℃以下であることがより好ましく、200℃以上310℃以下であることが特に好ましい。
沸点90℃以上350℃以下の非極性溶剤として、具体的には例えば、n−ヘプタン(沸点:98℃)、n−オクタン(沸点:125℃)、n−デカン(沸点:174℃)、n−ドデカン(沸点:216℃)、n−テトラデカン(沸点:254℃)、n−ヘキサデカン(沸点:287℃)、n−ヘプタデカン(沸点:302℃)、n−オクタデカン(沸点:317℃)、n−イコサン(沸点:343℃)、シクロオクタン(沸点:149℃)、トルエン(沸点:111℃)、p−キシレン(沸点:138℃)、m−キシレン(沸点:139℃)、o−キシレン(沸点:144℃)等が好ましく挙げられる。
上記有機溶剤は、1種類のみで用いてもよいし、2種以上の有機溶剤の混合溶剤であってもよい。
また、沸点90℃以上350℃以下の非極性溶剤は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
コアシェル粒子のコア材として含まれる上記有機溶剤における沸点90℃以上350℃以下の非極性溶剤の含有量は、上記有機溶剤の全質量に対し、20質量%以上であればよいが、反射防止層の光透過性及びヘーズの観点から、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが更に好ましく、99質量%以上100質量%以下であることが特に好ましい。
コアシェル粒子のシェルの材質は、特に制限はないが、反射防止層の、強度、光透過性及びヘーズの観点から、ポリシロキサン化合物を含むことが好ましい。同様の理由から、コアシェル粒子のシェルの材質は、後述する式1で表されるシロキサン化合物の加水分解縮合物を含むことがより好ましく、後述する式1で表されるシロキサン化合物の加水分解縮合物を、シェルの全質量に対し、50質量%以上含むことが更に好ましく、後述する式1で表されるシロキサン化合物の加水分解縮合物からなることが特に好ましい。
また、コアシェル粒子の表面は、疎水性であっても、親水性であってもよいが、保存安定性、及び、反射防止層のヘーズの観点から、親水性であることが好ましい。
コアシェル粒子の体積平均粒子径は、反射防止層の強度、光透過性及びヘーズの観点から、0.04μm〜1.5μmであることが好ましく、0.05μm〜1.0μmであることがより好ましく、0.06μm〜0.9μmであることが更に好ましく、0.07μm〜0.6μmであることが特に好ましい。
また、コアシェル粒子の粒子径の変動係数は、反射防止層の、強度、光透過性及びヘーズの観点から、100%以下であることが好ましく、90%以下であることがより好ましく、60%以下であることが更に好ましく、0%以上50%以下であることが特に好ましい。
本開示における粒子の体積平均粒子径は、レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置(型番:マイクロトラックMT3300EXII、マイクロトラックベル(株)製)を用いて測定するものとする。なお、本開示において平均粒子径は、メジアン径を意味する。
また、本開示におけるコアシェル粒子の粒子径の変動係数は、上記測定において測定した粒子径の体積分布における標準偏差を、メジアン径で除算することにより算出する。
コアシェル粒子におけるコアとシェルとの質量比は、反射防止層の、強度、光透過性及びヘーズの観点から、コア:シェル=1:99〜99:1であることが好ましく、5:95〜95:5であることがより好ましく、10:90〜90:10であることが特に好ましい。
コアシェル粒子におけるコアの大きさ(即ち、最大径)は、反射防止層の、強度、光透過性及びヘーズの観点から、40nm以上であることが好ましく、40nm〜1,000nmであることがより好ましく、60nm〜600nmであることが特に好ましい。
コアシェル粒子におけるコアの大きさ(即ち、最大径)は、既述の反射防止層の空隙の径の測定方法と同様の方法により測定することができる。
コアシェル粒子は、1種単独で使用しても、2種以上を使用してもよい。
コアシェル粒子の含有量は、反射防止層の、強度、光透過性及びヘーズの観点から、反射防止層形成用塗布液の全質量に対し、0.05質量%〜40質量%であることが好ましく、0.1質量%〜20質量%であることがより好ましく、0.5質量%〜10質量%であることが特に好ましい。
−シロキサン化合物−
反射防止層形成用塗布液は、シロキサン化合物を含むことが好ましい。
特に、シロキサン化合物としては、下記式1で表されるシロキサン化合物、下記式1で表されるシロキサン化合物の加水分解物、及び、下記式1で表されるシロキサン化合物の加水分解縮合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物(以下、特定シロキサン化合物ともいう)が好ましい。
式1中、R及びRはそれぞれ独立に、炭素数1〜6の1価の有機基を表し、R及びRはそれぞれ独立に、アルキル基、ビニル基、エポキシ基、スチリル基、(メタ)アクリル基、アミノ基、イソシアヌレート基、ウレイド基、メルカプト基、スルフィド基、ポリオキシアルキレン基、カルボキシ基及び第四級アンモニウム基よりなる群から選ばれる基を有する有機基を表し、mはそれぞれ独立に、0〜2の整数を表し、nは1〜20の整数を表す。
式1で表されるシロキサン化合物の加水分解物とは、式1で表されるシロキサン化合物におけるケイ素原子上の置換基の少なくとも一部が加水分解し、シラノール基となっている化合物をいう。また、式1で表されるシロキサン化合物の加水分解縮合物とは、式1で表されるシロキサン化合物、及び、式1で表されるシロキサン化合物の加水分解物よりなる群から選ばれる2以上の化合物が縮合した化合物をいう。
式1におけるR及びRにおける炭素数1〜6の有機基は、直鎖状であっても、分岐を有していても、環構造を有していてもよい。炭素数1〜6の有機基としては、アルキル基、アルケニル基等が挙げられ、アルキル基であることが好ましい。
炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
式1におけるR及びRはそれぞれ独立に、反射防止層の、強度、光透過性及びヘーズの観点から、炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることがより好ましく、メチル基又はエチル基であることが更に好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
式1におけるRはそれぞれ独立に、反射防止層の、強度、光透過性及びヘーズの観点から、炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることがより好ましく、メチル基又はエチル基であることが更に好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
式1におけるRはそれぞれ独立に、反射防止層の、強度、光透過性及びヘーズの観点から、アルキル基、ビニル基、又は、ビニル基、エポキシ基、スチリル基(ビニルフェニル基)、(メタ)アクリロキシ基、(メタ)アクリルアミド基、アミノ基、イソシアヌレート基、ウレイド基、メルカプト基、スルフィド基、ポリオキシアルキレン基、カルボキシ基及び第四級アンモニウム基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の基を有するアルキル基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜8のアルキル基であることが特に好ましい。
式1におけるmは、反射防止層の、強度、光透過性及びヘーズの観点から、1又は2であることが好ましく、2であることがより好ましい。
式1におけるnは、反射防止層の、強度、光透過性及びヘーズの観点から、2〜20の整数であることが好ましい。
特定シロキサン化合物の例としては、信越化学工業(株)製のKBE−04、KBE−13、KBE−22、KBE−1003、KBM−303、KBE−403、KBM−1403、KBE−503、KBM−5103、KBE−903、KBE−9103P、KBE−585、KBE−803、KBE−846、KR−500、KR−515、KR−516、KR−517、KR−518、X−12−1135、X−12−1126、X−12−1131;エボニックジャパン(株)製のDynasylan4150;三菱ケミカル(株)製のMKCシリケートMS51、MS56、MS57、MS56S;コルコート(株)製のエチルシリケート28、N−プロピルシリケート、N−ブチルシリケート、SS−101;等が挙げられる。
反射防止層形成用塗布液は、特定シロキサン化合物を1種のみ含有してもよく、2種以上を含有してもよい。
特定シロキサン化合物の含有量は、反射防止層の、強度、光透過性及びヘーズの観点から、反射防止層形成用塗布液の全固形分に対し、30質量%〜99質量%であることが好ましく、50質量%〜99質量%であることがより好ましく、70質量%〜95質量%であることが特に好ましい。
なお、本開示における反射防止層形成用塗布液の「固形分」とは、水及び後述する親水性有機溶剤を除いた成分を意味する。
−界面活性剤−
反射防止層形成用塗布液は、界面活性剤を含むことが好ましい。
界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、イオン性界面活性剤であるアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられ、いずれも本開示に好適に用いることができる。
中でも、上述の特定シロキサン化合物と相互作用的な引力によりコアシェル粒子が効率的に形成される観点、反射防止層形成用塗布液の保存安定性、並びに、反射防止層の光透過性及びヘーズの観点から、ノニオン界面活性剤、及び、カチオン界面活性剤よりなる群から選ばれた少なくとも1種の界面活性剤が好ましく、カチオン界面活性剤がより好ましい。
界面活性剤の分子量は、反射防止層形成用塗布液の保存安定性、並びに、反射防止層の光透過性及びヘーズの観点から、10,000以下であることが好ましく、5,000以下であることがより好ましく、1,000以下であることが更に好ましく、300以上800以下であることが特に好ましい。
カチオン界面活性剤としては、第四級アンモニウム塩型、ピリジニウム塩型、アミン塩型、ポリアミン型界面活性剤等が挙げられる。カチオン界面活性剤として具体的には、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、ベンザルコニウム塩、アルキルアミン塩等が挙げられる。カチオン界面活性剤としてより具体的には、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルピリジニウムクロリド、ベンザルコニウムクロリド、モノメチルアミン塩酸塩、ポリエチレンイミン等が挙げられる。
有機溶剤(好ましくは非極性溶剤)のエマルジョン粒子安定性の観点から、カチオン界面活性剤としては、第四級アンモニウム塩型、ピリジニウム塩型、ポリアミン型界面活性剤が好ましく、第四級アンモニウム塩型、ピリジニウム塩型界面活性剤がより好ましい。
ノニオン界面活性剤の例としては、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル、ポリアルキレングリコールモノアルキルエステル、ポリアルキレングリコールモノアルキルエステル・モノアルキルエーテル等が挙げられる。より具体的には、ポリエチレングリコールモノラウリルエーテル、ポリエチレングリコールモノステアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノセチルエーテル、ポリエチレングリコールモノラウリルエステル、ポリエチレングリコールモノステアリルエステル等が挙げられる。
その他のイオン性界面活性剤の例としては、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩等のアニオン界面活性剤;アルキルカルボキシベタイン等の両性界面活性剤を挙げることができる。
反射防止層形成用塗布液は、界面活性剤を1種のみ含有してもよく、2種以上を含有してもよい。
反射防止層形成用塗布液は、下層への濡れ性、塗布性を高める観点からは、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、アセチレン系界面活性剤等を含んでいてもよい。
フッ素系界面活性剤としては、メガファック(登録商標)F−444などのDIC(株)製メガファック(登録商標)シリーズ、サーフロン(登録商標)S−221などのAGCセイミケミカル(株)製サーフロン(登録商標)シリーズ、フタージェント100などの(株)ネオス製フタージェントシリーズなどが挙げられる。シリコーン系界面活性剤としては、KP−124などの信越化学工業(株)製レベリング材KPシリーズなどが挙げられる。アセチレン系界面活性剤としては、サーフィノール420、オルフィンE1004などの日信化学工業(株)製サーフィノールシリーズ、オルフィンシリーズなどが挙げられる。
反射防止層形成用塗布液における界面活性剤の含有量は、保存安定性、並びに、反射防止層の光透過性及びヘーズの観点から、反射防止層形成用塗布液の全質量に対し、0.005質量%〜10質量%であることが好ましく、0.01質量%〜5質量%であることがより好ましく、0.01質量%〜1質量%であることが特に好ましい。
また、界面活性剤の含有量は、コアシェル粒子におけるコア材である有機溶剤の全質量に対し、保存安定性、並びに、反射防止層の光透過性及びヘーズの観点から、0.5質量%以上70質量%以下であることが好ましく、1質量%以上35質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上25質量%以下であることが特に好ましい。
−水及び有機溶剤−
反射防止層形成用塗布液は、水を含むことが好ましい。
反射防止層形成用塗布液は、水との親和性に優れる親水性有機溶剤等を更に含んでいてもよい。
反射防止層形成用塗布液中の水の含有量は、水及び親水性有機溶剤の総含有量(上記コアシェル粒子におけるコア材の有機溶剤は含まない。)に対し、30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上100質量%以下であることが特に好ましい。
反射防止層形成用塗布液が含むことができる親水性有機溶剤としては、例えば、アルコール化合物、グリコール化合物、エーテル化合物、ケトン化合物などの親水性化合物等が挙げられる。
本開示に使用しうる親水性有機溶剤には特に制限はないが、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、エチレングリコール、エチルセロソルブ等が挙げられる。入手容易性、環境負荷の低減の観点から、親水性有機溶剤としては、アルコール化合物が好ましく、エタノール、及び、イソプロパノールよりなる群から選ばれた少なくとも1種のアルコールがより好ましい。
反射防止層形成用塗布液の全質量に対する固形分の含有量は、反射防止層の光透過性及びヘーズの観点から、0.1質量%〜50質量%であることが好ましく、0.2質量%〜40質量%であることがより好ましく、0.5質量%〜30質量%であることが特に好ましい。
また、反射防止層形成用塗布液における水の含有量は、反射防止層形成用塗布液の全質量に対し、30質量%以上であることが好ましく、40質量%〜99.9質量%であることがより好ましく、50質量%〜99.8質量%であることが更に好ましく、70質量%〜99.5質量%であることが特に好ましい。
−その他の成分−
反射防止層形成用塗布液は、既述の成分に加え、目的に応じて他の成分を含有することができる。
他の成分としては、公知の添加剤を用いることができ、例えば、帯電防止剤、シロキサン化合物の縮合触媒、防腐剤等が挙げられる。
・帯電防止剤
反射防止層形成用塗布液は、帯電防止剤を含有してもよい。
帯電防止剤は、反射防止層に帯電防止性を付与することで、汚染物質の付着を抑制する目的で用いられる。
帯電防止性を付与するための帯電防止剤としては、特に制限はない。
本開示に用いられる帯電防止剤としては、金属酸化物粒子、金属ナノ粒子、導電性高分子、及び、イオン液体よりなる群から選ばれる少なくとも1種を好ましく用いることができる。帯電防止剤は2種以上を併用してもよい。
金属酸化物粒子は帯電防止性を与えるために比較的多量の添加が必要であるが、無機粒子であるために、金属酸化物粒子を含有することで、反射防止層の防汚性をより高めることができる。
金属酸化物粒子には、特に制限はないが、酸化スズ粒子、アンチモンドープ酸化スズ粒子、スズドープ酸化インジウム粒子、酸化亜鉛粒子、シリカ粒子等が挙げられる。
金属酸化物粒子は屈折率が大きく、粒子径が大きいと透過光の散乱による光透過性の低下が懸念されるため、金属酸化物粒子の平均一次粒子径は100nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましく、30nm以下であることが特に好ましい。また、下限値は、2nm以上であることが好ましい。
また、粒子の形状は特に限定されず、球状であっても、板状であっても、針状であってもよい。
金属酸化物粒子の平均一次粒子径は、分散した粒子を透過型電子顕微鏡により観察し、得られた写真から求めることができる。写真の画像より、粒子の投影面積を求め、そこから円相当径を求め平均粒子径(平均一次粒子径)とする。本明細書における平均一次粒子径は、300個以上の粒子について投影面積を測定して、円相当径を求めて算出した値を用いている。
なお、金属酸化物粒子の形状が球状ではない場合にはその他の方法、例えば動的光散乱法を用いて求めてもよい。
帯電防止剤は、反射防止層形成用塗布液に1種のみ含有してもよく、2種以上含有してもよい。金属酸化物粒子を2種以上含有する場合、平均一次粒子径、形状、素材が互いに異なるものを2種以上使用してもよい。
反射防止層形成用塗布液においては、帯電防止剤の含有量は反射防止層形成用塗布液の全固形分に対し、40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることが特に好ましい。
帯電防止剤の含有量を上記範囲とすることにより、反射防止層形成用塗布液の製膜性を低下させることなく、反射防止層に効果的に帯電防止性を付与することができる。
また、帯電防止剤として金属酸化物粒子を用いる場合の含有量は、反射防止層形成用塗布液の全質量に対し、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることが特に好ましい。
金属酸化物粒子の含有量を上記範囲とすることで、反射防止層形成用塗布液における金属酸化物粒子の分散性が良好となり、凝集の発生が抑制され、必要な帯電防止性を反射防止層に付与することができる。
・縮合触媒
反射防止層形成用塗布液は、シロキサン化合物の縮合を促進する縮合触媒を含有することが好ましい。
反射防止層形成用塗布液が縮合触媒を含有することにより、より耐久性に優れた反射防止層を形成することができる。本開示においては、反射防止層形成用塗布液を塗布後に乾燥させて反射防止層中の水分を減少させることに伴い、式1で表されるシロキサン化合物の加水分解物が有するヒドロキシ基の少なくとも一部が互いに縮合して、縮合物を形成することで、安定な膜が形成される。反射防止層の形成時に、式1で表されるシロキサン化合物及びその加水分解物、並びに、それらの加水分解縮合物の縮合を促進する触媒を反射防止層形成用塗布液が含有することで、反射防止層の形成をより速やかに進めることができる。
本開示に用いることができる縮合触媒は、特に限定されないが、酸触媒、アルカリ触媒、有機金属触媒等が挙げられる。
酸触媒の例としては、リン酸、硝酸、塩酸、硫酸、酢酸、クロロ酢酸、蟻酸、シュウ酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。
アルカリ触媒の例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム等が挙げられる。
有機金属触媒の例としては、アルミニウムビス(エチルアセトアセテート)モノ(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピレート等のアルミキレート化合物、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)等のジルコニウムキレート化合物、チタニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、チタニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)等のチタンキレート化合物及びジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジオクチエート等の有機スズ化合物等が挙げられる。
縮合触媒の種類は特に限定されないが、有機金属触媒が好ましく、中でも、アルミキレート化合物、又は、ジルコニウムキレート化合物がより好ましい。
縮合触媒の含有量は、反射防止層の強度、光透過性及びヘーズの観点から、反射防止層形成用塗布液の全固形分に対し、0.001質量%〜20質量%であることが好ましく、0.005質量%〜15質量%であることがより好ましく、0.01質量%〜10質量%であることが特に好ましい。
なお、シロキサン化合物の縮合を促進する縮合触媒は、上記式1で表されるシロキサン化合物の加水分解反応の促進に対しても有用である。
式1で表されるシロキサン化合物のケイ素に結合したアルコキシ基の加水分解反応と縮合反応は平衡の関係にあり、反射防止層形成用塗布液中に含まれる水の含有量が多いと加水分解の方向に、水の含有量が少ないと縮合の方向に進む。アルコキシ基の縮合反応を促進する縮合触媒は、上記反応の両方向への促進効果を有するため、反射防止層形成用塗布液における水の含有量が多い状態では加水分解反応を促進することができる。縮合触媒の存在により、式1で表されるシロキサン化合物の加水分解をより穏やかな条件で行うことが可能となる。
反射防止層形成用塗布液は、塗布後、既述のように、溶剤である水等が減少することで特定シロキサン化合物が縮合して硬化し、反射防止層が形成される。また、乾燥時にコアシェル粒子のコア材である有機溶剤の少なくとも一部が揮発し、空隙を形成する。したがって、反射防止層の形成に、重合反応、架橋反応等に必要とされる、光照射及び高温熱処理を必要としない。また、反射防止層形成用塗布液は、重合反応、架橋反応等に必要とされる光重合開始剤、熱重合開始剤等を含有することは必要としない。
このため、貯蔵安定性に影響を与える光重合開始剤、熱重合開始剤等を含有しない反射防止層形成用塗布液は、保存安定性が良好である。
反射防止層形成用塗布液によれば、簡便な方法で、光透過性に優れる反射防止層を形成することができる。
−反射防止層形成用塗布液の調製−
反射防止層形成用塗布液の調製方法は、特に制限はなく、例えば、以下の2つの方法等が挙げられる。1つ目の方法は、有機溶剤、界面活性剤、及び、水を混合して、(即ちコア材)を水中に分散し、そこへ特定シロキサン化合物を添加して一部加水分解縮合して分散した有機溶剤の表面にシェル層を形成してコアシェル粒子を作製し、必要に応じて、その他の成分を添加して、反射防止層形成用塗布液を調製する方法である。2つ目の方法は、有機溶剤をコア材として含むコアシェル粒子、特定シロキサン化合物、界面活性剤、及び、水を混合して、必要に応じて、その他の成分を添加して、反射防止層形成用塗布液を調製する方法である。
中でも、上記の1つ目の方法が好ましい。また、上記の1つ目の方法の場合、特定シロキサン化合物は、有機溶剤、界面活性剤、及び、水とともに添加してもよいし、有機溶剤を水中に分散した後、添加してもよい。
コアシェル粒子は、水中でコア材となる有機溶剤を分散してエマルジョン化し、分散した有機溶剤の表面にシェル層を形成して作製されることが好ましい。シェル層を形成する前にコア材となる有機溶剤をエマルジョン化することにより、シェル層を形成する材料とコア材との間で相互作用的な引力が生じ、効率的にコアシェル化が進む。
コア材をエマルジョン化する方法としては、ローター(回転刃)又はステーター(固定刃)を用いる方法、超音波キャビテーションを利用する方法、ボール又はビーズのような粉砕媒体を用いる方法、原料同士を高速衝突させる方法、分散溶媒を多孔質膜を介して溶媒に通過させる方法の、コア材に対しせん断力を与える方法が挙げられる。
コア材をエマルジョン化する方法に用いられる装置としては、プライミクス(株)製のオートミクサー20型、日本エマソン(株)製の超音波ホモジナイザーSonifier(登録商標)SFX250、アシザワ・ファインテック(株)製のOMEGA LAB、(株)スギノマシン製のスターバースト10、SPGテクノ(株)製のKH−125等がある。
反射防止層形成用塗布液は、式1で表されるシロキサン化合物と少なくとも水とを接触させて得られる、式1で表されるシロキサン化合物の加水分解物溶液を用いてもよい。なお、加水分解物溶液には、式1で表されるシロキサン化合物の縮合を促進する縮合触媒が含まれていてもよい。
反射防止層形成用塗布液は、上記加水分解物溶液に、界面活性剤及び有機溶剤を添加して得られてもよい。
また、反射防止層形成用塗布液は、有機溶剤、界面活性剤、及び水を混合した後に、有機溶剤を水中に分散した液と、上記加水分解物溶液と、を混合してもよい。
更に、反射防止層形成用塗布液は、有機溶剤、界面活性剤、及び水を混合した後に、有機溶剤を水中に分散した液と、式1で表されるシロキサン化合物とを混合して、加水分解とシェル形成を同時に行ってもよい。
−反射防止層の形成−
以上説明した反射防止層形成用塗布液は、反射防止層の下層上に塗布し、乾燥させることで、反射防止層が形成される。
反射防止層形成用塗布液を塗布する方法としては、特に限定されず、例えば、スプレー塗布、刷毛塗布、ローラー塗布、バー塗布、ディップ塗布等の公知の塗布法をいずれも適用することができる。
また、反射防止層形成用塗布液を塗布する前に、反射防止層形成用塗布液が塗布される下層に対し、コロナ放電処理、グロー処理、大気圧プラズマ処理、火炎処理、紫外線照射処理等の表面処理を施してもよい。
反射防止層形成用塗布液の乾燥は、室温(25℃)で行ってもよく、加熱して行ってもよい。反射防止層形成用塗布液に含まれる有機溶剤を十分揮発させ、空隙を形成し、また、反射防止層の光透過性及び着色抑制の観点から、反射防止層形成用塗布液の乾燥は、40℃〜700℃に加熱して行うことが好ましい。
なお、基材として樹脂基材を用いる場合、基材の分解温度以下の温度で加熱する必要があり、具体的には、40℃〜200℃に加熱して行うことが好ましい。また、基材の熱変形を抑制する観点では、反射防止層形成用塗布液の乾燥は、40℃〜120℃に加熱して行うことがより好ましい。
また、加熱を行う場合には、加熱時間は、特に制限はないが、1分〜30分であることが好ましい。
以上、コアシェル粒子を含む反射防止層形成用塗布液、及び、この反射防止層形成用塗布液による反射防止層の形成について説明したが、コアシェル粒子の代わりに中空粒子を含む反射防止層形成用塗布液を用いて、反射防止層を形成してもよい。
ここで、中空粒子としては、マトリックスを構成するシロキサン樹脂との親和性の観点から、シリカを主成分とする中空シリカ粒子を用いることが好ましい。
中空シリカ粒子としては、特開2013−237593号公報、国際公開第2007/060884号などに記載される中空粒子などが挙げられる。
また、中空シリカ粒子としては、表面が未修飾の中空シリカ粒子であってもよいし、表面が変性されている中空シリカ粒子であってもよい。
また、中空粒子は、反射防止層形成用塗布液中で、分散安定化を図るために、又はシロキサン樹脂との親和性、結合性を高めるために、プラズマ放電処理、コロナ放電処理等の物理的表面処理、及び、界面活性剤、カップリング剤等による化学的表面処理の少なくとも一方がなされていてもよい。
〔その他の層〕
本開示に係る積層体は、他の層を更に有していてもよい。
他の層としては、公知の種々の層を有することができる。具体的には、例えば、接着層、紫外線吸収層、下塗り層、中間層等が挙げられる。
また、本開示に係る積層体を後述する太陽電池モジュールに用いる場合、本開示に係る積層体は、接着層を有することが好ましい。
(接着層)
本開示に係る積層体は、基材とハードコート層との間に、接着層を備えていてもよい。
接着層を備えることにより、基材とハードコート層との密着性が向上し、耐久性に優れた積層体が得られる。
接着層としては、公知の粘着剤又は公知の接着剤を含む層、又は、これらの硬化物を含む層が挙げられる。
接着層は、樹脂及び架橋剤を含む接着層形成用塗布液を塗布し、乾燥又は硬化した層であることが好ましい。
樹脂としては、特に限定されないが、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられ、密着性の観点から、ポリオレフィン樹脂が好ましい。
架橋剤としては、特に限定されず、オキサゾリン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、ブロックイソシアネート系架橋剤等が挙げられ、オキサゾリン系架橋剤が好ましい。
接着層形成用塗布液は、界面活性剤、溶媒等の公知の成分を更に含んでいてもよい。
接着層の厚さは、特に制限はないが、ハードコート層が割れにくくなる観点から、0.05μm〜3μmであることが好ましく、0.1μm〜1.5μmであることがより好ましい。
接着層は、例えば、基材又はハードコート層に接着層形成用塗布液を塗布し、乾燥させることにより形成される。
(紫外線吸収層)
本開示に係る積層体は、基材とハードコート層との間に紫外線吸収層を有していてもよい。
紫外線吸収層は、紫外線吸収剤を含む層であることが好ましく、紫外線吸収剤及びゾルゲル硬化物を含む層、又は、紫外線吸収剤及びバインダーポリマーを含む層であることが好ましい。
紫外線吸収剤としては、公知の紫外線吸収剤を特に制限なく使用することができ、有機化合物であってもよいし、無機化合物であってもよい。
紫外線吸収剤としては、例えば、トリアジン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、サリチル酸化合物、金属酸化物粒子などが挙げられる。また、紫外線吸収剤としては、紫外線吸収構造を含むポリマーであってもよく、紫外線吸収構造を含むポリマーとしては、トリアジン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、サリチル酸化合物等の構造の少なくとも一部を含むアクリル酸エステル化合物に由来する単量体単位を含むアクリル樹脂等が挙げられる。
金属酸化物粒子としては、ハードコート層中に含まれる紫外線吸収能を有する無機フィラーと同様のものが挙げられる。
ゾルゲル硬化物としては、Si、Ti、Zr及びAlよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素のアルコキシド化合物を加水分解及び重縮合させた硬化物が挙げられる。
バインダーポリマーとしては、ポリオレフィン、アクリル樹脂、ポリエステル、及びポリウレタン等が挙げられる。
紫外線吸収層は、上記紫外線吸収層に含まれる各成分と、必要に応じて溶媒とを含む紫外線吸収層形成用塗布液を、基材上に塗布し、必要に応じて乾燥することにより形成される。
(中間層)
本開示に係る積層体は、ハードコート層と反射防止層との間に中間層を設けてもよい。
中間層としては、反射防止層とは屈折率の異なる層であることが好ましく、中間層を設けることで積層体の反射防止能を更に高めたり、色味の調整を行うことができる。
中間層の屈折率としては、例えば、1.50〜2.70が好ましく、1.55〜2.00がより好ましい。
ハードコート層と反射防止層との間に中間層が設けられる場合、中間層の厚さは、湿熱耐性の向上の観点からは、ハードコート層と反射防止層との距離は近い方が好ましことから、20nm〜180nmであることが好ましく、30nm〜150nmであることがより好ましい。
(裏面層)
本開示に係る積層体は、基材のハードコート層及び反射防止層が設けられた側とは反対側に、裏面層を備えていてもよい。
裏面層は、例えば、太陽電池モジュールにおける封止材(例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を含む封止材)との密着用の層として機能する。
裏面層は、バインダーポリマーを含有することが好ましい。
裏面層は、1層のみであっても2層以上であってもよい。
例えば、積層体は、基材のハードコート層及び反射防止層が設けられた側とは反対側に、裏面層として、第A層、第B層、及び第C層をこの順に備えることができる。
以下、積層体に必要に応じて備えられる、第A層、第B層、及び第C層について説明する。
−第A層−
第A層は、バインダーポリマーを含有することが好ましい。
第A層に含有され得るバインダーポリマーとしては、特に限定されないが、例えば、太陽電池モジュールに適用した場合における封止材との密着性の観点から、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられ、更なる密着性の観点から、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂が好ましい。
ポリオレフィン樹脂としては、例えば、アローベース(登録商標)SE−1013N、SD−1010、TC−4010、TD−4010、DA−1010(いずれもユニチカ(株))、ハイテックS3148、S3121、S8512(いずれも東邦化学(株))、ケミパール(登録商標)S−120、S−75N、V100、EV210H(いずれも三井化学(株))等が挙げられる。
アクリル樹脂としては、ジュリマー(登録商標)AS−563A(ダイセルファインケム(株))、ボンロンPS−001、PS−002(いずれも三井化学(株))、SIFCLEARS−101、F−101、F102(いずれもJSR(株))、セラネート(登録商標)WSA1070(DIC(株))等が挙げられる。
ポリウレタン樹脂としては、タケラック(登録商標)WS−6021、WS−5000、WS−5100、WS−4000(いずれも三井化学(株))などが挙げられる。
架橋剤としては、特に限定されず、オキサゾリン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、カルボジイミド系架橋材、ブロックイソシアネート系架橋剤等が挙げられ、オキサゾリン系架橋剤が好ましい。
第A層形成用塗布液は、架橋剤、界面活性剤、帯電防止剤、防腐剤、無機粒子、溶媒等の公知の成分を更に含んでいてもよい。
第A層形成用塗布液は、上記の各種樹脂の他、架橋剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、帯電防止剤、防腐剤、無機粒子、溶媒等の公知の成分を更に含んでいてもよい。
架橋剤としては、特に限定されず、オキサゾリン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、ブロックイソシアネート系架橋剤等が挙げられ、オキサゾリン系架橋剤が好ましい。
紫外線吸収剤としては、公知の紫外線吸収剤が挙げられ、具体的には、紫外線吸収層の紫外線吸収剤と同様のものが挙げられる。
また、第A層の厚さは、0.2μm以上が好ましく、0.4μm以上がより好ましい。また、第A層の厚さは、7.0μm以下であることが好ましい。
第A層の形成方法は、特に制限されない。
第A層の形成方法としては、例えば、溶媒及び上述した第A層の成分(固形分)を含有する第A層形成用塗布液を、基材の裏面上に塗布し、乾燥させる方法が挙げられる。
−第B層−
裏面層は、上記第A層上に、第B層を備えていてもよい。
第B層は、バインダーポリマーを含有することが好ましい。
第B層におけるバインダーポリマーとしては、封止材との密着力の観点から、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、及びポリウレタン樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種のポリマーが好ましい。
第B層におけるバインダーポリマーは、封止材との密着力、塗膜の凝集力の観点から、ポリオレフィン樹脂、又は、アクリル樹脂が好ましい。
第B層は、上記の各種樹脂の他、架橋剤、界面活性剤、帯電防止剤、防腐剤、無機粒子等を含有してもよい。
第B層の形成方法は、特に制限されない。
第B層の形成方法としては、例えば、溶媒及び上述した第B層の成分(固形分)を含有する第B層形成用塗布液を、第A層上に塗布し、乾燥させる方法が挙げられる。
−第C層−
裏面層は、上記第B層上に、第C層を備えていてもよい。
第C層は、太陽電池モジュールの封止材と直接接する層、即ち、太陽電池モジュールの封止材に対する易接着層として機能する層である。
第C層は、バインダーポリマーを含有することが好ましい。
第C層に含有され得るバインダーポリマーとしては、特に限定されないが、例えば太陽電池モジュールに適用した場合における封止材との密着性の観点から、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられ、密着性の観点から、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、及びアクリル樹脂が好ましい。
第C層形成用塗布液は、上記の各種樹脂の他、架橋剤、界面活性剤、帯電防止剤、防腐剤、無機粒子、溶媒等の公知の成分を更に含んでいてもよい。
架橋剤としては、特に限定されず、オキサゾリン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、カルボジイミド系架橋材、ブロックイソシアネート系架橋剤等が挙げられ、オキサゾリン系架橋剤が好ましい。
(下塗り層)
本開示に係る積層体は、基材の少なくとも一方の面上には、下塗り層を有していてもよい。
下塗り層は、バインダーポリマーを含むことが好ましい。
下塗り層に含有され得るバインダーポリマーは、特に限定されない。
下塗り層に含有され得るバインダーポリマーとして、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。
下塗り層は、アクリル樹脂を含むことが好ましい。
アクリル樹脂としては、上述した第A層に含有され得るアクリル樹脂と同様のものが挙げられる。
下塗り層に含まれるバインダーポリマー中に占めるアクリル樹脂含有比率が50質量%以上であることがより好ましい。
バインダーポリマーの50質量%以上がアクリル樹脂であると、下塗り層の弾性率を0.7GPa以上に調整しやすく、本開示に係る積層体を太陽電池フロントシートとした場合の凝集破壊耐性がより向上する。
下塗り層は、上記の各種樹脂の他、界面活性剤、酸化防止剤、防腐剤などを含んでいてもよい。
下塗り層の厚さは、0.01μm以上であることが好ましく、0.03μm以上であることがより好ましく、0.05μm以上であることが更に好ましい。
また、下塗り層の厚さは、1μm以下であることが好ましく、0.8μm以下であることがより好ましく、0.7μm以下であることが更に好ましい。
下塗り層は、基材上に、溶媒及び下塗り層の固形分を含む下塗り層形成用塗布液を塗布し、乾燥させることにより形成できる。
また、下塗り層は、上記下塗り層形成用塗布液を用い、インラインコート法により形成されてもよい。
インラインコート法は、製造された基材を巻き取る前の段階で下塗り層形成用塗布液を塗布する方法である点で、製造された基材を巻き取ってから別途塗布を行うオフラインコート法と区別される。
インラインコート法により下塗り層を形成する態様として、第1方向に延伸されたフィルムの一方の面に、下塗り層形成用塗布液を塗布し、下塗り層形成用塗布液が塗布されたフィルムを、フィルム表面に沿って第1方向と直交する第2方向に延伸することにより、下塗り層付き基材を製造する態様が好適である。
本開示に係る積層体は、上述した層以外のその他の層を備えていてもよい。
本開示に係る積層体は、反射防止層の割れを効果的に抑制する観点から、反射防止層とハードコート層が隣接することが好ましい。
また、反射防止層の割れを効果的に抑制する観点から、本開示に係る積層体は、基材の一方の面に設けられた、ハードコート層及び反射防止層を含む全層の総膜厚が、0.6μm〜50μmであることが好ましく、1.2μm〜30μmであることがより好ましい。上記総膜厚のうち、ハードコート層及び反射防止層の膜厚の総計が、50%〜100%であることが好ましく、80%〜100%であることがより好ましい。
〔用途〕
本開示に係る積層体は、優れた反射防止能を示すことから、窓ガラス等の建材の表面保護部材、ディスプレイの表面保護部材等に好適に使用することができる。
中でも、太陽電池用保護シートとして特に好適に用いることができる。
〔太陽電池用保護シート及び太陽電池モジュール〕
本開示に係る太陽電池用保護シートは、本開示に係る積層体を有する。
そのため、本開示に係る太陽電池用保護シートは、光透過性が高く且つ湿熱耐性に優れる。
太陽電池用保護シートとしては、太陽電池用フロントシート及び太陽電池用バックシートが挙げられ、特に、光透過性が高く且つ湿熱耐性に優れるため、太陽電池用フロントシートであることが好ましい。
本開示に係る太陽電池モジュールは、本開示に係る太陽電池用保護シートを備える。太陽電池モジュールは、太陽光の光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池素子を、太陽光が入射する側に設けられる透明性に優れた本開示に係る太陽電池用保護シートとポリエステルフィルムに代表される太陽電池用バックシートとの間に配置して構成されることがより好ましい。
本開示に係る積層体とポリエステルフィルムとの間は、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等の樹脂に代表される封止剤により封止される。
太陽電池モジュールにおける太陽電池素子等、本開示に係る積層体及びバックシート以外の部材については、例えば、「太陽光発電システム構成材料」(杉本栄一監修、(株)工業調査会、2008年発行)に詳細に記載されている。
太陽電池モジュールに使用される太陽電池素子としては、特に制限はなく、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン等のシリコン系、銅−インジウム−ガリウム−セレン、銅−インジウム−セレン、カドミウム−テルル、ガリウム−砒素等のIII-V族、II-VI族化合物半導体系など、各種公知の太陽電池素子をいずれも適用することができる。
以下、実施例により本開示を詳細に説明するが、本開示はこれらに限定されるものではない。なお、本実施例において、「%」、「部」とは、特に断りのない限り、それぞれ「質量%」、「質量部」を意味する。
(実施例1)
<反射防止層形成用塗布液1の調製>
−組成−
・MS51(式1で表される化合物、三菱ケミカル(株)製): 3.0部
・ヘキサデカン(n−ヘキサデカン、富士フイルム和光純薬(株)製): 0.6部
・Ca−1(ヘキサデシルピリジニウムクロリド、カチオン界面活性剤、富士フイルム和光純薬(株)製): 0.01部
・水… 合計で100部となる残量
なお、MS51は、上記式1におけるR、R及びRがメチル基であり、mが2であり、nが平均5である化合物である。
反射防止層形成用塗布液1の調製は、詳細には、以下の手順で行った。
ヘキサデカン、Ca−1、及び水を混合し、超音波20kHzを60分印加することで、水中にヘキサデカンのエマルジョンが存在する分散液を得た。
次いで、この分散液を、撹拌しながら30℃に加熱し、MS51を徐々に添加し、添加後、更に25℃で24時間撹拌することにより、非極性溶剤をコア材として含むコアシェル粒子、式1で表される化合物、界面活性剤、及び水を含む反射防止層形成用塗布液1を得た。
<反射防止層形成用塗布液2の調製>
超音波の印加時間を30分に変えた以外は、反射防止層形成用塗布液1の調製と同様にして、反射防止層形成用塗布液2を得た。
<反射防止層形成用塗布液3の調製>
ヘキサデカンをドデカン(n−ドデカン、富士フイルム和光純薬(株)製)に代え、且つ、添加量を0.6部から0.39部に変えて、また、MS51の添加量を3.0部から3.89部に変えて、更に、超音波の印加時間を30分に変えた以外は、反射防止層形成用塗布液1の調製と同様にして、反射防止層形成用塗布液3を得た。
<反射防止層形成用塗布液4の調製>
ヘキサデカンをドデカン(n−ドデカン、富士フイルム和光純薬(株)製)に代え、且つ、添加量を0.6部から0.46部に変えて、また、MS51の添加量を3.0部から3.61部に変えて、更に、超音波の印加時間を30分に変えた以外は、反射防止層形成用塗布液1の調製と同様にして、反射防止層形成用塗布液4を得た。
<反射防止層形成用塗布液5の調製>
ヘキサデカンをドデカン(n−ドデカン、富士フイルム和光純薬(株)製)に代え、更に、超音波の印加時間を30分に変えた以外は、反射防止層形成用塗布液1の調製と同様にして、反射防止層形成用塗布液5を得た。
<反射防止層形成用塗布液6の調製>
ヘキサデカンをドデカン(n−ドデカン、富士フイルム和光純薬(株)製)に代え、且つ、添加量を0.6部から0.78部に変えて、また、MS51の添加量を3.0部から1.94部に変えて、更に、超音波の印加時間を30分に変えた以外は、反射防止層形成用塗布液1の調製と同様にして、反射防止層形成用塗布液6を得た。
<反射防止層形成用塗布液7の調製>
ヘキサデカンをドデカン(n−ドデカン、富士フイルム和光純薬(株)製)に代え、且つ、添加量を0.6部から0.98部に変えて、また、MS51の添加量を3.0部から1.39部に変えて、更に、超音波の印加時間を30分に変えた以外は、反射防止層形成用塗布液1の調製と同様にして、反射防止層形成用塗布液7を得た。
<反射防止層形成用塗布液8の調製>
ヘキサデカンをデカン(n−デカン、富士フイルム和光純薬(株)製)に代え、更に、超音波の印加時間を30分に変えた以外は、反射防止層形成用塗布液1の調製と同様にして、反射防止層形成用塗布液8を得た。
<反射防止層形成用塗布液9の調製>
ヘキサデカンをヘキサデカン/ヘキサン(n−ヘキサン、富士フイルム和光純薬(株)製)=92/8(質量比)に代え、更に、超音波の印加時間を30分に変えた以外は、反射防止層形成用塗布液1の調製と同様にして、反射防止層形成用塗布液9を得た。
<反射防止層形成用塗布液10の調製>
ヘキサデカンをヘキサデカン/ヘキサン(n−ヘキサン、富士フイルム和光純薬(株)製)=85/15(質量比)に代え、更に、超音波の印加時間を30分に変えた以外は、反射防止層形成用塗布液1の調製と同様にして、反射防止層形成用塗布液10を得た。
<反射防止層形成用塗布液11の調製>
中空シリカ粒子として触媒化成工業(株)製、平均粒径60nm、屈折率1.30、固形分20質量%のイソプロパノール(IPA)分散液を用い、中空シリカ粒子のIPA分散液100部に対し、フッ素系低屈折材料(JSR(株)製、オプスターTU2085、固形分10.5質量%)50部を加えた。そして、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/t−ブタノール=25/75(質量比)283質量部で希釈し、固形分3質量%の反射防止層形成用塗布液11を得た。
<反射防止層形成用塗布液12の調製>
ヘキサデカンをドデカンに代え、且つ、添加量を0.6部から0.13部に変えて、また、MS51の添加量を3.0部から5.0部に変えて、更に、超音波の印加時間を30分に変えた以外は、反射防止層形成用塗布液1の調製と同様にして、反射防止層形成用塗布液12を得た。
<反射防止層形成用塗布液13の調製>
ヘキサデカンをドデカンに代え、且つ、添加量を0.6部から0.26部に変えて、また、MS51の添加量を3.0部から4.4部に変えて、更に、超音波の印加時間を30分に変えた以外は、反射防止層形成用塗布液1の調製と同様にして、反射防止層形成用塗布液13を得た。
<反射防止層形成用塗布液14の調製>
ヘキサデカンをドデカンに代え、且つ、添加量を0.6部から1.10部に変えて、また、MS51の添加量を3.0部から8.3部に変えて、更に、超音波の印加時間を30分に変えた以外は、反射防止層形成用塗布液1の調製と同様にして、反射防止層形成用塗布液14を得た。
<ハードコート層用塗布液1の調製>
下記組成の各成分を混合して、ハードコート層用塗布液1を得た。
−組成−
・3官能アルコキシシラン(GPTMS、KBE−403(3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン)、信越化学工業(株)製) … 5.76部
・4官能アルコキシシラン(TEOS、KBE−04(テトラエトキシシラン)、信越化学工業(株)製) … 2.47部
・酢酸水溶液((株)ダイセル製、工業用酢酸) … 0.2部
・金属錯体溶液(AlCHと略記、アルミキレートD、川研ファインケミカル(株)製、76質量%イソプロピルアルコール(IPA)溶液) … 3.0部
・アルミナ繊維の水分散液(無機フィラー、4nm径×3000nm繊維長、アルミゾル−F3000、川研ファインケミカル(株)製、固形分5.0質量%) … 45.0部
・酸化セリウム(紫外線吸収能を有する無機フィラー、平均粒子径8nm、B−10、多木化学(株)製、固形分15.0質量%) … 15.0部
・界面活性剤の水希釈液(ラピゾール(登録商標)A−90、日油(株)製、固形分1質量%、アニオン系界面活性剤) … 3.3部
・界面活性剤の水希釈液(ナロアクティー(登録商標)CL−95、三洋化成工業(株)製、固形分1質量%、ノニオン系界面活性剤) … 2.3部
・水… 合計で100部となる残量
<ハードコート層用塗布液2〜24の調製>
樹脂の種類及び量、無機フィラーの量(アルミナ繊維の量及び酸化セリウムの量)、並びに、硬化剤の種類及び量を、下記表1〜4に記載のようにそれぞれ変えた以外は、ハードコート層用塗布液1の調製と同様にして、ハードコート層用塗布液2〜24を得た。
なお、表1〜4に記載のハードコート層の各成分の「量」は、樹脂、アルミナ繊維、酸化セリウム、及び硬化剤の4成分の全質量を100質量%としたときの、各成分の含有割合(質量%)を示す。
<接着層A用塗布液の調製>
下記組成の各成分を混合して、接着層A用塗布液を得た。
・ポリオレフィン樹脂水分散液(アローベース(登録商標)SE−1013N、ユニチカ(株)製、固形分20質量%) … 10.5部
・ポリウレタンの水希釈液(タケラック(登録商標)WS4000、三井化学(株)製、固形分20質量%) …10.5部
・ノニオン系界面活性剤の水希釈液(EMALEX(登録商標)110、日本エマルジョン(株)製、固形分10質量%) … 4.3部
・水… 合計で100部となる残量
<実施例1:積層体1の作製>
ポリプロピレン基材(OPP、トレファンBO60−2500、東レ(株)製、基材厚み60μm)に、接着層A形成用塗布液を塗布し、110℃にて2分間乾燥させることにより、厚さ0.3μmの接着層Aを形成した。
続いて、接着層A上に、ハードコート層形成用塗布液1を塗布し、110℃にて2分間乾燥させることにより、厚さ3.0μmのハードコート層を形成した。
そして、ハードコート層上に、反射防止層形成用塗布液1を塗布し、110℃にて2分間乾燥させることにより、平均厚さ0.12μmの反射防止層を形成し、積層体1を得た。
〔測定及び評価〕
上記にて作製した積層体を用いて、以下の測定及び性能評価を行った。評価結果を表1に示す。
1.空隙径の測定
得られた積層体を基材表面と直交する方向に切断し、切断面のSEM画像(倍率50000倍)を取得し、任意に選択した200個の空隙に対して、それぞれ円相当径を算出し、その平均値を空隙径とした。
2.空隙率の測定
得られた積層体を基材表面と直交する方向に切断し、切断面のSEM画像(倍率50000倍)について、画像処理ソフト(ImageJ)を用いて、空隙部分とマトリックス部分(即ち、シロキサン樹脂を含む空隙以外の部分)とを画像処理(二値化)を行い分離し、空隙部分の割合を算出して空隙率とした。
3.押し込み硬さの測定
ダイナミック超微小硬度計(DUH−201S、島津製作所社製)を用いて、反射防止層側からの押し込み硬さを測定した。また、積層体の作製中、ハードコート層が形成された際に、ハードコート層の押し込み硬さも同様に測定した。
測定の条件は、以下の通りであった。
・圧子の種類:Vickers
・試験モード:負荷−除荷試験
・試験力:40mN
・負荷速度:1.3239mN/sec
・保持時間:5sec
4.透過率の測定
紫外可視赤外分光光度計(型番:UV−3100PC、(株)島津製作所製)を用いて、積層体の透過率を測定し、積層体の光透過性を評価する指標とした。透過率は、得られた積層体の反射防止層の表面を光源に向けて測定した。
有効透過率の測定値が高いほど、光透過性に優れる反射防止層であることを意味する。
透過率は、波長300nm〜1,100nmにおいて、波長1nm刻みで測定し、その透過率の平均値から算出した平均透過率と有効透過率とを用いて評価した。なお、有効透過率は、下記式Tに基づき、波長300nm〜1,100nmにおける積層体の透過率、太陽光の分光分布(AM1.5)、及び、結晶シリコン太陽電池セルの分光感度を用いて算出した。なお、分光感度は、結晶シリコン型基準太陽電池セルの分光放射照度を分光感度とした。
式T中、E(λ)は、波長λにおける太陽光の分光分布を表し、S(λ)は、波長λにおける結晶シリコン太陽電池セルの分光感度を表し、T(λ)は、波長λにおける積層体の透過率を表す。
5.湿熱耐性の評価
積層体をダンプヒートテスト(装置名:EMS−221MD、エスペック(株)製、温度85℃、相対湿度85%の環境に2000時間放置)に供した後、3.透過率の測定と同様の方法で、有効透過率を測定した。
ダンプヒートテスト前後での積層体の有効透過率の低下率を求め、これを湿熱耐性の評価の指標とした。
得られた結果をもとに、下記基準で、評価を行った。ダンプヒートテストにより反射防止層にヒビ等の割れが生じると、有効透過率の低下率が大きくなる傾向となる。
−基準−
A: 有効透過率の低下率が0.2%未満である
B: 有効透過率の低下率が0.2%以上0.5%未満である
C: 有効透過率の低下率が0.5%以上1.0%未満である
D: 有効透過率の低下率が1.0%以上2.0%未満である
E: 有効透過率の低下率が2.0%以上である
6.耐砂性の評価
積層体の反射防止層側に、25℃において、平均粒子径150μmのフラクタルサンド(砂)を分速25m/s、5g/m、30時間吹き付けた後、3.透過率の測定と同様の方法で、有効透過率を測定した。本評価には、スガ試験機(株)製のIEC降塵試験用塵埃試験機を使用した。
砂の吹き付け前後での積層体の有効透過率の低下率を求め、これを耐砂性の評価の指標とした。
得られた結果をもとに、下記基準で、評価を行った。砂の吹き付けにより反射防止層にヒビ等の割れが生じると、有効透過率の低下率が大きくなる傾向となる。
−基準−
A: 有効透過率の低下率が1.0%未満である
B: 有効透過率の低下率が1.0%以上2.0%未満である
C: 有効透過率の低下率が2.0%以上4.0%未満である
D: 有効透過率の低下率が4.0%以上8.0%未満である
E: 有効透過率の低下率が8.0%以上である
<実施例2〜10:積層体2〜10の作製>
実施例1において、反射防止層形成用塗布液1を反射防止層形成用塗布液2〜10にそれぞれ代えた以外は、実施例1と同様にして、積層体2〜10を得た。
得られた積層体2〜10について、実施例1と同様にして、測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
<実施例11〜24:積層体11〜24の作製>
実施例5において、ハードコート層形成用塗布液1をハードコート層形成用塗布液2〜15にそれぞれ代えた以外は、実施例5と同様にして、積層体11〜24を得た。
得られた積層体11〜24について、実施例1と同様にして、測定及び評価を行った。結果を表2に示す。
<実施例25〜31:積層体25〜31の作製>
実施例5において、ハードコート層形成用塗布液1をハードコート層形成用塗布液13、16〜19にそれぞれ代え、ハードコート層の膜厚を下記表3に記載の値に変えた以外は、実施例5と同様にして、積層体25〜31を得た。
得られた積層体25〜31について、実施例1と同様にして、測定及び評価を行った。結果を表3に示す。
<実施例32〜34:積層体32〜34の作製>
実施例5において、ポリプロピレン基材を、ポリエチレンテレフタレート(PET)基材、アクリル樹脂基材、ガラス基材にそれぞれ代えた以外は、実施例5と同様にして、積層体32〜34を得た。
得られた積層体32〜34について、実施例1と同様にして、測定及び評価を行った。結果を表3に示す。
<実施例35〜36:積層体35〜36の作製>
実施例5において、ハードコート層形成用塗布液1をハードコート層形成用塗布液20又は21に代えた以外は、実施例1と同様にして、積層体35〜36を得た。
得られた積層体35〜36について、実施例1と同様にして、測定及び評価を行った。結果を表3に示す。
<実施例37:積層体37の作製>
実施例5において、ハードコート層形成用塗布液1をハードコート層形成用塗布液13に代えて厚さ3.0μmのハードコート層を形成した後、更に、ハードコート層形成用塗布液1を塗布して、110℃にて2分間乾燥させることにより、厚さ3.0μmのハードコート層を形成し、2層のハードコート層を形成した以外は、実施例5と同様にして、積層体37を得た。
得られた積層体37について、実施例1と同様にして、測定及び評価を行った。結果を表3に示す。
<比較例1〜4:積層体38〜41の作製>
実施例1において、反射防止層形成用塗布液1を反射防止層形成用塗布液11〜14にそれぞれ代えた以外は、実施例1と同様にして、積層体38〜41を得た。
得られた積層体38〜41について、実施例1と同様にして、測定及び評価を行った。結果を表4に示す。
<比較例5〜7:積層体42〜44の作製>
実施例5において、ハードコート層形成用塗布液1をハードコート層形成用塗布液22〜24にそれぞれ代えた以外は、実施例5と同様にして、積層体42〜44を得た。
得られた積層体42〜44について、実施例1と同様にして、測定及び評価を行った。結果を表4に示す。
<比較例8:積層体45の作製>
実施例5において、ハードコート層の厚みを0.3μmにした以外は、実施例5と同様にして、積層体45を得た。
得られた積層体45について、実施例1と同様にして、測定及び評価を行った。結果を表4に示す。
表1〜4中に記載の成分及び基材の詳細は、以下の通りである。
−樹脂及びその組成に記載の成分−
・TEOS(テトラエトキシシラン):4官能アルコキシシラン、KBE−04、信越化学工業(株)製)
・GPTMS(3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン):3官能アルコキシシラン、KBE−403、信越化学工業(株)製)
・DMDES(ジメチルジエトキシシラン):2官能アルコキシシラン、KBE−22、信越化学工業(株)製)
・ADPH(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート):A−DPH、新中村化学工業(株)製
・TPGDA(トリプロピレングリコールジアクリレート):TPGDA、ダイセル・オルネクス(株)製
・NVC(N−ビニル−ε−カプロラクタム):東京化成工業(株)製
・タケラックWS4000(ウレタン樹脂):タケラック(登録商標)WS4000、三井化学(株)製
・SE1013N(オレフィン樹脂):アローベース(登録商標)SE1013N、ユニチカ(株)製
−その他の成分−
・アルミナ繊維(無機フィラー):アルミゾル−F3000、川研ファインケミカル(株)製(4nm径×3000nm繊維長、固形分5.0質量%)
・酸化セリウム(紫外線吸収能を有する無機フィラー):B−10、多木化学(株)製(平均粒子径8nm、固形分15.0質量%)
・AlCH(アルミニウムキレート錯体、硬化剤):アルミキレートD、川研ファインケミカル(株)製(76質量%イソプロピルアルコール(IPA)溶液)
・Irg184(光重合開始剤、硬化剤):IRGACURE 184、BASF製
・オキサゾリン(オキサゾリン系架橋剤、硬化剤):エポクロス(登録商標)WS−700、(株)日本触媒製(固形分25質量%水溶液)
−基材−
・PET:PET基材、コスモシャインA4300、東洋紡(株)製、厚み100μm
・アクリル:アクリル樹脂基材、テクノロイS001G、住化アクリル販売(株)製、厚み75μm
・ガラス:ガラス基材、フロート板ガラスFL3、セントラル硝子(株)製、厚み3mm
表1〜表4に示すように、実施例1〜37の積層体は、光透過性に優れ、且つ、湿熱耐性にも優れる。
特に、湿熱耐性を評価する際のダンプヒートテストは、過酷な条件によるテストであり、このテストに供しても有効透過率の低下率が低い、実施例1〜37の積層体は、長期間の使用に耐えうると考えられる。
一方、比較例1〜8の積層体は、光透過性及び湿熱耐性のいずれかで実施例1〜37の積層体よりも劣ることが分かる。
<太陽電池モジュールの作製>
〔接着層B用塗布液の調製〕
下記組成の各成分を混合して、接着層B用塗布液を得た。
・ポリオレフィン樹脂水分散液(アローベース(登録商標)SE−1013N、ユニチカ(株)製、固形分20質量%) … 17.5部
・オキサゾリン系架橋剤の水希釈液(エポクロス(登録商標)WS−700、(株)日本触媒製、固形分25質量%) … 3.5部
・ノニオン系界面活性剤の水希釈液(EMALEX(登録商標)110、日本エマルジョン(株)製、固形分10質量%) … 4.3部
・水… 合計で100部となる残量
〔積層体46の作製〕
ポリプロピレン基材(OPP、トレファンBO60−2500、東レ(株)製、基材厚み60μm)に、接着層B用塗布液を塗布し、170℃にて2分間乾燥させることにより、厚さ4μmの接着層Bを形成した。
ポリプロピレン基材の接着層Bが形成された面とは反対側の面に、上記接着層A形成用塗布液を塗布し、110℃にて2分間乾燥させることにより、厚さ0.3μmの接着層Aを形成した。
続いて、接着層A上に、ハードコート層形成用塗布液1を塗布し、110℃にて2分間乾燥させることにより、厚さ3.0μmのハードコート層を形成した。
そして、ハードコート層上に、反射防止層形成用塗布液5を塗布し、110℃にて2分間乾燥させることにより、平均厚さ0.12μmの反射防止層を形成し、積層体46を得た。
太陽電池用フロントシートとしての積層体46と、EVAシート(F806P:Hangzhou first PV material社製)と、結晶系太陽電池セルと、EVAシート(F806P:Hangzhou first PV material社製)と、太陽電池用バックシートとしての積層体46と、ホットプレスすることにより、太陽電池モジュールを作製した。
また、EVAシートの接着条件は、以下の通り実施した。
真空ラミネータを用いて、145℃で5分間真空引き後、0.1MPaの圧力で10分間加圧加熱して接着した。
作製した太陽電池モジュールを用いて発電運転したところ、太陽電池として良好な発電性能を示した。
2018年3月30日に出願された日本国特許出願2018−069011の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (15)

  1. 基材と、
    基材上に設けられた、膜厚が0.5μm〜50μmのハードコート層と、
    ハードコート層上に設けられた、シロキサン樹脂中に空隙を含み、空隙率が30%〜75%であり、且つ、膜厚が80nm〜200nmの反射防止層と、
    を有し、反射防止層側からのISO14577−1準拠の押し込み硬さが0.5GPa〜30GPaである、積層体。
  2. 空隙の径が25nm〜80nmである、請求項1に記載の積層体。
  3. 基材が樹脂基材である、請求項1又は請求項2に記載の積層体。
  4. 反射防止層側からのISO14577−1準拠の押し込み硬さが5GPa〜25GPaである、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の積層体。
  5. 反射防止層中の空隙率が35%〜65%である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の積層体。
  6. ハードコート層と反射防止層とが隣接する、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の積層体。
  7. 基材の一方の面に設けられた、ハードコート層及び反射防止層を含む全層の総膜厚が0.6μm〜50μmである、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の積層体。
  8. ハードコート層が無機フィラーを含む、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の積層体。
  9. 無機フィラーが紫外線吸収能を有する無機フィラーを含む、請求項8に記載の積層体。
  10. ハードコート層が硬化剤として金属錯体を含む、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の積層体。
  11. ハードコート層がシロキサン樹脂を含む、請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の積層体。
  12. シロキサン樹脂が、テトラアルコキシシランと2官能又は3官能のアルコキシシランとの加水分解縮合物である、請求項11に記載の積層体。
  13. 加水分解縮合物が、テトラアルコキシシランに由来する構成単位と2官能又は3官能のアルコキシシランに由来する構成単位との総量に対して、2官能又は3官能のアルコキシシランに由来する構成単位を50質量%以上含む、請求項12に記載の積層体。
  14. 請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の積層体を有する、太陽電池用保護シート。
  15. 請求項14に記載の太陽電池用保護シートを備える、太陽電池モジュール。
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