(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るエレベータシステムSの全体構成の一例を示す図である。図1に示すように、本実施形態のエレベータシステムSは、エレベータ4a〜4cの3台のエレベータを有する。なお、エレベータシステムSに含まれるエレベータの数は、これに限定されるものではない。なお、本実施形態では、昇降機の一例としてエレベータに適用した例について説明するが、昇降機をエレベータに制限するものではない。
また、本実施形態では、エレベータ4aをA号機、エレベータ4bをB号機、エレベータ4cをC号機という。また、個々のエレベータ4a〜4cを特に区別しない場合は、単にエレベータ4という。また、エレベータ4a〜4cを総称する場合は、エレベータ群3という。
各エレベータ4は、かご5と、カウンタウェイト6と、メインロープ7と、巻上機8と、を備える。各エレベータ4は、複数の階床を有する建物に設けられた昇降路を昇降可能なかご5と、つり合おもりとしてのカウンタウェイト6とをメインロープ7で連結した、いわゆるつるべ式のエレベータである。
なお、メインロープ7は、例えば、昇降路の上部に設けられた巻上機8のメインシーブ8aおよびそらせシーブ(不図示)などに掛けられて、一端にかご5が接続され、他端にカウンタウェイト6が接続される。また、巻上機8は、たとえば、動力を発生させる電動機(モータ)8bを有し、当該電動機8bが駆動することで、電動機8bに連結されたメインシーブ8aが回転駆動し、メインシーブ8aとメインロープ7との間に生じる摩擦力を利用してメインロープ7を電動で巻き上げる。
また、各エレベータ4のかご5の内部には、利用者が行先階を入力可能な、不図示のかご呼び入力装置が設けられている。
単体制御装置9a〜9cは、群管理制御装置100の制御の下、対応するエレベータ4a〜4cを制御する。以下、個々の単体制御装置9a〜9cを特に区別しない場合は、単に単体制御装置9という。
単体制御装置9は、エレベータ4のかご5の昇降制御およびドアの開閉制御といった、種々の制御を行う。また、単体制御装置9は、群管理制御装置100に電気的に接続されている。単体制御装置9は、群管理制御装置100から受信する各かご5の運行予定および各種設定情報にしたがってかご5の各部を制御する。また、単体制御装置9は、かご5内で入力されたかご呼びの行先階を、群管理制御装置100に送信する。
単体制御装置9は、例えば、通常の形式の双方向コモン・バスにより相互に連結されたCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)等を有するマイクロコンピュータと、駆動回路とを備えている。ROMは、所定の制御プログラム等を予め記憶している。RAMは、CPUの演算結果を一時記憶する。
単体制御装置9がエレベータ4の各部の駆動を制御し、かご5が昇降路内を昇降することで、利用者は、任意の目的階に移動することができる。また、単体制御装置9は、呼び場呼びまたはかご呼びへの応答の完了後、一定の時間の経過後に、後述の群管理制御装置100によって定められた待機階床に、エレベータ4を移動させる。一定の時間の長さは、特に限定されるものではない。
群管理制御装置100は、A号機からC号機までの3つのエレベータ4を備えたエレベータ群3を一群として管理する。例えば、エレベータシステムSが設置された不図示の建物の各階床には、エレベータ4を呼ぶための乗場呼びを利用者が入力可能な乗場呼び装置が備えられており、群管理制御装置100は、各エレベータ4の運転状態やカゴ呼びの行先階等を監視しながら各号機に対する乗場呼びの割当てを行う。群管理制御装置100は、本実施形態におけるエレベータの群管理制御装置の一例である。
群管理制御装置100は、例えば、CPUなどの制御装置と、ROMやRAMなどの記憶装置と、HDD(Hard Disk Drive)、CDドライブ装置などの外部記憶装置とを備えるコンピュータである。
図2は、第1の実施形態に係る群管理制御装置100の機能的構成の一例を示す図である。図2に示すように、群管理制御装置100は、計数部101と、計時部102と、決定部103と、割当部104と、指令部105と、記憶部120とを備える。
記憶部120は、ゾーン情報121と、戸開閉数情報122とを記憶する。記憶部120は、例えばHDDによって実現されるものとする。
ゾーン情報121は、エレベータシステムSが設けられた建物の階床のゾーンと、各エレベータ4とが対応付けられている。
ゾーンとは、連続する複数の階床を1つのグループにしたものである。本実施形態においては、各階床のゾーン分けは予め設定されているものとする。各エレベータ4は、割当てられたゾーンに含まれる階床のいずれかで、利用者からの乗場呼びを待機する。このため、ゾーンは、待機ゾーンともいう。本実施形態においては、一例として、各エレベータ4に割当てられたゾーンの最下階床が、各エレベータ4の待機階床となる。
図3は、第1の実施形態に係るゾーン情報121の一例を示す図である。図3に示すように、本実施形態においては、エレベータシステムSが設けられた建物は、1〜6階の6つの階床を有し、建物の1〜2階がゾーン1、3〜4階がゾーン2、5〜6階がゾーン3として分類されているものとする。また、階床のゾーン分けはこれに限定されるものではなく、例えば、低層階ゾーン、中層階ゾーン、高層階ゾーンに分類されても良いし、低層階ゾーンと高層階ゾーンの2つに分類されても良い。
また、各ゾーンに含まれる階床の数は、異なっても良い。例えば、各階床の利用者の数に応じて、ゾーン分けが異なっても良い。具体的には、建物の基準階など、他の階床よりも利用者の多い階床を含むゾーンは、他のゾーンよりも含まれる階床の数が少なく設定されていても良い。
各エレベータ4は、それぞれ、いずれかのゾーンに割当てられる。例えば、図3に示す例では、エレベータ4a(A号機)がゾーン1、エレベータ4b(B号機)がゾーン2、エレベータ4c(C号機)がゾーン3にそれぞれ割当てられている。この場合、エレベータ4a(A号機)の待機階床は1階、エレベータ4b(B号機)の待機階床は3階、エレベータ4c(C号機)のの待機階床は5階となる。
図3のように、エレベータ4a〜4cが、それぞれ異なる階床で待機することを、分散待機という。なお、本実施形態においては、エレベータ4a〜4cは、それぞれの待機階床で待機している間は、呼びがあるまで戸開閉を行わない。
なお、本実施形態においては、エレベータシステムSの稼働開始前に、各階床のゾーン分け、および各エレベータ4とゾーンとの対応付けが、管理者等によって予め初期設定されるものとする。各エレベータ4とゾーンとの対応付けは、後述の割当部104によって更新される。
戸開閉数情報122は、エレベータ4ごとの、複数の階床の各々における戸開閉数の合計値である。
図4は、第1の実施形態に係る戸開閉数情報122の一例を示す図である。図4に示すように、本実施形態の戸開閉数情報122は、エレベータ4毎の、各階床における総戸開閉数を表す情報である。総戸開閉数は、エレベータ4の運用開始後からの戸開閉数の累積値である。
図2に戻り、計数部101は、エレベータ4毎の、各階床における戸開閉数を計数する。計数部101は、計数した戸開閉数を、記憶部120の戸開閉数情報122に登録する。
計時部102は、各エレベータ4の待機階床が設定されてから経過する時間を計時する。本実施形態のエレベータシステムSでは、予め初期設定として各エレベータ4の待機階床が決定されているため、計時部102は、エレベータシステムSの運行開始時点から、計時を開始する。計時部102は、各エレベータ4の待機階床が設定されてから所定の時間が経過したか否かを判定する。
計時部102は、前回の待機階床の設定から所定の時間が経過したと判定した場合に、決定部103に、所定の時間の経過を通知する。所定の時間の長さは、特に限定されるものではない。
決定部103は、所定の時間ごとに、記憶部120に保存された戸開閉数情報122に基づいて、各エレベータ4のゾーンごとの総戸開閉数を算出し、ゾーンとエレベータ4の組み合わせごとに、総戸開閉数が少ない順に順位を決定する。
図5は、第1の実施形態に係るゾーンとエレベータ4の組み合わせごとの順位の一例を示す図である。図5の上段に示すように、ゾーン別総戸開閉数が“500”のゾーン3とエレベータ4a(A号機)の組み合わせと、ゾーン3とエレベータ4c(C号機)の組み合わせとが、共に1位となる。また、次に、ゾーン2とエレベータ4c(C号機)の組み合わせが、3位となる。決定部103は、他のゾーンとエレベータ4との組み合わせについても、総戸開閉数に基づいて順位を判定する。
また、決定部103は、総戸開閉数に基づく順位が同一となるゾーンとエレベータ4との組み合わせの有無を判定する。決定部103は、2以上の組み合わせが、総戸開閉数に基づく順位が同一となると判定した場合、先頭号機により近いエレベータ4を含む組み合わせが上位になるように、順位を変更する。
先頭号機は、例えば、建物の入口に最も近いエレベータ4とするが、先頭号機の決め方は、これに限定されるものではない。
本実施形態においては、エレベータ4a(A号機)を先頭号機とする。また、エレベータ4b(B号機)、エレベータ4c(C号機)の順にエレベータ4a(A号機)に近いものとする。本実施形態においては、先頭号機であるエレベータ4a(A号機)自体が、先頭号機に最も近いエレベータ4であるものとし、次に、エレベータ4b(B号機)、エレベータ4c(C号機)の順に、先頭号機に近いエレベータ4とする。
例えば、決定部103は、図5の下段に示す例のように、共に1位であるゾーン3とエレベータ4a(A号機)の組み合わせと、ゾーン3とエレベータ4c(C号機)の組み合わせのうち、先行号機により近いエレベータ4a(A号機)を含むゾーン3のエレベータ4a(A号機)の組み合わせの順位を、ゾーン3とエレベータ4c(C号機)の組み合わせの順位よりも高くする。
また、決定部103は、その他の、順位が同一となるゾーンとエレベータ4との組み合わせについても、図5の下段に示す例のように、先頭号機により近いエレベータ4を含むゾーンとエレベータ4との組み合わせの順位が高くなるように順位を変更する。
決定部103は、ゾーンとエレベータ4との組み合わせごとの順位を、割当部104に送出する。
割当部104は、決定部103によって定められたゾーンとエレベータ4との組み合わせごとの順位に基づいて、各ゾーンにエレベータ4を割当てる。
より詳細には、割当部104は、順位が上位のゾーンとエレベータ4との組み合わせに含まれるゾーンから順に、先頭号機から近いエレベータ4を割当てる。
例えば、図5の下段に示した例では、ゾーン3とエレベータ4a(A号機)の組み合わせの順位が1位である。このため、割当部104は、最初に、ゾーン3に先頭号機であるエレベータ4a(A号機)を割当てる。また、この場合、ゾーン3に含まれる階床のうち最も低い階である5階が、エレベータ4a(A号機)の待機階床となる。割当部104は、2位以下のゾーンと、先頭号機に2番目に近いエレベータ4との組み合わせについても、順に、エレベータ4をゾーンに割当てる。
また、割当部104は、ゾーンに割当て可能なエレベータ4の台数の上限に達した場合、当該ゾーンに対するエレベータ4の割当てを停止する。つまり、割当部104は、割当て可能なエレベータ4の上限数に達したゾーンを、割当て対象のゾーンから除外する。
各ゾーンに割当て可能なエレベータ4の上限数は、本実施形態における閾値の一例である。
例えば、本実施形態においては、各ゾーンに割当て可能なエレベータ4の上限数は、1台とする。
図5の下段に示した例では、ゾーン3にエレベータ4a(A号機)を割当てると、ゾーン3に割当てられるエレベータ4の上限数に達するため、割当部104は、これ以上、ゾーン3に他のエレベータ4を割当てない。このため、ゾーン3とエレベータ4c(C号機)の組み合わせの順位が2位であるが、割当部104は、ゾーン3にエレベータ4c(C号機)は割当てない。この場合、割当部104は、次の順位である3位のゾーン2とエレベータ4c(C号機)の組み合わせに基づいて、ゾーン2にエレベータ4c(C号機)を割当てる。
なお、各ゾーンに割当て可能なエレベータ4の上限数は、1台に限定されるものではない。また各ゾーンに割当て可能なエレベータ4の上限数は、ゾーンごとに異なっても良い。例えば、仮に1つの建物が3つのゾーンを有し、当該建物に設置されたエレベータ群3が4台のエレベータ4を含む場合、各ゾーンに割当てられるエレベータ4の上限数は、ゾーン1が1台、ゾーン2が1台、ゾーン3が2台としても良い。
割当部104は、割当て結果に基づいて、ゾーン情報121を更新する。
指令部105は、割当部104によって更新されたゾーン情報121に基づいて、エレベータ4a〜4cを制御する単体制御装置9a〜9cに、各エレベータ4a〜4cの割当先のゾーンに含まれる階床のうち、1つの階床を、各エレベータ4a〜4cの待機階床とする指令を送信する。本実施形態においては、指令部105は、ゾーン情報121に基づいて、エレベータ4a〜4cを制御する単体制御装置9a〜9cに、各エレベータ4a〜4cの割当先のゾーンの最下層の階床を、各エレベータ4a〜4cの待機階床とする指令を送信する。
次に、以上のように構成された本実施形態の群管理制御装置100で実行される待機階床の割当処理の流れの詳細を説明する。
図6は、第1の実施形態に係る待機階床の割当処理の流れの一例を示すフローチャートである。このフローチャートの前提として、計数部101が、エレベータ4毎の、各階床における戸開閉数を計数し、計数結果を記憶部120に保存しているものとする。
まず、計時部102は、前回の待機ゾーンの設定から所定の時間が経過したか否かを判定する。計時部102は、前回の待機ゾーンの設定から所定の時間が経過していないと判定した場合(S1“No”)、処理を終了する。
また、計時部102は、前回の待機ゾーンの設定から所定の時間が経過したと判定した場合(S1“Yes”)、決定部103に、所定の時間の経過を通知する。この場合、決定部103は、記憶部120に保存された戸開閉数情報122に基づいて、各エレベータ4のゾーンごとの総戸開閉数を算出する(S2)。
次に、決定部103は、ゾーンとエレベータ4の組み合わせごとに、総戸開閉数が少ない順に順位を決定する(S3)。
そして、決定部103は、決定した順位が同一となるゾーンとエレベータ4との組み合わせがあるか否かを判定する(S4)。例えば、図5の上段に示したように、順位が1位のゾーンとエレベータ4との組み合わせが複数ある場合、決定部103は、決定した順位が同一となるゾーンとエレベータ4との組み合わせがあると判定する。
順位が同一となるゾーンとエレベータ4との組み合わせがあると判定した場合(S4“Yes”)、決定部103は、先頭号機により近いエレベータ4を含むゾーンとエレベータ4との組み合わせが上位になるように順位を変更する(S5)。例えば、図5の上段および下段に示した例では、決定部103は、共に1位が設定されたゾーン3とエレベータ4a(A号機)の組み合わせと、ゾーン3とエレベータ4c(C号機)の組み合わせのうち、ゾーン3とエレベータ4a(A号機)の組み合わせを1位に、ゾーン3とエレベータ4c(C号機)の組み合わせを2位にする。
なお、設定した順位が同一となるゾーンとエレベータ4との組み合わせが複数ある場合は、決定部103は、順位が同一となる全ての組み合わせにおいて、先頭号機により近いエレベータ4を含む組み合わせが上位になるように順位を変更する。
また、決定部103は、順位が同一となるゾーンとエレベータ4との組み合わせがないと判定した場合(S4“No”)、決定したゾーンとエレベータ4との組み合わせごとの順位を、割当部104に送出する。
この場合、割当部104は、最上位の順位のゾーンとエレベータ4の組み合わせに含まれるゾーンに、候補の中で最も先頭号機に近いエレベータ4を割当てる(S6)。1回目の割当て処理では、エレベータ群3の先頭号機が、割当てられる。例えば、図5の下段に示す例では、エレベータ4a(A号機)が、ゾーン3に割当てられる。また、S5の処理の後も、S6の処理が実行される。
そして、割当部104は、ゾーンに割当てられたエレベータ4の台数が、ゾーンに割当て可能なエレベータ4の台数の上限に達したか否かを判定する(S7)。当該判定処理において、割当部104は、全てのゾーンについて、割当て可能なエレベータ4の上限台数に達したか否かを判定しても良いし、直前の割当て処理でエレベータ4を割当てたゾーンについてのみ割当て可能なエレベータ4の上限台数に達したか否かを判定しても良い。
割当部104は、ゾーンに割当てられたエレベータ4の台数が、ゾーンに割当て可能なエレベータ4の台数の上限に達したと判定した場合(S7“Yes”)、割当て台数の上限に達したゾーンを、割当て対象のゾーンから除外する(S8)。例えば、エレベータ4a(A号機)がゾーン3に割当てられることにより、ゾーン3に割当てられたエレベータ4の台数が上限数である“1”に達すると、割当部104は、ゾーン3を割当て対象のゾーンから除外する。
また、割当部104は、ゾーンに割当てられたエレベータ4の台数が、ゾーンに割当て可能なエレベータ4の台数の上限に達していないと判定した場合(S7“No”)、ゾーンに割当て済みのエレベータ4を、割当て候補から除外する(S9)。ここで、ゾーンに割当て済みのエレベータ4は、S6の処理でゾーンに割当てられたエレベータ4である。例えば、エレベータ4a(A号機)が、ゾーン3に割当てられた場合、エレベータ4a(A号機)は、他のゾーン1、2への割当て候補から除外される。また、S8の処理の後も、S9の処理が実行される。
次に、割当部104は、割当て候補のエレベータの数が“0”になったか否かを判定する(S10)。例えば、エレベータ4a〜4cのうち、エレベータ4a(A号機)がゾーン3に割当てられた場合、残りの割当て候補のエレベータの数は2台である。この場合、割当部104は、割当て候補のエレベータの数が“0”になっていないと判定する(S10“No”)。
割当部104は、割当て候補のエレベータの数が“0”になっていないと判定した場合、S6の処理に戻り、割当て候補として残ったエレベータ4と、割当て対象のゾーンとして残ったゾーンとの組み合わせのうち、最上位の順位のゾーンとエレベータ4の組み合わせに含まれるゾーンに、割当て候補として残ったエレベータ4のうち、先頭号機に最も近いエレベータ4を割当てる。
割当部104は、割当て候補のエレベータの数が“0”になったと判定するまでS6〜S10の処理を繰り返す。そして、割当部104が割当て候補のエレベータの数が“0”になったと判定した場合(S10“Yes”)、割当部104は、各ゾーンへのエレベータ4の割当て結果を、ゾーン情報121に登録する。
そして、指令部105は、割当部104によって更新されたゾーン情報121に基づいて、エレベータ4a〜4cを制御する単体制御装置9a〜9cに、各エレベータ4a〜4cの割当先のゾーンの最下層の階床を、各エレベータ4a〜4cの待機階床とする指令を送信する(S11)。ここで、このフローチャートの処理は終了する。
このように、本実施形態の群管理制御装置100は、所定の時間の経過ごとに、ゾーンごとの複数のエレベータ4の各々の総戸開閉数に基づいて、ゾーンとエレベータ4の組み合わせごとに順位を設定し、当該順位に基づいて、1つのゾーンに対して1または複数のエレベータ4を割当て、割当てられたゾーンに含まれる複数の階床のうちのいずれかをエレベータ4の待機階床とする指令を単体制御装置9に送信する。このため、本実施形態の群管理制御装置100によれば、各エレベータ4の待機階床を所定の時間ごとに入れ替えることにより、各エレベータ4のホール側機器の負荷の偏りを低減することができる。これにより、本実施形態の群管理制御装置100によれば、各エレベータ4のホール側機器、例えばドア用品等の劣化の進行度を平均化し、エレベータシステムS全体でのメンテナンス時期を延長することができる。
また、本実施形態の群管理制御装置100は、ゾーンに割当てたエレベータ4の数が割当ての上限数に達した場合、当該ゾーンをエレベータ4の割当て対象から除外する。このため、本実施形態の群管理制御装置100によれば、各エレベータ4の割当先を分散し、特定の階床にエレベータ4が偏って配置されることを低減する。
また、本実施形態の群管理制御装置100は、順位が同一となるゾーンとエレベータ4の組み合わせが複数存在する場合、先頭号機により近いエレベータ4を含む組み合わせの順位が上位になるように、順位を変更する。このため、本実施形態の群管理制御装置100によれば、順位が同一となる組み合わせが複数存在する場合であっても、順位を一意に決定することができ、割当て処理を円滑に実行することができる。
また、本実施形態の群管理制御装置100は、複数のエレベータ4の階床ごとの戸開閉数の累計値を表す戸開閉数情報122に基づいて、ゾーンごとの複数のエレベータ4の各々の総戸開閉数を算出し、算出した総戸開閉数に基づいて、組み合わせごとに順位を決定する。このため、本実施形態の群管理制御装置100によれば、ゾーン単位に集計した総戸開閉数に基づいて順位を決定することにより、個々の階床単位で順位を設定するよりも、演算量を低減することができる。
なお、本実施形態においては、決定部103が所定の時間ごとに、各エレベータ4のゾーンごとの総戸開閉数を算出するものとしたが、計数部101が、各エレベータ4のゾーンごとの総戸開閉数を算出しても良い。また、この場合、戸開閉数情報122は、各エレベータ4の、各階床における戸開閉数の合計値と、各エレベータ4のゾーンごとの総戸開閉数とが対応付けられたものでも良い。
また、本実施形態においては、エレベータ4の分散待機におけるゾーンの割当てを例として説明したが、本実施形態の群管理制御装置100の構成を、出勤時や退勤時のように時間帯によって変化する人の流れに対応して、待機階を変更する出退勤スケジュール運転機能と組み合せて適用しても良い。例えば、割当部104は、戸開閉数の順位だけではなく、さらに、時間帯に応じて、エレベータ4に割当てるゾーンを決定しても良い。また、群管理制御装置100は、予め管理者等によって定められた時間帯だけではなく、エレベータ4の運行に関する学習結果に応じて、利用者の増減を予測してエレベータ4に割当てるゾーンの割当てを変更しても良い。
また、本実施形態においては、各エレベータ4に割当てられるゾーンは、各エレベータ4が待機する待機ゾーンであったが、割当部104は、さらに、各エレベータ4の行先階を制限しても良い。例えば、割当部104は、決定部103によって定められた順位に基づいて、各エレベータ4が待機するゾーンと、各エレベータ4が運行可能な行先階のゾーンとを、各エレベータ4に割当てても良い。また、割当部104は、出退勤スケジュールに応じて、各エレベータ4が停止可能な停止階を割当てても良い。
また、割当部104は、戸開閉数の順位だけではなく、さらに、各階床における利用者の人数に応じて、エレベータ4に割当てるゾーンを決定しても良い。例えば、割当部104は、利用者の人数が多い階床を含むゾーンに割当て可能なエレベータ4の上限数を、他のゾーンの上限数よりも多く変更しても良い。あるいは、割当部104は、利用者の人数に応じてゾーン分けを変更しても良い。例えば、割当部104は、利用者の人数が多いゾーンを、複数のゾーンに分割してから各ゾーンにエレベータ4を割当てても良い。
また、本実施形態においては、群管理制御装置100の割当部104は、先頭号機のエレベータ4から順に、上位の順位のゾーンに割当てるものとしたが、先頭号機に最も遠いエレベータ4から順に、上位の順位のゾーンに割当てても良い。また、割当部104は、「先頭号機により近い順」と「先頭号機により遠い順」を定期的に入れ替えて割当てても良い。また、割当部104は、ゾーンの順位が高いほど、総戸開閉数が多いエレベータ4を割当てても良い。
また、群管理制御装置100の割当部104は、上位の順位のゾーン、つまり総戸閉回数が多いゾーンと、下位の順位のゾーン、つまり総戸閉回数が少ないゾーンに割当てられたエレベータ4を交換するように、各ゾーンにエレベータ4を割当てても良い。例えば、割当部104は、1位のゾーンに割当てられたエレベータ4と、最下位のゾーンに割当てられたエレベータ4とを交換し、次に、2位のゾーンに割当てられたエレベータ4を、下から2番目の順位のゾーンに割当てられたエレベータ4と交換しても良い。
また、本実施形態においては、群管理制御装置100の決定部103は、順位が同一となるゾーンとエレベータ4の組み合わせが複数存在する場合、先頭号機により近いエレベータ4を含む組み合わせの順位が上位にするものとしたが、先頭号機により遠いエレベータ4を含む組み合わせの順位が上位にするものとしても良い。
(第2の実施形態)
上述の第1の実施形態では、エレベータ4の過去の戸開閉数に基づいて、各ゾーンへのエレベータ4の割当てを決定していた。この第2の実施形態では、さらに、将来におけるエレベータ4の戸開閉数の予測結果に基づいて、各ゾーンへのエレベータ4の割当てを決定する。
図7は、第2の実施形態に係る群管理制御装置100の機能的構成の一例を示すブロック図である。図7に示すように、本実施形態の群管理制御装置100は、計数部101と、計時部102と、決定部103と、割当部104と、指令部1105と、予測部106と、算出部107と、変更部108と、記憶部120とを備える。
計数部101と、計時部102と、決定部103と、割当部104とは、第1の実施形態と同様の機能を備える。
また、本実施形態の記憶部120は、ゾーン情報121と、戸開閉数情報122と、前回戸開閉数情報123とを記憶する。
前回戸開閉数情報123は、待機階床の割当処理が前回実行された時点における戸開閉数情報122である。前回戸開閉数情報123は、例えば、決定部103によって、待機階床の割当処理の開始時に、保存されるものとする。
予測部106は、過去の所定の時間における総戸開閉数の増加量に基づいて、現在から所定の時間が経過した時点までの、総戸開閉数の増加量を予測する。現在とは、待機階床の割当処理の実行時である。また、所定の時間は、第1の実施形態と同様に、待機階床の割当処理が実行されてから、次に当該処理が実行されるまでの時間間隔である。つまり、「現在から所定の時間が経過した時点」とは、待機階床の割当処理が次に実行されるタイミングである。
より詳細には、予測部106は、記憶部120に記憶された前回戸開閉数情報123と、戸開閉数情報122との差分に基づいて、所定の時間ごとに、前回の待機階床の割当処理の実行時点から、現在までの各エレベータ4の階床ごとの総戸開閉数の増加量を算出する。また、本実施形態においては、増加量は、総戸開閉数の増加分の回数を意味する。
例えば、図4に示した戸開閉数情報122の例では、エレベータ4a(A号機)の階床“6”の総戸開閉数は“200回”となっている。仮に、前回戸開閉数情報123において、エレベータ4a(A号機)の階床“6”の総戸開閉数が“150回”となっていた場合、前回の待機階床の割当処理実行から、現在までの各エレベータ4の階床ごとの総戸開閉数の増加量は“50回”となる。
予測部106は、算出した過去の所定の時間における総戸開閉数の増加量に基づいて、現時点から所定の時間が経過した時点までの総戸開閉数の増加量を予測する。例えば、予測部106は、単に過去の所定の時間における総戸開閉数の増加量と同じ増加量を、現在の総戸開閉数に加算しても良い。また、予測部106は、ゾーンとエレベータ4の割当てパターンごとに、現時点から所定の時間が経過した時点までの総戸開閉数の増加量を予測しても良い。予測部106は、増加量の予測結果を算出部107に送出する。
算出部107は、予測部106によって予測された増加量に基づいて、ゾーンとエレベータ4の割当てパターンごとに、複数のエレベータ4のうち総戸開閉数が最少となるエレベータと総戸開閉数が最多となるエレベータとの総戸開閉数の差分を算出する。
より詳細には、算出部107は、戸開閉数情報122に登録された現時点におけるエレベータ4の階床別の総戸開閉数に、予測部106によって予測されたエレベータ4の階床別の増加量を加算することにより、現時点から所定の時間が経過した時点におけるエレベータ4の階床別の総戸開閉数を算出する。そして、算出部107は現時点から所定の時間が経過した時点におけるエレベータ4の階床別の総戸開閉数を、各階床が属するゾーンごとに集計することにより、ゾーンとエレベータ4の組み合わせごとに、所定の時間が経過した時点における総戸開閉数を算出する。
また、算出部107は、ゾーンとエレベータ4の組み合わせごとの、所定の時間が経過した時点における総戸開閉数から、ゾーンとエレベータ4の割当てパターンごとに、エレベータ群3のうち総戸開閉数が最少となるエレベータ4と総戸開閉数が最多となるエレベータ4との総戸開閉数の差分を算出する。
例えば、図3に示したように、ゾーン1にエレベータ4a(A号機)、ゾーン2にエレベータ4b(B号機)、ゾーン3にエレベータ4c(C号機)がそれぞれ割り当てられたパターンを例として説明する。この場合、算出部107は、各エレベータ4ごとの、総戸開閉数の合計値を算出する。仮に、現在から所定の時間が経過した時点における総戸開閉数が最少となるエレベータ4がエレベータ4a(A号機)で、総戸開閉数が最多となるエレベータ4がエレベータ4c(C号機)である場合、算出部107は、エレベータ4c(C号機)の総戸開閉数から、エレベータ4a(A号機)の総戸開閉数を減算することにより、差分を算出する。算出部107は、ゾーンとエレベータ4との割当てパターンごとに、同様に、エレベータ群3のうち総戸開閉数が最少となるエレベータ4と総戸開閉数が最多となるエレベータ4との総戸開閉数の差分を算出する。
なお、本実施形態では、算出部107は、ゾーンとエレベータ4の割当てパターンごとにエレベータ4単位での総戸開閉数の差分を算出するものとするが、算出部107は、エレベータ4の階床別の総戸開閉数の差分を算出しても良いし、エレベータ4のゾーン別の総戸開閉数の差分を算出しても良い。
算出部107は、ゾーンとエレベータ4の割当てパターンごとに算出した差分の値を、変更部108に送出する。
変更部108は、割当部104による割当て結果よりも差分が小さくなる割当てパターンがある場合、割当てパターンのうち総戸開閉数の最大値と最小値の差分が最小となる割当てパターンに、割当を変更する。
例えば、変更部108は、ゾーン1にエレベータ4b(B号機)、ゾーン2にエレベータ4c(C号機)、ゾーン3にエレベータ4a(A号機)をそれぞれ割当てたとする。当該割当てパターンにおける、現在から所定の時間が経過した時点における総戸開閉数が最少となるエレベータ4と総戸開閉数が最多となるエレベータ4の総戸開閉数の差分が“100”であるとする。これに対して、他の割当てパターン、例えばゾーン1にエレベータ4a(A号機)、ゾーン2にエレベータ4b(B号機)、ゾーン3にエレベータ4c(C号機)がそれぞれ割り当てられたパターンにおける、現在から所定の時間が経過した時点における総戸開閉数が最少となるエレベータ4と総戸開閉数が最多となるエレベータ4の総戸開閉数の差分が“50”であるとする。この“50”が、全ての割当てパターンにおける差分のうち、最少の差分である場合、変更部108は、割当部104による割当て結果を採用せず、ゾーン1にエレベータ4a(A号機)、ゾーン2にエレベータ4b(B号機)、ゾーン3にエレベータ4c(C号機)をそれぞれ割り当てる割当てパターンに変更する。
変更部108は、割当部104による割当て結果から割当てパターンを変更した場合は、変更後の割当てパターンに基づいてゾーン情報121を更新する。また、この場合、変更部108は、変更後の割当てパターンを指令部1105に送出する。
指令部1105は、変更部108によって割当部104による割当て結果から割当てパターンが変更された場合には、変更部108によって変更されたゾーン情報121に基づいて、単体制御装置9に、各エレベータ4の待機階床の指令を送信する。また、指令部1105は、変更部108によって割当てパターンが変更されなかった場合には、第1の実施形態と同様に、割当部104によって更新されたゾーン情報121に基づいて、単体制御装置9a〜9cに、待機階床の指令を送信する。
次に、以上のように構成された本実施形態の群管理制御装置100で実行される待機階床の割当処理の流れの詳細を説明する。
図8は、第2の実施形態に係る待機階床の割当処理の流れの一例を示すフローチャートである。
S1の所定の時間が経過したか否かの判定処理から、S10の割当て候補のエレベータの数が“0”になったか否かの判定処理までは、図6で説明した第1の実施形態と同様である。
次に、予測部106は、所定の期間の経過後の総戸開閉数の増加量を予測する(S21)。予測部106は、増加量の予測結果を算出部107に送出する。
そして、算出部107は、予測部106による予測結果に基づいて、所定の時間が経過した時点における総戸開閉数を算出する(S22)。
そして、算出部107は、ゾーンとエレベータ4の割当てパターンごとに所定の時間が経過した時点における総戸開閉数の最大値と最小値の差分を算出する(S23)。算出部107は、算出した差分の値を、変更部108に送出する。
次に、変更部108は、算出部107によって算出されたゾーンとエレベータ4の割当てパターンごとの総戸開閉数の最大値と最小値の差分のうち、S6〜S10の処理で割当部104によって定められた割当て結果よりも差分が小さくなる割当てパターンが有るか否かを判定する(S24)。
変更部108は、割当部104によって定められた割当て結果よりも差分が小さくなる割当てパターンが有ると判定した場合(S24“Yes”)、割当部104によって定められた割当て結果から、割当てパターンのうち差分が最小となる割当てパターンに、割当を変更する(S25)。
そして、指令部1105は、割当部104によって更新されたゾーン情報121、または変更部108によって変更されたゾーン情報121に基づいて、単体制御装置9に、待機階床の指令を送信する(S11)。ここで、このフローチャートの処理は終了する。
このように、本実施形態の群管理制御装置100は、現在から所定の時間が経過した時点までの総戸開閉数の増加量の予測結果に基づいて、ゾーンとエレベータ4の割当てパターンごとに、エレベータ群3のうち総戸開閉数が最少となるエレベータ4と総戸開閉数が最多となるエレベータ4との総戸開閉数の差分を算出する。本実施形態の群管理制御装置100は、割当部104による割当て結果よりも差分が小さくなる割当てパターンがある場合、割当てパターンのうち差分が最小となる割当てパターンに、割当を変更する。このため、本実施形態の群管理制御装置100によれば、第1の実施形態の効果に加えて、将来的な総戸開閉数の増加量を加味して各ゾーンにエレベータ4を割当てるため、各エレベータ4のホール側機器の階床毎の負荷の偏りをより効果的に低減することができる。
なお、本実施形態では、記憶部120は前回戸開閉数情報123を記憶しているものとしたが、記憶部120は、待機階床の割当処理が前回実行された時点だけではなく、過去の待機階床の割当処理の実行時点ごとの戸開閉数情報を、履歴として記憶していても良い。当該構成を採用する場合、予測部106は、過去の複数の時点における戸開閉数情報に基づいて、現時点から所定の時間が経過した時点までの総戸開閉数の増加量を予測する。
また、本実施形態では、予測部106は、現在から所定の時間が経過した時点までの総戸開閉数の増加量を予測するものとしたが、予測対象となる将来の時点は、これに限定されるものではない。例えば、予測部106は、待機階床の割当処理が実行されてから次に当該処理が実行されるまでの時間間隔よりも長い時間が経過した後の総戸開閉数の増加量を予測しても良い。
(第3の実施形態)
上述の第1、第2の実施形態では、群管理制御装置100は、エレベータ4の総戸開閉数に基づいて、自動的に各ゾーンへのエレベータ4の割当てを決定していた。この第3の実施形態では、さらに、操作者による手動での順位の変更操作を可能とする。
図9は、第3の実施形態に係る群管理制御装置100の機能的構成の一例を示すブロック図である。図9に示すように、本実施形態の群管理制御装置100は、計数部101と、計時部102と、決定部1103と、割当部104と、指令部1105と、予測部106と、算出部107と、変更部108と、受付部109と、記憶部120とを備える。
計数部101と、計時部102と、割当部104と、予測部106と、算出部107は、第1の実施形態と同様の機能を備える。また、指令部1105と、変更部108とは、第2の実施形態と同様の機能を備える。記憶部120は、第2の実施形態と同様に、ゾーン情報121と、戸開閉数情報122と、前回戸開閉数情報123とを記憶する。
受付部109は、操作者によるゾーンとエレベータ4の組み合わせごとの順位の入力を受け付ける。操作者は、例えば、エレベータシステムSの保守員や管理者等である。
また、操作者は、全てのゾーンとエレベータ4の組み合わせに対して順位を入力しても良いし、一部の組み合わせのみに対して順位を入力しても良い。
例えば、後述の決定部1103によって、図5の上段に示すようにゾーンとエレベータ4の組み合わせに対して順位が設定された場合、操作者は、決定部1103によって“3位”とされたゾーン2とエレベータ4c(C号機)との組み合わせの順位を、“1位”に変更する操作を入力しても良い。
受付部109は、受け付けた入力結果を、決定部1103に送出する。
図9に戻り、本実施形態の決定部1103は、第1、第2の実施形態の機能を備えた上で、受付部109によって操作者による順位の入力が受け付けられた場合、入力された順位に基づいて、順位を決定する。決定部1103は、総戸開閉数に基づいて決定した順位よりも、入力された順位を優先する。
より詳細には、決定部1103は、操作者によって全てのゾーンとエレベータ4の組み合わせに対して順位が入力された場合、入力された順位に従う。また、決定部1103は、操作者によって一部のゾーンとエレベータ4の組み合わせに対して順位が入力された場合、操作者によって入力された順位を、総戸開閉数に基づいて決定した順位に割り込ませ、操作者によって入力された順位以下の順位を繰り下げる。
例えば、図5の上段に示すようにゾーンとエレベータ4の組み合わせに対して順位が設定された場合において、操作者がゾーン2とエレベータ4c(C号機)との組み合わせの順位を“1位”に変更する操作を入力したとする。この場合、決定部1103は、ゾーン2とエレベータ4c(C号機)との組み合わせの順位を“1位”に変更し、それまで“1位”だったゾーン3とエレベータ4a(A号機)との組み合わせと、ゾーン3とエレベータ4c(C号機)との組み合わせの順位を、3位に繰り下げる。
次に、以上のように構成された本実施形態の群管理制御装置100で実行される待機階床の割当処理の流れの詳細を説明する。
図10は、第3の実施形態に係る待機階床の割当処理の流れの一例を示すフローチャートである。
S1の所定の時間が経過したか否かの判定処理から、S3のゾーンとエレベータ4の組み合わせごとに、総戸開閉数が少ない順に順位を決定する処理までは、第1の実施形態と同様である。
次に、受付部109は、操作者からの順位の入力を受け付けたか否かを判定する(S31)。
受付部109は、操作者からの順位の入力を受け付けたと判定した場合(S3“Yes”)、受け付けた入力結果を、決定部1103に送出する。この場合、決定部1103は、入力された順位に基づいて、全体の順位を変更する(S5)。
受付部109が操作者からの順位の入力を受け付けていないと判定した場合、(S31“No”)、決定部1103は、S4の順位が同一となるゾーンとエレベータとの組み合わせの有無の処理を実行する。また、S32の処理の実行後も、決定部1103は、S4の処理を実行する。
なお、本実施形態においては、ゾーンとエレベータ4の組み合わせの順位の重複を解消するS4〜S5の処理の前に、決定部1103が操作者からの順位の入力を受け付けるものとしているが、ゾーンとエレベータ4の組み合わせの順位の重複を解消した後に、受付部109操作者からの順位の入力を受け付けても良い。
S4の順位が同一となるゾーンとエレベータとの組み合わせの有無の処理から、S11の待機階床の指令を単体制御装置9に送信する処理までは、第2の実施形態と同様である。
このように、本実施形態の群管理制御装置100は、操作者による順位の入力を受け付けた場合に、入力された順位に基づいて、ゾーンとエレベータ4の組み合わせごとの順位を決定する。このため、本実施形態の群管理制御装置100によれば、第1、第2の実施形態の効果に加えて、現場の保守員等の判断を、順位に反映することができる。
なお、本実施形態では、第2の実施形態の構成に決定部1103と、受付部109とを適用したが、第1の実施形態にこれらの構成を適用しても良い。
(第4の実施形態)
この第4の実施形態では、群管理制御装置100は、さらに、エレベータ4の周囲の環境を加味して順位を決定する。
図11は、第4の実施形態に係る群管理制御装置100の機能的構成の一例を示すブロック図である。図11に示すように、本実施形態の群管理制御装置100は、計数部101と、計時部102と、決定部2103と、割当部104と、指令部1105と、予測部106と、算出部107と、変更部108と、受付部109と、測定部110と、推定部111と、記憶部120とを備える。
計数部101と、計時部102と、割当部104と、指令部1105と、予測部106と、算出部107と、変更部108と、受付部109とは、第3の実施形態と同様の機能を備える。記憶部120は、第3の実施形態と同様に、ゾーン情報121と、戸開閉数情報122と、前回戸開閉数情報123とを記憶する。
測定部110は、複数のエレベータ4の周囲の環境に関する環境情報を測定する。
環境情報は、例えば、エレベータ4の周囲の温度または湿度等であるが、これらに限定されるものではない。また、環境情報は、階床におけるエレベータ4のホール側機器の周囲の温度または湿度等でも良い。
例えば、測定部110は、エレベータ群3に含まれるエレベータ4a〜4cの付近にそれぞれ設置された複数の温度計または湿度計から、温度や湿度を取得する。
なお、本実施形態においては、群管理制御装置100のCPUがプログラムを実行することによって実現される機能を「測定部」と称しているが、群管理制御装置100に温度や湿度の計測値を送信する温度計または湿度計を、「測定部」と称しても良い。この場合、「測定部」は、群管理制御装置100外に設けられるものとしても良い。
測定部110は、環境情報を推定部111に送出する。
推定部111は、測定部110によって測定された環境情報に基づいて、複数のエレベータ4の各々の劣化の進行度を推定する。例えば、推定部111は、測定された温度が、基準となる平常温度よりも10℃高い場合に、アレニウスの法則に基づいて、劣化進行度が基準の2倍であると推定する。なお、推定手法および推定結果はこれに限定されるものではない。
より詳細には、測定部110は、推定した劣化の進行度を、複数のエレベータ4の戸開閉に伴う劣化に換算した劣化係数を算出する。例えば、測定部110は、劣化の進行度が基準の2倍であると推定した場合、劣化係数を“2”とする。劣化係数が“2”であるとは、総戸開閉数が2倍になったのと同程度に、エレベータ4の劣化が進行していることを表す。
なお、測定部110は、エレベータ4ごとに、劣化の進行度を推定しても良いし、エレベータ4の階床ごとに、劣化の進行度を推定しても良い。
測定部110は、劣化の進行度の推定結果に基づく劣化係数を、決定部2103に送出する。
本実施形態の決定部2103は、第1〜3の実施形態と同様の機能を備えた上で、推定部111によって推定された劣化の進行度に基づいて、ゾーンとエレベータ4との組み合わせごとの順位を調整する。
より詳細には、決定部2103は、推定部111によって算出された劣化係数を、予測部106によって算出された現在から所定の時間が経過した時点までの総戸開閉数の増加量に乗算する。決定部2103は、該乗算結果を、戸開閉数情報122に登録された現在における複数のエレベータ4の各々の総戸開閉数に加算し、該乗算結果に基づいて、順位を決定する。
例えば、図5の上段に示すように、ゾーン3とエレベータ4a(A号機)との組み合わせの総戸開閉数が“500回”であり、ゾーン2とエレベータ4c(C号機)との組み合わせの総戸開閉数が“550回”であるとする。また、予測部106によって算出された現在から所定の時間が経過した時点までの総戸開閉数の増加量が、ゾーン3とエレベータ4a(A号機)との組み合わせでは“50回”、ゾーン2とエレベータ4c(C号機)との組み合わせでは“40回”とする。また、推定部111によって推定されたエレベータ4a(A号機)の劣化係数が“2”、エレベータ4c(C号機)の劣化係数が“1”であるとする。
この場合、ゾーン3とエレベータ4a(A号機)の組み合わせの所定の時間における劣化を加味した総戸開閉数は、“500+50×2”、つまり“600回”となる。これに対し、ゾーン2とエレベータ4c(C号機)との組み合わせの所定の時間における劣化を加味した総戸開閉数は、“550+40×1”、つまり“590回”となる。この場合、決定部2103は、ゾーン2とエレベータ4c(C号機)との組み合わせの順位を、ゾーン3とエレベータ4a(A号機)の組み合わせの順位よりも高くする。
次に、以上のように構成された本実施形態の群管理制御装置100で実行される待機階床の割当処理の流れの詳細を説明する。
図12は、第4の実施形態に係る待機階床の割当処理の流れの一例を示すフローチャートである。
S1の所定の時間が経過したか否かの判定処理は、第1の実施形態と同様である。
次に、測定部110は、複数のエレベータ4の周囲の環境に関する環境情報を測定する(S41)。測定部110は、環境情報を推定部111に送出する。
そして、推定部111は、測定部110によって測定された環境情報に基づいて、複数のエレベータ4の各々の劣化の進行度を推定し、推定した劣化の進行度から劣化係数を算出する(S42)。
次の、S43の所定の期間の経過後の総戸開閉数の増加量を予測する処理は、第2の実施形態におけるS21の処理と同様である。
そして、決定部2103は、予測された増加量と、劣化係数と、現在の総戸開閉数とに基づいて、劣化を加味した総戸閉回数を算出する(S45)。
次に、決定部2103は、劣化が加味された総戸開閉数に基づいて、ゾーンとエレベータ4の組み合わせごとに、総戸開閉数が少ない順に順位を決定する(S3)。
S31の操作者から順位の入力を受け付けたか否かの判定の処理から、S11の待機階床の指令を単体制御装置9に送信する処理までは、第3の実施形態と同様である。なお、本実施形態においては、所定の期間の経過後の総戸開閉数の増加量を予測する処理をS43で先に実行しているため、S22の所定の時間が経過した時点における総戸開閉数を算出する処理においては、S43で算出された増加量を使用する。また、S43とは別に、S21の処理が実行されるものとしても良い。
このように、本実施形態の群管理制御装置100は、複数のエレベータ4の周囲の環境に関する環境情報に基づいて、複数のエレベータ4の各々の劣化の進行度を推定し、推定した劣化の進行度に基づいて、ゾーンとエレベータ4との組み合わせの順位を調整する。このため、本実施形態の群管理制御装置100によれば、劣化の進行度を加味してゾーンにエレベータ4を割当てるため、第1〜3の実施形態の効果に加えて、各エレベータ4、および各エレベータ4のホール側機器の負荷の偏りをより高精度に平均化することができる。
なお、本実施形態では、第3の実施形態の構成に決定部2103と、測定部110と、推定部111とを適用したが、第1の実施形態、または第2の実施形態にこれらの構成を適用しても良い。
また、本実施形態では、決定部2103は、現在から所定の時間が経過した時点までの総戸開閉数の増加量に、劣化係数を乗算することにより、将来における劣化の程度を算出しているが、現時点における戸開閉数情報122に劣化係数を乗算することにより、過去における劣化の程度を算出しても良い。
(第5の実施形態)
この第5の実施形態では、群管理制御装置100は、さらに、休止しているエレベータ4がある場合に、建物の階床のゾーンの設定を変更する。
図13は、第5の実施形態に係る群管理制御装置100の機能的構成の一例を示すブロック図である。図13に示すように、本実施形態の群管理制御装置100は、計数部101と、計時部102と、決定部3103と、割当部104と、指令部1105と、予測部106と、算出部107と、変更部108と、受付部109と、測定部110と、推定部111と、休止号機判定部112と、分割部113と、記憶部120とを備える。
計数部101と、計時部102と、割当部104と、指令部1105と、予測部106と、算出部107と、変更部108と、受付部109と、測定部110と、推定部111とは、第4の実施形態と同様の機能を備える。記憶部120は、第4の実施形態と同様に、ゾーン情報121と、戸開閉数情報122と、前回戸開閉数情報123とを記憶する。
休止号機判定部112は、複数のエレベータ4の中に、休止中のエレベータ4があるか否かを判定する。例えば、各エレベータ4が休止中であるか、運行中であるかを表す運行情報が、記憶部120に保存されているものとしても良い。この場合、休止号機判定部112は、運行情報に基づいて、休止中のエレベータ4の有無を判定する。あるいは、休止号機判定部112は、単体制御装置9から、エレベータ4の運行状況を表す情報を取得しても良い。
休止号機判定部112は、休止中のエレベータ4の有無の判定結果を、分割部113に送出する。また、休止号機判定部112は、休止中のエレベータ4があると判定した場合は、該エレベータ4を特定可能な識別情報を、分割部113に送出する。
分割部113は、休止号機判定部112によって休止中のエレベータ4があると判定された場合に、休止中のエレベータ4を除外した複数のエレベータ4の数に応じて、複数の階床を複数のゾーンに分割する。
例えば、休止中のエレベータ4がある場合、当該エレベータ4以外の運行中のエレベータ4間で負荷の分散ができるように、ゾーンの再設定を行うことで、運行中のエレベータ4の負荷の偏りを低減する。また、休止中のエレベータ4に割当てられたゾーンでは、待機するエレベータ4の数が減少しているため、そのままのゾーン設定では、当該ゾーンにおける利用者の待ち時間が他のゾーンよりも長くなる可能性がある。
一例として、図3に示した例では、6階建の建物を2階床ずつ3つのゾーンに分割している。当該設定を初期設定とする。仮に、エレベータ4a(A号機)が休止中となった場合、初期設定のままでは、エレベータ4a(A号機)に割当てられていたゾーン1に対応する運行中のエレベータ4が無い状態となる。この場合、建物の1階で待機するエレベータ4がないため、利用者の待ち時間が長くなる可能性がある。
このような場合、分割部113は、運行中の2台のエレベータの台数に合わせて当該建物の階床を1〜3階と、4〜6階の2つのゾーンに均等に分割する。この場合、1階と4階が待機階床となるので、エレベータ4の待機階床の偏りが低減する。なお、本実施形態では、一例として、運行中の2台のエレベータの台数で建物の階床の数を除算した値を、ゾーン1つ当たりに含まれる階床の数としたが、運行中のエレベータ4の台数と、ゾーンの数の関係はこれに限定されるものではない。
分割部113は、ゾーンの分割結果を、ゾーン情報121に保存する。なお、分割部113は、再分割されたゾーンの設定を保存する場合に、ゾーンの分割の初期設定は削除せずに保存しておくものとする。
また、分割部113は、前回の待機階床の割当処理から所定の期間がまだ経過していない時点であっても、休止中のエレベータ4がある場合には、ゾーンの分割を行う。また、分割部113は、ゾーンの分割を行った場合には、決定部3103および測定部110に、ゾーンの設定を変更したことを通知する。
本実施形態の決定部3103は、第1〜3の実施形態と同様の機能を備えた上で、分割部113によってゾーンの設定が変更された場合に、変更後のゾーンの設定に基づいて、各エレベータ4のゾーンごとの総戸開閉数を算出し、ゾーンとエレベータ4の組み合わせごとに、総戸開閉数が少ない順に順位を決定する。
次に、以上のように構成された本実施形態の群管理制御装置100で実行される待機階床の割当処理の流れの詳細を説明する。
図14は、第5の実施形態に係る待機階床の割当処理の流れの一例を示す第1のフローチャートである。また、図15は、第5の実施形態に係る待機階床の割当処理の流れの一例を示す第2のフローチャートである。
まず、休止号機判定部112は、複数のエレベータ4の中に、休止しているエレベータ4があるか否かを判定する(S51)。
休止号機判定部112は、休止しているエレベータ4があると判定した場合(S51“Yes”)、該エレベータ4を特定可能な識別情報を、分割部113に送出する。
そして、分割部113は、ゾーンの設定が、運行中のエレベータの台数に合わせて変更済みであるか否かを判定する(S52)。
分割部113は、ゾーンの設定が、運行中のエレベータの台数に合わせて変更されていないと判定した場合は(S52“No”)、休止中のエレベータ4を除外した台数に応じて、複数の階床を複数のゾーンに分割する(S53)。この場合、分割部113は、決定部3103および測定部110に、ゾーンの設定を変更したことを通知する。
そして、測定部110は、図15のS41の環境情報の測定の処理を実行する。S41から、S11の待機階床の指令を単体制御装置9に送信する処理までは、第4の実施形態と同様である。
また、分割部113が、ゾーンの設定が運行中のエレベータの台数に合わせて既に変更されていると判定した場合は(S52“Yes”)、このフローチャートの処理は終了する。
また、休止号機判定部112は、休止しているエレベータ4がないと判定した場合(S51“No”)、休止しているエレベータ4がないことを、分割部113に通知する。
この場合、分割部113は、ゾーンの設定が初期設定から変更されているか否かを判定する(S54)。例えば、休止していたエレベータの運行が再開した後に、ゾーンの設定が休止していたエレベータ4を除外した状態のままである場合、分割部113は、ゾーンの設定が初期設定から変更されていると判定する(S54“Yes”)。この場合、分割部113は、ゾーンの設定を初期設定に戻す(S55)。S55の処理の後は、図15に示すように、通常通り、計時部102が所定の時間が経過したか否かの判定処理を実行する。S1以降の処理は、第4の実施形態と同様である。
また、分割部113がゾーンの設定が初期設定から変更されていないと判定した場合(S54“No”)にも、S1の処理が実行される。
このように、本実施形態の群管理制御装置100は、休止中のエレベータ4がある場合に、休止中のエレベータ4を除外した複数のエレベータ4の数に応じて、複数の階床を複数のゾーンに分割する。このため、本実施形態の群管理制御装置100によれば、休止中のエレベータ4がある場合にも、エレベータ4の待機階床の偏りを低減することができる。
なお、本実施形態では、第4の実施形態の構成に休止号機判定部112と、分割部113とを適用したが、第1〜第3の実施形態にこれらの構成を適用しても良い。
以上説明したとおり、第1から第5の実施形態によれば、複数のエレベータが設置された建物において、ホール側機器の負荷の偏りを低減することができる。
上述の各実施形態の群管理制御装置100で実行される待機階床の割当プログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、上述の各実施形態の群管理制御装置100で実行される待機階床の割当プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、上述の各実施形態の群管理制御装置100で実行される待機階床の割当プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。また、上述の各実施形態の群管理制御装置100で実行される待機階床の割当プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
上述の各実施形態の群管理制御装置100で実行される待機階床の割当プログラムは、上述した各部(計数部、計時部、決定部、割当部、指令部、予測部、算出部、変更部、受付部、測定部、推定部、休止号機判定部、分割部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、計数部、計時部、決定部、割当部、指令部、予測部、算出部、変更部、受付部、測定部、推定部、休止号機判定部、分割部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
また、計数部、計時部、決定部、割当部、指令部、予測部、算出部、変更部、受付部、測定部、推定部、休止号機判定部、分割部は、ハードウェア回路によって実現されても良い。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。