JP3528931B2 - 液体冷媒の供給・排出方法及びその装置 - Google Patents

液体冷媒の供給・排出方法及びその装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低温液体冷媒が冷却プ
ローブの内部を通過し、その先端の冷却チップを冷却す
る冷却機構における液体冷媒の供給・排出方法及びその
装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来の低温技術は、食品の冷凍保存(約−
40℃)、航空機等の諸材料や機器の耐寒試験(約−5
0℃以下)、金属の超伝導性研究等に利用される一方、
炭酸ガス、酸素、アルゴン、空気、窒素、ネオン、水
素、ヘリウム等の気体の液化技術の向上によって、ME
(医用工学:メディカル・エンジニアリング)の領域に
も利用されるようになっている。
【0003】このMEにおける低温技術は、冷凍外科に
おいて応用されている。一般に、医学における癌等の腫
瘍の除去は、メスによって切除する外科的手術による
が、手術中の出血処理の問題、治癒期間が長期化する等
の理由から、冷却プローブによって腫瘍の局部のみを部
分的に冷却し、その局部細胞のみを死滅させて除去する
という冷凍外科手術が、皮膚科、肛門科、婦人科、消化
器科、呼吸科、眼科等で実施され成果をあげている。
【0004】この冷凍外科手術は、冷却プローブによる
局部冷凍であるため、患部を正確に知り患部のみを冷凍
除去し健康な細胞を死滅させないことと、極低温に冷却
するため、局部冷却後冷却プローブを引き出す際に他の
健康な組織を粘着破壊させないことが必要である。その
ためには、局部を正確に観察する観察装置と、その局部
を冷却後に加熱する加熱装置を冷却プローブに付属させ
る必要がある。これらの装置は、特公昭47−7119
3号公報(先行例)に開示され公知である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】また、上述の先行例は
観察装置で患部を観察した後冷却プローブを患部に挿入
し、液体窒素を冷却プローブに供給し被冷却体を冷却
後、加熱装置で被冷却体を加熱してから冷却プローブを
患部から引き出す低温外科器具が開示されている。
【0006】しかしながら、この技術においては被冷却
体を冷却後のもどり冷媒を直接に吸い上げポンプを駆動
して排出している。そのために、低負荷時等にもどり冷
媒が液体−気体の2相状態でもどってくる場合には、排
気ポンプの保護のために吸入排出前にヒータ等でガス化
する必要があった。また、この先行例にあっては飽和状
態の液体冷媒を細管に導入するために、侵入熱によるフ
ラッシュガスが発生し、流れ抵抗が増加し液体冷媒の流
量を多く流すことが困難であった。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の事情に鑑み、本発
明は、請求項1においては、気体を液化した飽和状態の
液体冷媒を所定圧力下に容器内に維持しつつ前記液体冷
媒を冷却プローブに供給して被冷却体を冷却し、そのも
どり冷媒を、前記容器内の液体冷媒の温度より低く冷却
されて維持されている低温液体冷媒を貯蔵した過冷却器
内にもどすとともに、前記過冷却器内の気体冷媒を前記
過冷却器内より排出して所定の圧力を制御する液体冷媒
の供給・排出方法において、前記過冷却器内の低温液体
冷媒を、該冷媒の三重点圧力より上の圧力であって前記
容器内圧力より減圧して液体が固化しない状態で維持す
るとともに、前記容器内の液体冷媒を前記過冷却器内の
熱交換器を介して前記低温液体冷媒と熱交換して過冷却
状態にして前記冷却プローブに供給する第1過程と、前
記もどり冷媒を前記過冷却器内にもどすとともに前記過
冷却器内の気体を排気管により排出する第2過程とによ
り構成しているが、前記もどり冷媒を前記過冷却器内に
もどす手段として、「冷却プローブから直接に過冷却器
内にもどす」第1方法と、「過冷却器から気体を排気す
る排気管の入口に設けた乾き度検出機構を介して過冷却
器内にもどす」第2方法とを、択一的に選択して、前記
第1及び第2過程に付加して発明が完成するように構成
したものである。本発明の請求項2においては、もどり
冷媒を過冷却器内にもどす手段として、「過冷却器から
気体を排気する排気管の入口に設けた絞り機構に噴射さ
せて過冷却器にもどす」という方法を請求項1における
前記第1及び第2過程に付加して構成したものである。
本発明の請求項3においては、気体を液化した飽和状態
の液体冷媒を所定圧力下に容器内に維持しつつ前記液体
冷媒を冷却プローブに供給して被冷却体を冷却し、その
もどり冷媒を、前記容器内の液体冷媒の温度より低く冷
却されて維持されている低温液体冷媒を貯蔵した過冷却
器内にもどすとともに、前記過冷却器内の気体冷媒を前
記過冷却器内より排出して所定圧力を制御する液体冷媒
の供給・排出装置において、前記液体冷媒を所定の圧力
下に貯蔵して冷却プローブに供給する容器と、この容器
内圧力より低くかつ前記液体冷媒の三重点圧力より上の
圧力であって前記液体冷媒が固化しない状態の圧力に維
持され、さらに前記容器内の前記液体冷媒より過冷にさ
れた低温液体冷媒を貯蔵した過冷却器と、この過冷却器
内に設けられた熱交換器とによって、前記液体冷媒を過
冷却して前記冷却プローブに供給し、前記冷却プローブ
からのもどり冷媒を前記過冷却器内に戻すもどり配管
と、前記過冷却器内に排気管入口が設けられた気体の排
出手段とによって、もどり冷媒を過冷却器内にもどすと
ともに過冷却器内の気体を排出して過冷却器内の圧力を
所定の圧力に維持するように構成したものである。本発
明の請求項4においては、請求項3に従属する発明であ
って、排気管入口に乾き度検出機構を有した排出手段を
備え、前記乾き度検出機構を介して過冷却器内の気体を
排出するように構成したものである。本発明の請求項5
においては、請求項3に従属する発明であって、排気管
入口に絞り機構を有した排出手段と、もどり冷媒出口を
前記絞り機構と対面させたもどり配管とを備え、もどり
冷媒を前記絞り機構に噴射させて過冷却器内にもどすよ
うに構成したものである。
【0008】
【作用】かかる技術によれば、請求項1乃至5におい
て、方法または装置の違いはあるものの、気体を液化し
た飽和状態の液体冷媒を所定の圧力下に容器内に維持す
る一方、前記容器内の液体冷媒の温度より低く冷却され
て維持されている低温液体冷媒を過冷却器内に貯蔵し、
この過冷却器内の低温液体冷媒内に熱交換器を設け、液
体冷媒を前記容器内と前記過冷却器内の圧力差によって
前記容器内から前記過冷却器内に向かって、前記熱交換
器によって過冷却されて流れる。過冷却された液体冷媒
は、途中、冷却プローブによって被冷却体を冷却したも
どり冷媒は、もどり配管によって前記過冷却器内にもど
され、排出手段により過冷却器内より排出され、過冷却
器内は所定の圧力に制御される。特に、請求項1の、も
どり冷媒を「過冷却器から気体を排出する排気管の入口
に設けた乾き度検出機構を介して過冷却器にもどす」第
2方法の場合、及び請求項4の、「排気管入口に乾き度
検出機構を有した排出手段を備え、前記乾き度検出機構
を介して過冷却器内の気体を排出する」という要件を有
する場合は、乾き度がすくないと排気管の実効面積が狭
められ、過冷却器内の圧力が上がり、液体冷媒の貯蔵容
器内の圧力と過冷却器内の圧力差により、液体冷媒の供
給量が減少する。排気管内の圧力は所定の圧力に制御さ
れるが、過冷却器内圧力は排気管内圧力より高い圧力に
制御される。したがって、低負荷時、過冷却器内の液体
冷媒より温度の高いもどり冷媒を余分にもどす量が少な
くなる。また、請求項2の、もどり冷媒が「過冷却器か
ら気体を排気する排気管の入口に設けた絞り機構に噴射
して過冷却器にもどされる」という方法の場合、及び請
求項5の、「排気管入口に絞り機構を有した排出手段
と、もどり冷媒出口を前記絞り機構と対面させたもどり
配管とを備え、もどり冷媒を前記絞り機構に噴射させて
過冷却器内にもどす」という要件を有する場合は、請求
項1の第2方法の場合と同じように、乾き度が少ないと
排気管の実効面積が狭められ、結果的に、排気管内圧力
より高く過冷却器内の圧力が制御される。
【0009】
【実施例】以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳
細に説明する。但し、この実施例に記載される構成部品
の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な
記載が無い限り、この発明の範囲をそれのみに限定する
趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0010】図1は本発明に係る液体冷媒の供給・排出
方法及びその装置を示す第1実施例図、図2は本発明に
係る液体冷媒の供給・排出方法及びその装置を示す第2
実施例図、図3は乾き度検出機構を示す部分図である。
図1において、鋼材、合成樹脂、ガラス等で形成された
壁1a、1bにより真空断熱されて囲繞されたデュワ1
は、内部に絶対温度70Kの液体窒素5を収納して、窒
素の三重点圧力より上の絶対圧力0.4ataに、後述
する機構で制御され、過冷却器を構成している。これを
三重点圧力より上に設定する理由は、以下の通りであ
る。一般に、従来技術の欄に記載したような気体を液化
するには、温度を下げる代わりに、それぞれの気体固有
のある温度以下ならば、一定温度で圧力を上げてもよい
が、それ以上の温度ではどんなに圧力を加えても液化し
ないという臨界温度が存在し、それぞれの気体固有の圧
力以下でなければ液化しないという臨界圧力が存在し、
固体、液体、気体が共存する三重点圧力は、臨界圧力よ
り低い圧力で存在する。したがって、過冷却器内の圧力
が三重点圧力以下になると、後述するもどり配管の出口
でもどり冷媒の凍結が助長的に生じて、しいてはもどり
配管出口が固化冷媒によって閉鎖し、液体冷媒の供給不
足または不能状態になるのを防ぐためである。また、同
じく壁2a、2bにより真空断熱され囲繞されたデュワ
2は、内部に絶対温度80Kの液体窒素6を収納して、
後述するように絶対圧力1.5ataに制御されてい
る。これらのデュワ1及び2は気密容器3を構成してい
る。
【0011】冷却プローブ4には、液体冷媒導入管4a
から内部の図示しない蒸発部に向かって真空断熱された
配管が設けられるとともに、蒸発部の近傍には図示しな
い加熱コイルが設けられている。液体冷媒は蒸発部で冷
却プローブ先端の冷却チップを介して被冷却体を冷却
し、そこで液体冷媒の全部または一部は気化し、もどり
冷媒となって排出管4bからもどり配管21に排出され
る。そして、必要に応じて加熱コイルによって、冷却チ
ップを加熱して被冷却体を解凍することができるように
構成されている。導入管4aに連結された電磁弁13は
導入管13aを介してデュワ1内の液体窒素5内に設け
られた熱交換器7の排出口に連結し、CPU22の出力
端子T8の信号により開閉されるように構成されてい
る。尚、液体冷媒導入管4a、電磁弁13、導入管13
a及び排出管4bは真空断熱された部材で被装されてい
る。また、これらの部材は冷却プローブ4内に設けても
よい。また、冷却プローブの先端チップの形状寸法は、
使用目的によって種々変更できるものである。
【0012】熱交換器7の吸入口7aはデュワ1の壁1
a、1bを貫通してデュワ2の液体窒素6内に延在して
いる。したがって、液体窒素6はデュワ2内の絶対圧力
1.5ataとデュワ1内の絶対圧力0.4ataとの
圧力差により循環ポンプなしで、冷却プローブ4に供給
される。
【0013】もどり配管21はデュワ1内に延在して、
もどり冷媒をデュワ1に排出できるように設けられてい
る。デュワ1には、また、排出管20が設けられ、この
排出管20には圧力スイッチ8が連結されている。この
圧力スイッチ8はデュワ1内が所定の圧力を超えると閉
成し、CPU(中央演算素子)22に信号を送出し、所
定圧力を下回ると開成するように構成されている。勿
論、所定圧力を超えるとと開成し、所定圧力を下回ると
閉成するように構成してもよい。この圧力スイッチ8は
CPU22の入力端子T3に接続されている。
【0014】デュワ1内の排出管20は、さらに電磁弁
11の入口に連結され、出口は排出ポンプ15に連結さ
れている。電磁弁11は、CPU22の出力端子T6か
らの信号を受けて駆動し、排出ポンプ15はCPU22
の出力端子T8からの信号を受けて駆動するように構成
されている。
【0015】デュワ2内には、真空断熱された配管9a
及び配管10aが設けられ、それぞれ圧力スイッチ9及
び圧力スイッチ10に連結されている。この圧力スイッ
チ9はデュワ2内が所定圧力を下回ったとき閉成し、超
えた時開成し、前記圧力スイッチ10はデュワ2内が所
定圧力を超えたとき閉成し、下回った時開成するする圧
力検出スイッチである。これらのスイッチはそれぞれC
PU22の入力端子T2及びT1に接続されている。勿
論、これらのスイッチはCPU22にデュワ2内の圧力
の状態の変化を切り替え信号として送出するものである
ため、所定圧力を下回ったとき閉成し、超えた時開成し
ても、またその逆の組合せであってもよいものである。
【0016】また、デュワ2内にはヒータ18が設けら
れ真空断熱された配線18aによりCPU22の出力端
子T12に接続されている。このヒータ18は、デュワ
2内の圧力が所定圧力を下回ると圧力スイッチ9が閉成
しCPU22に信号が入来すると、CPU22は端子T
12に信号を送出し液体窒素6を加熱し気化させる。デ
ュワ2内が所定圧力に復帰すると圧力スイッチ9が開成
し、CPU22に切り変わり信号が送出されヒータ18
の加熱を止める。
【0017】さらに、デュワ2内には、真空断熱された
配管19が設けられ、電磁弁12に連結され、その電磁
弁12は排出ポンプ14に連結されている。電磁弁12
及び排出ポンプ14はCPU22の出力端子T11及び
T10の信号により駆動するように構成されている。い
ま、デュワ2内の圧力が所定圧力を超えると圧力スイッ
チ10が閉成し、入力信号がCPU22の入力端子T1
に入来する。これによりCPU22の出力端子T11及
びT10から信号が送出され、電磁弁12が開かれポン
プ14が駆動して気体窒素が排出される。デュワ2内が
所定圧力に復帰すると圧力スイッチ10が開成され、電
磁弁12が閉鎖されポンプ14の駆動が停止される。
【0018】尚、上述した圧力スイッチ9及び10の作
動点を同一レベルに設定すると、圧力スイッチ9により
ヒータ18か、または圧力スイッチ10により排出ポン
プ14かが、常時動作することとなり、不経済である。
よって、これらの部材の応答性、液体窒素の容積、配管
や壁等の熱伝導性等を考慮して、所定の圧力レベルを中
心として適宜の不感帯幅を設けるべきである。電磁弁ス
イッチ16が押圧されるとCPU22の出力端子T8か
ら信号が送出され、電磁弁13が開成し低温液体窒素5
が冷却プローブ4に供給されるように構成されている。
また、ヒータスイッチ17はCPU22の入力端子T4
に接続され、このスイッチが押圧されるとCPU22の
出力端子T9から信号が送出され、冷却プローブ4が加
熱されるように構成されている。尚、冷却プローブ内の
加熱コイル、ヒータ18、電磁弁及びポンプ等への電源
は図示されていないが、それらの駆動回路とともに公知
の方法で接続されていることは勿論である。
【0019】次に、上述のように構成された、本発明の
第1実施例の動作の説明をする。図1において、いま、
デュワ2内が所定圧力より下回ると、圧力スイッチ9が
閉成しCPU22の入力端子T2に信号を送り、CPU
22は出力端子T12に電気信号を送りヒータ18を駆
動して液体窒素6を加熱する。デュア2内圧力が所定圧
力に復帰すると圧力スイッチ9は開成しヒータ18の加
熱が停止する。一方、デュワ2内が所定圧力を超えると
圧力スイッチ10が閉成しCPU22の入力端子T1に
信号を送り、CPU22は出力端子T11及びT12に
電気信号を送り、電磁弁12を開成しポンプ14を駆動
して排出管19を介してデュワ2内の気体を排気し、絶
対圧力1.5ataを中心として許容される範囲にデュ
ワ2内圧力が制御される。
【0020】このように制御された状態において、室温
に暖められている冷却プローブ4を体内に挿入し、その
先端チップを患部に当て、電磁弁スイッチ16が押圧さ
れると、CPU22の出力端子T8より電気信号が送出
され、電磁弁13が開成される。デュワ2内の液体窒素
6は絶対圧力1.5ata、絶対温度80Kに、デュワ
1内の液体窒素5は0.4ata、70Kに設定されて
いるので、その圧力差によりデュワ2内の液体窒素6は
デュワ1内に設けられている熱交換器7により80Kか
ら略74Kに過冷却し冷却プローブ4に供給される。冷
却プローブ4内では図示しない蒸発器により被冷却体を
冷却し、全部または一部が気化したもどり冷媒が排出管
4bから排出され、そのもどり冷媒はもどり配管21に
よりデュワ1内に排出される。
【0021】デュワ1内にもどり冷媒が増えるたびにデ
ュワ1内圧力が増し、デュワ2とデュワ1内の圧力差が
少なくなり、低温液体冷媒の供給量が減少し、このまま
では低温液体冷媒の供給が停止してしまう。そのため、
圧力スイッチ8がデュワ1内圧力を検出し、所定圧力を
超えると閉成し信号をCPU22の入力端子T3に送
る。CPU22は出力端子T6及びT7から電気信号を
電磁弁11及び排出ポンプ15に送り、電磁弁11を開
成しポンプ15を駆動してデュワ1内の気体窒素を排出
する。デュワ1内圧力が所定圧力に復帰すると圧力スイ
ッチ8は開成し、CPU22は電磁弁11を閉成させ、
排出ポンプ15の駆動を停止させる。このようにして、
デュワ1内圧力が絶対圧力0.4ataを中心として許
容される範囲に制御される。この結果、もどり冷媒の気
体部分のみがデュワ1外に排出され、同じ排気ポンプを
使用した従来の液体窒素の供給方法に比べて、数倍以上
の冷却能力を安定に達成できるものである。
【0022】被冷却体の冷却が完了すると、再度電磁弁
スイッチ16を押圧し、電磁弁13を閉成し冷却プロー
ブ4への低温液体冷媒の供給を停止させ、次にヒータス
イッチ17を押圧すると冷却プローブ4内の加熱コイル
に電流が流れ、冷却チップが体温まで暖められてから冷
却プローブ4が体外に取り出される。
【0023】上述した、本発明の第1実施例は、飽和状
態の液体窒素を過冷却状態にて冷却プローブに供給する
ことにより、導管内でのフラッシュガスの発生を極小に
でき、流れ抵抗を軽減できる。また、もどり冷媒が2相
状態であっても、過冷却器内で液とガスとが分離され、
ガスのみが排気ポンプに吸引されるため、同ポンプの耐
久性が確保される。そして、過冷却器の負圧を冷媒の固
化温度飽和圧力より上に維持することによって冷媒の固
化による導管のつまり等の故障を防止することができ
る。といった効果を奏するものである。
【0024】しかしながら、低負荷状態の被冷却体を考
えると、もどり冷媒中で気体の占める割合は少なく、乾
き度xは小さい状態で過冷却器に放出される。すなわ
ち、余分な液体冷媒を過冷却して無駄に冷却プローブに
供給することになるとともに、過冷却器にもどり液体冷
媒を放出することにより、無駄に過冷却器内の液体冷媒
を暖め過冷却能力を下げる結果となる。
【0025】そのような課題を解決するために、本願発
明者は以下に述べるごとく第1実施例の改良発明をなし
たものである。よって、次に、その改良発明である本発
明の第2実施例を説明する。図2において、図1と共通
部材は共通番号を使用している。図1との絶対的相違点
は、図2において、もどり配管21の先端部が圧力損失
を防ぐために適宜の曲率で湾曲して排気管20に近接さ
せた点である。その詳細は、図3に図示したように、排
気管20の入口にメッシュ絞り機構20aを設け、前述
したようにもどり配管21の先端部を湾曲させ、もどり
冷媒の体積流量の半分がメッシュの絞り機構20aに直
接噴射されるように、もどり配管21の出口の位置を下
方にずらしてメッシュに対向させて設けてある。したが
って、もどり配管21内のもどり冷媒23は冷媒ガス2
3aと冷媒液23bの冷媒二相液としてメッシュ20a
に噴射される。被冷却体を冷却して、二相液状態(約7
0K、乾き度x=0.3)で過冷却器であるデュワ1に
排出されたとき循環流量の約0.35の冷媒液がメッシ
ュ絞り機構を濡らしている状態となり、排気ポンプ15
により絶対圧力0.4ataに維持が可能であるよう
に、同機構の圧力損失が冷却負荷と排気ポンプの関係に
て適当な値に設定されている。
【0026】このように構成された本発明の第2実施例
の動作を説明する。大気圧あるいはそれ以上の飽和液
(1.5ata,82K)であるデュワ2内の液体窒素
6は、デュワ2内の液体冷媒より低温である飽和液
(0.4ata,70K)により過冷却(73K)され
冷凍プローブ4に供給される。被冷却体を冷却し、二相
液状態(約70K、乾き度x=0.3)で過冷却器であ
るデュワ1内に排出される。図3のごとく、もどり冷媒
の体積流量の半分がメッシュ20aの絞り機構に直接噴
射されるように構成されているので、このとき循環流量
Rは、R=(1−0.3)×0.5=0.35となり、
約0.35の冷媒液がメッシュ絞り機構20aを濡らし
ている状態となっている。このような状態から冷却負荷
が50%減少した場合、過冷却分を無視すると、もどり
冷媒(約74K、x=0.15)の状態で、もどり配管
21の先端部21bから放出される。このときの循環流
量Rは、R=(1−0.15)×0.5=0.425と
なり、約0.425の冷媒液がメッシュ絞り機構を濡ら
すこととなり、同絞り機構の圧力損失が増加する。よっ
て、同排気ポンプの能力が一定であれば、メッシュ絞り
機構に冷媒液が部分的にあるため、同絞り機構の圧力損
失の増加により過冷却器内圧力が増加することになる。
【0027】このことによって、供給冷媒流量が低下す
るとともに過冷却度も小さくなる。したがって、もどり
冷媒の乾き度xは0.15より大きくなり、メッシュ絞
り機構の濡れ面積も小さくなるとともに同絞り機構での
圧損も低下することとなる。したがって、50%負荷の
場合、冷媒循環流量は100%のときと比べて少なくな
るとともに乾き度xが0.15〜0.3の間に又、過冷
却器内圧力は多少高くバランスすることになる。そし
て、冷却負荷が増加した場合は、低負荷時と逆の状態変
化が行なわれる。このように、冷却負荷を変化させた場
合も過冷却器内の多少の変動はあるものの負荷に見合っ
た冷媒の循環流量で安定した冷媒供給が連続して達成さ
れるものである。尚、本実施例では、液体窒素で説明し
たが、液体冷媒はこれに限るものではなく、本発明の要
旨を逸脱しないかぎりすべての液体冷媒に適用できるも
のである。そして、使用目的によって有害となる液体冷
媒の場合は、排出先に低圧の容器を付属させ、使用部屋
内に漏れないないようにすべきであることは勿論であ
る。
【0028】
【効果】以上、詳述したように、本発明に係る液体冷媒
の供給・排出方法及びその装置は、以下に述べる顕著な
効果を有する。 (1)飽和の液体冷媒を過冷却状態にて供給する事によ
り、導管内でのフラッシュガスの発生を極小にでき、流
れ抵抗を低減でき、効率の良い液体冷媒の供給・排出方
法及びその装置を提供することができ、従来と比べて数
倍以上の冷却能力を安定して達成することができるもの
である。 (2)もどり冷媒が2相状態においても、過冷却器内で
液と気体に分離され、気体のみを排気ポンプで吸引排出
されるため、同ポンプの耐久性が確保される。 (3)過冷却器の負荷を冷媒の固化温度飽和圧力より上
に維持することによって、冷媒の固化による導管のつま
り等の故障防止ができる。特に、乾き度検出機構を有し
た第2実施例の場合は、上記効果に加えて、冷却負荷が
変化した場合であっても、負荷に見合った冷媒の循環流
量で安定した液体冷媒の供給・排出方法及びその装置を
提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液体冷媒の提供・排出方法及びそ
の装置の第1実施例図である。
【図2】本発明に係る液体冷媒の提供・排出方法及びそ
の装置の第2実施例図である。
【図3】乾き度検出機構を示す部分図である。
【符号の説明】
1、2 デュワ 3 気密容器 4 冷却プローブ 5、6 液体窒素 7 熱交換器 8、9、10 圧力スイッチ 11、12、13 電磁弁 14、15 排出ポンプ 16、17 スイッチ 18 ヒータ 19、20 排気管 21 もどり配管 22 CPU(中央演算素子) 23 もどり冷媒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 18/02 F25D 9/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気体を液化した飽和状態の液体冷媒を、
    所定圧力下に容器内に維持しつつ冷却プローブに供給
    し、前記容器内の液体冷媒の温度より低く冷却されて維
    持されている低温液体冷媒を貯蔵した過冷却器内に被冷
    却体を冷却したもどり冷媒を戻すとともに、前記過冷却
    器内の気体を排出して所定圧力を制御する液体冷媒の供
    給・排出方法において、 前記過冷却器内の低温液体冷媒を、該冷媒の三重点圧力
    より上の圧力であって前記容器内圧力より減圧して液体
    が固化しない状態で維持するとともに、前記容器内の液
    体冷媒を前記過冷却器内の熱交換器を介して前記低温液
    体冷媒と熱交換して過冷却状態にて冷却プローブに供給
    し、 前記もどり冷媒を直接または、前記過冷却器内に有る排
    気管の入口に設けられた乾き度検出機構を介して、前記
    過冷却器内に戻すとともに、前記過冷却器内の気体を前
    記排気管により排出することによって前記過冷却器内圧
    力を前記所定圧力に維持することを特徴とする液体冷媒
    の供給・排出方法。
  2. 【請求項2】 気体を液化した飽和状態の液体冷媒を、
    所定圧力下に容器内に維持しつつ冷却プローブに供給
    し、前記容器内の液体冷媒の温度より低く冷却されて維
    持されている低温液体冷媒を貯蔵した過冷却器内に被冷
    却体を冷却したもどり冷媒を戻すとともに、前記過冷却
    器内の気体を排出して所定圧力を制御する液体冷媒の供
    給・排出方法において、 前記過冷却器内の低温液体冷媒を、該冷媒の三重点圧力
    より上の圧力であって前記容器内圧力より減圧して液体
    が固化しない状態で維持するとともに、前記容器内の液
    体冷媒を前記過冷却器内の熱交換器を介して前記低温液
    体冷媒と熱交換して過冷却状態にて冷却プローブに供給
    し、 前記もどり冷媒を前記過冷却器内に有する排気管の入口
    に設けられた絞り機構に噴射させて、前記過冷却器内に
    戻すとともに、前記過冷却器内の気体を前記排気管によ
    り排出することによって前記過冷却器内圧力を前記所定
    圧力に維持することを特徴とする液体冷媒の供給・排出
    方法。
  3. 【請求項3】 気体を液化した飽和状態の液体冷媒を、
    所定圧力下に容器内に維持しつつ冷却プローブに供給
    し、前記容器内の液体冷媒の温度より低く冷却されて維
    持されている低温液体冷媒を貯蔵した過冷却器内に被冷
    却体を冷却したもどり冷媒を戻すとともに、前記過冷却
    器内の気体を排出して所定圧力を制御する液体冷媒の供
    給・排出装置において、 前記液体冷媒を所定圧力下に貯蔵し供給する容器と、こ
    の容器内圧力より負圧にされるとともに、前記液体冷媒
    の三重点圧力より上の圧力であって前記液体冷媒が固化
    しない状態の圧力に維持され、前記容器内の前記液体冷
    媒より過冷にされた低温液体冷媒を貯蔵した過冷却器
    と、この過冷却器内に設けられた熱交換器とにより、前
    記液体冷媒を過冷却して前記冷却プローブに供給し、 前記もどり冷媒を前記過冷却器内にもどすもどり配管
    と、排気管入口を前記過冷却器内に有し前記過冷却器内
    の気体を排出する排出手段とにより、前記もどり冷媒を
    前記過冷却器内にもどすとともに前記過冷却器内の気体
    を排出し、前記過冷却器の圧力を所定の圧力に維持する
    ことを特徴とする液体冷媒の供給・排出装置。
  4. 【請求項4】 前記排出手段は排気管入口に乾き度検出
    機構を有し、この乾き度検出機構を介して前記過冷却器
    内の気体を排出するように構成してなる請求項3記載の
    液体冷媒の供給・排出装置。
  5. 【請求項5】 前記排出手段は、排気管入口に絞り機構
    を有し、前記もどり配管は、そのもどり冷媒出口を前記
    絞り機構と対面させ、前記もどり冷媒を前記絞り機構に
    噴射させて前記過冷却器内にもどすように構成してなる
    請求項3記載の液体冷媒の供給・排出装置。
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