JP6837118B2 - 冷凍アブレーションシステム - Google Patents

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Description

本開示は、冷凍手術(cryosurgery)に関し、より詳細には、臨界点に近い状態で作用する流体を有する冷凍アブレーションカテーテル(cryoablation catheter)に関する。
心房細動は、心臓の右心房または左心房が正しく拍動しない心臓疾患であり、多くの場合、心房壁の一部の異常な電気的挙動によって引き起こされる。心房の特定の部分や、肺静脈等の心房に近い構造において、心臓の収縮を制御する電気信号の生成または伝達が正しく行われない場合があり、電気インパルスの正常な連続的伝達によってもたらされる正常収縮の間に、心房の収縮を促す異常な電気信号が生成される。このような現象は、例えば、異所性中枢と呼ばれる虚血性組織部位や、肺静脈の電気的に活発な繊維によって引き起こされる。現在、心房細動を治療する確実な方法として、ジェイムズ・コックス博士により1980年代に開発されたコックスメイズ手術が行われている。コックスメイズ手術では、メスを用いて心房壁を特定のパターンに切開することによって心房壁の残りの部分から不整脈の中枢を分離し、その後、心房壁を縫合する。治癒時には、形成された瘢痕組織が、異所性再入経路および他の異常な電気伝達を遮断し、不整脈および細動を防止するように機能する。コックスメイズ手術にはいくつかの種類があり、形成される損傷部の数および位置はそれぞれ異なる。
元来のコックスメイズ手術法は、胸部を開いた後に外科的な心房切開を要する開胸手術であった。この方法自体の成功率は高いが、胸部および心臓の切開を伴い、さらに心臓を停止させて冠状動脈バイパスを設ける必要があるため、重度の心房細動のみに適用されている。
コックスメイズ手術は、経胸腔心外膜アプローチおよび経血管心内膜アプローチにおいてアブレーションカテーテルを用いても行われている。経胸腔心外膜アプローチでは、カテーテルまたは小型プローブを用いて、コックスメイズ手術の迷路状切開線に対応する線に沿って心臓壁に線状の損傷部が形成される。経血管心内膜アプローチでは、血管系を通ってカテーテルを患者の心房まで移動させ、心房の内壁に押し付けてから通電させることによって、コックスメイズ手術の迷路状切開線に対応する損傷部が形成される。
いずれのアプローチにおいても、可撓性の冷凍プローブもしくは冷凍カテーテル、双極RFカテーテル、単極RFカテーテル(患者の皮膚上の接地パッチを使用する)、マイクロ波カテーテル、レーザーカテーテルおよび超音波カテーテル等、損傷部を形成するアブレーションカテーテルは様々な種類のものが提案されている。これらのアプローチは、低侵襲であり、心臓を拍動させたまま行うことができるため好適である。しかしながら、これらのアプローチの成功率は低い。成功率が低い要因としては、形成される損傷部が不完全であることが挙げられる。心房細動を引き起こす電気インパルスを心房の残りの部分から完全に隔離するためには、心房壁を完全に貫通している損傷部を形成する必要があるが、心臓の拍動を維持しながらこれを行うことは困難である。
人工心肺装置を使用せずに心外膜側から心臓組織にアブレーションエネルギーを効果的に加える方法(オフポンプ法)の主な課題は、正常に機能している心臓においては、毎分約5リットルの流量にて心房を通過する37℃の血液によって心房が満たされていることである。冷凍エネルギーを心外膜に印加する際には、心房内を流れる血液が「クールシンク」として機能して心臓壁を温めるため、心房壁の心内膜表面を壊死温度(約−30℃)まで低下させ難くなる。このため、貫壁状の損傷部を形成することが極めて困難となっている。
同様に、人工心肺装置を用いて心房を空にすることなく、RF、マイクロ波、レーザーまたはHIFU等の加熱エネルギーを心外膜表面に加える場合も、心房を通って流れる血液がヒートシンクとして機能して心臓壁を冷ます。このため、心房壁の心内膜表面の温度を壊死温度(約55℃)まで上げることが困難になっている。
特定の冷凍手術装置は、気化に起因する問題点も有している。液化ガスの気化プロセスにおいては、液体が気体に変わる際に著しい膨張がもたらされ、体積膨張は200倍程度になる。小径のシステムでは、この程度の膨張によって当技術分野において「ベーパーロック」と呼ばれる現象が常に発生する。この現象は、通常の冷凍プローブのチューブのような細径管内の寒剤の流れに発生する。液体寒剤の流れの前方に形成される相対的に非常に大きい体積の膨張気体が、液体寒剤の流れを遅らせる。
ベーパーロックを回避するために使用されてきた従来の方法は管径に対する制約を伴い、ベーパーロックを引き起こす気化作用に対応できる大きさの径が必要となる。搬送チューブ内で形成されるNガスを「排気」するために、他の複雑な冷凍プローブおよびチューブの構成も使用されているが、これらの構成もコスト効率およびプローブ径に制約を加えるものである。
したがって、低侵襲性であるとともに安全かつ効率的な極低温冷却を組織に対して行うための、改良された方法およびシステムが必要とされている。
本発明は上記した懸案を鑑みてなされたものである。
本開示の説明、目的および効果は、以下の詳細な説明および添付の図面によって明らかになる。
長手方向に連続的な長尺状損傷部を組織に形成するための、近臨界流体を用いる血管内冷凍アブレーションカテーテルは、長尺状シャフト、可撓性の先端組織治療部と、先端とを備えている。少なくとも1つの流体供給チューブが、近臨界流体を先端に向けて搬送するために先端治療部を通って延びている。少なくとも1つの流体戻りチューブが、先端から離れる方向に近臨界流体を搬送するために先端治療部を通って延びている。先端治療部は、供給チューブを囲んでいる可撓性の流体密閉カバーもしくは障壁層も有している。カバーおよびチューブは、流体状の熱伝導媒体が充填されている空間を集合的に画定している。熱伝導媒体、流体供給チューブおよびカバーは、チューブ束を流れる近臨界流体の流れが標的組織とカテーテルの先端治療部との間にて熱を伝達させることによって、長手方向に連続的な長尺状損傷部を組織に形成するように配置されている。
いくつかの実施形態においては、先端治療部は心内膜面の輪郭に沿って曲がり、貫壁状の連続的な長尺状損傷部を形成する冷却力を有している。
いくつかの実施形態において、近臨界を用いた可撓性の血管内多管冷凍プローブは、流体源から流入する極低温流体を受け取り、流出する極低温流体を排出するためのハウジングを含む。複数の流体搬送チューブはハウジングに固定されている。これらのチューブは、ハウジングからの流入流体を受け取るための一組の流入流体搬送チューブと、ハウジングに流出流体を排出するための一組の流出流体搬送チューブを含む。各流体搬送チューブは、−200℃から周囲温度までの全温度範囲において可撓性を維持し得る材料から形成されている。各流体搬送チューブの内径は、約0.10〜1.0mmであり、壁厚は、約0.01〜0.30mmである。エンドキャップは複数の流体搬送チューブの端部に設けられ、流入流体搬送チューブから流出流体搬送チューブへの流体の移動を行っている。いくつかの実施形態においては、複数の流体搬送チューブは、カバーおよび熱伝導媒体に囲まれている。
いくつかの実施形態においては、組織に長手方向に連続的な長尺状損傷部を形成するための、近臨界窒素を用いる血管内冷凍アブレーションシステムは、近臨界窒素圧力生成器と、近臨界窒素を冷却するための近臨界窒素冷却器と、生成器と流体連通しているとともに近臨界窒素を用いる血管内冷凍アブレーションカテーテルと、長手方向に連続的な長尺状損傷部を形成するためにカテーテルの先端治療部から組織に送達される冷却力を制御するように動作可能なコントローラとを有している。先端治療部は、心臓の内壁に沿って連続的な線状損傷部を形成するために好適な形状を有している。損傷部の長さは2〜10cmであり、損傷部はその全長にわたって、心臓壁を貫通して延びている。いくつかの実施形態においては、システムは冷却力の送達の停止時間を知らせるタイマーをさらに備えている。
いくつかの実施形態において、心房細動の治療方法は、a)先端治療部を有している冷凍アブレーションカテーテルを患者の血管系に挿入することと、b)先端治療部を心臓まで移動させ、先端治療部が心臓の空間内に位置するまで心臓の開口部を通って先端治療部を移動させることと、c)心臓の内壁に沿って線状に位置する心臓組織の標的部位にカテーテルの先端治療部が当接するように先端治療部を操作することと、d)保護カバーと、この保護カバーとチューブとの間の空間内の熱伝導媒体とを用いて漏れに対する保護を行いつつ、先端治療部を通って延びている少なくとも1つの流体供給チューブおよび少なくとも1つの流体戻りチューブを通って近臨界流体を循環させることによって長手方向に連続的な長尺状損傷部を形成することとからなる。いくつかの実施形態においては、閾値条件が成立した後に、形成する工程が停止される。いくつかの実施形態において、冷凍アブレーションカテーテルを挿入する工程は、冷凍アブレーションカテーテルをガイドカテーテルに挿入することにより実行される。
いくつかの実施形態において、組織に長手方向に連続的な長尺状損傷部を形成するための、近臨界流体を用いる血管内冷凍アブレーションカテーテルは、長尺状シャフト、可撓性の先端組織治療部と、先端と、先端にむかって近臨界流体を搬送するために先端治療部を通って延びている複数の流体供給チューブとを備えている。各流体供給チューブは、可撓性の流体密閉カバーに囲まれている。カバーと流体供給チューブとの間の空間には、熱伝導媒体が充填されている。
いくつかの実施形態において、カテーテルは、先端から離れる方向に近臨界流体を搬送するために先端治療部を通って延びている複数の流体戻りチューブも備えている。各流体戻りチューブは、可撓性の流体密閉カバーに囲まれている。カバーと流体戻りチューブとの間の隙間には、熱伝導媒体が充填されている。近臨界流体の流れが流体供給チューブおよび流体戻りチューブを介して搬送され、標的組織とカテーテルの先端治療部との間にて熱を伝達させることによって、組織に長手方向に連続的な長尺状損傷部が形成される。
一般的な寒剤の相図。 極低温プローブの最小作動圧力の決定方法の一実施形態を示す図。 単純流路を用いた寒剤冷却におけるベーパーロックの発生を説明する寒剤相図。 極低温冷却システムの一実施形態の模式図。 極低温冷却方法の一実施形態を示す寒剤相図。 図2Aの冷却方法のフロー図。 極低温冷却システムの一実施形態を示す模式図。 極低温冷却システムの別の実施形態を示す模式図。 自己完結型の手持ち式器具の一実施形態を示す図。 ベーパーロックを発生させないためにジュール・トムソン冷却において使用される冷却サイクルを示す寒剤相図。 極低温冷却プロセスの異なる実施形態の冷却力を比較するグラフ。 冷凍プローブの一実施形態の斜視図。 図9の10−10線における図。 氷球を作るように動作している図9の冷凍プローブの一実施形態を示す斜視図。 約180度屈曲することにより同様に屈曲する氷球を形成している図9の冷凍プローブの一実施形態を示す斜視図。 ループを形成するように屈曲された冷凍プローブの一実施形態を示す図。 可撓性先端部を有する冷凍プローブの別の実施形態を示す斜視図。 図14の15−15線における図。 ハンドル内に入口シャフトおよび出口シャフトを有する冷凍プローブの別の実施形態を示す側面図。 流体搬送チューブの代替的配置例を示す概略断面図。 流体搬送チューブの代替的配置例を示す概略断面図。 流体搬送チューブの代替的配置例を示す概略断面図。 冷凍アブレーションカテーテルの一実施形態を有する冷凍アブレーションシステムの一実施形態を示す図。 図20Aの冷凍アブレーションカテーテルの実施形態の先端部を示す拡大斜視図。 図20Bに示すカテーテルの実施形態の様々なチューブ構成の一例を示す21−21線に沿った断面図。 図20Bに示すカテーテルの実施形態の様々なチューブ構成の一例を示す21−21線に沿った断面図。 図20Bに示すカテーテルの実施形態の様々なチューブ構成の一例を示す21−21線に沿った断面図。 カバーが取り除かれた状態の図20の冷凍アブレーションカテーテルの実施形態の先端部を示す斜視図。 スプリング要素を有する冷凍アブレーションカテーテルの一実施形態の先端部を示す図。 スプリング要素を有する冷凍アブレーションカテーテルの別の実施形態の先端部を示す斜視図。 ベローズ要素を含む外側カバーを有する冷凍アブレーションカテーテルの別の実施形態の先端部を示す斜視図。 図25に示すカテーテルの実施形態の26−26線における断面図。 図26に示すカテーテルの実施形態の27−27線における長手方向断面図。 可撓性先端治療部を有する冷凍アブレーションカテーテルの別の実施形態を示す斜視図。 図28に示すカテーテルの実施形態の29A−29A線における断面図。 図29Aの多層チューブの1つを示す拡大図。 図28に示すカテーテルの実施形態の30A−30A線における断面図。 図28のカテーテルの実施形態のチューブ要素の基端および中間部の先端を示す部分分解図。 心臓およびいくつかの実施形態による様々な損傷部の位置を示す図。 心臓への血管内カテーテルの挿入の一実施形態を示す図。 心臓の室内に配置された冷凍アブレーションカテーテルの一実施形態の先端部を示す図。
本開示の詳細を記載する前に、本開示は、ここに記載される特定の実施形態に制限されるものでなく、記載された開示内容の様々な変更が可能であり、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく均等物により置き換えられてもよいことを記載する。本開示から当業者に明らかであるように、ここに記載および図示される各実施形態の個々の部分および特徴は、本開示の範囲および趣旨から逸脱することなく、複数の他の実施形態の特徴から離すことができ、また、複数の他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。加えて、特定の状況、材料、物質組成、プロセス、プロセスの行為または工程を、本開示の目的、趣旨および範囲に合わせるべく多くの変更を加えてもよい。これらの変更のすべてが、特許請求の範囲の範囲内であると意図される。
本明細書に記載される方法において、記載された事象は、記載された順序に加えて、論理的に可能であるいかなる順序にて行ってもよい。加えて、値の範囲が記載されている場合、その範囲の上限と下限との間のすべての介在値、およびその規定範囲内の任意の他の規定値または介在値が、本開示内に包含される。また、記載されたすべての発明的変更例の任意の特徴が、単独、または本明細書に記載される1つまたは複数の特徴と組み合わせて記載および請求されてもよい。
本明細書に記載されるすべての既存の主題(発行物、特許、特許出願およびハードウェア)は、このような主題が本開示の主題と矛盾する場合を除き(この場合は、本明細書に記載された内容を優先する)、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれるものとする。参照されるすべての項目は、本開示の出願日前になされたそれら開示のためのみに記載される。本明細のすべての記載は、先行する開示を理由として、本開示がそのような題材に先行しないことを認めるものであると解釈されない。
単数の項目に対する参照は、同項目が複数存在している可能性を含む。より詳細には、本明細書および添付の特許請求の範囲において、内容が明らかに異なることを示していない限り、複数の指示対象物を含む。さらに、そのような特許請求の範囲は、任意の随意的な要素を除外するように起草され得ることに留意されたい。したがって、この記述は、特許請求の範囲の要素の記載と関連して、「単に」や「のみ」等の排他的用語の使用、または「否定的」制限の使用のために、先行詞としての機能を果たすことを目的としている。
本開示の実施形態は、ベーパーロック現象を発生させることなく冷却を行う、寒剤を用いた熱力学プロセスを利用する。
可撓性のマリアブル冷凍プローブは、Coxらに付与された米国特許第6,161,543号明細書(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。この明細書には、マリアブルシャフトを備えたプローブが記載されている。マリアブル金属ロッドが、ポリマーと共押出しされてシャフトを形成する。ロッドは、アブレーションを行う組織に先端が到達できるように、必要に応じてシャフトの形状を使用者が変更することを可能にしている。
Potockyらに付与された米国特許第5,108,390号明細書(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)は、血管以外の外的な誘導を必要とせずに血管を介して心臓に到達できる、可撓性の高い冷凍プローブを開示している。
いくつかの特許は、冷凍アブレーションシステムにおいて用いるベローズ型アセンブリの使用を開示している。例えば、Dobakらに付与された米国特許第6,241,722号明細書(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)には、ベローズを有するとともに長手方向に移動可能なジュール・トムソン膨張ノズルを使用する極低温カテーテルが開示されている。米国特許第6,241,722号明細書に開示された器具は、使用する媒体を再利用するために、閉ざされた媒体流路を好ましくは使用している。
Dobakらに付与された米国特許第5,957,963号明細書(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)には、可撓性カテーテルの使用が開示されている。可撓性カテーテルは、患者の血管系を通って挿入され、患者の選択された器官の栄養動脈にカテーテルの先端が配置される。米国特許第5,957,963号明細書は、動脈を流れる血液を冷却するための熱伝達ベローズを開示している。
例えば、Damascoらに付与された米国特許第6,767,346号明細書(発明の名称は「Cryosurgical Probe With Bellows Shaft」)には、ベローズシャフトを有する冷凍手術プローブの使用が開示されている。Yuらに付与された米国特許第6,936,045号明細書(発明の名称は「Malleable Cryosurgical Probe」)はジュール・トムソンノズルに使用される冷凍手術プローブを開示している。これらの文献は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
カナダのケベック州モントリオールのCryoCath Technologies社は、SURGIFROST(登録商標)と称する冷凍アブレーションプローブを使用している。使用される冷凍プローブはマリアブルシェルまたはコルゲートシェルを有している。
しかしながら、本製品および他の類似製品の問題は、これらの冷凍プローブは、復元力を維持しつつ最適な使用を行うためには可撓性が十分ではないことである。その結果、冷凍ラインの全体に沿って、熱的接触が不完全であったり、断続的であったりすることが多い。接触面積が小さい場合、組織に加えられる出力が制限される。
また、冷凍アブレーション装置の治療領域については、可撓性および順応性に関して大きく制約される。先端治療部が傷つきやすく、カバーが破損した場合には、寒剤が血流に漏れるおそれがある。これは大変危険であり、死に至る場合もある。例えば、心臓内の気泡および/または寒剤は直ちに脳内の血管に送られる可能性がある。このような事態は、非常に望ましくない神経虚血をもたらしかねない。
極低温流体が血流に漏れる可能性を低減させる様々な試みがなされてきた。例えば、Laneに付与された米国特許第7,648,497号明細書(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)は、第1バルーンを囲む第2バルーンを開示している。第1バルーンと第2バルーンとの間の空間は真空である。ただし、真空は非常に弱い熱伝導体であるため好ましくない。弱い熱伝導体を使用すると、冷却力が低下する。
(寒剤相図および近臨界点)
本出願は、相図を用いて様々な熱力学的プロセスを説明および比較する。図1Aに相図の例を示す。図の軸は圧力Pおよび温度Tに対応し、相線102は、液体と気体が共存するすべての(P、T)点の軌跡を描いている。(P、T)値が相線102の左側にある場合、寒剤は液体である。通常、圧力が高く温度が低いときは液体である。一方、相線102の右側にある(P、T)値は、寒剤が気体である領域を画定している。通常、圧力が低く温度が高いときは気体である。相線102は、臨界点104と呼ばれる1つの点において突如終端する。窒素Nの場合、臨界点はP=33.94バールおよびT=−147.15℃である。
圧力が徐々に上昇する間に流体が液相および気相の両方を有している場合、システムは液体−気体相線102に沿って動作している。Nの場合、低圧力の液体は、気相よりも最大200倍高密度である。圧力が連続的に増加すると、液体の密度が減少するとともに気相の密度が上昇し、臨界点104において液体と気相の密度が正確に等しくなる。臨界点104において液体と気体の区別がなくなる。つまり、前方に流れている液体寒剤の前で膨張する気体によって液体寒剤の流れが妨げられることが、臨界点付近の状態(以下、「近臨界状態」とも称する)において回避される。機能的な流れを維持しながら臨界点からより大きく逸脱できる要因としては、寒剤の流れがより高速であること、流路管腔の径がより大きいこと、および、熱交換部または冷凍プローブ先端への熱負荷がより小さいことが挙げられる。
臨界点に向かって上昇するにつれて、臨界点に到達するまで気相の密度が上がるとともに液相の密度が下がり、臨界点において2つの相の密度が正確に等しくなる。臨界点を超えると、液相および気相の区別がなくなり、単一の、超臨界相となる。すべての気体は、下記のファンデルワールスの状態方程式に概して従う。
(p+3/v)(3v−l)=8t (式1)ここで、p=P/P、v=V/V、t=T/Tであり、P、VおよびTはそれぞれ臨界圧力、臨界モル体積および臨界温度である。
変数v、pおよびtは、それぞれ「対臨界体積」、「対臨界圧力」および「対臨界温度」と呼ばれることが多い。p、vおよびtの値が同じである2つの物質は、流体の臨界点付近の同じ熱力学的状態にある。式1は「対応状態の法則」を体現している。これについては、H.E.Stanley著「Introduction to Phase Transitions and Critical Phenomena 」(Oxford Science Publications、1971年)により詳細に記載されている。本文献の全体が、参照することにより本明細書に組み込まれる。数式1を並べ替えることにより、pおよびtを変数とするvの数式は以下の通りである。
pv−(p+8t)v+9v−3=0 (式2)
流体vの対臨界体積は、対臨界温度tおよび対臨界圧力pのみと厳密に相関していると考えることができる。
本開示の実施形態において、通常の場合、対臨界圧力pは約1である一定値、つまり臨界圧力付近の定められた物理的圧力に固定されており、一方、対臨界温度tはニードルに加えられる熱負荷によって変化する。対臨界圧力pがシステムの設計により定められた定数である場合、対臨界体積vは対臨界温度tと厳密に相関する。本開示のいくつか実施形態においては、ニードルの温度tが変化している過程において、ベーパーロック現象が起こる最大値よりもvが低くなる状態を維持するようにニードルの作動圧力pが調節される。pの値は、前述の状態を満たす最も小さい値に維持することが有為である。pの値を高めるべく圧力を上げるためには、より複雑かつ高価な圧縮機が必要であり、ニードル支援システム全体の調達費および維持費がより高額になり、電力変換効率が低下する。本明細書において、「電力変換効率」は、装置の全体的な冷却力を、システムを動作させるために電力線から得る電力で割った値である。
vの状態は、体積流量dV/dt、液相および気相の熱容量、ならびに液体および気体の熱伝導率および粘度等の移動特性によって、複雑かつ非解析的に決定される。この正確な関係は、閉じた代数式から導くことはできないが、ニードル内の質量および熱移動を記述するモデル式を積分することにより数値的に決定し得る。概念的には、ベーパーロックは、ニードルの加熱速度によって気相が生成され、気相の冷却力(気体の流速×熱容量÷モル体積に比例する)がニードルの加熱速度についていけなくなったときに発生する。こうなると、寒剤流において液相が気化することによって余分な熱を吸収するために、さらに多くの気相が形成される。その結果、液体が気相に変化してニードルを満たす暴走状態がもたらされ、ニードルに流れ込む熱の温度および圧力が急速に上昇するにつれて気相に発生する大きな圧力によって実質的にすべての寒剤流が停止する。この状態は「ベーパーロック」と呼ばれている。臨界点において液相および気相のモル体積(ひいては冷却力)は同一であるため、臨界点以上の冷却システムはベーパーロックを発生させない。しかし、臨界点よりわずかに下の状態においても、ニードルはベーパーロックを回避することができる。最小許容気相密度に対応する最小許容モル体積、ニードルの寸法、流量、ならびに気相および液相の熱物理特性の関係は、明らかに複雑な非線形システムの結果である。確実にベーパーロックを回避するためにはvをどこまで大きくすればいいのか、ひいてはpをどこまで小さくすればいいのかという判断は、図1Bのデータに示されるように、実験によって決定することができる。
図1Bは、最小作動圧力P、ひいては対臨界圧力pを実験によって求める方法を示す。上側パネルの上側の曲線はニードル内の窒素の圧力を示し、上側パネルの下側の曲線は、プローブを通る質量流量を示す。質量流量は、ニードルを毎秒流れる標準リットル単位で示される。下側パネルは、上側グラフと同時刻におけるニードル先端の温度を示す。これらのデータを記録しながら、6.6Wの熱負荷をニードルの先端に加えた。例えば、作動圧力12.6バールおよび22バールにおいて、このレベルの熱負荷および流量においてベーパーロック現象が発生している。これは、流れが一瞬中断してから再開するときに、ニードル先端の温度が低温に復帰できていないことからわかる。しかし、28.5バールの圧力においては、流れの中断後には先端温度が低温に確実に戻っている。ニードルを通る質量流量の減少傾向から分かるように、ベーパーロックを発生させることなく信頼性の高い動作を連続させるためには、圧力を最小許容圧力よりも低くしつつも、最小許容圧力に極力近づけることが必要である。これらのデータから、本例示的実施形態における最小許容作動圧力は約29バールであることがわかる。したがって、細管の長さが22cmであり、流入細管の径が0.020cmであり、流出細管の径が0.030cmである、真空ジャケットを備えたニードルを用いている本実施形態においては、この熱負荷および流量において、通常の最小作動圧力は29バールである。これは、臨界圧力の85%以上である、ベーパーロックを回避する最小作動圧力に対応する。
図1Cを参照して、単純流路を用いた寒剤冷却システムにおけるベーパーロックの発生について記載する。図1CはNの例示的相図であり、液体−気体相線106が臨界点108において終端している。単純流路による冷却は、液体寒剤を圧縮して冷凍プローブに流すことによって行われる。冷凍プローブの入口110を通る液相寒剤を、相図に示されたポイントから寒剤が気化して気化冷却をもたらす領域へ変化させる予備冷却を行ってもよい。入口110から排気口114に移動する際の寒剤の熱力学的経路116は、気化が起こる点112において液体−気体相線106と交差する。気化は、液体−気体相線106に沿って臨界点108からかなり下側で発生するため、高密度の液体が気化して気相になり、流れの体積が大幅に膨張してベーパーロックが発生する。
(ジュール・トムソン冷却)
より複雑な構成を用いてベーパーロックを回避している別の寒剤冷却方法は、ジュール・トムソン効果を用いるものである。気体が圧縮されると気体のエンタルピーが減少するが、減少の程度は圧力によって異なる。次いで、気体が小さなポート(「JTポート」や「絞り」と呼ばれる)を通って膨張すると圧力が低下し、温度が低下する。これによりもたらされる冷却は、圧縮時のエンタルピー減少と相関する。圧縮機と膨張弁との間に設けられた熱交換部を用いることにより、累進的に温度を低くしてもよい。いくつかの例では、より安価な気体であるCOまたはNOがジュール・トムソン冷却に用いられるが、アルゴン(Ar)を用いるとさらに温度を低くすることができる。アルゴンは高コストであり別のリスクも伴うが、これらの短所にも関わらず、冷凍の開始および終了が早いためいくつかの用途に使用される。
図7に示すように、ジュール・トムソン冷却プロセスの冷却サイクルは、単純流路を用いる寒剤冷却に使われる冷却サイクルとはまったく異なる。この冷却サイクルは、特定の例としてのNの相図に重ねられており、Nの液体−気体相線122は、臨界点128において終端している。窒素は、相図上の点130において通常の周囲温度(室温)にて非常に高い圧力でまず提供される。通常の場合、圧力は400バールであり、つまり、臨界点128の圧力よりも10倍以上大きい。Nは、相図の点132においてJT膨張ポートに到達するまで熱力学的経路124に沿って冷凍プローブ内を流れる。NはJTポートにおいて急激に膨張し、Nの圧力が急速に低下するに伴い、相図のJT噴出142に下方に流れ入る。急速な膨張により、JT噴出142の下流側のNは部分的に液化し、JT噴出142における膨張後には、液化したNは気相と熱平衡状態にある。したがって、窒素は相図の点134、すなわち、周囲圧力よりも若干高い液体−気体相線106上にあり、臨界点128よりかなり低い。窒素は熱力学的経路126に従って戻り気流において加熱され、冷却に用いられる。その後、例えば制御コンソールへの経路の途中にある排気口140を介して周囲環境に排出される。ジュール・トムソン冷却は、液体−気体システムの臨界点に一度も近づくことがなく、主に気化流体による冷却である。
ジュール・トムソン冷却においては、一般的に、冷却された気体の流れは流入用高圧供給ラインに沿って戻る。低圧の戻り気体の向流によって、流入している膨張前の高圧の気体が効果的に冷却される。この気流間の熱交換部144の効果は相図から明らかであり、流入ラインにおけるJTポートまでの圧力(熱力学的経路124)が、向流による熱交換部よって高圧気体の流れが冷却されるにつれて、流れインピーダンスに起因して低下している。同様に、戻り流の圧力(熱力学的経路126)も、向流による熱交換部144によって、冷たい低圧窒素が高圧の流入を冷却するため、若干低下する。向流による熱交換部144の作用によって、ジュール・トムソン冷却の効率が向上されるが、冷凍プローブニードルの径が小さくされた場合、この効率が制限される。冷凍プローブニードルが小さくなると、戻り気体の流速が増加し、約1.5mmの径を有するプローブにおける一般的な体積流量およびプローブ設計において、最終的には音速に達する。プローブが小さくなるにつれてジュール・トムソン冷却プロセスの効率は低下し、最終的には冷却力が全く得られなくなる。したがって、径が1.2mm未満のプローブは、安価なコストで確実に形成することができるとはいえ、その物理特性により機能が著しく制限され、最小限の冷却能力しか有していない。ジュール・トムソンプローブの製造コストは、プローブ径が減少につれて大幅に上がるが、この主な原因は、向流の熱交換部に関連する製造および組み立てコストである。
本開示の実施形態は、液体−気体相線との交差を回避するように寒剤の圧力−温度を管理することによって、ベーパーロックを防止するとともに、プローブサイズの小型化を可能にする。特定の実施形態において、極低温冷却は、寒剤の臨界点付近で動作させることによって達成される。この領域での動作時には、臨界点温度(例えば、Nの場合は−147℃)は周囲温度よりも非常に低いため、周囲環境から近臨界寒剤に熱が流れ込む。この熱は、冷却プロセスを助ける蒸発潜熱の不在にもかかわらず、冷凍プローブの先端を通る近臨界寒剤の流れによって除去される。開示の範囲は、圧力が臨界点圧力よりも高い任意の管理方法による動作も含むことを意図されているが、冷却効率は、圧力が臨界圧力より上昇するにつれて減少する傾向がある。これは、流れの作動圧力を上げるために必要とされるエネルギー要件が増加するためである。
(冷凍アブレーションシステム)
図2Aは、一実施形態における寒剤システムの構造配置の模式図であり、図2Bは、図2Aのシステムの動作時における寒剤の熱力学的経路を示す相図である。2つの図の丸で囲まれた数字は対応しており、熱力学的経路に沿って示される動作点が達成される物理的位置が図2Aに示されている。以下に記載する冷却流の物理的および熱力学的な側面の説明においては、図2Aの構造図と図2Bの相図との両方を同時に参照する場合がある。説明を目的として、図2Aおよび2Bの両方において窒素寒剤が対象となっているが、これに限定することを意図するものではない。本開示はより広範囲に、好適な寒剤のいずれを用いてもよいことは当業者に理解される。例えば、使用できる寒剤の例としては、アルゴン、ヘリウム、水素および酸素が挙げられる。図2Bにおいて、液体−気体相線には符号256が付され、寒剤がたどる熱力学的経路には符合258が付されている。
寒剤生成器246を使用して、その出口(図2Aおよび2Bの(1)(図面では丸付き数字で表示))における圧力が寒剤臨界点圧力Pを超えている寒剤が提供される。通常の場合、相図において圧力がPを超えるか、もしくはPよりも若干低い任意のポイントにおいて冷却サイクルが開始する。ただし、圧力は臨界点圧力Pに近い方が好ましい。ここに記載するプロセスの冷却効率は、開始時の圧力が臨界点圧力Pに近い場合に概して高い。圧力が高いと、所望の流れを達成するためのエネルギー要件が増加する。したがって、いくつかの実施形態においては上限がより高い様々な圧力を使用することもあるが、概して臨界点に近い圧力(Pの0.8〜1.2倍等)から開始する。一実施形態においては、Pの約0.85倍である。
本明細書において、「近臨界」という用語は、液体―気体臨界点に近い状態を指す。この用語は「臨界点に近い」と同等であり、この領域においては、液体―気体システムが臨界点に十分近く、流体の動的粘度は、通常の気体の動的粘度の付近であるとともに液体の動的粘度よりはるかに低い。しかし、同時に、流体の密度は通常の液体状態の密度に近い。近臨界流体の熱容量は液相の熱容量よりも大きい。気体のような粘度と、液体のような密度と、非常に大きい熱容量とが組み合わされることによって、冷却材の効率が非常に高くなる。換言すれば、近臨界点は、液体−気体システムが臨界点に十分に近いため、熱容量が元来の値よりも大幅に増加するほど液相および気相の変動が大きい領域を指す。近臨界温度は、臨界点温度の±10%の範囲内の温度である。近臨界圧力は、臨界点圧力の0.8〜1.2倍である。
再度図2Aを参照して、寒剤はチューブを流れ、チューブ内において圧力が実質的に下がることなく温度が低下する。チューブの少なくとも一部は、液体状態の寒剤の容器240に囲まれている。図2Aにおいて、容器は液体Nとして示されており、容器240内には、寒剤の流れから熱を抽出する熱交換部242が配置されている。容器240の外では、寒剤生成器246から流れる寒剤の好ましくない加熱を防止する断熱部220がチューブの周りに配置されている。(2)(図面では丸付き数字で表示)において、液体寒剤との熱接触によって冷却された後の寒剤の温度は低下しているが、圧力は実質的に最初のままである。いくつかの例において、圧力が臨界点圧力Pから大幅に下がることなく、つまり、所定の最小圧力より低くならないのであれば、圧力変動が発生してもよい。例えば、図2Bにはわずかな圧力低下が示されている。図2Bに示す例においては、液体寒剤を通過して流れることによって、温度が約47℃低下している。
次いで、極低温用途に用いられるために寒剤が器具に提供される。図2Aに示す例示的実施形態において、寒剤は、例えば医療的な極低温用途に用いられる冷凍プローブ224の入口236に提供されるが、これに限定されない。
実施形態において、寒剤はカテーテルの基端部を介して導入され、カテーテルの可撓性中間部を通り、カテーテルの先端治療部に到達する。器具の治療領域に寒剤が提供された時点(図2Aおよび2Bにおける(2)および(3)(図面では丸付き数字で表示))、すなわち、寒剤が図2Aの冷凍プローブ入口236にチューブから提供された時点で、寒剤は器具のインターフェイスを介して移動してきたため、寒剤の圧力および/または温度が若干変化している可能性がある。概して、この変化は温度の微増および圧力の微減である。寒剤圧力が所定の最小圧力(および関連する条件)を超えている限り、温度の微増は性能に影響を与えない。寒剤は液体−気体相線256と交わることなく臨界点に近づくように戻るので、ベーパーロックが回避されるためである。
冷凍治療装置(ニードル等)のシャフトおよびこれらのニードルに近臨界冷凍機能を提供するサポートシステムに沿って延びる断熱部には、大気圧の100万分の1より低い真空を使用してもよい。このような真空は、従来の二段粗引きポンプだけでは達成できない。このため、一実施形態における経皮的冷凍治療システムは、拡散ポンプやターボ分子ポンプ等の高価で煩雑なメンテナンスを要する高真空ポンプではなく、吸収ポンプを用いる簡便な方法を採用している。これは、システム内の炭容器にて行うこともできるし、個別の使い捨てプローブに内蔵してもよい。
いくつかの実施形態においては、流入窒素を臨界点近くまでサブ冷却するための液体窒素槽が、少量の浄化炭の冷却にも用いられる、吸入ポンプ法を採用している。浄化炭の大きな表面積によってほとんどの残留気体原子が吸収されるため、容積内において、ニードルシャフトおよび関連するサポートハードウェアの断熱に使用される真空よりも十分低い数値に周囲圧力を低下させることができる。冷却された炭が収容されるこの容積は、小径チューブを介して、ニードルへの近臨界寒剤の流れを断熱する空間に接続されている。臨床用途に準じたシステム設計要件に応じて、炭は図2Aの液体寒剤の冷却容器240に組み込んでもよいし、冷凍プローブ224の一部として入口236近くの延長ホースの接続部の付近に配置してもよい。接続は、熱収縮性差込型装着部を介して、真空ジャケットを備えたニードルの外側シャフトと、近臨界の寒剤を運搬する内部細管との間の真空空間に対して行われてもよい。真空空間は、周囲組織から断熱されている。この方法により、単純な設計構成からシステムを拡張することができ、真空引きが容易である小型の容器に炭真空の概念を組み込みことができる。または、複数のプローブを備えたシステムにおいては、各冷凍プローブに、拡張終端/冷凍プローブとマシンインターフェイス236との連結部の近くにおいて小型の炭パッケージを組み込むことも効果的である。各ホースおよび冷凍プローブがそれぞれ各自で真空を引くため、さらに製造コストが下がる。
図示された実施形態においては、冷凍プローブ224または他の器具を通る寒剤生成器246からの寒剤の流れは、クラック弁216、フローインピーダンス、フローコントローラを含むアセンブリによって制御される。冷凍プローブ224自体は、長手方向に延びる真空ジャケット232と、極低温用途に使用される冷却端228とを有する。作動寒剤の圧力がプローブ先端において大きく変化するジュール・トムソンプローブと異なり、本開示のこれらの実施形態は、プローブ全体における圧力変化が比較的小さい。したがって、(4)(図面では丸付き数字で表示)において、寒剤の温度は略周囲温度まで上がるが、圧力は高いままである。プロセス全体において圧力を臨界点圧力Pよりも高く維持することにより、熱力学的経路258に沿って液体−気体相線256に達することがなく、ベーパーロックが回避される。寒剤圧力はフローコントローラ208を通る前に(5)(図面では丸付き数字で表示)において周囲圧力に戻る。フローコントローラ208は冷凍プローブ224から十分離れた位置に配置されている場合が多い。次いで、実質的に周囲状態の寒剤が排気口204を介して排気される。近臨界流体冷凍アブレーションシステムについては、Littrupらに付与された米国特許第8,387,402号明細書(参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。
寒剤が図2Bに示す熱力学的経路をたどる一実施形態における冷却方法を図3のフロー図に示す。ブロック310において、臨界点圧力を超える圧力および臨界点温度に近い温度を有する寒剤が生成される。生成された寒剤の温度は、ブロック314において、より温度の低い物質との熱交換によって低下する。いくつかの例において、熱交換は周囲圧力の液体寒剤を用いて効果的に行われるが、別の実施形態においては異なる条件を用いて熱交換を行ってもよい。例えば、いくつかの実施形態においては異なる寒剤が用いられ、例えば作動流体がアルゴンである場合は、液体窒素を用いて熱交換が行われる。また、別の代替的実施形態においては、周囲圧力と異なる圧力を有する寒剤を用いて熱交換が行われる。例えば、より低圧の寒剤を提供することにより、より低温の環境を形成してもよい。
さらに冷却された寒剤がブロック318において冷凍器具に提供されて、ブロック322において冷却処理に用いられる。冷却処理は、冷却処理により物質を冷凍させるのか否かに応じて、冷却および/または冷凍を含む。寒剤の温度は冷却処理の結果上昇し、加熱された寒剤はブロック326において制御コンソールに流される。例外もあるが、一般的に寒剤の圧力はブロック310から326まで臨界点圧力よりも高く維持され、これらの工程における寒剤の熱力学的特性の主な変化は温度に発生する。ブロック330において、加熱された寒剤の圧力が周囲圧力まで低下することが許容され、ブロック334において寒剤が排気または再利用される。他の実施形態においては、ブロック326で残っている加圧された寒剤は、周囲圧力にて排気されるのではなく、経路を介してブロック310まで戻されて再利用される。
(寒剤生成器)
臨界点に近い圧力および温度にて寒剤の流れを実施的に中断することなく提供するために、臨界点圧力を超える圧力を有しているか、近臨界流れ条件を満たしている寒剤を供給する寒剤源もしくは寒剤生成器246に使用される設計には様々な種類がある。これらの設計の例について説明するにあたり、再度窒素を用いるが、他の代替的実施形態においては他の寒剤が使用可能である。図4は、寒剤生成器の一実施形態において使用される構造の模式図である。断熱されたタンク416は、タンク416を周囲液体寒剤で満たすために開放される入口弁408を有する。抵抗加熱素子420がタンク416内、例えばタンク416の底部に配置され、入口弁が閉じているときに寒剤を加熱するために使用される。加熱は、所望の動作点、すなわち近臨界流れ条件を超える圧力に達するまで行われる。クラック弁404は、タンク416の出口に取り付けられ、所望の圧力で開くように設定されている。例えば、寒剤として窒素を使用する一実施形態では、クラック弁404は、臨界点圧力よりも約1バール高い、約33.9バールの圧力で開くように設定されている。クラック弁404が開放されると、図2Aおよび2Bに関連して前述したように、寒剤の流れがシステムに供給される。
安全工学慣例に従って、生成される寒剤の高圧に対処するバーストディスク412も設けられる。安全部品の程度は、それぞれ異なる臨界点を有する寒剤のうちのいずれの寒剤が使用されるかによっても部分的に決定される。いくつかの例では、暴走プロセスが発生した場合に圧力がタンク416の設計限界に到達する前に圧力を緩和するために、より多くのバーストディスクおよび/または逆止弁が設置される。
寒剤生成器の通常動作時には、電子フィードバックコントローラは、抵抗ヒーター420を流れる電流を、所望の流量にてシステムに供給される高圧寒剤を生成するために十分なレベルに維持する。システムから出る寒剤の実際の流れは、流路の終端に位置する機械的フローコントローラ208(図2A)に制御される。入口弁408が閉じられた状態において、所望の寒剤圧力を得るために必要な熱エネルギーの量は、概して一定である。抵抗ヒーター420で損失される電力は、その後、機械的なフローコントローラ208の正の制御を維持するために調整されてもよい。代替的実施形態においては、機械的なフローコントローラ208は、寒剤生成器のヒーターコントローラに置き換えられる。このような実施形態においては、クラック弁404が開き、高圧寒剤がシステムの残りの部分に送達されると、フィードバック制御部は、システムから出る気体寒剤の所望の流量を維持するために、抵抗ヒーターを流れる電流を連続的に調整する。このため、フィードバック制御部は、ヒーターへの電力供給部およびフローコントローラに接続された演算要素を有していてもよい。
(複数の生成器)
別の実施形態において、特定の用途向けにさらに増強された流れを生成するために複数の寒剤生成器が用いられる。2つの寒剤生成器512を使用する一実施形態の例を図5に示す。別の実施形態においては、より多くの生成器を使用してもよい。複数の寒剤生成器512は、ある量の周囲圧力寒剤516の入った周囲圧力寒剤のデュワー容器502内に配置されている。寒剤生成器512で生成された近臨界寒剤は、図2Aの熱交換部242に関連して説明した方法と同様の方法で寒剤を冷却する熱交換部508に供給される。各寒剤生成器512に対応するクラック弁504が、サブ冷却された(臨界温度より低く冷却された)高圧寒剤がチューブ420を介して寒剤適用器具に供給されることを許容する。
いくつかの実施形態において、各寒剤生成器は、略円筒状をなし、内径が約30cm、内側高さが約1.5cmであり、約1リットルの内部容積を有する。寒剤生成器は好適に重ねることができ、各寒剤生成器は、図4に関連して前述したように、それぞれ断熱ジャケットおよび内部ヒーターを有していてもよい。重ねられた寒剤生成器の外径の周囲にチューブコイルを巻いてもよい。各寒剤生成器からの出た高圧寒剤の流れは、チューブコイル状熱交換部の入口側に入る前に各逆止弁を通る。コイル熱交換部からの出口は、真空ジャケット等の手段により断熱されており、高圧寒剤が冷却対象物に向かって流れる途中に加熱されることが防止される。重ねられた寒剤生成器および外側コイル熱交換部は、液体寒剤デュワー容器の底部に向かって配置してもよい。標準的なデュワー容器は、満杯状態において約40リットルの液体Nを収めることができる。このデュワー容器は、デュワー容器に液体寒剤を充填するとともにデュワー容器からボイルオフを排出するための便利なメカニズムを備えていてもよい。いくつかの例においては、液体寒剤は周囲圧力またはその付近に維持されるが、別の例では、異なる圧力で供給してもよい。例えば、液体寒剤は、液体寒剤槽の周囲温度をより低くするために、より低い圧力で提供してもよい。液体Nの場合には、例えば、約63Kの液体Nスラッシュ温度で寒剤を提供するために約0.0130MPa(約98トル)まで圧力を低下させてもよい。このような実施形態は、より低い温度を供給できるという利点を有するが、周囲圧力より低い圧力にて液体寒剤デュワー容器を動作させる上での技術的複雑性が伴う。
複数の寒剤生成器を用いる実施形態を効果的に動作させることにより、極低温器具に高圧寒剤を略連続的に提供することができる。周囲圧力の液体寒剤516が、枯渇した寒剤生成器512に提供される。枯渇した寒剤生成器512は、別の寒剤生成器512が高圧または近臨界の寒剤を供給している間に再充填される。動作状態の2つの寒剤生成器の例を示す図5においては、第1の寒剤生成器512−1は、枯渇したため、流れ520をもたらすために入口弁が開放されて周囲圧液体寒剤516が充填されている。これと同時に、第2寒剤生成器512−2は、前述したように加熱されている、ある量の液体寒剤を有しており、出口のクラック弁504を介して近臨界寒剤として寒剤が供給されている。第2の寒剤生成器512−2が空になると、第1の寒剤生成器512−1の充填弁が閉鎖され、近臨界寒剤が逆止弁を介して供給されるように、第1の寒剤生成器512−1のヒーターの電力が最大に設定される。第2の寒剤生成器512−2の入口弁は、再充填プロセスを行うことができるように開放され、2つ寒剤生成器512は、図5に示す状態とは逆の役割を担う。
このように、2つの寒剤生成器512は位相をずらしてデュワー容器502の周囲圧液体寒剤が枯渇するまで動作し、この時点まで、極低温適用器具に近臨界寒剤の略連続的な流れを提供する。こうして、システムは、ほぼすべての意図された用途を満たすために好適に拡張可能である。例えば、総冷却時間および寒剤の消費速度により定義される用途については、その用途に応じて適切な大きさのデュワー容器を用いることによって達成できる。後述するように、近臨界液体Nの冷却能力により寒剤消費効率が上がるため、動作時間が最大化されるとともに、特定用途で必要とされる合計冷凍時間要件に適合するように近臨界寒剤生成器を拡張できる。例えば、発明者らは、医療用の極低温冷凍には、それぞれの器具において毎時約2リットルの周囲圧液体Nを消費する近臨界冷凍プローブを使用することができると予測した。
(手持ち式冷凍アブレーション機器)
図6に自己完結型の手持ち式冷凍アブレーション機器を示す。一体型の手持ち式機器は、皮膚科や、間質の低容量冷凍のような比較的短時間の極低温冷却を伴う用途(例えば、乳房の線維腺腫の治療や、冷凍免疫療法の開発)での使用に特に適している。このような機器の構造は、図2Aに関連して説明した構造とほぼ同じであるが、部品が小型の自己完結型ユニットとして構成されている。具体的には、比較的小型の寒剤生成器604が、小型の周囲圧液体寒剤タンク608と、装着された極低温器具612(例えば、ニードル、プローブ、カテーテル等)と直列に接続される。図6に示す例においては、極低温器具は機器に恒久的に装着された冷凍手術器具であるが、他の実施形態においては、別の種類の極低温器具が使用される。自己完結型の手持ち式機器は、使い捨ての単回使用機器であってもよい。また、他の実施形態では、液体寒剤を再充填可能であってもよい。寒剤生成器604および周囲圧液体寒剤タンク608は、真空ジャケット等の手段によって、周囲環境および互いから断熱されている。図6に示す機器は、便宜上、寒剤生成器604および液体寒剤タンク608を真空下に維持する外側チューブを取り除いた状態にて示されている。好ましくは、オペレータが寒剤生成器の小型ヒーターを制御できるスイッチが設けられる。ヒーターを作動させることにより、前述のように特定の冷却作業に応じてカスタマイズ可能な所定のフローインピーダンスにて近臨界寒剤の流れが形成される。近臨界寒剤の流れは、機器内の寒剤の容器が枯渇するまで続き、枯渇後には、機器が廃棄されるか、次回のために再充填される。
手持ち式機器の実施形態は、本開示が可能とする一連の拡張の一部である。具体的には、大容量の臨床用途もしくは他の用途に十分な近臨界圧力または高圧の寒剤を提供する選択肢だけではなく、短期間の小容量の用途にも用いることができる。この一連の拡張の全範囲にわたって、ベーパーロック現象による障害が存在しないため、非常に小型の極低温器具、すなわち1mm未満の器具で動作を行うことができる。例えば、小型器具にて動作可能であることにより、小型の充填式または使い捨ての液体寒剤カートリッジが補給品として提供される構成も実現でき、大型で不便な極低温システムが不要となる。例えば、神経切除や疼痛の治療のための臨床環境等の医療用途では、液体Nの小型デスクトップデュワー容器を用いて、神経切除に必要な複数のカートリッジの充填用に液体Nを供給できる。このような臨床環境の一般的な容量においては、その週に使用されるカートリッジの再補充に必要な量の液体を確保するためには、デスクトップデュワー容器を週に1回再充填する必要があると思われる。本開示の実施形態は同様の効果を工業環境においても実現することができ、例えば、必要に応じて使い捨てのカートリッジを使用することによって短期間の冷却を行ってもよい。このような用途を若干調節することよって、十分に断熱および/または加圧されたカートリッジにおいても発生しがちな微量のボイルオフに対する適切な通気対策を行うことができる。このように、本開示の実施形態によって、様々な種類の用途に適した極低温冷却選択肢の範囲が拡張される。
本開示の実施形態は、単純流路を用いた寒剤冷却またはジュール・トムソン冷却よりも高い冷却力をもたらし、再利用工程を行わない場合でも、寒剤の高圧タンクを複数用いる必要がない。図8に、3つの異なる冷却システムにおける、寒剤1モル当たりの冷却力の比較を示す。上側の曲線は、図2Bに関連して説明した、Nを寒剤として用いる冷却サイクルに対応している。下側の2点は、アルゴンおよび窒素を寒剤として用いたジュール・トムソンプロセスの冷却力を示す。ジュール・トムソンプロセスの結果は、完全な向流熱交換が行われた場合の最大値を示しているが、熱交換はプローブの径が小さくなると効率が著しく低下する。
これらの結果から、低圧においては液体Nのベーパーロックが発生する可能性があるが、丸で囲まれた領域804ではベーパーロックが回避されていることがわかる。この領域804においては、Nの場合33.94バールである臨界点圧力に近い、近臨界圧力条件にプロセスが適合している。前述したように、プロセスの効率は圧力が臨界点圧力に近い場合に向上するが、ベーパーロックは、近臨界の流れ状態において回避される。結果から示されるように、本開示の実施形態の冷却サイクルは、理想状態のジュール・トムソンサイクルの5倍以上効率的である。臨界点圧力以上の圧力を使用する実施形態の効率は、プローブサイズの変化に実質的に影響されないので、グラム当たりの冷却力は、多くの場合、ジュール・トムソンサイクルの冷却力よりも10倍以上大きい。この効率の高さは、排気流が非常に少ない(5分の1から10分の1)ことからも明らかである。このため、プロセスは非常に低騒音かつスムーズであり、かさばる複数のタンクの交換が不要である。
(多管冷凍アブレーションカテーテル)
図9および図10に、可撓性の多管冷凍プローブ10を示す。冷凍プローブ10は、流体源(図示せず)から流入する近臨界極低温流体を受け取り、流出する極低温流体を排出するためのハウジング12を含む。複数の流体搬送チューブ14,14’は、ハウジング12に固定されている。これらのチューブは、ハウジングからの流入流体を受け取るための一組の流入流体搬送チューブ14と、ハウジング12に流出流体を排出するための一組の流出流体搬送チューブ14’を含む。各流体搬送チューブ14,14’は、−200℃から周囲温度までの全温度範囲において可撓性を維持し得る材料から形成されている。各流体搬送チューブの内径は、約0.10〜1.0mm(好ましくは、約0.20〜0.50mm)である。各流体搬送チューブの壁厚は、約0.01〜0.30mm(好ましくは、約0.02〜0.10mm)である。エンドキャップ16が流体搬送チューブ14,14’の端部に設けられ、流入流体搬送チューブ14から流出流体搬送チューブ14’への流体の移動を行っている。
チューブ14,14’は、軟質のステンレス鋼またはポリイミド、好ましくはカプトン(登録商標)ポリイミドで形成されている。材料は、近臨界温度で可撓性を維持することが好ましい。「可撓性」とは、過剰な力を加えることなく、かつ破損もしくは性能の大幅な低下をもたらすことなく、ユーザが所望の向きに曲げることができる冷凍プローブの特性を意味する。
使用する極低温流体は、好ましくは、近臨界窒素である。しかしながら、アルゴン、ネオン、ヘリウム等、他の近臨界の極低温流体を使用してもよい。
前述したように、極低温流体の流体源は、適切な機械的ポンプまたは非機械的な臨界寒剤生成器から提供される。このような流体源は、米国特許出願第10/757,768号明細書(米国特許第7,410,484号、特許付与日:2008年8月12日、発明の名称:CRYOTHERAPY PROBE、出願日:2004年1月14日、発明者:Peter J.Littrupら)、米国特許出願第10/757,769号明細書(米国特許第7,083,612号、特許付与日:2006年8月1日、発明の名称:CRYOTHERAPY SYSTEM、出願日:2004年1月14日、発明者:Peter J.Littrupら)、米国特許出願第10/952,531号明細書(米国特許第7,273,479号、特許付与日:2007年9月25日、発明の名称:METHODS AND SYSTEMS FOR CRYOGENIC COOLING、出願日:2004年9月27日、発明者:Peter J.Littrupら)、米国特許第7,410,484号明細書、米国特許第7,083,612号明細書および米国特許第7,273,479号明細書に例えば記載されている。これらの文献は、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。
エンドキャップ16は、流入流体搬送チューブから流出流体搬送チューブまで流体を搬送するいかなる好適な要素であってもよい。例えば、エンドキャップ16は、チューブ14,14’を連通させる内部チャンバ、キャビティまたは通路を形成していてもよい。
チューブは、多くの構成にて配置することができる。ある種の実施形態においては、チューブが円形配列を形成しており、一組の流入流体搬送チューブが、円の中心領域を画定する少なくとも1つの流入流体搬送チューブを含み、一組の流出流体搬送チューブが、中心領域の周りに円形パターンをなして離間して配置された複数の流出流体搬送チューブを含む。この種の実施形態のチューブ14,14’を図10に示す。
動作時には、−200℃に近い温度の寒剤流体が、適切な窒素源から供給ラインを介して冷凍プローブに到達し、露出した流体搬送チューブによって構成される多管冷凍領域を循環してからハウジングに戻る。
いくつかの実施形態において、いかなる熱負荷下においても、窒素の流れは小径チューブ内において気泡を形成しないため、流れおよび冷却力を制限するベーパーロックが発生しない。近臨界状態で動作させることによって、液相と気相の間の区別が消えてベーパーロックが回避されている。
本開示の実施形態は多管設計であるため、従来の冷凍プローブよりも、寒剤と組織との間の熱交換面積が大幅に大きい。使用されるチューブの数に応じて、本開示の冷凍プローブの接触面積は、同様の大きさの直径を有する従来の単シャフト冷凍プローブの接触面積よりも数倍以上大きい。
図11に示されるように、冷凍プローブ10の周囲には氷球18が形成される。図12に示すように、冷凍プローブを所望の方向に曲げることにより、氷球18を所望の形状に形成することができる。図13に示すように、ループ状氷球18を形成することもできる。
図14に示す冷凍プローブ20は、図9に示す実施形態に類似しているが、この実施形態のチューブ22,22’はポリイミド材料により形成されている。また、この実施形態においては、エンドキャップとしてクランプ24が使用されている。
図16に、冷凍プローブ10のハウジング12の一実施形態を示す。ハウジング12は、入口シャフト28と出口シャフト30を支持するハンドル26を有する。入口シャフト28は、ハンドル26内にて支持されて、一組の流入流体搬送チューブ32の基端部を収めている。出口シャフト30はハンドル26内にて支持されて、一組の流出流体搬送チューブの34の基端部を収めている。両方のシャフト28,30は、チューブを隔離するためのある種の断熱、好ましくは真空を有している。
図17〜19にいくつかチューブ構成を示す。図17に示す構成においては、比較的大きい単一の流出流体搬送チューブ36’の周囲に12本の流入流体搬送チューブ36が配置されている。図18においては、4本の流出流体搬送チューブ38’とともに3本の流入流体搬送チューブ38が配置されている。図19においては、流出流体搬送チューブ40’の面に隣接して流入流体搬送チューブ40の面が形成されている。
一実施例において、12本の流体搬送チューブを有する軟質ステンレス鋼の冷凍プローブが使用された。外周に6本の流入流体搬送チューブが配置され、中心に6本の流出流体搬送チューブが配置された。これらのチューブは図9に示すように編組された。冷凍領域の長さは16.51cm(6.5インチ)であった。各流体搬送チューブの外径は4.064mm(0.16インチ)であり、内径は0.254mm(0.010インチ)であった。形成されたチューブ配列の直径は1.905mm(0.075インチ)であった。22℃の水中にて1分間、近臨界(約3.4482MPa(500psig))窒素を毎分20リットル(STP)流して冷凍を行った結果、可撓性冷凍プローブの冷凍領域全体が、平均直径が約13.97mm(約0.55インチ)である氷で覆われた。4分後の直径は約20.32mm(約0.8インチ)であった。温かい状態の冷凍プローブは容易に曲げることができ、直径約50.8mm(約2インチ)のループ等のいかなる形状に曲げてもよい。また、これにより冷却力に顕著な影響が与えられることはない。
他の実施例において、21本の流体搬送チューブを有するポリイミド冷凍プローブが使用された。外周に10本の流入流体搬送チューブが配置され、中心に11本の流出流体搬送チューブが配置された。チューブは、編組されていた。冷凍領域の長さは、15.24cm(6.0インチ)であった。各流体搬送チューブの外径は0.26416mm(0.0104インチ)であり、内径は0.2159mm(0.0085インチ)であった。各チューブの定格圧力は、約13.1034MPa(約1900psig)(動作圧力約3.4482MPa(500psig))であった。冷凍プローブの可撓性部分の平均直径は1.15ミリメートル(0.045インチ)であった。冷凍プローブは、非常に高い可撓性を有し、「記憶特性(memory)」は確認されなかった。冷凍プローブは、1グラムの自重により曲がり、25.4mm(1インチ)の「結び目」等の、最小で2.54mm(0.1インチ)の曲げ半径を有する任意の形状をとることができる。冷凍プローブによって、完全なループが形成された。22℃の水中にて1分間、近臨界(約3.4482MPa(500psig))窒素を毎分20リットル(STP)流して冷凍を行った結果、可撓性冷凍プローブの冷凍領域全体が平均直径16.51mm(0.65インチ)の氷に覆われ、2分後には、ループの25.4mm(1インチ)の穴全体が閉塞した。その他の冷凍プローブおよびカテーテルの構造については、Babkinらの米国特許出願公開第2011/0040297号明細書(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。
(流体が充填された保護カバーを備えた冷凍アブレーションカテーテル)
図20Aに示す冷凍アブレーションシステム850は、カートもしくはコンソール860と、可撓性の長尺状チューブ910を介して着脱可能にコンソールに接続された冷凍アブレーションカテーテル900とを有する。冷凍アブレーションカテーテル900(詳細は図20Bを参照して後述する)は、流体搬送チューブが破損した場合に寒剤の漏れを収容する保護カバーを有している。流体搬送チューブから漏れが発生することが予期もしくは想定されているわけではないが、保護カバーは、追加的もしくは重複的な障壁として機能し、処置時には、この障壁を通過しない限り寒剤がカテーテルから出ることができない。
コンソール860は、生成器、コントローラ、タンク、弁、ポンプ等の様々な部品(図示しない)を有している。図20Aに示すように、ユ―ザー操作を容易にするために、カート上にコンピュータ870およびディスプレイ880が配置されている。コンピュータは、ポンプ、弁または生成器等の冷凍アブレーションシステムの構成要素を駆動するために、コントローラを有しているか、または、外部コントローラと通信可能である。使用者によるデータ入力や冷凍アブレーション器具の操作を可能にするマウス872やキーボード874等の入力デバイスを設けてもよい。
いくつか実施形態において、コンピュータ870は、前述のように寒剤の流量、圧力および温度を制御するように構成またはプログラムされている。目標値と実時間測定は、ディスプレイ880に送られて表示される。
図20Bは、冷凍アブレーション装置の先端部900の拡大図である。先端部900は、治療領域914に設けられた可撓性の保護カバー924以外の構成は前述の冷凍プローブと同様である。図示されているカバー924は、管状または円筒状であり、先端912にて終端している。前述したように、冷却領域914は複数の流体供給チューブおよび流体戻りチューブを有し、これらのチューブが治療領域914を通って冷却流体を搬送することにより、標的組織から熱を移動/除去させる。いくつか実施形態において、流体は、相図における流体の臨界点付近の物理的条件下にてチューブ束を通って搬送される。カバーは、供給チューブのうちの一本から漏れが発生した場合に冷却流体を収容してカテーテルから出ないようにする役割等を担う。
図21Aは、21−21線における先端治療部900の断面図である。複数の流体戻りチューブ920が、流体供給チューブ922の周方向の周囲に配置されている。
流体戻りチューブとカバー924の内面との間には隙間もしくは空間が形成されている。この隙間には熱伝導性の流体もしくは媒体926が充填されている。熱伝導流体は例えば水である。
動作時には、冷却すべき標的組織に対してカテーテルを当接させることができる場合には、カバー924および熱伝導流体926を介して、流体戻りチューブ内を移動中の流体もしくは寒剤に組織から熱が伝わる。流体供給チューブまたは流体戻りチューブに破損が生じた場合、冷却された流体はカバー924に収容される。
図21Aには媒体ライン928が示されている。媒体ライン928は、空間充填用の熱伝導媒体(例えば水)を、チューブ束とカバー924との間の隙間に届ける。ゲルもしくは媒体は、好ましくは、非循環である。媒体ライン928は、好ましくは、可撓性を有する管状構造である。ライン928は、カバー924の長さに沿った任意の箇所において終端している。ライン928は、シリンジやポンプ等の流体供給部からアクセスできる位置まで基端側に延びている。ラインは、シリンジをラインに連結するためのアダプタまたは流体コネクタを含んでいてもよい。
さらに、熱伝導媒体926の圧力を監視する圧力センサやゲージを流体ラインに組み込んでもよい。いくつか実施形態では、圧力が変化して閾値を超えた場合は、アブレーションが停止する。
広範囲の種類のセンサを冷凍アブレーションカテーテルに組み込むことができる。図21Aには、熱伝導流体926の温度を測定する温度ワイヤ930(熱電対等)が示されている。しかしながら、カバーの温度、マッピング電気信号の抵抗率および他のデータ等の別のパラメータを測定するためにワイヤの数を増減させてもよい。
図21Aには、カテーテルを関節式に連結(articulate)し、制御可能に屈曲または操縦するためのプルワイヤ934も示されている。プルワイヤ934は、カテーテルの基端部(図示しない)のある部位からカテーテルの先端部のある部位まで延びる。プルワイヤは、先端の点または部位(例えば、エンドキャップ912)に固定されている。プルワイヤの基端が操作される(例えば、引かれる)と、カテーテル914の先端部が、予測された量にて制御可能に屈曲する。図21Aには、ある方向または別の方向への先端部の屈曲を付勢する背骨要素932も示されている。
背骨要素およびプルワイヤの形状および材料は様々である。例えば、背骨要素は、鉄製のリボンまたはフラットワイヤであってもよい。プルワイヤは図に示すように、円形断面を有していてもよい。追加の操作手段およびメカニズムは、例えば、米国再発行特許第34,502号明細書および米国特許出願第09/157055号明細書(1998年9月18日出願)、米国特許出願第09/130359号明細書(1998年8月7日出願)および米国特許出願第08/924,611号明細書(1997年9月5日出願)に記載されている。これらの文献は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
流体チューブおよび流体戻りチューブの占有面積や配置は様々である。例えば、図21Bに示す別の構成においては、管状要素の数と大きさが同じである。管状要素は、隣り合わせまたは一対一の構成に配置されている。各流体戻りチューブ920a,920bは対応する流体供給チューブ922a,922bの近傍に平行をなして配置されている。図21Cは別のチューブ配置を示す。流体戻りチューブ920は、流体供給チューブ922と同軸をなして流体供給チューブ922を包囲している。カバー924は、同軸上に流体戻りチューブを包囲している。
図22に、図示を明瞭にするために外層を取り除いた状態のカテーテルを示す。具体的には、中間領域910は、流体供給導管936および流体戻り導管938を有し、これらの導管の径は、治療部914の各管状部材の径よりも大きい。
流体供給チューブは、流体供給導管936に流体接続されており、流体戻りチューブは流体戻り導管938に流体接続されている。この移行領域はスリーブ部材939に囲まれている。先端912には密閉チャンバが設けられ、流体を流体供給チューブから流体戻りチューブに送っている。
図23は、可撓性外側カバー924および骨組み部950を含む別の保護障壁を示している。好ましくは、カバーは可撓性を有し、関節式に連結されている。カバーは、チューブ束の周りに流体密閉部を形成している(または、他の状態においてチューブ束を包囲している)。いくつか実施形態では、カバーは屈曲および偏向可能であるが、拡張はしない。カバーは熱伝導性を有しており、ポリマー材料で形成可能である。カバーに適したポリマーの例としてはポリイミドが挙げられるが、これに限定されない。または、カバーは、ニチノール等の金属および合金を含む他の材料で形成してもよい。寒剤と組織との間の熱伝導率を増大させるために、壁厚は薄い方が良い。
骨組み部もしくは外側骨組み部は、図に示すようにスプリングもしくはコイル部材950を有する。詳細は後述するが、スプリング950は、血管系を介して心臓の室内に入ることができる可撓性および弾性を有する金属または合金から形成される。コイルは特定の形状に曲げられ、その後、安定形状に復帰できる。コイル材の一実施形態は、軟質ステンレス鋼である。図示を明瞭にするために、図24においてはカテーテルの先端部からカバーが取り除かれた状態を示している。図示されるコイル950は、先端治療部の全長にわたって延び、エンドキャップで終端している。コイルは、多数のストラットと、ストラットの間の隙間を含む。しかしながら、コイルの形状は変更可能であり、本開示は、添付の特許請求の範囲の記載のみに限定される。
(ベローズ状カバー)
図25に、保護カバーもしくは外側骨組み部966を備える別の冷凍アブレーションカテーテル960を示す。具体的には、カテーテルの中間部962から先端964までベローズまたは波状部材966が延びている。
図26は、26−26線におけるカテーテルの先端治療部の断面を示す。本明細書に記載のいくつかの冷凍アブレーション装置と同様に、マイクロチューブ968のチューブ束が、組織を冷却または除去するために治療部に行き来する冷却流体を搬送するために設けられている。
チューブ束と外側骨組み部材966の内面との間には空間970が形成されている。空間は前述したように、熱伝導性の液体またはゲルで満たされている。
ライン972は、熱伝導性液体を空間970に供給する。ゲルもしくは媒体は、好ましくは、非循環である。ゲルまたは熱伝導性液体は、カテーテルの基端に位置する入口ポートを介して供給され、密閉されている。さらに、前述したように、熱伝導流体の圧力または圧力変化を測定する圧力センサやゲージを流体ラインに組み込んでもよい。圧力が変化した場合、冷凍エネルギーの作動が停止される。
図27に示すように、ベローズ部材966は先端964まで延びている。ベローズ966は、周方向または同軸上にチューブ束968を囲み、先端964もしくはプラグ部材に接続されている。プラグ部材964とベローズとの間の流体密封接続は、接着剤または他の適切な接合技術を用いて実施することができる。
(チューブ内チューブ)
図28は、保護手段を備えた別の冷凍アブレーションカテーテル1010の一部を示す。この保護手段は、前述したように、寒剤もしくは冷却液が冷凍エネルギー供給チューブから漏れることを抑制する。
具体的には、図29Aおよび29Bに示すように、カテーテル1010は複数または一束の可撓性多層冷凍エネルギー供給チューブ1012を有し、各チューブ1012は同軸上の2本のチューブからなり、チューブ内にチューブが収められた構成になっている。
図29Bは、ある冷凍エネルギー供給チューブの拡大図である。この供給チューブは、冷凍アブレーションを行うために寒剤もしくは冷却液1016を循環または搬送させる内側チューブもしくは第1チューブ1014を有している。第1チューブ1014は同軸をなす第2チューブもしくは外側チューブ1018に囲まれている。前述したように、内側チューブの外面と外側チューブの内面との間の空間もしくは隙間1020には、熱伝導媒体が充填されている。
冷却液の漏れまたは内側チューブの破損が発生した場合、冷却液は外側チューブ1018内に収容される。
内側チューブ1014は、冷却流体を搬送する他の可撓性チューブに関連して前述したような材料から製造することができる。
外側チューブの材料もまた、先端治療部の弾性変形を可能にするために可撓性を有している必要がある。外側チューブ1018の材料の非限定的な例としては、ポリマー、金属または合金が挙げられる。外側シェル材料の一例はニチノールである。
図29Aに示すように、多層チューブの束1012は平行な配置に組み立ててもよい。図29Aには12本の保護チューブ1012が示されているが、数量はこれに限定されない。チューブ束の形状も変えてもよい。図29Aは略円形の束を示しているが、いくつかの実施形態においては、前述した構成を含め、長方形、正方形、十字形または他の形状である。チューブは、編組してもよいし、織ってもよい。
さらに、前述のような操作要素、センサおよび他の機能要素を図28のカテーテルに組み込んでもよい。
図30Aは、30A−30A線におけるカテ―テルの部分断面図である。カテーテル1010の中間部の端部1040に流体接続されたチューブ束1012が示されている。
図30Bは、チューブ束1012の基端部およびカテーテル1040の中間部の分解図である。外側カバー1018を越えて延びる内側管状要素1014を有するチューブ束1012は、カテーテル1040の中間部に挿入可能である。
具体的には、図30Aおよび30Bに示すように、流体戻りライン1014a,bは一束にまとめられて主戻りライン1032に挿入/連結されている。管状部材間の確実な流体密閉を容易に行うために、接着プラグ1042、シール、ガスケットまたはストッパ等が配置される。冷却力流体(CPF)は、流体供給ライン1014a,bから流体戻り主ライン1032に搬送される。
内側ライン1014a,bの基端からずれた位置に配置されている外側カバー1018a,bの基端は、カテーテルの中間部1040に挿入されて、各多層冷凍エネルギー搬送チューブ1012の隙間1020(図29B)に、管腔1050内の熱伝導流体(TCF)が注入されるようになっている。接着プラグ1044、溶接または結合が、流体密閉および強固な接続を容易化するために施される。当業者に周知のように、部品の連結は圧入、加熱または他の製造方法により実行できる。
(適用)
可撓性を有する安全な漏れ防止冷凍アブレーション装置が提供されることにより、冷凍治療の範囲が、融通の利かないニードル型の用途から、広い範囲の診断および治療処置に拡張される。適用例としては、長尺状の連続的な損傷部を形成するための血管内ベースの心臓アブレーションが挙げられる。前述したように、心臓の特定の部位に長尺状の連続的な損傷部を形成することにより、例えば、心房細動などの様々な状態を治療できる。
心房細動を治療するコックスメイズ手術は、経胸腔心外膜アプローチおよび経血管心内膜アプローチの両方において、高周波アブレーションカテーテルを用いて行われている。
経胸腔心外膜アプローチでは、カテーテルまたは小型プローブが、コックスメイズ手術の迷路状切開線に対応する線に沿って、心臓壁に線状の損傷部を作成するために使用される。経血管心内膜アプローチでは、血管系を通ってカテーテルを患者の心房まで移動させ、心房の内壁に押し付けてから通電させることによって、コックスメイズ手術の迷路状切開線に対応する損傷部が形成される。
図31に、組織の標的部位およびコックスメイズ手術における損傷部の例を示す。心臓の基本的な構造は、右心房2、左心房3、右心室4および左心室5を含む。カテーテルは、大動脈6(大腿動脈を介して到達する)、上大静脈6a(鎖骨下静脈を介して到達する)および下大静脈6b(大腿静脈を介して到達する)等の様々な血管を介して心臓のこれらの室内に挿入することができる。
以下の説明では、左心房に損傷部を形成するコックスメイズVII手術を実行するための実施形態に焦点を当てるが、損傷部を形成するための手順は、心臓および他の器官ならびにこれらの周囲に他の損傷部を形成するために使用することができる。コックスメイズVII手術の追加的損傷部および他の様々なコックスメイズ治療は、ここに記載する工程および器具を用いて実行できる。他の手法および器具については、Coxらによる国際出願第PCT/US2012/047484号明細書(国際公開第2013/013098号明細書)およびCoxらによる国際出願第PCT/US2012/047487号明細書(国際公開第2013/013099号明細書)に記載されている。これらの文献は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
図31には、左心房に形成されたコックスメイズVII損傷部が示されている。コックスメイズ損傷部6、8、9は、左心房の内壁に形成されている。これらは、心房において左上肺静脈および右上肺静脈の心房への入口の上側を延びる上側の左心房損傷部(損傷部6)、心房において左下肺静脈および右下肺静脈の心房への入口の下側を延びる下側の左心房損傷部(損傷部8)および上下方向の損傷部(損傷部9)である。上下方向の損傷部は上側の左心房損傷部と下側の左心房損傷部とを接続しており、これにより、3つの損傷部が画定する領域内に右肺静脈が位置することになる。
図32に、カテーテルの先端治療部を左心房に到達させる方法の一例を示す。末梢静脈(例えば大腿静脈FV)を針で穿刺する。刺創は、イントロデューサシースを収容できる大きさに拡張器を用いて拡張され、相対的な止血を維持しながら、少なくとも1つの止血弁を備えたイントロデューサシースが、拡張された刺創内に配置される。イントロデューサシースをこの状態に配置したまま、ガイドカテーテル10またはシースがイントロデューサシースの止血弁を介して導入されて、末梢静脈に沿って移動されて標的心臓領域(大静脈および右心房2等)に進入する。選択部位へのカテーテルの誘導には、透視撮影法を利用することができる。
右心房2に入ったガイドカテーテルの先端は、心房内隔壁の卵円窩に接するように配置される。ニードルまたはトロカールが、ガイドカテーテルを通って卵円窩を穿刺するまで先端側に移動される。ニードルと共に別の拡張器が卵円窩を通って前進し、ガイドカテーテルを配置させるために、隔壁を貫通するアクセス孔を形成する。その後、隔壁を貫通するニードルがガイドカテーテルに置き換えられ、ガイドカテーテルが卵円窩を介して左心房に配置される。これにより、ガイドカテーテルの管腔を介した、左心房への器具の到達が可能となる。
本開示のアブレーション器具アセンブリの使用に適した他の代替的な方法により左心房への到達を行ってもよい。一代替例において、ガイドカテーテルが動脈系から左心房内に移動される「逆行型」アプローチが採用される。この変形例では、静脈ではなく、大腿動脈等の動脈系への経血管アクセスを行うためにセルジンガー法が使用される。ガイドカテーテルは、逆行的に、大動脈を通って大動脈弓の周囲を進み、心室に入り、僧帽弁を通って左心房に入る。
図33に示すように、ガイドカテーテル10を介して進む心内膜カテーテル20は、左心房の損傷部の所望の線を形成する。心内膜カテーテル20の先端部は操縦可能であり、心房の心内膜側空間内で曲げられ、左心房の心内膜の壁にしっかり当接できる。さらに、心内膜カテーテル20の先端部は、比較的硬質であり、心臓壁に合わせて変形することがない。図33においては、先端治療部は上側の左心房損傷部6を覆うために曲げられるように構成されている。
例示的な損傷部の長さは2〜10cmであり、より好適には5〜8cmである。
いくつかの実施形態において、器具および方法は、(1)心房において左上肺静脈および右上肺静脈の心房への入口の上側を延びる損傷部、(2)左下肺静脈および右下肺静脈の心房への入口の下側を延びる損傷部、および/または、(3)右上肺静脈および右下肺静脈の心房への入口の右側を延びる上下方向の損傷部を形成するように構成および意図されている。損傷部は好適には連続的かつ線状であり、従来のポイントアブレーション法のように点の連続ではない。上記の設計によれば、冷凍エネルギーおよび熱伝達が心内膜に集中し、心内膜を完全に貫通する損傷部を形成することができる。
さらに、いくつかの実施形態では、カテーテルは、相図における臨界点付近の冷却流体を搬送することによって、ベーパーロックを発生させることなく冷却力を発揮することができる。また、いくつかの実施形態では、カテーテルは、漏れた寒剤を収容する保護カバーや追加シェルを有しているにもかかわらず、このような冷却力を実現できる。本明細書に記載する先端治療部の設計は、寒剤漏れが発生した場合に付随する不具合を軽減する安全な方法によって、心臓壁の厚さ全体を延びる長尺状の連続的な損傷部を形成することを意図している。アブレーションカテーテルは心臓の室内に配置されて心内膜から心外膜、または逆の方向に治療エネルギーを送るため、心臓の各室を通る温かい血流に関連するヒートシンクが軽減または回避される。
a)血管内カテーテル材料として、約−4.1379MPa(−600psi)の最大許容値より低い近臨界窒素の圧力を用い、b)漏れから生じる危険度が制限されている、複数の血管内製品が説明された。本開示の趣旨による心臓アブレーションカテーテルは左心房の内面に沿って直接接触して配置されるため、アブレーションが外側に進行するにつれて心臓を流れる巨大なヒートシンクのほとんどを回避できる。
さらに、カテーテル構成は、上記のメイズ手術に似た、周方向に延びる線状アブレーションを供する実質的な屈曲部もしくはループを含む。本明細書に記載されたカテーテルは、例えば、肺血管入口の近くまたは周囲にリング状の損傷部を形成するように操作することができる。
本明細書中に記載される器具は、例えば、内視鏡冷凍治療を含む多種多様な用途に使用できる。冷凍エネルギーを用いてアブレーションされ得る腫瘍は、気管支や肺の標的組織および腫瘍に加え、上部および下部の消化管の組織が含まれる。本明細書に記載の器具は、頭頸部の標的組織を破壊または制限するために適用されてもよい。
本開示の多くの変更例および代替例が上記の記載から実施することができる。したがって、添付の特許請求の範囲内で、本開示は、具体的に説明された方法以外の方法で実施できる。

Claims (10)

  1. 冷凍アブレーションシステムであって
    寒剤生成器と、
    冷凍アブレーション装置と、を備えており、冷凍アブレーション装置が、
    基端部、中間部、先端部および先端と、
    前記先端に向けて寒剤を搬送するために前記先端部に沿って延在する少なくとも1つの寒剤供給チューブであって、少なくとも1つの寒剤供給チューブを同軸上に囲む外側チューブを有しており、それによって、外側チューブと少なくとも1つの寒剤供給チューブとの間に第1の隙間が形成され、第1の隙間には第1の熱伝導性流体が充填されている、少なくとも1つの寒剤供給チューブと、
    前記先端から寒剤を搬送するために前記先端部に沿って延在する少なくとも1つの寒剤戻りチューブであって、少なくとも1つの寒剤戻りチューブを同軸上に囲む外側チューブを有しており、それによって、外側チューブと少なくとも1つの寒剤戻りチューブとの間に第2の隙間が形成され、第2の隙間には第1の熱伝導性流体が充填されている、少なくとも1つの寒剤戻りチューブと、を備えている、冷凍アブレーションシステム。
  2. 前記寒剤生成器が窒素を利用して標的組織を冷却する、請求項1に記載の冷凍アブレーションシステム。
  3. 前記寒剤生成器がアルゴンを利用して標的組織を冷却する、請求項1に記載の冷凍アブレーションシステム。
  4. 前記第1の熱伝導性流体が水である、請求項1に記載の冷凍アブレーションシステム。
  5. 円形配列を形成する、複数の寒剤供給チューブおよび複数の寒剤戻りチューブをさらに備えている、請求項1に記載の冷凍アブレーションシステム。
  6. 前記円形配列を囲む、可撓性を有する外側シースをさらに備えている、請求項5に記載の冷凍アブレーションシステム。
  7. 前記複数の寒剤供給チューブおよび複数の寒剤戻りチューブが第2の熱伝導性流体に囲まれている、請求項6に記載の冷凍アブレーションシステム。
  8. 前記第1の熱伝導性流体および第2の熱伝導性流体が同じ流体である、請求項7に記載の冷凍アブレーションシステム。
  9. 前記第1の熱伝導性流体および第2の熱伝導性流体が水である、請求項8に記載の冷凍アブレーションシステム。
  10. 前記冷凍アブレーション装置が冷凍アブレーションカテーテルであり、冷凍アブレーションカテーテルが、標的組織から冷凍アブレーションカテーテルの先端部へ熱を搬送し、それによって、標的組織に長尺状損傷部を形成するために、前記少なくとも1つの寒剤供給チューブおよび少なくとも1つの寒剤戻りチューブに寒剤を流すことができる、請求項1に記載の冷凍アブレーションシステム。
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