以下、本発明の実施形態による配線収容什器について説明する。図1は、本発明に係る配線収容什器の斜視図、図2は、配線収容什器の分解斜視図、図3は、配線収容什器の平面図、図4は、図3のA−A線断面図である。図1及び図2に示すように、配線収容什器1は、収容部材10を備えている。収容部材10は、長尺状をなしており、上方が開口している。収容部材10は、水平方向に延在している。なお、収容部材10の延在方向を左右方向といい、水平面上における左右方向に直交する方向を前後方向という。
収容部材10の一端部(左端部)には、左端部部材20が設けられ、収容部材10の他端部(右端部)には、右端部部材30が設けられている左端部部材20及び右端部部材30は、互いに対称形状をなしている。左端部部材20及び右端部部材30は、収容部材10の長手方向略中央位置を通過する面を対称面として面対称となるように配置されている。
収容部材10は、左端部部材20及び右端部部材30の下方における前後方向略中央位置に接続されている。また、左端部部材20及び右端部部材30の上方における前後方向略中央位置には、連結部材40が接続されている。連結部材40は、上方が開口し、左右方向に延在しており、左端部部材20と右端部部材30とを連結している。また、連結部材40の左右方向の長さは、収容部材10の左右方向の長さと略同一とされている。
収容部材10及び連結部材40の前側には、前方上部カバー部材50が設けられており、収容部材10及び連結部材40の後側には、後方上部カバー部材60が設けられている。前方上部カバー部材50及び後方上部カバー部材60は、互いに対称形状をなしており、収容部材10の前後方向略中央の軸を通過する面を対称面として面対称となるように配置されている。前方上部カバー部材50及び後方上部カバー部材60は、左端部部材20及び右端部部材30の間の空間の上方を覆っている。
また、左端部部材20の外側(左側)には、端部カバー部材70が取り付けられている。右端部部材30の外側(右側)にも端部カバー部材が取り付け可能であるが、本形態では、右端部部材30の外側における端部カバー部材は取り付けられていない状態を示している。図4に示すように、端部カバー部材70の左端部部材20に対する取付面の前後方向の幅D1は、収容部材10の幅(収容部材10における左端部部材20と接続される面の前後方向の幅)D2よりも広くされている。
連結部材40の上方には、センターカバー部材80が設けられている。センターカバー部材80の左右方向の長さは、連結部材40の左右方向の長さと略同一とされている。センターカバー部材80の前後方向の幅D3は、連結部材40の開口部の長さより長く、前後方向の最大幅D4よりも短くされている。連結部材40の上方の開口は、センターカバー部材80によって閉塞されている。
前方上部カバー部材50、後方上部カバー部材60及びセンターカバー部材80が収容部材10、左端部部材20、右端部部材30、連結部材40に取り付けられた際、図3に示すように、前方上部カバー部材50とセンターカバー部材80との間、及び後方上部カバー部材60とセンターカバー部材80との間にそれぞれ隙間が形成される。これらの隙間を介して、配線収容什器1を上方から覗いたときに、連結部材40の一部が視認可能となっている。
収容部材10は、図4に示すように、収容部本体11を備えている。この収容部本体11の内部に図示しない配線ケーブルが収容されている。収容部本体11は、前板部11A、下板部11B、後板部11Cを備えている。前板部11A及び後板部11Cのそれぞれの下端辺の間に下板部11Bが設けられている。
前板部11Aの上端部には、後向折曲部11Dが設けられ、後向折曲部11Dの後端部は、前側下向折曲部11Eとされている。前側下向折曲部11Eの下端部は、前向折返部11Fとされている。後板部11Cの上端部には、前向折曲部11Gが設けられ、前向折曲部11Gの前端部は、後側下向折曲部11Hとされている。後側下向折曲部11Hの下端部は、後向折返部11Iとされている。こうして、収容部本体11はケーブルダクトとして構成されている。収容部本体11は、例えば折り曲げ加工によって一体的に形成されている。
収容部本体11の前板部11Aにおける収容部本体11の延在方向の途中位置には、複数の下部接続孔12が設けられている。これらの複数の下部接続孔12は、左右方向に沿って略等間隔で離間して配置されている。また、収容部本体11における後板部11Cにも同様に複数の下部接続孔12が設けられている。
収容部本体11における後向折曲部11Dには、ナット取付部13が設けられている。ナット取付部13は、後向折曲部11Dに複数設けられており、複数のナット取付部13は、左右方向に沿って略等間隔で離間して配置されている。また、収容部本体11における前向折曲部11Gにも同様に複数のナット取付部13が設けられている。隣り合うナット取付部13の離間距離は、隣り合う下部接続孔12の離間距離と同一とされている。また、複数の下部接続孔12とナット取付部13とは、左右方向に同一の位置に配置されている。
収容部本体11の左端部には、整理板14が設けられている。整理板14には、複数の孔部が形成されており、これらの孔部に配線を挿通させることによって、収容部本体11に収容される配線ケーブルをまとめたり整理したりするようにしている。また、図示はしないが、収容部本体11の右端部にも同様の整理板が設けられている。
左端部部材20は、平板状の左端部板材21を備えている。左端部板材21は、略上下方向を向いた短片と前後方向を向いた長辺とを備えており、短辺は、長辺よりもやや短い正方形に近い長方形をなしている。左端部部材20の前後方向の幅D5は、収容部材10における左端部部材20と接続される面の前後方向の幅D2よりも広くされている。左端部板材21の前側及び後ろ側には、それぞれ貫通孔22が設けられている。2つの貫通孔はいずれも同じ形状をなしており、長方形状を成しており、その短辺は、左端部板材21における短辺の半分の長さよりも短く長辺よりもやや短い長さを有している。
左端部部材20における前側側面の上方部及び下方部には、それぞれスリット23が設けられている。また、左端部部材20における後側側面の上方部及び下方部も、同様のスリットが設けられている。さらに、左端部部材20における下側面の前部及び後部には、それぞれ支持脚24が設けられている。支持脚24には、アジャスタが設けられており、左端部部材20の高さ調整が可能となるようにされている。
また、左端部板材21における前後方向略中央位置の上部及び下部には、それぞれ取付貫通孔25が設けられている。取付貫通孔25は、左端部板材21を貫通して設けられている。また、左端部部材20における上側面26の前後方向略中央位置の左端部(外側端部)には、挿入孔が設けられている。左端部部材20の中央上方位置には、端部突出部27が設けられている。
配線収容什器1は単独で使用したり、並設して使用したりすることがあり、単独で使用する場合等には、左端部部材20及び右端部部材30のそれぞれに端部カバー部材70が取り付けられる。また、配線収容什器1を並設して使用する場合には、左端部部材20及び右端部部材30のうち、隣り合う配線収容什器1が配置される側には、端部カバー部材70を取り付けることなく、一方の配線収容什器1の左端部部材20と他方の配線収容什器1の右端部部材30とを接続する。このとき、取付貫通孔25にボルトナットが締め付けられて、隣り合う配線収容什器1が固定される。また、配線収容什器1同士の間では、貫通孔22,32を通して、配線が設けられる。
右端部部材30は、左端部部材20の左端部板材21と同様の右端部板材31を備えている。右端部板材31には、左端部板材21の貫通孔22、スリット23、支持脚24、取付貫通孔25、上側面26、及び端部突出部27と同様の貫通孔32、スリット33、支持脚34、取付貫通孔35、上側面36、及び端部突出部37が設けられている。右端部部材30の前後方向の幅D5は、収容部材10における右端部部材30と接続される面の前後方向の幅D2よりも広くされている。また、左端部部材20及び右端部部材30は、収容部材10の両端部をそれぞれ支持している。
連結部材40は、連結部材本体41を備えている。連結部材本体41は、図4に示すように、上方が開口する略コ字形状をなしている。連結部材本体41における前側上端辺には、図2に示すように、それぞれ前方に突出する突出片42が複数設けられている。突出片の先端部には、立ち上がり部42Aが形成されている。複数の突出片42は、左右方向に沿って略等間隔で配置されている。連結部材本体41における後側上端辺には、それぞれ後方に突出する突出片42が複数設けられている。これらの突出片42も、左右方向に沿って略等間隔で配置されている。
また、連結部材本体41の前側片における延在方向の途中位置には、それぞれ上部接続孔43及びナット取付孔44が設けられている。上部接続孔43は、連結部材本体41の前側片の下方部にそれぞれ設けられている。ナット取付孔44は、上部接続孔43の上方であって、連結部材本体41の前側片の上下方向中央よりもやや上側に設けられている。上部接続孔43及びナット取付孔44は、連結部材本体41の前側片に複数設けられており、複数の上部接続孔43及びナット取付孔44は、略等間隔で配置されている。連結部材本体41の後側片にも、同様の上部接続孔43及びナット取付孔44が設けられている。
連結部材40に設けられた隣り合う上部接続孔43及びナット取付孔44の離間距離は、収容部材10に設けられた隣り合う下部接続孔12の離間距離と同一とされている。また、収容部材10に設けられた下部接続孔12及びナット取付部13と、連結部材40に設けられた上部接続孔43及びナット取付孔44とは、互いに上下方向に沿って略一直線上に配置されている。
また、連結部材本体41の前側上端辺から突出する複数の突出片42のうち、隣り合う突出片42同士の間には、図2に示すように、上方位置規制部45が設けられている。同様に、連結部材本体41の後側上端辺から突出する複数の突出片42のうち、隣り合う突出片42同士の間にも、上方位置規制部45が設けられている。上方位置規制部45は、収容部材10に設けられた下部接続孔12及びナット取付部13と、連結部材40に設けられた上部接続孔43及びナット取付孔44とともに、互いに上下方向に沿って略一直線上に配置されている。
連結部材40の左側端部には、上方整理板46が設けられている。連結部材40は、断面略コ字形状であるため、ここにも配線ケーブルを収容することができる。連結部材40に配線ケーブルを収容する際には上方整理板46によって配線ケーブルを整理することができる。なお、連結部材40には、配線ケーブルを収容しないようにしてもよい。
連結部材40における突出片42は、平面視して、前方上部カバー部材50及び後方上部カバー部材60を避けた位置に配置されている。このため、配線収容什器1を上方から覗いたときには、連結部材40における突出片42が視認可能とされている。また、突出片42の間における上方位置規制部45も視認可能とされている。このため、配線収容什器1を上方から覗いたときには、上方位置規制部45を介して、配線収容什器1が設置されている設置面である床面R(図7参照)が視認可能とされている。
前方上部カバー部材50は、前方上部カバー部材本体51を備えている。前方上部カバー部材本体51は、前側立設板部51Aと、前側平面板部51Bと、を備えている。前側立設板部51Aは、収容部材10及び連結部材40の前側に配置されている。前側立設板部51Aの下端辺は、収容部材10の下端辺と略同じ高さ位置とされている。前側立設板部51Aの上端辺は、連結部材40の上端辺よりも高い位置とされている。正面側から見た場合、収容部材10と連結部材40とは、前側立設板部51Aに隠されて外側からは見えないようにされている。
前側平面板部51Bは、前側立設板部51Aの上端辺から後方に向けて延在する板状の部材である。前側立設板部51Aの下端辺には、前側後向折曲部51Cが設けられ、前側後向折曲部51Cの後端辺には、前側上向折曲部51Dが設けられている。さらに、前側平面板部51Bの後端辺には、前側下向折曲部51Eが設けられ、前側下向折曲部51Eの下端辺には、前側前向折曲部51Fが設けられている。前方上部カバー部材50は、例えば折り曲げ加工によって一体的に形成されている。
また、前方上部カバー部材50の左右方向の長さは、収容部材10及び連結部材40の左右方向の長さよりも長い。また、前方上部カバー部材50の左右方向の長さは、収容部材10及び連結部材40の左右に左端部部材20及び右端部部材30を取り付けたときの長さと略同一である。
前方上部カバー部材50の前側平面板部51Bには、前側蓋部材52が取り付けられる前側上方開口部53が設けられている。図2では、前側蓋部材52が前側上方開口部53を閉塞した状態を示している。前側蓋部材52は、左右方向に沿って離間して複数、本実施形態では3枚配置されている。これらの前側蓋部材52を取り付け可能となるように、前側平面板部51Bには、複数、本実施形態では3個の前側上方開口部53が左右方向に沿って離間して設けられている。
前側立設板部51Aの左右両端には、それぞれ前側立設端部54が設けられており、前側平面板部51Bの左右両端には、それぞれ前側平面端部55が設けられている。前側立設端部54の後側の面には、図4及び図5に示すように、フック部材56が設けられている。フック部材56は、前側立設端部54の後側の面において、高さ方向に離間して2つ設けられている。前方上部カバー部材50は、連結部材40と左端部部材20と右端部部材30とによって支持されている。
後方上部カバー部材60は、前方上部カバー部材50と対称形をなしており、前方上部カバー部材50の前方上部カバー部材本体51(前側立設板部51A、前側平面板部51B)、前側蓋部材52、前側上方開口部53、前側立設端部54、前側平面端部55、及びフック部材56と同様の後方上部カバー部材本体61(後側立設板部61A、後側平面板部61B、後側前向折曲部61C、後側上向折曲部61D、後側下向折曲部61E、後側前向折曲部61F)、後側蓋部材62、後側上方開口部63、後側立設端部64、後側平面端部65、及びフック部材66を備えている。また、後方上部カバー部材60は、連結部材40と左端部部材20と右端部部材30とによって支持されている。なお、図2では、後側蓋部材62が後側上方開口部63から取り外された状態を示している。
左端部部材20の外側には、端部カバー部材70が設けられている。端部カバー部材70は板状の部材である。端部カバー部材70における内側の面には、図示しないフックが設けられ、左端部部材20の外側の面に図示しないスリットが設けられている。このフックがスリットに挿入されて端部カバー部材70は、左端部部材20に支持されている。
センターカバー部材80は、センターカバー部材本体81を備えている。センターカバー部材本体81は、図4に示すように、前側板部81A、上側板部81B、後側板部81Cを備えている。前側板部81A及び後側板部81Cのそれぞれの上端辺の間に上側板部81Bが設けられている。
前側板部81Aの下端部には、下側後向折曲部81Dが設けられ、後側板部81Cの下端部には、下側前向折曲部81Eが設けられている。センターカバー部材本体81は、例えば折り曲げ加工によって一体的に形成されている。また、センターカバー部材80は、連結部材40と左端部部材20と右端部部材30とによって支持されている。
センターカバー部材本体81の左側端部の内側(左側)及び右側端部の内側(右側)には、それぞれ蓋部材82が取り付けられる溝部83が設けられている。この溝部83には、センターカバー部材本体81の上下を貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に対して配線を挿通可能とされている。また、貫通孔に配線を挿通しない状態では、溝部83に蓋部材82を取り付け、溝部83における貫通孔を閉塞可能とされている。
また、配線収容什器1は、設置面の上に他の什器と隣接して設置される。以下に、配線収容什器1と他の什器との設置関係について説明する。図6は、配線収容什器に台座の脚部を取り付けた状態の斜視図、図7は、配線収容什器に台座の脚部を取り付けた状態の要部側面図、図8は、配線収容什器に取り付けた台座に棚を設けた状態の斜視図である。
設置面の上に他の什器と隣接して設置する際には、図6及び図7に示すように、配線収容什器1に台座90を設け、台座90の上に他の什器、例えば図8に示す棚を設けることができる。以下、配線収容什器1と台座90の関係について説明し、続いて、棚を設けた配線収容什器1について説明する。
図6及び図7に示すように、台座90は、台座脚部91を備えている。台座脚部91は、断面矩形の棒状部材であり、上下方向(鉛直方向)に延在して配置されている。台座90は、2本の台座脚部91を備えており、台座脚部91は、前方上部カバー部材50における前側蓋部材52(図1参照)が取り外された前側上方開口部53を貫通している。また、台座脚部91の上端部に台座プレート92が例えば溶接によって固定されている。
台座脚部91の下端部には、脚部支持脚93が設けられている。脚部支持脚93は、床面Rに立設されているため、台座脚部91は、自立している。さらに、脚部支持脚93には、高さ調整が可能とされたアジャスタが設けられており、台座脚部91の高さ調整が可能となるようにされている。
台座90における2本の台座脚部91のうちの1本は、上方位置規制部45に収容されている。上方位置規制部45に収容された台座脚部91は、図7に示すように、前後方向に見て連結部材の上部接続孔43及びナット取付孔44、収容部材10の下部接続孔12及びナット取付部13に重なる位置に配置されている。
台座脚部91は、ボルト95によって連結部材40及び収容部材10に固定される。このため、連結部材40のナット取付孔44及び収容部材10のナット取付部13には、それぞれクリップナット98が取り付けられる。クリップナット98は、矩形のクリップ部と、クリップ部に取り付けられたナット部とを備えている。ナット取付孔44は、クリップナット98のクリップ部の幅と略同一の幅を有しており、クリップナット98のクリップ部をナット取付孔44に差し込むことで、クリップナット98を連結部材40に取り付けることができる。同様に、ナット取付部13は、クリップナット98のクリップ部の幅と略同一の幅を有しており、クリップナット98のクリップ部をナット取付部13に差し込むことで、クリップナット98を収容部材10に取り付けることができる。
クリップナット98におけるナット部は、クリップ部をナット取付孔44に取り付けた際に、上部接続孔43に対応する位置に設けられている。また、クリップナット98におけるナット部は、クリップ部をナット取付部13に取り付けた際に、下部接続孔12に対応する位置に設けられている。台座脚部91には、図示しない貫通孔が上部接続孔43及び下部接続孔12に対応する位置に設けられており、台座脚部91の前側から貫通孔を通してクリップナット98のクリップ部にボルト95が締め付けられて台座脚部91が連結部材40及び収容部材10に固定されている。クリップナット98にボルト95が締め付けられることにより、台座脚部91の左右方向への移動が規制されている。また、ボルト95は、上部接続孔43及び下部接続孔12をそれぞれ貫通している。ボルト95が上部接続孔43及び下部接続孔12を貫通していることから、台座脚部91の上下方向への移動が規制されている。
また、台座脚部91は、連結部材の上方位置規制部45に配置され、ボルト95によって連結部材40及び収容部材10に固定されている。こうして、上方位置規制部45は、台座脚部91の水平位置を位置決めしている。また、台座脚部91は、上方で位置決めされ、下方で固定されることにより、その左右方向に対する位置決めがなされるとともに、ボルト95を中心とした回転が抑制されている。
図8に示すように、台座90には、棚100が図示しないボルト等によって取り付けられている。棚100は、前方上部カバー部材50上に設置されており、背後にはパネル2が立設されている。こうして、配線収容什器1は、棚100に隣接して設置されている。また、台座90は、脚部支持脚93が床面Rに自立しているので、棚100の荷重は、配線収容什器1にほとんどかからないようにされている。
以上の構成を有する本実施形態に係る配線収容什器1においては、左端部部材20及び右端部部材30の前後方向の幅D5は、いずれも収容部材10における左端部部材20及び右端部部材30と接続される面の前後方向の幅D2よりも広くされている。このため、収容部材10の側方であって、収容部材10の両端部をそれぞれ支持する左端部部材20及び右端部部材30の間に他の什器のたとえば棚100を設置する台座90の台座脚部91を配置することができる。したがって、配線収容什器1と棚100などの他の什器を設置するためのスペースが広くなることを抑制できる。また、配線収容什器1は、棚100の荷重を負担する必要が無いようされている。このため、配線収容什器1の小型化および製作コストの削減を図ることができる。さらには、棚100を設置する台座90の台座脚部91が収容部材10の両端部をそれぞれ支持する左端部部材20と右端部部材30との間に配置されるので、台座脚部91の露出を抑制することができ、意匠性も向上させることができる。
また、配線収容什器1では、左端部部材20の外側面に端部カバー部材70が配設されており、端部カバー部材70の幅(端部カバー部材70における左端部部材20に対する取付面の幅)D1は、収容部材10における左端部部材20と接続される面の幅D2よりも広くされている。このため、端部カバー部材70によって収容部材10における左端部部材20に接続される面や収容部材10の側方部分が隠される。このため、意匠性をさらに向上させることができる。
また、配線収容什器1では、収容部材10における延在方向の途中位置に、鉛直方向に延在する台座脚部91を接続可能な下部接続孔12が設けられている。このため、配線収容什器1と棚100との位置ずれを抑制することができる。また、配線収容什器1と棚100との全体としての構造を強固なものとすることができる。
また、配線収容什器1では、下部接続孔12が複数設けられている。このため、配線収容什器1に対する種々の位置に台座脚部91を配置した際でも、配線収容什器と棚100との位置ずれを抑制することができる。このため、配線収容什器1に対する棚100の配置位置の自由度を高くすることができる。
また、配線収容什器1では、収容部材10の上方に設けられた連結部材40を備え、連結部材における延在方向の途中位置に、下部接続孔12に接続される台座脚部91の水平位置を位置決めする上方位置規制部45が設けられている。このため、配線収容什器1に対する台座脚部91の傾斜を抑制することができる。また、下部接続孔12で接続される台座脚部91が上方位置規制部45で位置決めされるので、下部接続孔12を回転中心とする台座脚部91の回転を抑制することができる。
なお、上記実施形態では、連結部材40の上方位置規制部45を設けているが、連結部材40の上方位置規制部45を設ける例に代えて、収容部材10に下方位置規制部を、上方位置規制部45が設けられた左右位置を共通として設けてもよい。この場合、配線収容什器1に対する台座脚部91の傾斜を抑制することができる。また、上部接続孔43で接続される台座脚部91が下方位置規制部で位置決めされるので、上部接続孔43を回転中心とする台座脚部91の回転を抑制することができる。
また、配線収容什器1では、前方上部カバー部材50及び後方上部カバー部材60を避けた位置に上方位置規制部45が配置されている。このため、前方上部カバー部材50及び後方上部カバー部材60を取り外すことなく台座脚部91を上方位置規制部45に挿通させることができる。その結果、配線収容什器1と棚100とを容易に接続することができる。
また、上記のように上方位置規制部45に代えて、収容部材10に下方位置規制部材を設けた場合も、前方上部カバー部材50及び後方上部カバー部材60を避けた位置に下方位置規制部が配置されていることとなる。このため、前方上部カバー部材50及び後方上部カバー部材60を取り外すことなく台座脚部91を上方位置規制部45に挿通させることができる。その結果、配線収容什器1と棚100とを容易に接続することができる。
また、配線収容什器1では、前方上部カバー部材50及び後方上部カバー部材60にそれぞれ、前側上方開口部53及び後側上方開口部63が設けられている。このため、前方上部カバー部材50及び後方上部カバー部材60を外すことなく、前側上方開口部53または後側上方開口部63を通して配線の取出しが可能となるようにすることができる。
また、配線収容什器1では、左端部部材20及び右端部部材30にそれぞれ支持脚24,34が設けられている。このため、左端部部材20及び右端部部材30の支持脚24,34が設置面に接することになり、配線収容什器1の下で左端部部材20及び右端部部材30の間に空間を設けることが可能となる。この空間にテーブルなどの他の什器の脚端部を配置することができるので、他の什器の配置位置の制約を小さくすることができ、配線収容什器1と組み合わせ可能な什器が多彩なものとすることができる。
[配線収容什器と他の什器との組み合わせ例1]
上記の実施形態では、設置面の上に配線収容什器1と棚100とを隣接して設置する例について説明したが、配線収容什器1と他の什器とを隣接して設置してもよい。以下、その例について説明する。まず、図9を参照して、配線収容什器1と机200を隣接して設置する例について説明する。
図9は、配線収容什器の他の使用例を示す斜視図である。図9に示すように、配線収容什器1には、2つの机200,200が隣接して設置されている。机200は、天板201を備えている。天板201の下面右側には、天板201を支持する前脚部202が取り付けられ、前脚部202の下端部には前支持脚203が設けられている。また、天板201の下面左側には、天板201を支持する後脚部204が取り付けられ、後脚部204の下端部には後支持脚205が設けられている。
机200における前脚部202と後脚部204とは、配線収容什器1の前後方向に沿って並設されている。机200の利用者は、例えば配線収容什器1の右側を向くようにして机200を利用するのが好適となる。
前脚部202及び後脚部204と配線収容什器1との位置関係を説明すると、前脚部202は、後脚部204よりも配線収容什器1から遠い位置に配置されている。また、前脚部202は、配線収容什器1の外側に配置されているが、後脚部204は、配線収容什器1の内側に配置されている。このため、前支持脚203は配線収容什器1の外側に配置され、後支持脚205は配線収容什器1の内側に配置されている。
配線収容什器1の左側端部近傍及び右側端部近傍にそれぞれ机200が設置されている。また、配線収容什器1の後側には、衝立220が立設され、配線収容什器1の左右方向略中央位置には、棚230が立設されている。このうちの衝立220は、配線収容什器1の前方上部カバー部材50の上に立設されている。また、棚230は、上記の実施形態における台座90と同様の図示しない台座の上に設けられている。このため、衝立220の荷重は配線収容什器1にかかるが、棚230の荷重は配線収容什器1にはほとんどかからないようにされている。また、机200は、前脚部202及び後脚部204によって自立している。このため、机200の荷重は、配線収容什器1にはほとんどかからないようにされている。なお、衝立220についても、自立するようにしてもよい。
また、机200の後脚部204は、配線収容什器1の前方上部カバー部材50における上面に設けられた前側上方開口部53(図1参照)を貫通している。また、前側上方開口部53を塞ぐ前側蓋部材52は取り外されている。配線収容什器1の前方上部カバー部材50には、3つの前側上方開口部53が設けられているが、このうちの左右それぞれの前側上方開口部53に机200の後脚部204が貫通し、左右方向中央の前側上方開口部53には、机200の後脚部204が貫通しておらず、この前側上方開口部53は、前側蓋部材52で塞がれている。
この組み合わせ例における配線収容什器1では、前側上方開口部53に机200の後脚部204が貫通して設けられている。このように、配線収容什器1では、上方位置規制部45を通過する棒状部材のほか、前側上方開口部53または後側上方開口部63(図1参照)を貫通する棒状部材を配置することもできる。したがって、配線収容什器1に隣接される什器をさらに多彩にすることができる。
[配線収容什器と他の什器との組み合わせ例2]
さらに、図10を参照して、配線収容什器1と、コンセント付トレー300を隣接して設置する例について説明する。図10は、配線収容什器のさらに他の使用例を示す斜視図である。図10に示すように、配線収容什器1には、コンセント付トレー300が隣接して設置されている。
コンセント付トレー300は、載置台301を備えている。載置台301は、2枚の板材を有する2段構造をなしており、上段には、コンセント400が設けられている。また、下段には、スマートフォンなどの小物を載置可能とされている。載置台301の後方には、背面板302が設けられている。背面板302は、左右方向に沿って設置されており、背面板302の左右の下端部には、それぞれ左脚部304及び右脚部305が設けられている。左脚部304及び右脚部305は、いずれも棒状部材であり、連結部材40に設けられた上方位置規制部45を貫通している。また、左脚部304及び右脚部305は、いずれも連結部材40の上部接続孔43及び収容部材10の下部接続孔12に対してボルトによって固定されている。
この組み合わせ例における配線収容什器1では、コンセント付トレー300の左脚部304及び右脚部305が上記の実施形態における台座脚部91と同様に取り付けられている。このため、台座脚部91と同様に、上下左右の位置決めを好適に行うことができるとともに、傾斜や回転を抑制することができる。
また、コンセント付トレー300なども設置できるようにすることで、配線収容什器1に隣接される什器をさらに多彩にすることができる。なお、この例では、コンセント付トレー300は軽量であり、コンセント付トレー300に載置されるものも軽量のものを想定しているため、左脚部304及び右脚部305を収容部材10及び連結部材40に固定してその荷重を受けるようにしているが、左脚部304及び右脚部305が自立式であるようにしてもよい。
以上、本発明による配線収容部の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記実施形態では、連結部材40に上方位置規制部45が設けられているが、収容部材10に下方位置規制部を設けるようにしてもよい。この場合、平面視して上方位置規制部45が設けられた位置と同様の位置に下方位置規制部を設けるのが好適である。
また、上記実施形態では、上方位置規制部45、下部接続孔12、上部接続孔43等を複数設けているが、これらは1つのみであってもよい。また、台座脚部91を取り付けるためのクリップナット98を用いているが、連結部材40や収容部材10に直接ナットやネジ孔等を設けるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、上方位置規制部45に棒状部材を設けるようにしているが、上方位置規制部45に配管などを通すようにしてもよい。また、配線ケーブルを通過させる空間として利用してもよい。